(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261138
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】リベット取り付け機
(51)【国際特許分類】
B21J 15/28 20060101AFI20180104BHJP
B21J 15/00 20060101ALI20180104BHJP
B21J 15/16 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
B21J15/28 F
B21J15/00 U
B21J15/16 P
B21J15/16 L
B21J15/16 M
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-526581(P2015-526581)
(86)(22)【出願日】2013年8月1日
(65)【公表番号】特表2015-524356(P2015-524356A)
(43)【公表日】2015年8月24日
(86)【国際出願番号】US2013053201
(87)【国際公開番号】WO2014025608
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2016年7月12日
(31)【優先権主張番号】13/568,700
(32)【優先日】2012年8月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504075577
【氏名又は名称】ニューフレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】シュラフハウザー ジョセフ カール
【審査官】
石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−306115(JP,A)
【文献】
特開平11−063966(JP,A)
【文献】
米国特許第04676421(US,A)
【文献】
特開2007−061909(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3161632(JP,U)
【文献】
特開2008−173688(JP,A)
【文献】
特開平11−090575(JP,A)
【文献】
特開平02−235540(JP,A)
【文献】
米国特許第08146240(US,B2)
【文献】
米国特許第07559133(US,B2)
【文献】
米国特許第06789309(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 15/28
B21J 15/00
B21J 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延びるボアを含み、リベット取り付け前又は取り付け中に加工物接触位置に移動可能なノーズピースと、
前記ノーズピースの前記ボアを通って線形に後退位置と前進位置との間で移動するパンチと、
前記ノーズピースに対する前記パンチの位置を検知する線形変位センサと、
を含み、
前記線形変位センサは、前記パンチに直接取り付けられて前記パンチが前進及び後退方向に移動するとき該パンチとともに移動可能な第1のコンポーネントと、前記第1のコンポーネントとは別体に構成され、前記第1のコンポーネントに対向するように前記ノーズピース上に取り付けられた第2のコンポーネントとを含み、前記パンチが前記ノーズピースの前記ボアを通って移動するときに前記線形変位センサの前記第1及び第2のコンポーネントの間に生じる相対的な移動に対応する出力である位置信号を生じるように構成されており、
プログラム可能コントローラが設けられて、前記線形変位センサからの出力である前記位置信号に基づき、力検知、回転検知又は電流/電圧検知なしで、前記リベット取り付け中、前記ノーズピースに対する前記パンチの線形変位を判断するようになった、
ことを特徴とするリベット取り付け機。
【請求項2】
長手方向に延びるボアを含み、リベット取り付け前又は取り付け中に加工物接触位置に移動可能なノーズピースと、
リベットを前記ノーズピースに供給する供給装置と、
前記ノーズピースの前記ボアを通って後退位置と前進位置との間で線形移動するパンチと、
前記リベット取り付け中に、前記ノーズピースに対する前記パンチの位置を直接検知する、前記ノーズピースに隣接して配置された線形変位センサと、
前記パンチが前記ノーズピースに対して相対的に移動するときに前記パンチの作動を制御する、プログラム可能コントローラと、
を含み、
前記線形変位センサは、長手方向に細長い磁気スケール・コンポーネントと、磁気長さセンサ・コンポーネントとを備え、前記磁気スケール・コンポーネント及び前記磁気長さセンサ・コンポーネントの一方は、前記パンチに直接取り付けられ、他方は前記一方のコンポーネントに対向するように前記ノーズピースに取り付けられており、前記パンチが前記ノーズピースに対して相対的に動くとき、前記磁気スケール・コンポーネント及び前記磁気長さセンサ・コンポーネントの前記一方が前記他方に対して相対的に移動し、前記磁気長さセンサ・コンポーネントが前記磁気スケール・コンポーネントからの放射磁界を検出して前記線形変位センサの出力である位置信号を前記プログラム可能コントローラに送るようになった、
ことを特徴とするリベット取り付け機。
【請求項3】
前記磁気長さセンサ・コンポーネントは、磁気抵抗ホイートストーン・ブリッジを含むことを特徴とする請求項2に記載のリベット取り付け機。
【請求項4】
前記磁気スケール・コンポーネントが前記パンチに直接取り付けられたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のリベット取り付け機。
【請求項5】
前記線形変位センサは、前記ノーズピースに取り付けられた少なくとも1つのリミットスイッチを含み、
前記リミットスイッチは、前記パンチが該リミットスイッチを通り過ぎて移動するときに、該パンチから延びるように設けられたアーム又はピンとの物理的接触により作動させられ、これにより、前記リミットスイッチが、前記プログラム可能コントローラに送られる出力信号を変え、前記プログラム可能コントローラが前記パンチの作動を制御するように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載のリベット取り付け機。
【請求項6】
前記パンチは、ハンドルを備えたハウジング内に前進及び後退可能に配置され、
前記ハウジングには、金型が、前記ノーズピースから離間した位置で、前記パンチと位置合わせされた状態になるように連結され、
前記リベット取り付け中、前記ノーズピースは、前記金型と協働して加工物をクランプするように配置され、
前記ハンドルは、前記ハウジング、前記パンチ、前記ノーズピース及び前記金型に手持ち可搬性をもたらすことを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のリベット取り付け機。
【請求項7】
前記パンチは、ロボットにより作動させられるハウジング内に前進及び後退可能に配置され、
前記ハウジングには、金型が、前記ノーズピースから離間した位置で、前記パンチと位置合わせされた状態になるように連結され、
前記リベット取り付け中、前記ノーズピースは、前記金型と協同して加工物をクランプするように構成されたことを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のリベット取り付け機。
【請求項8】
前記プログラム可能コントローラは、前記パンチが前記ノーズピースに対して動くとき前記パンチの作動を制御するものであり、前記リミットスイッチは、前記ノーズピースの内部に取り付けられた
ことを特徴とする、請求項5に記載のリベット取り付け機。
【請求項9】
前記リミットスイッチは、前記アーム又はピンとの物理的接触により作動させられたとき、前記プログラム可能コントローラに送られる出力信号を変え、前記プログラム可能コントローラが、変えられた該出力信号に基づいて前記パンチの作動を制御するように構成されたことを特徴とする、請求項5に記載のリベット取り付け機。
【請求項10】
前記パンチを前記後退位置から前記前進位置であるリベット取付位置に動かすアクチュエータをさらに備え、
前記プログラム可能コントローラは、前記アクチュエータに接続されており、
前記線形変位センサの出力信号を用いて、所望の取り付け位置信号に応じて、前記パンチが、オーバーフラッシュのリベット取付位置又はアンダーフラッシュのリベット取付位置に意図的に動くようにするソフトウェア命令が、前記プログラム可能コントローラのメモリ内に格納された、
ことを特徴とする、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のリベット取り付け機。
【請求項11】
電気モータと、
前記電気モータの回転運動を線形運動に変換する動力伝達装置と、
前記パンチを前記動力伝達装置に連結して、前記電気モータの順方向励磁及び逆方向励磁に応答して、前記パンチに後退運動及び前進運動を与えるレシーバと、
をさらに含み、
前記線形変位センサの前記磁気スケール・コンポーネント及び前記磁気長さセンサ・コンポーネントの前記一方は、前記パンチの凹部内に配置されており、
前記プログラム可能コントローラは、前記線形変位センサからの出力である前記位置信号のみに基づいて、前記パンチの所望の最大前進位置を判断するように構成された
ことを特徴とする、請求項2に記載のリベット取り付け機。
【請求項12】
電気モータと、
前記電気モータの回転運動を線形運動に変換する動力伝達装置と、
前記パンチを前記動力伝達装置に連結して、前記電気モータの順方向励磁及び逆方向励磁に応答して、前記パンチに後退運動及び前進運動を与えるレシーバと、
をさらに含み、
前記線形変位センサの前記第1のコンポーネントは、前記パンチの凹部内に配置されており、
前記プログラム可能コントローラは、前記線形変位センサからの出力である前記位置信号のみに基づいて、前記パンチの所望の最大前進位置を判断するように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載のリベット取り付け機。
【請求項13】
完全に取り付けられた状態で前記加工物の金型側表面を貫通して延びない自己穿孔リベットにより少なくとも2つの加工物を互いに接合するために使用されるものであることを特徴とする、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載のリベット取り付け機。
【請求項14】
流体駆動ピストンと、
前記パンチを前記流体駆動ピストンに連結する少なくとも1つのロッドと、
をさらに含み、
前記プログラム可能コントローラは、前記流体駆動ピストンの作動を制御するものである
ことを特徴とする、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載のリベット取り付け機。
【請求項15】
前記プログラム可能コントローラは、前記線形変位センサからの前記出力を用いて、第1の長さの第1のリベット及び前記第1の長さとは異なる長さの第2のリベットの両方についての前記パンチのリベット取付前進位置を制御することを特徴とする、請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載のリベット取り付け機。
【請求項16】
前記ノーズピースは、前記ハウジングに連結されており、
前記線形変位センサは、線形コードストリップと、発光ダイオードを備える光学エンコーダとを含み、前記線形コードストリップと光学エンコーダの一方が前記パンチに取り付けられる
ことを特徴とする、請求項6に記載のリベット取り付け機。
【請求項17】
前記パンチが前記後退位置から前記前進位置であるリベット取付位置に動くようにするアクチュエータをさらに含み、
前記プログラム可能コントローラは、前記アクチュエータに接続されており、
前記線形変位センサの前記第1のコンポーネントは細長い磁気スケールであり、前記第2のコンポーネントはホイートストーン・ブリッジを含む
ことを特徴とする、請求項1に記載のリベット取り付け機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、リベット取り付けに関し、より特定的には、リベット取り付け機内における線形変位検知に関する。
【背景技術】
【0002】
自動化され、ロボットで動くリベット取り付け機は周知である。自己穿孔リベットと共に用いる例示的な機械は、2012年4月3日付けでMauer他に付与された「リベット継手を形成するためのリベット取付けシステム及び方法」という名称の特許文献1、2009年7月14日付けでChitty他に付与された「リベット取付けシステム」という名称の特許文献2、及び2004年9月14日付けでKondoに付与された「自己穿孔型ロボット作動リベット取付けシステム」という名称の特許文献3に開示されている。これらの特許の全てを引用により本明細書に組み入れる。これらの先行特許は、当該分野において著しく進歩しているが、一部のより単純なリベット取り付け状況には、これらの従来の自動化された制御の複雑さが、必ずしも必要なわけではない。例えば、これらの従来の自動化された制御システムは、ロードセルによる力検知、電気モータ電流、及び/又は電圧検知など、多くの動作を検知及び比較するため、必ずしも、各リベット取り付けサイクルに対して望まれるほど速くないことが多い。
【0003】
別の従来の装置が、2005年10月4日付けでClewに付与された「締結具挿入装置及び方法」という名称の特許文献4に開示されており、該文献は、引用により本明細書に組み入れられる。Crewの特許文献4の9欄、20〜25行目は、「線形アクチュエータのシリンダ部の速度を維持し、位置センサ又は力センサに依存せずに、リベット挿入工程に所定量のエネルギーを伝える本方法により、これらの制御の問題が排除される。」と述べている。従って、Clewは、位置センサを使用せずに、代わりに角速度エンコーダを使用することを教示し、この角速度エンコーダの使用は、電気モータ制御に基づく間接的測定であるため、コンポーネント公差のばらつき、及び滑車、ベルト、軸、プランジャと関連したコンポーネントのがたつき隙間の全てを含む、異なるレベルの複雑さを付加し、これにより不正確さがもたらされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8,146,240号明細書
【特許文献2】米国特許第7,559,133号明細書
【特許文献3】米国特許第6,789,309号明細書
【特許文献4】米国特許第6,951,052号明細書
【発明の概要】
【0005】
本発明によると、リベット取り付け機が提供される。別の態様において、線形変位センサが、リベット取り付け機のノーズピースに対するリベット取付パンチの位置を直接検知及び検出する。さらに別の態様は、制御システムと、プログラム可能コントローラが用いる、パンチ及びノーズピースの相対位置を検知するためのソフトウェア命令とを提供して、力センサ、モータ電流/電圧センサ、又は回転センサを使用せずに、リベット取り付け位置を決定し、監視する。リベット取り付け機を動作させる方法も提供される。
【0006】
本リベット取り付け機は、従来の装置と比べて有利である。例えば、一態様において、本機械、システム及び方法は、検知される値がより単純であり、必要とされる計算がより少ないため、ずっと速いリベット取り付けサイクル時間が可能になる。さらに、有利なことに、本機械、システム及び方法は、直接的な線形変位測定を用いるため、より正確である。有利なことに、別の態様は、ノーズピースに隣接した線形変位センサを取り付け、この線形変位センサは、多数のコンポーネントの公差及び動きのばらつきを回避することにより、直接測定及び正確さを改善し、これにより、リベットのヘッド・加工物間の面一性状態を判断及び/又は変える際に、ノーズピースによりクランプされた加工物に対する直接的パンチ位置測定が与えられる。本発明の付加的な利点及び特徴は、添付の図面と共に、以下の説明及び添付の特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明のリベット取り付け機のロボットによる実施形態を示す斜視図である。
【
図2】リベット取り付け機を示す、
図1の線2−2に沿って取った断面図である。
【
図3】第1の位置にあるリベット取り付け機を示す、同じく
図1の線2−2に沿って取った拡大断面図である。
【
図4】第2の位置にあるリベット取り付け機を示す、同じく
図1の線2−2に沿って取った拡大断面図である。
【
図5】リベット取り付け機の手持ち式の実施形態を示す断面図である。
【
図6】いずれの実施形態のリベット取り付け機にも用いられる磁気式線形変位センサを示す線図である。
【
図7A】いずれの実施形態のリベット取り付け機にも用いられる、自己穿孔リベットを加工物内に取り付けられるのに用いられる動きを示す、一連の断面の線図である。
【
図7B】いずれの実施形態のリベット取り付け機にも用いられる、自己穿孔リベットを加工物内に取り付けられるのに用いられる動きを示す、一連の断面の線図である。
【
図7C】いずれの実施形態のリベット取り付け機にも用いられる、自己穿孔リベットを加工物内に取り付けられるのに用いられる動きを示す、一連の断面の線図である。
【
図8】いずれの実施形態のリベット取り付け機にも用いられる、ソフトウェア命令についての論理フロー図である。
【
図9】いずれの実施形態のリベット取り付け機にも用いられる、代替的なリミットスイッチ、線形変位センサを示す、電気概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1−
図4は、ハウジング13と、C型フレーム15と、アクチュエータ17と、プログラム可能コントローラ19と、リベット供給装置21及び23と、自動的に移動可能な関節接合ロボット25とを含むリベット取り付け機11の第1の実施形態を示す。C型フレーム15は、1つ又はそれ以上の線形摺動機構27を通じて間接接合ロボットのアームに連結される。同様に、C型フレーム15の一端はハウジング13に取り付けられるが、C型フレーム15の反対端は金型29を保持する。ハウジング13は、1つ又はそれ以上の外側保護カバーを含む。
【0009】
アクチュエータ17は、好ましくは電気モータであり、該電気モータは、動力伝達装置の1組の歯車41、43及び45を回転させる役割を果たす。歯車45の回転は、長手方向に細長いスピンドル49を、歯車45(ナットとも呼ばれる)とスピンドル49との間のねじ付き界面を通って、金型29に向かって及び金型29から離れるように線形駆動させる役割を果たす。さらに、レシーバ・ロッド51が、スピンドル49の前端に連結され、該レシーバ・ロッド51の前端には、ラムとしても知られるパンチ・ロッド53が連結される。従って、電気モータ・アクチュエータ17の励磁に従い、パンチ53は、レシーバ・ロッド51及びスピンドル49と共に長手方向に線形に前進及び後退する。リベット取り付け中、軽コイル圧縮ばね55及び強コイル圧縮ばね57は、ノーズピース61を前進させて、金属薄板加工物63及び65を、金型29の上面に対してクランプする役割を果たす。加工物63及び65は、好ましくは、アルミニウム製自動車車両パネルであるが、代わりに鋼材としてもよい。
【0010】
個別に供給される1組の自己穿孔リベット81は、空気圧によって振動ボウル供給装置21及び23から細長いホース又は他の導管83を通って押し出され、ノーズピース61の横方向通路85内に受けられる。
図3の供給されたリベット及び後退したパンチ位置に見られるように、各自己穿孔リベット81は、圧縮ばね及び弾性緩衝装置89によって付勢されるピボット・フィンガー87を超えて横方向に移動し、各リベット81が、パンチ53と位置合わせされた供給位置に保持された後の方向逆転を防止する。コントローラ19に接続された近接センサ91は、リベットがこの供給位置に受けられたどうかを示す。その後、コントローラ19の非一時的RAM、ROM又は取り外し可能メモリ内に格納されたソフトウェア命令93をマイクロプロセッサ内で実行して、電気モータ・アクチュエータ17を励磁して前進させる。従って、パンチ53は、リベット81のヘッドを、加工物63及び65、並びに金型29に向かって押す。
【0011】
ここで
図3、
図4及び
図6を参照すると、線形変位センサ101が、ノーズピース61に隣接して取り付けられ、ノーズピース61に対するパンチ53の線形位置を直接検出し、検知する。この測定及び検知は、従来の力検出ロードセル、電気モータ電流及び/又は電圧センサによる検知、遠隔に配置された送電部品の回転検知、又はさらに加速度検知を付加的に必要とすることなく、この単一のセンサ101によって行われる。さらに、線形変位センサ101は、好ましくは磁気長さセンサであり、第1のセンサ・サブコンポーネント103は、ノーズピース61の内部キャビティ又は表面に取り付けられるが、第2のセンサ・サブコンポーネント105は、パンチ53の外部キャビティ又は表面に取り付けられる。本明細書で用いられる場合、「センサ」又は「検出器」は、コンポーネント103及び105の両方を含むことが意図される。また、本明細書で用いられる「ノーズピース」は、供給されたリベットを横方向に受け取り、パンチ前進前にリベットを保持し、加工物の上面に対して直接クランプする1つ又はそれ以上の組立体コンポーネントを含むことが意図される。
【0012】
より具体的には、センサ・コンポーネント103は、好ましくは、横方向オフセットにより2つの位相シフト信号を生成する一対の磁気抵抗ホイートストン・ブリッジを含み、そこで磁極ストライプが意図された磁極ピッチを満たす。さらに、センサ・コンポーネント105は、その間に反対向きの磁界を有する交互するセクションを有する長手方向に細長い磁気スケールである。コンポーネント105に沿ったコンポーネント103の摺動(ノーズピースに対するパンチの前進又は後退等)により、それらの間の位置の関数としてサイン及びコサイン出力信号が生成される。理想的には、コンポーネント103の縁部とコンポーネント105との間の空隙は、磁極ピッチの半分を超えない。センサ動作原理は、異方性磁気抵抗効果に基づくので、信号振幅は、磁界強度とほぼ関係がなく、従って、空隙のばらつきが精度に大きな影響を及ぼすことはない。コンポーネント103は、放射磁界を検出し、従って、同種の浮遊磁界の影響をほとんど受けない。正確な変位値は、サイン/コサイン・デコーダを用いてアーカイブに入れられる。センサ・コンポーネント103は、出力信号を、パンチ53対ノーズピース61の相対線形位置を示すプログラム可能コントローラ19(
図1参照)に動作可能に伝送する。1つのそうした磁気長さセンサ組立体は、バージニア州Hampton所在のMeasurement Specialties,Inc.から得ることができる。代替的に、コンポーネント105は、パンチ53に取り付けられた状態で示され、センサ・コンポーネント103はノーズピースに61に取り付けられた状態で示されるが、リベット取り付け機内で利用可能なパッケージング空間及び接続された回路のアクセス可能性に応じて、これらを反転させ得ることを理解されたい。
【0013】
代替的な実施形態のセンサ組立体101は、ノーズピース61の一部分に取り付けられた単一の発光ダイオード(LED)を含む光学エンコーダ・モジュールと、ノーズピース61の反対部分に固定された検出器集積回路とを採用し、線形コード・ストリップは、エミッタと検出器との間を動く。コード・ストリップは、それらと共に線形に移動するために、パンチのある側から横方向に突出する。LEDが発する光は、LEDの真上に位置する単一のレンズにより平行ビームとなる。さらに、検出器集積回路は、多数の組の光検出器と、デジタル波形の生成に必要な信号処理回路とを含む。コード・ストリップはエミッタと検出器との間で移動するので、光ビームは、コード・ストリップ上の空間及びバーのパターンにより中断される。光検出器は、これらの中断を検出し、コード・ストリップのカウント密度に対応するパターンで配置される。これらの検出器はまた、1対の検出器上の明期が、隣接する対の光検出器上の暗期に対応するようにも離間される。光ダイオード出力は、信号処理回路を通して与えられ、2つの比較器が信号を受け取り、ノーズピースに対するパンチの位置を示すプログラム可能コントローラに送られる最終出力を生成する。1つのそうした光学エンコーダ・モジュールは、モデル番号HEDS−973xとしてAgilent Technologiesから取得することができる。
【0014】
図9は、電気回路113を通じてプログラム可能コントローラに接続された1つ又はそれ以上のリミットスイッチ111を含むさらに別のより簡単化された線形変位センサを示す。リミットスイッチ111は、ノーズピース61の内側に取り付けられ、パンチ53の外側から横方向に延びるアーム又はピンは、リミットスイッチ・センサ111を物理的に又は磁気的に開閉し、これにより回路113が、出力の変化をコントローラ19に伝え、該コントローラ19は、パンチとノーズピースとの間の相対位置の変化を示す。それにもかかわらず、リミットスイッチ・センサ111は、有利なことに、部品コストを有利に低減し、以下に説明されるよりより軽量の手持ち式の実施形態に適しており、磁気長さセンサ及び光学センサは、パンチ取り付け位置の調整を可能にする、自動ロボット式リベット取り付け機の実施形態により適している。
【0015】
ここで、
図4、
図7A−
図7C及び
図8を参照して、リベット取り付け及び制御論理をより詳細に説明する。加工物の厚さ又は操作者が所望する接合特性に応じて、同じリベット取り付け機11を用いて、2つ又はそれ以上の異なる長さ(又は代替的に、材料若しくは構成)の自己穿孔リベット81を取り付けることができる。さらに、操作者は、加工物63のパンチ側平面と面一状態で、リベット81の外側ヘッドが名目上パンチ側平面より下方になるオーバーフラッシュ、又はリベット81のヘッドが加工物63から僅かに盛り上がり突出するアンダーフラッシュ状態で、リベットの外側ヘッド表面を取り付けることを望むことがある。各加工物接合部を自動的にリベット取り付けするために、一般的には、これらの所望の面一性特性及びリベット特性は、プログラム可能コントローラ・メモリに予めプログラムされる。従って、リベット取り付け機が、リベット取り付けされる新しい接合領域と位置合わせされると、ソフトウェア命令及びマイクロプロセッサは、予め格納されたメモリ・データからこれらの所望の特性を自動的に検索し、適切な供給装置に、所望の長さの自己穿孔リベット81をノーズピース61に送らせる。次いで、コントローラ・ソフトウェア命令は、電気モータ・アクチュエータを励磁して、パンチ53が、所望のリベット取り付け位置(
図4及び
図7Cに示されるような)に前進するようにする。
【0016】
この所望のリベット取り付け/最大前進パンチ位置は、所望のリベット長さとは無関係であり、所望の面一性状態に依存する。本システムは(ロボット制御式でも又は手動保持式でも)、ユーザが、多数のリベット長さ及び加工物材料積重ね体の厚さ(又は量)をリベット取付工具に供給し、1つのオフセット・プログラム入力(例えば、面一取り付けが望ましい)により、各々に対する個々のプログラム又は入力調整を必要とせずに、リベット長さと加工物積重ね体のあらゆる組み合わせを取り付けることを可能にし、パンチの前端がノーズピースの前端と同じ高さであれば、良好なリベット/接合部が形成される。これにより、リベット及び加工物寸法の柔軟性が大きくなり、取り付けサイクル速度が高まり、機械及びソフトウェアが簡単化される。従って、線形変位センサ101は、コントローラ・ソフトウェアが使用する唯一の検知及び検出信号であり、所望のパンチ位置に到達したかどうかを判断し、到達した場合、コントローラ19は、電気モータ・アクチュエータを非励磁状態にし、次に逆方向にして、パンチ53を後退させ、次の加工物の接合のために次のリベットをノーズピースに供給する。この場合も、非常に迅速で直接的なパンチ・ノーズピース間の線形変位監視のために、力の検知も、電気モータの電流又は電圧の検知も、2次遠隔検知等も必要としない。さらに、リベット長さを検知し、取り付け場所を決定し、取り付け位置に到達したことを検証する必要がない。それにもかかわらず、パンチ53の所望の位置に到達しない、又は実際には所望の取り付け位置を通過した場合には、センサ・コンポーネント103からプログラム可能コントローラ19に関連した信号が送られ、ソフトウェア命令が、故障メッセージ/警告灯を表示し、随意的にリベット取り付け機を停止する。センサ・コンポーネント103により検知されるように許容可能な接合部が形成された場合、許容可能接合部のメッセージを、コントローラの出力画面121(
図1参照)上に表示し、メモリ内で追跡して統計的履歴監視を行う。
【0017】
有利なことに、自己穿孔リベット81は、加工物63及び65の他の固体表面を通って自己穿孔することも理解されたい。取り付け中、リベット81が金型側加工物65を通って移動するにつれて、金型の形状により、リベット81の前方の管状中空テーパ端部が長手方向中心線から離れるように外方に広がる。完全取り付け位置では、自己穿孔リベット81は、金型側加工物65を完全に貫通することが防止され、従って、金型29に直接接触できない。本明細書に開示される実施形態においては、金型29は、常に、パンチ53と位置合わせされ、加工物は、パンチ53と金型29との間のC型フレーム15内の開口部に入らなければならない。
【0018】
図5は、手持ち式携帯型リベット取り付け機301を示す。この手持ち式機械301は、線形に動くパンチ303と、ノーズピース305と、金型307と、上記に既述した自動化されたロボットの実施形態のものと非常に類似しているC型フレーム309とを有する。さらに、リベット取り付け中、操作者が、この携帯型リベット取り付け機301を保持するのを可能にするように、C型フレーム309又はハウジング313のいずれか又は両方にハンドル311が設けられる。線形変位センサ321が、ノーズピース305に隣接して取り付けられ、上記に既述したように動作する。操作者がトリガボタン又は作動ボタンを押して、コントローラにアクチュエータを励磁させる。
【0019】
入力ボタン325及びディスプレイ画面327を含むプログラム可能コントローラ323が、ハウジング313の外面に取り付けられる。流体駆動ピストン・アクチュエータ331が、ピストン・チャンバ333内で長手方向に前進及び後退する。油圧又は空気圧リザーバ335が、ポート337を通じてチャンバ333と流体連通し、ピストン331を動かし、レシーバ・ロッド339及びパンチ303を動かす。流体ポンプ・アクチュエータ341は、油圧又は空気圧流体を動かすためにハウジング313内に配置され、励磁のためにコントローラ323に接続される。電気バッテリ343もまた、リベット取り付け機301に取り付けられる。バッテリは、随意的に、再充電可能であり、及び/又は、機械から取り外し可能である。時間がかかり高価で重い、ロードセル・センサ、電気モータ・レゾルバ等の使用は望ましくないことがあるので、直接的線形変位検知及び制御論理は、理想的には、より軽量で簡単な
図5の手持ち式ユニットに適している。
【0020】
本リベット取り付け機の種々の実施形態が開示されたが、他の変形も可能であることを理解されたい。例えば、リベット取り付け機の動力伝達装置は、開示される減速ギアの代わりに又はこれに加えて、滑車及びベルトを使用することができる。さらに、リベット取り付け機、制御システム及び線形変位センサ配列を用いて、他のタイプのリベットを取り付けることができるが、自己穿孔リベットの多くの利点を実現することはできない。幾つかの変形は、電気モータの電流及び/又は電圧検知、及び/又は動力伝達装置の回転検知を用いることができるが、パンチ及びリベット取り付け位置の決定及び検知において、こうした余分の検知機能を使用することが望ましくないことも理解されたい。手持ち式機械又はさらにロボット機械において、リベット及び面一性特性は、予めプログラムするのではなく、手動で入力できるが、大量のリベット取り付け状況では、これにより工程が遅延することがある。1つの実施形態の構成及び機能のいずれかを、ロボット機械に対する流体作動の使用、及び手持ち式機械の電磁作動の使用といった、本明細書で開示される他の実施形態のいずれかと組み合わせ、適合させることができる。従って、こうした変形は、本開示からの逸脱とみなすべきではなく、全てのこうした修正は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0021】
11、301:リベット取り付け機
13、313:ハウジング
15、309:C型フレーム
17:アクチュエータ
19、323:プログラム可能コントローラ
21、23:リベット供給装置
25:ロボット
27:線形摺動機構
29、307:金型
49:スピンドル
51:レシーバ・ロッド
53、303:パンチ
55、57:ばね
61、305:ノーズピース
63、65:加工物
81:自己穿孔リベット
91:近接センサ
93:ソフトウェア命令
101、321:線形変位センサ
103、105:コンポーネント
111:リミットスイッチ
113:電気回路
311:ハンドル
325:入力ボタン
327:ディスプレイ画面
331:ピストン
333:ピストン・チャンバ
343:バッテリ