(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261202
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】FRP成形品の製造方法およびFRP成形品
(51)【国際特許分類】
B29C 43/18 20060101AFI20180104BHJP
B29C 70/10 20060101ALI20180104BHJP
B32B 5/28 20060101ALI20180104BHJP
B29K 101/12 20060101ALN20180104BHJP
【FI】
B29C43/18
B29C70/10
B32B5/28 A
B29K101:12
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-135231(P2013-135231)
(22)【出願日】2013年6月27日
(65)【公開番号】特開2015-9396(P2015-9396A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2016年6月6日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成25年度、経済産業省、「戦略的基盤技術高度化支援事業(熱可塑性CFRP材による風力発電用ブレードの、中空構造ハイサイクル成形及び溶着技術に係る研究開発)」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】309034515
【氏名又は名称】天龍コンポジット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079968
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 光司
(72)【発明者】
【氏名】西尾 哲也
【審査官】
田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】
特開平7−156145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 43/18
B29C 70/10
B32B 5/28
B29K 101/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリックス樹脂を熱可塑性樹脂としたFRP成形品の製造方法であって、
サーフェスマット上に、強化繊維としての、短繊維からなる不連続強化繊維が、熱可塑性樹脂にランダムに分散した、熱可塑性樹脂と前記不連続強化繊維とを含む、シート状のFRP素材としての第1のFRP素材を、重なるように載せ、
さらに、少なくとも、
強化繊維としての、長繊維からなる連続強化繊維が、一方向あるいはクロスするように配置されて熱可塑性樹脂が含浸した、熱可塑性樹脂と前記連続強化繊維とを含む、シート状のFRP素材としての第2のFRP素材を、重なるように載せて、
それらサーフェスマットとFRP素材とを、加熱装置を用いて加熱し、
前記FRP素材を前記サーフェスマットに載せたまま、搬送してプレス機の金型にセットし、
そのプレス機を用いて、重なった前記FRP素材と前記サーフェスマットとを加圧することで、
前記第1のFRP素材の熱可塑性樹脂が前記サーフェスマットに浸透し、前記第1のFRP素材と前記サーフェスマットが一体化して、前記強化繊維と前記サーフェスマットとが熱可塑性樹脂により一体化してなるFRP成形品を製造する、FRP成形品の製造方法。
【請求項2】
マトリックス樹脂を熱可塑性樹脂としたFRP成形品であって、
前記熱可塑性樹脂と強化繊維とを含むFRP素材と、表面側のサーフェスマットとを有し、
前記サーフェスマット上に、前記強化繊維としての、短繊維からなる不連続強化繊維が、熱可塑性樹脂にランダムに分散した、前記FRP素材としての第1のFRP素材が重なり、
さらに、少なくとも、
前記強化繊維としての、長繊維からなる連続強化繊維が、一方向あるいはクロスするように配置されて熱可塑性樹脂が含浸した、前記FRP素材としての第2のFRP素材が重なり、
前記第1のFRP素材の熱可塑性樹脂が前記サーフェスマットに浸透し、前記第1のFRP素材と前記サーフェスマットが一体化して、前記強化繊維と前記サーフェスマットとが熱可塑性樹脂により一体化してなる、FRP成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コストを下げることができる、FRP成形品の製造方法およびFRP成形品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、FRP成形品は、そのマトリックス樹脂を熱硬化性樹脂としたものが一般的であり、強化材としては、ガラスクロス、ガラスマットとか、ガラスサーフェスマット、カーボンサーフェスマット等が用いられていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平5−54422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記従来のFRP成形品は、マトリックス樹脂を熱硬化性樹脂としていたため、その製造に手間と時間がかかり、コスト高となっていた。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、生産性を高めてコストを下げることができる、FRP成形品の製造方法およびFRP成形品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るFRP成形品の製造方法およびFRP成形品は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係るFRP成形品の製造方法は、マトリックス樹脂を熱可塑性樹脂としたFRP成形品の製造方法であって、サーフェスマット上に、
強化繊維としての、短繊維からなる不連続強化繊維が、熱可塑性樹脂にランダムに分散した、熱可塑性樹脂と前記不連続強化繊維とを含む、シート状のFRP素材としての第1のFRP素材を、重なるように載せ、さらに、少なくとも、強化繊維としての、長繊維からなる連続強化繊維が、一方向あるいはクロスするように配置されて熱可塑性樹脂が含浸した、熱可塑性樹脂と前記連続強化繊維とを含む、シート状のFRP素材としての第2のFRP素材を、重なるように載せて、それらサーフェスマットとFRP素材とを、加熱装置を用いて加熱する。その後、前記FRP素材を前記サーフェスマットに載せたまま、搬送してプレス機の金型にセットする。そして、そのプレス機を用いて、重なった前記FRP素材と前記サーフェスマットとを加圧することで、
前記第1のFRP素材の熱可塑性樹脂が前記サーフェスマットに浸透し、前記
第1のFRP素材と前記サーフェスマットが一体化して、前記強化繊維と前記サーフェスマットと
が熱可塑性樹脂により一体化してなるFRP成形品を製造する。
【0007】
このFRP成形品の製造方法によると、熱可塑性樹脂と強化繊維とを含むシート状のFRP素材をプレス機で加圧するに先立ち、そのFRP素材を加熱装置で予め加熱しておくことで、プレス機での加熱時間を減らす、あるいは無くして、FRP成形品の製造のサイクルタイムを低減することができる。そして、加熱装置では、FRP素材をサーフェスマット上に重なるように載せて加熱し、プレス機へは、その載せた状態で搬送し、そのサーフェスマットと一緒にFRP素材を金型にセットする。これにより、加熱して熱可塑性樹脂が溶けたFRP素材の金型へのセットが容易となる。しかも、重なったFRP素材とサーフェスマットをプレス機で加圧して、サーフェスマットをFRP成形品の一部とすることで、FRP素材を、例えば耐熱フィルムに載せて搬送および金型にセットすることを採用した場合と異なり、搬送に用いた表面側のサーフェスマットをプレス成形後に取り除く必要がなく、その手間を省くことができる。
また、FRP素材としては、短繊維からなる不連続強化繊維が熱可塑性樹脂にランダムに分散した第1のFRP素材と、長繊維からなる連続強化繊維が一方向あるいはクロスするように配置されて熱可塑性樹脂が含浸した第2のFRP素材とが用いられる。そこで、第1のFRP素材の熱可塑性樹脂がサーフェスマットに浸透し、第1のFRP素材とサーフェスマットが一体化する。そして、第2のFRP素材においては、連続強化繊維が一方向あるいはクロスするように配置されているため、FRP成形品の強度を十分に確保することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係るFRP成形品は、マトリックス樹脂を熱可塑性樹脂としたFRP成形品であって、前記熱可塑性樹脂と強化繊維とを含むFRP素材と、表面側のサーフェスマットとを有
する。ここで、FRP成形品は、前記サーフェスマット上に、前記強化繊維としての、短繊維からなる不連続強化繊維が、熱可塑性樹脂にランダムに分散した、前記FRP素材としての第1のFRP素材が重なり、さらに、少なくとも、前記強化繊維としての、長繊維からなる連続強化繊維が、一方向あるいはクロスするように配置されて熱可塑性樹脂が含浸した、前記FRP素材としての第2のFRP素材が重なる。そして、FRP成形品は、前記第1のFRP素材の熱可塑性樹脂が前記サーフェスマットに浸透し、前記
第1のFRP素材と前記サーフェスマットが一体化して、前記強化繊維と前記サーフェスマットと
が熱可塑性樹脂により一体化してな
る。
【0009】
このFRP成形品によると、マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂であって、表面側にサーフェスマットを有することから、
FRP素材を、このサーフェスマット上に重なるように載せて、加熱装置で加熱し、その載せた状態で、プレス機に搬送し金型にセットし加圧することができる。こうして、プレス機での加熱時間を減らす、あるいは無くして、FRP成形品の製造のサイクルタイムを低減することができ、また、加熱して
熱可塑性樹脂が溶けたFRP素材を容易に金型にセットすることができ、さらには、サーフェスマットをFRP成形品の一部とすることで、
FRP素材を、例えば耐熱フィルムに載せて搬送および金型にセットすることを採用した場合と異なり、搬送に用いたサーフェスマットをプレス成形後に取り除く必要がなく、その手間を省くことができる。
また、FRP素材としては、短繊維からなる不連続強化繊維が熱可塑性樹脂にランダムに分散した第1のFRP素材と、長繊維からなる連続強化繊維が一方向あるいはクロスするように配置されて熱可塑性樹脂が含浸した第2のFRP素材とが用いられる。そこで、第1のFRP素材の熱可塑性樹脂がサーフェスマットに浸透し、第1のFRP素材とサーフェスマットが一体化する。そして、第2のFRP素材においては、連続強化繊維が一方向あるいはクロスするように配置されているため、FRP成形品の強度を十分に確保することができる。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係るFRP成形品の製造方法およびFRP成形品によれば、マトリックス樹脂を熱可塑性樹脂としたFRP成形品において、その表面側にサーフェスマットを配置することで、そのFRP成形品の生産性を高めることができ、コストを下げることができる。
また、不連続強化繊維がランダムに分散した第1のFRP素材の熱可塑性樹脂がサーフェスマットに浸透して、第1のFRP素材とサーフェスマットが一体化し、第2のFRP素材においては、連続強化繊維が一方向あるいはクロスするように配置されているため、FRP成形品の強度を十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】この発明の一実施の形態の、FRP素材とサーフェスマットとの重ね合わせの順序を示す模式図である。
【
図2】同じく、ブレードの概略の分解斜視図である。
【
図3】同じく、ブレードを横断する面での拡大端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明に係るFRP成形品の製造方法およびFRP成形品を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1〜
図3は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、マトリックス樹脂を熱可塑性樹脂としたFRP成形品を示す。
【0014】
このFRP成形品1の製造方法は、最初に、
図1に示すように、サーフェスマット2上に、熱可塑性樹脂と強化繊維4とを含むシート状のFRP素材3を重なるように載せて、それらサーフェスマット2とFRP素材3とを、加熱装置を用いて加熱する。その後、FRP素材3をサーフェスマット2に載せたまま、搬送してプレス機の金型にセットする。そして、そのプレス機を用いて、重なったFRP素材3とサーフェスマット2とを加圧することで、表面側にサーフェスマット2を有し、その内側に強化繊維4を有して、それら強化繊維4とサーフェスマット2とが熱可塑性樹脂により一体化してなるFRP成形品1を製造する。
【0015】
具体的には、FRP成形品1は、図示実施の形態では、風力発電用の風車におけるブレード5を構成する分割体5a、5a´である(
図2、
図3参照)。すなわち、二枚の分割体5a、5a´が、前記サーフェスマット2が外表面側となるようにして、厚み方向に重ね合わせられ、互いに接合されて、ブレード5が形成される。また、各分割体5a、5a´は、ブレード5の内側となる面に、リブ5b、5b´を有している。そして、両分割体5a、5a´を組み合わせた際には、それぞれのリブ5b、5b´が突き合わされる。また、両分割体5a、5a´のリブ5b、5b´の先端の適宜位置には、位置決め用の係合部5c、5c´(詳細には、凸部と凹部)が設けられ、両分割体5a、5a´を組み合わせた際に、それら係合部5c、5c´が互いに係合する。
【0016】
FRP素材3は、図示実施の形態においては、第1〜第3のFRP素材301、302、303で構成され、それらが、順にサーフェスマット2上に重ねられる(
図1参照)。第1のFRP素材301と第3のFRP素材303は、短繊維からなる不連続強化繊維4a(強化繊維4)が、熱可塑性樹脂にランダムに分散した不連続繊維強化シート体からなる。第2のFRP素材302は、長繊維からなる連続強化繊維4b(強化繊維4)が、一方向あるいはクロスするように配置されて、熱可塑性樹脂が含浸した連続繊維強化シート体からなる。特に、図示実施の形態においては、第2のFRP素材302は、長繊維からなる連続強化繊維4b(強化繊維4)が、一方向に配置されて、熱可塑性樹脂が含浸したUDシート体からなる。そして、このUDシート体からなる第2のFRP素材302は、その連続強化繊維4bがFRP成形品1である分割体5a、5a´(ブレード5)の長手方向を向くようにして配置される。また、分割体5a、5a´におけるリブ5b、5b´は、主に、第3のFRP素材303によって形成される。
【0017】
ここで、これらFRP素材3における強化繊維4は、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等からなり、第1〜第3のFRP素材301、302、303において、同一であっても、異なっていてもよい。また、熱可塑性樹脂としては、例えば、ナイロン6等のポリアミドとかポリエチレンテレフタレートとかのエンジニアリングプラスチック、その他ポリエチレン、ABS等が用いられる。
【0018】
サーフェスマット2は、短繊維(短繊維状にカットされたものも含む)あるいは長繊維からなる繊維材2aが無方向に配置されて形成された薄いシート状のマットである。このサーフェスマット2として、例えば、日東紡績株式会社製のフィラメントマット、MF30P104があり、このサーフェスマット2の繊維材2aとしては、ガラス繊維が用いられている。
【0019】
なお、FRP素材3は、加熱装置では、サーフェスマット2に載り、さらに、鉄板等からなる受け具(図示せず)に載置されており、その受け具ごとプレス機まで運搬される。そして、FRP素材3は、サーフェスマット2ごと、受け具からプレス機の金型へと移される。
【0020】
次に、以上の構成からなるFRP成形品1の製造方法およびFRP成形品1の作用効果について説明する。初めに、FRP成形品1の製造方法によると、熱可塑性樹脂と強化繊維4とを含むシート状のFRP素材3(図示実施の形態においては、第1〜第3のFRP素材301、302、303)をプレス機で加圧するに先立ち、そのFRP素材3を加熱装置で予め加熱しておくことで、プレス機での加熱時間を減らす、あるいは無くして、FRP成形品1の製造のサイクルタイムを低減することができる。
【0021】
そして、加熱装置では、FRP素材3をサーフェスマット2上に重なるように載せて加熱し、プレス機へは、その載せた状態で搬送し、そのサーフェスマット2と一緒にFRP素材3を金型にセットする。これにより、加熱して熱可塑性樹脂が溶けたFRP素材3の金型へのセットが容易となる。しかも、重なったFRP素材3とサーフェスマット2をプレス機で加圧して、サーフェスマット2をFRP成形品1の一部とすることで、FRP素材3を、例えばポリイミドフィルム等の耐熱フィルムに載せて搬送および金型にセットすることを採用した場合と異なり、搬送に用いた表面側のサーフェスマット2をプレス成形後に取り除く必要がなく、その手間を省くことができる。
【0022】
また、FRP成形品1によると、マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂であって、表面側にサーフェスマット2を有することから、前述したように、FRP素材3、つまり熱可塑性樹脂や強化繊維4を、このサーフェスマット2上に重なるように載せて、加熱装置で加熱し、その載せた状態で、プレス機に搬送し金型にセットし加圧することができる。こうして、プレス機での加熱時間を減らす、あるいは無くして、FRP成形品1の製造のサイクルタイムを低減することができ、また、加熱して溶けた熱可塑性樹脂と強化繊維4(FRP素材3)を容易に金型にセットすることができ、さらには、サーフェスマット2をFRP成形品1の一部とすることで、熱可塑性樹脂および強化繊維4(FRP素材3)を、例えばポリイミドフィルム等の耐熱フィルムに載せて搬送および金型にセットすることを採用した場合と異なり、搬送に用いたサーフェスマット2をプレス成形後に取り除く必要がなく、その手間を省くことができる。
【0023】
すなわち、このFRP成形品1の製造方法およびFRP成形品1によれば、マトリックス樹脂を熱可塑性樹脂としたFRP成形品1において、その表面側にサーフェスマット2を配置することで、そのFRP成形品1の生産性を高めることができ、コストを下げることができる。
【0024】
また、FRP素材3は、第1〜第3のFRP素材301、302、303で構成されている。ここで、サーフェスマット2に重ねられる第1のFRP素材301は、短繊維からなる不連続強化繊維4aが熱可塑性樹脂にランダムに分散したものであり、その内特に熱可塑性樹脂がサーフェスマット2に浸透し、FRP素材301とサーフェスマット2が一体化する。そして、内表面側に位置する第3のFRP素材303は、第1のFRP素材301と同様に、短繊維からなる不連続強化繊維4aが熱可塑性樹脂にランダムに分散したものであるため、このFRP素材303を構成する不連続強化繊維4aと熱可塑性樹脂で、リブ5b、5b´等の複雑な形状を容易に形成することができる。そして、これら第1および第3のFRP素材301、303に挟まれる第2のFRP素材302は、連続強化繊維4bが一方向あるいはクロスするように(図示実施の形態においては、一方向に)配置された連続繊維強化シート体からなるため、FRP成形品1の強度を十分に確保することができる。
【0025】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、サーフェスマット2の繊維材2aとしては、ガラス繊維が用いられているが、炭素繊維とかアラミド繊維などガラス繊維以外の繊維材を用いてもよい。
【0026】
また、第2のFRP素材302は、UDシート体からなるが、連続強化繊維4bからなる強化繊維4が、クロスするように配置されて、熱可塑性樹脂が含浸したクロスシート体からなっていてもよい。
【0027】
また、FRP素材3は、第1〜第3のFRP素材301、302、303において、いずれかが複数設けられてもよく、また、反対に、いずれかを取り除いてもよく、その組合せは任意である。また、これらFRP素材3に、熱可塑性樹脂を含まず強化繊維のみの繊維マットを組み合わせたり、強化繊維を含まず熱可塑性樹脂のみからなるシート材を組み合わせても構わない。
【0028】
また、FRP成形品1は、ブレード5を構成する分割体5a、5a´でなくとも、カバー等の覆い材とか、車両や航空機や船舶のボディや内装品を構成する部材とか、構造部材等であってもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 FRP成形品
2 サーフェスマット
3 FRP素材
301 第1のFRP素材
302 第2のFRP素材
303 第3のFRP素材
4 強化繊維
4a 不連続強化繊維
4b 連続強化繊維