特許第6261298号(P6261298)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6261298フェルール搬送装置、フェルール同心度測定装置、フェルール搬送方法、フェルール搬送プログラムおよび記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261298
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】フェルール搬送装置、フェルール同心度測定装置、フェルール搬送方法、フェルール搬送プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/248 20060101AFI20180104BHJP
   B65G 47/88 20060101ALI20180104BHJP
   G02B 6/36 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   B65G47/248 A
   B65G47/88 B
   G02B6/36
【請求項の数】9
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-244111(P2013-244111)
(22)【出願日】2013年11月26日
(65)【公開番号】特開2015-101452(P2015-101452A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100154863
【弁理士】
【氏名又は名称】久原 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(72)【発明者】
【氏名】小林 賢史
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−301952(JP,A)
【文献】 特開2003−207327(JP,A)
【文献】 特開平04−371415(JP,A)
【文献】 特開平03−238220(JP,A)
【文献】 特開2007−178980(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/22−47/32;47/78;47/88
G02B 6/24;6/255;6/36−6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部と後端部とを有するワークの方向を判定する方向判定部と、
前記ワークを保持部により保持しつつ、前記方向判定部の判定結果に応じて前記ワークを第一搬出口および第二搬出口のいずれか一方に移動させるワーク移動部と、
を備える方向制御装置を備え、
前記ワークは、フェルールであり、前記フェルールは、第一地点から第二地点まで搬送されるものであり、
前記第一地点と前記第二地点との間の搬送経路には、前記第一搬出口及び前記第二搬出口のいずれか一方から搬送された前記フェルールを待機させる待機機構が設けられ、
前記待機機構は、前記搬送経路を閉塞して前記フェルールの移動を規制する規制壁を有し、
前記規制壁は、所定のタイミングで前記搬送経路を開放し、前記フェルールの移動の規制を解除することを特徴とするフェルール搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフェルール搬送装置であって、
前記フェルールは、テーパ状の先端部と前記先端部よりも平坦面が多い後端部とを備え、
前記保持部は、鉛直上下方向に沿うように形成されており、
前記第一搬出口は、前記保持部に対して上側に備えられており、前記第二搬出口は前記保持部に対して下側に備えられており、
前記ワーク移動部は、
前記方向判定部の判定結果によって、前記保持部により保持された前記先端部が上側であると判定された場合には前記フェルールを前記第一搬出口まで移動させ、
前記方向判定部の判定結果によって、前記保持部により保持された先端部が下側であると判定された場合には前記フェルールを前記第二搬出口に移動させることを特徴とするフェルール搬送装置。
【請求項3】
請求項1に記載のフェルール搬送装置であって、
前記保持部は、鉛直上下方向に沿うように形成されていることを特徴とするフェルール搬送装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載のフェルール搬送装置であって、
前記第一搬出口および前記第二搬出口は、前記ワーク移動部の移動方向に並んで配置され、
前記保持部は、前記ワーク移動部の移動前において、前記第一搬出口と前記第二搬出口との間に設けられていることを特徴とするフェルール搬送装置。
【請求項5】
請求項1に記載のフェルール搬送装置であって、
前記待機機構は、
待機中の前記フェルールを格納するとともに、前記規制壁に対して相対移動可能に設 けられ、前記フェルールの搬送方向における下流側の出口が前記規制壁により開閉され る格納部と、
前記格納部よりも前記搬送方向の上流側に設けられ、前記フェルールを前記格納部か ら押し出す押出部材と、
を備え、
前記押出部材は、前記規制壁と前記格納部との相対移動により前記下流側の前記出口が開放された後、前記フェルールを前記格納部から押し出すことにより、前記フェルールの移動の規制を解除することを特徴とするフェルール搬送装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のフェルール搬送装置を備えたことを特徴とするフェルール同心度測定装置。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載のフェルール搬送装置を利用したフェルール搬送方法であって、
前記フェルールの向きを判定する方向判定工程と、
前記フェルールを前記ワーク移動部の前記保持部により保持しつつ、前記方向判定工程の判定結果に応じて前記フェルールを前記第一搬出口および前記第二搬出口のいずれか一方に移動させるフェルール移動工程と、
前記搬送経路を閉塞して前記フェルールの移動を規制する規制工程と、
所定のタイミングで前記搬送経路を開放し、前記フェルールの移動の規制を解除する解除工程と、
を有することを特徴とするフェルール搬送方法。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか1項に記載のフェルール搬送装置のコンピュータに、
前記フェルールの向きを判定する方向判定工程と、
前記フェルールを前記ワーク移動部の前記保持部により保持しつつ、前記方向判定工程の判定結果に応じて前記フェルールを前記第一搬出口および前記第二搬出口のいずれか一方に移動させるフェルール移動工程と、
前記搬送経路を閉塞して前記フェルールの移動を規制する規制工程と、
所定のタイミングで前記搬送経路を開放し、前記フェルールの移動の規制を解除する解除工程と、
を実行させることを特徴とするフェルール搬送プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のフェルール搬送プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、方向制御装置、フェルール搬送装置、フェルール同心度測定装置、フェルール搬送方法、フェルール搬送プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光ファイバの芯線の端面を位置合わせしながら光ファイバ同士を接続するための部材として、フェルールが用いられている。フェルールは、その中心軸に沿って貫通孔が形成された円筒状部材であり、光ファイバの芯線を貫通孔内に挿通させた状態で例えば光コネクタ部品に装着される。したがって、芯線の端面を正確に位置合わせしながら光ファイバ同士を接続するためには、フェルールの外径に対する内径の同心度が高いレベルで要求されている。
この同心度とは、基準円(データム円)の中心に対する対象円(例えば、実際に測定された円形状)の中心の誤差(位置の狂い)の大きさ、と一般的に定義されている。この点は、日本工業規格(JIS)のJIS規格番号(B0021)にも同様の定義がされている。
【0003】
したがって、一般には、複数のフェルールを製造した後、各フェルールについて同心度の測定を行い、製品としての良否判断や仕上がり精度毎に分類分け(レベル分け)を行っている。とりわけ、フェルールの同心度は、光ファイバの光学特性に影響を与えるとともに、光ファイバコネクタとしての性能を決定する要素である。したがって、フェルールには、同心度の精度が高いレベルで要求される。また、フェルールの同心度の測定は、特に重要な作業とされている。
【0004】
従来、フェルールの内径を測定する装置として、ワーク(フェルール)の一方端を撮像手段で撮像し、その画像データに基づいてワークの内径を測定する画像測定部と、ワークの他方端から圧縮エアを供給し、その背圧変化を検出することにより、ワークの内径を測定するエア測定部と、画像測定部による内径測定値とエア測定部による内径測定値とを比較し、両者が等しい場合に各内径測定値を真の内径値とする判定部と、を備えた内径測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1によれば、内径形状の影響を受けずに常に安定した正確な測定ができるとされている。
【0005】
ところで、同心度を測定するためには、フェルールを撮像した撮像画像を取得することが必要である。具体的には、フェルールを端面側から撮像して貫通孔の撮像画像を取得し、貫通孔が写った撮像画像に基づいて同心度の測定を行っている。
ここで、フェルールの種類によっては、端面の形状が両側で異なるものがあり、その形状に応じて一方端側から撮像した方がよいのか、あるいは他方端側から撮像した方がよいのかが変わる場合がある。したがって、この場合には、フェルールを所定方向に向けた状態で、測定台に搬送することが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−207327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術にあっては、判定部において搬送されるワークが所定方向を向いているか否かの判定を行っており、所定方向を向いていないワークについては、戻し口からストッカに戻されて再び判定部に搬送される。ところが、再度判定部において、ワークが所定方向を向いていない場合には、再び戻し口からストッカに戻され、三度判定部に搬送されることになる。すなわち、ワークが所定方向を向くまで延々と上記工程が繰り返されるため、ワークを所定方向に向けるための処理に時間を要するという点で改善の余地があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みたものであって、迅速にワークを所定方向に向けることができる方向制御装置、フェルール搬送装置、フェルール同心度測定装置、フェルール搬送方法、フェルール搬送プログラムおよび記録媒体の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の方向制御装置は、先端部と後端部とを有するワークの方向を判定する方向判定部と、前記ワークを保持部により保持しつつ、前記方向判定部の判定結果に応じて前記ワークを第一搬出口および第二搬出口のいずれか一方に移動させるワーク移動部と、を備えることを特徴としている。
【0010】
本発明によれば、方向判定部の判定結果に応じてワークを第一搬出口および第二搬出口のいずれか一方に移動させるワーク移動部を備えているので、ワークの向きに対応して、第一搬出口および第二搬出口のいずれか一方からワークを搬出できる。したがって、迅速にワークを所定方向に向けて搬送することができる。
【0011】
また、前記保持部は、鉛直上下方向に沿うように形成されていることを特徴としている。
【0012】
本発明によれば、ワークが自重により保持部内に入り込むことができる。したがって、迅速にワークを保持部に保持させることができる。
【0013】
また、前記第一搬出口および前記第二搬出口は、前記ワーク移動部の移動方向に並んで配置され、前記保持部は、前記ワーク移動部の移動前において、前記第一搬出口と前記第二搬出口との間に設けられていることを特徴としている。
【0014】
本発明によれば、保持部は、ワーク移動部の移動前において、第一搬出口と第二搬出口との間に設けられているので、第一搬出口と第二搬出口との間を最短距離で移動して、第一搬出口および第二搬出口のいずれか一方からワークを搬出できる。したがって、所定方向に向けたワークを迅速に搬出することができる。
【0015】
また、本発明のフェルール搬送装置は、上述の方向制御装置を備え、前記ワークは、フェルールであり、前記フェルールを第一地点から第二地点まで搬送することを特徴としている。
【0016】
本発明によれば、迅速にフェルールを所定方向に向けて第一地点から第二地点まで搬送することができる。
【0017】
また、前記第一地点と前記第二地点との間の搬送経路には、搬送中の前記フェルールを待機させる待機機構が設けられ、前記待機機構は、前記搬送経路を閉塞して前記フェルールの移動を規制する規制壁を有し、前記規制壁は、所定のタイミングで前記搬送経路を開放し、前記フェルールの移動の規制を解除することを特徴としている。
【0018】
本発明によれば、待機機構は、搬送経路を閉塞してフェルールの移動を規制する規制壁を有し、規制壁は、所定のタイミングで搬送経路を開放し、フェルールの移動の規制を解除するので、設定されたタイミングでフェルールを次工程に搬送することができる。したがって、その後のフェルールの扱いを容易なものとすることができ、例えば精度よくフェルールを撮像等することができる。
【0019】
また、前記待機機構は、待機中の前記フェルールを格納するとともに、前記規制壁に対して相対移動可能に設けられ、前記フェルールの搬送方向における下流側の出口が前記規制壁により開閉される格納部と、前記格納部よりも前記搬送方向の上流側に設けられ、前記フェルールを前記格納部から押し出す押出部材と、を備え、前記押出部材は、前記規制壁と前記格納部との相対移動により前記下流側の前記出口が開放された後、前記フェルールを前記格納部から押し出すことにより、前記フェルールの移動の規制を解除することを特徴としている。
【0020】
本発明によれば、待機機構は、下流側の出口が規制壁により開閉される格納部と、格納部よりも搬送方向の上流側に設けられ、フェルールを格納部から押し出す押出部材と、を備えているので、押出部材により格納部外に押し出して次工程に搬送することができる。このとき、格納部に一旦フェルールを格納した後、押出部材により押し出してフェルールを次工程にセットすることにより、搬送されるフェルールを直接次工程にセットする場合と比較して、次工程におけるフェルールの位置ずれを抑制できる。したがって、例えば精度よくフェルールを撮像等することができる。
【0021】
また、本発明のフェルール同心度測定装置は、上述のフェルール搬送装置を備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、上述のフェルール搬送装置を備えているので、迅速にフェルールの同心度を測定できるフェルール同心度測定装置を提供できる。
【0023】
また、本発明のフェルール搬送方法は、上述のフェルール搬送装置を利用しており、前記フェルールの向きを判定する方向判定工程と、前記フェルールを前記ワーク移動部の前記保持部により保持しつつ、前記方向判定工程の判定結果に応じて前記フェルールを前記第一搬出口および前記第二搬出口のいずれか一方に移動させるフェルール移動工程と、を有することを特徴としている。
【0024】
本発明によれば、上述したフェルール搬送装置と同様の作用効果を奏効することができる。すなわち、迅速にフェルールを所定方向に向けて第一地点から第二地点まで搬送することができる。
【0025】
また、本発明のフェルール搬送プログラムは、上述のフェルール搬送装置のコンピュータに、前記フェルールの向きを判定する方向判定工程と、前記フェルールを前記ワーク移動部の前記保持部により保持しつつ、前記方向判定工程の判定結果に応じて前記フェルールを前記第一搬出口および前記第二搬出口のいずれか一方に移動させるフェルール移動工程と、を実行させることを特徴としている。
【0026】
本発明によれば、フェルール搬送装置のコンピュータに、方向判定工程およびフェルール移動工程を実行させることができるので、迅速にフェルールを所定方向に向けて第一地点から第二地点まで搬送することができる。
【0027】
また、本発明の記録媒体は、上記本発明に係るフェルール搬送プログラムが記録されていることを特徴とする。
【0028】
本発明によれば、例えばフェルール搬送装置のコンピュータに対してインストール等することで、迅速にフェルールを所定方向に向けて第一地点から第二地点まで搬送することができる。特に、プログラムの流通等に好適に対応できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、方向判定部の判定結果に応じてワークを第一搬出口および第二搬出口のいずれか一方に移動させるワーク移動部を備えているので、ワークの向きに対応して、第一搬出口および第二搬出口のいずれか一方からワークを搬出できる。したがって、迅速にワークを所定方向に向けて搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に係るフェルール同心度測定装置の実施形態を示す図であって、全体の簡略構成図である。
図2図1に示すフェルール同心度測定装置の全体斜視図である。
図3】フェルールの中心軸を含む断面図である。
図4】フェルール供給装置の収容体の内部を見た図である。
図5】支持台の斜視図である。
図6】方向制御装置の拡大図である。
図7図6のA−A線に沿った断面図である。
図8】フェルールの端部の方向を判定するときの原理説明図である。
図9図7に対応する断面図であって、ワーク移動部が前方にスライド移動した状態を図示している。
図10図7に対応する断面図であって、ワーク移動部が後方にスライド移動した状態を図示している。
図11】待機機構の斜視図である。
図12図11のB−B線に沿う断面図を模式的に表した説明図である。
図13】他の実施形態に係る待機機構の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係るフェルール同心度測定装置の実施形態を示す図であって、全体の簡略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のフェルール同心度測定装置1は、複数のフェルールF(請求項の「ワーク」に相当。)を1本ずつ撮像し、その撮像画像に基づいてフェルールFの同心度の測定を行うとともに、測定結果に基づいて品質ランク毎に分類しながら収納ボックス40に収納する装置である。
【0032】
図2は、図1に示すフェルール同心度測定装置の全体斜視図である。
フェルール同心度測定装置1は、フェルール供給装置2と、方向制御装置20を備えたフェルール搬送装置3と、フェルール撮像装置4と、フェルール回収装置5と、各装置を総合的に制御する制御部7と、を備えている。各装置は、不図示の床面等の水平面上に載置されたベース台6に設置される。
【0033】
まず、フェルールFについて簡単に説明する。
図3は、フェルールFの中心軸Cを含む断面図である。
図3に示すように、フェルールFは、中心軸Cに沿って不図示の光ファイバの芯線が挿通される貫通孔F1を有する円筒状に形成されている。フェルールFの一方側(図3における右側)の端部は、他方側から一方側(図3における左側から右側)に向かって漸次縮径するテーパ状となっている。以下、テーパ状に形成されたフェルールFの一方側の端部を先端部F2といい、先端部F2とは反対の他方側の端部を後端部F3という。また、貫通孔F1は、フェルールFの後端部F3において、後端部F3の端面に向かうにつれて漸次拡径する断面テーパ状に形成されている。フェルール撮像装置4は、後端部F3の端面側からフェルールFを撮像して、撮像画像を取得する。
【0034】
続いて、フェルール同心度測定装置1の各構成品について説明する。
本実施形態では、フェルール供給装置2、フェルール撮像装置4およびフェルール回収装置5について順次簡単に説明し、その後、フェルール搬送装置3および制御部7について説明する。
なお、以下では、図2に示すように、ベース台6が載置される水平面に対して垂直な鉛直上下方向を上下方向L1とし、水平面上において互いに直交する方向を前後方向L2および左右方向L3とする。また、前後方向L2のうち、後述する収容体10の開口方向(矢印FW方向)を前方とし、その反対方向(矢印BA方向)を後方とする。
【0035】
フェルール供給装置2は、複数のフェルールFが収容される収容体10を備えており、収容体10からフェルールFを1本ずつ送り出す装置である。
収容体10は、上方に開口した有底筒状に形成されており、ベース台6の上面から上方に向かって起立した支柱部11によって支持されている。この際、収容体10は、ベース台6の上面に対して前方側に傾斜しており、その傾斜角度は任意の角度に調整可能とされている。
【0036】
図4は、フェルール供給装置2の収容体10の内部を見た図である。
収容体10の内部には、収容体10の中心軸線周りに回転可能とされた回転板12が、収容体10の底壁部10aに重なった状態で配設されている。
回転板12は、不図示の駆動源からの回転力を受けて正面視で時計回り方向に回転する部材であり、外周縁部が収容体10の周壁部10bに摺接あるいは近接する程度の直径に形成されている。また、図示の例では、回転板12は、外周縁部に向かうに従って厚みが漸次薄くなるように上面が漸次傾斜した断面テーパ状に形成されている。
【0037】
回転板12の外周縁部には、収容体10の内部に収容された複数のフェルールFのうちの1本を入り込ませて収納するとともに、収納したフェルールFを回転板12の回転にともなって周方向に移動させる収納凹部12aが形成されている。図4に図示した例では、収納凹部12aは、回転板12の周方向に間隔をあけて複数形成されている。
これにより、収容体10は、回転板12の回転により、前方に傾斜した収容体10の底壁部10aにおける最上点側に向けて、フェルールFを次々と移動させている。
【0038】
また、収容体10には、回転板12の回転によって最上点まで移動されてきたフェルールFを収容体10の外部に排出させる排出口13が形成されている。これにより、フェルール供給装置2は、収容体10の排出口13を通じて、収容体10からフェルールFを1本ずつ送り出している。
【0039】
図1に示すように、排出口13には、フェルールFの搬送経路200を構成する排出チューブ14が接続されている。フェルールFは、排出チューブ14を通じて1本ずつ送り出される。すなわち、排出口13は、フェルール搬送装置3により搬送されるフェルールFの搬送経路200における始点P1(請求項の「第一地点」に相当。)となっている。なお、始点P1は、フェルールFの搬送方向の最上流側となっている。
【0040】
フェルール撮像装置4は、フェルールFを撮像する撮像手段50と、撮像手段50の光軸OにフェルールFの中心軸Cを一致させた状態でフェルールFを支持する支持台51と、光軸O上であって支持台51を挟んで撮像手段50の反対側に配置され、光軸Oに沿ってフェルールFに照明光を照射するライトユニット52と、を備えている。
【0041】
図2に示すように、撮像手段50は、前後方向L2に沿って配置され、前方側にレンズ先端部55aが向いた長尺なレンズ鏡筒55と、レンズ鏡筒55の基端部に配設された撮像素子56と、を備えている。
レンズ鏡筒55には、内部に不図示の複数のレンズ等が内蔵されている。レンズ鏡筒55の光軸Oは、前後方向L2に一致している。また、レンズ鏡筒55は、レンズ先端部55aから撮像した被写体の像を複数の光学系を利用して撮像素子56に結像させている。
【0042】
撮像手段50は、レンズ鏡筒55を介して支持台51上のフェルールFを撮像素子56により撮像している。
撮像素子56は、例えばCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサ等であり、制御部7からの指示に基づいてフェルールFを撮像するとともに、撮像画像を制御部7に出力する。
【0043】
レンズ鏡筒55は、レンズ保持部材60によって保持されることで、ベース台6から上方に離間した状態で配置されている。
レンズ保持部材60は、主にベース台6の上面に防振台61を介して載置された板状の保持台62と、この保持台62上に立設された垂壁ブロック64と、この垂壁ブロック64の上端部に取り付けられ、レンズ鏡筒55を保持する保持ブロック65と、により構成されている。
【0044】
防振台61は、例えば、所定の硬度および減衰性能を具備するゴム板であり、ベース台6と保持台62との間に複数配置されている。保持ブロック65は、垂壁ブロック64の上端部に取り付けられた上面視C形状の固定ブロック66と、固定ブロック66との間でレンズ鏡筒55を挟み込むように保持する押圧ブロック67と、を備えている。
【0045】
固定ブロック66は、レンズ鏡筒55と同じ高さに位置しており、前後方向L2の中間部が垂壁ブロック64に取り付けられている。この固定ブロック66における前後方向L2の両端部は、レンズ鏡筒55側に向けて折り曲げられており、その端面にはレンズ鏡筒55の外径に対応した半円状の凹部が形成されている。
【0046】
押圧ブロック67は、固定ブロック66の両端部における端面に対してそれぞれ着脱自在とされている。押圧ブロック67の固定ブロック66に対する取付面には、レンズ鏡筒55の外径に対応した半円状の凹部が形成されている。押圧ブロック67を固定ブロック66に対して例えば螺着等により取り付けることにより、固定ブロック66と押圧ブロック67とによってレンズ鏡筒55が挟持される。
【0047】
支持台51は、保持台62上に立設された台座ブロック70を介して、レンズ先端部55aの前方側に配置されている。
図5は、支持台51の斜視図である。
図5に示すように、支持台51は、前後方向L2に一定隙間をあけて対向する第一支持台51Aと第二支持台51Bとにより構成されている。第一支持台51Aおよび第二支持台51Bは、それぞれ厚み方向が前後方向L2に一致するように形成された板状の部材であり、レンズ先端部55a(図2参照)側に第一支持台51Aが位置し、第一支持台51Aの前方側に第二支持台51Bが位置している。
【0048】
第一支持台51Aおよび第二支持台51Bの上端縁は、それぞれ同じ高さに位置するように調整されており、それぞれV字状の溝部75を有している。フェルールFは、第一支持台51Aおよび第二支持台51Bにより支持される。なお、溝部75の形状としては、V字状に限定されるものではなく、フェルールFの形状に対応して半円形状等であってもよい。
【0049】
フェルールFは、一対の溝部75内に収納された状態で一対の溝部75に架け渡されることにより、第一支持台51Aおよび第二支持台51Bにより支持されている。これにより、フェルールFは、中心軸Cを前後方向L2に一致させた状態で支持される。
また、図1に示すように、第一支持台51Aおよび第二支持台51Bの高さは、レンズ鏡筒55における光軸Oと、支持台51上におけるフェルールFの中心軸Cとが一致するように調整されている。
【0050】
図1に示すように、ライトユニット52は、照明光を照射する光源58を内蔵しており、第二支持台51Bよりもさらに前方側に配置されている。ライトユニット52は、光源58から発せられた照明光を支持台51側に向けて照射可能とされている。このとき、ライトユニット52は、光軸Oと同じ高さに位置するように高さ調整されており、光軸Oに沿って照明光を支持台51側に照射している。
光源58は、特に限定されるものではないが、例えばLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等が好適である。また、照明光としては平行光であることが好ましく、例えばレーザ光等が好適である。
【0051】
また、図2に示すように、フェルール撮像装置4は、支持台51上に支持されたフェルールFを支持台51との間で押さえ込みながら光軸O周りに回転させる無端ベルトユニット120を備えている。
無端ベルトユニット120は、フェルールFを回転させる回転ベルト121と、回転ベルト121を回転させる駆動プーリ122、第一従動プーリ123aおよび第二従動プーリ123bが取り付けられて上下動可能とされた上下動プレート124と、上下動プレート124を所定のストロークの範囲内で上下動させて、支持台51上のフェルールFに対して回転ベルト121を上方から押し当てる上下動用シリンダ125と、を備えている。
【0052】
回転ベルト121は、例えば環状の無端ベルトであって、駆動プーリ122、第一従動プーリ123aおよび第二従動プーリ123bに所定の張力で架け渡されて、上下動プレート124に取り付けられている。
駆動プーリ122は、支持台51を挟んで左右方向L3における支柱部11側に設けられ、駆動モータ130を介して上下動プレート124に取り付けられており、駆動モータ130により駆動される。駆動モータ130は、後述の制御部7によって駆動および回転数が制御されている。
第一従動プーリ123aおよび第二従動プーリ123bは、支持台51を挟んで駆動プーリ122とは反対側において、上下方向L1に並んで設けられている。
【0053】
上下動プレート124は、上下動用シリンダ125に取り付けられている。
上下動用シリンダ125は、例えばエアシリンダであり、上下動プレート124の後面側に設けられている。上下動用シリンダ125には、不図示のエアチューブが連結されている。上下動用シリンダ125は、エアチューブを通じて不図示のエア源からエアが供給され、またはエアチューブを通じて上下動用シリンダ125の内部からエアが排出されることにより、上下動プレート124を上下動させている。これにより、無端ベルトユニット120は、回転ベルト121を支持台51上のフェルールFに対して上方から押し当てたり、回転ベルト121を上方に退避させてフェルールFから離間させたりすることができる。
【0054】
フェルール回収装置5は、回収シュータ41と、5個の収納ボックス40(40A〜40E)と、これら5個の収納ボックス40を移動させるボックス移動機構42と、を備えている。
フェルール回収装置5は、後述するフェルール搬送装置3の搬送用アーム160によって支持台51から搬送されてきたフェルールFを回収するとともに、例えば5個の収納ボックス40のうちのいずれかの収納ボックス40に収納させる装置である。
【0055】
回収シュータ41は、左右方向L3に沿って配置されるとともに、ベース台6の上面に対して傾斜した状態で配置されている。具体的には、回収シュータ41の回収端部41aが排出端部41bよりも上方に位置するように傾斜している。このとき、回収シュータ41の回収端部41aは、フェルール搬送装置3の搬送経路200における終点P2(請求項の「第二地点」に相当)に位置するように配置されている。これにより、回収シュータ41は、搬送用アーム160によって搬送されてきたフェルールFを回収端部41aで回収した後、傾斜を利用してフェルールFを排出端部41bまで滑らすように搬送する。なお、終点P2は、フェルールFの搬送経路200の最下流側となっている。
【0056】
図1に示すように、収納ボックス40は、例えば上方に開口した箱型の容器であり、回収シュータ41よりも下方において、例えば前後方向L2に沿って並設されている(図2参照)。
なお、図示の例では、最も品質の優れたAランクのフェルールFが収納される第一収納ボックス40A(40)、その次に品質の優れたBランクのフェルールFが収納される第二収納ボックス40B(40)、その次に品質の優れたCランクのフェルールFが収納される第三収納ボックス40C(40)、その次に品質の優れたDランクのフェルールFが収納される第四収納ボックス40D(40)、その次に品質の優れたEランクのフェルールFが収納される第五収納ボックス40E(40)が、順に並設されている。
【0057】
複数の収納ボックス40は、それぞれガイドレール43に沿って移動する移動体44上に取り付けられている。
ガイドレール43は、ベース台6の上面に固定されており、前後方向L2に沿って延在している。移動体44は、不図示の駆動機構によりガイドレール43に沿って前後方向L2に往復移動可能とされている。駆動機構は、制御部7からの指示に基づいて移動体44を適宜前後方向L2に移動させ、回収シュータ41における排出端部41bの真下にいずれかの収納ボックス40を配置させている。これにより、フェルール回収装置5は、同じ品質同士のフェルールFを各収納ボックス40A〜40Eに収納している。なお、ガイドレール43、移動体44および駆動機構は、ボックス移動機構42として機能する。
【0058】
(フェルール搬送装置)
フェルール搬送装置3は、搬送経路200の始点P1である収容体10の排出口13から送り出されてくるフェルールFを同一の方向に揃えつつ、終点P2である回収シュータ41の回収端部41aまで搬送するための装置であって、方向制御装置20と、合流ブロック17と、待機機構80と、フェルールFが通過する搬送チューブ(前述の排出チューブ14、第一搬送チューブ201、第二搬送チューブ202および第三搬送チューブ203)と、搬送用アーム160と、を主に備えている。
【0059】
(方向制御装置)
図6は、方向制御装置20の拡大図である。
図7は、図6のA−A線に沿った断面図であって、方向判定部29によりフェルールFの方向判定を行っている状態を図示している。
図6に示すように、方向制御装置20は、ハウジング部21と、フェルール移動部26(請求項の「ワーク移動部」に相当。)と、方向判定部29と、第一シリンダ31と、第二シリンダ32と、を備えている。
【0060】
ハウジング部21は、ブロック状の部材であって、支持プレート15を介して支柱部11に取り付けられている。
ハウジング部21には、左右方向L3における支柱部11とは反対側の側面に、前後方向L2に沿って延びる溝部22が形成されている。
図7に示すように、ハウジング部21には、上方に開口する搬入口23が形成されている。また、搬入口23の前方には、上方に開口する第一搬出口24が形成されている。また、搬入口23の後方には、下方に開口する第二搬出口25が形成されている。搬入口23、第一搬出口24および第二搬出口25は、それぞれ内径がフェルールFの外径よりも大きくなっている。したがって、フェルールFは、搬入口23、第一搬出口24および第二搬出口25を挿通可能となっている。
また、溝部22の下面28には、搬入口23と対向する位置に、フェルールFの貫通孔F1よりも大きく、フェルールFの外形よりも小さい透孔28aが形成されている。
【0061】
フェルール移動部26は、前後方向L2に延在する角柱状の部材であって、溝部22内に配置されている。フェルール移動部26は、後述の第一シリンダ31および第二シリンダ32(いずれも図6参照)によって、前後方向L2に沿って溝部22内をスライド移動可能に設けられている。
フェルール移動部26は、フェルールFを保持するための保持部26aを有している。保持部26aは、上下方向L1に沿うように形成されており、フェルール移動部26が移動する前において、前後方向L2における第一搬出口24と第二搬出口25との中間部であって、搬入口23に対応する位置に配置されている。保持部26aは、内径がフェルールFの外径よりも大きくなっており、保持部26a内にフェルールFを収納可能となっている。
【0062】
保持部26aは、上下方向L1に沿うように形成されている。したがって、搬入口23から導入されたフェルールFは、自重によって保持部26a内に入り込むとともに、溝部22の下面28にフェルールFの先端部F2または後端部F3が当接した状態で、保持部26aにより保持される。
【0063】
図8は、フェルールFの端部の方向を判定するときの原理説明図であって、図8(a)は、先端部F2を判定するときの原理説明図であり、図8(b)は、後端部F3を判定するときの原理説明図である。
図8(a)および図8(b)に示すように、方向判定部29は、フェルールFの端部(先端部F2または後端部F3)に向けて検出光K1を照射するとともに、端部からの反射光K2の光量を検出する光量センサ29aを備えている。図7に示すように、光量センサ29aによるフェルールFの端部の方向判定は、フェルール移動部26が移動する前であって、保持部26aが前後方向L2における第一搬出口24と第二搬出口25との中間部に位置するときに行われる。以下、フェルール移動部26が移動する前の保持部26aの位置であって、フェルールFの端部の方向判定が行われる位置を判定位置という。
【0064】
図8(a)に示すように、判定位置において、フェルールFの先端部F2に対して光量センサ29aから検出光K1を照射した場合には、先端部F2がテーパ状に形成されているため検出光K1を効率良く反射することができない。これに対して、図8(b)に示すように、判定位置において、フェルールFの後端部F3に対して光量センサ29aから検出光K1を照射した場合には、後端部F3が先端部F2よりも平坦面が多いため、検出光K1を効率良く反射することができる。このように、先端部F2と後端部F3とでは、反射光K2の光量が異なる。したがって、方向判定部29は、光量センサ29aが反射光K2の光量と基準の光量とを比較することにより、フェルールFの先端部F2が溝部22の下面28(図7参照)に当接している方向(以下、「順方向」という。)なのか、またはフェルールFの後端部F3が溝部22の下面28(図7参照)に当接している方向(以下、「逆方向」という。)なのかを判定することができる。
【0065】
図6に示すように、第一シリンダ31は、例えばエアシリンダであり、フェルール移動部26の後方に位置している。第一シリンダ31は、ハウジング部21の後方に位置するとともに前後方向L2に移動可能な取付板33に取り付けられている。第一シリンダ31の可動部は、連結部材34を介してフェルール移動部26の後端と接続されている。第一シリンダ31は、不図示のエア源からエアが供給されることにより可動部が可動されて、フェルール移動部26を前方にスライド移動させる。
【0066】
また、第二シリンダ32は、第一シリンダ31と同様に例えばエアシリンダであり、支持プレート15に取り付けられている。第二シリンダ32の可動部は、取付板33と接続されている。第二シリンダ32は、不図示のエア源からエアが供給されることにより可動部が可動されて、取付板33および第一シリンダ31ごとフェルール移動部26を後方にスライド移動させる。
【0067】
図9は、図7に対応する断面図であって、フェルール移動部26が前方にスライド移動した状態を図示している。
図9に示すように、第一シリンダ31(図6参照)は、方向判定部29による方向判定の結果、フェルールFの方向が逆方向である場合には、フェルール移動部26を前方にスライド移動させて、保持部26a内のフェルールFを測定位置から第一搬出口24に対応する位置まで移動させる。これにより、フェルールFは、先端部F2が搬送方向の下流側を向いた状態で第一搬出口24から排出可能とされる。
【0068】
図10は、図7に対応する断面図であって、フェルール移動部26が後方にスライド移動した状態を図示している。
図10に示すように、第二シリンダ32(図6参照)は、方向判定部29による方向判定の結果、フェルールFの方向が順方向である場合には、フェルール移動部26を後方にスライド移動させて、保持部26a内のフェルールFを測定位置から第二搬出口25に対応する位置まで移動させる。これにより、フェルールFは、先端部F2が搬送方向の下流側を向いた状態で第二搬出口25から排出可能とされる。
【0069】
このように、フェルール移動部26は、フェルールFを保持部26aにより保持しつつ、第一シリンダ31および第二シリンダ32により、方向判定部29の判定結果に応じてフェルールFを第一搬出口24および第二搬出口25のいずれか一方に移動させる。したがって、フェルールFは、常に先端部F2が搬送方向の下流側を向いた状態で搬送される。
【0070】
図1に示すように、合流ブロック17は、上方に開口する第一導入口17aおよび第二導入口17bと、下方に開口する排出口17cとを備えている。
第一導入口17a、第二導入口17bおよび排出口17cは、合流ブロック17の内部で互いに連通している。
第一導入口17aには、方向制御装置20の第一搬出口24から搬出されたフェルールFが後述の第一搬送チューブ201を通じて導入される。
第二導入口17bには、方向制御装置20の第二搬出口25から搬出されたフェルールFが後述の第二搬送チューブ202を通じて導入される。
排出口17cからは、第一導入口17aまたは第二導入口17bから導入されたフェルールFが、合流ブロック17の内部を通じて排出される。
【0071】
図11は、待機機構80の斜視図である。
図12は、図11のB−B線に沿う断面図を模式的に表した説明図であって、図12(a)は、フェルールFの移動を規制している状態を図示したものであり、図12(b)は、フェルールFの移動の規制を解除した状態を図示したものである。
図1に示すように、待機機構80は、始点P1と終点P2との間の搬送経路200上であって、合流ブロック17と、搬送用アーム160がフェルールFを受け取り可能な受取部161との間に設けられており、受取部161にフェルールFを所定のタイミングで供給するためにフェルールFを待機させている。
図12に示すように、待機機構80は、格納部82と、規制壁84と、押出部材86と、を有している。
【0072】
格納部82は、前後方向L2沿うように貫通孔82aが設けられたブロック状の部材であって、不図示のエアシリンダやモータ等により上下方向L1に沿って移動可能となっている。貫通孔82a内には、合流ブロック17から排出されたフェルールFが格納可能となっている。
【0073】
規制壁84は、格納部82よりも搬送方向の下流側において、格納部82に対して上下方向L1に沿って相対移動可能に設けられており、格納部82の貫通孔82aにおける搬送方向の下流側の出口を開閉している。本実施形態では、規制壁84が固定された状態で格納部82が上下方向L1に沿って移動することにより、格納部82の貫通孔82aが規制壁84により開閉可能となっている。図12(a)に示すように、規制壁84は、格納部82が上方に位置して合流ブロック17(図11参照)から排出されたフェルールFを受け取る際、貫通孔82aの出口を閉塞してフェルールFの移動を規制している。また、図12(b)に示すように、規制壁84は、格納部82が下方に移動して受取部161(図1参照)にフェルールFを排出する際、貫通孔82aの出口を解放してフェルールFの移動の規制を解除している。
【0074】
押出部材86は、格納部82よりも搬送方向の上流側において、前後方向L2に沿って延在するとともに、例えばエアシリンダ87(図11参照)によって前後方向L2に沿って移動可能に設けられている。
押出部材86は、格納部82の下方への移動により貫通孔82aの出口が開放された後、前後方向L2に沿うように搬送方向の上流側から下流側(図12(b)における左側から右側)に向かってスライド移動する。そして、押出部材86は、先端86aがフェルールFの後端部F3に当接してフェルールFを格納部82から押し出すことにより、フェルールFの移動の規制を解除している。
【0075】
図1に示すように、搬送経路200は、収容体10の排出口13と方向制御装置20の搬入口23とを連通する排出チューブ14と、方向制御装置20の第一搬出口24と合流ブロック17の第一導入口17aとを連通する第一搬送チューブ201と、方向制御装置20の第二搬出口25と合流ブロック17の第二導入口17bとを連通する第二搬送チューブ202と、合流ブロック17の排出口17cと待機機構80の格納部82の貫通孔82aと連通する第三搬送チューブ203と、を備えている。
【0076】
搬送経路200を構成する排出チューブ14、第一搬送チューブ201、第二搬送チューブ202および第三搬送チューブ203の内部には、例えば不図示のエアポンプによる送風または吸引により、搬送方向の上流側から下流側に向かってエアが通流している。これにより、フェルールFは、搬送経路200を上流側から下流側に向かって移動可能となっている。
【0077】
図1および図2に示すように、搬送用アーム160は、待機機構80からフェルールFを受け取る受取部161と、支持台51と、搬送経路200の終点P2である回収シュータ41の回収端部41aとを結ぶ左右方向L3に沿って延びた長尺なアームである。搬送用アーム160には、受取部161に対応する位置にフェルールFを保持する不図示の第一保持部が形成されているとともに、支持台51に対応する位置にフェルールFを保持する不図示の第二保持部が形成されている。
【0078】
フェルールFは、方向制御装置20によって先端部F2が下流側を向いた状態とされた後、受取部161まで搬送され、その後搬送用アーム160により受取部161から支持台51まで搬送され、さらに支持台51から搬送経路200の終点P2である回収シュータ41の回収端部41aまで搬送される。このように、フェルールFは、先端部F2が下流側を向いた状態で、方向制御装置20の第一搬出口24または第二搬出口25から、支持台51まで搬送される。したがって、フェルールFは、支持台51上に支持された際に、先端部F2が常にライトユニット52側を向き、後端部F3が常に撮像手段50側に向いた状態となるので、複数のフェルールFを同一方向から撮像して同心度を測定することができる。
【0079】
図2に示すように、制御部7は、例えば図示しないCPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、各種インターフェース等に加え、記録媒体7aを有しており、CPUが記録媒体に記録される各種プログラムを適宜実行することで、上記した各装置を総合的に制御して、フェルールFの搬送や同心度の測定、分類作業等を行う。
【0080】
特に、制御部7はフェルール搬送装置3については、その動作の一例として、例えばCPUが記録媒体7aに記憶されているフェルール搬送プログラムを読み出し実行することにより、後述する本発明における方向判定工程、フェルール移動工程を実行している。
なお、本実施形態におけるフェルール搬送プログラムとは、搬送経路200の始点P1である収容体10の排出口13から、搬送経路200の終点P2である回収シュータ41の回収端部41aまでフェルールFを搬送する際に、方向制御装置20でフェルールFの向きを判定し、判定結果に応じてフェルールFを方向制御装置20の第一搬出口24および第二搬出口25のいずれか一方から排出し、フェルールFの先端部F2が搬送方向の下流側を向くように揃えてフェルールFを搬送する工程を実行するためのプログラムである。このフェルール搬送プログラムは、コンピュータ読み取り可能な上記記録媒体7aに記録されている。
【0081】
なお、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、例えばフレキシブルディスクや、光磁気ディスク、CD−ROM、半導体メモリ等の可搬媒体であり、ドライブ装置(例えば、CD−ROMドライブ装置等)やインターフェース(例えば、USBインターフェース等)を介して読み込まれるものである。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、上記可搬媒体に限られず、コンピュータシステム(OSや周辺機器等のハードウェアを含むものをいう)に内蔵されるハードディスク等の記憶部であってもよい。
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでもよい。
【0082】
また、本実施形態の制御部7は、撮像素子56から送られてきたフェルールFの撮像画像に基づいて同心度を測定し、さらに測定結果に基づいてフェルールFの品質をAランク〜Eランクの5段階に判別する品質判別部7bを備えている。そして、制御部7は、判別された品質ランクに応じた収納ボックス40が、回収シュータ41の真下に位置するようにフェルール回収装置5を制御する。これにより、フェルールFは、品質ランクに対応した収納ボックス40内に収納される。
【0083】
(作用)
続いて、上述のように構成されたフェルール同心度測定装置1の作用について説明する。以下では、収容体10の内部に収容されているフェルールFが品質ランク毎に分類され、品質ランクに応じた収納ボックス40内に収納されるまでの全体の流れを説明しながら、特に方向制御装置20に関連する作用を詳細に説明する。なお、以下の説明における各部材の符号について、特に記載がない場合は、図1から図10を参照されたい。
【0084】
まず、作業者は、収容体10の内部に複数のフェルールFを投入し、防塵のために不図示の蓋体を収容体10に被せる。このとき、投入された複数のフェルールFは、ベース台6の上面に対して傾斜された収容体10の最下点側に片寄った状態で集合され、そのうちの1本が収納凹部12a内に収納される。
次いで、作業者は制御部7を作動させる。これにより、制御部7は、記録媒体7aに記録された各種プログラムに基づいて各装置の作動を開始する。
【0085】
制御部7は、フェルール供給装置2の収容体10の回転板12を回転させる。これにより、フェルールFは、収納凹部12a内に収納されて上方に向けて移動する。
次いで、フェルールFは、排出口13を通じて、排出チューブ14に縦向き姿勢で順次送り出される。
次いで、フェルールFは、排出チューブ14を通じて下方に移動し、方向制御装置20の搬入口23を通じて、フェルール移動部26の保持部26aに導入される。このとき、保持部26aは、上下方向L1に沿うように形成されているので、フェルールFが自重により保持部26a内に入り込む。フェルールFは、保持部26a内において、先端部F2または後端部F3がハウジング部21の溝部22の下面28に当接した状態で保持される。なお、図7に図示の例では、フェルールFは、先端部F2が下面28に当接した状態で保持されている。
【0086】
次いで、制御部7は、方向制御装置20の方向判定部29により、フェルールFの向きを判定する方向判定工程を行う。
方向判定工程では、光量センサ29aにより、フェルールFの端部に向けて検出光K1を照射するとともに、端部からの反射光K2の光量を検出する。そして、方向判定部29は、その反射光K2の光量に基づいて、フェルールFの向きが順方向なのか、または逆方向なのかを判定する。
【0087】
次いで、制御部7は、フェルール移動工程を行う。
フェルール移動工程では、フェルール移動部26の保持部26aによりフェルールFを保持しつつ、方向判定工程の判定結果に応じて、フェルールFを第一搬出口24および第二搬出口25のいずれか一方に移動させる。
【0088】
方向判定工程によるフェルールFの方向判定の結果、フェルールFの方向が逆方向である場合には、フェルール移動部26を前方にスライド移動させ、測定位置から上方に開口する第一搬出口24まで、保持部26a内のフェルールFを移動させる(図9参照)。これにより、フェルールFは、先端部F2が搬送方向の下流側を向いた状態で第一搬出口24から排出される。その後、フェルールFは、第一搬送チューブ201を通じて合流ブロック17の第一導入口17aから合流ブロック17内に導入される。
【0089】
また、方向判定工程によるフェルールFの方向判定の結果、フェルールFの方向が順方向である場合には、フェルール移動部26を後方にスライド移動させ、測定位置から、下方に開口する第二搬出口25まで保持部26a内のフェルールFを移動させる(図10参照)。これにより、フェルールFは、先端部F2が搬送方向の下流側を向いた状態で第二搬出口25から排出される。その後、フェルールFは、第二搬送チューブ202を通じて合流ブロック17の第二導入口17bから合流ブロック17内に導入される。
【0090】
次いで、合流ブロック17内に導入されたフェルールFは、合流ブロック17の排出口17cから排出された後、第三搬送チューブ203を通じて、待機機構80の格納部82に形成された貫通孔82a内に導入される。ここで、格納部82の貫通孔82aは、搬送方向の下流側の出口が規制壁84によって閉塞されている。したがって、図12(a)に示すように、フェルールFは、待機機構80の規制壁84により搬送経路200が閉塞されて、搬送方向の下流側への移動が規制される。
【0091】
次いで、図12(b)に示すように、待機機構80の格納部82は、貫通孔82a内にフェルールFを格納した状態で、所定のタイミングで下方に移動する。これにより、格納部82と規制壁84とが上下方向L1に相対移動し、貫通孔82aの出口が開放される。なお、「所定のタイミング」とは、例えば、格納部82内のフェルールFよりも先に搬送されたフェルールFが、フェルール撮像装置4によって撮像されている間の所望のタイミングをいう。
【0092】
次いで、格納部82よりも搬送方向の上流側に配置された押出部材86は、前方に向かってスライド移動する。このとき、押出部材86の先端86aは、フェルールFの後端部F3と当接する。これにより、フェルールFは、格納部82の貫通孔82aから押し出されて、受取部161に供給される。
【0093】
次いで、フェルールFは、搬送用アーム160の第一保持部によって支持台51まで搬送され、支持台51A,51Bの溝部75内に架け渡される。これにより、受取部161から支持台51へのフェルールFの供給が完了する。
支持台51へのフェルールFの搬送が完了すると、搬送用アーム160は、受取部161側に移動し、元の位置で一旦待機する。これにより、搬送用アーム160の第二保持部が受取部161に再度戻った状態となり、次の他のフェルールFの供給に備える。なお、第二保持部については、支持台51A,51Bの溝部75よりも下方に待機された状態となる。
【0094】
フェルールFが支持台51上にセットされると、フェルール撮像装置4がフェルールFの撮像を開始して撮像画像を取得する。具体的には、図1に示すように、ライトユニット52から照明光を照射しつつ、撮像手段50によりフェルールFの撮像画像を複数枚取得する。
【0095】
次いで、フェルールFの撮像が終了すると、撮像手段50により取得された撮像画像が制御部7に出力される。
制御部7の品質判別部7bは、送られてきた撮像画像に基づいて同心度を測定し、測定結果に基づいてフェルールFの品質ランクをAランク〜Eランクの5段階に分類する。
制御部7は、回収シュータ41の排出端部41bが、分類した品質ランクに対応した収納ボックス40の真上に位置するように、回収シュータ41を制御する。これにより、制御部7は、例えばフェルールFの品質ランクがCランクの場合であれば、Cランク用の第三収納ボックス40C(40)の真上に回収シュータ41の排出端部41bが位置するように回収シュータ41をセットすることができる。
【0096】
また、フェルール搬送装置3は、一のフェルールFの次に同心度が測定される他のフェルールFを受取部161に供給する。これにより、受取部161は、一のフェルールFの次に同心度が測定される他のフェルールFを保持した状態とされる。なお、他のフェルールFは、待機機構80によって移動が規制された状態から、所定のタイミング(例えば、一のフェルールFの撮像を行っている間の所望のタイミング)で受取部161に移動される。
【0097】
次いで、フェルールFの撮像が終了すると、搬送用アーム160は、上昇して支持台51上の一のフェルールFを第二保持部で受け取るとともに、受取部161に保持された他のフェルールFを第一保持部で受け取る。そして、搬送用アーム160は、左右方向L3に沿って移動し、第二保持部で保持した一のフェルールを回収シュータ41の回収端部41aの上方に位置させるとともに、第一保持部で保持した他のフェルールFを支持台51の上方に位置させる。
【0098】
次いで、搬送用アーム160は、下降することにより、一のフェルールF(すなわち同心度の測定が完了したフェルールF)を回収シュータ41に受け渡すとともに、他のフェルールF(すなわち一のフェルールFの後に同心度の測定を行うフェルールF)を支持台51A,51Bの溝部75に収納するように受け渡す。このように、搬送用アーム160は、支持台51から搬送経路200の終点P2に位置する回収シュータ41へ一のフェルールFを搬送すると同時に、受取部161から支持台51へ他のフェルールFを搬送している。
【0099】
回収シュータ41の回収端部41aに受け渡されたフェルールFは、排出端部41b側に向けて回収シュータ41を滑り落ちるように移動し、真下に待機している各品質ランクに対応した収納ボックス40内に収納される。
上記搬送が完了すると、搬送用アーム160は、元の位置に戻り、搬送用アーム160の第一保持部および第二保持部が、それぞれ受取部161および支持台51に対応する位置にそれぞれ再度戻った状態となって、次のフェルールFの搬送に備える。これ以降、上記動作が繰り返し行われる。
以上で、フェルール同心度測定装置1によるフェルールFの同心度測定および品質ランク毎の分類が終了する。
【0100】
本実施形態によれば、方向判定部29の判定結果に応じてフェルールFを第一搬出口24および第二搬出口25のいずれか一方に移動させるフェルール移動部26を備えているので、フェルールFの向きに対応して、第一搬出口24および第二搬出口25のいずれか一方からフェルールFを搬出できる。したがって、迅速にフェルールFを所定方向に向けて搬送することができる。
【0101】
また、フェルール移動部26の保持部26aは、上下方向L1に沿うように形成されているので、フェルールFが自重により保持部内に入り込むことができる。したがって、迅速にフェルールFを保持部26aに保持させることができる。
【0102】
また、保持部26aは、フェルール移動部26の移動前において、第一搬出口24と第二搬出口25との間に設けられているので、第一搬出口24と第二搬出口25との間を最短距離で移動して、第一搬出口24および第二搬出口25のいずれか一方からフェルールFを搬出できる。したがって、所定方向に向けたフェルールFを迅速に搬出することができる。
【0103】
また、本発明のフェルール搬送装置3は、上述の方向制御装置20を備えているので、迅速にフェルールFを所定方向に向けて、搬送経路200の始点P1である収容体10の排出口13から、終点P2である回収シュータ41の回収端部41aまで搬送することができる。
【0104】
また、待機機構80は、搬送経路200を閉塞してフェルールFの移動を規制する規制壁84を有し、規制壁84は、所定のタイミングで搬送経路200を開放し、フェルールFの移動の規制を解除するので、例えば、一のフェルールFの撮像を行っている間の所望のタイミングで他のフェルールFを次工程に搬送することができる。したがって、その後のフェルールFの扱いを容易なものとすることができるので、精度よくフェルールFを撮像等することができる。
【0105】
また、待機機構80は、貫通孔82aの下流側の出口が規制壁84により開閉される格納部82と、格納部82よりも搬送方向の上流側に設けられ、フェルールFを格納部82から押し出す押出部材86と、を備えているので、押出部材86により格納部82外に押し出して次工程に搬送することができる。このとき、格納部82に一旦フェルールFを格納した後、押出部材86により押し出してフェルールFを次工程にセットすることにより、搬送されるフェルールFを直接次工程にセットする場合と比較して、次工程におけるフェルールFの位置ずれを抑制できる。したがって、精度よくフェルールFを撮像等することができる。
【0106】
また、本実施形態のフェルール搬送方法およびフェルール搬送プログラムによれば、フェルールFの向きを判定する方向判定工程と、フェルールFをフェルール移動部26の保持部26aにより保持しつつ、方向判定工程の判定結果に応じてフェルールFを第一搬出口24および第二搬出口25のいずれか一方に移動させるフェルール移動工程と、を有するので、迅速にフェルールFを所定方向に向けて、搬送経路200の始点P1から終点P2まで搬送することができる。
【0107】
また、本実施形態のフェルール搬送プログラムによれば、フェルール搬送装置3のコンピュータに、方向判定工程およびフェルール移動工程を実行させることができるので、迅速にフェルールFを所定方向に向けて、搬送経路200の始点P1から終点P2まで搬送することができる。
【0108】
また、本実施形態の記録媒体によれば、例えばフェルール搬送装置3のコンピュータに対してインストール等することで、迅速にフェルールFを所定方向に向けて始点P1から終点P2まで搬送することができる。特に、プログラムの流通等に好適に対応できる。
【0109】
このように本実施形態に係るフェルール同心度測定装置1によれば、上述のフェルール搬送装置3を備えているので、迅速にフェルールFの同心度を測定できる。
【0110】
なお、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
実施形態では、方向制御装置20により方向が制御されるワークとして、フェルールFを例に説明をしたが、ワークはフェルールFに限定されない。
【0111】
図13は、他の実施形態に係る待機機構80の概略構成図であって、図13(a)は、フェルールFの移動を規制している状態を図示したものであり、図13(b)は、フェルールFの移動の規制を解除した状態を図示したものである。また、図13(a)および図13(b)は、それぞれ図11のB−B線に沿う断面図に対応している。また、第三搬送チューブ203を二点鎖線で図示している。
搬送経路200に設けられる待機機構80は、上述した実施形態の構成に限定されない。
図13に示すように、他の実施形態に係る待機機構80は、フェルールを格納する格納部82と、貫通孔82aの出口を開閉する規制壁84と、を備えている。
貫通孔82aの入口には第三搬送チューブ203が直接接続されており、常に搬送方向の上流側から下流側に向かってエアが通流している。
規制壁84は、上下方向L1に移動可能に設けられている。これにより、貫通孔82aの出口は、開閉可能とされる。
【0112】
図13(a)に示すように、第三搬送チューブ203を通じて搬送されてきたフェルールFは、格納部82の貫通孔82a内に導入される。このとき、第三搬送チューブ203および貫通孔82a内には、搬送方向の上流側から下流側に向かってエアが通流している。このため、フェルールFは、先端部F2が規制壁84に当接した状態で、規制壁84により移動が規制される。
規制壁84は、所定のタイミング(例えば、一のフェルールFの撮像を行っている間の所望のタイミング)で下方に移動する。これにより、規制壁84は、搬送経路200を開放し、フェルールFの移動の規制を解除する。
他の実施形態に係る待機機構80によれば、前述の実施形態と同様に所定のタイミングでフェルールFを次工程に搬送することができるので、その後のフェルールFの扱いを容易なものとすることができ、精度よくフェルールFを撮像等することができる。
【0113】
また、上述の実施形態におけるフェルール同心度測定装置1では、収納ボックス40を5個備え、フェルールFの品質ランクを5段階に分類した後に、いずれかの収納ボックス40内に収納したが、この場合に限定されるものではない。例えば、フェルールFの品質ランクを2から4段階に分類してもよいし、6段階以上に分類してもよい。その場合には、分類数に応じて、収納ボックス40を用意すればよい。
また、実施形態におけるフェルール供給装置2やフェルール搬送装置3、フェルール撮像装置4、フェルール回収装置5等は、一例であり、上述した構成に限定されるものではない。
【0114】
また、実施形態の方向制御装置20は、フェルール移動部26を移動させるエアシリンダとして第一シリンダ31および第二シリンダ32を備えていた。これに対して、方向制御装置20は、例えばモータや電磁アクチュエータ等によりフェルール移動部26を移動させてもよい。
【0115】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0116】
1・・・フェルール同心度測定装置 3・・・フェルール搬送装置 20・・・方向制御装置 24・・・第一搬出口 25・・・第二搬出口 26・・・フェルール移動部(ワーク移動部) 26a・・・保持部 29・・・方向判定部 80・・・待機機構 82・・・格納部 84・・・規制壁 86・・・押出部材 200・・・搬送経路 F・・・フェルール(ワーク) F2・・・先端部 F3・・・後端部 P1・・・始点(第一地点) P2・・・終点(第二地点)
図1
図2
図3
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図13