(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261409
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
F24C 15/00 20060101AFI20180104BHJP
H05B 6/12 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
F24C15/00 M
H05B6/12 313
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-62195(P2014-62195)
(22)【出願日】2014年3月25日
(65)【公開番号】特開2015-183954(P2015-183954A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2016年6月20日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 豊
【審査官】
宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−043647(JP,A)
【文献】
特開2012−026593(JP,A)
【文献】
特開2011−216386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 15/00
H05B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口した本体と、
前記本体の上面を覆う天板と、
前記天板の上面に設けられた静電容量方式の操作部と、
前記操作部に対応する位置に電極を有し、前記天板の下面に設けられた検知基板と、
弾性材料で形成され、前記検知基板の前記電極が設けられている範囲をカバーできる大きさの弾性部材と、
前記検知基板を保持し、前記弾性部材を介して前記本体へ載置される検知基板保持部材と、を備え、
前記弾性部材は、穴または凹形状である凹部を複数有し、両面には両面テープが設けられ、
一方の面に前記検知基板を、他方の面に前記検知基板保持部材を接着させた状態で前記本体に組み込まれ、
前記検知基板は前記弾性部材により前記天板の下面に圧接されて固定されており、
前記天板が上向きに撓んでいる場合において、
複数の前記凹部は、前記検知基板の前記電極と鉛直方向で重ならない位置にそれぞれ形成されている
ことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記凹部は、隣り合う前記電極間にそれぞれ形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
上面が開口した本体と、
前記本体の上面を覆う天板と、
前記天板の上面に設けられた静電容量方式の操作部と、
前記操作部に対応する位置に電極を有し、前記天板の下面に設けられた検知基板と、
弾性材料で形成され、前記検知基板の前記電極が設けられている範囲をカバーできる大きさの弾性部材と、
前記検知基板を保持し、前記弾性部材を介して前記本体へ載置される検知基板保持部材と、を備え、
前記弾性部材は、穴または凹形状である凹部を複数有し、両面には両面テープが設けられ、
一方の面に前記検知基板を、他方の面に前記検知基板保持部材を接着させた状態で前記本体に組み込まれ、
前記検知基板は前記弾性部材により前記天板の下面に圧接されて固定されており、
前記天板が下向きに撓んでいる場合において、
複数の前記凹部は、前記検知基板の前記電極と鉛直方向で重なる位置にそれぞれ形成されている
ことを特徴とする加熱調理器。
【請求項4】
前記検知基板保持部材は樹脂で形成され、先端が丸い凸形状の凸部を有し、
前記検知基板は前記凸部に対応する位置に前記凸部に入れるための穴を有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板の上面に静電容量方式の操作部を備えた加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理器において、操作部および表示部が天板上の使用者に近い端部領域(以下、天板の前部と称する)に設けられているものがある(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の加熱調理器は、静電容量の変化によって動作する操作部が、耐熱ガラス製の天板の前部に設けられている。この操作部は、天板の下面に形成された銅箔の平面電極を有する。また、天板の下面には、平面電極から離れた位置に接続部が設けられており、接続部と平面電極とは導線で繋がっている。また、接続部には前記静電容量の変化を検出する検出回路につながる接点が接触し、この接点を経て平面電極は検出回路に接続されている。そして、天板の下面の平面電極に対向する天板の上面の領域に人の指を近づけたり触れたりすると、平面電極と指との間の静電容量により平面電極の電位が変化する。検出回路はこの電位変化を検出して、操作スイッチが操作されたことを入力として得る。
【0003】
前記従来の構成では、天板の下面に形成された平面電極と電気的に結合される接続部および検出回路につながる接点部分が大きなスペースを必要とするため、それに伴って加熱手段を天板後方へ移動させて配置する必要があった。しかし、加熱手段を後方へ配置することにより、使用者は加熱手段から相対的に遠くなるため調理しづらくなるという課題があった。また、加熱手段を後方へ配置することは、天板後方の吸気口および排気口のスペースを小さくすることにつながるため、本体内の冷却性能および排煙性能といった製品の基本性能を阻害してしまうという課題があった。
【0004】
そこで、上記の課題を解決するために、本体と、本体の上部を覆う天板と、天板の上面に設けられた操作部と、操作部に対応して天板の下面に設けられた検知基板と、検知基板を保持し弾性体を介して本体へ載置される検知基板保持部材と、を備え、天板が本体に組み込まれた状態で弾性体の反力により検知基板が天板の下面に圧接されて固定される構成を備えた加熱調理器がある(たとえば、特許文献2参照)。
【0005】
特許文献2に記載の加熱調理器は、検知基板保持部材を備えることにより、天板の上面に設けられた操作部と検知基板との距離を一定に保つことができるため、動作安定性を確保しつつ省スペース化を図ることができる。さらには、検知基板は天板と機械的、電気的に結合する必要がなくなることで、組立性およびサービス性を向上できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−214677号公報
【特許文献2】特許第4449682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載の加熱調理器は、組立時に検知基板は検知基板保持部材に両面テープ、接着剤、カシメなどにより固定され、検知基板はその下側から弾性体で天板の裏面側に圧接されている。しかし、弾性体が設けられているのは検知基板保持部材の一部であるため、検知基板を圧接する力が弾性体上の位置と弾性体上以外の位置とでは異なり、電極の位置によって感度にムラが生じ、操作部の動作安定性を損なう恐れがあった。また、検知基板と検知基板保持部材との位置ずれを抑制するため、検知基板保持部材の外周に壁部が設けられているが、検知基板を天板の下面に圧接する際にその壁部が天板の裏面(の印刷)に接触してしまい、天板の裏面(の印刷)を傷つけて意匠性を損なう恐れがあった。
【0008】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、意匠性を損なわずに動作安定性を確保することができる加熱調理器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る加熱調理器は、上面が開口した本体と、前記本体の上面を覆う天板と、前記天板の上面に設けられた静電容量方式の操作部と、前記操作部に対応する位置に電極を有し、前記天板の下面に設けられた検知基板と、弾性材料で形成され、前記検知基板の前記電極が設けられている範囲をカバーできる大きさの弾性部材と、前記検知基板を保持し、前記弾性部材を介して前記本体へ載置される検知基板保持部材と、を備え、前記弾性部材は、穴または凹形状である凹部を複数有し、両面には両面テープが設けられ、一方の面に前記検知基板を、他方の面に前記検知基板保持部材を接着させた状態で前記本体に組み込まれ、前記検知基板は前記弾性部材により前記天板の下面に圧接されて固定されて
おり、前記天板が上向きに撓んでいる場合において、複数の前記凹部は、前記検知基板の前記電極と鉛直方向で重ならない位置にそれぞれ形成されているものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る加熱調理器によれば、検知基板と検知基板保持部材との位置ずれを抑制するために両面テープを用いており、検知基板の電極が設けられている範囲を全てカバーできる大きさの弾性部材で検知基板を天板の下面に圧接して固定するため、意匠性を損なわずに動作安定性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の全体構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の天板を取り外した状態の全体構成を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の操作部および検知基板とその周辺構造を示す要部分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器をシステムキッチンに取り付けた状態を示す要部断面図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器に用いられる弾性部材および検知基板の電極の位置を示した図である。
【
図6】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器に用いられる弾性部材および検知基板の電極の位置を示した図である。
【
図7】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の検知基板とその周辺構造を示す要部分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0013】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の全体構成を示す斜視図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1の加熱調理器は、上面が開口した箱状の本体1と、本体1の上面を覆い、被調理物が収容された容器2を載置可能な非磁性体(たとえば光透過性を備えた結晶化ガラス)からなる載置部3が設けられた天板4と、天板4の外周にたとえばシリコン系接着剤で固着された金属性(たとえばステンレス)の枠体5と、天板4の上面に設けられ、各種の操作入力を行う静電容量方式の天板操作部6と、本体1の前面に設けられ、各種の操作入力を行う前面操作部7と、同じく本体1の前面に設けられ、加熱調理器の電源を入切するメインスイッチ8と、を備えている。なお、天板操作部6は本発明の「操作部」に相当する。
【0014】
図2は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の天板4を取り外した状態の全体構成を示す斜視図である。
図2に示すように、天板4の下方には、複数の加熱手段、たとえば誘導加熱コイルからなる電磁誘導加熱方式の加熱手段9a〜9cが配設されている。
【0015】
ここで、電磁誘導加熱方式とは、電磁誘導の原理を利用した加熱方式のことである。詳しくは、誘導加熱コイルに高周波交流電流を印加すると回転した磁力線が発生し、誘導加熱コイル内部には一様な磁界が発生する。その磁界が誘導加熱コイルを貫通すると誘導加熱コイル内部では磁束変化を妨げる磁界が発生し、被加熱物に渦電流が流れる。そして、その渦電流は高周波交流電流、たとえば20〜90kHzの交流電流を印加することで流れ続ける。
以上のように、被加熱物の電気抵抗と渦電流とによってジュール熱が発生することにより、被加熱物が発熱する加熱方式のことを電磁誘導加熱方式という。
【0016】
また、本体1の内部には、CPUやその他電子部品を搭載した制御基板等からなり、天板操作部6または前面操作部7からの操作入力により加熱調理器を制御する制御手段11が配設されている。さらに、天板4の下方には、種々の情報を表示の形で報知する報知手段12a〜12cがそれぞれ配設され、天板4は報知手段12a〜12cのそれぞれに対応する位置に、報知手段12a〜12cの表示内容を透過して表示する表示窓13a〜13cを備えている。また、天板操作部6周辺の天板4の下面には、使用者が天板操作部6から各種の操作入力を行う際に参照する印刷が施されている。
【0017】
図3は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の天板操作部6および検知基板20とその周辺構造を示す要部分解斜視図、
図4は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器をシステムキッチンに取り付けた状態を示す要部断面図である。
図3に示すように、天板操作部6は、天板4の下面に設けられた検知基板20(ガラス基板、フレキシブル基板など)と、たとえばポリウレタンやゴムなどの弾性力を有する弾性材料で形成された弾性部材21と、検知基板20を保持し、弾性部材21を介して本体1へ載置される検知基板保持部材22と、を備えている。検知基板20の表面には、天板操作部6に対応する位置に複数の電極20aを備え、これらは検知基板20上の基板配線部(図示せず)、および検知基板20から引き出した接続配線部(図示せず)を介して駆動制御する回路基板(図示せず)へと電気的に接続されている。
【0018】
また、これらは
図4に示すように、天板4を本体1に組み込み、本体1がシステムキッチンのカウンタートップ30に設置された状態で弾性部材21の弾性力により検知基板20を天板4の下面に圧接して固定される静電容量方式の操作形態を構成する。このように、弾性部材21の弾性力により検知基板20を天板4の下面に圧接して固定することにより、天板操作部6と検知基板20とが一定の距離を維持して固定されるため、静電容量方式の天板操作部6における安定条件(C=εS/dでのdを一定)を確保することができる。また、弾性部材21は、検知基板20の電極20aが設けられている範囲を全てカバーできる大きさであるため、電極20aの位置によって感度にムラが生じるのを抑制することができる。以上より、天板操作部6の動作安定性を確保することができる。
【0019】
また、弾性部材21の両面にはそれぞれ両面テープ23が設けられており、一方の面に検知基板20の裏面を、他方の面に検知基板保持部材22を接着させることにより、検知基板20と検知基板保持部材22との位置ずれを抑制することができる。そのため、検知基板20を天板4の下面に圧接する際に検知基板保持部材22が天板4の裏面(の印刷)に接触してしまうことがなく、天板4の裏面(の印刷)を傷つけて意匠性を損なうのを抑制することができる。
【0020】
図5は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器に用いられる弾性部材21および検知基板20の電極20aの位置を示した図である。なお、図中の点線は、弾性部材21の弾性力により検知基板20を天板4の下面に圧接して固定した際の検知基板20の電極20aの位置を示している。
図5に示すように、弾性部材21には、複数の凹部21aが形成されている。この凹部21aはたとえば四角形であり、切り抜いて形成した穴であってもよいし、他の部分より厚みを薄くして形成した凹形状であってもよい。また、凹部21aは弾性部材21の弾性力により検知基板20を天板4の下面に圧接して固定した際に、検知基板20の電極20aと鉛直方向で重ならない位置である、隣り合う電極20a間にそれぞれ形成されている。このように弾性部材21に凹部21aを形成するのは、検知基板20の電極20aでの天板4との密着性を調整し、天板操作部6の動作安定性を維持するためである。なお、凹部21aの形状は四角形に限定されるものではなく、三角形などでもよい。
【0021】
詳しくは、個体のばらつきにより天板4が上向きに撓んでいる(つまり、上向きに凸形状である)場合、弾性部材21の弾性力により検知基板20を天板4の下面に圧接する力が弱くなってしまうため、検知基板20の電極20aと天板4との密着性は下がり、天板操作部6の動作安定性を損なう恐れがある。そうすると、天板操作部6での快適な操作が得られなくなってしまう。そこで、弾性部材21において、検知基板20の電極20aと鉛直方向で重ならない位置に凹部21aを形成し、相対的に厚くなった部分(つまり、凹部21a以外の部分)で検知基板20の電極20aを天板4に積極的に圧接させることにより、検知基板20の電極20aでの天板4との密着性を高め、天板操作部6の動作安定性を維持することができる。
【0022】
以上のように、天板操作部6は、検知基板20と、弾性部材21と、検知基板保持部材22と、を備え、天板4を本体1に組み込んだ状態で弾性部材21の弾性力により検知基板20を天板4の下面に圧接して固定される静電容量方式の操作形態を構成することで、天板操作部6と検知基板20とが一定の距離を維持して固定される。また、弾性部材21は、検知基板20の電極20aが設けられている範囲を全てカバーできる大きさであるため、電極20aの位置によって感度にムラが生じるのを抑制することができる。以上より、静電容量方式の天板操作部6の動作安定性を確保することができる。
【0023】
また、弾性部材21に設けられた両面テープ23により検知基板20と検知基板保持部材22との位置ずれを抑制するため、検知基板20を天板4の下面に圧接する際に検知基板保持部材22が天板4の裏面(の印刷)に接触してしまうことがなく、天板4の裏面(の印刷)を傷つけて意匠性を損なうのを抑制することができる。
【0024】
実施の形態2.
以下、本実施の形態2について説明するが、実施の形態1と重複するものについては省略し、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
本実施の形態2では、弾性部材21に形成されている複数の凹部21aの位置を、実施の形態1から変更している。
【0025】
図6は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器に用いられる弾性部材21および検知基板20の電極20aの位置を示した図である。なお、図中の点線は、弾性部材21の弾性力により検知基板20を天板4の下面に圧接して固定した際の検知基板20の電極20aの位置を示している。
図6に示すように、弾性部材21には、複数の凹部21aが形成されている。この凹部21aはたとえば四角形状であり、切り抜いて形成した穴であってもよいし、他の部分より厚みを薄くして形成した凹形状であってもよい。また、凹部21aは弾性部材21の弾性力により検知基板20を天板4の下面に圧接して固定した際に、検知基板20の電極20aと鉛直方向で重なる位置である電極20a上にそれぞれ形成されている。このように弾性部材21に凹部21aを形成するのは、検知基板20の電極20aでの天板4との密着性を調整し、天板操作部6の動作安定性を維持するためである。なお、凹部21aの形状は四角形に限定されるものではなく、三角形などでもよい。
【0026】
詳しくは、個体のばらつきにより天板4が下向きに撓んでいる(つまり、下向きに凸形状である)場合、弾性部材21の弾性力により検知基板20を天板4の下面に圧接する力が強くなってしまうため、検知基板20の電極20aと天板4との密着性は上がり、天板操作部6の動作安定性を損なう恐れがある。そうすると、天板操作部6での快適な操作が得られなくなってしまう。そこで、弾性部材21において、検知基板20の電極20aと鉛直方向で重なる位置に凹部21aを形成し、検知基板20の電極20aを天板4に積極的に圧接させるのを避けることにより、検知基板20の電極20aでの天板4との密着性を下げ、天板操作部6の動作安定性を維持することができる。
【0027】
実施の形態3.
以下、本実施の形態3について説明するが、実施の形態1と重複するものについては省略し、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
実施の形態1では、弾性部材21の両面に設けられた両面テープ23により検知基板20と検知基板保持部材22との位置ずれを抑制しているが、本実施の形態3では両面テープ23に加えて、または両面テープ23に変えて以下の方法で位置ずれを抑制する。
【0028】
図7は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の検知基板20とその周辺構造を示す要部分解斜視図である。なお、図中の矢印の先は、検知基板保持部材22の凸部22a周辺の拡大図を示している。
本実施の形態3では、検知基板保持部材22がプラスチックなどの樹脂で形成され、両端側に凸形状の凸部22aがそれぞれ設けられている。また、検知基板20には、その凸部22aに対応する位置に穴20bが形成されている。そして、検知基板保持部材22の凸部22aに検知基板20の穴20bを入れることにより、検知基板20と検知基板保持部材22との位置ずれを抑制することができる。さらに、両面テープ23も合わせて用いることで、位置ずれを抑制する効果をより一層高めることができる。
【0029】
また、凸部22aはその先端を丸くすることにより、弾性部材21によって検知基板20を天板4の下面に圧接した際に、凸部22aが天板4の裏面に接触しても、天板4の裏面(の印刷)を傷つけるのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 本体、2 容器、3 載置部、4 天板、5 枠体、6 天板操作部、7 前面操作部、8 メインスイッチ、9a 加熱手段、9b 加熱手段、9c 加熱手段、11 制御手段、12a 報知手段、12b 報知手段、12c 報知手段、13a 表示窓、13b 表示窓、13c 表示窓、20 検知基板、20a 電極、20b 穴、21 弾性部材、21a 凹部、22 検知基板保持部材、22a 凸部、23 両面テープ、30 カウンタートップ。