(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
サーバと複数のカラオケ端末とが通信自在に接続され、当該複数のカラオケ端末において歌唱採点値の順位を競うゲームに参加する利用者による歌唱の歌唱採点値を、所定期間内で楽曲別に順次集計して順位を算出し、当該順位を歌唱採点値と共に当該利用者に報知する通信カラオケシステムであって、
前記カラオケ端末は、
少なくとも前記利用者よりログイン時に利用者IDを取得するログイン・ログアウト処理手段と、
前記利用者による歌唱に対する歌唱採点値を算出する採点手段と、
少なくとも歌唱した楽曲の楽曲IDと共に前記算出された歌唱採点値を前記サーバに送信する採点情報送信手段と、
前記サーバより楽曲情報を取得する楽曲情報取得手段と、
前記利用者に所定情報を報知する報知手段と、
を少なくとも有し、
前記サーバは、
利用者別に、少なくとも歌唱日、歌唱した楽曲の楽曲ID、歌唱採点値の歌唱履歴を記憶する利用者データベースと、
前記カラオケ端末より少なくとも前記利用者の利用者ID、歌唱日、楽曲ID、歌唱採点値を取得する利用者情報取得手段と、
前記所定期間内で、前記楽曲ID、歌唱採点値の取得の度に楽曲別のランキングデータを作成するランキングデータ作成手段と、
前記利用者IDに基づいて前記利用者データベースの歌唱履歴より歌唱経験のある一部又は全部の楽曲及びその歌唱採点値を抽出し、抽出した楽曲のうち、当該利用者の歌唱採点値と当該楽曲についての前記ランキングデータにおける最高位から所定件数分に応じた歌唱採点値とに基づいて所定の条件を満たす楽曲を特定して記憶する楽曲特定手段と、
を少なくとも有し、
前記カラオケ端末の楽曲情報取得手段が前記サーバで特定した楽曲を取得し、前記報知手段が、取得した楽曲をランキングが好順位となるであろう推奨楽曲として前記利用者に報知することを特徴とするカラオケシステム。
請求項1記載のカラオケシステムであって、前記サーバの楽曲特定手段は、前記楽曲の抽出を、直近の所定期間に前記利用者により歌唱された楽曲を対象とすることを特徴とするカラオケシステム。
請求項1又は2記載のカラオケシステムであって、前記サーバの楽曲特定手段は、前記条件を、対応楽曲の前記ランキングデータにおける最高位から所定件数分に応じた歌唱採点値の平均値又は最高位から所定件数分に応じた所定順位の歌唱採点値に対する前記抽出した利用者の歌唱採点値未満若しくは以下として楽曲を特定することを特徴とするカラオケシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1,2に記載されているようなランキングの算出や表示に関する技術では、利用者の点数と順位が判明するのは自身の歌唱が終わってからであって、予想に反して高得点者が大勢いて順位の悪さに落胆することもある。ランキングは一定期間毎(例えば毎月末日の24:00)にリセットされることから、月初めは好順位を取り易く、月末に近づくほど好順位は取り難くなるという傾向にあることはカラオケ利用者に広く知られており、月末に近づくほど歌唱意欲を削ぐことにもなり、一方で予約選曲時に最高得点や得点分布を通知したりすることも考えられるが、余計に歌唱意欲を削ぐことになる。
【0008】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、ランキングが好順位となるであろう楽曲の特定を可能とし、利用者に推奨することでカラオケ利用の促進を図るカラオケシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、サーバと複数のカラオケ端末とが通信自在に接続され、当該複数のカラオケ端末において歌唱採点値の順位を競うゲームに参加する利用者による歌唱の歌唱採点値を、所定期間内で楽曲別に順次集計して順位を算出し、当該順位を歌唱採点値と共に当該利用者に報知する通信カラオケシステムであって、前記カラオケ端末は、少なくとも前記利用者よりログイン時に利用者IDを取得するログイン・ログアウト処理手段と、前記利用者による歌唱に対する歌唱採点値を算出する採点手段と、少なくとも歌唱した楽曲の楽曲IDと共に前記算出された歌唱採点値を前記サーバに送信する採点情報送信手段と、前記サーバより楽曲情報を取得する楽曲情報取得手段と、前記利用者に所定情報を報知する報知手段と、を少なくとも有し、前記サーバは、利用者別に、少なくとも歌唱日、歌唱した楽曲の楽曲ID、歌唱採点値の歌唱履歴を記憶する利用者データベースと、前記カラオケ端末より少なくとも前記利用者の利用者ID、歌唱日、楽曲ID、歌唱採点値を取得する利用者情報取得手段と、前記所定期間内で、前記楽曲ID、歌唱採点値の取得の度に楽曲別のランキングデータを作成するランキングデータ作成手段と、前記利用者IDに基づいて前記利用者データベースの歌唱履歴より歌唱経験のある一部又は全部の楽曲及びその歌唱採点値を抽出し、抽出した楽曲のうち、当該利用者の歌唱採点値と当該楽曲についての前記ランキングデータにおける最高位から所定件数分に応じた歌唱採点値とに基づいて所定の条件を満たす楽曲を特定
して記憶する楽曲特定手段と、を少なくとも有し、前記カラオケ端末の楽曲情報取得手段が前記サーバで特定した楽曲を取得し、前記報知手段が、取得した楽曲を
ランキングが好順位となるであろう推奨楽曲として前記利用者に報知する構成とする。
【0010】
請求項2、3の発明では、「前記サーバの楽曲特定手段は、前記楽曲の抽出を、直近の所定期間に前記利用者により歌唱された楽曲を対象とする」構成であり、
「前記サーバの楽曲特定手段は、前記抽出した利用者の歌唱採点値から一の歌唱採点値を特定し、前記条件を、対応楽曲の前記ランキングデータにおける最高位から所定件数分に応じた歌唱採点値の平均値又は最高位から所定件数分に応じた所定順位の歌唱採点値に対する前記抽出した利用者の歌唱採点値未満若しくは以下として楽曲を特定する」構成である。
【0011】
請求項4、5の発明では、「前記カラオケ端末の報知手段は、前記サーバで特定した楽曲を、前記利用者が前記カラオケ端末にログインした時または前記利用者の歌唱の合間に報知する」構成であり、
「前記サーバは、カラオケ歌唱対象の楽曲を記憶する楽曲データベースを備えると共に、前記利用者の所持する携帯端末と通信自在とする携帯端末送受信手段を備え、前記利用者データベースには、各利用者の所持する携帯端末の送信先が記憶され、前記楽曲特定手段が特定した楽曲に基づいて前記楽曲データベースを参照しての楽曲名を抽出し、前記携帯端末送受信手段が当該楽曲名を推奨楽曲として前記携帯端末に送信する」構成である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カラオケ端末が、利用者による歌唱に対して算出した歌唱採点値、歌唱楽曲の楽曲ID及び当該利用者の利用者IDをサーバに送信し、サーバが、所定期間内で、各カラオケ端末より取得した楽曲ID、歌唱採点値で楽曲別のランキングデータを取得の度に作成し、利用者IDに基づき当該利用者の歌唱経験のある一部又は全部の楽曲及びその歌唱採点値を抽出し、抽出した楽曲のうち、当該利用者の歌唱採点値と当該楽曲についてのランキングデータにおける最高位から所定件数分に応じた歌唱採点値とに基づいて所定の条件を満たす楽曲を特定
して記憶し、当該楽曲を
ランキングが好順位となるであろう推奨楽曲として利用者に報知する構成とすることにより、サーバにおいてランキングの好順位となるであろう楽曲を特定することができ、この楽曲を推奨楽曲として利用者に報知することでカラオケ利用の促進を図ることができるものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図により説明する。この実施形態での「利用者」とは、カラオケ端末にログインし、楽曲選曲時に歌唱採点値を競うゲームに参加する者として説明する。
【0015】
図1に、本発明に係るカラオケ端末のブロック構成図を示す。本発明は、複数のカラオケ端末とサーバとによりカラオケシステムが構成される。
図1において、各カラオケ端末11は、主要装置としてのカラオケ本体12に、有線又は無線で外部接続されるものとして、表示部13、ミキシングアンプ14、マイク15、スピーカ16、遠隔入出力装置17が接続される。
【0016】
上記表示部13は、通常の楽曲選曲表示やカラオケ演奏時の背景映像等を表示するもので、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、その他種々のディスプレイを採用することができる。上記ミキシングアンプ14は、カラオケ本体12より送られてくる音楽演奏信号に、マイク15からの音声信号をミキシングし、増幅してスピーカ16より出力する。
【0017】
上記遠隔入出力装置17は、図示しない端末送受信部により、カラオケ本体12に対して有線方式ないし無線方式(IR方式やブルートゥース(登録商標)機構のピコネット接続方式など)を利用してデータ授受を行うためのもので、少なくともログイン・ログアウト処理手段17A、選曲楽曲登録手段17B及び端末表示手段17Cを適宜備える。
【0018】
上記ログイン・ログアウト処理手段17Aは、利用者によるログイン操作に応じて当該利用者より利用者IDを取得してログインを許可し、当該利用者IDを後述のカラオケ本体12のRAM23の利用者情報42の記憶領域に記憶し、当該利用者IDを後述のランキングデータ、推奨楽曲となる楽曲IDを要求するコマンドと共にサーバ62に送出する処理を行うと共に、ログアウト操作に応じて利用終了の処理を行うプログラムである。
【0019】
選曲楽曲登録手段17Bは楽曲を検索させ、選曲させるテーブルを備えるプログラムであり、選曲時に後述の歌唱採点値を競うゲームに参加する意思表示のランキング参加ボタンが設けられ、ランキング参加の意思表示と共に選曲させ、選曲された楽曲は、後述のカラオケ本体12における予約待ち行列(41)に登録される。上記端末表示手段17Cは、液晶ディスプレイ(LCD)とタッチセンサとを積層して入出力用とし、表示されるアイコン等に対応して当該タッチセンサにより楽曲の選択などのデータを入力することができるGUIのユーザインタフェース機能を有するものである。
【0020】
上記カラオケ本体12は、バス20、中央制御部21、ROM22、RAM23、映像表示制御手段24、音楽演奏制御部25、音源(シンセサイザ)26、送受信部27A,27B、採点手段28、A/D変換部29、記憶部30、ランキングデータ取得手段31、採点情報送信手段32、ランキング特定手段33、楽曲情報取得手段34及び報知手段35を備える。上記RAM23には予約待ち行列41、利用者情報42、ランキングデータ43及び推奨楽曲情報44の記憶領域が形成され、記憶部30には、楽曲DB51及び映像DB52が記憶される。なお、上記各構成について、本発明の要旨と直接関連しない要素部分であっても、従前のカラオケシステムにおいても大部分が適用可能であることを示すために、構成要素の全体を説明する。
【0021】
上記中央制御部21は、このシステムを統括的に処理制御する物理的なCPUであり、ROM22に記憶されているプログラムに基づくアルゴリズム処理を行う。上記RAM23は、予約待ち行列41、利用者情報42、ランキングデータ43及び推奨楽曲情報44の記憶領域が形成される他に、上記種々のプログラムを展開、実行させるための作業領域としての役割をなすもので、例えば半導体メモリで構成され、仮想的にハードディスク上に構築される場合をも含む概念である。
【0022】
上記映像表示制御手段24は、演奏時に、映像DB52より抽出された背景映像及び楽曲DB51より抽出された楽曲の歌詞データを表示部13に出力するプログラム乃至電子回路である。上記音楽演奏制御部25は、例えばシーケンスプログラムを備え、楽曲IDで楽曲DB51より抽出された音符データに従って音源(シンセサイザ)26を駆動するもので、当該音源26の出力は演奏信号としてミキシングアンプ14に出力される。
【0023】
上記送受信部27Aは、遠隔入出力装置17との間で有線方式ないし無線方式(IR方式やブルートゥース(登録商標)機構のピコネット接続方式など)を利用してデータ授受を行うためのもので、そのための電子回路及びプログラムである。上記送受信部27Bは、カラオケ本体12とサーバ62とが通信ネットワーク61を介してデータ授受を行うための物理的な通信用回路やプラットフォーム等のソフトウエアにより構成されるものである。
【0024】
上記採点手段28は、楽曲歌唱に対して楽曲の所定の歌唱区間毎に歌唱音声を分析して採点するもので、マイク15からの音声信号がミキシングアンプ14をスルーしてA/D変換部29でデジタル変換された音声信号に対して楽曲データに含まれる歌唱採点するためのリファレンスデータに基づいて採点処理を行うプログラムである。具体的には、例えば特許第4222915号公報に記載されている手法を用いることができる。採点手段28で処理された採点値は、RAM23の利用者情報42に歌唱履歴として、利用者ID、楽曲IDに関連付けられて記憶される。また、歌唱区間毎の採点値は、その区間までの途中採点値として、ランキングの途中順位を特定する場合に用いられる。
【0025】
上記記憶部30に記憶されている楽曲DB51は、楽曲毎に、音符データ、歌詞データ、歌唱採点のためのリファレンスデータなどを格納する。演奏に関して、具体的には、楽曲ID、曲名及びアーチストID(アーチスト名)が関連付けられた楽曲テーブルを有し、楽曲毎に、楽曲IDで管理される所定データ形式のカラオケ楽曲の音符データ(例えば、MIDI(登録商標)形式の音符データ)等で構成される楽曲データ(ファイル)について当該楽曲IDをファイル名としてそれぞれ格納したデータベースである。上記記憶部30に記憶されている映像DB52は、楽曲毎に応じた背景映像データについて楽曲IDをファイル名としてそれぞれ格納したデータベースである。
【0026】
上記ランキングデータ取得手段31は、所定のタイミング、例えば利用者が楽曲を選曲して上記予約待ち行列41に登録した時に、サーバ62に対して当該選曲楽曲の楽曲IDについてのランキングデータを要求して取得するプログラムである。上記採点情報送信手段32は、RAM23の利用者情報42に記憶されている当該利用者の歌唱後に算出された歌唱採点値を歌唱した楽曲の楽曲IDと共に利用者IDに関連付けて送信するプログラムである。
【0027】
上記ランキング特定手段33は、歌唱中に歌唱区間毎に算出された歌唱採点値に基づいてRAM23に記憶されているランキングデータ43を参照して途中順位を特定して表示部13や遠隔入出力装置17の端末表示手段17Cに表示するプログラムである。上記楽曲情報取得手段34は、サーバ62より楽曲情報を取得するプログラムであり、当該楽曲情報は後述のサーバ62の楽曲特定手段77で特定したランキングで好順位となるであろう楽曲(楽曲ID)であり、所得した当該楽曲IDに基づいて楽曲DB51より楽曲名を抽出してRAM23に推奨楽曲情報44として記憶する。なお、サーバ62において特定した楽曲IDで楽曲名を抽出するとした場合においては当該楽曲名を取得することとしてもよい。
【0028】
上記報知手段35は、利用者に所定情報を所定のタイミングで報知するプログラムであって、所定情報としてはRAM23の推奨楽曲情報44に記憶されている楽曲名等の推奨楽曲の情報であり、報知タイミングとしては利用者がカラオケ端末11にログインした時又は利用者の歌唱の合間とする。
【0029】
続いて、
図2に本発明に係るサーバの構成説明図を示すと共に、
図3に
図2の利用者DB及びランキングDBの説明図を示す。まず、
図2(A)において、サーバ62は、インターネットなどの通信ネットワーク61を介して所定数のカラオケ端末11(11A〜11N)を管理し、当該各カラオケ端末11に対する楽曲データの配信や各種データを送受する装置である。
【0030】
サーバ62は、
図2(B)に示すように、少なくとも制御部71、ネットワーク送受信部72、携帯端末送受信手段としての携帯端末送受信部73、記憶部74、利用者情報取得手段75、ランキングデータ作成手段76、楽曲特定手段77、利用者情報更新手段78、利用者DB79、ランキングDB80及び楽曲DB81を備える。上記制御部71は、当該サーバ62を統括的に制御する物理的なCPUであり、図示しないROMに格納されているプログラムを実行処理して統括的な処理を行う。
【0031】
上記ネットワーク送受信部72は、各カラオケ端末11(11A〜11N)との通信(データ授受)を行うために、通信ネットワーク61の通信方式と整合性をとるための例えば物理的な通信用回路やプラットフォーム等のソフトウエアにより構成される。上記携帯端末送受信部73は、後述する楽曲特定手段77で特定されて記憶部74に記憶されている楽曲(楽曲名)を所定の利用者が所持するスマートホンなどの携帯端末に対して一方的に、また当該携帯端末からの推奨楽曲の要求を受信したときに送信するプログラムであり、一方的に送信する場合として、送信先の利用者が例えばプレミアム会員などとして予め定められ、当該利用者の送信アドレスを後述する利用者DB79より特定して送信する。
【0032】
上記記憶部74は、種々のデータを記憶するメモリ等であり、少なくとも後述する楽曲特定手段77で特定された楽曲の楽曲IDや楽曲名を記憶する。上記利用者情報取得手段75は、各カラオケ端末11より利用者に関する利用者ID、歌唱楽曲(楽曲ID)、歌唱採点値を少なくとも取得するプログラムである。上記ランキングデータ作成手段76は、所定期間内で、各カラオケ端末11から楽曲ID、歌唱採点値の取得の度に楽曲別のランキングデータを作成して後述のランキングDB80に記憶するプログラムであり、所定期間は例えば月単位(初日から月末)で定められる。
【0033】
上記楽曲特定手段77は、利用者IDに基づいて利用者DB79の歌唱履歴より歌唱経験のある一部又は全部の楽曲及びその歌唱採点値を抽出し、抽出した楽曲のうち、当該利用者の歌唱採点値と当該楽曲について後述のランキングDB80より抽出したランキングデータにおける最高位から所定件数分に応じた歌唱採点値とに基づいて所定の条件を満たす楽曲を特定するプログラムである。
【0034】
具体的には、上記楽曲の抽出については、直近の所定期間に当該利用者により歌唱採点値を争う歌唱であるか否かに拘わらずに歌唱された全楽曲を抽出対象とする。抽出条件としては、本実施形態では直近の所定期間(一例として現時点から3ヶ月以内)に当該利用者により所定回数以上歌唱された楽曲を対象として説明するが、歌唱採点値が最高点である楽曲を対象とし、又は当該歌唱採点値の平均値を算出して上位楽曲を対象とし、又は歌唱採点値が所定値以上である楽曲としてもよく、これらを適宜組み合わせた楽曲を対象としてもよい。
【0035】
また、抽出した楽曲の当該利用者の歌唱採点値としては、本実施形態では平均値として説明するが、最高値の歌唱採点値としてもよい。すなわち、本発明における利用者の歌唱採点値とは、抽出した楽曲での複数の歌唱採点値の平均値を含む概念である。
【0036】
なお、楽曲を特定する条件についての詳細は、
図6及び
図7で説明する。また、楽曲特定手段77は、特定した楽曲の楽曲IDに基づいて楽曲DB81を参照して楽曲名を抽出し、記憶部74に記憶することとしてもよい。
【0037】
上記利用者情報更新手段78は、各カラオケ端末11より送られてくる利用者IDに関連付けられた新たな歌唱履歴を含む利用者情報に基づいて利用者DB79の該当情報を更新するプログラムである。
【0038】
上記利用者DB79は、
図3(A)に示すように、利用者の利用者IDと属性情報とが関連付けられた顧客情報を格納する記憶装置である。その属性情報としては、図示しない氏名、住所等の他に、セカンドネーム、携帯端末のアドレスである携帯端末ID、当該利用者の歌唱履歴(利用日、利用時間、歌唱楽曲ID、歌唱採点等)などがある。
【0039】
上記ランキングDB80は、
図3(B)に示すように、上記ランキングデータ作成手段76で作成された、歌唱楽曲ID毎の、上位100件の採点値、利用者ID、セカンドネーム等が関連付けられたランキングデータを更新自在に記憶するデータベースである。上記楽曲DB81は、複数の楽曲データを格納する記憶装置であり、カラオケ端末11はこれと同じ楽曲DB51を備えるもので、サーバ62の楽曲DB81が更新されれば、通信ネットワーク61を介して各カラオケ端末11の楽曲DB51も更新されるものである。
【0040】
ここで、
図4に、
図1のカラオケ端末におけるランキング処理に関するフローチャート及び表示形態の説明図を示す。
図4(A)において、まず、ログインした利用者により、遠隔入出力装置17の楽曲選曲登録手段17Bを用いて選曲された楽曲を、その際に利用者が選択した歌唱採点値を競うゲームへの参加(「ランキング参加」という)情報と共に受け付ける(ステップ1(S1))。例えば、
図4(B)に示すように、遠隔入出力装置17の端末表示手段17Cで選曲対象の画面が表示され、当該画面上の「ランキング参加」ボタンRBが選択されて転送されることで、選曲者である利用者の歌唱楽曲及びランキング参加情報がカラオケ本体12に送られる。
【0041】
カラオケ本体12では、選曲楽曲(楽曲ID、楽曲名)をランキング参加フラグと関連付けてRAM23の予約待ち行列41に登録すると共に、ランキングデータ取得手段31がサーバ62に対して当該楽曲(楽曲ID)のランキングデータを要求するコマンドを送信する(S2)。サーバ62より送られてきた当該楽曲IDのランキングデータをランキングデータ取得手段31が取得してRAM23のランキングデータ43の記憶領域に記憶する(S3)。
【0042】
歌唱が開始されると、採点手段28が歌唱区間毎の歌唱採点処理を行い、ランキング特定手段33が歌唱の終わった区間までの採点値をランキングデータ43を参照しながら途中順位を特定して表示部13ないし遠隔入出力装置17の端末表示手段17Cに表示する(S4)。なお、採点値がランキングデータの最低順位(上位100件)の採点値に届かない場合には「圏外」と表示される。歌唱が終了すると、採点手段28による最終的な歌唱採点値が算出され、当該歌唱採点値が歌唱した楽曲の楽曲IDと共に利用者IDに関連付けてRAM23の利用者情報42に記憶する(S5)。
【0043】
そこで、採点情報送信手段32が、利用者IDに関連付けて歌唱した楽曲の楽曲ID及び歌唱採点値を当該歌唱採点値を反映させた最新のランキングデータを要求するコマンドと共にサーバ62に送信する(S6)。そして、サーバ62より送られてきた最新のランキングデータをランキングデータ取得手段31が取得してRAM23にランキングデータ43として記憶し、当該歌唱者の最新順位を特定し、
図4(C)に示すように、歌唱採点値及びランキング順位を報知手段35で表示部13ないし遠隔入出力装置17の端末表示手段17Cで表示するものである(S7)。
【0044】
また、
図5に、
図2のサーバにおけるランキングデータ作成処理の説明図を示す。
図5(A)において、サーバ62のランキングデータ作成処理の対象期間及び開始時刻が設定される(S11)。この設定は、制御部71に対してでもよく、ランキングデータ作成手段76に対してでもよい。例えば、期間日時を月初日(1日)の0時(00:00)から月末日の24時(24:00)までの1ヶ月と設定する。
【0045】
期間開始の日時(月初日の00:00)になると(S12)、ランキングデータ作成手段76は、ランキングDB80に記憶されているそれまでの楽曲ID別のランキングデータを総てリセットする(S13)。そして、各カラオケ端末11から順次送られてくる利用者ID、楽曲ID、歌唱採点値に基づいて楽曲ID毎のランキングデータを作成していくものである(S14)。
【0046】
ここで、
図5(B)に示すように、利用者情報取得手段75がカラオケ端末11から利用者ID、楽曲ID、歌唱採点値を取得すると、利用者情報更新手段78が利用者DB79の歌唱履歴を更新すると共に、ランキングデータ作成手段76が当該楽曲IDのランキングデータを抽出する(S21)。
【0047】
そして、当該抽出した楽曲IDのランキングデータに取得した歌唱採点値を反映させ、
図5(C)に示すように、新たに上位100件の採点値順としたランキングデータを作成してランキングDB80を更新し、当該楽曲IDの最新のランキングデータを対応のカラオケ端末11に送信するものである(S22)。
【0048】
そこで、
図6に
図2のサーバにおける楽曲特定処理の説明図を示すと共に、
図7に
図6の処理説明図を示す。
図6(A)において、利用者情報取得手段75がカラオケ端末11から送られてきた利用者IDを含む利用者情報を取得すると(S31)、楽曲特定手段77が利用者DB79を参照して、
図7(A)に示すような当該利用者IDに関連付けられている歌唱履歴の楽曲ID及び歌唱採点値を抽出してリストを作成する(S32)。
【0049】
リスト中の直近の所定期間に歌唱された楽曲(楽曲ID)のうち、所定回数以上歌唱された楽曲を所定数限定し、限定された楽曲の各歌唱採点値での平均値が算出され、利用者の歌唱採点値Gとして関連付ける(S33)。例えば、
図7(A)に示すように、月単位で直近の3ヶ月(8月から10月)で歌唱された各楽曲の歌唱回数が算出され、例えば10回以上歌唱された楽曲A、B、Cを限定し、限定された楽曲に付帯されている各歌唱採点値の平均値が算出されて利用者の歌唱採点値G(
図7(B)参照)として関連付けられる。
【0050】
そして、上記限定された楽曲(楽曲ID)A、B、CのランキングデータがランキングDB80よりそれぞれ読み込まれる(S34)。そこで、
図6(B)に示すように、抽出された楽曲IDのランキングデータ毎に、各上位100件について歌唱採点値の平均値Nsを算出する(S41)。例えば、
図7(B)に示すように、楽曲A、楽曲B、楽曲Cそれぞれの上位100件のランキングデータの得点分布状態について、分析するためのそれぞれの平均値Nsが算出される。
【0051】
そして、ランキングの好順位が得られるであろう推奨楽曲の所定の条件を満たす楽曲を抽出する抽出条件を、上記算出した平均値Nsに対応する利用者の歌唱採点値G未満(歌唱採点値G以下としてもよい)と設定し、歌唱採点値G未満の平均値Nsに該当する楽曲を特定して記憶部74に記憶する(S42)。例えば、
図7(C)に示すように、平均値Nsが利用者の歌唱採点値G未満として楽曲Bと楽曲Cが推奨楽曲として特定され、今これらの楽曲を歌唱すればランキング圏内(100位以内)に入れる可能性が高いことを知らせることができる。
【0052】
一方、
図6(C)に示すように、ランキングの好順位が得られるであろう推奨楽曲の抽出条件を、ある定めた順位Rを設定し(S51)、当該順位Rの歌唱採点値Nxが利用者の歌唱採点値G以下(歌唱採点値G未満でもよい)に該当する楽曲を特定して記憶部74に記憶する(S52)。例えば、
図7(D)に示すように、順位Rを1位と設定すると、当該1位の歌唱採点値Nxが利用者の歌唱採点値G以下である楽曲Cが推奨楽曲として特定され、今この楽曲を歌唱すれば1位を獲得できる可能性が楽曲A、Bよりも高いことを知らせることができる。
【0053】
また、順位Rを10位と設定すると、当該10位の歌唱採点値Nxが利用者の歌唱採点値G以下である楽曲Bと楽曲Cが推奨楽曲として特定され、今これらの楽曲を歌唱すればベスト10にランクインできる可能性が高いことを知らせることができる。なお、所定順位Rに同じ歌唱採点値Nxが複数並んだ場合にも、適宜処理すればよい。
【0054】
次に、
図8に、カラオケ端末における推奨楽曲報知の説明図を示す。
図8(A)において、利用者により遠隔入出力装置17を用いてログイン要求があると、ログイン・ログアウト処理手段17Aのログイン処理が開始され、利用者IDの要求に対して当該利用者より利用者IDを取得し(S61)、サーバ62に対して当該利用者IDを上記楽曲特定手段77が特定した楽曲IDを要求するコマンドと共に送信する(S62)。
【0055】
サーバ62では、特定手段77が特定した楽曲(楽曲ID)は記憶部74に記憶されており、記憶されている楽曲IDを要求したカラオケ端末11に送信することで、当該カラオケ端末11の楽曲情報取得手段34が取得した楽曲IDに基づいて楽曲DB51を参照してRAM23の推奨楽曲情報44として記憶し、報知手段35が当該楽曲名を、
図8(C)に示すように、遠隔入出力装置17の端末表示手段17C(表示部13でもよい)で表示することで報知するものである(S63)。
【0056】
また、報知手段35は、
図8(B)に示すように、歌唱中か否かで(S71)、歌唱されていない歌唱の合間で、RAM23の推奨楽曲情報44に記憶されている楽曲名を、
図8(D)に示すように、遠隔入出力装置17の端末表示手段17C(表示部13でもよい)で表示することで報知するものである(S72)。
【0057】
一方、サーバ62において、上記携帯端末送受信部73が楽曲特定手段77で特定楽曲IDに基づいて楽曲DB81を参照して抽出した楽曲名を、カラオケ端末11を経由せず、歌唱採点値を競うゲームの参加者の携帯端末に直接配信してもよい。
【0058】
例えば、プレミアム会員などとして予め定められた利用者毎に、所定のタイミングで、楽曲特定手段77が上記の処理でそれぞれの推奨楽曲を特定し、その楽曲名を各利用者が所持するスマートホンなどの携帯端末に携帯端末送受信部73より送信して報知することとしてもよい。また、サーバ62の携帯端末送受信部73が利用者から推奨楽曲の要求を受け付け、そのタイミングで楽曲特定手段77が上記の処理で推奨楽曲を特定し、その楽曲名を携帯端末送受信部73が当該利用者の携帯端末に配信してもよい。
【0059】
なお、利用者に対する報知は、ログイン時の表示、歌唱の合間の表示、サーバによる携帯端末への送信の何れでもよく、また、適宜組み合わせで行ってもよいものである。
【0060】
このように、サーバにおいてランキングの好順位となるであろう楽曲を特定することができ、この楽曲を推奨楽曲として利用者に報知することでカラオケ利用の促進を図ることができるものである。