(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
なお、本明細書において、「上」及び「下」は、熱収縮性筒状ラベルを容器に装着し、その容器を自立させた状態を基準にしている。また、「PPP〜QQQ」という記載は、「PPP以上QQQ以下」を意味する。
各図に示される部分及び部材の寸法、縮尺及び形状は、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
【0012】
[第1実施形態]
<熱収縮性筒状ラベル>
図1は、第1実施形態に係る熱収縮性筒状ラベル1を示し、
図2及び
図3は、それを扁平状に畳んだ状態を示す。
図1乃至
図3において、熱収縮性筒状ラベル1は、周方向に熱収縮する性質を有する筒状フィルム2と、前記筒状フィルム2の軸方向中途部においてその周方向に延設された横ミシン線3と、前記筒状フィルム2の軸方向一端からその反対端側に延設され、前記横ミシン線3にまで至らない縦ミシン線51と、を有する。なお、縦ミシン線51は、1本の縦ミシン線及び2本以上の縦ミシン線を含んだ概念である。
前記熱収縮性筒状ラベル1には、必要に応じて、熱収縮性筒状ラベル1の下方領域を容器に接着するため、筒状フィルム2の内面に部分的に設けられる感熱接着剤などからなる接着部や、熱収縮性筒状ラベル1の容器に対する滑り性を向上させるため、筒状フィルム2の内面に設けられる滑り層などが設けられていてもよい(いずれも図示せず)。
【0013】
前記筒状フィルム2は、ポリエステル系フィルムを含む熱収縮性フィルムの両側端部を重ね合わせて筒状にし、この重ね合わせ部分を溶剤又は接着剤などを用いて接着することにより、筒状に形成された筒状体からなる。前記筒状フィルム2(熱収縮性筒状ラベル1)は、畳んだ状態で、例えば、略長方形状又は略正方形状である。
【0014】
前記熱収縮性フィルムは、ポリエステル系フィルムを含んでいれば特に限定されず、ポリエステル系フィルムの単層フィルム、又は、ポリエステル系フィルムを含む積層フィルムでもよい。
前記ポリエステル系フィルムとしては、芳香族ポリエステル系フィルム、脂肪族ポリエステル系フィルムなどが挙げられる。
芳香族ポリエステル系フィルムとしては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を主成分とし且つジオール成分としてエチレングリコールを主成分としたポリエチレンテレフタレート系フィルムなどが挙げられ、脂肪族ポリエステル系フィルムとしては、ポリ乳酸を主成分とするポリ乳酸系フィルムなどが挙げられる。
前記積層フィルムは、ポリエステル系フィルムを2層以上積層した積層フィルム、又は、ポリエステル系フィルムの1層又は2層以上と他の層の1層又は2層以上とを積層した積層フィルムである。好ましくは、積層フィルムは、ポリエステル系フィルム/他の層/ポリエステル系フィルムの3層構造である。
前記他の層は特に限定されず、例えば、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からから選ばれる1種単独、又は2種以上の混合物を含む樹脂フィルム;金属蒸着層;不織布などの断熱層などが挙げられる。
なお、前記積層フィルムは、全体として熱収縮性を有していていればよく、例えば、熱収縮性を有さないフィルムを含んでいてもよい。前記熱収縮性フィルムは、成膜後に少なくとも一軸延伸し、所要の温度で熱エージングすることにより得ることができる。
前記熱収縮性フィルムは、所要温度(例えば80℃〜100℃)で少なくとも一方向(主たる熱収縮方向)に熱収縮可能である。この熱収縮性フィルムの一方向が周方向となるように熱収縮性フィルムを筒状に形成することにより、周方向に熱収縮性を有する筒状フィルム2が構成されている。
前記熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されないが、例えば20〜120μmであり、好ましくは、30〜80μmである。
【0015】
前記熱収縮性フィルムの軸方向における引裂き強度は、13N/mm〜30N/mmであり、好ましくは、22N/mm〜28N/mmである。なお、デザイン印刷層などは引裂き強度の長短に殆ど影響しないことから、前記熱収縮性フィルムの軸方向の引裂き強度は、筒状フィルム2の軸方向の引裂き強度に略等しい。
軸方向の引裂き強度が13N/mm未満の筒状フィルム2を用いると、後述する第2縦ミシン線に沿って生じた開裂線が、第2縦ミシン線の最も下側の貫通孔を通過して横ミシン線3にまで生じる結果、縦帯状部が横ミシン線3に至って途切れるおそれがある。他方、軸方向の引裂き強度が30N/mmを超える筒状フィルム2を用いると、後述する第1縦ミシン線又は第2縦ミシン線の途中で開裂線が周方向に逸れていくおそれがある。引裂き強度が13N/mm〜30N/mmの筒状フィルム2を用いることにより、開封時に、開裂線が途中で逸れることなく熱収縮性筒状ラベル1の上方領域を簡単且つ確実に除去できる。
ただし、前記引裂き強度は、JIS K 7128−1991(プラスチック及びシートの引裂試験方法)のA法(トラウザー法)に準じて測定できる。
【0016】
前記熱収縮性フィルムには、必要に応じてデザイン印刷層が設けられていてもよい。デザイン印刷層は、熱収縮性フィルムの表面又は裏面に設けることができる。また、前記熱収縮性フィルムは、例えば乳白色のような非透明なフィルム、又は、透明性に優れたフィルムを用いてもよいが、デザイン印刷層を裏面側に設ける場合には透明性に優れたものが用いられる。
【0017】
横ミシン線3は、前記筒状フィルム2の軸方向中途部に配置され、その筒状フィルム2の周方向全体に形成されている。従って、
図2及び
図3に示すように、横ミシン線3は、筒状フィルム2の周囲全体に亘って形成されている。なお、軸方向は、筒の中心を通り且つその筒の高さ方向と平行な軸をいう。筒状フィルム2の周方向に延びる横ミシン線3は、軸方向に所要間隔を開けて2本以上形成されていてもよいが、本実施形態では、1本形成されている。なお、1本の横ミシン線3は、厳密に1本だけ形成されている場合の他、2本隣接して形成されている場合を含む意味である。本明細書において、「ミシン線が2本隣接して形成」とは、2本のミシン線が1mm以内の間隔を有して平行に形成されていることをいう。
前記横ミシン線3の形成位置は、軸方向中途部であれば特に限定されない。通常、キャップ付き容器を封緘する目的で用いられる熱収縮性筒状ラベル1は、胴部とキャップ部の境界部分又はその近傍部分に横ミシン線3が一致するように、容器に装着される。このため、前記横ミシン線3の形成位置は、容器の種類に応じて適宜設計される。なお、熱収縮性筒状ラベル1は、横ミシン線3を基準にして、上方領域と下方領域に区画されている。このうち、上方領域が開封時に除去される。
【0018】
ここで、本明細書において、「ミシン線」とは、ミシン針の縫い跡の如くフィルムの両面に貫通する複数の貫通孔が所要間隔を開けて形成された、方向性を有する複数の貫通孔の集合である。かかるミシン線は、方向性を有して並んだ各貫通孔の間に、非貫通部(貫通処理の成されていないフィルム部分)が存在する。1つの貫通孔の正面視形状は、細長い直線状、針穴状(打ち抜き略円形状又は略楕円形状)などが挙げられる。ミシン線に沿ってフィルムが切れ易くなることから、ミシン線の貫通孔の形状は、細長い直線状が好ましい。
【0019】
図4を参照して、横ミシン線3の1つの貫通孔の周方向における長さ3Wは、特に限定されないが、例えば、0.3mm〜3mmであり、好ましくは、0.5mm〜2mmである。横ミシン線3の1つの非貫通部の周方向における長さ3Zは、特に限定されないが、例えば、0.3mm〜3mmであり、好ましくは、0.3mm〜1mmである。
【0020】
縦ミシン線51は、筒状フィルム2の軸方向一端(上端)からその反対端(下端)側に向かって延びている。縦ミシン線51は、横ミシン線3にまで至っておらず、従って、縦ミシン線51の下端(縦ミシン線51の複数の貫通孔のうちで、最も下側に位置する貫通孔51aの下端)と横ミシン線3との間には、所要のミシン線非形成領域が存在している。この縦ミシン線51の下端と横ミシン線3との間の長さ51Sは、例えば、2.5mm〜20mmであり、好ましくは、3mm〜15mmである。この間の長さ51Sが余りに小さいと、縦ミシン線51の非貫通部の長さと殆ど異ならず、縦ミシン線51が実質的に横ミシン線3と繋がり、他方、この間の長さ51Sが余りに大きいと相対的に縦ミシン線51の長さが短くなり、縦ミシン線51を形成した意義が殆どなくなってしまう。
【0021】
縦ミシン線51は、筒状フィルム2の軸方向と平行に延設されていてもよいし、軸方向に対して傾斜して延設されていてもよい(軸方向に対して非平行に延設)。図示例では、縦ミシン線51は、筒状フィルム2の軸方向に対して平行に延設されている。また、縦ミシン線51は、平面視直線状に延設されていてもよいし、全体的又は部分的に平面視弧状に延設されていてもよい。好ましくは、縦ミシン線51は、平面視直線状に延設される。
また、縦ミシン線51は、1本だけ形成されていてもよいし、周方向に所要間隔を開けて2本以上設けられていてもよい。なお、1本の縦ミシン線51は、厳密に1本だけ形成されている場合の他、2本隣接して形成されている場合を含む意味である。
好ましくは、図示例のように、縦ミシン線51は、周方向に所要間隔を開けて2本形成されている。2本の縦ミシン線を区別する必要がある場合には、1つの縦ミシン線を第1縦ミシン線51といい、もう1つの縦ミシン線を第2縦ミシン線52という。第1縦ミシン線51及び第2縦ミシン線52は、異なる平面視形状でもよいが、好ましくは、両線51,52は同じ形状である。つまり、第1及び第2縦ミシン線51,52の中間点を通り且つ軸方向と平行な仮想線Lを基準にして、第1縦ミシン線51と第2縦ミシン線52は、線対称の関係となっている(
図1参照)。
第1縦ミシン線51と第2縦ミシン線52の間隔は、筒状フィルム2の周長の半分未満であり、好ましくは、筒状フィルム2の周長の0.1倍〜0.3倍である。具体的には、第1縦ミシン線51と第2縦ミシン線52の間隔は、筒状フィルム2の周長にもよるが、例えば、3mm〜20mmである。
縦ミシン線51の1つの貫通孔の軸方向における長さ51Tは、特に限定されないが、例えば、0.3mm〜3mmであり、好ましくは、0.5mm〜2mmである。縦ミシン線51の1つの非貫通部の軸方向における長さ51Yは、特に限定されないが、例えば、0.3mm〜2mmであり、好ましくは、0.5mm〜1.5mmである。
【0022】
前記第1及び第2縦ミシン線51,52の間における筒状フィルム2の軸方向一端(上端)には、舌状の摘み部4が延出されている。舌状の摘み部4の外形は、例えば、略台形状などに形成されている。本実施形態では、この摘み部4の2つの立ち上がり基部に、縦ミシン線51の最も上側に位置する貫通孔51bが、筒状フィルム2の一端と交差して配置されている。従って、筒状フィルム2の一端のうち、摘み部4の立ち上がり基部に対応する筒状フィルム2の一端には、前記貫通孔51bに起因した切込みが生じる(
図4参照)。
【0023】
<熱収縮性筒状ラベルの製造方法>
上記熱収縮性筒状ラベル1は、例えば、次のようにして製造できる。
従来公知の方法法で、筒状フィルムが連続的に繋がった扁平状の筒状フィルム長尺体を準備する。この扁平状の筒状フィルム長尺体は、例えば、長尺状の熱収縮性フィルムを筒状にしながらその両側端部を接着した後、それを扁平状に折り畳むことによって得られる。
図5において、この扁平状とされた筒状フィルム長尺体22の一方側から扁平体全体の厚み方向に貫通するように縦ミシン線51及び横ミシン線3を形成すると共に、その筒状フィルム長尺体22を分断予定線Cにて短手方向で分断することにより、1つの熱収縮性筒状ラベル1が得られる。
図5の一点鎖線は、分断予定線を示す。
ミシン線の形成手段は、特に限定されず、針、刃、レーザー光線などが挙げられる。
【0024】
<熱収縮性筒状ラベルの使用例>
本発明の熱収縮性筒状ラベル1は、容器に外嵌した後、加熱することによってその容器に装着して使用される。
図6及び
図7は、容器に熱収縮性筒状ラベル1が装着された筒状ラベル付き容器10を示す。
本発明の熱収縮性筒状ラベル1を装着する容器9は、特に限定されず、目薬などの医薬品、栄養飲料などの飲料、化粧品、調味料、食品などが収納された容器などが挙げられる。好ましくは、図示したように、胴部91と前記胴部91に開閉可能に取り付けられたキャップ部92とを有する容器9に本発明の熱収縮性筒状ラベル1は装着される。
具体的には、キャップ部92の下端付近に横ミシン線3が位置するように、熱収縮性筒状ラベル1を容器9に外嵌する。その後、その熱収縮性筒状ラベル1の全体を所定温度(例えば、80℃〜100℃)に加熱すると、熱収縮性筒状ラベル1が周方向に収縮し、容器9の外面に密着する。なお、上方領域を容器9の天面よりも上方に出た状態で熱収縮性筒状ラベル1を外嵌した場合には、
図7に示すように、熱収縮により、熱収縮性筒状ラベル1の上方領域の一部(この上方領域の一部には、摘み部4が含まれている)が、天面92a側に折れ曲がり、天面92aの周端部に係止される。
【0025】
得られた筒状ラベル付き容器10を開封する際、右利きの使用者は、左手で容器10の下方領域を持ち、右手で摘み部4を摘み、外側下方に引き出すことにより、
図8(a)に示すように、第1及び第2縦ミシン線51,52に沿って一対の開裂線A11,A12が生じて筒状フィルム2が切断され、熱収縮性筒状ラベル1の上方領域から軸方向に長い縦帯状部61が切り取られる。右利きの使用者は、熱収縮性筒状ラベル1を摘んで下方に引き出す際に、自然に右下斜めに引き出す傾向がある。このため、
図8(b)に示すように、前記第1縦ミシン線51に沿って生じた開裂線A11が、第1縦ミシン線51の最も下側の貫通孔に至ると、そこから横ミシン線3に向かって右下斜めに生じる一方で、第2縦ミシン線52に沿って生じた開裂線A12が、第2縦ミシン線52の最も下側の貫通孔又はそれよりも上側の貫通孔に至ると、そこから周方向に生じる。このため、前記縦帯状部61に続いて、熱収縮性筒状ラベル1の上方領域から周方向に延びる横帯状部62が切り取られる。さらに、使用者が、周方向に引き出すことにより、横ミシン線3に沿って開裂線A13が生じていき、熱収縮性筒状ラベル1の上方領域を切除できる。
【0026】
なお、
図8(b)においては、開封手順及び開裂線の発生状況を判りやすく図示するため、摘み部4を周方向に回した際に、横帯状部62の上側の部分63が容器9のキャップ部92に被った状態で図示しているが、実際には、この上側の部分63も横帯状部62と共にキャップ部92から離れる場合が多いことに留意されたい(
図9も同様)。
【0027】
このように本発明の熱収縮性筒状ラベル1は、それを開封する際、摘み部4を摘み直すことなく1度の動作で上方領域を簡単且つ確実に切除できる。
通常、ポリエステル系フィルムは、熱収縮方向(延伸方向)に裂けやすい性質を有しており、従来の熱収縮性筒状ラベルにあっては、一対の縦ミシン線の途中で開裂線が周方向に逸れていくことがあり、1度の引き出し動作にて熱収縮性筒状ラベルの上方領域を綺麗に除去し難い。
この点、本発明者らは、軸方向の引裂き強度が13N/mm〜30N/mmであるポリエステル系フィルムを用いると、1度の引き出し動作にて縦ミシン線51及び横ミシン線3に沿って開裂線が生じ、熱収縮性筒状ラベル1の一部分を摘み直すことなくその上方領域を除去できる熱収縮性筒状ラベルを構成できることを見出した。
また、上記熱収縮性筒状ラベル1は、横ミシン線3にまで至らない縦ミシン線51が2本形成されているので、左利きの使用者が開封する際には、右利きの使用者と同様に、摘み部4を摘み直すことなく1度の動作で上方領域を簡単且つ確実に切除できる。
具体的には、左利きの使用者は、右手で容器9を持ち、左手で摘み部4を摘み、それを外側下方に引き出すことによって熱収縮性筒状ラベル1を開封する。左利きの使用者は、自然に左下斜めに引き出す傾向があるので、
図9に示すように、第2縦ミシン線52に沿って生じた開裂線A12が、第2縦ミシン線52の最も下側の貫通孔52aに至ると、そこから横ミシン線3に向かって左下斜めに生じる一方で、第1縦ミシン線51に沿って生じた開裂線A11が、第1縦ミシン線51の最も下側の貫通孔又はそれよりも上側の貫通孔に至ると、そこから周方向に生じ、横帯状部62が切り取られ、熱収縮性筒状ラベル1の上方領域を切除できる。
【0028】
[第2実施形態]
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、上記第1実施形態に限られず、本発明の意図する範囲で様々に設計変更できる。
以下、その他の実施形態を説明するが、主として上記第1実施形態と異なる構成及び効果について説明し、上記第1実施形態と同様の構成などについては、用語又は符号をそのまま援用し、その構成の説明を省略する場合がある。
【0029】
図10乃至
図12において、第2実施形態の熱収縮性筒状ラベル1は、筒状フィルム2と、横ミシン線3と、縦ミシン線51と、筒状フィルム2の軸方向一端からその反対端側に延設され、前記横ミシン線3にまで至る補助ミシン線71と、を有する。なお、補助ミシン線71は、1本の補助ミシン線及び2本以上の補助ミシン線を含んだ概念である。
筒状フィルム2及び横ミシン線3の構成は上記第1実施形態と同様である。
縦ミシン線51は、一対形成され、その第1縦ミシン線51と第2縦ミシン線52の間隔は、上記第1実施形態で例示したものよりも大きいことが好ましく、例えば、15mm〜30mmである。
【0030】
補助ミシン線71は、筒状フィルム2の軸方向一端(上端)からその反対端(下端)側に向かって延び、その下端が横ミシン線3に繋がっている。補助ミシン線71の貫通孔の長さ及び非貫通部の長さ、縦ミシン線51と同様であることが好ましい。
補助ミシン線71は、筒状フィルム2の軸方向と平行に延設されていてもよいし、軸方向に対して傾斜して延設されていてもよい。図示例では、補助ミシン線71は、筒状フィルム2の軸方向に対して平行に延設されている。また、補助ミシン線71は、平面視直線状に延設されていてもよいし、全体的又は部分的に平面視弧状に延設されていてもよい。好ましくは、補助ミシン線71は、平面視直線状に延設される。
また、補助ミシン線71は、1本だけ形成されていてもよいし、周方向に所要間隔を開けて2本以上設けられていてもよい。なお、1本の補助ミシン線71は、厳密に1本だけ形成されている場合の他、2本隣接して形成されている場合を含む意味である。
好ましくは、図示例のように、補助ミシン線71は、第1及び第2縦ミシン線51,52にそれぞれ対応して設けられている。以下、第1補助ミシン線71、第2補助ミシン線72という。
第1補助ミシン線71及び第2補助ミシン線72は、異なる平面視形状でもよいが、好ましくは、両線71,72は同じ形状である。
第1及び第2補助ミシン線71,72は、一対の縦ミシン線51の間の領域に形成されておらず、縦ミシン線51の外側にそれぞれ形成されている。第1補助ミシン線71と第1縦ミシン線51の間隔及び第2補助ミシン線72と第2縦ミシン線52の間隔は、それぞれ上記第1実施形態で例示した第1縦ミシン線51と第2縦ミシン線52の間隔と同様である。
好ましくは、第1補助ミシン線71及び第1縦ミシン線51と第2補助ミシン線72及び第2縦ミシン線52は、第1及び第2縦ミシン線51,52の中間点を通り且つ軸方向と平行な仮想線Lを基準にして、線対称の関係とされている(
図10参照)。
なお、図示例では、筒状フィルム2の一端は直線状であるが、上記第1実施形態と同様に、第1補助ミシン線71と第1縦ミシン線51の間における筒状フィルム2の一端(上端)に、舌状の摘み部が延出されていてよく、また、第2補助ミシン線72と第2縦ミシン線52の間における筒状フィルム2の一端(上端)に、舌状の摘み部が延出されていてよい(摘み部は図示せず)。
【0031】
本実施形態の熱収縮性筒状ラベル1も、上記第1実施形態と同様にして、容器9に熱収縮装着して使用される。
本実施形態の筒状ラベル付き容器10を開封する際には、右利きの使用者が、左手で容器9を持ち、右手で第1補助ミシン線71と第1縦ミシン線51の間の上端部を摘み、外側下方に引き出し、さらに、周方向に引き出すことにより、上記第1実施形態と同様に、1度の動作で熱収縮性筒状ラベル1の上方領域を切除できる。
左利きの使用者の場合には、右手で第2補助ミシン線72と第2縦ミシン線52の間の上端部を摘み、同様に引き出すことにより、1度の動作で熱収縮性筒状ラベル1の上方領域を切除できる。
【0032】
なお、開封時に摘む部分を使用者に認識させ易くするため、必要に応じて、筒状フィルム2の所要の箇所に、注意書きや目印を印刷などによって表示してもよい。例えば、本実施形態においては、第1縦ミシン線51と第2縦ミシン線52との間を使用者が摘んで開封を開始することも想定されるため、第1ミシン線51と第1補助ミシン線71との間を使用者が摘むように誘導するための矢印等の目印を表示することが好ましい。かかる目印などの表示は、第2縦ミシン線52と第2補助ミシン線72との間についても同様である。また、第2実施形態以外の実施形態で示した熱収縮性筒状ラベルについても、必要に応じて、前記目印などを表示してもよい。
【0033】
なお、上記第1補助ミシン線71及び第1縦ミシン線51又は第2補助ミシン線72及び第2縦ミシン線52の何れかが形成されていない熱収縮性筒状ラベル1、或いは、上記第1補助ミシン線71又は第2補助ミシン線72の何れかが形成されていない熱収縮性筒状ラベル1を用いてもよい(何れも図示せず)。また、上記第1補助ミシン線71及び第1縦ミシン線51又は第2補助ミシン線72及び第2縦ミシン線52に代えて、その形成箇所にハーフカット線を形成してもよく、同様に、上記第1補助ミシン線71又は第2補助ミシン線72に代えて、その形成箇所にハーフカット線を形成してもよい(図示せず)。前記ハーフカット線は、フィルムの厚み方向に貫通しない線であって、厚み方向に略V字状に切り込んだ線である。
【0034】
[第3実施形態]
図13乃至
図15において、第3実施形態の熱収縮性筒状ラベル1は、筒状フィルム2と、横ミシン線3と、縦ミシン線51と、を有し、前記縦ミシン線51が、筒状フィルム2の軸方向に対して傾斜して延設されている。
縦ミシン線51の傾斜角は、特に限定されず、例えば、
図14に示すように、縦ミシン線51と軸方向と平行な仮想線Mとの成す角αが、5度〜45度であり、好ましくは、10度〜30度である。
本実施形態の熱収縮性筒状ラベル1も、上記第1実施形態と同様にして、容器9に熱収縮装着して使用され、1度の動作で熱収縮性筒状ラベル1の上方領域を切除できる。
【0035】
なお、第3実施形態の熱収縮性筒状ラベル1に、上記第2実施形態で示した補助ミシン線71を付加してもよい。その場合、補助ミシン線71は、軸方向と平行でもよいし、軸方向に対して傾斜していてもよいが、補助ミシン線71は、傾斜した縦ミシン線51と平行に傾斜させることが好ましい。
【実施例】
【0036】
以下、実施例を示して、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0037】
[実施例1]
熱収縮性フィルムとして、一方向に熱収縮性を有する厚み40μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製の商品名「SC820」)を用いた。この熱収縮性フィルムを、熱収縮方向を周方向にして筒状に形成することにより、周長約35mm、軸方向長さ54mmの筒状フィルムを形成した。この筒状フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の軸方向及び周方向の引裂き強度をそれぞれ、JIS K 7128−1991のA法に従って測定した。その結果を、表1に示す。
この筒状フィルムに、
図1乃至
図4に示すような、横ミシン線3並びに第1及び第2縦ミシン線51,52を形成することにより、実施例1の熱収縮性筒状ラベルを作製した。
なお、横ミシン線の貫通孔の長さ3Wは、0.7mmで、非貫通部の長さ3Zは、0.7mm、縦ミシン線の貫通孔の長さ51Tは、0.5mmで、非貫通部の長さ51Yは、0.5mmとした。また、第1及び第2縦ミシン線の間隔は、10mmとし、各縦ミシン線の下端と横ミシン線3との間の長さ51Sは、3mmとした(
図4参照)。
得られた熱収縮性筒状ラベルを、周長約30mm、軸方向の長さ約51mmの点眼容器に熱収縮装着することにより、筒状ラベル付き容器を作製した。
【0038】
[実施例2]
熱収縮性フィルムとして、一方向に熱収縮性を有する厚み40μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製の商品名「LX23S」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、引裂き強度を測定し、筒状ラベル付き容器を作製した。
【0039】
[実施例3]
熱収縮性フィルムとして、一方向に熱収縮性を有する厚み40μmのポリエチレンテレフタレートフィルム/ポリスチレンフィルム/ポリエチレンテレフタレートフィルムの3層構造の積層フィルム(グンゼ(株)製の商品名「HST」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、引裂き強度を測定し、筒状ラベル付き容器を作製した。
【0040】
[実施例4]
熱収縮性フィルムとして、一方向に熱収縮性を有する厚み40μmのポリエチレンテレフタレートフィルム/ポリスチレンフィルム/ポリエチレンテレフタレートフィルムの3層構造の積層フィルム(グンゼ(株)製の商品名「HSTN」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、引裂き強度を測定し、筒状ラベル付き容器を作製した。
【0041】
[比較例1]
熱収縮性フィルムとして、一方向に熱収縮性を有する厚み40μmのポリスチレンフィルム(三菱樹脂(株)製の商品名「27041S」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、引裂き強度を測定し、筒状ラベル付き容器を作製した。
【0042】
[比較例2]
熱収縮性フィルムとして、一方向に熱収縮性を有する厚み40μmのポリスチレンフィルム(シーアイ化成(株)製の商品名「BS551S)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、引裂き強度を測定し、筒状ラベル付き容器を作製した。
【0043】
[比較例3]
熱収縮性フィルムとして、一方向に熱収縮性を有する厚み40μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製の商品名「LX61S」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、引裂き強度を測定し、筒状ラベル付き容器を作製した。
【0044】
[比較例4]
熱収縮性フィルムとして、一方向に熱収縮性を有する厚み40μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製の商品名「LX18S」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、引裂き強度を測定し、筒状ラベル付き容器を作製した。
【0045】
[比較例5]
熱収縮性フィルムとして、一方向に熱収縮性を有する厚み40μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製の商品名「S7042」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、引裂き強度を測定し、筒状ラベル付き容器を作製した。
【0046】
【表1】
【0047】
[開封試験]
各実施例及び比較例の筒状ラベル付き容器のそれぞれについて、右利きの試験者が、第1及び第2縦ミシン線の間における熱収縮性筒状ラベルの上端部を摘み、それを下方に引き出した後、周方向に引き出し、下記の基準で評価した。その結果を、表1に示す。
○:摘み直すことなく、1度の動作で熱収縮性筒状ラベルの上方領域を除去できた。
△:1度の動作で上方領域を除去できたが、熱収縮性筒状ラベルの上端部を初めから下方斜めに引きださないように慎重に行わなければ1度の動作でその上方領域を除去できなかった。
×:第1縦ミシン線に沿って生じた開裂線が、横ミシン線にまで繋がらずに周方向に逸れた、又は、第2縦ミシン線の最も下側の貫通孔を通過して横ミシン線にまで生じた結果、縦帯状部が横ミシン線に至って途切れ、1度の動作で上方領域を除去できなかった。
【0048】
実施例1及び2の熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮性筒状ラベルの上方領域を簡易に且つ確実に除去できた。
一方、比較例1及び2の熱収縮性筒状ラベルは、第2縦ミシン線に沿って生じた開裂線がその最も下側の貫通孔を通過して横ミシン線にまで生じる結果、縦帯状部が横ミシン線に至って途切れてしまい、1度の動作で上方領域を除去できなかった。
また、比較例3乃至5の熱収縮性筒状ラベルは、第1縦ミシン線に沿って生じた開裂線が横ミシン線に繋がる前に周方向に逸れてしまい、1度の動作で上方領域を除去できなかった。