【文献】
FirefoxやOpera Mobileを併用し、SNSで複数のアカウントに同時ログイン,[online],AndroidSmart,2011年 7月21日,[平成29年5月16日検索],URL,http://android-smart.com/2011/07/firefox%e3%82%84opera-mobile%e3%82%92%e4%bd%b5%e7%94%a8%e3%81%97%e3%80%81sns%e3%81%a7%e8%a4%87%e6%95%b0%e3%81%ae%e3%82%a2%e3%82%ab%e3%82%a6%e3%83%b3%e3%83%88%e3%81%ab%e5%90%8c%e6%99%82%e3%83%ad.html
【文献】
Appleテクノロジー温故知新,Mac People,株式会社アスキー・メディアワークス,2011年12月27日,第18巻,第3号,p.66-67
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記起動部によって前記第2アプリケーションが起動された状態で、前記第2アプリケーションから前記第1アプリケーションへの遷移要求を受け付ける遷移要求受付部と、
前記遷移要求受付部によって前記遷移要求が受け付けられた場合に、前記ロック状態の解除に用いられる解除情報の入力を受け付ける解除情報受付部と、
前記解除情報受付部によって前記解除情報の入力が受け付けられた場合に、前記ロック状態を解除して前記第1アプリケーションを起動する遷移部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願に係る端末装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る端末装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
〔1.情報処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す説明図である。
図1では、端末装置10が、ブラウザアプリケーションを起動する場合について例示する。なお、本明細書において、ブラウザアプリケーションとは、ウェブブラウズ機能を有するアプリケーションのことを指す。
【0013】
図1に示すように、端末装置10は、ロック状態を設定することができる。ロック状態とは、端末装置10が有する複数のアプリケーションの起動を制限する状態のことである。
【0014】
ロック状態が解除された状態(以下、「ロック解除状態」と呼ぶ)において、端末装置10は、ユーザの操作に応じて第1アプリケーションを起動する。第1アプリケーションが起動された状態において、端末装置10は、端末装置10が保有する情報(以下、「端末保有情報X」と呼ぶ)を用いてサーバ20へアクセスする(ステップS01)。端末保有情報Xは、たとえば、クッキー(cookie)やユーザID等の個人情報の他、端末装置10を識別する端末識別情報や位置情報などである。
【0015】
そして、端末装置10は、サーバ20から取得したウェブページを含むウェブページ画面P1を表示部(たとえば、タッチパネル)に表示する。このように、端末装置10は、第1アプリケーションを起動することで、ユーザの個人情報等が反映されたウェブページ画面P1をサーバ20から取得して表示することができる。
【0016】
つづいて、たとえば、ユーザが端末装置10のホームボタン121を長押しすると(ステップS02)、端末装置10の表示部13(
図2参照)にロック画面P2が表示されてロック状態となる。このようにロック状態が設定されることで、第1アプリケーションを含む複数のアプリケーションの起動が制限される。なお、ロック状態は、電源が投入された場合や、端末装置10を省電力状態で待機させる省電力状態から復帰した場合に設定されてもよい。
【0017】
端末装置10は、ロック状態において第2アプリケーションの起動要求を受け付ける。たとえば、ユーザがロック画面P2を長押しすると(ステップS03)、端末装置10は、ユーザの発話をテキストデータに変換する。なお、
図1では、ユーザが「ろっぽんぎ」と発話した場合を例示している。
【0018】
つづいて、端末装置10は、第2アプリケーションを起動する。第2アプリケーションが起動された状態において、端末装置10は、前述の端末保有情報Xを用いずにサーバ20へアクセスする(ステップS04)。この場合、端末装置10は、発話のテキストデータを含む検索要求をサーバ20へ送信する。また、検索要求を受信したサーバ20は、検索要求に含まれるテキストデータに対応する検索結果を端末装置10へ送信する。
【0019】
そして、端末装置10は、サーバ20から取得した検索結果のリスト画面P3を表示部に表示する。
【0020】
このように、端末装置10は、ロック状態において、第2アプリケーションを起動することとした。これにより、ロック解除の操作を行うことなく、第2アプリケーションを利用することができる。また、第2アプリケーションは、端末保有情報Xを用いずにサーバ20へアクセスするアプリケーションであるため、たとえば端末装置10のユーザ以外の者が端末装置10を使用する場合であっても、ユーザ情報等の漏洩を抑制することができる。
【0021】
したがって、本実施形態に係る情報処理によれば、セキュリティを保ちつつ、ロック状態での利便性を向上させることができる。以下、このような情報処理を実現する端末装置10について詳細に説明する。
【0022】
〔2.端末装置10の構成〕
図2は、実施形態に係る端末装置10の構成例を示す図である。
図2に示す端末装置10は、たとえば、スマートフォン、タブレット型PC、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機などである。
【0023】
端末装置10には、ブラウザアプリケーションとして、第1アプリケーションおよび第2アプリケーションの2種類のアプリケーションがインストールされている。第1アプリケーションは、ロック解除状態においてユーザによって利用されるブラウザアプリケーションであり、たとえば、端末装置10に標準でインストールされたものや、ユーザが任意にダウンロードしたものに該当する。一方、第2アプリケーションは、ロック状態において利用可能なブラウザアプリケーションであり、ロック状態を設定するロックアプリケーションと連携して動作する。
【0024】
なお、以下では、第1アプリケーションを「標準ブラウザ」、第2アプリケーションを「簡易ブラウザ」と呼ぶ場合がある。
【0025】
図2に示すように、端末装置10は、通信部11と、入力部12と、表示部13と、位置情報取得部14と、記憶部15と、制御部16とを備える。通信部11は、ネットワークNに接続され、ネットワークNを介してサーバ20との間で通信を行う。かかる通信部11は、ネットワークNとの接続を無線で行う。
【0026】
入力部12は、ユーザから各種操作を受け付ける入力デバイスである。たとえば、入力部12は、カーソルキーやテンキーなどを含むキーボード、電源ボタン、
図1に示すホームボタン121、ユーザの発話を受け付けるマイク等によって実現される。なお、ホームボタン121は、ホーム画面へ遷移するためのボタンである。
【0027】
表示部13は、各種情報を表示するための表示デバイスである。たとえば、表示部13は、液晶ディスプレイ等によって実現される。なお、端末装置10にタッチパネルが採用される場合には、入力部12の一部および表示部13は一体化される。
【0028】
位置情報取得部14は、たとえばGPS(Global Positioning System)受信部であり、GPS衛星から送出される電波を受信し、受信した電波に基づいて端末装置10の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)を取得する。位置情報取得部14は、取得した位置情報を記憶部15に記憶する。なお、位置情報取得部14は、設置位置が既知であるアクセスポイントにWiFi(Wireless Fidelity)により端末装置10が接続している場合には、アクセスポイントの設置位置に基づいて位置情報を取得してもよい。
【0029】
記憶部15は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子等によって実現される。記憶部15には、上述した端末識別情報や位置情報など、端末保有情報Xの一部が記憶される。
【0030】
制御部16は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部15に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部16は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0031】
かかる制御部16は、主制御部110と、音声認識部120と、ロックアプリ部130と、第2アプリ部140と、アプリ部群150とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部16の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0032】
なお、端末装置10が有する2種類のブラウザアプリケーションのうち第1アプリケーション(標準ブラウザ)が制御部16によって実行されることにより、アプリ部群150に含まれる第1アプリ部160が実現される。また、第2アプリケーション(簡易ブラウザ)が制御部16によって実行されることにより、第2アプリ部140が実現される。
【0033】
(主制御部110について)
主制御部110は、たとえば記憶部15に記憶されているOS(Operating System)が制御部16によって実行されることにより実現される。主制御部110は、たとえば、ロック解除状態においてホームボタン121(
図1参照)が押下された場合に、現在の表示画面からホーム画面に戻る処理を行う。
【0034】
また、主制御部110は、入力部12により各種操作が受け付けられた場合、省電力状態へ移行(または省電力状態から復帰)した場合、端末装置10が再起動した場合など様々なイベントが発生した場合に、イベントの発生を予め登録されたアプリ部へ通知する処理も行う。たとえば、主制御部110は、端末装置10を通常状態へ復帰させる操作(たとえば、省電力状態において電源ボタンを押す操作)がなされた場合に、通常状態への復帰要求をロックアプリ部130を含む複数のアプリ部へ出力する。
【0035】
その他、主制御部110は、入力部12により所定のアプリケーションの起動指示が受け付けられた場合に、該当するアプリケーションを起動する処理等も行う。
【0036】
(音声認識部120について)
音声認識部120は、記憶部15に記憶されている音声認識アプリケーションが制御部16によって実行されることにより実現される。音声認識部120は、入力部12により受け付けられたユーザの発話をテキストデータに変換する処理を行う。この処理は、たとえば、ユーザの発話の音声データを音声認識サーバへ送信し、音声認識サーバによって音声データから変換されたテキストデータを音声認識サーバから受信することによって実現される。
【0037】
また、音声認識部120は、ユーザの発話から変換されたテキストデータをロックアプリ部130へ渡す処理も行う。
【0038】
(ロックアプリ部130について)
ロックアプリ部130は、記憶部15に記憶されているロックプログラム(情報処理プログラムの一例に相当)が制御部16によって実行されることにより実現される。ここで、ロックアプリ部130の構成例について
図3を参照して説明する。
図3は、実施形態に係るロックアプリ部130の構成例を示す図である。
【0039】
図3に示すように、ロックアプリ部130は、設定部131と、起動要求受付部132と、起動部133と、遷移要求受付部134と、解除情報受付部135と、遷移部136と、記憶部137とを備える。
【0040】
(記憶部137について)
記憶部137は、URL情報137aと、解除情報137bとを記憶する。URL情報137aは、URL(Uniform Resource Locator)を示す情報である。このURL情報137aは、後述する第2アプリ部140から送信される。解除情報137bは、ロック状態の解除に用いられる情報である。たとえば、解除情報137bは、4桁で表される文字列の情報(たとえばパスコード)である。
【0041】
(設定部131について)
設定部131は、後述する第1アプリ部160を含む複数のアプリ部(アプリ部群150)の起動を制限するロック状態を設定する。具体的には、設定部131は、省電力状態からの復帰、端末装置10の起動・再起動、ホームボタン121の長押し操作等の特定のイベントが発生した場合に、ロック画面P2を生成して表示部13に表示する。なお、設定部131は、これらのイベントの発生を主制御部110からの通知によって検知する。
【0042】
図4は、実施形態に係るロックアプリ部130によって表示されるロック画面P2の一例を示す図である。
図4に示すように、ロック画面P2は、たとえば、現在の時刻を示すテキストM1と、錠前のアイコンM2とを含んだ画像である。
【0043】
また、設定部131は、ロック状態において、ホーム画面への移動を制限する。たとえば、設定部131は、ユーザによってホームボタン121が押下されても、この操作を受け付けない。これにより、アプリ部群150に含まれる第1アプリ部160をはじめとする各種アプリ部の起動が制限される。
【0044】
(起動要求受付部132について)
起動要求受付部132は、第2アプリケーションの起動要求を受け付ける。たとえば、起動要求受付部132は、表示部13にロック画面P2が表示された状態で、特定の操作(たとえばロック画面P2の長押し操作)が行われると、表示部13に音声入力画面を表示する。また、起動要求受付部132は、音声認識部120を起動することにより、端末装置10がユーザの発話を受け付け可能な状態とする。
【0045】
図5は、実施形態に係るロックアプリ部130によって表示される音声入力画面の一例を示す図である。
図5に示すように、音声入力画面P4は、たとえば、発話を促す「お話しください」というテキストM3と、マイクのアイコンM4とを含んだ画像である。
【0046】
また、起動要求受付部132は、ユーザの発話から変換されたテキストデータを音声認識部120から取得すると、取得したテキストデータを起動部133へ渡す処理も行う。
【0047】
なお、ここでは、音声認識部120を用いてテキストデータを取得する場合を例示したが、テキストデータの取得方法は、この例に限定されない。たとえば、起動要求受付部132は、ロック画面P2において特定の操作がなされた場合に、表示部13にキーボードを表示させて、ユーザによるテキストデータの入力を受け付けるようにしてもよい。
【0048】
このように、ユーザによるテキストデータの入力を受け付け可能とすることで、ユーザは、電車の中など音声による検索が敬遠される状況においても気兼ねなくウェブ検索を行うことができる。また、ロック状態において起動する第2アプリケーションは、端末保有情報Xを用いないため、テキスト入力による検索を行う場合でも、検索履歴やフォームデータ等がテキスト入力欄に表示されてユーザ以外の者に漏洩するおそれはない。
【0049】
(起動部133について)
起動部133は、第2アプリ部140の起動処理を行う。具体的には、起動部133は、起動要求受付部132からテキストデータを取得した場合に、第2アプリ部140に対し、取得したテキストデータと、ロック画面P2の画像データと、起動指示とを出力する。なお、テキストデータ、ロック画面P2の画像データおよび起動指示は、起動部133から主制御部110を介して第2アプリ部140へ出力されてもよい。
【0050】
なお、ここでは、起動部133が、起動要求受付部132からテキストデータを取得したことを条件として第2アプリ部140を起動する場合を例示したが、第2アプリ部140の起動条件は、この例に限定されない。たとえば、設定部131が、ロック画面P2に第2アプリケーションに対応するアイコンを表示させ、起動要求受付部132が、かかるアイコンへのタッチ操作を受け付ける。そして、起動部133が、第2アプリケーションに対応するアイコンが押下された旨の通知を起動要求受付部132または主制御部110から受けた場合に、第2アプリ部140を起動してもよい。
【0051】
ここで、ロックアプリ部130の起動部133は、端末装置10に内蔵された充電池の残容量に応じて第2アプリ部140の起動を制限してもよい。具体的には、端末装置10に内蔵された充電池の残容量を示す残容量情報を主制御部110から取得し、取得した残容量情報により示される残容量が閾値を下回っている場合には、第2アプリ部140に対する起動指示の出力を禁止するようにしてもよい。
【0052】
たとえばユーザが端末装置10を紛失した場合、ユーザ以外の者が第2アプリ部140を利用することで、充電池の残容量が減少し、GPSを利用した端末装置10の追跡等を行うことが困難となってしまうおそれがある。これに対し、充電池の残容量が閾値を下回った場合に、第2アプリ部140に対する起動指示の出力を禁止することとすれば、上記のような事態を防止することができる。
【0053】
また、起動部133は、ロック状態が設定されてから解除されるまでの期間における第2アプリ部140の総起動時間を計測し、計測した総起動時間が閾値を超えた場合に、第2アプリ部140に対する起動指示の出力を禁止してもよい。
【0054】
ロック状態が解除されることなく、第2アプリ部140が長時間利用されている場合、端末装置10は、ユーザ以外の者により無断で使用されている可能性がある。そこで、たとえば、ロック状態が維持されている状態で第2アプリ部140の総起動時間が閾値を超えた場合に、第2アプリ部140に対する起動指示の出力を禁止することとすれば、ユーザ以外の者による端末装置10の無断使用を防止することができる。
【0055】
なお、起動部133は、第2アプリ部140の総起動時間が閾値を超えた場合に、第2アプリ部140によって表示されるリスト画面P3(
図8参照)やウェブページ画面P6(
図9参照)からロック画面P2に強制的に移動させてもよい。
【0056】
(遷移要求受付部134について)
遷移要求受付部134は、第2アプリ部140が起動された状態において、第2アプリ部140から第1アプリ部160への遷移要求を受け付ける。具体的には、遷移要求受付部134は、後述する遷移ボタンB1(
図8参照)がユーザによって押下された場合に第2アプリ部140から出力される遷移要求を受け付ける。遷移要求受付部134は、遷移要求を受け付けると、ロック状態の解除要求を解除情報受付部135に出力する。
【0057】
また、遷移要求受付部134は、上記の通知とともに、URL情報137aを第2アプリ部140から取得して記憶部137に記憶する処理も行う。
【0058】
(解除情報受付部135について)
解除情報受付部135は、ロック状態の解除要求を遷移要求受付部134から取得した場合に、表示部13に解除情報入力画面を表示して、ユーザによる解除情報の入力を受け付ける。
【0059】
図6は、実施形態に係るロックアプリ部130によって表示される解除情報入力画面の一例を示す図である。
図6に示すように、解除情報入力画面P5は、たとえば、テンキーM5と、選択された数字が表示される表示欄M6とを含んだ画像である。
【0060】
解除情報受付部135は、かかる解除情報入力画面P5において入力された情報と、記憶部137に記憶された解除情報137bとが一致した場合に、第1アプリ部160への遷移要求を遷移部136に出力する。
【0061】
なお、解除情報受付部135は、上述した第2アプリ部140の総起動時間を計測し、計測した総起動時間が閾値を超えた場合に、表示部13に解除情報入力画面P5を表示して、ユーザによる解除情報の入力を受け付けてもよい。これにより、ユーザ以外の者による端末装置10の無断使用を防止することができる。
【0062】
また、解除情報受付部135は、第2アプリ部140の総起動時間が閾値を超えた場合に、第2アプリ部140によって表示されるリスト画面P3(
図8参照)やウェブページ画面P6(
図9参照)から解除情報入力画面P5に強制的に移動させてもよい。
【0063】
(遷移部136について)
遷移部136は、解除情報受付部135によって解除情報の入力が受け付けられた場合に、ロック状態を解除して第1アプリ部160を起動する。具体的には、遷移部136は、解除情報受付部135から遷移要求を取得すると、まず、設定部131によって設定されたロック状態を解除する。たとえば、遷移部136は、表示部13へのロック画面P2の表示を停止し、ロックアプリ部130をバックグラウンドで起動している状態に移行させることにより、ホーム画面への移動が可能な状態とする。これにより、アプリ部群150に含まれる第1アプリ部160をはじめとする各種アプリ部を起動させることが可能な状態となる。
【0064】
その後、遷移部136は、第1アプリ部160に対し、起動指示と、記憶部137に記憶されたURL情報137aとを出力する。これにより、第1アプリ部160は起動して、URL情報137aに対応するウェブページをサーバ20から取得する処理を行う。なお、URL情報137aおよび起動指示は、主制御部110を介して第1アプリ部160へ出力されてもよい。
【0065】
また、遷移部136は、ロック状態を解除すると、第2アプリ部140に対し、後述する第2アプリ部140の記憶部145(
図7参照)に記憶された各種の情報を削除すべき旨の削除要求を出力する。削除要求を取得した第2アプリ部140は、記憶部145に記憶されたクッキー情報や履歴情報等を削除する。
【0066】
(第2アプリ部140について)
図2に戻り、第2アプリ部140について説明する。第2アプリ部140は、たとえば記憶部15に記憶されている第2アプリケーション(簡易ブラウザ)が制御部16によって実行されることにより実現される。かかる第2アプリ部140は、ロックアプリ部130から出力される起動指示に従って起動する。
【0067】
ここで、第2アプリ部140の構成例について
図7を用いて説明する。
図7は、実施形態に係る第2アプリ部140の構成例を示す図である。
【0068】
図7に示すように、第2アプリ部140は、アクセス処理部141と、表示処理部142と、遷移要求通知部143と、消去部144と、記憶部145とを備える。
【0069】
(記憶部145について)
記憶部145は、上述したURL情報137a、クッキー情報145aおよび履歴情報145b等を記憶する。クッキー情報145aは、第2アプリ部140によって取得されたクッキーを示す情報である。履歴情報145bは、第2アプリ部140を用いて過去に閲覧されたウェブページのURLやキャッシュデータなどを含む情報である。その他、記憶部145には、ログイン情報やフォームデータ等が記憶されてもよい。
【0070】
(アクセス処理部141について)
アクセス処理部141は、サーバ20へのアクセスを行う。具体的には、アクセス処理部141は、ユーザの発話から変換されたテキストデータをロックアプリ部130の起動部133から取得した場合に、取得したテキストデータを検索キーワードとする検索要求をサーバ20へ送信する処理を行う。たとえば、音声入力画面P4(
図5参照)が表示された状態においてユーザが「ろっぽんぎ」と発話した場合、アクセス処理部141は、「六本木」を検索キーワードとする検索要求をサーバ20へ送信し、サーバ20から「六本木」に対応する検索結果を受信する。なお、この検索結果には、各リンク先のウェブページを指定するURLが含まれる。
【0071】
また、アクセス処理部141は、検索結果のリストの中からリンク先を選択する操作がユーザによってなされた場合に、選択されたリンク先のURLを含むページリクエストをサーバ20に対して送信して、該当するウェブページをサーバ20から受信する。
【0072】
このように、第2アプリ部140は、ロック状態において、サーバ20へアクセスして検索結果やウェブページを取得することができる。すなわち、ユーザは、ロック解除の操作を行うことなくウェブ検索やウェブページの閲覧を行うことができる。したがって、たとえば、わざわざロック解除の操作を行ってまで検索するほどではない弱い動機の検索であっても、気軽に検索を行わせることができる。
【0073】
また、アクセス処理部141は、上述したサーバ20へのアクセスを、後述する第1アプリ部160が記憶するクッキー情報や履歴情報等あるいは記憶部15に記憶された端末識別情報や位置情報等を含む端末保有情報Xを用いずにサーバ20へのアクセスを行う。
【0074】
したがって、仮に、ロック状態において端末装置10のユーザ以外の者が第2アプリ部140を利用したとしても、端末保有情報Xの漏洩を抑制することができる。
【0075】
また、アクセス処理部141は、サーバ20から受信したウェブページのURLをURL情報137aとして記憶部145に記憶する。このとき、アクセス処理部141は、サーバ20からウェブページを受信する毎にURL情報137aを更新する。したがって、記憶部145には、最新のURL情報137aが記憶される。なお、アクセス処理部141は、URL情報137aの他、クッキー情報145aや履歴情報145b等を記憶部145に記憶する処理も行う。なお、アクセス処理部141は、ユーザの設定によって、クッキー情報145a、履歴情報145b等を記憶部145に記憶しないこともできる。
【0076】
また、アクセス処理部141は、サーバ20から受信した検索結果やウェブページを表示処理部142へ渡す処理を行う。また、アクセス処理部141は、ロックアプリ部130の起動部133からロック画面P2の画像データを取得し、取得したロック画面P2の画像データを表示処理部142へ渡す処理も行う。
【0077】
(表示処理部142について)
表示処理部142は、ロック画面P2の画像データと検索結果とをアクセス処理部141から取得した場合に、これらの情報を用いて検索結果のリスト画面を生成して表示部13に表示する。
【0078】
図8は、実施形態に係る第2アプリ部140によって表示されるリスト画面の一例を示す図である。
図8に示すように、リスト画面P3は、たとえば、検索キーワードやURL等が表示される表示欄M7と、検索結果のリストM8と、遷移ボタンB1とを含んだ画像である。遷移ボタンB1は、第2アプリ部140(簡易ブラウザ)から第1アプリ部160(標準ブラウザ)へ遷移する場合に、ユーザによって押下されるボタンである。
【0079】
また、リスト画面P3は、透過性を有しており、ロック画面P2上に重ねて表示部13に表示される。これにより、
図8に示すように、ロック画面P2に含まれるテキストM1やアイコンM2がリスト画面P3を介して見える状態になる。
【0080】
このように、表示処理部142は、透過性を有するリスト画面P3を生成し、表示部13に表示する。これにより、第2アプリ部140によるウェブ検索がロック状態で行われていることをユーザに認識させることができる。なお、表示処理部142は、ユーザの操作が受け付けられていない状態でのリスト画面P3の透過率を、ユーザの操作が受け付けられている状態でのリスト画面P3の透過率と比べて低くしてもよい。ユーザの操作が受け付けられていない場合、ユーザがリストM8(
図8参照)を閲覧している状態である可能性が高い。このため、かかる状態でのリスト画面P3の透過率を低くする、言い換えれば、ロック画面P2を見えにくくすることで、リストM8の視認性を高めることができる。
【0081】
また、表示処理部142は、アクセス処理部141から取得したウェブページを表示部13に表示する処理も行う。
【0082】
図9は、実施形態に係る第2アプリ部140によって表示されるウェブページ画面の一例を示す図である。
図9に示すように、ウェブページ画面P6は、たとえば、ウェブページM9と、上述した表示欄M7および遷移ボタンB1とを含んだ画像である。
【0083】
上述したように、第2アプリ部140は、端末保有情報Xを用いずにサーバ20へのアクセスを行う。このため、たとえば
図9に示す「サイトA」において、端末保有情報Xと関連づけてユーザ名「タロー」が登録されていたとしても、第2アプリ部140によって表示されるウェブページ画面P6には、上記ユーザ名は表示されず「ゲスト様」などと表示される。同様に、購入履歴や閲覧履歴などが端末保有情報Xと関連づけて登録されていたとしても、第2アプリ部140によって表示されるウェブページ画面P6にこれらの情報が表示されることはない。したがって、端末保有情報Xの漏洩を抑制することができる。
【0084】
このように、実施形態に係る端末装置10では、リスト画面P3の表示だけでなく、リンク先のウェブページM9の表示までも、セキュリティを保ちつつ且つロック解除の手間をかけることなく行うことができる。
【0085】
したがって、たとえば、ロック状態において検索結果のリストからリンク先のウェブページへ遷移する際に、ユーザに対してパスコードの入力等を要求するように構成された端末装置と比較して、ロック状態での利便性を向上させることができる。
【0086】
(遷移要求通知部143について)
遷移要求通知部143は、リスト画面P3(
図8参照)またはウェブページ画面P6(
図9参照)に含まれる遷移ボタンB1がユーザによって押下された場合に、ロックアプリ部130に対して遷移要求を出力する。また、遷移要求通知部143は、遷移要求と合わせて、記憶部145に記憶されたURL情報137aをロックアプリ部130に出力する処理も行う。
【0087】
(消去部144について)
消去部144は、記憶部145に記憶された情報を消去する。具体的には、消去部144は、遷移部136から消去要求を取得した場合、すなわち、ロック状態が解除された場合に、記憶部145に記憶された情報をURL情報137a、クッキー情報145a、履歴情報145b等を消去する。これにより、前述のアクセス処理部141は、第2アプリ部140が起動してから最初にサーバ20へのアクセスを行う場合には、クッキー情報や履歴情報を用いることなくサーバ20へのアクセスを行うこととなる。
【0088】
このように、記憶部145に記憶された情報を削除することで、第2アプリ部140にクッキー情報や履歴情報等が蓄積されることを防止することができる。
【0089】
(アプリ部群150について)
図2に戻り、アプリ部群150について説明する。アプリ部群150は、ロック状態において起動が制限されるアプリ部群である。アプリ部群150には、第1アプリ部160の他、たとえばメモアプリ部170やゲームアプリ部180等が含まれる。
【0090】
(第1アプリ部160について)
第1アプリ部160は、たとえば記憶部15に記憶されている第1アプリケーション(標準ブラウザ)が制御部16によって実行されることにより実現される。かかる第1アプリ部160は、ロック解除状態においてユーザによって第1アプリ部160のアイコンが選択された場合に起動される他、前述のロックアプリ部130から出力される起動指示に従って起動される。
【0091】
ここで、第1アプリ部160の構成例について
図10を用いて説明する。
図10は、実施形態に係る第1アプリ部160の構成例を示す図である。
図10に示すように、第1アプリ部160は、アクセス処理部161と、表示処理部162と、記憶部163とを備える。
【0092】
(記憶部163について)
記憶部163は、クッキー情報163aおよび履歴情報163b等を記憶する。クッキー情報163aは、第1アプリ部160によって取得されたクッキーを示す情報である。履歴情報163bは、第1アプリ部160を用いて過去に閲覧されたウェブページのURLやキャッシュデータなどを含む情報である。その他、記憶部163には、ログイン情報やフォームデータ等が記憶されてもよい。
【0093】
(アクセス処理部161について)
アクセス処理部161は、サーバ20へのアクセスを行う。具体的には、アクセス処理部161は、ロックアプリ部130から取得したURL情報137aを含むページリクエストをサーバ20に対して送信し、該当するウェブページをサーバ20から受信する。
【0094】
ここで、アクセス処理部161は、上述したサーバ20へのアクセスを、記憶部163に記憶されたクッキー情報163aや履歴情報163b等あるいは記憶部15に記憶された端末識別情報15aや位置情報15b等を含む端末保有情報Xを用いて行う。そして、アクセス処理部161は、サーバ20から取得したウェブページを表示処理部162へ渡す。
【0095】
(表示処理部162について)
また、表示処理部162は、アクセス処理部161から取得したウェブページを表示部13に表示する処理を行う。
【0096】
図11は、実施形態に係る第1アプリ部160によって表示されるウェブページの一例を示す図である。
図11に示すように、ウェブページ画面P1は、たとえば、URLが表示される表示欄M10と、ウェブページM11を含んだ画像である。なお、第1アプリ部160によって表示されるウェブページ画面P1は、第2アプリ部140によって表示されるウェブページ画面P6(
図9参照)と異なり、遷移ボタンB1を含まない。
【0097】
上述したように、第1アプリ部160は、端末保有情報Xを用いてサーバ20へのアクセスを行う。このため、たとえば
図9に示す「サイトA」において、端末保有情報Xと関連づけてユーザ名「タロー」が登録されている場合、ウェブページ画面P1には、上記ユーザ名が表示される。同様に、購入履歴や閲覧履歴などが端末保有情報Xと関連づけて登録されている場合、ウェブページ画面P1にこれらの情報が表示される。
【0098】
また、記憶部163には、端末保有情報Xとしてブックマーク情報も含まれる。このため、たとえば、第2アプリ部140を用いてロック状態のままでウェブ検索を行いつつ、ブックマーク登録したいリンク先が見付かった場合に、遷移ボタンB1の押下およびロック解除操作を行って第1アプリ部160へ遷移するといった利用方法も考えられる。
【0099】
(サーバ−20について)
図2に戻り、サーバ20について説明する。サーバ20は、ウェブサーバであり、複数のウェブページを記憶する。かかるサーバ20は、端末装置10から送信された検索要求やページリクエストを受け付けた場合に、受け付けた検索要求やページリクエストに応じた検索結果やウェブページを端末装置10へ送信する。
【0100】
〔3.情報処理のフロー〕
次に、
図12および
図13を用いて、端末装置10が実行する情報処理の処理手順について説明する。
図12および
図13は、実施形態に係る端末装置10による情報処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0101】
なお、
図12には、ロック画面P2(
図4参照)が表示された状態から、第2アプリ部140によってウェブページ画面P6(
図9参照)が表示されるまでの処理手順を示している。また、
図13には、ウェブページ画面P6が表示されてから、第1アプリ部160によってウェブページ画面P1(
図11参照)が表示されるまでの処理手順を示している。
【0102】
図12に示すように、ロックアプリ部130は、ロック画面P2が表示された状態において、特定の操作が行われた旨の通知を主制御部110から受けると(ステップS101)、表示部13に音声入力画面P4(
図5参照)を表示する(ステップS102)。
【0103】
つづいて、ロックアプリ部130は、ユーザの発話から変換されたテキストデータを音声認識部120から取得すると(ステップS130)、起動指示と、取得したテキストデータと、ロック画面P2の画像データとを第2アプリ部140に出力する(ステップS104)。
【0104】
つづいて、第2アプリ部140は、起動指示に従って起動し、ロックアプリ部130から取得したテキストデータを検索キーワードとする検索要求をサーバ20へ送信して、サーバ20から検索結果を受信する(ステップS105)。
【0105】
そして、第2アプリ部140は、サーバ20から受信した検索結果と、ロックアプリ部130から取得したロック画面P2の画像データとを用いて検索結果のリスト画面P3(
図8参照)を生成して表示部13に表示する(ステップS106)。かかるリスト画面P3は、リスト画面P3を介してロック画面P2が背景として視認可能な状態であるため、第2アプリ部140によるウェブ検索がロック状態で行われていることをユーザに認識させることができる。
【0106】
つづいて、第2アプリ部140は、検索結果のリストの中からリンク先を選択する操作がなされた旨の通知を主制御部110から受けると(ステップS107)、選択されたリンク先のURLを含むページリクエストをサーバ20に対して送信して、該当するウェブページM9をサーバ20から受信する(ステップS108)。
【0107】
そして、第2アプリ部140は、サーバ20から受信したウェブページM9を含むウェブページ画面P6(
図9参照)を表示部13に表示する(ステップS109)。このウェブページ画面P6に含まれるウェブページM9は、端末保有情報Xを用いずに取得されるため、ロック状態において端末保有情報Xの漏洩を抑制することができる。
【0108】
つづいて、
図13に示すように、第2アプリ部140は、遷移ボタンB1が押下された旨の通知を主制御部110から受けると(ステップS110)、遷移要求とURL情報137aとをロックアプリ部130に出力する(ステップS111)。
【0109】
つづいて、ロックアプリ部130は、第2アプリ部140から遷移要求を取得すると、表示部13に解除情報入力画面P5(
図6参照)を表示する(ステップS112)。そして、ロックアプリ部130は、ユーザによる解除情報の入力を受け付けると(ステップS113)、ユーザを認証し(ステップS114)、認証に成功すると、ロック状態を解除する(ステップS115)。なお、ロックアプリ部130は、ユーザの認証に失敗した場合には、ユーザに対して解除情報の再入力を促すメッセージを解除情報入力画面P5に表示させる。
【0110】
つづいて、ロックアプリ部130は、起動指示と、第2アプリ部140から取得したURL情報137aとを第1アプリ部160に出力する(ステップS116)。つづいて、第1アプリ部160は、起動指示に従って起動し、ロックアプリ部130から取得したURL情報137aを含むページリクエストをサーバ20に対して送信して、該当するウェブページM11をサーバ20から受信する(ステップS117)。そして、第1アプリ部160は、サーバ20から受信したウェブページM11を含むウェブページ画面P1(
図11参照)を表示部13に表示する(ステップS118)。このウェブページ画面P1に含まれるウェブページM11は、端末保有情報Xを用いて取得されるため、たとえばウェブサイトに登録されたユーザ名や購入履歴等を反映させることができる。
【0111】
〔4.変形例〕
上述した実施形態に係る端末装置10は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の端末装置10の他の実施形態について説明する。
【0112】
〔4−1.第1アプリケーションおよび第2アプリケーション〕
上述した実施形態では、第1アプリケーションと第2アプリケーションとが別個のアプリケーションである場合を例示したが、第1アプリケーションと第2アプリケーションとは、同じ単一のアプリケーションであってもよい。言い換えれば、第1アプリ部160と第2アプリ部140とは機能的に統合された一つのアプリ部であってもよい。
【0113】
ここで、
図14を用いて、第1アプリ部160と第2アプリ部140とを機能的に統合したアプリ部について説明する。
図14は、第1アプリ部160と第2アプリ部140とを機能的に統合したアプリ部の構成例を示す図である。
【0114】
図14に示すように、アプリ部190は、状態識別部191と、アクセス処理部192と、表示処理部193と、遷移要求通知部194と、消去部195と、記憶部196とを備える。
【0115】
(記憶部196について)
記憶部196は、状態情報196aと、第1アプリ情報196bと、第2アプリ情報196cとを記憶する。状態情報196aは、端末装置10がロック状態であるかロック解除状態であるかを識別する情報である。
【0116】
第1アプリ情報196bは、第1アプリ部160の記憶部163に記憶された情報に相当し、クッキー情報196b1および履歴情報196b2等を含む。また、第2アプリ情報196cは、第2アプリ部140の記憶部145に記憶された情報に相当し、URL情報196c1、クッキー情報196c2および履歴情報196c3等を含む。
【0117】
(状態識別部191について)
状態識別部191は、端末装置10がロック状態であるかロック解除状態であるかを識別する。たとえば、ロックアプリ部130がフォアグラウンドで起動している場合に、端末装置10がロック状態であると識別し、バックグラウンドで起動している場合あるいは起動していない場合には、端末装置10がロック解除状態であると識別する。そして、状態識別部191は、端末装置10がロック状態であると識別した場合には、ロック状態を示す状態情報196aを記憶部196に記憶し、端末装置10がロック解除状態であると識別した場合には、ロック解除状態を示す状態情報196aを記憶部196に記憶する。
【0118】
(アクセス処理部192について)
アクセス処理部192は、サーバ20へのアクセスを行う。かかるアクセス処理部192は、記憶部196に記憶された状態情報196aに応じたアクセス処理を行う。すなわち、アクセス処理部192は、ロック状態を示す状態情報196aが記憶部196に記憶されている場合には、第2アプリ部140のアクセス処理部141と同様のアクセス処理を行う。すなわち、アクセス処理部192は、第2アプリ情報196cを用いてサーバ20へのアクセスを行う。言い換えれば、アクセス処理部192は、第1アプリ情報196bあるいは記憶部15に記憶された端末識別情報15aや位置情報15b等を含む端末保有情報Xを用いずにサーバ20へのアクセスを行う。
【0119】
また、アクセス処理部192は、ロック解除状態を示す状態情報196aが記憶部196に記憶されている場合には、第1アプリ部160のアクセス処理部161と同様のアクセス処理を行う。すなわち、アクセス処理部192は、第1アプリ情報196bあるいは記憶部15に記憶された端末識別情報15aや位置情報15b等を含む端末保有情報Xを用いてサーバ20へのアクセスを行う。
【0120】
(表示処理部193について)
表示処理部193は、アクセス処理部192によって検索結果やウェブページが取得された場合に、上述したリスト画面P3やウェブページ画面P1,P6を表示部13に表示する。
【0121】
(遷移要求通知部194について)
遷移要求通知部194は、リスト画面P3やウェブページ画面P6に表示される遷移ボタンB1が押下された場合に、ロックアプリ部130に対して遷移要求を出力する。また、遷移要求通知部194は、遷移要求と合わせて、記憶部196に記憶されたURL情報196c1をロックアプリ部130に出力する処理も行う。
【0122】
(消去部195について)
消去部195は、記憶部196に記憶された情報のうち、第2アプリ情報196cを消去する。具体的には、消去部195は、ロックアプリ部130によってロック状態が解除された場合に、第2アプリ情報196cを消去する。
【0123】
このように、第1アプリ部160と第2アプリ部140とは、機能的に統合された一つのアプリ部190として構成されてもよい。
【0124】
なお、
図3,7,10および14の矢印は、データや制御などの流れについて主要な方向を補助的に示すもので、他の流れを否定するものでも、方向の限定を意味するものでもない。
【0125】
また、上述した実施形態では、ロックアプリ部130と第2アプリ部140とを分けて説明したが、ロックアプリ部130と第2アプリ部140とは機能的に統合して構成されてもよい。すなわち、制御部16が、記憶部15に記憶された単一のアプリケーション(ロックプログラム)を実行することにより、ロックアプリ部130および第2アプリ部140としての機能を実行するようにしてもよい。これにより、ロック状態において、検索結果のリストを取得し、取得したリストから所望のリンク先を選択して、選択したリンク先のウェブページを表示させるまでの手間を可及的に削減することができる。なお、ロックアプリ部130とアプリ部190とが機能的に統合されてもよい。
【0126】
〔4−2.適用対象〕
また、上述した実施形態では、第1アプリケーションと第2アプリケーションとがブラウザアプリケーションである場合を例示したが、第1アプリケーションおよび第2アプリケーションは、ブラウザアプリケーション以外のアプリケーションであってもよい。たとえば、第1アプリケーションおよび第2アプリケーションは、ナビゲーションアプリであってもよい。
【0127】
この場合、第2アプリ部は、端末保有情報Xを用いずにサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20から地図データを取得して表示部13に表示する。すなわち、ロック状態で起動する第2アプリ部では、端末保有情報Xを用いないため、位置情報を用いたナビゲーションを行うことはできないものの、地図データの閲覧は行うことができる。一方、ロック解除状態で起動する第1アプリ部は、端末保有情報Xを用いてサーバ20へアクセスする。これにより、位置情報を用いたナビゲーションを行うことが可能となる。
【0128】
また、第1アプリケーションおよび第2アプリケーションは、たとえばSNS(Social Networking Service)投稿用のアプリケーションであってもよい。この場合、ロック状態で起動する第2アプリ部は、位置情報が付加されていないテキストデータ等をサーバ20へ送信し、ロック解除状態で起動する第1アプリ部は、位置情報が付加されたテキストデータ等をサーバ20へ送信する。また、第1アプリケーションおよび第2アプリケーションは、静止画や動画などの画像を撮像するカメラアプリケーションであってもよい。この場合、第2アプリ部は、位置情報が付加されていない画像データをサーバ20へ送信し、第1アプリ部は、位置情報が付加された画像データをサーバ20へ送信する。
【0129】
このように、第2アプリケーションは、所定のデータに位置情報を付加してサーバ20へ送信する機能を有する第1アプリケーションと同種のアプリケーションであってもよい。これにより、仮に、ロック状態の端末装置10を第三者が勝手に操作してサーバ20へのアクセスを行ったとしても、端末装置10が保有する位置情報がサーバ20に勝手に送信される事態を防止することができる。
【0130】
〔4−3.第2アプリ部140のアクセス処理部141〕
上述した実施形態では、アクセス処理部141が、クッキー情報145aや履歴情報145bを記憶部145に記憶する場合を例示したが、アクセス処理部141は、これらの情報を記憶部145に記憶しないようにしてもよい。たとえば、アクセス処理部141は、クッキーの送受信を行わないようにしてもよい。これにより、第2アプリ部140にクッキー情報や履歴情報等が蓄積されることを防止することができる。
【0131】
〔4−4.第2アプリ部140の消去部144〕
上述した実施形態では、消去部144が、ロックアプリ部130によってロック状態が解除された場合に、記憶部145に記憶された情報を消去する場合を例示した。しかし、消去部144は、この例に限らず、たとえば、端末装置10がロック状態へ移行した場合に、記憶部145に記憶された情報を消去してもよい。また、消去部144は、第2アプリ部140が起動してからの経過時間を計測し、計測した経過時間が閾値を超えた場合に記憶部145に記憶された情報を消去してもよい。これにより、第2アプリ部140にクッキー情報や履歴情報等が蓄積されることを防止することができる。
【0132】
〔4−5.プログラム〕
また、上述してきた実施形態にかかる端末装置10は、例えば
図15に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図15は、端末装置10の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0133】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0134】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0135】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0136】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0137】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる端末装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、主制御部110と、音声認識部120と、ロックアプリ部130と、第2アプリ部140と、アプリ部群150とを実現する。また、HDD1400には、記憶部15内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0138】
〔4−6.その他〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0139】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0140】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0141】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る端末装置10は、設定部131と、起動要求受付部132と、起動部133とを備える。設定部131は、ロック状態を設定する。ロック状態は、端末装置10が保有する情報を用いてサーバ20へアクセスする第1アプリケーションの起動を制限する状態である。起動要求受付部132は、ロック状態において、第1アプリケーションによって用いられる情報を用いずにサーバ20へアクセスする第2アプリケーションの起動要求を受け付ける。起動部133は、起動要求受付部132によって起動要求が受け付けられた場合に、ロック状態において第2アプリケーションを起動する。
【0142】
これにより、実施形態に係る端末装置10では、セキュリティを保ちつつ、ロック状態での利便性を向上させることができる。
【0143】
また、実施形態に係る端末装置10は、遷移要求受付部134と、解除情報受付部135と、遷移部136とを備える。遷移要求受付部134は、起動部133によって第2アプリ部140が起動された状態で、第2アプリ部140から第1アプリ部160への遷移要求を受け付ける。解除情報受付部135は、遷移要求受付部134によって遷移要求が受け付けられた場合に、ロック状態の解除に用いられる解除情報の入力を受け付ける。遷移部136は、解除情報受付部135によって解除情報の入力が受け付けられた場合に、ロック状態を解除して第1アプリ部160を起動する。
【0144】
これにより、実施形態に係る端末装置10では、第2アプリ部140から第1アプリ部160へ遷移する場合に、たとえば、ウェブページ画面P6からロック画面P2へ遷移する操作や、ロック画面P2から解除情報入力画面P5へ遷移する操作が不要となる。したがって、第2アプリ部140から第1アプリ部160への遷移に要する操作を簡略化することができる。
【0145】
また、実施形態に係る端末装置10では、第1アプリケーションおよび第2アプリケーションが、ブラウザアプリケーションである。第2アプリ部140は、第1アプリ部160によって用いられる端末保有情報Xを用いずにサーバ20へ送信した検索要求に応じた検索結果をサーバ20から取得し、取得した検索結果のリスト画面P3を表示する。
【0146】
これにより、実施形態に係る端末装置10では、端末保有情報Xを用いずに得られた検索結果のリスト画面P3が表示されるため、仮に、端末装置10のユーザ以外の者が第2アプリ部140を利用したとしても、リスト画面P3から端末保有情報Xが漏洩することを抑制することができる。
【0147】
また、実施形態に係る端末装置10では、第2アプリケーションが、リスト画面P3に含まれるリストM8からの選択を受け付けた場合に、選択に応じたウェブページM9をサーバ20から取得して表示する。
【0148】
これにより、実施形態に係る端末装置10では、セキュリティを保ちつつ、リスト画面P3の表示からリンク先のウェブページの表示までを、ロック解除の手間をかけることなく行うことができる。
【0149】
また、実施形態に係る端末装置10では、第2アプリ部140が、ロック状態において表示されるロック画面P2上に透過性を有するリスト画面P3を表示する。
【0150】
これにより、実施形態に係る端末装置10では、第2アプリ部140によるウェブ検索がロック状態で行われていることをユーザに認識させることができる。
【0151】
また、実施形態に係る端末装置10では、遷移部136が、ロック状態を解除して第1アプリ部160を起動する場合に、第2アプリ部140によって取得されたURL情報137aを第1アプリ部160へ出力する。
【0152】
これにより、実施形態に係る端末装置10では、たとえば、第2アプリ部140で閲覧したウェブページを第1アプリ部160で閲覧したい場合に、検索キーワードの入力等を第1アプリ部160において再度行う手間を省くことができる。
【0153】
また、実施形態に係る端末装置10では、遷移部136が、ロック状態を解除した場合に、第2アプリ部140によってサーバ20から取得された情報を消去する。
【0154】
これにより、実施形態に係る端末装置10では、第2アプリ部140に情報が蓄積されることを防止することができる。
【0155】
また、実施形態に係る端末装置10では、起動部133が、端末装置10に内蔵された充電池の残容量が閾値を下回った場合に、第2アプリ部140の起動を禁止する。
【0156】
これにより、実施形態に係る端末装置10では、たとえば、ユーザが端末装置10を紛失した場合に、第2アプリ部140が利用されることで充電池の残容量が減少し、GPSを利用した端末装置10の追跡等が困難となる事態を防止することができる。
【0157】
また、実施形態に係る端末装置10では、起動部133は、ロック状態が維持されている状態で、第2アプリ部140の総起動時間が閾値を超えた場合に、第2アプリ部140の起動を禁止する。
【0158】
これにより、実施形態に係る端末装置10では、ユーザ以外の者による端末装置10の無断使用を防止することができる。すなわち、ロック状態が解除されることなく、第2アプリ部140が長時間利用されている場合、端末装置10は、ユーザ以外の者により無断で使用されている可能性がある。そこで、第2アプリ部140の総起動時間が閾値を超えた場合に、第2アプリ部140に対する起動指示の出力を禁止することとすれば、ユーザ以外の者による端末装置10の無断使用を防止することができる。
【0159】
また、実施形態に係る端末装置10では、第2アプリケーションが、第1アプリケーションと同種のアプリケーションである。
【0160】
これにより、実施形態に係る端末装置10では、ユーザに対して、ロック状態とロック解除状態とのそれぞれにおいて同種の機能を利用させることができる。
【0161】
また、実施形態に係る端末装置10では、第1アプリケーションと第2アプリケーションとが、同じ単一のアプリケーションである。このアプリケーションは、ロック状態である場合に第2アプリケーションとして機能し、ロック状態が解除された状態である場合に第1アプリケーションとして機能する。
【0162】
これにより、実施形態に係る端末装置10では、ユーザが第1アプリケーションをインストールする手間を省くことができる。
【0163】
また、実施形態に係る端末装置10では、記憶部15と、制御部16とを備える。制御部16は、記憶部15に記憶されたロックプログラムを実行することにより、設定部131、起動要求受付部132、起動部133、遷移要求受付部134、解除情報受付部135、遷移部136および第2アプリケーションとしての機能を実行する。
【0164】
これにより、実施形態に係る端末装置10では、たとえば、ロック状態において、検索結果のリストを取得し、取得したリストから所望のリンク先を選択して、選択したリンク先のウェブページを表示させるまでの手間を可及的に削減することができる。また、ロック画面P2からリスト画面P3を経てウェブページ画面P6に至るまでの流れが単一のプログラムで実現されるため、ユーザの導線を分断し難くすることができる。したがって、ロック状態での利便性を更に向上させることができる。
【0165】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0166】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。