特許第6261502号(P6261502)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261502
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】自動車両ヘッドランプ用の光モジュール
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/00 20180101AFI20180104BHJP
   F21S 43/00 20180101ALI20180104BHJP
   F21S 45/00 20180101ALI20180104BHJP
   B60Q 1/14 20060101ALI20180104BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20180104BHJP
   F21W 104/00 20180101ALN20180104BHJP
   F21W 105/00 20180101ALN20180104BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20180104BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20180104BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180104BHJP
【FI】
   F21S8/12 295
   B60Q1/14 A
   F21W101:10
   F21Y101:00 300
   F21Y115:10
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-528989(P2014-528989)
(86)(22)【出願日】2012年9月7日
(65)【公表番号】特表2014-529170(P2014-529170A)
(43)【公表日】2014年10月30日
(86)【国際出願番号】EP2012067498
(87)【国際公開番号】WO2013034680
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2015年8月13日
(31)【優先権主張番号】1157909
(32)【優先日】2011年9月7日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100179338
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(72)【発明者】
【氏名】レミ、ルトゥメラン
(72)【発明者】
【氏名】ポール、ラシーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−セバスチャン、デルフォス
(72)【発明者】
【氏名】アラン、アムール
【審査官】 河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−113926(JP,A)
【文献】 特開2009−227088(JP,A)
【文献】 特開昭63−292501(JP,A)
【文献】 特開2001−351411(JP,A)
【文献】 特開2010−086863(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0109697(US,A1)
【文献】 特開2010−015693(JP,A)
【文献】 実開平04−066001(JP,U)
【文献】 特開2009−048948(JP,A)
【文献】 特開2001−184911(JP,A)
【文献】 特開2004−039329(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02068071(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
F21S 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両ヘッドランプ用の光モジュール(5)であって、少なくとも1つの隠し部を光ビームに形成するようになっているシールド(10)を有し、前記シールドは回転軸線回りに回転可能であり、この回転により前記隠し部が道路現場の物体に追従することができるものにおいて、
前記光モジュール(5)が、さらに、
前記シールド(10)の後面(26)上に、当該後面に沿って延びるように設けられた、前記シールド(10)と一緒に回転する歯車セクタ(21)と、
前記歯車セクタ(21)とかみ合うとともに、前記シールド(10)の回転軸線と平行な回転軸線回りに回転可能な歯付き駆動部材(22)と、
前記歯付き駆動部材(22)を回転駆動するモータ(20)と、
前記歯車セクタ(21)をその回転方向に付勢して、前記歯車セクタ(21)と前記歯付き駆動部材(22)との間のかみ合い遊びを無くすスプリング(11)と、を備え、
前記シールド(10)は、該シールドが回転するときに枢軸としての機能を果たすピン(15)を有し、前記スプリング(11)は、前記ピン(15)の周囲に巻回された巻回部(16)と、端部アーム(18)とを有し、前記ピン(15)は、前記光モジュール(5)のハウジング(B)により支持され、前記端部アーム(18)は、前記ハウジング(B)に支持されていることを特徴とする、光モジュール(5)。
【請求項2】
前記歯車セクタ(21)と前記歯付き駆動部材(22)との間に中間歯車が存在することを特徴とする請求項1に記載の光モジュール(5)
【請求項3】
前記端部アーム(18)は前記ハウジング(B)の鉤状部(19)により支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光モジュール(5)。
【請求項4】
前記モータ(20)が、ステッピングモータであることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の光モジュール(5)。
【請求項5】
前記モータ(20)に、前記歯付き駆動部材(22)が設けられることを特徴とする請求項に記載の光モジュール(5)。
【請求項6】
前記シールドは、該シールドの回転軸と略平行な垂直カット縁を有することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の光モジュール(5)。
【請求項7】
前記垂直カット縁は、メタライズされて反射性であることを特徴とする請求項に記載の光モジュール(5)。
【請求項8】
前記後面(26)はメタライズされて反射性となっており、これによりコレクタによる反射によってビームの性能を高めるようになっていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の光モジュール(5)。
【請求項9】
前記シールド(10)は、ロゴなどの装飾要素(29)を前面に有し、この装飾要素は、車両が停止するときであって前記シールドがその中心位置に戻されたときに、見えることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の光モジュール(5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、考慮中の車両によって直面される交通状態(近づいてくる車両、障害物などの存在)に基づく、少なくとも1つの自動車両ヘッドランプによって発生される光ビームの自動調整のための方法に関する。本発明の本質的な目的は、考慮中の車両の近傍に存在する、あるいは該車両により占められる道路上の様々な要素に基づいて、前側右ヘッドランプと前側左ヘッドランプとから成る一対のヘッドランプによって、あるいは1つの同じヘッドランプに含まれる一対の光モジュールによって生成される全光ビームを自動的に最適化することである。本発明で提案される調整は、障害物、あるいは、近づいてくる車両、通過車両、または、被追従車両を含む非常に正確な方向での光強度の変化の発生を伴い、当該変化は、注意を引きつけることが望ましい検出障害物をその近傍に対して大きく考慮されるときに障害物をより大きな度合まで照明することによって示すことにより、あるいは、近づいてくる車両が存在するときおよびドライバーを眩しくさせたくないときに適切な方向でのみ光強度を減少させることにより伝えることができる。
【0002】
本発明の分野は、一般的な態様では、自動車両ヘッドランプの分野である。この分野では様々なタイプの従来のヘッドランプが知られており、そのようなヘッドランプとしては、本質的に以下が挙げられる。
−強度および範囲が小さい位置標示灯;
−本質的に夜間に使用され、通過車両のドライバーを眩しくさせ得ることがないように光ビームを分配する、強度が大きく路上範囲が80メートルに近いロービームヘッドランプであって、ロービームタイプの光ビームがそれらが使用される交通、左側、または、右側のタイプによって異なるロービームヘッドランプ;
−路上の視野領域が600メートルに近く、他の車両を通り過ぎるときにはそのドライバーを眩しくさせないようにOFFに切り換えられる必要がある、長距離ハイビームヘッドランプ;
−フォグランプなど。
【背景技術】
【0003】
また、ロービームヘッドランプの機能と長距離ヘッドランプの機能とを同時に有するタイプの改良されたヘッドランプが知られる。この典型的な実施形態は、基本的に、楕円タイプの光モジュールで実施される。したがって、ヘッドランプは、楕円タイプのリフレクタを備える光モジュールを備え、前記リフレクタは、該楕円リフレクタの第1の焦点に配置される光源と、このリフレクタの第2の焦点に配置されるシールドとに関連付けられる。第2の焦点に焦点が合わされる収束レンズは、ビームを道路上に集光させる。光モジュールが二機能をもつ(ロービームヘッドランプの機能と長距離ヘッドランプの機能とを同時に有する)ように、例えば金属プレートにより構成される、例えば取り外し可能なシールドを光モジュールの内側に配置することができ、前記シールドは、それが光モジュールの光源により生成される光信号を見えなくしない第1の位置であって、この場合、ヘッドランプの範囲がハイビームヘッドランプの範囲に対応する第1の位置から、それが前記光源により生成される光信号の一部を見えなくする第2の位置であって、この場合、ヘッドランプ範囲がロービームヘッドランプの範囲に制限される第2の位置へと、命令に応じて変化できる。第2の位置において、光モジュールは、従来のロービームタイプのビームに対応する規則に準拠するカットを有するビームを形成しなければならず、カットの形状は、光信号の一部を遮るシールドの形状によって与えられる。
【0004】
視界に関して運転の快適さを向上させるという一般的な目的をもって、従来技術では、ロービーム機能からハイビーム機能への切り換えあるいはその逆の切り換えが自動である二機能光モジュールが存在し、前記切り換えは交通状態に依存する。そのような二機能モジュールを備える車両では、ハイビーム機能の使用によって眩しくさせられる可能性が高い車両の存在に関して探索が行なわれる。車両が検出されなければ、ハイビーム機能が自動的に起動される。車両の存在が検出されるとすぐに、ハイビーム機能が自動的に停止され、二機能ヘッドランプを装備する車両は、再びロービームタイプの光ビームを有する。
【0005】
実際に、検出車両の不存在がハイビーム機能への切り換えを許容するための閾値は約600メートルである。装備車両から少なくとも600メートルで車両が検出されるとすぐに、ロービーム機能が起動される。このとき、この機能は、道路の中心部内で80メートルに近い距離にわたってのみ、また、車両が走行している車線の路肩(右側通行の場合には右側の路肩)で150メートルの距離にわたってのみ、十分な照明を与える。つまり、生成される照明は、本質的に、右側通行の場合には道路の右側であるため、道路の左側は殆ど照明されない。したがって、眩しくされる虞がある最初の車両が装備車両から100メートル程度〜600メートル未満離れて位置される形態、たとえそうであっても他の車両を眩しくさせることなく路上の照明を最適化できる形態など、多くの交通形態が存在する。
【0006】
そのため、通過車両または被追従車両が位置される推定距離に基づいてビームの範囲を調整できるようにする様々な解決策が提案されてきた。そのような調整の結果が図1に概略的に示されており、図1は、被追従車両101の距離に基づいて、生成する光ビームの範囲を調整する車両100を示す。これらの解決策が光ビームの範囲の最適化に関して十分である場合、この解決先は、提案される道路の側方照明を考慮すれば、十分ではない。すなわち、図1に見られるように、被追従車両101の左に位置する道路の部分102は照明されず、一方、車両の右に対応する部分は照明される。
【0007】
したがって、図2を見ると、車両100によって放射される全光ビーム200を、201〜205に示される様々な隣接部分へと与え、その場合、各部分が全ビーム200の角度セクタに対応することが有益であると思われた。そのため、通過車両または被追従車両101が部分202に存在する場合、最適化された全光ビームは、全光ビーム200の部分202だけを眩しくさせないようにすることから成る。眩しくさせない部分は、ビームが被追従車両または通過車両に到達する際、あるいは到達する前にビームが水平線よりも下側にだけ集光される全光ビームの角度セクタを示す。
【0008】
そのような目的を達成するため、従来技術は、複数の発光ダイオード(LED)を要するヘッドランプを使用することを提案してきており、これらの発光ダイオードは、各LEDまたはLED群が特に全光ビームの複数の部分のうちの1つで光ビームを生成するために使用されるように配置され、したがって、眩しくさせない部分を形成するためには、考慮中の部分と関連付けられるLED、例えば該LEDをOFFに切り換えることによって措置を講じれば十分である。
【0009】
しかしながら、そのような解決策は特定数の欠点を有する。第1に、そのような解決策は、使用されるLEDの数のため、高価である。第2に、同じ理由のため、前記解決策は大型で重い。最後に、前記解決策は、車両が一方の部分から他方の部分へと変化するときにフリッカ現象をもたらす。
【0010】
したがって、従来技術は、ヘッドランプにより生成される光ビームの側部を見えなくするための満足な解決策を有さない。
【0011】
同様に、従来技術は、例えば、考慮中の障害物のすぐ隣にある要素が照明されるよりも大きな度合まで検出障害物が照明されることを提案することにより、生成される光ビームだけを用いて道路の縁に存在する障害物に対するドライバーの注意を引きつけるための解決策を含まない。
【0012】
したがって、従来技術は、全光ビームの側部に対応する障害物、または近づいてくる車両タイプの要素の存在により決定される、限られた方向でのみ、1つ以上のヘッドランプ装置により形成される照明を、光強度に関して変更するための満足な解決策を提案してこなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、今しがた言及された問題を扱うことである。本発明は、障害物を示すために、あるいは近づいてくる車両のドライバーを眩しくさせることを回避するために、大型でない安価な態様で、1つの側部で放射される強度が隣接する複数の側部で放射される強度とは異なる光ビームの発生を実施することを提案する。
【0014】
一例として、眩しくさせないビームを生成するために、少なくとも1つの通過車両または被追従車両の存在が検出されて、道路上の車両の側方位置が決定され、その後、考慮中の車両のヘッドランプのうちの少なくとも1つの光モジュールのうちの少なくとも1つに配置される特別なシールドの使用を提案することにより、考慮中の近づいてくる車両を眩しくさせることのない全光ビームが発生されることが提案される。特別なシールドは略垂直な軸の周りで回転移動でき、このシールドは、本発明に係る装置の実施形態に基づき、発生される光ビームの側部を見えなくするための様々な手段を有する。見えなくなる状態は、特に水平線と水平線よりも約1%下側に位置される限界線との間に位置される線よりも上側でもたらされる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
したがって、本発明は、道路上を走行する第1の自動車両の一組の光モジュールによって生成される全光ビームを自動的に調整するための方法に関し、前記一組の光モジュールが少なくとも第1の光モジュールおよび第2の光モジュールから構成され、少なくとも前記第1の光モジュールが本発明に係る光モジュールである。
【0016】
好ましくは、全光ビームを自動的に調整するための本発明に係る前記方法は、道路上を走行する第1の自動車両の一組の光モジュールによってもたらされ、一組の光モジュールは、少なくとも1つの照明機能を与えることができるとともに、少なくとも2つの光モジュールから成り、光モジュールのうちの少なくとも1つは、リフレクタ内に配置される少なくとも1つの光源と、略垂直軸の周りで回転移動できるシールドとを備え、前記移動シールドは少なくとも1つの隠し要素を有する。この方法は、
−眩しくさせられてはならない追従するあるいは通過する少なくとも1つの第2の車両の存在を検出するステップと、
−適切な場合には、道路上の第2の車両の瞬間側方位置を決定するステップと、
−前記隠し要素が前記光源によって放射される光の一部を見えなくし、側方両側が照明される影領域を備える光ビームを前記一組の光モジュールが発生させるように、その略垂直軸の周りで回転移動できるシールドを備える少なくとも1つの光モジュールの移動シールドを移動させるステップであって、前記影領域が第2の車両の瞬間側方位置に対応し、その位置が決定されて水平線よりも上側に位置される、ステップと、
を備える。
【0017】
そのような方法により、眩しくさせられてはならない車両に位置する影領域を伴うビームを有することができる一方で、この第2の車両が走行している車線以外の他の車線と第2の車両が走行している車線の路肩とを照明できることが分かる。
【0018】
この方法は、特に、欧州特許出願第2 068 071号明細書に記載される。
【0019】
本発明に係る方法は、同様に、先の段落に記載される主な特徴以外に、以下の更なる特徴のうちの1つ以上を有してもよく、これらの更なる特徴の任意の組み合わせは、それらが互いに排他的でない限りにおいて、本発明の実施の有利な例を構成する。
−光モジュールのうちの1つが左ヘッドランプに配置され、他の光モジュールが右ヘッドランプに配置される;
−隠し要素は、水平線と水平線よりも約1%下側に位置される限界線との間に位置される線よりも上側に影領域を発生させるのに十分な高さを有する:
−隠し要素は、水平線と水平線よりも約1%下側に位置される限界線との間に位置される線よりも下側で光ビームを何ら見えなくしないように限られた高さを有する:
−光モジュールのそれぞれには、略垂直軸の周りで回転移動できるシールドが設けられる;
−移動シールドがステッピングモータにより回転駆動される;
−隠し要素が切れ目のない隠しプレートであり、隠しプレートは、当該隠しプレートが属する光モジュールにより生成される光ビームにおいて、水平線よりも上側で発生される光ビームの部分を見えなくすることができる;
−各隠しプレートは、少なくとも1つの傾斜部を伴う側端を有し、方法は、第2の車両の下側に位置される照明領域を全光ビームに形成するように移動シールドを配置することを伴うステップを有し、影領域がフレア形状を有し、フレア形状の縁は、第2の車両の下面から再び上がるように分離し、一例として、フレア形状は、三角形投影形状であってもよいが、その上端が下方へ向けられ、あるいは、小さい辺が底面に位置される台形であってもよい;
−移動シールドは、一方の光モジュールから他方の光モジュールへと反対方向に回転するように作動され、それにより、第2の車両が第1の車両に近づくあるいは第1の車両から離れるときに、影領域のフレア形状の底部が第2の車両の下面をたどる;
−方法は、以下で説明される光モジュールを実施する;
−2つの光モジュールが単一のヘッドランプ内に配置される。
【0020】
本発明は、同様に、光ビームを発生させる光モジュールに関し、前記光モジュールにはリフレクタ内に配置される少なくとも1つの光源が設けられ、光モジュールは、特に、略垂直軸の周りで回転移動できるようにシールドを有し、前記移動シールドは、発生される光ビームの光強度の側方不連続性をもたらすことにより光ビームを変更できる少なくとも1つの要素を有する。
【0021】
「発生される光ビームの光強度の側方不連続性」という表現は、前記光ビームの隣接する側部よりも目に見えて明るい、あるいは明るくない光ビームの側部を形成するために移動シールドが使用されるという事実を示す。
【0022】
好適には、光強度に関する側方不連続性は、生成される光ビームの端部のうちの一方に位置されない側部、すなわち、それら自体が照明される側部によって取り囲まれる光ビームの側部に適用される。
【0023】
本発明に係る光モジュールは、全光ビームを自動的に調整するための本発明に係る方法を実施できることが好ましい。そのような場合、光モジュールは、以下の更なる特徴のうちの幾つかを更に有してもよく、これらの更なる特徴の任意の組み合わせは、それらが互いに排他的でない限りにおいて、本発明の有利な典型的な実施形態を構成する。
−移動シールドの第1の側端に突出部が配置される;
−突出部は、その幅よりも大きい高さを有する;
−光ビームを変更できる移動シールドの要素は、開口、特に略長方形形状のスロットを有する隠しプレートによって構成され、隠しプレートは、光ビームがスロットのみを通過できるようにする。
【0024】
本発明の他の目的は、既に明確に述べたそれらの主な特徴を有し、また、場合により今しがた言及された1つ以上の更なる特徴を有する、本発明に係る少なくとも1つの光モジュールを備えるおよび/または本発明に係る方法を実施できる自動車両ヘッドランプである。
【0025】
本発明の他の目的は、既に明確に述べたそれらの主な特徴を有し、また、場合により今しがた言及された1つ以上の更なる特徴を有する、本発明に係る方法を実施できるあるいは本発明に係る少なくとも1つのヘッドランプを備える自動車両である。
【0026】
1つの変形実施形態によれば、本発明に係る車両は、同様に、光モジュールのうちの1つの隠しプレートの左に位置されるとともに、他の光モジュールの隠しプレートの右に位置される傾斜部を有してもよい。
【0027】
本発明は、同様に、独立にあるいは上記と組み合わせて、特に垂直軸の周りで回転移動できるとともに、少なくとも1つの隠し部を光ビームに形成するように配置されるシールドを有する自動車両ヘッドランプ用の光モジュールに関し、特にこの隠し部は、通過車両または被追従車両などの道路現場の物体に追従することができ、移動シールドは、遊びを吸収するためのスプリングと協働する。
【0028】
このスプリングは、好適には、動力における噛み合い遊びを吸収するために使用される。
【0029】
システムの電源が入れられると、シールドが位置基準付けストッパを探す。スプリングは、的確な側ですべての遊びを減らすために、この基準付け段階中に動作に対抗する作用を有する。
【0030】
このスプリングは、同様に、光モジュール内でシールドと組み付けられ、あるいはシールドを駆動させるアクチュエータに組み込まれ得る。
【0031】
スプリングは、例えばこのシールドを受ける回転駆動される部品を介して、直接的にあるいは間接的にシールドに固定される。
【0032】
シールドは、好適には、該シールドが回転するときに枢軸としての機能を果たすピンを有し、スプリングがこのピンの周囲に巻回部を有する。
【0033】
スプリングは、光モジュールに対して固定された要素に支持されてもよい。これにより、マスクの遊び、したがって、歯車、ギア、および/または、ウォームネジなどのシールドを作動させる様々な要素における様々な噛み合い遊びのすべてを直接に吸収できる。
【0034】
一例として、スプリングは、固定された要素に支持される端部アームを有してもよい。
【0035】
この固定された要素がハウジングの固定要素であってもよく、例えば、この固定要素がハウジングの鉤状部であってもよい。モジュールは、シールドと協働してこのシールドを回転駆動するようになっているモータ、特にステッピングモータを有することが好ましい。
【0036】
本発明の1つの典型的な実施では、シールドが歯車セクタを有し、モータには、シールドを回転駆動させるためにシールドの歯車セクタと協働する歯付き駆動部材が設けられる。
【0037】
望ましい場合には、シールドは、該シールドの回転軸と略平行な垂直カット縁を有する。
【0038】
好適には、垂直縁は、垂直曲げユニットを形成するために、特にメタライズされることによって反射性となっている
【0039】
適切な場合には、シールドは、コレクタによる反射によってビームの性能を高めるようになっている特にメタライズされた反射性の後面を有する。
【0040】
本発明の典型的な実施において、移動マスクは、ロゴなどの装飾要素を前面に有し、この装飾要素は、シールドがその中心位置に戻されたときに、車両が停止する際に見える。
【0041】
本発明および本発明の様々な用途は、以下の説明を読むとともに、前記説明に付随する図を検討すると、更に良く理解できる。
【0042】
図は、本発明を何ら限定することなく、単なる例示として与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】既に説明した図であり、近づいてくる車両が位置付けられる距離に基づいて車両により発生される光ビームを調整するための方法の典型的な実施を示す。
図2】同様に既に説明した図であり、生成される全光ビームを向上させる方法を説明するために全光ビームの様々な側部への分割の概略表示を示す。
図3】本発明に係る光モジュールに備わる移動シールドの第1の典型的な実施形態を示す。
図4】光モジュール内の図3の移動シールドの設置の概略断面図を示す。
図5図5Aおよび図5Bは、光モジュール内の図3の移動シールドの設置の概略図、および、そのような光モジュールによって生成される光ビームの概略図である。
図6】本発明に係る光モジュールに備わる移動シールドの第2の典型的な実施形態を示す。
図7図7A図7Eは、図6の移動シールドを用いた本発明に係る方法の典型的な実施を例示する様々な図を示す。
図8図8Aおよび図8Bは、本発明に係る光モジュールに備わる移動シールドの第3の典型的な実施形態を示す。
図9図9A図9Cは、図8Aおよび図8Bの移動シールドを用いた本発明に係る方法の第1の典型的な実施を例示する光ビームの様々な投影を示す。
図10図10A図10Cは、図8Aおよび図8Bの移動シールドを用いた本発明に係る方法の第2の典型的な実施を例示する光ビームの様々な投影を示す。
図11図11A図11Cは、図8Aおよび図8Bの移動シールドを用いた本発明に係る方法の第3の典型的な実施を例示する光ビームの様々な投影を示す。
図12図12A図12Cは、本発明に係る光モジュールに備わる移動シールドの第4の典型的な実施形態を用いた本発明に係る方法の典型的な実施を例示する様々な図を示す。
図13】本発明に係る光モジュールに備わる曲げユニットタイプの要素を有する移動シールドの特別の典型的な実施形態を示す。
図14】本発明の他の典型的な実施を概略的に示す。
図15】本発明の他の典型的な実施を部分的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
様々な図に現れる要素は、他に別段述べられなければ、同じ参照符号を保持する。様々な位置表示、例えば、「下側」、「上側」、「垂直」は、通常の道路交通状態下で考慮される必要があり、または、本発明に係る装置が自動車両で機能するべく設置されるときには、該装置の使用の通常の状態下で考慮される必要がある。
【0045】
記載されるヘッドランプは、本発明に係る単一の光モジュールを要する。それにもかかわらず、特に後述する光モジュールなどの本発明に係る少なくとも2つの光モジュールを配置することが予想できる。この場合、光モジュールは、場合によりリフレクタ内に配置され、場合によりレンズタイプの1つ以上の光屈折要素と関連付けられる、少なくとも1つの光源を備える光学系を示す。
【0046】
以下の説明において、示される光ビームにおけるカット線は、時として、水平線と混同されるが、実際には、このカット線は、水平線と水平線よりも約1%下側に位置される限界線との間に位置付けられる。
【0047】
本発明に係る方法を実施する第1の車両が想定し得る他の車両を眩しくさせることなく道路の照明を最適化できるようにするためには、第1に、この他の車両の存在を決定すること、また、この他の車両の瞬間側方位置を決定すること、すなわち、生成される全光ビームのいずれかの側部がこの他の車両を含むのかを決定することが必要である。
【0048】
この目的のため、既知の側方位置評価手段を実装する、例えば画像処理ソフトウェア手段と関連付けられる1つ以上の内蔵カメラを車両に実装するようにする。
【0049】
図3は、本発明に係るヘッドランプ装置で措置を講じる移動シールド300の第1の典型的な実施形態を示す。図4および図5Aは、光モジュール500内に設置される移動シールド300を断面図および斜視図でそれぞれ示す。
【0050】
これらの様々な図で見ることができるシールド300は、本質的に、以下の要素を有する。
−ひっくり返された円錐部の形態を成す支持体301。支持体301は、シールド300が光モジュール500内に配置される(図5A)と、リフレクタ400内に配置される光源によって生成される光ビームの部分を全く見えないようにはしない。支持体301は、円錐台を形成するリング形状の支持脚302と、傾斜側壁303とを有する。支持脚は、シールド300が略垂直な回転軸501(図5A)周りで移動できるようにする図示しない駆動ロッドを受けるようになっている。駆動ロッドの移動は、ステッピングモータタイプのモータによって引き起こされて制御され、それにより、移動シールド300の回転動作で高レベルの精度を得ることができる。
−光モジュールによって発生される光ビームの光強度に側方不連続性をもたらすことによって車両のヘッドランプにより放射される全光ビーム503(図5B)を変更できる要素。これらの要素は、傾斜側壁303の上部305に配置される。移動シールド300には、このタイプの2つの要素が存在する。すなわち、
−第1の要素は、舌として示される突出部304によって構成されており、図4に見られるように、舌304は、光源に対向して配置されると、光ビーム503の側部502(図5B)を見えないようにし、したがって、近づいてくる車両101のドライバーを眩しくさせないようにすることができる。図示の例において、舌304は、少なくとも水平線よりも上側で、好ましくはせいぜい水平線よりも約1%下側に位置される限界線よりも上側で側部502の光ビームを見えなくするために、限られた高さを有する。舌304が幅広くなればなるほど、眩しくない側部502、または、影領域のサイズが大きくなる。好適には、舌304は、側壁303の上部305の側端308に位置される。
−第2の要素は、生成される光ビームを全体的に見えなくするのに十分な高さおよび幅の隠しプレート306によって構成され、隠しプレート306は、そのほぼ中心に位置される垂直スロットの形態を成す開口307を有する。したがって、プレート306が光源から発散する光線を見えなくすると、スロット307へ向けて放射される光線だけが生成される光ビームを形成する。したがって、第2の要素306は、スロット307を通り抜ける光信号が検出された障害物に達するようにシールドを配置することによって、検出された障害物への注意を引きつけるために使用することができる。これらの光信号は、場合により、他の光モジュールにより生成される光ビームと重なり合う場合があり、それにより、障害物の方向に対応する側部であって、隣り合う側部よりも明るい側部を形成する。
【0051】
図4において分かるように、シールド300は、光モジュール500のリフレクタ400に対して水平に中心付けられることによって、該リフレクタと対向して装着される。シールド300の上部305は限界をマークしており、この限界を越えると、シールド300の要素は、光源によって生成される光信号を見えなくする可能性が高い。すなわち、上部305よりも上側に配置される任意の要素は、それが光源と対向して配置される場合には、生成される光ビームの側部を見えなくする。好適には、シールド300の回転動作は、特に側壁303の上部305の形状と適合する湾曲部401を有するガイドピース402によって案内される。シールド300の形状は、特に、光モジュール500を著しく散乱することができないようにする。前記形状の存在は、支持体505により保持される投影レンズ504を有する光モジュール500を示す図5に示されるように、光モジュール500のサイズに大きな影響を及ぼさない。
【0052】
移動シールド300は、好適には、車両の右ヘッドランプの光モジュールと車両の左ヘッドランプの光モジュールとに同時に配置されてもよく、近づいてくる車両101の位置が検出されると、そのとき、移動シールドのそれぞれは、生成される各光ビームにおいて、舌304を使用して、近づいてくる車両101に関して決定される側方位置に対応する側部を見えなくするように位置される。
【0053】
図6は、本発明に係る光モジュールで措置を講じる移動シールド600の第2の典型的な実施形態を示す。
【0054】
移動シールド600は、本質的に、以下の要素を有する。
−移動シールド300の支持体と同一の支持体301。
−移動シールドが配置される光モジュールにより発生される光ビームの光強度に側方不連続性をもたらすことによって光ビームを変更できる要素を構成する切れ目のない隠しプレート601。隠しプレート601は、好適には、光源と直接に対向して配置されるときに少なくとも水平線よりも上側で且つせいぜい水平線よりも約1%下側に位置される限界線よりも上側に位置される光ビームの部分を構成する光線だけを見えなくするように限られた高さを有する。
【0055】
図7A図7Eに示される本発明の実施の好適な形態において、シールド600は、左ヘッドランプ602の光モジュールおよび右ヘッドランプ603の光モジュールの両方に配置される。近づいてくる車両101の側方位置が決定されると、移動シールド601は、
−左ヘッドランプ602の光モジュールでは、左光ビーム604を生成するように位置され、この左光ビーム604は、近づいてくる車両101の左側から左光ビーム604の右側部分全体にわたって延びる隠し側部605を有し、
−右ヘッドランプ603の光モジュールでは、左光ビーム606を生成するように位置され、この左光ビーム606は、近づいてくる車両101の右側から右光ビーム604の左側部分全体にわたって延びる隠し側部607を有する。
【0056】
したがって、左光ビーム604と右光ビーム606とを重ね合わせることにより、車両101の位置に対応する影領域609、すなわち、眩しくさせない側部を1つだけ有する全光ビーム608が得られる。
【0057】
図8Aおよび図8Bは、本発明に係る光モジュールで措置を講じる移動シールド800の第3の典型的な実施形態を示す。
【0058】
移動シールド800は、本質的に、以下の要素を有する。
−移動シールド300の支持体と同一の支持体301。
−前述した第2の例の隠しプレート601と同一の切れ目のない隠しプレート801であって、隠しプレート601と隠しプレート801との間の違いが、それらの下側端802の形状、すなわち、当該シールドが配置される一方の光モジュールから他方の光モジュールへ向けて配置される側端の形状にある、隠しプレート801。この例では、隠しプレート801の下側端802が、垂直軸804に対して約30°の角度を成して傾斜している。好適には、隠しプレート801は略垂直面に対して互いに対称である。
【0059】
図9A図9Cに示されるように、移動シールド800のそのような形状は、シールドが適切に位置されると、
−左ヘッドランプの光モジュールでは、左光ビーム901を得ることができるようにし、この左光ビーム901は、近づいてくる車両101の左側から左光ビーム901の右側部分全体にわたって延びる隠し側部902を有し、隠し部902と非隠し部との間の移行部が傾斜カット903と一致される。
−右ヘッドランプの光モジュールでは、右光ビーム904を得ることができるようにし、この右光ビーム904は、近づいてくる車両101の右側から右光ビーム904の左側部分全体にわたって延びる隠し側部905を有し、隠し部905と非隠し部との間の移行部が傾斜カット906と一致される。
【0060】
したがって、左光ビーム901と右光ビーム904とを重ね合わせることにより、車両101の位置に対応する眩しくさせない影領域または眩しくさせない側部908を1つだけ有する全光ビーム907が得られる。眩しくさせない側部は、上端が下方へ向けられる三角形状の投影を成す。このようにして、近づいてくる車両101の下端部を照明することにより、全光ビームの隠し部は前述した例に対して制限される。
【0061】
図10A図10Cに示されるように、移動シールド800の形状は、同様に、その隠し側部が中心位置に対して左へ僅かにオフセットされた右光ビーム913(図10B)とその隠し側部が中心位置に対して右へ僅かにオフセットされた左光ビーム912(図10A)とを重ね合わせることによって、依然として三角形投影形状を成す影領域909を有する全光ビーム911(図10C)を得ることができるようにするが、その下方へ向けられた上端910は、図9A図9Cに示されるような中心位置を有する左右のビームにより得られる全ビームと比べて高く配置される。したがって、移動シールドの移動を使用することにより、前記上端910を上方または下方へ移動させることができ、それにより、近づいてくる車両の距離の最適な調整が可能になる。すなわち、近づいてくる車両から離れれば離れるほど、前記距離が特定のセンサを用いて決定されて、上端910が更に上方へ移動される。好ましくは、上端910は、水平線よりも約1%下側に位置される限界線と水平線との間で移動する。
【0062】
図11A図11Cに示される他の例において、右光ビーム904(図11B)と、その隠し側部が中心位置に対して左へ僅かにオフセットされた左光ビーム914との重ね合わせは、全体的に台形形状を成して左側に僅かに偏心する眩しくさせない影領域または眩しくさせない側部916を有する全光ビーム915を得る。このとき、眩しくさせない側部916は、図示のように、近づいてくる複数の車両が内部に含まれるのに十分な幅を有することができる。
【0063】
図12Aは、移動シールド800と同等であるが隠しプレート917を有する移動シールドの第4の例を示し、隠しプレート917の内側端の形状は、隠しプレートの底面を発端として、垂直軸804に対して約30°の角度を成す第1の傾斜部918を有し、また、この第1の傾斜部918は、垂直軸804に対して約15°の角度を成す第2の傾斜部919によって延在される。
【0064】
隠しプレート917を有する移動シールドは、図12Bに見ることができるカット線を有する右投影光ビーム920を得ることができ、カット線で2つの傾斜部が眩しくさせない側部の開始をマークする境界の高さにある。
【0065】
隠しプレート917を有するシールドを用いて得られる右光ビーム920と左光ビームとの重ね合わせは、先の詳細な例に対して減少された寸法の影領域922を有する全光ビーム921を得る。
【0066】
特定の実施形態において、本発明に係る光モジュールは、好適には、道路がカーブを有するときに前記道路にとって最良の照明を与えるべく移動できる。一例として、光モジュールにはDBL(動的曲げ光)機能が設けられてもよい。このとき、本発明に係るモジュールと関連付けられる移動シールドは、適切な側部で光ビームを変更するために、光モジュールの移動に追従する。移動シールドおよび光モジュールは、好適には、その特性が車載コンピュータによって決定されて管理される2つの自律動作を有する。
【0067】
好適には、図13に示されるように、記載される移動シールドは、その形状が何であろうとも、当業者に知られる曲げユニットタイプの要素923を有してもよく、この要素923は、当該シールドと関連付けられる光モジュールの光源925によって生成される光線部分924を、その光線部分が生成される光ビームの形成に寄与するように該光線部分を反射するべく回復できるようにする。好ましくは、折り曲げユニットは、略水平となるように位置される一方で、移動シールドの上端に配置される。好適には、移動シールドおよびその曲げユニットは一体鋳造部品を形成する。図示しないケースでは、回転シールドと光源との間に位置される所定の曲げユニットを有することも同様にできる。
【0068】
なお、図9A図9Cおよび図10A図10Cにおける影領域908,909の三角形状は、例示として示される。非直線形状を成す斜面803のような下向きの傾斜を伴う移動シールドを有することができる。このとき、光モジュールからの各光ビームは、上向きの傾斜を伴う影領域を呈する。移動シールドを方向付けることによって、その縁が第2の車両の下面から再び上がるように分離するフレア形状を有する影領域を伴う照明領域を第2の車両の下側に位置させることができる。言い換えると、フレア形状は、車両の両側に位置される斜面803の形状を成す縁を有する。一例として、図12Aにおいて、斜面の形状は、カップの形状を成す影領域922の発生を可能にする2つの斜面919、918によって構成される。同様に、湾曲斜面を想定することもできる。移動シールドを一方の光モジュールから他方の光モジュールへと反対方向に回転するように作動させることにより、各光モジュールからの光ビームの影領域の斜面がほぼ重ね合わされ、それにより、反対方向で追従されるあるいは到達する第2の車両が第1の車両に近づくあるいは第1の車両から離れるときに、全ビームの影領域のフレア形状の底部は、第2の車両の下面をたどる。
【0069】
好ましい実施形態では、本発明に係る少なくとも2つの光モジュールが使用されるが、本発明に係る光モジュールからの光ビームと略垂直軸周りで回転しないシールドを伴う光モジュールからの光ビームとを組み合わせることも同様に可能である。この場合、側方不連続性は、本発明に係る光モジュールの移動シールドの回転により、略垂直軸周りで回転しないシールドを伴う光モジュールの所定の側方不連続性に対して変えられる。
【0070】
本発明で使用される光源は、制限なく、放電ランプ、発光ダイオード、または、白熱ランプであってもよい。
【0071】
図14および図15は、垂直軸X−X周りで回転移動できるシールド10を有する自動車両ヘッドランプのための本発明の他の典型的な実施に係る光モジュール5を説明するために使用されており、シールド10は、選択タイプまたはADB(適応型運転ビーム)タイプの光ビームにおいて少なくとも1つの隠し部を形成するように設計され、特に、この隠し部は、通過車両または被追従車両などの道路現場の物体に追従でき、その場合、移動シールドは、遊びを吸収するためのスプリング11と協働する。
【0072】
記載される例において、このシールドは、レンズ12と曲げユニットを形成する部品13との間に配置される。
【0073】
このスプリング11は、好適には、動力における噛み合い遊びを吸収するために使用される。
【0074】
シールド10は、シールドが回転するときに枢軸としての機能を果たすピン15を有し、また、スプリング10は、このピン15の回りに巻回部16を有する。
【0075】
スプリング11は、ハウジングB上の鉤状部19に支持される端部アーム18を有する。この鉤状部19は、光モジュールに対して固定される要素に対応してもよい。これにより、マスクの遊び、したがって、歯車、ギア、および/または、ウォームネジなどのシールドを作動させる様々な要素における様々な噛み合い遊びのすべてを直接に吸収できる。
【0076】
モジュールは、このシールドを回転駆動させるためにシールド10と協働するようになっている電気モータ20、特にステッピングモータを有する。
【0077】
他の実施形態において、電気モータおよび歯は、シールドを回転駆動するモータ減速サブアセンブリへと分類され得る。
【0078】
このシールド10は歯車セクタ21を有し、また、モータには、シールドの歯車セクタ21と協働して該セクタを回転駆動させる歯付き駆動部材22が設けられる。この場合、スプリングは、例えば回転駆動されてこのシールドを受ける部品を介してシールドに直接的にあるいは間接的に固定されるため、このスプリングは、シールドと協働して、歯車セクタ21と歯付き駆動部材22との間の噛み合い遊びを吸収する。歯車セクタ21と歯付き駆動部材22との間に1つ以上の中間歯車が存在する図示しない1つの実施形態において、一方側がシールド10に固定されて他方側が所定のポイントに固定されるスプリング15は、これらの更なる歯車間の遊び、歯車セクタ21と中間歯車または中間歯車のうちの1つとの間の遊び、および、歯付き駆動部材22と中間歯車または中間歯車のうちの1つとの間の遊びを同様に吸収できる。したがって、シールドの垂直カットは非常に安定している。
【0079】
また、シールド10は、シールドの回転軸と略平行な垂直カット縁25を有する。
【0080】
一例として、垂直縁25は、垂直曲げユニットを形成するために、反射し、特に金属化される。
【0081】
適切な場合には、シールドは、コレクタCによる反射によってビームの性能を高めるようになっている特に金属化による反射後面26を有する。
【0082】
本発明の典型的な実施において、移動シールド10は、ロゴなどの装飾要素29を前面28に有し、この装飾要素は、車両が停止するときであってシールド10がその中心位置に戻されるときに、見える。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15