【課題を解決するための手段】
【0015】
したがって、本発明は、道路上を走行する第1の自動車両の一組の光モジュールによって生成される全光ビームを自動的に調整するための方法に関し、前記一組の光モジュールが少なくとも第1の光モジュールおよび第2の光モジュールから構成され、少なくとも前記第1の光モジュールが本発明に係る光モジュールである。
【0016】
好ましくは、全光ビームを自動的に調整するための本発明に係る前記方法は、道路上を走行する第1の自動車両の一組の光モジュールによってもたらされ、一組の光モジュールは、少なくとも1つの照明機能を与えることができるとともに、少なくとも2つの光モジュールから成り、光モジュールのうちの少なくとも1つは、リフレクタ内に配置される少なくとも1つの光源と、略垂直軸の周りで回転移動できるシールドとを備え、前記移動シールドは少なくとも1つの隠し要素を有する。この方法は、
−眩しくさせられてはならない追従するあるいは通過する少なくとも1つの第2の車両の存在を検出するステップと、
−適切な場合には、道路上の第2の車両の瞬間側方位置を決定するステップと、
−前記隠し要素が前記光源によって放射される光の一部を見えなくし、側方両側が照明される影領域を備える光ビームを前記一組の光モジュールが発生させるように、その略垂直軸の周りで回転移動できるシールドを備える少なくとも1つの光モジュールの移動シールドを移動させるステップであって、前記影領域が第2の車両の瞬間側方位置に対応し、その位置が決定されて水平線よりも上側に位置される、ステップと、
を備える。
【0017】
そのような方法により、眩しくさせられてはならない車両に位置する影領域を伴うビームを有することができる一方で、この第2の車両が走行している車線以外の他の車線と第2の車両が走行している車線の路肩とを照明できることが分かる。
【0018】
この方法は、特に、欧州特許出願第2 068 071号明細書に記載される。
【0019】
本発明に係る方法は、同様に、先の段落に記載される主な特徴以外に、以下の更なる特徴のうちの1つ以上を有してもよく、これらの更なる特徴の任意の組み合わせは、それらが互いに排他的でない限りにおいて、本発明の実施の有利な例を構成する。
−光モジュールのうちの1つが左ヘッドランプに配置され、他の光モジュールが右ヘッドランプに配置される;
−隠し要素は、水平線と水平線よりも約1%下側に位置される限界線との間に位置される線よりも上側に影領域を発生させるのに十分な高さを有する:
−隠し要素は、水平線と水平線よりも約1%下側に位置される限界線との間に位置される線よりも下側で光ビームを何ら見えなくしないように限られた高さを有する:
−光モジュールのそれぞれには、略垂直軸の周りで回転移動できるシールドが設けられる;
−移動シールドがステッピングモータにより回転駆動される;
−隠し要素が切れ目のない隠しプレートであり、隠しプレートは、当該隠しプレートが属する光モジュールにより生成される光ビームにおいて、水平線よりも上側で発生される光ビームの部分を見えなくすることができる;
−各隠しプレートは、少なくとも1つの傾斜部を伴う側端を有し、方法は、第2の車両の下側に位置される照明領域を全光ビームに形成するように移動シールドを配置することを伴うステップを有し、影領域がフレア形状を有し、フレア形状の縁は、第2の車両の下面から再び上がるように分離し、一例として、フレア形状は、三角形投影形状であってもよいが、その上端が下方へ向けられ、あるいは、小さい辺が底面に位置される台形であってもよい;
−移動シールドは、一方の光モジュールから他方の光モジュールへと反対方向に回転するように作動され、それにより、第2の車両が第1の車両に近づくあるいは第1の車両から離れるときに、影領域のフレア形状の底部が第2の車両の下面をたどる;
−方法は、以下で説明される光モジュールを実施する;
−2つの光モジュールが単一のヘッドランプ内に配置される。
【0020】
本発明は、同様に、光ビームを発生させる光モジュールに関し、前記光モジュールにはリフレクタ内に配置される少なくとも1つの光源が設けられ、光モジュールは、特に、略垂直軸の周りで回転移動できるようにシールドを有し、前記移動シールドは、発生される光ビームの光強度の側方不連続性をもたらすことにより光ビームを変更できる少なくとも1つの要素を有する。
【0021】
「発生される光ビームの光強度の側方不連続性」という表現は、前記光ビームの隣接する側部よりも目に見えて明るい、あるいは明るくない光ビームの側部を形成するために移動シールドが使用されるという事実を示す。
【0022】
好適には、光強度に関する側方不連続性は、生成される光ビームの端部のうちの一方に位置されない側部、すなわち、それら自体が照明される側部によって取り囲まれる光ビームの側部に適用される。
【0023】
本発明に係る光モジュールは、全光ビームを自動的に調整するための本発明に係る方法を実施できることが好ましい。そのような場合、光モジュールは、以下の更なる特徴のうちの幾つかを更に有してもよく、これらの更なる特徴の任意の組み合わせは、それらが互いに排他的でない限りにおいて、本発明の有利な典型的な実施形態を構成する。
−移動シールドの第1の側端に突出部が配置される;
−突出部は、その幅よりも大きい高さを有する;
−光ビームを変更できる移動シールドの要素は、開口、特に略長方形形状のスロットを有する隠しプレートによって構成され、隠しプレートは、光ビームがスロットのみを通過できるようにする。
【0024】
本発明の他の目的は、既に明確に述べたそれらの主な特徴を有し、また、場合により今しがた言及された1つ以上の更なる特徴を有する、本発明に係る少なくとも1つの光モジュールを備えるおよび/または本発明に係る方法を実施できる自動車両ヘッドランプである。
【0025】
本発明の他の目的は、既に明確に述べたそれらの主な特徴を有し、また、場合により今しがた言及された1つ以上の更なる特徴を有する、本発明に係る方法を実施できるあるいは本発明に係る少なくとも1つのヘッドランプを備える自動車両である。
【0026】
1つの変形実施形態によれば、本発明に係る車両は、同様に、光モジュールのうちの1つの隠しプレートの左に位置されるとともに、他の光モジュールの隠しプレートの右に位置される傾斜部を有してもよい。
【0027】
本発明は、同様に、独立にあるいは上記と組み合わせて、特に垂直軸の周りで回転移動できるとともに、少なくとも1つの隠し部を光ビームに形成するように配置されるシールドを有する自動車両ヘッドランプ用の光モジュールに関し、特にこの隠し部は、通過車両または被追従車両などの道路現場の物体に追従することができ、移動シールドは、遊びを吸収するためのスプリングと協働する。
【0028】
このスプリングは、好適には、動力における噛み合い遊びを吸収するために使用される。
【0029】
システムの電源が入れられると、シールドが位置基準付けストッパを探す。スプリングは、的確な側ですべての遊びを減らすために、この基準付け段階中に動作に対抗する作用を有する。
【0030】
このスプリングは、同様に、光モジュール内でシールドと組み付けられ、あるいはシールドを駆動させるアクチュエータに組み込まれ得る。
【0031】
スプリングは、例えばこのシールドを受ける回転駆動される部品を介して、直接的にあるいは間接的にシールドに固定される。
【0032】
シールドは、好適には、該シールドが回転するときに枢軸としての機能を果たすピンを有し、スプリングがこのピンの周囲に巻回部を有する。
【0033】
スプリングは、光モジュールに対して固定された要素に支持されてもよい。これにより、マスクの遊び、したがって、歯車、ギア、および/または、ウォームネジなどのシールドを作動させる様々な要素における様々な噛み合い遊びのすべてを直接に吸収できる。
【0034】
一例として、スプリングは、固定された要素に支持される端部アームを有してもよい。
【0035】
この固定された要素がハウジングの固定要素であってもよく、例えば、この固定要素がハウジングの鉤状部であってもよい。モジュールは、シールドと協働してこのシールドを回転駆動するようになっているモータ、特にステッピングモータを有することが好ましい。
【0036】
本発明の1つの典型的な実施では、シールドが歯車セクタを有し、モータには、シールドを回転駆動させるためにシールドの歯車セクタと協働する歯付き駆動部材が設けられる。
【0037】
望ましい場合には、シールドは、該シールドの回転軸と略平行な垂直カット縁を有する。
【0038】
好適には、垂直縁は、垂直曲げユニットを形成するために、
特にメタライズされることによって反射性となっている。
【0039】
適切な場合には、シールドは、コレクタによる反射によってビームの性能を高めるようになっている特に
メタライズされた反射性の後面を有する。
【0040】
本発明の典型的な実施において、移動マスクは、ロゴなどの装飾要素を前面に有し、この装飾要素は、シールドがその中心位置に戻されたときに、車両が停止する際に見える。
【0041】
本発明および本発明の様々な用途は、以下の説明を読むとともに、前記説明に付随する図を検討すると、更に良く理解できる。
【0042】
図は、本発明を何ら限定することなく、単なる例示として与えられる。