(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1プリズムアレイが、前記湾曲周囲部分の前記第1表面に位置付けられており、かつ前記湾曲周囲部分の前記第1表面が、前記観察者に面していることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のベゼル隠蔽ディスプレイカバー。
前記湾曲周囲部分と前記ディスプレイパネルとの間に配置されたポリマー材料をさらに含み、該ポリマー材料が、該ポリマー材料中に分散された拡散粒子材料を含むことを特徴とする請求項7記載のディスプレイ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
美観の理由からフラットパネルディスプレイの製造業者は、画像の表示エリアを最大にして見た目がより美しい外観を提供するよう、従って画像の周りを囲むベゼルのサイズを最小にするよう努力している。しかしながら、この最小化には実用限界があり、現在のベゼルサイズの幅は3mmから10mm程度である。従って、ベゼルが全く存在しないという究極の目標を達成するために、画像形成ディスプレイパネルとディスプレイカバーとの間の間隙を減少させながら同時に、画像がパネル表面全体を占めているような印象を観察者に与える、視覚的解決策が提案された。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般に、本書で説明する実施形態は、ディスプレイ装置に実質的にベゼルのない外観を与える、湾曲したベゼル隠蔽ディスプレイカバーに関する。ベゼル隠蔽ディスプレイ装置は、ディスプレイ装置のベゼルに近い画像の部分を、観察者の目にはベゼル上に見えるようにシフトさせ、それによりベゼルの外観を最小にする。
【0006】
一態様において、ベゼルとディスプレイパネルとを備えているディスプレイ装置に連結するためのベゼル隠蔽ディスプレイカバーは、第1表面および第2表面を有する湾曲周囲部分であって、ディスプレイ装置のベゼルから、変動する間隙G
Aだけずれているように構成された、湾曲周囲部分を含んでいる。このベゼル隠蔽ディスプレイカバーは、湾曲周囲部分の第1表面または第2表面のうちの少なくとも1つの表面に、第1プリズムアレイをさらに含んでいる。第1プリズムアレイは、湾曲周囲部分のエッジから距離Lまで延在している。第1プリズムアレイの各プリズムは、プリズム角度θを有している。ディスプレイパネルで生成されたベゼル付近の画像の一部を、観察者の目にはベゼル上に見えるようにシフトさせるように、第1プリズムアレイと湾曲周囲部分とが構成されている。
【0007】
いくつかの例では、湾曲周囲部分のエッジから、ベゼル隠蔽ディスプレイカバーの中心へと向かう方向に距離Lまで、間隙G
Aが減少するように、湾曲周囲部分は、ディスプレイパネルに対して凹状の湾曲部を含んでいる。いくつかの例は、湾曲周囲部分と境を接している中心領域を含み、このとき中心領域とディスプレイパネルとの間の間隙G
Aは、ベゼル隠蔽ディスプレイカバーがディスプレイ装置に連結されているときに約ゼロである。湾曲周囲部分のエッジでの、ディスプレイパネル平面に対する湾曲周囲部分の接線の角度は、いくつかの例において20°以下である。いくつかの例において第1プリズムアレイは、湾曲周囲部分の第1表面に位置付けられており、かつ湾曲周囲部分の第1表面は観察者に面している。ベゼル隠蔽ディスプレイカバーは、湾曲周囲部分に第2プリズムアレイをさらに備えていてもよく、このとき第1プリズムアレイおよび第2プリズムアレイは、夫々、湾曲周囲部分の第1表面および第2表面に位置付けられている。第1プリズムアレイの個々のプリズムの空間周波数は、第2プリズムアレイの個々のプリズムの空間周波数と異なっていてもよい。
【0008】
いくつかの例では、湾曲周囲部分のエッジから、ベゼル隠蔽ディスプレイカバーの中心へと向かう方向に長さLまで、間隙G
Aが増加するように、湾曲周囲部分は、ディスプレイパネルに対して凸状の湾曲部を含んでいる。第1プリズムアレイのプリズム角度θは、ディスプレイ装置のエッジでの最大プリズム角度θ
1から減少してもよい。いくつかの例において湾曲周囲部分は、ベゼルの表面から延在している第1真直部分、第1真直部分の端部から延在し、第1プリズムアレイが位置している、凸状湾曲部分、および、凸状湾曲部分の端部から延在し、かつディスプレイパネルに平行な、第2真直部分、をさらに備えている。第1真直部分は、いくつかの実施形態では、ベゼルに垂直な平面に対して傾斜したものでもよい。第1プリズムアレイは湾曲周囲部分の第2表面に位置付けられていてもよく、かつ湾曲周囲部分の第2表面はディスプレイパネルに面している。いくつかの事例では、プリズムはカバーの第2面に位置し得、このときプリズムの第1ファセットはプリズム内を伝播する光に対する垂線の±20°以内であり、かつプリズムの第2ファセットはプリズム内を伝播する光の平行線の±20°以内である。
【0009】
いくつかの例では、最大の間隙G
Aが凹状湾曲部分の範囲内で生じるようにベゼル付近のディスプレイ装置のエッジから凹状湾曲部分が延在し、かつ凹状湾曲部分から凸状湾曲部分が凸状湾曲部分の終端で間隙が存在しないように延在するよう、湾曲周囲部分が凸状湾曲部分と凹状湾曲部分とを含んでいる。
【0010】
別の態様において、ディスプレイ装置は、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー、バックライト、ディスプレイパネル、およびディスプレイパネルの周囲エッジ周りに配置された、幅Wを有するベゼル、を含んでいる。ベゼル隠蔽ディスプレイカバーは、湾曲周囲部分とこの湾曲周囲部分に境を接している中心領域と、第1表面および第2表面と、さらに、第1表面または第2表面のうちの少なくとも1つに配置され、ベゼル隠蔽ディスプレイカバーのエッジからベゼル隠蔽ディスプレイカバーの中心領域に向かって距離Lまで延在している、第1プリズムアレイとを含んでいる。ディスプレイパネルは、ディスプレイパネルとベゼル隠蔽ディスプレイカバーの第2表面との間に間隙G
Aが存在するように、バックライトとベゼル隠蔽ディスプレイカバーとの間に位置付けられている。ディスプレイパネルは、画像を表示するように構成されている。湾曲周囲部分はディスプレイパネルに向かって内側に湾曲し、さらに間隙G
Aは距離Lの後に実質的にゼロになる。
【0011】
いくつかの例においてこのディスプレイ装置は、湾曲周囲部分とディスプレイパネルとの間に配置されたポリマー材料をさらに含み、このポリマー材料は、その中に分散された拡散粒子材料を含んでいる。いくつかの例において、ベゼル隠蔽ディスプレイカバーは湾曲周囲部分に第2プリズムアレイを含み、このとき第1プリズムアレイおよび第2プリズムアレイは、夫々、湾曲周囲部分の第1表面および第2表面に位置付けられている。
【0012】
さらに別の態様において、ディスプレイ装置は、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー、バックライト、ディスプレイパネル、およびディスプレイパネルの周囲エッジ周りに配置された、幅Wを有するベゼル、を含んでいる。ベゼル隠蔽ディスプレイカバーは、湾曲周囲部分とこの湾曲周囲部分に境を接している中心領域と、第1表面および第2表面と、さらに、第1表面または第2表面のうちの少なくとも1つに配置され、ベゼル隠蔽ディスプレイカバーのエッジからベゼル隠蔽ディスプレイカバーの中心領域に向かって距離Lまで延在している、プリズムアレイとを含んでいる。ディスプレイパネルは、ディスプレイパネルとベゼル隠蔽ディスプレイカバーの第2表面との間に間隙G
Aが存在するように、バックライトとベゼル隠蔽ディスプレイカバーとの間に位置付けられている。ディスプレイパネルは、画像を表示するように構成されている。湾曲周囲部分はディスプレイパネルから離れるように外側に湾曲し、さらに最大間隙G
Aは距離Lの後に生じる。
【0013】
いくつかの例において、プリズムアレイの個々のプリズムのプリズム角度θは、ディスプレイ装置のエッジでの最大プリズム角度θ
1から減少する。プリズムアレイは湾曲周囲部分の第2表面に位置付けられていてもよく、かついくつかの例において湾曲周囲部分の第2表面はディスプレイパネルに面している。
【0014】
いくつかの実施形態において、ディスプレイカバーはディスプレイの左領域および右領域のみで湾曲し、ここで左および右とは、ディスプレイカバーを二等分する仮想的な鉛直線に対する位置を意味する。
【0015】
プリズムアレイは、湾曲した左領域および右領域においてカバーの第2表面に位置し得、一方他のプリズムが、ディスプレイカバーの真直ぐな(湾曲していない)上部領域および下部領域において、ディスプレイカバーの第1表面に位置し得る。
【0016】
本開示は、水平方向または鉛直方向に並んで位置付けられた(「タイル状の」)、ディスプレイ装置のアレイを備えた実施形態を含むことを理解されたい。
【0017】
これらおよび他の態様は、以下の詳細な説明を添付の図面を参照して読むと、より良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】ディスプレイパネルとベゼルとを備えているディスプレイ装置の前面図
【
図1B】ディスプレイ装置のタイル状アレイの前面図
【
図2】ベゼルを隠すためのプリズム領域を含んだベゼル隠蔽ディスプレイカバーの前面図
【
図3A】プリズム領域の一部の概略図であって、個々のプリズムを示している図
【
図3B】プリズム角度θをディスプレイ装置での位置の関数として示しているグラフ
【
図4】ベゼル隠蔽ディスプレイカバーで覆われたディスプレイ装置のディスプレイパネルから離れて位置している、観察者を概略的に示した図
【
図5】ベゼル隠蔽ディスプレイカバーでの位置対ディスプレイ装置での位置の関係をプロットした図
【
図6】ベゼル幅Wと間隙G
Aとの比率を、プリズム角度θの関数としてプロットした図
【
図7】プリズムを含んでいるディスプレイカバーの一部を通して見た画像であって、プリズムの位置での局所的な画像の拡大(バンディング)を示している図
【
図8】バンディングを低減するようプリズムアレイのプリズムの長軸に直角に配列された、赤色、緑色、および青色(RGB)画素のアレイの概略図
【
図9】バンディングを低減するよう配列されたRGB画素のアレイの概略図
【
図10】プリズムを含んでいるディスプレイカバーを通して見た画像の一部であって、プリズムのない部分、プリズムがあるが局所的なぼやけを含まない部分、そしてプリズムがあって局所的なぼやけを含んでいる部分を示している図
【
図11】湾曲した前ファセットを備えているプリズムの概略図
【
図12】ディスプレイパネルおよびベゼルと、エッジから長さLに亘って分布しているプリズムアレイを含む平坦なベゼル隠蔽ディスプレイカバーとを示している概略図
【
図13】ディスプレイパネルおよびベゼルと
図12のプリズムアレイの1つのプリズムを示している概略図であって、正および負の視野角と間隙G
Aとを説明している図
【
図14】間隙/ベゼル幅の比率を、プリズム角度θの関数として示したグラフ
【
図15】ベゼル隠蔽ディスプレイカバーの観察者側に配置されたプリズムアレイの概略図であって、ベゼルを見えるようにさせるプリズム内での内部反射を説明している図
【
図16】ベゼル隠蔽ディスプレイカバーの観察者側に配置されたプリズムアレイの概略図であって、観察者が2つの前ファセットを通して画像を見ることでベゼルが見えるようになるように設定されたプリズムの角度を説明している図
【
図17】不適切な方向の(ベゼルに向かう)観察者の視野の割合をプリズム角度θの関数として示したグラフ
【
図18】内部全反射が生じる視野角をプリズム角度の関数として示したグラフ
【
図19】ディスプレイパネルの一部およびベゼルと、湾曲周囲部分を備えたディスプレイカバーとを示している断面側面図
【
図20】
図19のディスプレイカバーに配置されたプリズムアレイの1つのプリズムの概略図であって、いずれのファセット(表面)もディスプレイパネルに平行にならないようにプリズムを回転させることを示している図
【
図21】ディスプレイパネルの一部およびベゼルと、両面にプリズムを備えているディスプレイカバーとを示している概略図
【
図22】ディスプレイパネルの一部およびベゼルと、湾曲部分を備えたディスプレイカバーとの概略図であって、ディスプレイカバーとディスプレイパネルとの間の間隙の一部にポリマー材料(例えば、エポキシ樹脂)が充填されている図
【
図23】充填されている間隙および充填されていない間隙に対する、間隙−ベゼル幅の比率をプリズム角度の関数として示したグラフ
【
図24】ディスプレイパネルの一部およびベゼルと、湾曲部分を備えたディスプレイカバーとの概略図であって、ディスプレイカバーとディスプレイパネルとの間の間隙の一部に、散乱粒子を含むポリマー材料(例えば、エポキシ樹脂)が充填されている図
【
図25】ディスプレイパネルの一部およびベゼルと、ディスプレイパネルから離れるように湾曲した湾曲部分を備えたディスプレイカバーとの概略図
【
図26】第1真直部分および第2真直部分と湾曲部分とを有している、湾曲したベゼル隠蔽ディスプレイカバーの一部の概略図
【
図27】プリズム角度が32°の場合の、種々の視野角に対するベゼル隠蔽ディスプレイカバーでの位置対ディスプレイ装置での位置の関係をプロットしたグラフ
【
図28】
図27でプロットしたベゼル隠蔽ディスプレイカバーの輪郭を描いたグラフ
【
図29】プリズム角度が32°であり、かつベゼル隠蔽ディスプレイカバーの真直部分が20°傾斜している場合の、種々の視野角に対するベゼル隠蔽ディスプレイカバーでの位置対ディスプレイ装置での位置の関係をプロットしたグラフ
【
図30】
図29でプロットしたベゼル隠蔽ディスプレイカバーの輪郭を描いたグラフ
【
図31】プリズム角度が変動し、かつベゼル隠蔽ディスプレイカバーの真直部分が20°傾斜している場合の、種々の視野角に対するベゼル隠蔽ディスプレイカバーでの位置対ディスプレイ装置での位置の関係をプロットしたグラフ
【
図32】
図31でプロットしたベゼル隠蔽ディスプレイカバーの輪郭を描いたグラフ
【
図33】湾曲したベゼル隠蔽ディスプレイカバーの湾曲したプリズム部分の輪郭の概略図
【
図34】湾曲したベゼル隠蔽ディスプレイカバーの輪郭寸法を描いたグラフ
【
図35】
図34に描かれている湾曲したベゼル隠蔽ディスプレイカバーの局所的な曲率の変化を表したグラフ
【
図36】ベゼルが目に見えないままである30°に設定された視野角での、外側に湾曲したディスプレイカバーのエッジ部分に対する拡大率の関数として、間隙−ベゼル幅比率とL/ベゼル幅比率とを示したグラフ
【
図37】負の視野角−50°での、外側に湾曲したディスプレイカバーのエッジ部分に対する拡大率の関数として、間隙−ベゼル幅比率とL/ベゼル幅比率とを示したグラフ
【
図38】凸状湾曲部分と凹状湾曲部分とを有している湾曲したベゼル隠蔽ディスプレイカバーの概略図
【
図39】ディスプレイ装置と、ディスプレイ装置に連結された
図38に描いたように構成された2つの湾曲したベゼル隠蔽ディスプレイカバーとを示した概略図
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、実施形態例を示している添付の図面を参照し、例を以下でより十分に説明する。可能な限り、図面を通じて、同じまたは同様の部分の参照に同じ参照番号を使用する。ただし、態様は多くの異なる形で具現化し得、本書に明記される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0020】
テレビのディスプレイパネル、コンピュータモニタ、およびラップトップディスプレイパネルなどのディスプレイ装置の美しさは、これらのディスプレイ装置の周囲に存在しているベゼルのサイズおよび外観に影響される。例えば、ディスプレイパネルの画素を駆動するための電子機器を収容したり、また場合によってはディスプレイ装置用のバックライトを提供したりするために、ディスプレイ装置のベゼルは使用され得る。例えばLCDテレビのディスプレイパネルは、ディスプレイ装置のベゼル領域の範囲内で保持される、複数のバックライト用発光ダイオード(LED)を含み得る。
【0021】
ここ数年の傾向では、ベゼルはますます小さくなる方向に向かっている。現在のベゼル幅は3.0mmから10mm程度である。しかしながら、非常に大型のディスプレイパネルを備えたテレビモデルにおいて、少なくとも2つの縁部で幅2mmであり他の2つの縁部で幅4mmの、幅の小さいベゼル領域が実現された。ただしベゼルが存在していると、それがたとえ小さいものであっても、特にディスプレイ装置をタイル状配列で組み立てて非常に大きい表示画像を形成するとき、依然として気が散る存在になる。このようなタイル状ディスプレイ装置のベゼルは、継ぎ目のない密着した大型画像ではなく、画像「グリッド」という望ましくない外観を与えてしまう。目は、画像を見苦しくするタイル状ディスプレイ装置の黒い分割線の存在に非常に敏感である。
【0022】
本開示の実施形態は、ベゼルの存在が見えないよう、あるいは少なくとも予測可能な視野角の範囲内で観察者が容易にベゼルに気付くことのないよう、ベゼルを隠蔽する、1以上のプリズムアレイを備えた湾曲した周囲を有する成形されたベゼル隠蔽ディスプレイカバーを含む。このディスプレイカバーは、例えばガラスから形成してもよい。いくつかの実施形態において、このガラスは化学強化ガラスでもよい。
【0023】
ここで
図1Aを参照すると、フラットディスプレイパネルテレビとして構成されたディスプレイ装置10が図示されている。以下の説明は主にテレビに関するものであるが、本書で説明する実施形態は他のディスプレイ装置にも適し得、従ってテレビに限定されるものではないことに留意されたい。ディスプレイ装置10はディスプレイパネル12を含み、ディスプレイパネル12は、その周囲に位置付けられたベゼル14を有している。ベゼル14はベゼル部分14a〜14dを含む。ベゼル部分14a〜14dには、ディスプレイ駆動用電子機器の他、ディスプレイパネル部分12にバックライトを当てるためのエッジ発光ダイオード(LED)などのバックライト用設備を入れることができる。ベゼル部分14a〜14dは、例えば3mmから10mmの間など、特定の幅を有し得る。特に
図1Bに示したように、画像全体を見るためにいくつかのディスプレイ装置を2次元に配列している場合には、ベゼル部分14a〜14dは視聴者にとって気を散らす存在になり得る。
【0024】
図2は、一実施の形態によるベゼル隠蔽ディスプレイカバー16を概略的に描いたものである。図示の実施形態のベゼル隠蔽ディスプレイカバー16は、ディスプレイ装置(例えば、
図1Aに示したようなディスプレイ装置10)に機械的に連結されるように構成されている。ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16は、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16とディスプレイ装置10の表面との間に間隙(例えば、屈折率の低い間隙または空隙)が存在するように、ディスプレイ装置10に取り付けられるべきである。一実施の形態において、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16は、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16の角で透明な支柱(図示なし)でディスプレイ装置10に連結される。
【0025】
ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16は、例えば、ディスプレイカバーの周囲に隣接した4つのプリズム部分18a〜18dを含む、周囲部分17を備えたものでもよい。以下でより詳細に説明するが、プリズム部分18a〜18dは、観察者に対してベゼル部分14a〜14dの後ろに位置するディスプレイパネル12の領域に対して光曲げ(屈折)フィルタとして作用する、アレイに配列された多くのプリズムを含む。ディスプレイカバーと、プリズム部分18a〜18dで提供される光曲げフィルタは、ベゼルの存在が見えないように、あるいは少なくとも予測可能な視野角の範囲内でベゼルが観察者に容易に見えないように、ベゼルを隠すことを可能にする。
【0026】
いくつかの実施形態において、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16は、プリズム部分18a〜18dに境を接している視覚的に透明な中心領域20をさらに含み得る。この中心領域20はプリズムを1つも含んでいないものであり、従って実質的に平坦である。他の実施形態において、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16は、周囲部分17で画成されるフレームのみが提供されるような、中心領域を含まないものである。
【0027】
ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16は、ガラスから作製してもよい。例えばこのガラスは、イオン交換されたガラスなどの化学強化ガラス、酸洗浄ガラス、またはこの両方でもよい。プリズム部分18a〜18dは、例えば3M社で製造されているビキュイティ(Vikuiti)画像方向付けフィルム(IDF II)など、ディスプレイカバーに接着することが可能な市販の光曲げフィルタ材料から作製してもよい。ビキュイティは、多くの考えられる光曲げフィルタの解決策のうちの単なる1つであり、単なる非制限の例として本書で示されることを理解されたい。別の例では、光曲げフィルタを直接ディスプレイカバー16に組み込んでもよい。例えば、プリズムを直接ディスプレイカバー材料に形成してもよい。以下でより詳細に説明するが、特殊な光曲げフィルタを、観察者からベゼルを隠す目的で最適化および開発することができる。ビキュイティの光曲げフィルタを使用したときには、所望の横方向の画像シフトのおよそ2.7倍の間隙が必要となり得ることに留意されたい。
【0028】
別の実施形態においてプリズムは、ディスプレイを包囲している、プラスチックまたはガラスなどの透明材料から作られたフレームの一部でもよい。このフレームを、例えば射出成形によって作り出すことができ、その型自体が、所望の視覚的効果を生み出すために必要なマイクロプリズム構造を含むものでもよい。この実施形態では、中心領域20は空き空間でもよい。
【0029】
ここで
図3Aを参照すると、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16に設けられたプリズム部分18の一部が示されている。プリズム部分18は、三角形状に成形された多くのプリズム22を含んでいる。この図においてプリズム22は、ディスプレイカバー16の外表面に(観察者に面して)位置付けられている。プリズム22は、ベゼル付近の画像をシフトさせるプリズム角度θを含んでいる。このプリズム角度とは、光がプリズムを通るときに主に通過するプリズムの面(ファセット)で挟まれた角度である。
図3Bは、ディスプレイ装置10での位置の関数としてプリズム角度θを示したグラフである。一般にプリズム22の角度θは、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16のエッジで最大であり、かつディスプレイカバーのエッジから離れると0まで減少する(すなわち、プリズムがなくなる)べきである。従って、ディスプレイパネル12で生成された画像のごく一部のみがシフトされる。プリズムアレイの周波数、すなわちプリズムの周期性は、得られる画像のエイリアシングを防ぐよう、ディスプレイパネルの画素の周波数よりも大きいべきである。一般にプリズムのサイズは、ディスプレイパネルの画素よりも小さいべきである。例えば個々のプリズムは、ディスプレイパネルの1画素サイズの1/10ほどの小さいものでもよい。
【0030】
実線曲線24は、プリズム角度θがベゼル隠蔽ディスプレイカバー16のエッジから直線的に減少し、距離Lを超えた中心領域でゼロになる例を示している。点線曲線26は、プリズム角度θが距離Lに亘って非直線的に変化する例を示している。より複雑な点線曲線26のプロファイルは、憂慮すべき画像の不連続を防ぐために考慮され得る。
【0031】
図4は、ディスプレイ装置10のディスプレイパネル12から遠く離れて位置している観察者Oを概略的に示したものであり、ディスプレイパネルと観察者Oとの間にベゼル隠蔽ディスプレイカバー16が位置付けられている。ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16とディスプレイパネル12との間には間隙G
Aが存在している。シミュレーションによって、ディスプレイパネル12から観察者Oに放射された光線を追跡し、ディスプレイパネル12での所与の位置X1に対し、その光線がベゼル隠蔽ディスプレイカバー16にぶつかる位置X2を示す。あるシミュレーションでは、プリズムは観察者Oに面し、またプリズムのプリズム角度はベゼル隠蔽ディスプレイカバー16のちょうどエッジ(すなわちベゼル14の一部の上方)での32°から、ディスプレイカバー16の外側エッジより約10mm離れた位置での0°まで直線的に変化する。シミュレーションでのベゼル隠蔽ディスプレイカバー16の屈折率は1.5であり、間隙G
Aは約15mmであった。
【0032】
図5はシミュレーションの結果のグラフであり、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16のちょうどエッジの位置(X2=0)で観察者Oに見えるディスプレイ装置10のディスプレイパネル12での位置X1は、ディスプレイカバー16のエッジから約4.8mm離れていることを示している。従ってベゼルのサイズ(幅)が4.8mmよりも小さい場合には、ベゼル14は観察者の目に見えないことになる。
【0033】
プリズムで生み出すことができるビーム偏向の量は、プリズム角度θの関数である。
図6に示されているグラフは、屈折率を1.5と想定し、さらに視野角20°でベゼルを本質的に目に見えないままにできる状態を想定して、ベゼル幅Wに対する間隙G
Aの比率をプリズム角度θの関数として示したものである。一例であって限定するものではないが、45°のプリズム角度θを用いると、間隙はベゼルの幅の少なくとも4倍とする必要がある(G
A/Wの比率が4)。
【0034】
本書で説明するベゼル隠蔽ディスプレイカバーを導入すると、観察者の目に見え得るアーチファクトおよび/または歪みが、ディスプレイ装置で表示される画像に生じることがある。次に、生じ得るいくつかの画像アーチファクトの他、最適化することによってこういった画像アーチファクトおよび/または歪みが現れるのを最小限に抑えることができる設計パラメータについて説明する。
【0035】
前述のベゼル隠蔽ディスプレイカバー16の例によってディスプレイ装置10などのディスプレイ装置のベゼル付近に提供される局所的な光曲げフィルタは、局所的な画像の拡大を生じさせ得る。この局所的な拡大の一番の影響は画像の変形を招くことであり、この変形は画像歪み補正アルゴリズムを用いてある程度補償することができる。画像歪み補正アルゴリズムは、ディスプレイパネル12で表示される画像を操作して、拡大が現れるのを最小限に抑えることができる。しかしながら、画像の歪みは視野角γ(例えば、
図12に示されているような)の関数であるため、画像は所与の視角(例えば、ディスプレイを通常の入射角または他の何らかの固定視野角γで見たとき)に対してのみ補償することができる。
【0036】
局所的拡大に関連する別の画像アーチファクトは、個々の画素の画像が極めて拡大されて、有色または黒色の帯が画像に取り込まれることになり得るものである。
図7は、角度が変動するプリズム構造を、画素で構成されたスクリーンの前に置いて用いることで、画像が局所的に拡大された事例を示している。拡大に起因して、画素間の空間による幅広の暗部28が領域30内で結びついて極めて拡大され、目に見えて目立つ黒い線を画像に生じさせる。この効果は「バンディグ」と称される。
【0037】
一例として、同じ色の画素間の空間を最小にすることで、バンディングを低減または排除することができる。
図8は、ディスプレイパネル12の赤色、緑色、および青色の画素(夫々32、34、および37)が、プリズムの長軸38方向に直角に整列している例を示している。別の手法が
図9に示されており、この手法は、画素(例えば、赤色32、緑色34、および青色36の画素)を互いに大角度(例えば、およそ45°)で整列させ、かつ一行おきに色を変えるものを含む。この事例では、有色または黒色の帯の位置が一行おきに変わるため、これらの帯は目に見え難くなる。
【0038】
さらに、個々の画素のサイズを操作して、拡大の影響を最小にすることもできる。55インチ(約1.4m)ディスプレイなど大型ディスプレイでの典型的な1画素サイズは、解像度次第であるが約0.7mmであり、拡大率5で画素が容易に目に見えることを意味する。これは、ディスプレイパネルの画素をより小さくするか、あるいは違った幾何学的形状を有するようにさせることで回避できる。拡大率5では、5分の1の小さい副画素を利用すると、認識されるバンディングが排除されることになる。電子的な観点からは、副画素の各組を同じトランジスタで変わらず駆動できることで、より複雑な電子回路を回避することができる。
【0039】
ベゼル隠蔽ディスプレイカバーは、バンディングを低減または排除するようにさらに変更することができる。例えば、プリズムのファセットに粗さを導入することによって、またはこれらの表面を平坦ではなく若干湾曲させることによって(すなわちプリズムにレンズ要素を加えて)、1画素の画像を若干ぼやけさせることでバンディングを低減または排除することができる。適切な粗さは、例えば複製元と、この複製元のマイクロ複製とを作り出す、ダイヤモンド旋削技術で得ることができる。
図10に示した画像で、部分40はプリズムが湾曲を有していた部分であり(部分的にぼやけたゾーン)、また別の部分42はプリズムが平坦なファセットのみを有していた部分である(ぼやけていないゾーン)。図から分かるように、部分42において、画素間の幅広の暗いラインがなくなっている。部分44はプリズムなしで見たものである。
図11は、湾曲部分46を含むプリズム22の概略図である。
【0040】
観察者がディスプレイ装置10を垂直入射で見ていないとき、ベゼル14は部分的に、あるいは完全に、観察者の目に見える可能性がある。特に、観察者Oがディスプレイ装置10に極めて近い位置にいるとき、観察者は高入射角度でディスプレイカバーの全てのエッジを見ることになり、これにより全てのベゼル部分が目に見えるようになり得、かつ例えばテレビが箱の中にあるような印象が与えられ得る。
【0041】
いくつかの実施形態において、視野角が増加したときのベゼルの可視性は、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16のプリズム部分18a〜18dに拡散テクスチャを加えることによって減少させることができる。ベゼル部分14a〜14dに近いこの領域では、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16自体に画像のその部分が生成されるため、画像は部分的にぼやけ得る。しかしながら観察者の注意は通常画像の中心付近に固定され、周囲の情報は重要なものではないため、大型テレビに10mmのぼやけたエリアがあっても視覚的に著しく気を散らすことはないであろう。いくつかの例においてプリズム部分18a〜18dは、視野角を広げるために、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16の各辺にプリズムを有し得る。
【0042】
ここで
図12を参照し、観察者Oがディスプレイパネル12の法線に対し視野角γでディスプレイ装置10(テレビなど)を見ていることについて検討する。視野角γでベゼル14が確実に目に見えないようにするためには、ディスプレイカバー16に設けられたプリズム22でもたらされる偏角δが、
δ=γ+arctan(W/G
A) (1)
すなわち
G
A=W/tan(δ−γ)
である必要がある。ここで、δはプリズムの偏角、γは視野角、Wはベゼル幅、そしてG
Aはディスプレイパネル12とディスプレイカバー16との間の間隙の距離である。
図12はさらに、プリズムがディスプレイカバーのエッジからディスプレイカバーの内側に向かって延在して設けられるべき最小の距離Lが、
L=W+G
Atan(γ) (2)
であることを示している。
【0043】
方程式1は、プリズムの偏角δの増加か、あるいはより小さい視野角でベゼル14が観察者に見えるようになることを意味する視野角γの減少で、間隙G
Aが小さくなることを示している。さらに方程式2は、間隙G
Aが小さいと、ベゼルを隠すために必要なプリズム22の分布のディスプレイカバーエッジからの長さLが減少することを示し、これはディスプレイ装置のエッジに近い小さい部分の画像の範囲内に局所的に画像アーチファクトが留まることを意味している。ここで
図13を参照すると、観察者Oが、幅Wのベゼル14で包囲されたディスプレイパネル12を備えたディスプレイ装置10を見ているものとして描かれている。プリズムアレイの1つのプリズム22が図示されている。プリズム22は、前ファセット50、非通過ファセット48、および後ファセット56を有している。後ファセット56および前ファセット50が、プリズム角度θを画成する。プリズム22が(ガラスカバーの観察者側で)観察者Oに面していると想定して、偏角δをプリズム角度θに対して計算することができ、また視野角を様々な値に固定しながら、間隙対ベゼル幅の比率G
A/Wを決定する。
【0044】
図14は、+30°の正の視野角+γまでベゼルが目に見えないままであることが望ましいと想定して、最小の間隙−ベゼル幅比率G
A/Wを描いたグラフである。プリズムの屈折率を1.56と想定した。
図14から分かるように、ベゼルが観察者の目に見えないままであり、かつ適切な間隙G
Aを保つためには、プリズム角度θは少なくとも55°であるべきである。ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16の構成の最適な設計は、以下でより詳細に説明する他の画像アーチファクトに応じたものになり得る。
【0045】
図15は、小さいプリズム角度θを有し、かつ対向する非通過のファセット48(光線が通過しないファセット)を、隣接する通過用の前ファセット50に対して90°で設定した状態の(すなわち、角度βで形成された直角三角形)、プリズム22を使用したときの結果を示している。ディスプレイパネルの画像を光線52に沿って見ると、光線52は、非通過ファセット48によって内部全反射で反射されて、ベゼル14が目に見えるような方向に伝播される。一例としてプリズム角度θが55°の場合、プリズムに入った光線のおよそ40%が不適切な方向に伝播される。
【0046】
あるいは
図16に示されているように、プリズム22の角度βは、プリズム内を通過している光線54にプリズム22の非通過ファセット48が平行になるような角度である。しかしながら、このときその部分の光は、プリズム22の1つのファセット48を直接透過することになり、55°のプリズム角度θでは、プリズムを通過する光のおよそ40%が依然として不適切な方向に伝播される。
図17のグラフは、不適切な方向に屈折された光の量をプリズム角度θの関数として示したものであり、約55°のプリズム角度θでは約40%の光線が不適切なファセット(すなわち、ファセット48)に向かうことが示されている。これは観察者Oから見える画像が、エッジでより薄暗く見えることを意味している。ほとんどの観察者にとって40%は許容できるであろうが、不適切に逸脱した光の量が40%を超えると視覚的に許容できないと想定される。結果的に、拡大された画像がそのエッジでより薄暗くなり、明るさの減少を40%未満で維持するための最大のプリズム角度θは55°である。
【0047】
再び
図13を参照すると、プリズム22が観察者Oに面しかつ平坦なガラス基板上に位置付けられているとき、後ファセット56(ディスプレイカバー16の位置のファセット)はディスプレイパネル12の平面に平行である。負の大きな視野角(−γ)では、後ファセット56での光線の入射角が極めて大きくなり、光線は後ファセット56で内部全反射で反射される。
図18のグラフは、プリズム内で内部全反射が始まる視野角γをプリズム角度θの関数として示したものであり、約55°のプリズム角度θでは約−31°の視野角γで内部全反射が始まることを示している。約−31°よりも負方向に小さい視野角−γで、プリズム22は拡散リフレクタのように見える。
【0048】
本書で説明するベゼル隠蔽ディスプレイカバーは、プリズムアレイを含む周囲部分がディスプレイ装置に向かって内側に湾曲するような、あるいはディスプレイ装置から離れて外側に湾曲するような、湾曲した周囲を有している。ディスプレイカバーの湾曲部分は、プリズム角度や間隙G
Aのサイズの変化に柔軟性を提供することができる。従って、湾曲した周囲を有しているベゼル隠蔽ディスプレイカバーは、周囲が平坦なベゼル隠蔽ディスプレイカバーよりも可視角度を増加させることができる。平坦なカバーシートの設計では、ベゼル隠蔽ディスプレイカバーとディスプレイ装置との間のどの位置にも間隙G
Aが存在し、55インチ(約1.4m)の薄型のガラスシートは非常に柔らかくなり得るため、このことで破損の問題が生じることがある。
図19は、ディスプレイカバー16がディスプレイパネル12の実質的に全ての表面に亘ってディスプレイパネル12に接触する(または略接触する)ように、ディスプレイパネル12に対して凹状の周囲部分17を有している(すなわち、ディスプレイカバー16の湾曲がディスプレイパネル12に向かって内側に湾曲している)ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16を概略的に描いたものである。すなわち実質的に全てとは、ディスプレイのエッジに隣接する湾曲周囲部分17を除くディスプレイカバーの全てが、ディスプレイパネル12と接触する(または略接触する)ことを意味する。凹状の周囲部分17と、ベゼル14およびディスプレイパネル12によって画成される平面との間には、可変角度Φが存在している。ディスプレイカバー16は凹状であるため、間隙G
Aはディスプレイ装置10のエッジから長さLに沿って減少する。
【0049】
ディスプレイカバーの観察者側に位置付けられたプリズム22では、問題の幾何学的形状はプリズムがディスプレイカバーの角度に起因してエッジで回転することを除き、上述した実例の平坦なディスプレイカバーの例での幾何学的形状に類似している。
図13に類似し、
図20は幅Wのベゼル14で包囲されたディスプレイパネル12を備えたディスプレイ装置10を見ている観察者Oを描いている。
図12に描かれている凹状の周囲部分17の観察者に面している表面に位置付けられた、プリズムアレイの1つのプリズム22が図示されている。プリズム22は、後ファセット56、非通過ファセット48、および前ファセット50を有している。後ファセット56および前ファセット50が、プリズム角度θを画成する。プリズム22が(ガラスカバーの観察者側で)観察者に面していると想定して、偏角δをプリズム角度θに対して計算することができ、また視野角を様々な値に固定しながら、間隙対ベゼル幅の比率G
A/Wを決定する。
【0050】
図13を参照して上述したようにプリズム22が観察者Oに面しているとき、後ファセット56(ディスプレイカバー16の凹状湾曲表面でのファセット)はディスプレイパネル12の平面に対して傾斜している。後ファセット56での入射角αは、凹状表面のため矢印Aで示したように変化する。同じ偏向では、前ファセット50での光線の角度は、プリズムの角度のずれが増加するにつれて増加する。結果的に、内部全反射が生じる負の視野角が減少する。従って、ディスプレイパネル12の平面87とディスプレイカバーの湾曲部分のエッジの接線85との間の角度Φは、できるだけ小さく保たれるべきである。
【0051】
実施例1
本例において、ディスプレイカバーのエッジでのディスプレイカバーの接線の角度Φは10°であり、またエッジでの最大間隙G
Aは10mmであった。プリズム角度θは、14mmの距離Lに亘って65°から0°まで直線的に減少した。ディスプレイ装置のベゼル幅Wは4mmであった。ベゼルが目に見えない視野角の範囲は、約−20°から約+30°の間であることが認められた。
【0052】
上述したように、凹状の湾曲では、カバーガラスの傾斜によってプリズム22の出口面で入射角が増加するため、内部全反射はより頻繁に起こり得る。いくつかの実施形態では、プリズム22の後ファセット56をディスプレイパネル12の平面に平行にさせることができるよう、
図21に示したように第2プリズムアレイを(ディスプレイパネル12に面している)ディスプレイカバー16の背面(すなわち、第2表面)に追加することによって、入射角の増加を回避することができる。
図21では、第1プリズムアレイの1つの前面プリズムに参照番号22aを付し、また第2プリズムアレイの1つの背面プリズムに参照番号22bを付している。この様態では、入口入射角αと出口入射角φの両方を制御して、フラットディスプレイカバーの挙動を得ることができる。ただし、2つのプリズムアレイを同様の空間的周期で重ねると、目に見えるモアレ効果が生じ得ることに留意されたい。結果的に、モアレ効果が極めて高い空間周波数で生じるように、2つのプリズムアレイに対して異なる空間周波数が選択され得る。さらに、プリズムの位置付けをランダムにすることも、周期的な画像の欠陥の排除に役立ち得る。
【0053】
ここで
図22を参照すると、いくつかの実施形態では、湾曲したディスプレイカバー16の背面にプラスチック材料86(エポキシ樹脂など)を射出成形によって提供してもよい。
図22に示したように、出力はディスプレイに平行にされ、これは内部全反射にとって大変良い状況である。それでも間隙がディスプレイカバー16とディスプレイパネル12との間に存在していると、プリズムの両方のファセットが光の曲げに寄与するが、プラスチックまたはエポキシ樹脂が充填されると前面のみが寄与し、間隙G
Aの増加が必要になる。
図23は、視野角+30°までベゼルがない印象を保つために必要になり得る間隙−ベゼル幅比率G
A/Wのプロットを、プリズム角度θの関数として示したものである。
図23のプロットで示されているように、プリズム角度55°では、間隙がエポキシ樹脂で充填されているときの間隙/ベゼル幅比率は約4であり(曲線88)、間隙が空気で満たされているときは約2である(曲線90)。
【0054】
いくつかの実施形態では、画像をエッジの位置で完全にぼやけさせ得るが、観察者に認識されて著しく気を散らせることはない。第1に、映画などの実在の画像では、典型的には画像のエッジにほとんど情報はなく、動きのほとんどはディスプレイ装置の中心領域に集中している。さらに、観察者は注意を画像の中心に集中させる傾向があり、エッジは周辺視野に委ねられている。
【0055】
従って、ランベルトの表面拡散器が興味深い結果を与えるように思われるが、表面拡散器は周辺光の散乱によってエッジを白く見せる。さらに間隙を10mm未満に減少させると、画像の明るさが低下する傾向がある。いくつかの実施形態では、
図24に示したように、散乱の中心として機能する拡散粒子が分散して含まれているエポキシ樹脂86で間隙を充填することによって、かすみを排除することができる。後方への散乱が最小になるように散乱中心を設計することで、かすみは回避できる。多数の散乱事象が生じないよう、散乱の平均自由行程長がエポキシ樹脂の厚さよりも大きいと想定される。さらに、画像はぼやけていない状態からぼやけた状態へと徐々に進み、急な変化を含まない。さらに、いくつかのバックライトパラメータを調節することで、明るさの問題を小さくすることができる。例えば、典型的にはバックライト用光源(発光ダイオードなど)で放射された光のいくらかは内部全反射モードではないため、導光板のちょうどエッジの位置で光が導光板から漏れる。この光の流れを止める代わりに、この光を拡散器に導いて、画像のエッジの明るさを増加させることもできるであろう。
【0056】
上で説明したように、間隙G
Aを最小にするために、プリズム角度θを増加させるべきである。しかしながらこれは、ディスプレイパネルを垂直入射で見たときでさえ、画像アーチファクトに繋がり得る。一例として、プリズム角度θが55°から始まる平坦なカバーガラス設計では、40%の光が不適切な方向に逸脱すると予想される。
【0057】
図25は、ディスプレイカバー16が凸状の湾曲周囲部分をエッジに有している実施形態を描いたものである。すなわち湾曲部分は、ディスプレイパネル12から離れて外側へと湾曲している。
図25では、光線を、垂直入射で凸状湾曲部分にぶつかるものとして描いている。プリズム22のアレイが、ディスプレイカバー16のディスプレイパネル12に面している第2表面に位置付けられている。光線はディスプレイカバー16のディスプレイパネル側のプリズムに大角度で入射し、非常に大きい光線偏向をもたらす。また、ディスプレイカバー16の観察者側にはプリズムが存在していないため、不適切なプリズムファセットに入射する光線は考えなくてよい。結果的にこの実施形態では、画像に影響を与えることなく(拡大および/またはバンディングを無視して)、大きな光線偏向を許容することができる。
【0058】
ディスプレイカバー16のディスプレイパネル側のプリズム角度θは、前ファセットでの光線の角度が、視聴者が垂直入射であるときに同じく垂直入射に近くなるように画成される。こうすると、ベゼル14が目に見えないままとなる負の視野角を増加させることができ、かつ内部全反射が回避される。光線偏向のほとんどは、ディスプレイカバー16自体のプリズムが存在していない観察者側でもたらされる。必ずしもより小さい間隙G
Aを含むものではないが、画像は少なくとも垂直入射で、いかなるアーチファクトも実質的に含まない。
【0059】
ここで
図26を参照すると、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16は、成形されたカバーガラス70と、これに接着された角度フィルタ膜80とを備えている。カバーガラス70は、ディスプレイ装置10のベゼル14およびディスプレイパネル12の間に間隙を提供する、高さhの第1真直部分71を有している。カバーガラス70は、半径Rを有する湾曲部分72と、ディスプレイ装置10の中心部分の上方に延在する第2真直部分73とをさらに備えている。一実施の形態において、カバーガラス70は化学強化ガラスである。上述したようなプリズムアレイを含んでいる角度フィルタ膜80を、カバーガラス70の下側(すなわち第2表面)に接着してもよく、また角度フィルタ膜80も同様に、第1真直部分81、プリズムを有する湾曲部分82、および第2真直部分83を備えている。いくつかの実施形態において、角度フィルタ膜80は湾曲部分82のみで提供される。図示の実施形態では、角度フィルタ膜80の平坦部分がカバーガラス70に接着されるよう、
図25で示したようにプリズムはディスプレイパネル12に面している。他の実施形態では、屈折率整合接着剤を利用して、角度フィルタ膜80の角度がついている面をカバーガラス70に接着してもよいし、あるいは両面にプリズムを有している角度フィルタ膜を接着してもよい。
【0060】
上述したように、プリズム角度は、ディスプレイ装置10のエッジ近くで最大となりかつディスプレイ装置10のエッジからいくらかの距離の位置で最小(例えばゼロ)になるべきである。いくつかの視野角で、湾曲部分によってプリズムは内部全反射の状態で動作し得、それによりベゼル隠蔽ディスプレイカバー16の一部がミラーのように見え得ることに留意されたい。上述したように、内部全反射に対処しかつ視野角範囲を増加させるための1つのやり方は、角度フィルタ膜80の湾曲部分82(または、プリズムがガラスに直接形成されている実施形態ではカバーガラス70の湾曲部分72)でプリズムの角度変動のプロファイルを最適化することである。以下で説明するのは、湾曲周囲部分17を有するディスプレイカバー16のいくつかの例である。以下の例はプリズムがディスプレイ装置10に面し、隠蔽されるベゼルのサイズが3mmであり、かつ最大視野角が40°である事例に限定される。
【0061】
実施例2
図27および28は、プリズム角度が32°で一定、高さhが8.5mm、および半径Rが7.0mmであるときのシミュレーションの結果を示したものである。
図27の鉛直軸X1は、ディスプレイパネル12での位置をミリメートルで示したものである。水平軸X2は、光線がディスプレイカバー16にぶつかる位置である。曲線C
0は視野角γが0°、曲線C
20は視野角γが20°、さらに曲線C
40は視野角γが40°の場合である。
図28はベゼル隠蔽ディスプレイカバー16の輪郭と光線60の伝播を示している。
図27のグラフでは20°未満の視角のディスプレイ装置での位置が3mmのベゼルサイズ(鎖線で示されている)を超えたままになっているため、このグラフはこの構成で、視角が20°未満の場合のみベゼル14が目に見えないままであることを示している。
【0062】
実施例3
図29および30は、第1真直部分71/81が20°の角度に設定されている場合のシミュレーションの結果を描いたものである。
図29のグラフは、視野角10°に対応する曲線C
10をさらに含んでいる。この事例では、垂直入射で見たときに真直部分71/81を通してベゼル14が目に見えるようになる。しかしながら、プリズムによって、ベゼルのサイズが略3分の1に減少するように縮小される。ベゼル隠蔽ディスプレイカバー16が湾曲していることで生じるいくらかの乱れにこの縮小が加わることで、観察者がベゼル14を認知することは極めて難しくなる。従って、第1真直部分71/81を傾斜させると、ベゼル14は40°の視野角まで目に見えなくなる。目に見えないプール効果(pool effect)に起因して、X1=0での視野角でベゼルが目に見えないことに留意されたい。
【0063】
実施例4
別の最適化は、様々なプリズム角度を有したプリズムアレイを提供するものを含み得る。
図31および32は、プリズム角度θがベゼル隠蔽ディスプレイカバーのちょうどエッジ位置での60°(すなわち最大プリズム角度θ)から、エッジから12mm離れた(すなわちL=12mm)ゼロまで直線的に変動する事例を示している。真直部分の高さhは減少し、8.5mmの空隙がもたらされ得る。図から分かるように、
図31の曲線は
図29の曲線に類似しているが、空隙は著しく減少した。
【0064】
図33は、成形されたベゼル隠蔽ディスプレイカバー16の例示的な曲がった輪郭を描いたものである。平坦で均一な中心部分が、大部分のディスプレイ表面A〜Bをカバーする(例えば、250mmから1650mm)。湾曲部分は、B‐Dの0からCでの最大Rに至るまで、半径の徐々の変化を呈している。FからGまでの曲率半径は目立った変化はなく、Rに近くなり得る。一例であって限定するものではないが、典型的なRの値は3から10mmとすることができる。平坦な区域D〜Eが、曲がった区域から延在している。この平坦な区域の長さは、例えば2から10mmなど変動してもよい。
図34は、湾曲したベゼル隠蔽ディスプレイカバー16の例示的な輪郭寸法を描いたものであり、一方
図35は、
図34に描いた輪郭の局所的な曲線の変化を示したものである。
【0065】
カバーガラス70は、様々な適切な3次元ガラス成形技術で製造することができる。例えば、その全体が参照することにより本書に組み込まれる、2011年11月23日に出願された米国特許出願第13/303685号明細書に適切な方法が記載されている。一般に、得られる最終的なディスプレイカバーの展開サイズに合わせて、ガラスシートを最初に切断し、さらにエッジの仕上げを行う。このガラスプリフォームは、少なくとも2つの領域、すなわち平坦なままの中心領域と、期待される3次元設計を得るために成形プロセス中に恒久的に変形される、ガラスプリフォームのエッジに沿った少なくとも1つの領域とに分けることができる。典型的には、2つの対向するエッジが変形される。ガラスプリフォームを、(例えば、ガラスシートに誘導される形状に従った形状を有している)平坦なセッター部材上に位置付ける。ガラスシートの中心領域はセッターで支持され、ガラスのエッジはセッターから張り出した状態となる。セッターおよびガラスシートを、このガラスの歪点とアニール点との間であって、約1×10
10ポアズから1×10
15ポアズまでの範囲内の粘度に対応する予熱温度まで、(例えば、徐冷窯または炉内で)全体的に加熱する。次に、例えば放射加熱器を用いて、変形される(湾曲形状に曲げられる)ガラスシートのエッジを、1×10
8ポアズから10
9ポアズまでの範囲内の粘度に対応する温度まで局所的に加熱する。一例として限定するものではないが、コーニングのコード2319ガラスでは、予熱温度を約600℃から約660℃までの間としてもよく、また局所的な加熱温度を約750℃から約800℃までの間としてもよい。局所加熱器は、エッジの断面に沿った熱(または粘度)プロファイルによって必要な変形(湾曲輪郭)が可能になるように、エッジを加熱するよう構成される。エッジ領域で必要な粘度レベルに達すると、与えられた熱プロファイルに対応する曲率でガラスシートが変形される。この変形は重力のみで(スランピング)、またはガラスシートの変形される領域に接触する1以上のアクチュエータを採用することによって、得ることができる。この1以上のアクチュエータは、最終位置までガラスエッジの軌道を与えることができる。所望の曲げが得られると、システム全体を室温まで冷却する。
【0066】
ガラスシートの選択された領域に湾曲を形成する別の方法も採用することができる。例えば、ガラスシートを2つの相補的な型の間で押圧してもよいし、あるいは別々に成形されたエッジを、中心領域を形成する平坦なガラスシートに対して組み立ててもよい。別の方法では、その全体が参照することにより本書に組み込まれる、2010年7月8日に出願された国際公開第12/004625号パンフレットに記載されているようなダウンドローガラスリボン成形装置での延伸プロセス中に、局所的なエッジ圧延部材を用いてエッジを成形することができる。他の方法として、ガラスシート圧延方法、また適切に構成された支持体上での成形および研磨が挙げられる。
【0067】
一実施の形態による理想的なディスプレイカバー形状やプリズム角度を自動計算することができる、反復プロセスをここで説明する。この反復プロセスを開始するために、以下の入力パラメータ、すなわち、ベゼルが目に見えないままであるはずの正の視野角、許容できる画像拡大率M、および画像のエッジでのディスプレイカバーの角度Δ
0(
図25参照)、を定義する。
【0068】
反復プロセスは、ディスプレイカバーのエッジから中心領域に向かうLに沿った垂直距離X2=0で開始され、ベゼルが目に見えないままとなる視野角γで画像を見ている観察者を考察する。最初の角度Δ
0を選択する。ここでΔは(
図25に示されているように)、ディスプレイパネル平面に対する、ディスプレイカバーエッジでの湾曲部分の凸状曲率の接線角度である。ディスプレイカバーの観察者側での偏向を計算し、ベゼルが確実に目に見えないままであるような画像とディスプレイカバーとの間の距離y
0を判定する。
【0069】
次に、ディスプレイカバーのディスプレイパネル側のプリズムに対するプリズム角度θを、光線が垂直入射でプリズムの後ファセットに垂直になるように計算する。その後このプロセスを次の位置X2=X2+dxへと移動させる。ここでdxはある短い距離である。ディスプレイカバーの角度Δ
0が分かると、新たな位置y=y
0+dx×tan(Δ
0)を判定する。所望の画像拡大率Mが分かると、ビームがディスプレイパネルにぶつかる望ましい位置を計算することができる。すなわち、その所望の目標を達成するために必要な偏向の量が計算される。この計算された偏向の値から、その偏向を与える新たなディスプレイカバーの角度Δを計算することができる。ガラス内での光の角度αの新たな値で、ビームが垂直入射で後ファセットに垂直になるように、ディスプレイカバーの背面でのプリズム角度θが計算される。
【0070】
図36は、ベゼルが目に見えないままである視野角γを30°、開始時のカバーガラスの角度(Δ
0)を80°に固定したときの、間隙G
Aの変化を拡大率Mの関数として示したものである。曲線200は間隙/ベゼル幅の比率を示し、これに対し曲線202はベゼル幅に対するLの比率を示している。
【0071】
前述のプロセスを適用すると、間隙G
Aが比較的大きくなり、かつ長い長さに亘ってプリズム角度θが減っていくことになる。一例として拡大率が約3の場合、この両パラメータはベゼル幅Wの約6〜7倍となる。これらの設計をシミュレーションすると、この解決策では、−75°など極端に負の視野角で内部全反射がないままとなる。さらに前述のプロセスでは、計算できるのは、ディスプレイパネルに垂直な視野角γでディスプレイパネルを見たときに光線が後ファセットに垂直になるような、ディスプレイカバーのディスプレイパネル側のプリズムに対するプリズム角度θであるという制約がある。代わりに、負の視野角(例えば−50°)など別の視野角を選択し、その設計でその限界まで確実に内部全反射がないままにすることができる。
【0072】
前述のプロセスを適用することによって、特有のディスプレイカバー形状の他、以下の3つの基準、すなわち(1)所与の視野角の範囲内で拡大率が所与の限界よりも低いままの、バンディング、(2)正の視野角に対して所与の限界までベゼルが目に見えないままである、そして(3)所与の負の視野角限界までプリズムが内部全反射の状態以外のままである、といった基準に対して視覚的に最も良い結果を与えるプリズム角度θを計算することができる。
【0073】
図37は、ベゼル幅Wに対する間隙G
Aの比率と、ベゼル幅Wに対するプリズムの長さLの比率とを、画像拡大率の関数として示したものである。欠陥を含まない視野角は、−50°(内部全反射のため)から+30°(ベゼルの可視性のため)まで変化させた。拡大率3が最も達成可能であると想定すると、前述の比率はおおよそ4.4である。曲線204は、間隙/ベゼル幅の比率を示し、これに対し曲線206はベゼル幅に対するLの比率を示す。
【0074】
内部全反射が現れる最小の負の角度の関数として、さらに画像拡大率の関数として、ベゼルが目に見えないままである30°に固定された最大の正の角度に対してベゼル幅対間隙G
Aの比率(G
A/W)の変動をプロットしたが、その結果は限られた設計空間であった。一方、3より大きい拡大率を使用すると許容できないレベルのバンディングに繋がり、さらに視野角を−50°よりも負に拡張しようと試みたとき、間隙G
Aが著しく増加する。
【0075】
図38は、ベゼル14と、ディスプレイ装置のディスプレイパネル12のベゼル14に近接している一部とを単に覆う、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー100aを描いたものである。
図38は、ディスプレイ装置10の上部ベゼル14に連結された、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー100aの輪郭図である。湾曲したベゼル隠蔽ディスプレイカバー100aは、ベゼル隠蔽ディスプレイカバー100aの影響を受ける光がベゼル14の上方で画像を作り出すように(例えば、光線60および61)、ディスプレイ装置10で放射された光を曲げるためのマイクロ複製プリズムを備えた透明材料(例えば、ガラスまたはプラスチック)を含む。
図38に示した例示的なベゼル隠蔽ディスプレイカバー100aは、最初にディスプレイ装置10から離れて外側に湾曲する凸状湾曲部分102を含み、その後ディスプレイ装置10へと内側に向かう。凸状湾曲部分102は、ディスプレイ装置10のディスプレイパネル12に向かって湾曲する、凹状湾曲部分104へと移行する。ベゼル隠蔽ディスプレイカバー100aは、さらにディスプレイパネル12の全ての残りの部分を実質的に間隙のない状態で覆ってもよいし、あるいはディスプレイパネル12の残りの部分をベゼル隠蔽ディスプレイカバー100aで覆わないようにここで終端してもよい。ベゼル隠蔽ディスプレイカバー100aとディスプレイ装置10との間の最大間隙G
Aは、凸状湾曲部分102のピーク位置で生じる。
【0076】
ここで
図39を参照すると、上部ベゼル14aと下部ベゼル14bとを含む2つのみのベゼルを備えている例示的なディスプレイ装置10が図示されている。ディスプレイ装置の側部15aおよび15bにはベゼルは存在しない。上部ベゼル14aおよび下部ベゼル14bは夫々、上部ベゼル隠蔽ディスプレイカバー100aおよび下部ベゼル隠蔽ディスプレイカバー100bで覆われている。
図38に描かれているように構成され得る上部ベゼル隠蔽ディスプレイカバー100aおよび下部ベゼル隠蔽ディスプレイカバー100bは、限定するものではないが、磁気的係合、機械的係合、および接着剤の使用などの任意の方法で、夫々上部ベゼル14aおよび下部ベゼル14bに取り付けることができる。
【0077】
本開示の実施形態を説明および画成するために、「実質的に」、「およそ」、および「約」という用語は、任意の定量比較、値、寸法、または他の表現に起因し得る、固有の不確実さの度合いを表すために本書において用いられることに留意されたい。
【0078】
特定の実施形態の構成要素が、特定のやり方で、または特定の性質を具現化するように、あるいは特定の形で機能するように、「構成」されているという本書での記述は、意図されている用途に関する記述ではなく構造的な記述であることに留意されたい。より具体的には、ある構成要素が「構成」されている様態に本書で言及するとき、その構成要素の現存の物理的条件を示し、したがってその構成要素の構造的特性に関する明確な記述と受け取られるべきである。
【0079】
さらに、特定の構成要素または部材の説明で「少なくとも1つ」という表現が使用されるとき、この特定の構成要素または部材のために、他の構成要素または部材の説明での単数形の使用が2以上の使用を排除することを意味したものではないことに留意されたい。より具体的には、ある構成要素は単数形を用いて説明されることがあるが、その構成要素を1つのみに限定していると解釈されるべきではない。
【0080】
特定の実施形態を本書で図示および説明してきたが、種々の他の変更および改変が、請求される主題の精神および範囲から逸脱することなく作製可能であることを理解されたい。より具体的には、説明された実施形態のいくつかの態様は、本書で好ましいものとして、あるいは特に有利であるとして識別されているが、請求される主題は必ずしもこれらの好適な態様に限定されるものではないと意図されている。