特許第6261529号(P6261529)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261529
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】POS端末及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20180104BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20180104BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20180104BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20180104BHJP
【FI】
   G07G1/12 341A
   G07G1/00 331Z
   G06Q30/06
   G06Q30/02
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-7153(P2015-7153)
(22)【出願日】2015年1月16日
(65)【公開番号】特開2016-133922(P2016-133922A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2016年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 勇太
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−326208(JP,A)
【文献】 特開2010−097256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00−1/14
G06Q 30/02
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が購入する商品について精算処理を実行する精算手段と、
前記顧客が所持する記憶媒体が使用された場合に、当該記憶媒体に記憶された前記顧客を識別可能な顧客識別情報に関連付けて記憶された第1属性情報を取得する第1属性取得手段と、
前記商品を購入する顧客を撮像した第1撮像画像から第2属性情報を認識する第2属性取得手段と、
予め定められた優先順位に基づき、前記第1属性情報および前記第2属性情報のうちの1つの属性情報を選択する選択手段と、
前記選択手段で選択された属性情報を、前記精算処理された商品を識別可能な商品識別情報と関連付けて記する記手段と、
前記第1属性取得手段が取得した第1属性情報と前記第2属性取得手段が認識した第2属性情報が相違する場合に、前記第1属性情報および前記第2属性情報に基づいて属性情報の認識精度を向上させるための学習を行う学習手段と、
を備えるPOS端末
【請求項2】
記記憶媒体から、前記顧客識別情報を読み取る読取手段を更に備え、
前記第1属性取得手段は、前記読取手段が読み取った顧客識別情報に関連付けて記憶された第1属性情報を取得する請求項1に記載のPOS端末
【請求項3】
顧客を撮像した第2撮像画像から第3属性情報を認識する第3属性取得手段をさらに備え、
前記選択手段は、さらに前記第1属性情報および前記第3属性情報のうちの一つの属性情報を選択する、請求項1または2に記載のPOS端末
【請求項4】
前記選択手段は、さらに前記第2属性情報および前記第3属性情報のうちの一つの属性情報を選択する請求項3に記載のPOS端末。
【請求項5】
前記選択手段は、前記第1属性情報および前記第2属性情報および前記第3属性情報のうち、属性情報の確度が高いものほど優先的に選択する請求項3または4に記載のPOS端末
【請求項6】
POS端末としてのコンピュータを、
顧客が購入する商品について精算処理を実行する精算手段と、
前記顧客が所持する記憶媒体が使用された場合に、当該記憶媒体に記憶された前記顧客を識別可能な顧客識別情報に関連付けて記憶された第1属性情報を取得する第1属性取得手段と、
前記商品を購入する顧客を撮像した第1撮像画像から第2属性情報を認識する第2属性取得手段と、
予め定められた優先順位に基づき、前記第1属性情報および前記第2属性情報のうちの1つの属性情報を選択する選択手段と、
前記選択手段で選択された属性情報を、前記精算処理された商品を識別可能な商品識別情報と関連付けて記する記手段と、
前記第1属性取得手段が取得した第1属性情報と前記第2属性取得手段が認識した第2属性情報が相違する場合に、前記第1属性情報および前記第2属性情報に基づいて属性情報の認識精度を向上させるための学習を行う学習手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、POS端末及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア等の店舗では、客層分析や商品の売上分析等のため、顧客の性別や年齢等の情報(以下、属性情報という)を取得するような場合がある。この属性情報の取得は、例えばキャッシャがPOS端末に備え付けられた選択ボタン等から、顧客の属性に応じたボタンを手動操作することで行われる。また、従来、店舗の出入口から入店する顧客を撮像するカメラによる撮像画像に基づいて、店舗に来店した顧客の客層(属性)を判定する技術が提案されている。
【0003】
しかしながら、上記手動操作による取得方法では、ボタン操作が行われなかったり、ボタンが適当に操作されたりすることがあるため、有意義なデータを取得できない可能性がある。また、上記の画像に基づく取得方法では、顧客の顔を捉える必要があるが、顧客がカメラに正対するとは限らない。また、顧客がマスクや帽子等を身に付けている場合には属性を取得できない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、顧客の属性情報の取得をより確実に行うことが可能なPOS端末及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のPOS端末は、顧客が購入する商品について精算処理を実行する精算手段と、前記顧客が所持する記憶媒体が使用された場合に、当該記憶媒体に記憶された前記顧客を識別可能な顧客識別情報に関連付けて記憶された第1属性情報を取得する第1属性取得手段と、前記商品を購入する顧客を撮像した第1撮像画像から第2属性情報を認識する第2属性取得手段と、予め定められた優先順位に基づき、前記第1属性情報および前記第2属性情報のうちの1つの属性情報を選択する選択手段と、前記選択手段で選択された属性情報を、前記精算処理された商品を識別可能な商品識別情報と関連付けて記憶する記憶手段と、前記第1属性取得手段が取得した第1属性情報と前記第2属性取得手段が認識した第2属性情報が相違する場合に、前記第1属性情報および前記第2属性情報に基づいて属性情報の認識精度を向上させるための学習を行う学習手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に係る店舗システムを模式的に示す図である。
図2図2は、POS端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、PLUファイルのデータ構成の一例を模式的に示す図である。
図4図4は、顧客ファイルのデータ構成の一例を模式的に示す図である。
図5図5は、属性記録ファイルのデータ構成の一例を示す図である。
図6図6は、POS端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、属性登録処理の手順を示すフローチャートである。
図8図8は、属性認識処理の手順を示すフローチャートである。
図9図9は、属性読取処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下では、コンビニエンスストア等の店舗に導入される店舗システムを例に、本実施形態に係るPOS端末及びプログラムについて説明する。
【0008】
図1は、本実施形態に係る店舗システム1を模式的に示す図である。図1に示すように、店舗システム1は、カメラ10と、POS端末20とを有する。ここで、カメラ10とPOS端末20とは、有線又は無線の通信回線N1を介して接続される。
【0009】
カメラ10は、カラーCCD(Charge Coupled Device)やカラーCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を備えた撮像装置である。カメラ10は、例えば30fps等のフレームレートで動画像を撮像し、撮像画像としてPOS端末20に送信する。カメラ10は、例えば商品陳列エリア等、店舗内の複数の位置に設けられる。なお、複数のカメラ10のうち、少なくとも1つがPOS端末20の近傍、つまり精算場所に設けられているものとする。以下では、精算場所に設けられたカメラ10をカメラ10aと表記し、精算場所以外に設けられたカメラ10をカメラ10bと表記する。なお、少なくともカメラ10aが撮像する画像(撮像画像)には、カメラ10aで撮像されたことを示す情報が付帯されているものとする。
【0010】
POS端末20は、本実施形態の情報処理装置に対応する。POS端末20は、店舗内の精算場所に設けられ、顧客が持ち込んだ商品の登録及び精算を行う。また、POS端末20は、顧客の性別や年齢等の情報(以下、属性情報という)を収集する。なお、店舗で販売される商品には、当該商品を識別可能な商品コード(商品識別情報)を保持するバーコード等のコードシンボルが付されているものとする。
【0011】
図2は、POS端末20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。POS端末20は、情報処理を実行する情報処理部としてのマイクロコンピュータ21を備える。マイクロコンピュータ21は、主にCPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24により構成される。ROM23は、CPU22が実行可能な各種プログラムを記憶する。RAM24は、POS端末20の主記憶装置である。
【0012】
CPU22には、キーボード25、表示デバイス26、タッチパネル27及びドロワ28が、図示しない入出力回路を介して接続される。キーボード25は、数字や算術演算子が上面に表示されているテンキーや締めキー等を有する。表示デバイス26は、液晶ディスプレイ等で構成され、CPU22の制御の下、各種の情報を表示する。タッチパネル27は、表示デバイス26上に積層され、表示デバイス26に表示された画面に対する操作を受け付ける。ドロワ28は、現金を収納する引出を備え、CPU22の制御の下、当該引出を開閉する。
【0013】
また、CPU22には、コードスキャナ29及びカードリーダ30が、図示しない入出力回路を介して接続される。コードスキャナ29は、商品に付されたコードシンボルから当該、コードシンボルに保持された商品コードを読み取る。カードリーダ30は、顧客が提示するカード媒体から、当該カード媒体に保持された固有のカード番号等の情報を読み取る。ここで、カード媒体は、例えば、電子マネーカードやポイントカード、会員カード等であり、予め顧客に配布されているものとする。また、カード媒体が保持するカード番号は、当該カード媒体を所持する顧客の顧客識別情報として機能する。
【0014】
また、CPU22には、通信部31及びプリンタ32が、図示しない入出力回路を介して接続される。通信部31は、外部装置とデータ通信を実行するための通信インタフェースである。本実施形態において、通信部31は、主に店舗内に配置された各カメラ10との間でデータ通信を行う。プリンタ32は、CPU22の制御の下、一取引の取引内容をレシートに印字する。
【0015】
また、CPU22には、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶部33が、図示しない入出力回路を介して接続される。記憶部33は、CPU22が実行可能なプログラムや各種ファイルを記憶する。記憶部33に記憶されているプログラムや各種ファイルは、POS端末20の起動時に、その全部又は一部がRAM24にコピーされてCPU22により実行される。また、記憶部33は、PLUファイルF1、顧客管理ファイルF2、属性記録ファイルF3を記憶する。
【0016】
PLUファイルF1には、店舗内で販売する各商品に関する情報が格納される。ここで、図3は、PLUファイルF1のデータ構成の一例を模式的に示す図である。図3に示すように、PLUファイルF1には、各商品を識別する商品コードに関連付けて、当該商品の商品名や単価等の商品情報が格納される。
【0017】
顧客管理ファイルF2には、顧客に関する情報が格納される。ここで、図4は、顧客管理ファイルF2のデータ構成の一例を模式的に示す図である。図4に示すように、顧客管理ファイルF2には、各顧客に配布されたカード媒体のカード番号に関連付けて、当該顧客の年齢や性別等の第1属性情報が格納される。なお、顧客管理ファイルF2に第1属性情報を格納(登録)するタイミングは特に問わず、例えば、上述したカード媒体の配布時に登録を行う形態としてもよい。
【0018】
属性記録ファイルF3は、商品を購入した顧客の属性を記録するためのファイルである。ここで、図5は、属性記録ファイルF3のデータ構成の一例を示す図である。図5に示すように、属性記録ファイルF3には、顧客が購入した商品の商品コードと、当該顧客の属性情報とが関連付けて格納される。なお、属性記録ファイルF3に登録される属性情報は、上述した第1属性情報、後述する第2属性情報及び第3属性情報の、何れか一つとなる。
【0019】
また、記憶部33は、人の顔を表す顔画像や当該顔画像に表された特徴量等から、当該人の性別や年齢等の属性を推定することが可能な属性判断用の辞書データ(図示せず)を記憶する。なお、辞書データの構成は特に問わず、公知の技術を用いるものとする。また、辞書データは、後述する第2属性取得部214及び第3属性取得部215毎に個別に用意する構成としてもよい。
【0020】
次に、図6を参照して、POS端末20の機能構成について説明する。図6は、POS端末20の機能構成の一例を示すブロック図である。POS端末20は、CPU22と、ROM23や記憶部33に記憶されたプログラムとの協働により、商品登録部211、画像取込部212、第1属性取得部213、第2属性取得部214、第3属性取得部215、制御部216、属性学習部217及び属性登録部218を、機能部として備える。
【0021】
商品登録部211は、顧客が買い上げた商品の売上登録及び精算に係る処理を行う。具体的に商品登録部211は、コードスキャナ29等により取得された商品コードに基づき、当該商品コードに対応する商品情報をPLUファイルF1から読み出す。また、商品登録部211は、商品情報に含まれる単価や、操作部15を介して入力される販売個数等から商品の販売価格を算出し、図示しない売上マスタファイル等に記録することで商品登録を行う。
【0022】
また、商品登録部211は、一取引分の登録及び精算が完了すると、その取引の内訳を示すレシートをプリンタ32から出力させる。ここで、レシートには、顧客が買い上げた各商品の商品名や販売個数、客が支払った代金等が含まれる。
【0023】
また、商品登録部211は、商品の精算時に、カードリーダ30を介してカード番号等が入力されると、そのカード番号を用いて各種の処理を行う。例えば、カード媒体が電子マネーカードの場合、商品登録部211は、カード番号とともに入力される電子マネー情報に基づき電子決済を行う。また、カード媒体がポイントカードの場合、商品登録部211は、支払金額に応じて算出したポイント数を、カード番号に関連付けて付与する。なお、ポイント数の付与方法は特に問わないものとする。例えば、商品登録部21は、付与したポイント数を顧客管理ファイルF2に累積記録する構成としてもよい。なお、この場合、顧客管理ファイルF2は、各カード番号に関連付けて、ポイント数を累積記録するための欄を有するものとする。
【0024】
画像取込部212は、通信部31を介して、カメラ10が撮像する撮像画像を順次取り込み、所定時間分の撮像画像をRAM24や記憶部33に保持する。なお、撮像画像を保持する時間数は特に問わず、例えば30分や1時間等としてもよい。
【0025】
第1属性取得部213は、本実施形態の第1属性取得手段に対応する。第1属性取得部213は、カードリーダ30を介してカード番号が入力された場合に、当該カード番号に対応する第1属性情報を顧客管理ファイルF2から読み取る。
【0026】
第2属性取得部214は、本実施形態の第2属性取得手段に対応する。第2属性取得部214は、属性判断用の辞書データを用いることで、カメラ10aで撮像された撮像画像に含まれる顧客の顔画像等から、当該顧客の性別や年齢等の属性を認識(推定)する。そして、第2属性取得部214は、認識した属性を第2属性情報として取得する。
【0027】
第3属性取得部215は、本実施形態の第3属性取得手段に対応する。第3属性取得部215は、第2属性取得部214と同様の手法により、カメラ10bで撮像された撮像画像に含まれる顧客の顔画像等から、当該顧客の性別や年齢等の属性を認識(推定)する。そして、第3属性取得部215は、認識した属性を第3属性情報として取得する。なお、第2属性取得部214及び第3属性取得部215において、顔画像から属性を認識する方法は特に問わず、公知の技術を用いるものとする。
【0028】
制御部216は、第1属性取得部213、第2属性取得部214及び第3属性取得部215の動作を制御する。例えば、制御部216は、キーボード25の操作等により取引の開始が指示されると、第2属性取得部214を動作させる。また、制御部216は、カードリーダ30によりカード番号の読み取りが行われると、第1属性取得部213を動作させる。また、制御部216は、常時或いは一定の時間間隔毎に第3属性取得部215を動作させる。
【0029】
また、制御部216は、本実施形態の選択手段として機能する。制御部216は、予め定められた優先順位に基づき、同一の顧客について第1属性取得部213、第2属性取得部214及び第3属性取得部215で取得された属性情報の1つを登録対象に選択する。ここで、優先順位は、取得される属性情報の確度(信頼度)が高いものほど優先的に設定することが好ましい。本実施形態では、第1属性情報の優先順位が最も高く、第2属性情報、第3属性情報の順に優先順位が低くなるよう設定されているものとする。
【0030】
また、制御部216は、同一の顧客について取得された第1属性情報、第2属性情報及び第3属性情報を、関連付けて管理する。なお、顧客の同一性を判定する方法は特に問わないものとする。例えば、制御部216は、第1属性取得部213で顧客の第1属性情報が取得された際に、当該顧客とカメラ10aで撮像されている顧客とが同一人物と判定する。また、制御部216は、カメラ10bで撮像された顧客の顔や服装と同様の特徴を有する顧客がカメラ10aで撮像された場合に、両顧客を同一人物と判定する。また、制御部216は、カメラ10bで撮像された顧客の店舗内での移動を追跡し、当該顧客がカメラ10aで撮像された場合に、両顧客を同一人物と判定する。
【0031】
属性学習部217は、第1属性情報が取得する第1属性情報と、第2属性取得部214が取得する第2属性情報とに基づき、属性情報の認識精度を向上させるための学習(機械学習)を行う。具体的に、属性学習部217は、同一の顧客について取得された第1属性情報と第2属性情報とを比較する。そして、属性学習部217は、両属性情報が相違すると判定した場合に、第1属性情報の値や第2属性情報が取得された際の条件等に基づいて学習を行う。なお、学習方法は、特に問わず、公知の技術を用いることが可能である。また、第1属性情報との比較対象は、第2属性情報に限らず、第3属性情報であってもよい。以後、第2属性取得部214及び第3属性取得部215では、この学習結果に基づき第2属性情報及び第3属性情報の認識を行うことになる。
【0032】
属性登録部218は、本実施形態の記録手段として機能する。属性登録部218は、同一の顧客について制御部216が登録対象に選択した第1属性情報〜第3属性情報の何れか1つを、当該顧客が購入した商品の商品コードと関連付けて属性記録ファイルF3に登録する。
【0033】
以下、POS端末20が行う属性登録処理について説明する。ここで、図7は、POS端末20が行う属性登録処理の手順を示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、画像取込部212は、カメラ10で撮像された撮像画像を順次取り込むものとする。また、第3属性取得部215は、制御部216の制御の下、動作中であるとする。
【0034】
まず、制御部216は、キーボード25を介し、取引の開始が指示されるまで待機する(ステップS11;No)。制御部216は、取引開始の指示を受け付けると(ステップS11;Yes)、第2属性取得スレッドを起動し、本処理のバックグラウンドで実行させる(ステップS12)。
【0035】
図8は、第2属性取得スレッドの手順を示すフローチャートである。まず、第2属性取得部214は、画像取込部212が取り込んだカメラ10aの撮像画像から、顧客の顔画像を順次検出する(ステップS31)。また、第2属性取得部214は、本スレッドの終了が指示されたか否かを判定する(ステップS32)。
【0036】
ステップS32において、本スレッドの終了が指示されない場合(ステップS32;No)、第2属性取得部214は、ステップS31に戻り、顔画像の検出を継続する。一方、本スレッドの終了が指示された場合(ステップS32;Yes)、第2属性取得部214は、ステップS31で検出した顔画像から第2属性情報の取得を試み(ステップS33)、本スレッドを終了する。
【0037】
図7に戻り、商品登録部211は、コードスキャナ29で商品コードが読み取られる毎に、その商品コードに対応する商品情報をPLUファイルF1から読み出し、商品登録を行う(ステップS13)。なお、カードリーダ30によりカード媒体からカード番号等の情報が読み取られた場合、商品登録部211は、当該情報をRAM24や記憶部33に一時記憶する。
【0038】
次いで、制御部216は、締めキーの操作により取引の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS14)。ここで、取引の終了が指示されない場合には(ステップS14;No)、ステップS13に戻る。
【0039】
一方、取引の終了が指示された場合(ステップS14;Yes)、制御部216は、バックグラウンドで動作中の第2属性取得スレッドを終了させる指示を行う(ステップS15)。また、商品登録部211は、一取引分の精算を行い、その取引の内訳を示すレシートをプリンタ32から出力させる(ステップS16)。
【0040】
続いて、制御部216は、ステップS16で精算が行われた取引において、カード媒体が使用されたか否かを判定する(ステップS17)。具体的に、制御部216は、RAM24や記憶部33にカード番号が一時記憶されているか否かを判定する。ここで、カード番号が一時記憶されていた場合、制御部216は、カード媒体が使用されたと判定し(ステップS17;Yes)、第1属性取得処理(ステップS18)を実行させる。
【0041】
図9は、第1属性取得処理の手順を示すフローチャートである。まず、第1属性取得部213は、一時記憶されたカード番号に基づき、当該カード番号に対応する顧客の第1属性情報を顧客管理ファイルF2から読み取る(ステップS41)。
【0042】
次いで、属性学習部217は、ステップS12の第2属性取得スレッドにおいて、第2属性情報が取得されたか否かを判定する(ステップS42)。ここで、第2属性情報が取得されていない場合には(ステップS42;No)、属性学習部217は、ステップS21に移行する。
【0043】
一方、第2属性情報が取得された場合(ステップS42;Yes)、属性学習部217は、その第2属性情報と、ステップS41で取得された第1属性情報とに基づいて学習を行い(ステップS43)、ステップS21に移行する。なお、制御部216は、第1属性取得処理が実行された場合、ステップS41で取得された第1属性情報を登録対象に選択する。
【0044】
図7に戻り、制御部216は、カード媒体は不使用と判定した場合(ステップS17;No)、ステップS12の第2属性取得スレッドにおいて、第2属性情報が取得されたか否かを判定する(ステップS19)。ここで、第2属性情報が取得された場合(ステップS19;Yes)、制御部216は、その第2属性情報を登録対象に選択し、ステップS21に移行する。
【0045】
一方、第2属性情報が取得されていない場合(ステップS19;No)、制御部216は、カメラ10aで撮像されている顧客の第3属性情報が、第3属性取得部215で取得されたか否かを判定する(ステップS20)。第3属性取得部215で属性情報が取得されている場合(ステップS20;Yes)、制御部216は、その第3属性情報を登録対象に選択し、ステップS21に移行する。なお、第3属性取得部215でも属性情報が取得されていなかった場合(ステップS20;No)、制御部216は、属性情報を不明とし、本処理を終了する。
【0046】
ステップS21では、属性登録部218が、ステップS16で精算された商品の商品コードと、ステップS18〜S20の何れかで選択された属性情報とを関連付けて属性記録ファイルF3に登録し(ステップS21)、本処理を終了する。
【0047】
なお、属性登録部218が属性記録ファイルF3に登録する商品の商品コードは、精算された全ての商品の商品コードであってもよいし、特定の商品の商品コードであってもよい。また、ステップS20で属性情報が不明と判定された場合には、属性登録部218が、属性情報が不明であることを示す情報を、対応する商品コードと関連付けて属性記録ファイルF3に登録する構成としてもよい。
【0048】
以上のように、本実施形態のPOS端末20は、取得の手法や取得に係る条件(撮像位置、撮像タイミング)が異なる複数の属性取得部を用いることで、同一の顧客についての属性情報の取得を多角的に行う。そして、POS端末20は、予め定められた優先順位に基づき、取得した属性情報の中から属性情報の1つを選択し、顧客が購入した商品の商品コードと関連付けて属性記録ファイルF3に記録する。これにより、POS端末20では、顧客の属性情報の取得機会を増やすことができるため、顧客の属性情報の取得をより確実に行うことができる。また、POS端末20では、確度の高い属性情報を優先的に選択するため、有意義な属性情報を取得することができる。
【0049】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加、組み合せ等を行うことができる。また、上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0050】
例えば、上記実施形態では、POS端末20がPLUファイルF1、顧客管理ファイルF2及び属性記録ファイルF3を保持する形態としたが、これに限らないものとする。例えば、POS端末20がアクセス可能な外部装置にPLUファイルF1、顧客管理ファイルF2及び属性記録ファイルF3の何れか又は全てを保持する構成としてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、第1属性取得部213、第2属性取得部214及び第3属性取得部215の3つの属性取得部を用いた例を説明したが、他の属性取得部を追加する構成としてもよい。この構成を採用する場合、他の属性取得部は、第1属性取得部213、第2属性取得部214及び第3属性取得部215とは、属性情報の取得手法や取得に係る条件が異なることが好ましい。なお、他の属性取得部を追加する場合には、上記実施形態と同様、取得される属性情報の確度(信頼度)に応じて、優先順位が設定されるものとする。
【0052】
また、上記実施形態では、POS端末20に本願発明の情報処理装置を適用した例を説明したが、これに限らず、他の装置に適用してもよい。
【0053】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するが、これに限らないものとする。例えば、プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体(記録媒体)に記録して提供してもよい。係る記憶媒体は、例えばCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等が挙げられる。更に、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らないものとする。例えば、記憶媒体は、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードすることで、記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0054】
また、上記各実施形態の各装置で実行されるプログラムは、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 店舗システム
10 カメラ
20 POS端末
211 商品登録部
212 画像取込部
213 第1属性取得部
214 第2属性取得部
215 第3属性取得部
216 制御部
217 属性学習部
218 属性登録部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開2014−146154号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9