【文献】
Intel Corporation,Support for UE Assistance Information for eDDA[online], 3GPP TSG-RAN WG2#77bis R2-121746,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_77bis/Docs/R2-121746.zip>,2012年 3月30日,Pages 1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明による詳細な説明では、上述した技術的課題を達成するための代表的な実施形態を提示する。さらに、本発明に対する説明の便宜のために、定義している個体の名称を同一に用いることができる。しかしながら、説明の便宜のために用いられた名称は、本発明の範囲を限定するものではなく、当然ながら、類似の技術的背景を有するシステムに対して同一又は容易な変更により適用が可能である。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0011】
図1は、本発明が適用されるLTEシステムの構造を示す図面である。
図1を参照すれば、LTEシステムの無線アクセスネットワークは、次世代基地局(Evolved Node B、以下、「ENB」、「Node B」、又は「基地局」と称する)105,110,115,120と、移動管理エンティティー(MME:Mobility Management Entity)125と、サービングゲートウェイ(S−GW:Serving−Gateway)130とから構成される。前記ENB105,110,115,120と前記S−GW130は、ユーザ端末(User Equipment、以下、「UE」又は「端末」と称する)135を外部ネットワークで接続する。
【0012】
前記ENB105,110,115,120は、無線チャンネルによってUE135と連結される。前記ENB105,110,115,120は、UMTSシステムを構成するノードBに対応するが、前記ノードBよりは複雑な役目を行う。
例えば、LTEシステムは、インターネットプロトコル(IP;Internet Protocol)を介するVoIP(Voice over IP)などのようなリアルタイムサービスを含めた大部分のユーザトラフィックを共用チャンネル(shared channel)を介してサービスする。
したがって、LTEシステムでは、UE135のバッファー状態、使用可能送信電力状態、チャンネル状態などのような状態情報を収集してスケジューリングするための装置が必要であり、このような装置の役目をENB(105,110,115,120)が担当する。
【0013】
LTEシステムは、100Mbpsの送信速度を実現するために、20MHz帯域幅で直交周波数分割多重方式(以下、「OFDM」と称する)を無線接続技術として用いる。
前記UE135は、適応変調コーディング(Adaptive Modulation & Coding、以下、「AMC」と称する)方式を適用する。前記AMC方式は、チャンネル状態に当たる最適の変調方式(modulation scheme)とチャンネル符号化率(channel coding rate)とを決定する技術である。
前記S−GW130は、MME125の制御により外部ネットワーク及び前記ENB105,110,115,120とのデータベアラーを生成したり除去したりする。前記MME125は、多数のMME125と接続されて、UE135に対する移動性管理以外に各種制御機能を担当する。
【0014】
図2は、本発明が適用されるLTEシステムの無線プロトコル構造を示す図面である。
図2を参照すれば、LTEシステムを構成するUEとENBそれぞれの無線プロトコルは、パケットデータ変換プロトコル階層(Packet Data Convergence Protocol Layer、以下、「PDCP階層」と称する)205,240、無線リンク制御階層(Radio Link Control Layer、以下、「RLC階層」と称する)210,235、MAC階層(Medium Access Control Layer)215,230、及び物理階層(Physical Layer、以下、「PHY階層」と称する)220,225からなる。
【0015】
前記PDCP階層205,240は、IPヘッダー圧縮/復元などの動作を担当する。前記RLC階層210,235は、PDCP PDU(Packet Data Unit)を適切なサイズに再構成してARQ動作などを行う。
前記MAC階層215,230は、1つのUEを構成する多くのRLC階層及び物理階層220,225との接続を形成する。前記MAC階層215,230は、前記RLC階層から提供されるRLC PDUを多重化してMAC PDUを構成し、前記構成したMAC PDUを物理階層220,225に伝達する。前記MAC階層215,230は、物理階層220,225から提供されるMAC PDUを逆多重化してRLC PDUを抽出し、前記抽出したRLC PDUを多くのRLC階層に伝達する。
前記物理階層220,225は、上位階層データをチャンネルコーディング及び変調してOFDMシンボルを生成し、前記生成したOFDMシンボルを無線チャンネルへ送信する。前記物理階層220,225は、無線チャンネルを介して受信したOFDMシンボルに対する復調及びチャンネル復号を行って上位階層に伝達する。
【0016】
第1実施形態
端末の状態はアイドル(Idle)状態とRRC接続状態とに区分される。アイドル状態の端末はデータ送受信が不可能である。アイドル状態の端末は、データ送信又は受信が必要であれば所定の手続きを経てRRC接続状態に遷移する。前記RRC接続状態への遷移は、端末と基地局との間の制御メッセージ交換、基地局とMMEとの間の制御メッセージ交換、MMEとS−GWとの間の制御メッセージ交換を誘発する。
RRC接続状態の端末はデータ送受信を進行する。データ送受信が完了して所定の期間が経過すれば、基地局は端末のRRC接続を解除する。しかしながら、端末が小規模データを断続的に発生させると予想される場合、前記RRC接続を解除せず維持するのがシグナリングロードの観点から有利である。
【0017】
アイドル状態に比べてRRC接続状態で端末のバッテリー消耗が激しいことがあるので、基地局は接続状態DRXを設定するのが好ましい。前記DRX動作は、所定の周期ごとに少なくとも所定の期間の間に端末がスケジューリングするか否かを確認する動作に要約されることができ、前記所定の期間ではない期間の間、送受信装置をオフしてバッテリー消耗を最小化する。DRX周期を長く設定するほど端末バッテリー節約に有利であるが、長く設定し過ぎると、端末のハンドオーバー性能に悪影響が及ぶことがある。したがって、以下の条件を満たす端末に対してだけRRC接続状態を維持するのが好ましい。
● 端末で実行中のサービス/アプリケーションが小規模のデータが断続的に発生するバックグラウンドトラフィックの属性を有している。
● 端末の移動速度が早くない、又は静止状態である。
【0018】
前記条件が充足されると、基地局は、端末に対してバッテリー消耗を最小化する設定を適用してRRC接続状態を維持する。例えば、基地局は、端末に対してCQI(Channel Quality Indicator)報告を解除したり、報告周期を長く設定し、SRS(Sounding Reference Signal)送信を解除したり、周期を長く設定し、DRX周期を長く設定したりすることができる。
前記DRX周期の長さは、ハンドオーバー性能/送信遅延とは反比例関係を有し、バッテリー効率とは比例関係を有する。端末のバッテリー残量が低い場合、端末は、ハンドオーバーが失敗してもDRXを長く設定することを選好することができる。
【0019】
本発明の一実施形態では、以下のように2個の端末の状態を定義する。
● バッテリー節約優先状態:端末のバッテリー節約を優先的に考慮する設定が適用された状態
● 送信遅延優先状態:端末のバッテリー節約を優先的に考慮する設定が適用されない状態
【0020】
端末は、現在状態とユーザ/端末の選好が一致しなければ1ビットインジケーターを基地局に送信して状態変更をリクエストする。例えば、端末がバッテリー消耗を最小化したいが、端末の現在状態が送信遅延状態の場合、又は端末が送信遅延又はハンドオーバー失敗を最小化したいが、現在状態がバッテリー節約優先状態の場合に、端末は、状態変更をリクエストする情報を基地局に送信する。
【0021】
ある設定がバッテリー節約のための設定であるかは、基地局のスケジューリング戦略や管理方針によって変わることがある。例えば、ある基地局は、DRX周期100ms以上をバッテリー節約のための設定と見なすことができる。一方、例えば、別の基地局は、DRX周期が500ms以上であり、PUCCH(Physical Uplink Control Channel;CQIなどが送信されるアップリンクチャンネル)の周期が20ms以上の場合をバッテリー節約のための設定と見なすことができる。端末は、自ら現在設定がバッテリー節約のための設定であるか否かを把握することができず、基地局は、端末にDRX設定情報又はPUCCH設定情報などを送信しながら、現在状態を指示する1ビット情報を共に送信する。
【0022】
図3は、状態変更に係る第1実施形態の全体動作を示す図面である。
図3を参照すれば、端末305は、任意の基地局310と任意の時点にRRC接続を設定する。この後、任意の時点に端末305は、好ましい状態はバッテリー節約が優先的に考慮される「バッテリー節約優先状態」であることと判定する(315)。「バッテリー節約優先状態」であるか否かは、所定の基準により決定されることができる。例えば、端末305のバッテリー残量が一定基準以下であり、現在実行中である(又は、実行予定である)サービス/アプリケーションが送信遅延に敏感ではない場合、端末305は、好ましい状態を「バッテリー節約優先状態」と設定することができる。一方、端末305のバッテリー残量が一定基準以上であるか、端末305が充電器と連結されている場合、又は端末305が充電器との接続が容易な場所(例えば、ユーザの家)に位置している場合、端末305は、好ましい状態を「送信遅延優先状態」と設定することができる。
【0023】
任意の時点に端末305は、基地局310から所定の制御メッセージを受信する(320)。前記制御メッセージは、端末305にDRX、PUCCH、又はSRSなどを設定するためのRRC接続設定(RRC CONNECTION SETUP)メッセージ又はRRC接続再構成(RRC CONNECTION RECONFIGURATION)メッセージであることができる。前記制御メッセージには、CQI設定情報と、SR設定情報と、SRS設定情報と、DRX設定情報とのうちの少なくとも1つの設定情報が含まれる。端末305は、前記制御メッセージを受信すれば、現在設定状態を判定する。制御メッセージに状態インジケーターが含まれている場合、現在状態は前記インジケーターにより指示される。前記状態インジケーターは、例えば2ビット情報であり、以下のような意味を有することができる。
● 状態インジケーター0=送信遅延優先状態
● 状態インジケーター1=バッテリー節約優先状態
● 状態インジケーター2=未特定状態:現在設定は前記2つの状態のうちのいずれにも属しない。特別な選好を有しない端末が「未特定状態」を受信すれば、状態変更リクエストをトリガーしない。端末が特別な選好を有する端末が「未特定状態」を受信すれば、状態変更リクエストをトリガーする。
【0024】
制御メッセージに状態インジケーターが含まれていなくても、所定の条件、例えばDRXが設定されない場合、端末305は、現在設定の状態が送信遅延優先状態であると判定することができる。
受信した制御メッセージに状態インジケーターが含まれていない場合、端末305は、現在状態を判定することができないので、状態変更リクエストをトリガーしない(325)。或いは、受信した制御メッセージに状態インジケーターが含まれていないが、所定の条件を満足すれば、端末305は、現在設定状態を「送信遅延優先状態」と判定して状態変更リクエストするか否かを判定する。例えば端末305の望む状態が「バッテリー節約優先状態」であれば、端末305は状態変更リクエストをトリガーし、端末305の望む状態が「バッテリー節約優先状態」ではなければ、端末305は状態変更リクエストをトリガーしない。
【0025】
以後、任意の時点で端末305は、基地局310から状態インジケーターを含んだRRC制御メッセージを受信する(330)。前記制御メッセージには、CQI設定情報と、SR設定情報と、SRS設定情報と、DRX設定情報とのうちの少なくとも1つの設定情報が含まれる。
端末305は、前記現在設定状態(即ち、基地局310が指示した状態)と端末305が望む状態(即ち、好ましい状態)とを比べて状態変更をリクエストするか否かを判定する。表1には基地局310が指示した状態インジケーターによる端末305の現在設定状態と端末305が望む好ましい状態それぞれの場合に対する状態変更をリクエストするか否かを表示した。表1から分かるように、場合2、4、7、又は8の場合、端末は状態変更リクエストをトリガーする。
【0027】
325で説明したように、受信した制御メッセージに状態インジケーターが含まれておらず、好ましい状態がバッテリー節約優先状態の場合にも、端末305は、状態変更リクエストをトリガーすることができる。
端末305は、状態変更インジケーターを含んだRRC制御メッセージを生成して基地局310へ送信する(335)。前記制御メッセージには、状態変更が必要であるということを指示する1ビットインジケーター又は端末305の好ましい状態を直接指示する1ビットインジケーターを含むことができる。即ち、端末305は、「状態変更が必要である」と「状態変更が必要ではない」とのうちの1つを指示するインジケーター又は「バッテリー節約優先状態」と「送信遅延優先状態」とのうちの1つを指示するインジケーター又は「バッテリー節約優先状態」が必要であるか否かを指示するインジケーターを制御メッセージに挿入する。
【0028】
前記状態情報変更がリクエストされた基地局310は、リクエストされた状態に該当するようにRRC接続を再構成する制御メッセージを生成して端末に送信する(345)。基地局310は、前記制御メッセージに状態インジケーターを含ませて、端末305にRRC接続が望む状態に変更されたことを通知することができる。
【0029】
図4は、状態変更に係る第1実施例の端末動作を示す図面である。
図4を参照すれば、405段階で端末は、自身が望む状態又は好ましい状態を判定する。410段階で端末は、所定のRRC制御メッセージを受信する。端末は、前記RRC制御メッセージに含まれた情報と端末が望む好ましい状態とを比べて状態変更をリクエストするか否かを判定する。即ち、端末は、415段階で前記RRC制御メッセージに現在設定の状態を指示する制御情報が含まれているのかを検査する。含まれている場合、425段階へ、含まれていない場合、420段階へ進行する。420段階へ進行したということは、端末が現在設定の状態を把握することができず、現在基地局が本発明をサポートするのか否かを判定することができないということを意味する。従って、端末は、当該セルで又は新しいセルでさらに他の新しいRRC制御メッセージを受信するまで待機する。
【0030】
425段階で端末は、指示された状態と端末の望む状態とが一致するのか検査する。一致すれば、状態変更リクエストを送信する必要がないので、端末は、420段階へ進行して新しいRRC制御メッセージを受信するまで待機する。一致しない場合、430段階へ進行する。430段階で端末は、自身が望む状態を指示する(又は他の状態への変更をリクエストする)制御情報を含んだRRC制御メッセージを生成して基地局に送信し、420段階へ進行する。新しく受信したRRC制御メッセージの状態インジケーターが端末の望む状態と相違すれば、端末は、前記制御情報を含んだRRC制御メッセージを再送信する。或いは、前記制御情報を含んだRRC制御メッセージを送信した後に所定の時間が経つまでRRC制御による端末の状態が「端末が望む状態」に変更されなければ、端末は、前記制御情報を含んだRRC制御メッセージを再送信する。
【0031】
基地局が任意の端末に対して測定又はDRXを設定することにおいて端末の移動性を考慮するのが重要である。例えば、基地局は、現時点で動きがほとんどない端末には長い周期のDRXを設定し、端末が移動を開始すればDRX周期を短く変更することができる。或いは、基地局は、移動性が排除された端末に対しては非常に長い周期のDRXを設定する一方、移動性サポートのための測定も行わないように設定することができる。
これにより、本発明のさらに別の実施形態では、端末が基地局に自身の移動性に係る情報、特に端末が動かない端末なのか否かを示す情報を報告することによって、基地局が該当端末に対して効率的なDRX設定と測定設定を決定する方法を提示する。
【0032】
図5は、静止(Stationary)情報に係る第1実施形態の全体動作を示す図面である。
図5を参照すれば、端末505と基地局510は、RRC接続設定のためにRRC接続リクエスト(RRC connection request)メッセージ515とRRC接続設定(RRC connection setup)メッセージ520を交換する。端末505は、基地局510へRRC接続設定完了(RRC connection setup complete)メッセージを送信する(525)。端末505は、前記メッセージに静止状態情報を含ませる。静止状態情報は、端末505の現在移動性に関する情報で例えば、以下のような状態を指示することができる。
【0033】
● 永久静止(permanently stationary):計測用装置(Metering device)のように一度設置されると、これ以上動かない端末に該当し、このような端末は常に永久静止状態を報告する。
● 一時静止(temporarily stationary):移動性がある一般端末は、所定の条件が充足されると「一時的に動きがない」と判定して一時静止状態を報告する。前記所定の条件は、例えば端末が最近所定の期間の間、所定の距離以上を動かない場合とすることができる。或いは、前記所定の条件は、Doppler効果などを用いて端末の判定した移動性が一定速度以下の場合とすることができる。或いは、前記所定の条件は、一定期間の間、移動したセルの個数が一定個数以下の場合とすることができる。或いは、前記所定の条件は、端末がホームセルへ移動した場合とすることができる。
● 非静止(Non−stationary):端末の移動性が一定基準以上の場合に報告される。
● 確定不可能(Cannot be determined):端末が移動性を確認することができない場合に報告される。
【0034】
前記制御メッセージを受信した基地局510は、端末505のトラフィック状況、静止状態などを参考にして、端末505に適用するDRX設定と測定設定を決定する(530)。端末505の静止状態が永久静止であれば、基地局510は、端末505に対して長いDRX周期を設定して周辺セル測定を行わないように設定する。端末505の静止状態が一時静止であれば、基地局510は、端末505に対してDRX周期は長く設定するが、端末505が他のセルへ移動することに応じて周辺セル測定を行うように測定を設定することができる。
【0035】
基地局510は、端末505にDRX設定と測定設定情報が含まれたRRC制御メッセージを送信し(535)、端末505は、前記メッセージに対する応答メッセージを基地局510へ送信する(540)。基地局510は、前記RRC制御メッセージに状態インジケーターを含ませることができ、この場合、端末505は、前記状態インジケーター、端末505が判定した好ましい状態などを考慮して、状態変更リクエストをトリガーすることもできる。換言すれば、端末505は、状態インジケーターが含まれたRRC制御メッセージを用いて320〜345の動作を行うことができる。
【0036】
端末505は、設定されたDRXと測定により必要な動作を行う。即ち、端末505は、測定識別子(measurement id)に関連した測定対象(measurement object)に対してDRX周期当りの少なくとも一回の測定を行って3階層フィルターリング(L3filtering)を適用して測定結果を管理する。
【0037】
一実施形態によれば、任意の時点に端末505の静止状態が変更されることができる(545)。例えば、任意の時点で端末505の静止状態は、永久静止から非静止又は確定不可能に変更されることができる。端末505の静止状態が変更されると、端末505は、新しい静止状態を含んだ制御メッセージを生成して基地局510へ送信する(550)。基地局510は、新しい端末505の状態に合わせてDRX設定や測定設定を更新し、これを端末505に指示することができる。
【0038】
バックグラウンドトラフィックだけ発生する端末505は、相当期間の間、データ送受信がなくてもRRC接続状態を維持するのがシグナリングロード軽減の観点から有利である。基地局510は、このような端末505に対してはDRX周期をできる限り長く設定して、端末505のバッテリー消耗を減らすようにする。端末505は、DRX周期ごとに一回ずつ測定を行い、前記測定結果に3階層フィルターリングを適用した値を用いて移動性に係る意思決断を下す。従って、DRX周期を長く設定すれば、前記移動性に係る端末505の意思決定速度が遅くなる結果をもたらすこととなる。
【0039】
本発明では、前記問題を解決するために以下のような方法を提示する。
● 基地局は、所定の端末に2つのDRX周期を設定する。
● 第1DRX周期は、データ送受信がなく、サービングセルのチャンネル状況も良好な場合に適用されて、端末のバッテリー消耗を最小化するためのものである。第2DRX周期は、データ送受信があったり、サービングセルのチャンネル状況が劣悪な場合に適用され、データ送受信をスムーズにしたり、移動性をより効率的にサポートしたりするためのものである。
● 第2DRX周期適用条件が充足されると、基地局は、端末に第2DRX周期を適用し、第2DRX周期適用条件が充足されなければ、基地局は、端末に第1DRX周期を適用する。端末は、DRX周期ごとに少なくとも一回ずつサービングセル及び周辺セルに対する測定を行う。
● DRX周期ごとにonDurationが発生する。端末は、前記onDurationによって特定される時区間の間PDCCHを監視する。
● 端末は、CSI/SRS送信条件が充足されるonDuration間にはCSI/SRSを送信して、CSI/SRS送信条件が充足されないonDuration間にはCSI/SRSを送信しない。
【0040】
この時、第2DRX周期適用条件は以下の通りである。
● 第1条件:スケジューリング状況に係る所定の条件が充足された状況であるか、
● 第2条件:「短いDRX周期自動変更インジケーター」が指示され、サービングセルのチャンネル状況が所定の基準よりも劣悪である。
端末505が所定の期間以内に新しいデータ送受信のためのスケジューリングコマンド(アップリンクグラント又はダウンリンクアサインメント)を受信した事があれば、前記スケジューリング状況に係る所定の条件が充足される。
【0041】
CSI/SRS送信条件は以下の通りである。
● 現在onDurationは、第1DRX周期によるonDurationであるか、
● 現在onDurationは、第2DRX周期によるonDurationであり、第2DRX周期は、第2DRX周期適用条件のうちの第1条件が充足されて適用されたものである。
従って、端末505は、以下の条件が充足されるonDurationではCSI/SRSを送信しない。
● 現在onDurationは、第2DRX周期によるonDurationであり、第2DRX周期適用条件のうちで第1条件は充足されず、第2条件は充足されて第2DRX周期が適用された。そして、現在onDuration区間が他の条件によりActive Timeに規定されない。
【0042】
前記動作を要約すると、端末505は、サービングセルのチャンネル状況が所定の基準以下になると第2DRX周期を適用してより頻繁に測定を行う。この時、基地局510は、前記端末505が2DRX周期を適用していることを分からないことがあるので、前記端末505は、前記第2DRX周期により決定されるonDurationではCSI/SRS送信資源が割り当てられてもCSI/SRS送信を行わない。
以下では、第1DRX周期は長いDRX周期(LongDRXCycle)、第2DRX周期は短いDRX周期(ShortDRXCycle)と称される。前記用語、即ち、onDuration、drxShortCycleTimer、Active Timeなどは規格36.321に説明されている。
【0043】
図6は、DRX周期変更に係る第1実施形態の全体動作を示す図面である。
図6を参照すれば、620段階で基地局1(端末の現在サービング基地局)は、端末にRRC接続再設定メッセージを送信する。前記制御メッセージには、DRX設定情報、測定設定情報などが含まれる。端末のバッテリー消耗を最小化するために第1DRX周期で非常に大きい値が設定される場合、基地局は、端末に「チャンネル状況が所定の条件を満足させれば短いDRX周期を適用する」ことを指示し、以下の2つの情報を端末に追加で提供することができる。
● 短いDRX周期自動変更インジケーター:サービングセルのチャンネル状況が以下の基準を下回れば短いDRX周期を適用することを指示する指示情報
● 短いDRX周期自動変更条件:サービングセルのRSRP又はRSRQに対する基準値である。別途の値を適用する代わりにS−Measureを用いることもできる。端末は、サービングセルのチャンネル状態が前記条件よりも劣悪になれば短いDRX周期適用を開始する。以下、TH1と表記する。
【0044】
625段階で端末は、DRXと測定などを設定してDRX動作と測定動作を行う。端末は、サービングセルのRSRPとRSRQをDRX周期ごとに少なくとも一回ずつ測定する。サービングセルのチャンネル品質がTH1よりも低い状態が一定期間以上持続すれば、端末は段階630へ進行する。サービングセルのチャンネル品質が良い状況では、適用するDRXcycleを判定することにおいてスケジューリング状況のみを考慮する。即ち、drxShortCycleTimerが実行するか否かだけを考慮して適用するDRX周期を判定する。
【0045】
630段階で端末は、スケジューリング状況による時、longDRXcycleを適用しなければならなくても、shortDRXcycleを適用する。具体的には、端末は、現在drxShortCycleTimerが実行中なのか検査し、もし、実行中であればdrxShortCycleTimerを再実行する。一方、drxShortCycleTimerが実行中でなければ、端末は、drxShortCycleTimerの実行を開始する。以後端末は、drxShortCycleTimerが満了する前にサービングセルのチャンネル状態を確認し、drxShortCycleTimerを再実行するか否かを判定する。即ち、チャンネル状況がTH1よりも悪ければ、端末は、drxShortCycleTimerが満了する前にdrxShortCycleTimerを再実行する。
【0046】
635段階で端末は、短いDRX周期を適用して測定を行う。そして、所定の条件が満足されれば、例えば周辺セルがサービングセルよりもチャンネル品質が所定のオフセットほど良い状態が所定の期間ほど持続されると、端末は、測定結果制御メッセージを生成して基地局に送信する。
640段階で基地局は、端末が報告した測定結果を参照して、基地局2が制御するセルへ端末をハンドオーバーすることに決定する。
【0047】
645段階で基地局1は、基地局2とハンドオーバー準備手続きを行う。前記手続きは、基地局1が基地局2でHANDOVER REQUESTメッセージを送信し、基地局2が基地局1でHANDOVER REQEUST ACKメッセージを送信することで構成される。
650段階で基地局1は、端末にハンドオーバーをコマンドする制御メッセージを送信する。ハンドオーバーするセルがピコセルであれば、端末がハンドオーバーを行った後の一定期間の間は測定をよく行うのが好ましい。これは、端末がピコセルをやや越えて移動してピコセルを外れる可能性があり、端末が測定をよく行わない場合、端末がピコセルを外れたことを速かに検出することができないので、接続失敗が発生することがあるからである。
【0048】
前記問題を解決するために、基地局は、端末に「ハンドオーバーが完了すればスケジューリング状況と関係なく短いDRX周期を適用する」ことを指示することができる。このような指示は例えば、「短いDRX周期自動変更インジケーター2」のような制御情報を前記メッセージに含ませることで実現することができる。換言すれば、端末は、ハンドオーバーを指示する制御メッセージを介して前記インジケーターを受信すれば、ターゲットセルで移動した後の所定の期間、又は所定の条件が充足されるまで、正常的な周期よりも短い周期で測定を行う。
前記所定の条件は、例えば新しいターゲットセルのチャンネル状況が所定の基準よりも良い場合とすることができる。前記所定の基準は、TH1とは異なる基準である。
【0049】
ハンドオーバーを指示する制御メッセージは、mobilityControlInfo(ターゲットセルに係る情報)を含んだRRC接続再構成メッセージ(RRCConnectionReconfiguration)である。
655段階で端末は、基地局2が制御するターゲットセルのダウンリンク動機を獲得した後のランダムアクセス過程を開始する。端末はターゲットセルでランダムアクセスプリアンブルを送信してランダムアクセス応答メッセージを受信するまで待機する。
660段階で端末は、基地局からランダムアクセス応答メッセージを受信してランダムアクセス過程が成功的に完了すれば、665段階へ進行して直ちにdrxShortCycleTimerを実行して短いDRX周期を適用する。
【0050】
図7は、DRX周期変更に係る第1実施例の端末動作を示す図面である。
705段階で端末は、基地局から短いDRX周期自動変更インジケーター及びその他の設定情報が含まれたRRC制御メッセージを受信する。端末は、DRX設定に合わせてDRX周期ごとに少なくとも一回は測定を行って、Active Timeの間にダウンリンク制御チャンネルを監視するなどの動作を行う。
710段階で端末は、前記DRX周期ごとに少なくとも一回ずつ行った測定結果に対して3階層フィルターリングを適用したサービングセルのチャンネル品質測定値(F
n)をTH1と比べる。F
nは、n番目の測定結果が反映されたもので、測定係数(filtering coefficient)、n−1番目の測定結果値であるF
n−1、現在測定結果値などが所定の数式に入力されて算出される。詳しい内容は規格36.331に記述されている。もし、サービングセルのF
nが前記TH1よりも良ければ、端末は715段階へ進行する。F
nが前記TH1よりも悪ければ、端末は725段階へ進行する。
【0051】
715段階で端末は、短いDRX周期を適用するか否かを決定することにおいて、チャンネル状態は考慮せず、スケジューリング状況だけを考慮する。要するに、所定の時間内に新しい送信を指示するスケジューリングコマンドを受信すれば、又は新しい送信を指示するスケジューリングコマンドと連係されて実行されるタイマーが満了すれば、端末は、短いDRX周期の適用を開始する。
720段階で端末は、onDurationでCSI/SRS送信するか否かを決定することにおいて、すべてのonDurationへCSI/SRSを送信する。例えば、端末は、onDurationTimerが長いDRX周期により開始されたか、短いDRX周期により開始されたのかを考慮せず、onDurationTimerの実行が開始されて実行される間にはCSI/SRSを送信する。
【0052】
725段階で端末は、短いDRX周期適用するか否かを決定することにおいて、チャンネル状況を考慮する。要するに、F
nがTH1よりも悪い場合には、端末は、短いDRX周期がスケジューリングされなくても短いDRX周期を適用する。
730段階で端末は、onDurationのうちでCSI/SRS送信するか否かを決定することにおいて、長いDRX周期により開始されたonDurationに対してだけCSI/SRSを送信する。要するに、端末は、下記の数式1が成立するサブフレームでonDurationTimerが開始された場合にだけ、前記onDurationTimerが実行される間のCSI/SRSを送信する。
【0054】
端末は、短いDRX周期により開始されたonDurationでは、所定の条件が成立する場合にだけCSI/SRSを送信する。要するに、下記の数式2が成立するサブフレームでonDurationが開始されると、端末は、所定の条件が満足されればCSI/SRSを送信し、そうではなければCSI/SRSを送信しない。ここで、所定の条件とは、例えば、前記onDurationが他の理由でActive Timeに属したり、前記onDurationが短いDRX周期だけではなく長いDRX周期によっても開始されたりした場合(即ち、数式1と数式2を同時に満足させるサブフレームでonDurationが開始された場合)とすることができる。
【0056】
第2実施形態
一般的に、無線網の初期構築の時又は網最適化の時、基地局又は基地局制御局は、自身のセルカバレージに対する無線環境情報を収集しなければならず、ドライブテスト(Drive Test)を介して前記情報を収集する。既存のドライブテストは、主に測定者が自動車に測定装備を搭載して、反復的な測定業務を長期間行わなければならない煩わしさがあった。前記測定された結果は、分析過程を経て各基地局又は基地局制御局のシステムパラメーター(Parameter)群を設定するのに用いられる。このようなドライブテストは、無線網の最適化費用及び運営費用を増加させる。ドライブテスト(Drive Test)を最小化し、無線環境に対する分析過程及び受動設定を改善させるための研究がMDT(Minimization of Drive Test)という名称で進行されている。このために、ドライブテストの代りに、端末機は、無線チャンネル測定をしている途中周期的に又は特定イベント(event)が発生する時、当該無線チャンネル測定情報を基地局に直ちに伝達したり、又は無線チャンネル測定情報記憶後の一定時間経過後に基地局に伝達したりする。以下では、端末機が測定した無線チャンネル測定情報及びその他の付加情報を基地局に送信する動作をMDT測定情報報告であると称する。この場合、端末は、基地局と通信ができれば前記チャンネル測定結果を直ちに基地局に送信し、又は直ちに報告が不可能な場合、これを記録しているので、以後、通信が可能になれば基地局に記録したMDT測定情報を報告する。それにより、基地局は、端末から受信したMDT測定情報をセル領域の最適化のために用いる。
【0057】
図8はMDTについて説明するための図面である。
既存のドライブテスト800は、車両に測定装備を搭載して、音域地域を探してサービス領域を回って信号状態を測定する。MDTでは、端末820がこれを代わりに行って、NMS805でMDT遂行を指示することができる。この時、MNS805は、必要な設定情報をEM810に提供する。EM810では、MDT設定を構成し、基地局815に伝達する。基地局815は、825段階で端末820にMDT設定を送り、MDTを指示する。
【0058】
端末820は、MDT測定情報を収集する。MDT測定情報には、信号測定情報だけではなく、位置及び時間情報も含むことができる。このように収集された情報は、830段階で基地局115に報告される。基地局815は、収集された情報をTCE835に伝達する。TCE835は、MDT測定情報を収集するサーバーである。
MDTを介して有用な情報を提供しようとすれば、MDT測定情報に当該測定が行われた位置に係る情報を含ませるのが好ましい。端末820にGPS位置情報があれば、位置に係る情報としてGPS情報を利用することができるが、GPSは室内では活用が不可能であるという限界がある。本発明では、GPS位置情報が使用可能でない場合、WLANを用いて端末820の位置を推定し、推定された位置情報をMDT測定結果に含ませる方法を提示する。
【0059】
図9は、WLAN情報に係るMDTを説明するための図面である。
905段階でMDTサーバーは、ENBにMDTを設定する。910段階でENBは、MDTを行う端末を選択する。ENBは、端末のバッテリー残量、GPS実行であるか否か、WLAN実行するか否かなどを考慮して、MDT遂行に同意した端末のうちの1つを選択する。
【0060】
915段階でENBは、前記選択された端末にMDT測定を設定する。MDT測定設定情報には以下のようなものがあり得る。
● absoluteTimeInfo:MDT測定に係る時間、例えばMDT測定を行う時間などを決定するための情報である。
● areaConfiguration:MDT測定を行う地域を特定する情報である。
● loggingDuration:MDT測定を行う期間を特定する情報である。
● loggingInterval:MDT測定を行う周期を特定する情報である。
● wlanInfo:MDT測定時、共に測定するWLAN関連情報である。具体的には、以下の情報を含む。
○ SSID(Service Set Identification)又はESSID(Extended Service Set Identification)
○ WLANchannel関連情報(周波数帯域、チャンネル番号など)
端末は、前記設定情報を記憶してRRC接続がリリースされるまで待機する。
【0061】
920段階で基地局は、端末にRRC接続を解除することを指示する。
925段階で端末は、RRC接続を解除してアイドル状態に遷移してMDT測定を行う。より具体的には、端末はloggingIntervalで指示された周期により現在サービングセル及び周辺セルに対する測定を行って、前記測定された値を記憶する。端末は、さらに当該時点にGPS/GNSSで獲得した有効な位置情報が存在すれば、前記位置情報を共に記憶する。端末は、当該時点にGPS/GNSSで獲得した有効な速度情報が存在すれば、前記速度情報を共に記憶する。有効な情報が存在するということは、所定の期間以内に獲得した情報があるということを意味する。有効な位置情報が存在しない場合、端末は、MDT設定情報にwlanInfoが含まれていたのかを検査し、含まれていると、以下のような動作を行う。
【0062】
先ず、端末は、最近のロギング時点(logging occasion、端末がMDT測定を行って関連する情報を記憶することをロギングを行うと表現する)以後、獲得した有効なWLAN位置情報があるのか検査する。有効なWLAN位置情報とは、最近所定の期間内に測定した情報中で、wlanInfoで指示を受けたSSID(又は、ESSID)に係るWLAN測定情報を意味する。
前記WLAN測定情報とは、前記SSID又はESSIDを有するAP(Access Point)のうち、受信信号強度が一定基準以上のAPのMAC住所(又は、BSSID、Basic Service Set Identification)、前記APの受信信号強度情報、及び前記APのWLANチャンネル情報などであることができる。
【0063】
換言すれば、端末は、任意の理由でWLANに接続したりWLANをスキャンしたりする時、測定されたWLANAPのSSID又はESSIDが所定のSSID又はESSIDであれば、関連するAPの住所、受信信号強度、WLANチャンネル情報などを少なくとも所定の期間の間、記憶する。そして、前記記憶された情報を所定の条件が充足されると、MDT測定結果と関連付けて記憶し、所定の条件が充足されなければ廃棄する。端末は、任意のロギング時点にMDT測定結果と連係する有効なGPS/GNSS位置情報が存在しないが、有効なWLAN測定情報は存在する場合に、前記条件が充足されたと判定する。
【0064】
930段階で端末は、RRC接続状態に遷移する。より具体的には、端末は、現在サービングセルでRRC接続設定過程を行う。端末は、前記RRC接続設定過程で、現在RRC接続を設定するPLMNが、MDT測定結果を収集したPLMNと同一のPLMNであれば、MDT測定結果が存在するということを基地局に報告する。具体的には、端末は、RRC接続設定完了(RRC connection setup complete)メッセージにlogMeasAvailableビットを含ませる。
935段階で基地局は、端末にMDT測定結果を報告せよという制御メッセージを送信する。具体的には、基地局は、端末にlogMeasReportReqが含まれたUEInformationRequestを送信する。
【0065】
940段階で端末は、基地局にMDT測定結果が含まれた制御メッセージを送信する。具体的には、端末は、基地局にlogMeasReportが含まれたUEInformationResponseを送信する。logMeasReportには以下のような情報が含まれる。
● absoluteTimeStamp:MDT測定に係る基準時間情報である。ロギングされたMDT測定結果には、前記基準時間情報からいくら時間が経過した後のMDT測定が遂行されたのかを示す情報が共に含まれる。
● logMeasInfoList:ロギング時点ごとに遂行されたMDT測定結果情報が含まれる。前記情報には、サービングセル信号強度情報、周辺セル信号強度情報などが含まれる。ロギング時点別に測定結果情報が含まれるので、logMeasInfoListには、多数のMDT測定結果の情報が含まれる。
● WLANmeasured result:ロギング時点に係るWLAN測定結果情報である。1つのMDT測定結果と一対一で関連付けることができ、基地局又はMDTサーバーは、WLAN測定結果情報に関連付けられたMDT測定結果の位置情報を推算することができる。より具体的には、前記WLAN測定結果は、所定のSSID又はESSIDのAPに係ることである。当該事業者が設置したAPの場合、事業者は、APの実質的な位置を認知しており、APのBSSIDと信号強度に基づいて、比較的精緻に位置を推定することができる。
945段階で基地局は、適切な時点に、又はMDTserverがリクエストする場合、MDT serverでMDT測定結果を送信する。
【0066】
第3実施形態
以下では、本発明の第3実施形態でCoMP(Coordinated Multipoint transmission and reception)が設定された時の端末がアップリンク送信出力を設定する方法及び装置を提示する。
CoMPとは、端末がいくつかのノードから信号を送受信する技法である。前記ノードは、TP(Transmission Point)とも称され、TPは、CSI−RS(Channel State Information Reference Signal、規格36.211、36.212、36.213参照)リソースによって識別される。
【0067】
通常、TPは端末と近いところに位置するので、アップリンクデータの送信出力を前記近いTPが受信することができるように設定すると、相当なバッテリー節約効果を得ることができる。本発明では、基地局の指示と端末の自主的な判定により端末の送信出力を適切な水準で維持する方法及び装置を提示する。
より具体的には、本発明の実施形態では、端末は、アップリンク送信出力を設定するにおいて第1方式又は第2方式を用いる。第1方式は、サービングセルのCRS(Cell Reference Signal、規格36.211、36.212、36.213参照)の経路損失を反映してアップリンク送信出力を決定する方式である。第2方式は、所定の条件を満足するTPのCSI−RS経路損失を反映してアップリンク送信出力を決定する方式である。前記所定の条件には以下のようなものがあり得る。
【0068】
[経路損失基準CSI−RSリソース決定条件1]
CoMP測定セットに属するCSI−RS resourceの経路損失のうちで最も小さい経路損失を基準にアップリンク送信出力を決定する。
[経路損失基準CSI−RSリソース決定条件2]
CoMP測定セットに属するCSI−RS resourceの経路損失のうちで最も高い経路損失を基準にアップリンク送信出力を決定する。
[経路損失基準CSI−RSリソース決定条件3]
CoMP測定セットに属するCSI−RS resourceの経路損失の平均値を基準にアップリンク送信出力を決定する。
[経路損失基準CSI−RSリソース決定条件4]
CoMP測定セット設定過程で明示的に指示されたCSI−RS resourceの経路損失を基準にアップリンク送信出力を決定する。
前記CoMP測定セットとは、設定されたCSI−RSリソースの集合であり(前述したようにCSI−RSリソースはTPと対応されることができる)、CSI−RS resource識別子により特定される。
【0069】
図10は、CoMP測定セットが設定された時の端末のアップリンク送信出力を決定する全体動作を示す図面である。
図10の実施形態では、端末は、任意のサービングセルとRRC接続を設定し、前記サービングセル領域には、例えば、TP#0(1015)、TP#1(1020)、TP#2(1025)、TP#3(1030)が設置されている。
【0070】
1035段階で基地局1010は、端末にCoMP管理セット(CoMP resource management set)設定のための制御メッセージを送信する。
CoMP管理セットとは、CoMP測定セットを管理するために端末が周期的に測定を行うCSI−RSリソースの集合である。前記制御メッセージには、measConfigのような情報が含まれる。CSI−RSリソースは、1つの測定対象(measurement object)に設定されて、それぞれのCSI−RSリソースは、CSI−RSリソース識別子により特定される。CSI−RSリソースに対しては、周期的な測定が行われて、所定の条件が成立されると測定結果報告制御メッセージが生成される。
【0071】
前記所定の条件は、例えば少なくとも1つのCSI−RSリソースの受信信号強度に対する測定結果が所定の基準以上の状態が所定の基準期間以上持続する場合とすることができる。或いは、前記所定の条件は、少なくとも1つのCSI−RSリソースの経路損失に対する測定結果が所定の基準以上の状態が所定の基準期間以上持続する場合とすることができる。
【0072】
前記制御メッセージには、前記測定対象に関連してCSI−RS設定情報が共に含まれて、CSI−RS設定情報には、少なくとも1つ以上のCSI−RSリソース情報が含まれる。CSI−RSリソース情報は、以下のような下位情報から構成される。
● CSI−RSリソース識別子:0から31の間の定数である。CSI−RSリソースを特定する。
● アンテナフォト個数:前記CSI−RSリソースの送受信に用いられたアンテナフォトの個数である。
● リソース設定情報:CSI−RSシグナルの個数に係る情報である。規格36.211 table 6.10.5.2−1及び6.10.5.2−2を参照されたい。
● サブフレーム設定情報:CSI−RSシグナルが送信されるサブフレームのパターンに係る情報である。規格36.211 table 6.10.5.3−1を参照されたい。
● CSI−RSリソース送信出力情報:経路損失測定のための情報である。CSI−RSリソース別に送信出力を指示することでいくつかのアンテナが用いられる場合(即ち、アンテナフォトが1個以上の場合)、アンテナの送信出力の和である。
【0073】
以下、説明の便宜のために、CSI−RS#nは、識別子がnであるCSI−RSリソースを意味すると定義する。
端末は、CSI−RSリソースに対する測定を指示する制御メッセージを受信すれば、前記CSI-RSに対する所定の測定、例えば受信信号強度(RSRP、Reference Signal Received Power)又は経路損失測定を行う(1040)。
端末は、前記測定値に対して3階層フィルターリングを適用して、フィルターリングを経た結果が所定の条件を満足させるのか検査する。前記条件は、例えばRSRPが所定の基準値を超過する状況が所定の期間以上持続したり、CSI−RSリソース管理セットに属するCSI−RSリソースのうちで測定値が最も良いCSI−RSリソースよりも所定のオフセット位測定値がより良い又はより悪いCSI−RSリソースが発生したりすることなどとすることができる。
【0074】
measConfigでs−Measureが設定された場合、端末は、測定対象がE−UTRA周波数なのか、CSI−RSresourceなのかに応じて、s−Measureを差別的に適用する。より具体的には、任意の測定対象に対する測定を行うか否かを決定するとき、前記測定対象がE-UTRA周波数であれば、端末は、サービングセルのチャンネル品質がs−Measureよりも悪い場合にだけ測定を行うように決定するが、測定対象がCSI−RSリソースであれば、端末は、サービングセルのチャンネル品質がs−Measurementよりも良い場合にも測定を行うように決定される。
【0075】
1045段階でCOMPリソース管理セットに属するCSI−RSリソースのうちで少なくとも1つが所定の条件を満足すれば、端末は、測定結果報告を生成して基地局に送信する。前記測定の結果、制御メッセージには、測定結果報告をトリガーしたCSI−RSリソースの識別子と3階層フィルターリングされた測定結果が含まれる。
1050段階で基地局は、端末にCOMP測定セットを設定するか否かを決定する。少なくとも1つのCSI−RSリソースに対する測定結果が所定の基準を充足されると、基地局は、COMP測定セットを設定することに決定することができる。基地局は、COMP測定セットに係る制御情報を含んだRRC制御メッセージを生成して端末に送信する(1055)。前記制御メッセージには以下の情報が含まれる。
【0076】
● COMP測定セットに属するCSI−RSリソースの識別子
● CSI−RSresource別にCSIを報告するリソースに係る情報
● アップリンク送信出力設定方式に方式2を適用するか否かを指示する情報
● アップリンク送信出力設定方式に方式2を適用する場合、あるCSI−RSリソースの経路損失を利用するか指示する情報:例えば、以下のような情報を含むことができる。
○ 経路損失基準に利用されるCSI−RSリソースの識別子、又は
○ 経路損失基準に利用されるCSI−RSリソース選択規則
-CoMPセットのうちの経路損失が最も小さい(又は、RSRPが最も高い)CSI−RSリソースを選択
- CoMPセットのうちの経路損失が最大の(又は、RSRPが最も低い)CSI−RSリソースを選択
- CoMPセットに属するCSI−RSresourceの経路損失平均値
- 前記CoMPセットは、CoMP測定セットとCoMP管理セットとのうちの1つを意味する。
● アップリンク送信出力設定方式に方式2を適用する時に必要なその他の情報
○ PO
_PUSCH_2:PO
_PUSCHとは他の値である。具体的には、PO
_PUSCHが2つの独立的なパラメーターの和に算出される一方、PO
_PUSCH_2は1つのパラメーターで直接シグナリングされる。
○ referenceSignalPower2:経路損失基準CSI−RSリソースのダウンリンク送信出力で経路損失計算に用いられる。
【0077】
端末は、前記制御メッセージを受信した時点を基準にアップリンク送信出力設定方式を方式1から方式2に変更する。
端末は、CSI−RS測定セットに指定されたCSI−RSリソースに対する測定結果をPUCCHの指定されたリソースを介して送信し始める。前記PUCCH送信出力は方式2で決定される。前記測定結果には3階層フィルターリングが適用されない。
1070段階で端末は、基地局の指示に応じて経路損失基準CSI−RSリソースを決定する。
1075段階で端末は、PHR(Power Headroom Report)をトリガーする。
【0078】
PHRは、端末の使用可能な送信出力に対する情報を含んだMAC階層制御メッセージであり、所定の条件が充足されるとトリガーされる。本発明で端末は、送信出力決定方式が方式1から方式2に変更されたり、方式2から方式1に変更されると(換言すれば経路損失測定対象がサービングセルのCRSで所定のTPのCSI−RSリソースに変更されたりその反対の場合になると)、PHR送信禁止タイマー(prohibitPHR−Timer)が実行中であってもPHRをトリガーする(1075)。また、端末は、新しい送信のためのアップリンクグラントを受信すると、PHRを生成して送信する(1080)。
前記PHRには、最大送信出力と要求されるアップリンク送信出力との間の差異値が含まれる。前記状況でPHRをトリガーする理由は、経路損失測定対象が変更されることによって経路損失が著しく変わった可能性が高いからである。
以後、端末は、方式2を適用してアップリンク送信出力を決定してPUCCHとPUSCH送信を行う(1085)。
【0079】
場合によって、基地局が端末に送信出力決定方式を方式1に変更することを指示する前に、端末がCOMP測定セットの領域を外れることもある。この場合、アップリンク送信出力が過度に設定されてアップリンクデータ送信が非効率的になることがある。このような状況が発生すれば、端末は、自主的に送信出力決定方式を方式1にフォールバック(fall back)する。端末は、所定のフォールバック条件を認知し、送信出力決定方式に方式2を適用している間には、前記条件を充足するか否かを持続的に監視する。フォールバック条件は、例えば、以下のようなものがあり得る。
● サービングセルCRSの経路損失が経路損失基準CSI−RSリソースの経路損失よりも小さくなる。
● 最近n回のアップリンクHARQ送信が連続的に失敗した(即ち、n回連続でHARQ NACKを受信した)。
● 最近m回のうちでk回のMAC PDU送信が失敗した(即ち、最近送信したm個のMAC PDUのうちでk個のMAC PDUの送信が失敗であった)。
【0080】
任意の時点にフォールバック条件が成立すれば(1090)、端末は、送信出力決定方式を方式1に変更してフォールバック報告制御メッセージを生成する(1097)。そして、端末は、前記フォールバック報告制御メッセージを基地局で送信する(1098)。フォールバック報告制御メッセージには以下の情報が含まれる。
● フォールバック理由:例えば、フォールバック条件1が充足されたからか、フォールバック条件2が充足されたからかなどを示すことができる。
● CoMP測定セットのCSI−RSリソースのRSRP又は経路損失測定結果:前記測定結果は、3階層フィルターリングが適用されたものである。
【0081】
以下では、アップリンク送信出力を決定する方式1について説明する。
方式1で、端末は、アップリンク送信出力を決定することにおいて、以下のような要素を考慮する。
● 最大送信出力:サービングセル別に決定される、端末が用いることができる最大送信出力である。端末の物理的な特性とサービングセルの状況により決定される値である。
● 要求送信出力:端末がアップリンク送信を行うことにおいて必要な送信出力である。以下の要素らにより決定される。
【0082】
○ 送信フォーマット:適用されたチャンネルコーディング及び変調方式である。PUSCH送信出力決定にだけ該当する。
○ PUCCHフォーマット:PUCCHの種類及びフォーマットである。HARQフィードバック、CSIなど制御情報の種類により他の値が適用される。PUCCH送信出力決定にだけ該当する。
○ 送信帯域幅:PRB(Physical Resource Block)の個数である。PUSCH送信出力決定にだけ該当する。
○ 経路損失基準CSI−RSリソースのCSI−RS経路損失
○ 方式1が適用される間の送信出力制御コマンド(Transmission Power Control command)累積値:TPCは、スケジューリングコマンド(アップリンクグラント又はダウンリンクアサインメント)を介して提供される値で、例えば、1dB増加、1dB減少などを指示することができる。端末は、方式1から方式2に変更されると0に初期化する。サービングセルでランダムアクセスを行うと0に初期化される。
○ オフセット:方式2への変更を指示する制御メッセージで別に指示されるオフセット3である。
端末は、前記要素を所定の数式に代入して要求送信出力を計算し、要求送信出力と最大送信出力とのうちでより低い値を送信出力に決定する。
【0083】
以下では、アップリンク送信出力を決定する方式2について説明する。
方式2で端末はアップリンク送信出力を決定することにおいて、以下のような要素を考慮する。
● 最大送信出力:サービングセル別で決定される端末が用いることができる最大送信出力である。端末の物理的な特性とサービングセルの状況により決定される値である。前記最大送信出力は、方式1で用いたものと同一の値である。
● 要求送信出力:端末がアップリンク送信を行うことにおいて必要な送信出力である。以下の要素により決定される。
【0084】
○ 送信フォーマット:適用されたチャンネルコーディング及び変調方式である。PUSCH送信出力決定にだけ該当する。方式1で用いたものと同一のものである。
○ PUCCHフォーマット:PUCCHの種類及びフォーマットである。HARQフィードバック、CSIなど制御情報の種類により他の値が適用される。PUCCH送信出力決定にだけ該当する。方式1で用いたものと同一のものである。
○ 送信帯域幅:PRB(Physical Resource Block)の個数である。PUSCH送信出力決定にだけ該当する。方式1で用いたものと同一のものである。
○ サービングセルCRSの経路損失
○ 方式2が適用される間の送信出力制御コマンド(Transmission Power Control command)累積値:TPCは、スケジューリングコマンド(アップリンクグラント又はダウンリンクアサインメント)を介して提供される値であり、例えば、1dB増加、1dB減少などを指示することができる。
○ オフセット:当該サービングセルのシステム情報で提供されるオフセット1と所定の制御メッセージを介して提供されるオフセット2の和である。
端末は、前記要素を所定の数式に代入して要求送信出力を計算し、要求送信出力と最大送信出力とのうちの最小値を送信出力に決定する。
【0085】
図11は、アップリンク送信出力を決定する端末動作の第1実施形態を示す図面である。
図11の実施形態では、アップリンク送信出力を方式1から方式2に変更する端末動作を示した。
【0086】
方式1を適用してアップリンク送信出力を決定する端末は、1105段階で任意のRRC制御メッセージを受信する。1110段階で、端末は、前記制御メッセージに方式2の適用を指示する情報が含まれているのかを検査する。制御メッセージに方式2に係る制御情報が含まれていれば、端末は、方式2の適用が指示されたことと判定する。制御メッセージに方式2の適用を指示する情報が含まれていなければ、端末は1115段階へ進行し、制御メッセージに方式2の適用を指示する情報が含まれていれば、端末は1120段階へ進行する。
【0087】
1115段階で、端末は、アップリンク送信出力決定に方式1を継続適用する。
1120段階で、端末は、現在進行中のPUSCH送信が全て完了するまで、即ち、現在アップリンク送信が進行中のすべてのHARQprocessのCURRENT_TX_NB(規格36.321参照)が所定の基準値になるまで待機した後、現在TCP累積値を記憶したTCP累積値を0に初期化する。前記記憶したTCP累積値は、今後のアップリンク送信出力決定を方式1に変更する時、さらに適用される。1125段階で、端末は、アップリンク送信出力決定方式を方式2に変更する。
【0088】
図12は、アップリンク送信出力を決定する端末動作の第2実施形態を示す図面である。
図12の実施形態では、アップリンク送信出力を方式2から方式1に変更する端末動作を示した。
【0089】
方式2を適用してアップリンク送信出力を決定する端末は、1205段階で任意のRRC制御メッセージを受信する。
1210段階で、端末は、前記制御メッセージにCOMP測定セットを全て解除せよというコマンド、即ち、CSI−RSリソースに対する測定結果報告のためのPUCCHリソースを全て解除するというコマンドが含まれているのかを検査する。制御メッセージに解除コマンドが含まれている場合、端末は1220段階へ進行し、解除コマンドが含まれていない場合、端末は1215段階へ進行する。
【0090】
1215段階へ進行した端末は、アップリンク送信出力決定に方式2を継続適用する。
1220段階で、端末は、現在進行中のPUSCH送信が全て完了するまで、即ち現在アップリンク送信が進行中のすべてのHARQ processの CURRENT_TX_NB(規格36.321参照)が所定の基準値になるまで待機する。以後、方式1を用いた直前のサービングセルが現在サービングセルであれば(即ち、方式1へ復帰する間のハンドオーバーが発生しなかったら)端末は、TCP累積値を直前方式1で適用したTPC累積値に初期化する。1225段階で、端末は、アップリンク送信出力決定方式を方式1に変更する。
【0091】
図13は、アップリンク送信出力を決める端末動作の第3実施形態を示した図面である。
図13の実施形態では、PUCCH送信に対しては方式1を適用し、PUSCH送信に対しては方式2を適用する端末動作を説明する。
【0092】
1305段階で、端末は、近い未来にアップリンク送信が必要であるということを認知する。例えば、端末は、アップリンクグラントを受信した場合、アップリンクグラントが設定された場合、近くの時点にHARQ再送信が必要な場合、近くの時点にPUCCH送信が必要な場合、又はPUSCH送信が必要な場合に、アップリンク送信が必要であることを認知する。1310段階で、端末は、アップリンク送信出力決定方式を判定する。アップリンク送信出力決定に方式1が適用されている場合、端末は1315段階へ進行し、方式2が適用されている場合、端末は1320段階へ進行する。
【0093】
1315段階へ進行した端末は、サービングセルCRSの経路損失を利用してアップリンク送信出力を決定する。
1320段階で、端末は、アップリンク送信がPUCCH送信であるのか、PUSCH送信であるのか、SRS送信であるのかを判定する。アップリンク送信がPUCCH送信であれば、端末は1315段階へ進行し、PUSCH送信又はSRS送信であれば、1325段階へ進行する。
1325段階で、端末は、所定の規則により決定されたCSI−RSリソースの経路損失などを用いてアップリンク送信出力を決定する。
【0094】
図14は、端末装置を示す図面である。
端末装置は、多重化及び逆多重化部1415と、制御メッセージ処理部1430と、各種上位階層処理部1420,1425とを含む。
前記送受信部1405は、サービングセルのダウンリンクチャンネルでデータ及び所定の制御信号を受信し、アップリンクチャンネルでデータ及び所定の制御信号を送信する。多数のサービングセルが設定された場合、送受信部1405は、前記多数のサービングセルを介するデータ送受信及び制御信号の送受信を行う。
【0095】
多重化及び逆多重化部1415は、上位階層処理部1420,1425や制御メッセージ処理部1430で発生したデータを多重化したり、送受信部1405で受信したデータを逆多重化して適切な上位階層処理部1420,1425や制御メッセージ処理部1430に伝達したりする役目をする。
制御メッセージ処理部1430は、RRC階層装置で基地局から受信した制御メッセージを処理して必要な動作を取る。例えば、RRC制御メッセージを受信してCOMP測定セット関連情報などを制御部に伝達する。
【0096】
上位階層処理部1420,1425は、サービス別に構成されることができる。FTP(File Transfer Protocol)やVoIP(Voice over Internet Protocol)などのようなユーザサービスで発生するデータを処理して多重化及び逆多重化部1415に伝達したり、前記多重化及び逆多重化部1415から伝達されたデータを処理して上位階層のサービスアプリケーションに伝達したりする。
【0097】
制御部1410は、送受信部1405を介して受信したスケジューリングコマンド、例えばアップリンクグラントを確認して適切な時点に適切な送信資源でアップリンク送信が行われるように送受信部1405と多重化及び逆多重化部1415を制御する。また、制御部1410は、状態変更指示に係る諸般手続き、静止情報に係る諸般手続き、DRX変更に係る諸般手続き、MDTに係る諸般手続き、CoMPに係る諸般などを統括する。
【0098】
図15は、基地局装置を示す図面である。
基地局装置は、送受信部1505と、制御部1510と、多重化及び逆多重化部1520と、制御メッセージ処理部1535と、各種上位階層処理部1525,1530と、スケジューラー1515とを含む。
送受信部1505は、ダウンリンクキャリアでデータ及び所定の制御信号を送信し、アップリンクキャリアでデータ及び所定の制御信号を受信する。多数のキャリアが設定された場合、送受信部1505は、前記多数のキャリアでデータ送受信及び制御信号送受信を行う。
【0099】
多重化及び逆多重化部1520は、上位階層処理部1525,1530や制御メッセージ処理部1535で発生したデータを多重化したり、送受信部1505で受信したデータを逆多重化して適切な上位階層処理部1525,1530や制御メッセージ処理部1535、又は制御部1510に伝達したりする役目をする。
制御メッセージ処理部1535は、端末が送信した制御メッセージを処理して必要な動作を取ったり、端末に伝達する制御メッセージを生成して下位階層に伝達したりする。
【0100】
上位階層処理部1525,1530は、ベアラー別に構成されることができ、S−GW又は他の基地局で伝達したデータをRLC PDUで構成して多重化及び逆多重化部1520に伝達したり、多重化及び逆多重化部1520から伝達されたRLC PDUをPDCP SDUから構成してS−GW又は他の基地局に伝達したりする。
【0101】
スケジューラー1515は、端末のバッファー状態、チャンネル状態などを考慮して端末に適切な時点に送信資源を割り当てて、送受信部1505に端末が送信した信号を処理するようにしたり、端末に信号を送信したりする。
制御部1510は、状態変更指示に係る諸般手続き、静止情報に係る諸般手続き、DRX変更に係る諸般手続き、MDTに係る諸般手続き、CoMPに係る諸般などを統括する。