(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
異なる発光色のLED(1)と、各LED(1)の発光強度を制御する制御回路(2)と、前記制御回路(2)に接続されて、各LED(1)の発光色が混合されたトータル発光色を入力する入力装置(3)とを備え、
前記入力装置(3)が、色度図(13)をカラーで表示してなるカラー表示部(8)と、前記カラー表示部(8)に表示してなる色度図(13)のカラーポイント(P)を指定するカラーポイント指示具(9)と、前記カラーポイント指示具(9)で指示されたカラーポイント(P)の座標値を検出して前記制御回路(2)に出力する出力回路(10)とを備え、
前記LED(1)は、赤色LEDと緑色LEDと青色LEDとを備え、
前記制御回路(2)は、前記LED(1)のピーク波長における最大出力を制限するリミッター信号を出力するリミッター回路(5)と、前記入力装置(3)から入力される座標値に加えて、前記リミッター回路(5)から出力されるリミッター信号から各LED(1)の発光出力を演算する演算回路(4)とを備え、
前記制御回路(2)は、特定のLED(1)の発光ピークの最大出力を制限する状態においては、トータル発光色を指定されるカラーポイントから多少ずれた発光色に調整するリミッター信号を前記リミッター回路(5)に記憶しており、
前記制御回路(2)が、特定のLED(1)の発光ピークの最大出力を制限する状態においては、前記入力装置(3)から入力される座標値と、前記リミッター回路(5)から入力されるリミッター信号とで各LED(1)の発光出力を制御して、各LED(1)のトータル発光色を、前記入力装置(3)のカラーポイント指示具(9)で指示されるカラーポイント(P)からずれた発光色とするようにしてなる照明装置。
前記入力装置(3)が用途を指定する用途入力器(7)を備え、前記リミッター回路(5)が、前記用途入力器(7)から入力される用途に対応する各LED(1)のリミッター信号を記憶しており、
前記用途入力器(7)で入力される用途において、前記リミッター回路(5)に記憶されるリミッター信号で各LED(1)の発光出力を制御する請求項1に記載される照明装置。
前記入力装置(3)が前記LED(1)のトータル発光強度を入力する発光出力入力器(12)を備え、前記発光出力入力器(12)から入力される発光出力信号と、前記入力装置(3)から入力されるx値及びy値と、前記リミッター回路(5)から入力されるリミッター信号とで各LED(1)の発光出力を制御する請求項1又は2に記載される照明装置。
前記LED(1)のトータル発光色を検出する光出力検出回路(14)を備え、前記制御回路(2)が前記光出力検出回路(14)で検出されるトータル発光色を前記入力装置(3)から入力されるカラーポイントに比較して、前記LED(1)のトータル発光色を前記入力装置(3)から入力されるカラーポイントに補正するフィードバック回路を備える請求項1ないし3のいずれかに記載される照明装置。
前記カラーポイント指示具(9)が、前記カラー表示部(8)の指定領域の赤成分(R)と緑成分(G)と青成分(B)を検出するフォトセンサを備え、前記フォトセンサで検出する赤成分(R)と緑成分(G)と青成分(B)を座標値として制御回路に出力する請求項1ないし4のいずれかに記載される照明装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数のLEDの発光出力をコントロールしてトータル発光色をコントロールする照明装置は、トータル発光色を特定するために、色度座標のx値やy値を入力する必要があるので、全てのユーザーが簡単に特定の発光色に調整するのが難しい欠点がある。それは、特定の発光色を入力するために、色度座標を参考にしてx値とy値を求め、このx値とy値を入力するからである。
【0006】
本発明の第1の目的は、以上の欠点を解決すること、すなわち、全てのユーザーが簡単かつ容易に、しかも確実に特定の発光色にコントロールできる照明装置を提供することにある。
【0007】
照明装置の発光色は、色度座標のx値とy値等の座標値を特定して調整できる。ただ、発光色を調整するために、各LEDの発光出力を制御すると、何れかのLEDのピーク出力が大きくなって、ユーザーの目や脳に与える刺激が強くなって種々の弊害を与えることがある。この状態において、ユーザーは、トータル発光色として認識するので、目や脳の傷害を認識できない弊害がある。
【0008】
本発明の第2の目的は、以上の欠点、すなわち、ユーザーの目や脳に与える悪影響を防止しながら特定の発光色にコントロールできる照明装置を提供することにある。
【0009】
本発明の照明装置は、異なる発光色のLED1と、各LED1の発光強度を制御する制御回路2と、この制御回路2に接続されて、各LED1の発光色が混合されたトータル発光色を入力する入力装置3とを備える。入力装置3は、色度
図13をカラーで表示してなるカラー表示部8と、このカラー表示部8に表示される色度
図13のカラーポイントPを指定するカラーポイント指示具9と、このカラーポイント指示具9で指示されたカラーポイントPの座標値を検出して制御回路2に出力する出力回路10とを備える。
LED1は、赤色LEDと緑色LEDと青色LEDとを備える。制御回路2は、LED1のピーク波長における最大出力を制限するリミッター信号を出力するリミッター回路5と、入力装置3から入力される座標値に加えて、リミッター回路5から出力されるリミッター信号から各LED1の発光出力を演算する演算回路4とを備える。
制御回路2は、特定のLED1の発光ピークの最大出力を制限する状態においては、トータル発光色を指定されるカラーポイントから多少ずれた発光色に調整するリミッター信号を前記リミッター回路5に記憶している。制御回路2は、特定のLEDの発光ピークの最大出力を制限する状態においては、入力装置3から入力されるx値とy値と、リミッター回路5から入力されるリミッター信号とで各LED1の発光出力を制御して、各LED1のトータル発光色を、入力装置3のカラーポイント指示具9で指示されるカラーポイントP
からずれた発光色を発光させる。
【0010】
以上の照明装置は、全てのユーザーが簡単かつ容易に、しかも確実にトータル発光色を特定の発光色にコントロールして使用できる特徴がある。それは、以上の照明装置が、トータル発光色を特定するカラーポイントのx値やy値等の座標値を入力することなく、カラーで表示される色度図のカラーポイントを指示して、指示されるカラーポイントの発光色にトータル発光色を調整するからである。
【0011】
また、以上の照明装置は、ユーザーの目や脳に与える悪影響を防止しながら、指定されるカラーポイントの発光色にコントロールできる特徴がある。それは、以上の照明装置が、LEDのピーク波長における最大出力を制限するリミッター信号を出力するリミッター回路を備え、カラーポイントを示すx値とy値等の座標値に加えて、リミッター回路から出力されるリミッター信号の両方で各LEDの発光出力をコントロールして、トータル発光色を特定のカラーポイントにコントロールするからである。
【0012】
本発明の照明装置は、用途を指定する用途入力器7を入力装置3に設け、リミッター回路5には用途入力器7から入力される用途に対応する各LED1のリミッター信号を記憶し、用途入力器7で入力される用途において、リミッター回路5に記憶されるリミッター信号で各LED1の発光出力を制御することができる。
この照明装置は、用途に最適な状態でユーザーの目や脳の刺激を防止しながら、トータル発光色を指示されるカラーポイントにコントロールできる特徴がある。
【0013】
本発明の照明装置は、LED1のトータル発光強度を入力する発光出力入力器12を入力装置3に設け、この発光出力入力器12から入力される発光出力信号と、入力装置3から入力される座標値と、リミッター回路5から入力されるリミッター信号とで各LED1の発光出力を制御することができる。
この照明装置は、トータル発光色の発光出力をユーザーに最適な強度にコントロールしながら、トータル発光色を指示されるカラーポイントにできる特徴がある。
【0014】
本発明の照明装置は、LED1のトータル発光色を検出する光出力検出回路14を設け、制御回路2には光出力検出回路14で検出されるトータル発光色を入力装置3から入力されるカラーポイントに比較して、LED1の発光色を入力装置3から入力されるカラーポイントに補正するフィードバック回路を設けることができる。この照明装置はLED1のトータル発光色を光出力検出回路14で検出して入力装置3から入力されるカラーポイントに補正するので、LEDのトータル発光色をより正確になカラーポイントを特定するx値やy値等の座標値にできる。また、複数のLEDを点灯する装置にあっては、何れかのLEDが点灯せず、あるいは何れかのLEDの発光出力が低下する等の状態、あるいは又、照明装置が光りを照射する部分に外部から光が入射される状態においても、指定された発光強度と、トータル発光色を入力装置3で指定されるカラーポイントにできる特徴がある。
【0015】
本発明の照明装置は、色度図をxy色度図として、座標値をx値とy値とすることができ、また、色度図をUCS色度図として座標値をu値とv値とすることもできる。
【0016】
本発明の照明装置は、カラーポイント指示具9に、カラー表示部8の指定領域の赤成分Rと緑成分Gと青成分Bを検出するフォトセンサを設け、このフォトセンサで検出する赤成分Rと緑成分Gと青成分Bを座標値として制御回路2に出力することができる。この照明装置は、カラーポイント指示具から赤成分Rと緑成分Gと青成分Bを出力するので、制御回路の演算回路で、色度図のx値とy値,あるいはUVアドレスなどからRGBに変換することなく、カラーポイント指示具のRGB出力から演算して、各LEDの発光出力を特定して各LEDを発光できる。
【0017】
本発明の照明装置は、LED1の前方に、LED1の発光を拡散する拡散板を配置することができる。この照明装置は、LEDの発光を拡散板で拡散するので、発光を均一でき、またLEDを見て目を刺激するのを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための照明装置を例示するものであって、本発明は照明装置を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0020】
図1の照明装置は、発光色が異なる複数のLED1と、各発光色のLED1の発光強度を制御する制御回路2と、この制御回路2に制御されて発光する全てのLED1のトータル発光色のカラーポイントを入力する入力装置3と、発光される複数のLED1のトータル発光色を検出する光出力検出回路14とを備える。この照明装置は、制御回路2で各LED1の発光出力をコントロールして、複数のLED1のトータル発光色を、入力装置3から入力されるカラーポイントに制御する。さらに、以上の照明装置は、複数のLED1のトータル発光色を光出力検出回路14で検出して制御回路2にフィードバックするので、複数のLED1のトータル発光色を正確にカラーポイントの発光色にできる。ただ、本発明の照明装置は、必ずしも光出力検出回路を設ける必要はなく、制御回路で各LEDの発光出力をコントロールして、入力装置から入力されるカラーポイントにトータル発光色を制御することもできる。
【0021】
異なる発光色のLED1は、赤色LED1aと緑色LED1bと青色LED1c、すなわち赤緑青(RGB)のLEDからなる。LED1をRGBの三原色のLEDとする照明装置は、各LED1の発光出力をコントロールしてトータル発光色をフルカラーにできる。ただ、本発明の照明装置は、必ずしもLEDをRGBの三原色のLEDとする必要はなく、たとえば、
図3と
図4に示すように、白色LED1dと他の発光色のLED、たとえば青色LED1c、緑色LED1b、赤色LED1aとを組み合わせて、トータル発光色を白色から青色に、あるいは白色から緑色に、あるいは又白色から赤色に近い発光色とすることもできる。
【0022】
図1の照明装置は、RGBのLED1を複数のLEDで構成して、すなわち複数の赤色LED1aと、複数の緑色LED1bと、複数の青色LED1cとで構成して、トータル発光出力を大きくしている。この照明装置は、各発光色のLED1の個数を多くして、トータル発光出力を大きくできる。図の照明装置は、複数の青色LED1cと、複数の緑色LED1bと、複数の赤色LED1aとで構成して、発光出力を大きくしている。照明装置の発光出力は用途に最適な値に調整される。したがって、各発光色のLED1は、用途に最適な個数として、発光出力を最適値にコントロールする。同じ発光色のLED1を複数のLED1で構成する照明装置は、各発光色のLED1の発光出力が必ずしも同じではないので、各発光色のLED1の個数を異なる数として、発光出力を最適バランスにコントロールできる。
【0023】
LED1の前方には拡散板19を配置している。拡散板19は、紙、ガラス、プラスチック、プラスチックフィルムなどで構成されるフィルターで、LED1の透過光を拡散して前方に照射する。拡散板19は表面に微細な凹凸、あるいは内部に拡散物質を充填し、あるいは内部に歪などを設けて透過する光を拡散する。LED1の発光を拡散板19で拡散して照射する照明装置は、光を均一に分散して照射できる。また、ユーザーがLEDを見て目を刺激することがない等の特徴がある。拡散板19は、発光出力の用途によっては取り外すこともできる。
【0024】
複数のLED1のトータル発光色、すなわち、RGBのLED1の発光の混合された光をユーザーが目で見て感じる発光色は、入力装置3で指定されるカラーポイントPの発光色に調整される。制御回路2は、このことを実現するように、各LED1の発光出力をコントロールする。したがって、制御回路2は、入力装置3から入力されるカラーポイントPのx値やy値等の座標値から、各LED1の発光出力を演算する演算回路4を備える。演算回路4で演算される発光出力で各発光色のLED1を発光させる。図に示す制御回路2は、演算回路4に表示部15を接続している。表示部15は、LED1のトータル発光色の座標値であるx値とy値、あるいはu値とv値を表示し、あるいはRGBのLED1の発光強度を表示する。色度図をxy色度図とする装置にあっては、x値とy値とを表示し、色度図をUCS色度図とする装置にあってはu値とv値を座標値として表示する。さらに、表示部15は、RGBに発光する各々のLED1a、1b、1cの出力を表示することもできる。
【0025】
さらに、表示部15の表示をユーザーが見て入力装置3で変更して、変更する制御データを演算回路を介してドライバー回路に出力して、各LEDの出力をコントロールすることもできる。さらに、表示部にサブ入力装置(図示せず)を設け、このサブ入力装置で表示を変更して、変更する制御データを演算回路を介してドライバー回路に出力して、各LEDの出力をコントロールすることもできる。この照明装置は、表示部15で変更された制御データを、入力装置3に伝送して、現在の制御データに当たる表示ポインを点灯して表示することもできる。表示部15は、各LEDが発光する発光色の色相、明度、彩度等を表示することもできる。
【0026】
以下の実施例は、色度図をxy色度図とするが、本発明の照明装置は、色度図をUCS色度図とすることができる。色度図をUCS色度図とする装置は、座標値がu値とv値となるが、u値とv値は、x値とy値から既に知られている特定の式で演算することができる。
【0027】
光出力検出回路14は、複数のLED1を点灯する状態でLED1のトータル発光色を検出して、検出する発光色の信号、すなわちRGB信号の値、あるいはx値とy値、および輝度信号の値に変換して制御回路2にフィードバックすることもできる。
【0028】
さらに、制御回路2は、入力装置3から入力されるカラーポイントのみを演算して、各LED1の発光出力をコントロールするのではない。制御回路2は、入力装置3から入力される各LEDの発光強度とカラーポイントに加えて、各発光色のLED1のピーク波長における最大出力を制限するリミッター回路5も備える。リミッター回路5は、演算回路4にリミッター信号を出力する。
【0029】
演算回路4はメインCPUを内蔵し、メインCPUはアドレスバスやデーターバス、および割り込み制御線などの接続ラインを介して、光出力検出回路14、ドライバー回路6、表示部15、リミッター回路5、インターフェース回路17、シーンメモリ16、入力装置3の出力回路10、カラー表示部8、カラーポイント指示具9、発光出力入力部回路12、用途入力器7などに内蔵しているサブCPUに接続される。演算回路のメインCPUは、各々のサブCPUのアドレスバス、データバス、割り込み線に接続されて双方向のデータ制御を行う。ただし、各回路にはサブCPUを設けることなく、演算回路に設けてメインCPUから信号で各回路をコントロールすることもできる。
【0030】
演算回路4は、入力装置3から入力されるカラーポイントPを示す座標値と、リミッター回路5から入力されるリミッター信号の両方を演算して、各LED1の発光出力を特定する制御データを演算し、この制御データをドライバー回路6に出力して各LED1を所定の出力で発光させる。演算回路4に入力される座標値は、xy色度図のx値とy値、UCS色度図のu値とv値、あるいは、フォトセンサで検出する赤成分(R)と緑成分(G)と青成分(B)である。
【0031】
リミッター回路5は、複数の用途に対応して各LED1の最大出力を制限するリミッター信号を記憶している。本発明の照明装置は、発光色の異なるLED1の発光出力を調整し、各LED1の発光をユーザーが目で見て指定するカラーポイントPの発光色の光として認識する。この状態で、ユーザーは、照明装置の発光色を指定するカラーポイントPの発光色として認識するが、この状態で何れかのLED1のピーク波長における発光出力が大きすぎると、ユーザーの目や脳に悪影響を与えることがある。困ったことに、ユーザーは、照明装置の発光色を、入力装置3で指定するカラーポイントPの発光色と認識する状態で、いずれかのLED1の特定のピーク波長の発光ピークが大きすぎても、強すぎる発光ピークが目や脳に悪影響を与えると直ちに認識することはない。ユーザーは、トータル発光色の光として感じるのであって、LED1が狭いバンドスペクトルで大きい発光ピークの光を放射しても、この発光ピークの光のみを感じることはなく、トータル発光色の光として認識するからである。このため、トータル発光色を指定するカラーポイントの発光色に調整する状態で、特定のLEDの発光ピークがユーザーの目や脳に悪影響を与えることがある。例えば、青色LEDの青色発光ピークは、人間の目における視感度が低く、明るい用途で使用される状態では、発光出力を大きくして、白色などに指定されるカラーポイントの発光色に調整する必要がある。この状態で、ユーザーは照明装置の発光色を白色と感じて、青色発光ピークを強く感じることはなく、青色発光ピークが強くなりすぎて目や脳に悪影響を与えることがある。
【0032】
以上の弊害を防止するために、
図1の照明装置は、LED1のピーク波長における最大出力を制限するリミッター信号を出力するリミッター回路5を制御回路2に設けている。制御回路2は、カラーポイントPを示すx値とy値に加えて、リミッター回路5から出力されるリミッター信号の両方で各LED1の発光出力をコントロールして、トータル発光色を特定のカラーポイントに調整する。制御回路2は、リミッター回路5に記憶しているリミッター信号を演算回路4に出力して、演算回路4でもって、各LED1の発光ピークが最大出力を越えないように制御データを演算し、この制御データで各LED1の発光をコントロールする。リミッター回路5が、特定のLED1の発光ピークの最大出力を制限する状態においては、制御回路2は、トータル発光色を指定されるカラーポイントとしながらトータル発光出力を制限し、あるいは、トータル発光色を指定されるカラーポイントから多少ずれた発光色に調整する。この制御回路2は、入力される用途に対応して、トータル発光色を指定されるカラーポイントとしながらトータル発光出力を制限し、あるいは、トータル発光色を指定されるカラーポイントから多少ずれた発光色に調整する。たとえば、トータル発光色を重点として発光出力を制限できる用途、たとえば自宅で休養する休養環境で使用される用途にあっては、トータル発光色を重点として発光出力を制限し、オフィス環境や学習環境にあっては、トータル発光色をカラーポイントからずれた発光色に調整して発光出力を制限しない。
【0033】
図1の照明装置は、種々の用途に対応する各LED1のリミッター信号をリミッター回路5に記憶させる。照明装置の用途は、入力装置3に設けている用途入力器7から入力される。リミッター回路5は、たとえば照明装置をオフィスで使用するオフィス環境、学校や自宅において学習するときに使用する学習環境、自宅で休養する休養環境などにおいて、最適なリミッター信号を記憶している。たとえば、オフィス環境や学習環境においては、休養環境に比較して、LED1の発光ピークの最大出力を大きく設定して、仕事や学習能率を高くし、休養環境にあってはLED1の発光ピークの最大出力を低くして、ユーザーの目や脳の悪影響をより少なくすることができる。LED1の発光ピークの最大出力を用途に最適な値とする照明装置は、ユーザーの目や脳の刺激をより効果的に防止しながら、トータル発光色を指示されるカラーポイントに調整できる。演算回路4は、カラーポイントPのx値とy値に加えて、リミッター回路5から入力されるリミッター信号で各LED1の発光出力を制限するように制御データを演算する。
図1の制御回路2は、種々の用途に対応して演算回路4で演算されたシーンデータを記憶するシーンメモリ16を備えている。この制御回路2は、用途入力器7から用途が入力されると、その用途に対応するシーンデータがシーンメモリ16から読み出されて制御データが演算されてドライバー回路6に出力され、ドライバー回路6は、入力される制御データで各LED1の発光出力をコントロールする。
【0034】
さらに、
図1の照明装置は、入力装置3に用途入力器7を設けているが、
図1に示すようにインターフェース回路17を介して別に設置されるパソコン、専用端末、携帯電話等の外部接続機器18に接続して、外部接続機器18からカラーポイント、発光出力、用途等を入力することもできる。
【0035】
図1の制御回路2は、演算回路4から出力される制御信号で各LED1の発光出力を調整するドライバー回路6を備える。ドライバー回路6は、演算回路4から入力される制御信号でLED1に流す電流をコントロールして、LED1の発光出力をコントロールする。制御信号は電圧信号又は電流信号で、ドライバー回路6はバイポーラトランジスタやFETで、入力される制御信号でLED1の電流をコントロールして発光出力をコントロールする。FETのドライバー回路は、制御信号を電圧信号としてLED1の電流をコントロールし、バイポーラトランジスタのドライバー回路は制御信号を電流信号として発光出力をコントロールする。
【0036】
さらに、
図1の照明装置は、光出力検出回路14で検出されるトータル発光色を入力装置3から入力されるカラーポイントに比較して、複数のLED1のトータル発光色を入力装置3から入力されるカラーポイントに補正するフィードバック回路を制御回路2に設けている。この照明装置は、光出力検出回路14で検出されるトータル発光色でカラーポイントを補正するので、複数のLED1のトータル発光色を、より正確にカラーポイントにできる。この照明装置は、制御回路2に設けた演算回路4でもって、光出力検出回路14で検出されるトータル発光色を入力装置3から入力されるカラーポイントに比較して、トータル発光色がカラーポイントとなるように各LED1の発光出力を演算する。トータル発光色をカラーポイントに補正する状態においても、演算回路4は、リミッター回路5から入力されるリミッター信号と光出力検出回路14から入力されるトータル発光色の両方演算して、各LED1のピーク波長が最大出力を越えないように各LED1の発光出力を演算する。
【0037】
入力装置3は、色度
図13をフルカラーで表示しているカラー表示部8と、このカラー表示部8に表示される色度
図13のカラーポイントPを指定するカラーポイント指示具9と、このカラーポイント指示具9で指示された色度図のカラーポイントPのx値及びy値とを検出して制御回路2に出力する出力回路10とを備える。
【0038】
この入力装置3は、カラーポイント指示具9を、カラー表示部8に表示される色度
図13の特定のカラーポイントPに接触させ、あるいは押圧し、あるいはまた、光を照射して、指定するカラーポイントPのx値とy値を検出する。カラー表示部8は、デジタイザ、タッチパネル、フォトセンサ、あるいは抵抗値でアドレスを表す抵抗センサーなどの表面にフルカラーを印刷したもの、あるいはモニタにフルカラーの色度図を表示するもので、カラーポイント指示具9が接触し、あるいは押圧し、あるいはまた、光が照射される位置を検出する位置センサ11を備える。
【0039】
図1に示すカラー表示部8は、表面に色度
図13の全体を表示しているが、カラー表示部は、図示しないが、色度図の一部を拡大して表示し、あるいは色度図を複数に分割して表示することもできる。さらに、カラー表示部は、
図2に示すように、朝から昼、さらに昼から夜の発光色を表示して、ユーザーが朝から夕方までの発光色に調整することもできる。カラー表示部をデジタイザやタッチパネルとする入力装置は、カラーポイント指示具で押圧され、あるいはタッチされる位置を検出して出力回路に出力して、出力回路でx値とy値とを検出する。カラー表示部をフォトセンサとする入力装置は、カラーポイント指示具からカラー表示部に表示される色度図の特定位置に光を照射し、フォトセンサで光の照射位置を検出し、この位置信号から出力回路でもってx値とy値とを検出して制御回路に出力する。さらに、入力装置は、カラーポイント指示具9に、カラー表示部8の色度図からの反射光を検出するフォトセンサを内蔵するものも使用できる。このカラーポイント指示具9は、色度図の特定位置を指定し、色度図の指定位置からの反射光の赤成分(R)と緑成分(G)と青成分(B)を検出するフルカラーのフォトセンサを内蔵する。この入力装置は、カラーポイント指示具9に内蔵するフルカラーのフォトセンサで検出する反射光からx値とy値とを座標値として制御回路に出力する。さらに、以上の入力装置は、カラーポイント指示具9のフォトセンサで検出する赤成分(R)と緑成分(G)と青成分(B)を座標値として制御回路に出力することもできる。この入力装置は、カラー表示部に、押圧位置やタッチ位置を検出するセンサ、あるいは光が照射される位置を検出するセンサを設ける必要がなく、平面プレートの表示に色度図を表示する簡単な構造にできる。また、カラー表示部にはフルカラーで色度図を表示するモニタなども使用できる。
【0040】
出力回路10は、位置センサ11から入力される信号からx値とy値とを演算して制御回路2に出力する。出力回路10は、位置センサ11から入力される位置信号をx値とy値に変換するデータをあらかじめルックアップテーブルや関数として記憶しており、入力される位置信号からx値とy値を演算して、制御回路2に出力する。
【0041】
さらに、
図1の入力装置3は、照明装置を使用する用途を入力する用途入力器7と、トータル発光強度を入力する発光出力入力器12を備える。用途入力器7は、用途別に設けた複数の押しボタンスイッチ7Aで、各押しボタンスイッチ7Aに用途を表示している。各押しボタンスイッチ7Aはリミッター回路5に接続されて、リミッター回路5に照明装置の用途を特定する信号を出力する。押しボタンスイッチ7Aは、ノンロックボタンで、短く押されるとオン信号を出力して、リミッター回路5に用途を特定するを信号を出力する。押しボタンスイッチ7Aの信号は演算回路4にも伝送される。
【0042】
表示部15の表示をユーザーが確認して、LEDの発光色や発光強度を変更する照明装置は、押しボタンスイッチを長押しして、押しボタンスイッチを長押しする状態におけるLEDの発光色と発光強度とをシーンメモリに記憶することができる。この照明装置は、長押しした押しボタンスイッチを短く押して、シーンメモリに記憶する発光色と発光強度に調整できる。複数の押しボタンスイッチを備える照明装置は、各々の押しボタンスイッチを長押しして、ユーザーが自分に最適な発光色と発光強度とに調整できる。
表示部15で変更されたデータが既に記録されているシーンメモリー16のデータと一致した場合には、該当する押しボタンスイッチ7Aをタリー情報として点灯することもできる。また、制御項目は少なくなるがロックボタンを使用することもできる。
押しボタンスイッチ7Aは、複数接点のロータリースイッチ、デイップスイッチ、スライドスイッチなども使用でき、そのタリー情報としてLEDランプを使用することもできる。
【0043】
発光出力入力器12は、回転数や回転角、あるいは直線移動する位置などを検出して電気信号として出力する機器である。この発光出力入力器12は、ロータリエンコーダ、可変抵抗器、あるいは回転数、回転角、スライド位置を検出してデジタル信号を出力する入力器である。ただ、この発光出力入力器12は、図示しないが、発光出力を増加させるための押しボタンスイッチと、低下させるための押しボタンスイッチで構成することもできる。押しボタンスイッチの発光出力入力器は、何れかのボタンを押すごとに、特定の比率で、発光出力を増加し、あるいは減少して、トータル発光出力を特定する。押しボタンスイッチの発光出力入力器は、入力されるトータル発光色の表示部(図示せず)を設けて、入力するトータル発光色を表示する。
【0044】
以上の照明装置は、以下の状態で使用される。
1.ユーザーが用途入力器7から照明装置を使用する用途を入力する。また、発光出力入力器12からトータル発光出力を入力する。入力される用途とトータル発光出力を特定する信号が制御回路2に入力される。
2.さらに、ユーザーが、カラーポイント指示具9でカラー表示部8に表示される色度図のカラーポイントPを指定すると、指定されるカラーポイントPのx値とy値とが制御回路2に出力される。
【0045】
1.制御回路2は、演算回路4でもって、入力装置3から入力される用途と、トータル発光出力と、指示されるカラーポイントPを特定するx値及びy値と、リミッター回路5から入力されるリミッター信号から制御データを演算し、この制御データをドライバー回路6に出力して、各LED1を演算された発光出力で点灯する。演算回路4にシーンメモリ16を接続している制御回路2は、シーンメモリ16に記憶するシーンデータを読み出して制御データを演算する。演算回路4が演算する制御データで点灯される、各LED1のピーク波長における最大出力が、リミッター回路5にリミッター信号で指定される値よりも小さい状態にあると、リミッター信号でLED1の発光出力を制限することなく、各LED1は演算された制御データの発光出力で点灯される。
【0046】
さらに、演算回路4は、トータル発光色とトータル発光出力とが、入力装置3で指定される発光色と発光出力となるように各LED1の発光出力を調整すると、何れかのLED1のピーク波長における発光出力が、リミッター信号で指定される値を超えるときには、LED1のピーク波長における発光出力がリミッター信号で指定される値を超えないように、制御データを演算して、この制御データで発光出力を制限して各LED1を点灯する。
【0047】
各LED1を点灯する状態で、光出力検出回路14がトータル発光色を検出して制御回路2にフィードバックする。制御回路2の演算回路4は、フィードバック回路から入力される信号、すなわち輝度レベルを含むトータル発光色のx値とy値を、あるいはRGBの値を、入力装置3から入力される発光強度とカラーポイントのx値とy値、あるいはRGBの値に比較し、輝度レベルを含むトータル発光色をカラーポイントのx値とy値、あるいはRGBの値となるように各LED1の発光出力を制御して補正する。
【0048】
さらに、照明装置は、カラーポイントPを正確に指定する必要のない用途において、トータル発光色とトータル発光出力とを入力装置3から入力される発光色と発光出力に調整すると、何れかのLED1のピーク波長の発光出力がリミッター信号で指定される値を超えるときは、演算回路4は、トータル発光色を入力装置3で指定されるカラーポイントPからわずかに変化させ、あるいはまた、トータル発光出力を制限しながら、トータル発光色を指定されるカラーポイントPからわずかに変化させる制御データを演算し、この制御データで、各LED1の発光出力を調整する。
【0049】
図1の照明装置は、入力装置3を制御回路2にリード線を介して接続して、リード線を介して入力装置3の信号を制御回路2に伝送する。
図1に示すようにインターフェース回路17を介して外部接続機器18を接続する照明装置は、インターフェース回路17を介して外部接続機器の信号を制御回路に無線伝送することもできる。無線伝送する外部接続機器18の入力装置は、色度図をフルカラー表示できる携帯電話やスマートフォンを使用できる。入力装置に使用される外部接続機器18の携帯電話やスマートフォンは、表示部にフルカラーで色度図を表示し、ユーザーが指定する色度図の位置を検出し、検出する位置からカラーポイントのx値とy値とを検出して、制御回路に無線伝送する。携帯電話やスマートフォンは、表示部にフルカラーの色度図を表示し、また、色度図の指定位置からx値とy値とを検出するソフトウエアをメモリに記憶している。入力装置に兼用される携帯電話やスマートフォンは、かならずしも出力回路を設ける必要はなく、出力回路を制御回路側に設けて、カラーポイントの位置信号を出力回路に無線伝送し、出力回路が位置信号からx値とy値と、指定される発光強度とを検出して、制御回路に出力することができる。この照明装置は、携帯電話やスマートフォンでx値とy値と指定する発光強度とを検出するソフトウエアをメモリに記憶させる必要がない。携帯電話やスマートフォンを入力装置に併用する照明装置は、離れた位置からLEDのトータル発光色をコントロールして便利に使用できる。