【実施例】
【0098】
開示された発明は、以下の実施例においてさらに定義される。これらの実施例が、本発明の特定の好ましい態様を示すものの、説明のためにのみ与えられることを理解されたい。上記の議論及びこれらの実施例から、当業者は本発明の本質的な特徴を確かめることができ、その趣旨及び範囲から逸脱せずに、本発明の種々の変更形態及び改良形態を行って、それを種々の用途及び条件に適合させることができる。
【0099】
略語
「mL」はミリリットルであり;「g」はグラムであり;「DI水」は脱イオン水であり;「μL」はマイクロリットルであり;「℃」はセルシウス度であり;「mg」はミリグラムであり;「TFA」はトリフルオロ酢酸であり;「Hz」はヘルツであり;「MHz」はメガヘルツであり;「ppm」は百万分率であり;「HFIP」はヘキサフルオロ−2−プロパノールであり;「TFA−d」は重水素化トリフルオロ酢酸である。
【0100】
材料
硫酸、酢酸、及び炭酸水素ナトリウムは、EMD Chemicals(Billerica,MA)から得た。無水酢酸は、Acros Organics(Pittsburgh,PA)から得た。酪酸、酪酸無水物、プロピオン酸無水物、及び酢酸中の0.1N過塩素酸は、Sigma Aldrich(St.Louis,MO)から得た。プロピオン酸は、JT Baker(Center Valley,PA)から得た。酢酸マグネシウムは、Alfa Aesar(Ward Hill,MA)から得た。特記されない限り、本明細書で使用した酸及び無水物は全て、水を含まなかったか、又は実質的に水を含まなかった。
【0101】
ポリα−1,3−グルカンの調製
ポリα−1,3−グルカンは、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2013/0244288号明細書に記載の通り、gtfJ酵素調合物を使用して調製した。
【0102】
ポリα−1,3−グルカンアセテート誘導体の置換度を決定するための
1H核磁気共鳴(NMR)法
ポリα−1,3−グルカンアセテートエステル誘導体の置換度(DoS)を、
1H NMRを利用して決定した。およそ20mgの誘導体試料を、化学天秤上でバイアルに量り入れた。バイアルを天秤から取り出し、0.7mLのTFA−dをバイアルに加えた。磁気撹拌子をバイアルに加え、固体試料が溶解するまで混合物を撹拌した。次いで、重水素化ベンゼン(C
6D
6)0.3mLをバイアルに加え、TFA−dが与えるであろうよりも良好なNMRロックシグナルを与えた。ガラスピペットを使用して、溶液の一部0.8mLを5mmのNMRチューブに移した。定量的な
1H NMRスペクトルを、5mm Autoswitchable Quadプローブを備えたAgilent VNMRS 400 MHz NMR分光計を利用して取得した。スペクトル周波数399.945MHzで、スペクトルウィンドウ6410.3Hz、取得時間1.278秒、並びにパルス間の遅延10秒及び124パルスを利用して、スペクトルを得た。時間ドメインデータを、0.78Hzの指数関数的乗算(exponential multiplication)を利用して変換した。
【0103】
得られたスペクトルの2つの領域:7つのポリα−1,3−グルカンプロトンの積分を与える3.1ppm〜6.0ppm及び3つのアセチルプロトンの積分を与える1.4ppm〜2.7ppmを積分した。アセチル化の程度を、アセチルプロトン積分面積の三分の一を、ポリα−1,3−グルカンプロトン積分面積の七分の一で割って計算した。
【0104】
ポリα−1,3−グルカンプロピオネート誘導体の置換度を決定するための
1H NMR法
ポリα−1,3−グルカンプロピオネートエステル誘導体のDoSを、
1H NMRを利用して決定した。およそ20mgの誘導体試料を、化学天秤上のバイアルに量り入れた。バイアルを天秤から取り出し、0.7mLのTFA−dをバイアルに加えた。磁気撹拌子をバイアルに加えて、固体試料が溶解するまで混合物を撹拌した。次いで、重水素化ベンゼン(C
6D
6)0.3mLをバイアルに加えて、TFA−dが与えるであろうよりも良好なNMRロックシグナルを与えた。ガラスピペットを使用して、溶液の一部0.8mLを5mmのNMRチューブに移した。定量的な
1H NMRスペクトルを、5mm Autoswitchable Quadプローブを備えたAgilent VNMRS 400 MHz NMR分光計を利用して取得した。スペクトル周波数399.945MHzで、スペクトルウィンドウ6410.3Hz、取得時間1.278秒、並びにパルス間の遅延10秒及び32パルスを利用して、スペクトルを得た。時間ドメインデータを、1.0Hzの指数関数的ラインブロードニング(line broadening)を利用して変換し、ベンゼン溶媒ピークを7.15ppmに設定した。
【0105】
ポリα−1,3−グルカンプロピオネート試料では、得られたスペクトルの3つの領域:7つのポリα−1,3−グルカンプロトンの積分を与える3.3ppm〜6.0ppm;プロピオニル基のメチレン基プラスアセチル基のメチル基の積分を与える1.9ppm〜2.7ppm;及びプロピオニル基のメチル基の積分を与える0.8ppm〜1.3ppmを積分した。
【0106】
プロピオニル基によるDoSを、プロピオニル基のメチル基の積分値を3で割って計算した。次いで、プロピオニル基のメチレン基の積分値を、プロピオニル基のメチル基の積分値に0.666をかけて計算した。次いで、この値を、プロピオニル基のメチレン基プラスアセチル基のメチル基の領域の積分から引くことにより、アセチル基のメチル基の積分値を与えた。
【0107】
ポリα−1,3−グルカン混合エステル誘導体の置換度を決定するための
1H NMR法
ポリα−1,3−グルカン混合エステル誘導体のDoSを、
1H NMRを利用して決定した。およそ20mgの誘導体試料を化学天秤上のバイアルに量り入れた。バイアルを天秤から取り出し、0.7mLのTFA−dをバイアルに加えた。磁気撹拌子をバイアルに加えて、固体試料が溶解するまで混合物を撹拌した。次いで、重水素化ベンゼン(C
6D
6)0.3mLをバイアルに加えて、TFA−dが与えるであろうよりも良好なNMRロックシグナルを与えた。ガラスピペットを使用して、溶液の一部0.8mLを5mmのNMRチューブに移した。定量的な
1H NMRスペクトルを、5mm Autoswitchable Quadプローブを備えたAgilent VNMRS 400 MHz NMR分光計を利用して取得した。スペクトル周波数399.945MHzで、スペクトルウィンドウ6410.3Hz、取得時間1.278秒、並びにパルス間の遅延10秒及び32パルスを利用して、スペクトルを得た。時間ドメインデータを、1.0Hzの指数関数的ラインブロードニングを利用して変換し、ベンゼン溶媒ピークを7.15ppmに設定した。
【0108】
ポリα−1,3−グルカンアセテートプロピオネート試料では、得られたスペクトルの3つの領域:7つのポリα−1,3−グルカンプロトンの積分を与える3.3ppm〜6.0ppm;プロピオニル基のメチレン基プラスアセチル基のメチル基の積分を与える1.9ppm〜2.7ppm;及びプロピオニル基のメチル基の積分を与える0.8ppm〜1.3ppmを積分した。
【0109】
グルカン上のプロピオニル基によるDoSを、プロピオニル基のメチル基の積分値を3で割ることにより計算した。次いで、プロピオニル基のメチレン基の積分値を、プロピオニル基のメチル基の積分値に0.666をかけて計算した。次いで、この値を、プロピオニル基のメチレン基プラスアセチル基のメチル基の領域の積分から引いて、アセチル基のメチル基の積分値を与えた。最後に、アセチル基積分値を3で割って、アセチル化の程度を得た。
【0110】
ポリα−1,3−グルカンアセテートブチレート試料では、得られたスペクトルの3つの領域:7つのポリα−1,3−グルカンプロトンの積分を与える3.3ppm〜6.0ppm;ブチリル基のカルボニル基のαにあるメチレン基プラスアセチル基のメチル基の積分を与える1.9ppm〜2.6ppm;及びブチリル基のメチル基の積分を与える0.6ppm〜1.0ppmを積分した。
【0111】
グルカン上のブチリル基によるDoSを、ブチリル基のメチル基の積分値を3で割ることにより計算した。次いで、ブチリル基のメチレン基の積分値を、ブチリル基のメチル基の積分値に0.666をかけて計算した。次いで、この値を、ブチリル基のメチレン基プラスアセチル基のメチル基の領域の積分から引いて、アセチル基のメチル基の積分値を与えた。最後に、アセチル基積分値を3で割って、アセチル化の程度を得た。
【0112】
重合度の決定
重合度(DP)をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により決定した。ポリα−1,3−グルカンエステルを、45℃で4時間振とうしながらHFIPに溶解させた(2mg/mL)。利用したクロマトグラフシステムは、3つのオンライン検出器:Watersの示差屈折計2410、Wyatt Technologies(Santa Barbara,CA)のマルチアングル光散乱光度計Heleos(商標)8+、及びWyatt Technologiesの示差毛細管粘度計(differential capillary viscometer)ViscoStar(商標)と接続している、Waters Corporation(Milford,MA)のAlliance(商標)2695分離モジュールであった。SECに使用したカラムは、2つのShodex(Showa Denko America,New York)GPC HFIP−806M(商標)スチレン−ジビニルベンゼンカラム及び1つのShodex GPC HFIP−804M(商標)スチレン−ジビニルベンゼンカラムであった。移動相は、0.01Mトリフルオロ酢酸ナトリウムを含む再蒸留されたHFIPであった。利用したクロマトグラム条件は、カラム及び検出器区画で50℃、試料及び注入器区画で40℃、0.5mL/分の流量、及び100μLの注入体積であった。データ整理に使用したソフトウェアパッケージは、WyattのAstraバージョン6であった(カラム較正のついた三重検出法(triple detection method))。
【0113】
実施例1
酸交換されたポリα−1,3−グルカンの調製
この実施例は、ポリα−1,3−グルカンのエステル誘導体の製造に使用できる、酸交換されたポリα−1,3−グルカンの製造を説明する。
【0114】
10gのポリα−1,3−グルカンを、150mLのDI水と共に250mLガラスビーカー中に入れることにより、酸交換されたポリα−1,3−グルカンを調製した。この混合物をホットプレート上で1時間沸騰させ、その後ポリα−1,3−グルカンを真空濾過により回収した。次いで、ポリα−1,3−グルカンを、100mLの氷酢酸と共に室温で撹拌し、それに続いて真空濾過を行う2つの酸交換工程に付して、酸交換されたポリα−1,3−グルカンを製造した。
【0115】
他の形態の酸交換されたポリα−1,3−グルカンも、上記プロセスに従い、酢酸の代りにプロピオン酸又は酪酸を使用して調製した。
【0116】
これらの技法により調製した酸交換されたポリα−1,3−グルカンを、以下の実施例のいくつかに使用して、種々のポリα−1,3−グルカンエステル誘導体を調製した。酸交換プロセスはポリα−1,3−グルカンから水を除くため、酸交換されたポリα−1,3−グルカンを、酸無水物を含むエステル化反応物に導入しても、酸無水物と反応し得る水は導入されない。
【0117】
実施例2
ポリα−1,3−グルカンアセテートの調製
この実施例は、グルカンエステル誘導体、ポリα−1,3−グルカンアセテートの製造を説明する。
【0118】
酢酸を使用して実施例1で調製した酸交換されたポリα−1,3−グルカン(10g)を、磁気撹拌子、熱電対、及び冷却器を備えた500mL丸底フラスコ中で、180mLの酢酸及び1.84gの硫酸を含む混合物に加えた。この混合物を周囲温度で1分間撹拌し、その後無水酢酸(50mL)を混合物に加えた。反応を30分間周囲温度で進行させ、次いで35℃の水浴中で20分間加熱し、それに続いて30分間50℃に加熱した。得られた反応調合物は、固体を全く含んでいなかった。次いで、反応物を水浴から外し、15分間冷却して42℃にした。次いで、反応物を25mLの70%酢酸でクエンチし、40分間撹拌した。エア駆動ブレンダー及びDI水を使用して、ポリα−1,3−グルカンアセテートを沈殿させた。固体を水で2回30分間洗浄し、それに続いて5%炭酸水素ナトリウムで1回洗浄した。次いで、ポリα−1,3−グルカンアセテートの固体を、最後に、中性pHを達成するまで、水で洗浄した(2回の水洗浄)。固体を真空濾過により回収し、真空下で乾燥させ、NMR及びSECにより特性化した。この方法は、DoSが2.3でありM
nが29170であるポリα−1,3−グルカンアセテートを生じた。
【0119】
このように、エステル誘導体、ポリα−1,3−グルカンアセテートを調製し、単離した。
【0120】
実施例3
ポリα−1,3−グルカンアセテートの追加の調製
この実施例は、種々の反応条件を利用した、グルカンエステル誘導体、ポリα−1,3−グルカンアセテートの製造を説明する。
【0121】
酸交換されたポリα−1,3−グルカンを、酢酸を使用して実施例1の通り調製した。180mLの酢酸と0.08gの濃硫酸の混合物を、磁気撹拌子及び熱電対を備えた500mL丸底フラスコ中で調製した。この混合物を18℃に冷却した。酸交換されたポリα−1,3−グルカン(10g)を、冷却された混合物にゆっくりと加え、1分間撹拌した。次いで、無水酢酸(50mL)を混合物に加えた。反応を、加熱せずに10分間進行させ、次いで、35℃の水浴で20分間加熱した。得られた反応物は、固体を全く含まず、氷浴を使用して7分かけて22℃に冷却した。次いで、反応物を25mLの70%酢酸でクエンチし、40分間撹拌した。実施例2に記載の通り、ポリα−1,3−グルカンアセテートを沈殿させ、洗浄し、分析した。このプロセスは、DoSが2.41でありM
nが73960であるポリα−1,3−グルカンアセテートを生じた。
【0122】
異なる濃度の試薬を使用して、異なるエステル生成物が形成できた。以下の表1は、上記のプロセスに類似であるが、表に示される特定の変更を有するプロセスを利用して合成した異なるポリα−1,3−グルカンアセテートエステルを示す。表1の結果は、反応条件及び反応物中に使用したポリα−1,3−グルカン出発物質の分子量を変えることにより、エステル生成物中のアセチル基によるDoS並びに生成物の分子量を変えられることを示す。
【0123】
【表1】
【0124】
このように、種々の形態のエステル誘導体、ポリα−1,3−グルカンアセテートを調製し、単離した。
【0125】
実施例4
ポリα−1,3−グルカンアセテートの追加の調製
この実施例は、加水分解工程を有する、ポリα−1,3−グルカンアセテートの製造プロセスを説明する。
【0126】
酢酸を使用して実施例1の通り調製した酸交換されたポリα−1,3−グルカン(28g)を、93.4mLの酢酸及び2.24gの濃硫酸を含む混合物に加え、混合した。この混合物を、オーバーヘッドスターラー及び熱電対を備えた1Lジャケット付き反応容器に加え、再循環浴を使用して12℃に冷却した。次いで、反応混合物を1分間撹拌してから、無水酢酸(89mL)を加えた。42℃に設定した再循環浴を使用して反応物を40分間加熱した。この段階の反応物は、固体を全く含まず、過剰な水と共に15.25g(24%)の酢酸マグネシウムでクエンチし、硫酸含量を2%に低下させた。次いで、反応物を25分かけて100℃に加熱し、その後、この温度で2時間撹拌した。24%酢酸マグネシウムを5%過剰に(6.1g)加えて、反応物を完全にクエンチした。実施例2の通りに、ポリα−1,3−グルカンアセテートを沈殿させ、洗浄し、分析した。このプロセスは、DoSが2.58であるポリα−1,3−グルカンアセテートを生じた。
【0127】
このように、加水分解工程を組み込んだ方法を利用して、エステル誘導体、ポリα−1,3−グルカンアセテートを調製した。
【0128】
実施例5
ポリα−1,3−グルカントリアセテートの加水分解によるポリα−1,3−グルカンアセテートの調製
この実施例は、一部分、ポリα−1,3−グルカントリアセテートの加水分解によるポリα−1,3−グルカンアセテートの調製を説明する。
【0129】
ポリα−1,3−グルカントリアセテートを、最初に以下の通り調製した。
【0130】
酢酸(384mL)、無水酢酸(990mL)、及び塩化メチレン(890mL)を混合した。この調合物を、オーバーヘッドスターラー及び熱電対を備えた4Lガラス反応容器に加え、12℃に冷却した。酢酸を使用して実施例1で調製した酸交換されたポリα−1,3−グルカン(130g)を、冷却された混合物にゆっくりと加え、1分間撹拌した。次いで、酢酸(180mL)中の過塩素酸(0.1N)を加えた。反応を周囲温度で3時間35分進行させた。反応物は、固体を全く含まず、メタノールを含むエア駆動ブレンダーに加えて、ポリα−1,3−グルカントリアセテートを沈殿させた。このように形成されたポリα−1,3−グルカントリアセテートの固体を、メタノールで30分間洗浄し、それに続いて、脱イオン(DI)水で2回洗浄し、5%炭酸水素ナトリウムで1回洗浄した。次いで、ポリα−1,3−グルカントリアセテートの固体を、最後に、中性のpHを達成するまで水で洗浄し(2回の水洗浄)、真空濾過により回収し、真空下で乾燥させ、NMR及びSECにより特性化した。製造されたポリα−1,3−グルカントリアセテートは、3.0のDoS及び132300のM
nを有した。
【0131】
先に製造されたポリα−1,3−グルカントリアセテートを、最初に80mLの酢酸に溶かすことにより、加水分解のために準備した。次いで、DI水(4mL)をこの調合物に加え、完全に混合するまで磁気撹拌子を使用して撹拌した。次いで、調合物を、パーリアクター(Parr Instrument Company,Moline,IL)に移した。5kg/cm
2の圧力の蒸気を反応器に吹き込み、温度を12分で150℃に上げた。調合物をこの温度で50分間保った。次いで、圧力を5kg/cm
2から8.37kg/cm
2に増加させ、その後反応容器を周囲温度に冷却した。反応器から回収した調合物は黄色であった。しかし、DI水を加えると、ポリα−1,3−グルカンアセテートの白色固体が沈殿した。このポリα−1,3−グルカンアセテートを、実施例2の通り、真空濾過を利用して単離し、洗浄し、分析した。このプロセスは、DoSが2.4でありM
nが44200であるポリα−1,3−グルカンアセテートを生じた。
【0132】
このように、DoSが2.75未満であるポリα−1,3−グルカンアセテートを、ポリα−1,3−グルカントリアセテートから調製した。
【0133】
実施例6
ポリα−1,3−グルカンプロピオネートの調製
この実施例は、グルカンエステル誘導体、ポリα−1,3−グルカンプロピオネートの製造を説明する。
【0134】
酸交換されたポリα−1,3−グルカン(119130のM
n)を、プロピオン酸を酢酸の代りに使用した以外実施例1に記載の通り調製した。プロピオン酸(8mL)及び硫酸(0.03g)を、250mL丸底フラスコ中で混合し、18℃に冷却した。酸交換されたポリα−1,3−グルカン(2g)を、冷却された混合物にゆっくりと加え、1分間撹拌した。次いで、プロピオン酸無水物(10mL)をこの調合物に加え、その後0.6mLの氷酢酸を加えた。反応を、加熱しないで5分間進行させ、次いで42℃の水浴中で1時間45分加熱した。最高温度が43℃を超えないようにして、分子量の過度の低下を防いだ。得られた反応調合物は、固体を全く含まず、氷浴を使用して5分かけて20℃に冷却した。次いで、反応物を、4mLの50%酢酸水溶液でクエンチし、45分間撹拌した。エア駆動ブレンダー及びDI水を使用して、ポリα−1,3−グルカンプロピオネートを沈殿させた。固体を、30分間水で2回、それに続いて5%炭酸水素ナトリウムで1回洗浄した。次いで、ポリα−1,3−グルカンプロピオネートの固体を、中性pHを達成するまで、水で洗浄した(2回の水洗浄)。固体を真空濾過により回収し、真空下で乾燥させ、NMR及びSECにより特性化した。固体を、44.1wt%のプロピオニル基(0wt%アセチル基)及び59510のM
nを有するポリα−1,3−グルカンプロピオネートであると確認した。
【0135】
このように、エステル誘導体、ポリα−1,3−グルカンプロピオネートを調製し、単離した。
【0136】
実施例7
ポリα−1,3−グルカンアセテートブチレートの調製
この実施例は、グルカン混合エステル誘導体、ポリα−1,3−グルカンアセテートブチレートの製造を説明する。
【0137】
酢酸により実施例1で調製した酸交換されたポリα−1,3−グルカン(10g)を、磁気撹拌子、熱電対、及び冷却器を備えた500mL丸底フラスコ中で、21mLの氷酢酸、20mLの酪酸、及び0.09gの硫酸を含む混合物に加えた。氷浴を使用して混合物を18℃に冷却し、1分間撹拌してから、酪酸無水物(39mL)をフラスコに加えた。反応を、加熱なしで10分間進行させ、次いで、35℃の水浴中で80分間加熱し、それに続いて39℃に30分間加熱したが、達した最高温度は39℃であり生成物分子量の過度な低下を防いだ。得られた粘性を帯びた溶液は固体を全く含まず、氷浴を使用して溶液を20℃に10分間冷却した。次いで、反応物を20mLの50%酢酸水溶液でクエンチし、40分間撹拌した。エア駆動ブレンダー及びDI水を使用して、固体のポリα−1,3−グルカンアセテートブチレートを沈殿させた。固体を、水で2回30分間洗浄し、それに続いて5%炭酸水素ナトリウムで洗浄した。次いで、このように得られた固体を、最後に、中性pHを達成するまでDI水で洗浄した(2回の水洗浄)。固体を真空濾過により回収し、真空下で乾燥させ、NMR及びSECにより特性化した。このプロセスは、1.0のブチリルDoS、1.3のアセチルDoS、及び66340の数平均分子量(M
n)を有するポリα−1,3−グルカンアセテートブチレート混合エステルを生じた。
【0138】
異なる濃度の試薬を使用して、異なる混合エステル生成物が形成できた。以下の表2は、上記のプロセスに類似であるが、表に示される特定の変更を有するプロセスを利用して合成した異なるポリα−1,3−グルカンアセテートブチレートエステルを示す。表2の結果は、反応条件及び反応物中に使用したポリα−1,3−グルカン出発物質の分子量を変えることにより、混合エステル生成物中のアセチル基及びブチリル基の量並びに生成物の分子量を変えられることを示す。
【0139】
【表2】
【0140】
このように、種々の形態の混合エステル誘導体、ポリα−1,3−グルカンアセテートブチレートを調製し、単離した。
【0141】
実施例8
ポリα−1,3−グルカンアセテートプロピオネートの調製
この実施例は、グルカン混合エステル誘導体、ポリα−1,3−グルカンアセテートプロピオネートの製造を説明する。
【0142】
酢酸を使用して実施例1に記載の通り、酸交換されたポリα−1,3−グルカンを調製した。35mLのプロピオン酸と0.09gの硫酸の混合物を、500mL丸底フラスコ中で調製し、18℃に冷却した。酸交換されたポリα−1,3−グルカンの固体(10g)を、冷却された混合物にゆっくりと加え、1分間撹拌した。次いで、プロピオン酸無水物(50mL)を加え、その後5mLの氷酢酸を加えた。反応を、加熱なしに10分間進行させ、次いで、30℃の水浴中で1時間加熱し、それに続いて34℃に10分間加熱した。最高温度が36℃を超えないようにして、生成物分子量の過度な低下を防いだ。このように得られた溶液は固体を全く含まず、溶液を氷浴中で20℃に5分間冷却した。次いで、反応物を、20mLの50%酢酸水溶液でクエンチし、40分間撹拌した。エア駆動ブレンダー及びDI水を使用して、ポリα−1,3−グルカンアセテートプロピオネートを沈殿させた。固体のポリα−1,3−グルカンアセテートプロピオネート生成物を、2回水で30分間洗浄し、それに続いて5%炭酸水素ナトリウムで1回洗浄した。次いで、中性pHを達成するまで、固体を水で洗浄した(2回の水洗浄)。固体を真空濾過により回収し、真空下で乾燥させ、NMR及びSECにより特性化した。作られた固体を、17.6wt%のアセチル基及び32.9wt%のプロピオニル基を含み、64030のM
nを有するポリα−1,3−グルカンアセテートプロピオネートであると確認した。
【0143】
異なる濃度の試薬を使用して、異なる混合エステル生成物が形成できた。以下の表3は、上記のプロセスに類似であるが、表に示される特定の変更を有するプロセスを利用して合成した異なるポリα−1,3−グルカンアセテートプロピオネートエステルを示す。表3の結果は、反応条件及び反応物中に使用したポリα−1,3−グルカン出発物質の分子量を変えることにより、混合エステル生成物中のアセチル基及びプロピオニル基の量並びに生成物の分子量を変えられることを示す。
【0144】
【表3】
【0145】
このように、種々の形態の混合エステル誘導体、ポリα−1,3−グルカンアセテートプロピオネートを調製し、単離した。
【0146】
実施例9
硫酸を触媒として使用するポリα−1,3−グルカントリアセテートの調製
この実施例は、反応物中で硫酸を触媒として使用するポリα−1,3−グルカントリアセテートの製造を説明する。
【0147】
酸交換されたポリα−1,3−グルカンを、酢酸を使用して実施例1に記載の通り調製した。180mLの酢酸と触媒としての1.84gの濃硫酸を含む混合物を、オーバーヘッドスターラー及び熱電対を備えた500mL丸底フラスコ中で調製した。酸交換されたポリα−1,3−グルカン(10g)をゆっくりと混合物に加え、窒素下で1分間撹拌した。この混合物を、氷浴を使用して約18℃に冷却した。無水酢酸(50mL)を反応物に加え、次いで45分かけて80℃に加熱して、この温度で30分間反応させた。反応物は、固体を全く含まず、氷浴を使用して5分かけて40℃に冷却した。次いで、反応物を25mLの70%酢酸でクエンチし、30分間撹拌した。エア駆動ブレンダー(Waring,Torrington,CT)及びDI水を使用して、ポリα−1,3−グルカントリアセテートを沈殿させた。固体のポリα−1,3−グルカントリアセテート生成物を、水で30分間2回洗浄し、それに続いて5%炭酸水素ナトリウムで洗浄した。次いで、固体を、中性pHを達成するまで水で洗浄した(2回の水洗浄)。固体を真空濾過により回収し、真空下で乾燥させ、NMR及びSECにより特性化した。このプロセスは、3.1のDoS及び5130のM
nを有する7.8gのポリα−1,3−グルカントリアセテートを生じた。3.0を超えるDoS読取り値は、おそらく、NMR測定プロセスに典型的な積分のばらつきを反映している。
【0148】
表4は、上記のプロセスに類似であるが、表に示される特定の変更を有するプロセスを利用して合成した異なる分子量のポリα−1,3−グルカントリアセテートエステルを示す。表4の結果は、反応条件及び反応物中に使用したポリα−1,3−グルカン出発物質の分子量を変えることにより、生成物の分子量を変えられることを示す。
【0149】
【表4】
【0150】
このように、種々の形態のポリα−1,3−グルカントリアセテートを、硫酸を触媒として使用して反応物中で調製し、単離した。
【0151】
実施例10
過塩素酸を触媒として使用するポリα−1,3−グルカントリアセテートの調製
この実施例は、反応物中で過塩素酸を触媒として使用するポリα−1,3−グルカントリアセテートの製造を説明する。
【0152】
酸交換されたポリα−1,3−グルカンを、酢酸を使用して実施例1に記載の通り調製した。384mLの酢酸、990mLの無水酢酸、及び890mLの塩化メチレンの混合物を、オーバーヘッドスターラー及び熱電対を備えた4Lガラス反応容器中で調製し、12℃に冷却した。酸交換されたポリα−1,3−グルカン(130g)を、冷却された混合物にゆっくりと加え、1分間撹拌した。次いで、酢酸(180mL)中の過塩素酸(0.1N)を混合物に加えた。反応を、周囲温度で3時間35分進行させた。得られた反応物は固体を全く含まず、反応物を、メタノールを含むエア駆動ブレンダーに加え、ポリα−1,3−グルカントリアセテートを沈殿させた。ポリα−1,3−グルカントリアセテートの固体を、30分間メタノールで洗浄し、それに続いてDI水で2回、5%炭酸水素ナトリウムで1回洗浄した。次いで、ポリα−1,3−グルカントリアセテートを、中性pHを達成するまで水で洗浄した(2回の水洗浄)。固体を真空濾過により回収し、真空下で乾燥させ、NMR及びSECにより特性化した。このプロセスは、3.2のDoS及び132300のM
nを有する221.5gのポリα−1,3−グルカントリアセテートを生じた。3.0を超えるDoS読取り値は、おそらく、NMR測定プロセスに典型的な積分のばらつきを反映している。
【0153】
表5は、上記のプロセスに類似であるが、表に示される特定の変更を有するプロセスを利用して合成した異なる分子量のポリα−1,3−グルカントリアセテートエステルを示す。表5の結果は、反応条件及び反応に使用したポリα−1,3−グルカン出発物質の分子量を変えることにより、生成物の分子量を変えられることを示す。
【0154】
【表5】
【0155】
このように、種々の形態のポリα−1,3−グルカントリアセテートを、過塩素酸を触媒として使用する反応物中で調製し、単離した。
【0156】
実施例11
ポリα−1,3−グルカンアセテートを使用するフィルムの調製
実施例2の通り調製したポリα−1,3−グルカンアセテートを、10wt%混合物でアセトンに溶解させて溶液をつくった。次いで、溶液を、フィルム流涎機により清浄なガラス板上に流涎し、溶媒を蒸発乾固させて、フィルムを与えた。フィルムをガラスから外し、DI水ですすいだ。表6は、ポリα−1,3−グルカンアセテートの2つの異なる試料を使用して調製した2つの異なるポリα−1,3−グルカンアセテートフィルムの性質を示す。
【0157】
【表6】
【0158】
実施例12
ポリα−1,3−グルカンアセテートフィルムの光学的分析
実施例11で調製したポリα−1,3−グルカンアセテートフィルムの試料を、色及び曇り度に関して分析した。収集したスペクトルは、ASTM E1164−09aと一致した。1nmインターバルでスペクトルバンド幅(SBW)=1、及び波長範囲=830〜360nm。表7は、この試験の結果を示す。
【0159】
【表7】
【0160】
実施例13
ポリα−1,3−グルカントリアセテートフィルムの調製
ポリα−1,3−グルカントリアセテートを実施例10に記載の通り調製した。ポリα−1,3−グルカントリアセテートの10wt%溶液を、その10gを90gの塩化メチレン:メタノール(11.5:1v/v)に溶解させて調製した。次いで、この溶液を、Gardner Knife(Gardner Lab Inc.,Bethesda,MD)により清浄なガラス板上に流涎した。溶媒を蒸発乾固させた。溶媒蒸発後に製造されたフィルムをガラスから外し、DI水ですすいだ。表8は、この方法を利用して製造したポリα−1,3−グルカントリアセテートフィルムの引張及び引裂データをまとめる。構成要素グルカンエステルのM
n及びDoSの変動が、製造されたフィルムに異なる物性を与えることが分かる。
【0161】
【表8】
【0162】
実施例14
ポリα−1,3−グルカントリアセテートフィルムの熱分析
実施例13で調製したポリα−1,3−グルカントリアセテートフィルムを、MDSC及びTGAを利用して分析した。MDSC測定は、5〜6mgのフィルムを使って、加熱速度3℃/分、変調の振幅0.48℃、及び変調期間60秒で、0℃から出発して、N
2中でQ1000TA装置を利用して実施した。
【0163】
TGA実験は、N
2下で周囲温度から800℃で、Q500TA装置を利用して実施した。
【0164】
表9に与える情報は、先に開示した方法により調製したポリα−1,3−グルカントリアセテートフィルムの熱安定性/熱分解を示す。表9は、MDSC及びTGA測定から得たデータをまとめるものである。構成要素グルカンエステルのM
n及びDoSの変動が、製造されたフィルムに異なる物性を与えることが分かる。
【0165】
【表9】
【0166】
実施例15
ポリα−1,3−グルカントリアセテートフィルムの光学的分析
実施例13で調製したポリα−1,3−グルカントリアセテートフィルムを、色及び曇り度に関して分析した。スペクトルは、ASTM E1164−09aに合うように、1nmインターバルで1のスペクトルバンド幅(SBW)及び830〜360nmの波長範囲を利用して収集した。ポリα−1,3−グルカントリアセテートフィルムの光学的測定の結果を表10に示す。
【表10】
【0167】
以上、本発明を要約すると下記のとおりである。
1.構造:
【化7】
(式中、
(i)nは少なくとも6であり、
(ii)各Rは、独立に、H又はアシル基であり、且つ
(iii)前記化合物は、約0.05〜約3.0の置換度を有する)
により表されるポリα−1,3−グルカンエステル化合物を含む組成物。
2.前記アシル基が、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、又はオクタノイル基であり;前記化合物が、1種類の前記アシル基又は2種類以上の前記アシル基を含む、上記1に記載の組成物。
3.前記化合物が1種類の前記アシル基を含む、上記2に記載の組成物。
4.前記アシル基がアセチル基であり、前記置換度が約0.05〜約2.6である、上記3に記載の組成物。
5.前記化合物が2種類以上の前記アシル基を含む、上記2に記載の組成物。
6.前記2種類以上の前記アシル基が
(i)アセチル及びプロピオニル、又は
(ii)アセチル及びブチリル
である、上記5に記載の組成物。
7.ポリα−1,3−グルカンエステル化合物を製造する方法であって、
(a)ポリα−1,3−グルカンを、実質的に無水である反応物中で、少なくとも1種の酸触媒、少なくとも1種の酸無水物、及び少なくとも1種の有機酸と接触させる工程であって、前記酸無水物から誘導されたアシル基が、前記ポリα−1,3−グルカンにエステル化され、それにより構造:
【化8】
(式中、
(i)nは少なくとも6であり、
(ii)各Rは、独立に、H又はアシル基であり、且つ
(iii)前記化合物は、約0.05〜約3.0の置換度を有する)
により表されるポリα−1,3−グルカンエステル化合物を製造する工程と、
(b)工程(a)で製造された前記ポリα−1,3−グルカンエステル化合物を、任意選択で単離する工程と
を含む方法。
8.前記ポリα−1,3−グルカンが、接触工程(a)の前に、有機酸により酸交換されて、前記ポリα−1,3−グルカンから水が除去される、上記7に記載の方法。
9.前記酸触媒が無機酸である、上記7に記載の方法。
10.前記無機酸が硫酸又は過塩素酸である、上記9に記載の方法。
11.前記酸無水物が、無水酢酸、プロピオン酸無水物、又は酪酸無水物の1つ以上であり;且つ
前記有機酸が、酢酸、プロピオン酸、又は酪酸の1つ以上である、上記7に記載の方法。
12.上記11に記載の方法であって、
(i)前記酸無水物が無水酢酸であり、前記有機酸が酢酸であり、前記反応物中に製造される前記ポリα−1,3−グルカンエステル化合物がポリα−1,3−グルカンアセテートである;
(ii)前記酸無水物がプロピオン酸無水物及び無水酢酸であり、前記有機酸が、プロピオン酸及び任意選択で酢酸であり、前記反応物中に製造される前記ポリα−1,3−グルカンエステル化合物がポリα−1,3−グルカンアセテートプロピオネートである;
(iii)前記酸無水物がプロピオン酸無水物であり、前記有機酸がプロピオン酸及び酢酸であり、前記反応物中に製造される前記ポリα−1,3−グルカンエステル化合物がポリα−1,3−グルカンアセテートプロピオネートである;
(iv)前記酸無水物が酪酸無水物及び無水酢酸であり、前記有機酸が酪酸及び任意選択で酢酸であり、前記反応物中に製造される前記ポリα−1,3−グルカンエステル化合物がポリα−1,3−グルカンアセテートブチレートである;又は
(v)前記酸無水物が酪酸無水物であり、前記有機酸が酪酸及び酢酸であり、前記反応物中に製造される前記ポリα−1,3−グルカンエステル化合物がポリα−1,3−グルカンアセテートブチレートである
方法。
13.前記反応物が有機溶媒をさらに含む、上記7に記載の方法。
14.工程(a)が、
(i)前記反応物を冷却すること;
(ii)前記ポリα−1,3−グルカン、酸触媒、及び有機酸を含む混合物を冷却し、次いで前記酸無水物を前記混合物に加えること;
(iii)前記酸無水物及び有機酸を含む混合物を冷却し、次いで前記ポリα−1,3−グルカン及び酸触媒を前記混合物に加えること;又は
(iv)前記酸触媒及び有機酸を含む混合物を冷却し、次いで前記ポリα−1,3−グルカン及び酸無水物を前記混合物に加えること
を含む、上記7に記載の方法。
15.工程(a)で製造された前記ポリα−1,3−グルカンエステル化合物を単離する工程であって、前記エステル化合物がポリα−1,3−グルカントリアセテートである工程;並びに
(c)前記ポリα−1,3−グルカントリアセテートを酢酸及び水と接触させて、調合物を形成する工程;
(d)約3〜10kg/cm
2の蒸気圧力を前記調合物に加えて、その温度を260℃まで上げる工程であって、0.05〜2.70の置換度を有するポリα−1,3−グルカンアセテートが製造される工程;及び
(e)工程(d)で製造された前記ポリα−1,3−グルカンアセテートを、任意選択で単離する工程
をさらに含む、上記7に記載の方法。