特許第6261616号(P6261616)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261616
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】フィルタ装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/11 20060101AFI20180104BHJP
   B01D 46/24 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   B01D29/10 501C
   B01D29/10 510C
   B01D29/10 530B
   B01D46/24 B
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-557414(P2015-557414)
(86)(22)【出願日】2014年2月12日
(65)【公表番号】特表2016-506868(P2016-506868A)
(43)【公表日】2016年3月7日
(86)【国際出願番号】EP2014052737
(87)【国際公開番号】WO2014124974
(87)【国際公開日】20140821
【審査請求日】2016年8月18日
(31)【優先権主張番号】102013202449.5
(32)【優先日】2013年2月14日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ グラス
(72)【発明者】
【氏名】マルクス プライシンガー
【審査官】 関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0261326(US,A1)
【文献】 特開2004−136203(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02353694(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0008317(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0267293(US,A1)
【文献】 特表2008−540914(JP,A)
【文献】 特開2006−224100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 29/11
B01D 46/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタハウジング(2)および該フィルタハウジングに取付可能なリングフィルタ要素(3)を備えたフィルタ装置であって、
上記リングフィルタ要素(3)は下側端部ディスク(4)に、組み立てられた状態において上記フィルタハウジング(2)の溝(6)に係合する軸方向に突出したピン(5)を有し、
上記フィルタハウジング(2)は、内部に第1の領域(12)を有し、
上記リングフィルタ要素(3)は、上記第1の領域(12)に対応する第2の領域(13)を有し、
上記第1および第2の領域(12,13)の一方に案内輪郭(15)が設けられ、
上記第1および第2の領域(12,13)の他方には、上記リングフィルタ要素(3)の取付け時において上記案内輪郭(15)に案内され得る案内要素(17,18)が設けられ、
上記案内輪郭(15)は、軸方向溝(19,20)を有し、
上記リングフィルタ要素(3)が取り付けられた状態において、上記ピン(5)は、上記溝(6)に係合し、上記案内要素(17,18)は、上記軸方向溝(19,20)に係合しており、
上記案内輪郭(15)は、少なくとも1つのさらなる軸方向溝(19,20)を有し、
上記案内要素(17,18)を有する上記第1または第2の領域(12,13)には、それぞれ上記さらなる軸方向溝(19,20)に対応するさらなる案内要素(17,18)が形成され、
上記軸方向溝(19,20)および対応する上記案内要素(17,18)は、上記フィルタハウジング(2)と上記リングフィルタ要素(3)との錠鍵方式に従った相互作用のために相補的な態様で組み立てられており、
上記リングフィルタ要素(3)は、上記案内輪郭(15)における少なくとも1つの上記案内要素(17,18)の案内によって実現される取付動作(24)により上記フィルタハウジング(2)に取付可能であり、
上記軸方向溝(19,20)の入口断面(23)は、対応する上記案内要素(17,18)が通って上記軸方向溝(19,20)内に到達するものであって、取付動作(24)に沿って増大しており、
最も大きな入口断面(23)を有する上記軸方向溝(19,20)は、上記案内輪郭(15)の高さ方向(22)に沿って、他の上記軸方向溝(19,20)よりも低い位置に設けられており、
上記案内輪郭(15)は、上記リングフィルタ要素(3)の内部に係合する、上記フィルタハウジング(2)のドーム(9)に設けられ、
上記案内要素(17,18)は、上記ドーム(9)に面する、上記リングフィルタ要素(3)の内側周縁部(14)に設けられている
ことを特徴とするフィルタ装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記軸方向溝(19,20)は、それぞれ、異なった形状、および/または、大きさを有している
ことを特徴とするフィルタ装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
上記案内輪郭(15)は、傾斜路のような態様で構成されている
ことを特徴とするフィルタ装置。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか1項において、
上記案内輪郭(15)は、針状の態様で構成されていて、2つの対向するように向けられた傾斜面(15)を有している
ことを特徴とするフィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載された、フィルタハウジングおよびこれに取付可能なリングフィルタ要素を備えたフィルタ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フィルタ装置は、例えば空気やオイルのような流体を浄化しまたは濾過するのに役立つ。このため、フィルタ装置は、一般に、特にリングフィルタ要素として構成され得、かつ対応するフィルタハウジングに取付可能なフィルタ要素を有している。ここで、リングフィルタ要素は、したがって、必要に応じて取り外すことができる。そのようなリングフィルタ要素は、下側端部ディスクに、軸方向に突出するピンを有しており、このピンは、リングフィルタ要素がフィルタハウジングに取り付けられた状態において、フィルタハウジングの対応する溝に係合する。上記溝は、例えば、排出溝として構成され得、そのため、フィルタハウジングからリングフィルタ要素を取り外すとき、フィルタハウジング内にある流体、すなわち特にオイルが当該溝を通って流出し得る。そのようなフィルタ装置は、さまざまな用途において使用される。このことは、例えば、自動車での使用を含み、その場合、そのようなフィルタ装置は、自動車の動作のために必要とされる流体を浄化する。この場合には、浄化されるべき流体の十分な浄化を達成することが望ましい。特に、ここでは、リングフィルタ要素の品質が決定的な役割を果たす。したがって、対応する品質を有しかつ特に認可されたリングフィルタ要素のみを使用することが望ましい。加えて、リングフィルタ要素のフィルタハウジングに対する取付けおよび取り外しを、シンプルかつ経済的に有利な態様で構成するという要求が存在する。
【0003】
これらの規格に対応するために、独国特許出願公開第10 2009 049 868号明細書および独国特許出願公開第10 2009 054 523号明細書から、リングフィルタ要素およびフィルタハウジングを対応する領域、一方の領域は軸方向溝を有し、他方の領域は案内要素を有するように提供しまたは構成することが知られており、案内要素は、リングフィルタ要素の取付けにおいて、軸方向溝に付加する案内輪郭に沿って案内され、かつ組み立てられた状態において、軸方向溝に係合する。この状態においてのみ、リングフィルタ要素の端部ディスクに設けられたピンは、また、対応する溝に係合してフィルタ装置の不具合のない動作を可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特に、リングフィルタ要素のフィルタハウジングに対する取付けおよび取り外しが困難を伴って行われることは不都合である。加えて、フィルタ装置、特にリングフィルタ要素への対応する力の適用は、案内輪郭、および/または、案内要素の損傷へつながり得、そのことは往々にしてリングフィルタ要素のフィルタハウジングに対する相対的な移動およびしたがってフィルタ装置の不具合のない態様での動作を損なうことにつながり得る。
【0005】
本発明は、改善されたまたは少なくとも代替的な実施形態の汎用タイプのフィルタ装置を示す問題に関し、それは特にリングフィルタ要素の簡素化された取付けまたは取り外しにより、および/または、組み立てた状態でのフィルタハウジングにおけるリングフィルタ要素の安定した配置により特徴付けられ、できる限り経済的に実施され得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この問題は、独立請求項の対象である本発明により解決される。有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【0007】
本発明は、1つの軸方向溝のみでなく追加的に少なくとも1つのさらなる軸方向溝を伴う案内輪郭および少なくとも1つのさらなる案内要素を提供し、これらを組み立てられた状態においてそれぞれの軸方向溝が関連する案内要素と相互作用するように配置しまたは構成するという一般的概念に基づいている。これにより、リングフィルタ要素の取付けまたは取り外しが少なくとも2つのそのような案内要素および案内輪郭により補助されるので、リングフィルタ要素のハウジングへの簡素化された取付けまたは取り外しが達成される。特に、案内要素は、フィルタハウジングに対するリングフィルタ要素の傾きが防止されまたは少なくとも低減されるように設けられ得る。組み立てられた状態において、さらに、フィルタ装置の増大された安定性が生み出され、そのためフィルタ装置、特にリングフィルタ要素はより強い力に耐えられる。軸方向溝を伴う案内輪郭および関連する案内要素は、したがって錠鍵方式に従って機能し、それにより、また、フィルタ装置の安全性が増し、もっぱらふさわしいまたは認可されたリングフィルタ要素が使用されるようになり、したがって、特に、フィルタ装置の信頼性および不具合のない動作が消費者のために担保される。本発明に係るアイデアによると、フィルタ装置は、したがって、フィルタハウジングおよびそれに取付可能なリングフィルタ要素を有している。リングフィルタ要素のフィルタハウジングに対する取付けまたは取り外しのために、フィルタハウジングは、例えば、取り外し可能なハウジングカバーを有していてもよく、これとともにリングフィルタ要素は取付けまたは取り外しにおいて相互作用する。リングフィルタ要素は、下側端部ディスクを有しており、それには軸方向に突出するピンが設けられ、このピンは、リングフィルタ要素が取り付けられた状態において、フィルタハウジングの対応する溝に係合する。リングフィルタ要素が取り付けられた状態において、したがって、一方で、それぞれの案内要素は、そのような対応する軸方向溝に係合し、ピンは溝に係合する。好ましくは、軸方向溝は、ピンと同じ向きを有している。フィルタ装置の不具合のない動作は、ここで、この状態においてのみ可能である。軸方向溝を伴う案内輪郭および案内要素は、リングフィルタ要素およびフィルタハウジングの対応する領域に設けられ、特に構成されている。換言すれば、フィルタハウジングは、その内部に第1の領域を有し、一方、リングフィルタ要素は、この第1の領域に対応する第2の領域を有している。ここで、案内輪郭は、これらの領域の1つに設けられ、一方、案内要素は、他方の対応する領域に設けられている。このことは、案内輪郭がフィルタハウジングの第1の領域に設けられ、一方、案内要素がリングフィルタ要素の第2の領域に設けられていること、またはその逆であることを意味する。ここで、リングフィルタ要素の取付けにおいて、案内要素は、案内輪郭に沿って案内され得る。特に、取付けにおいて、案内要素は、案内輪郭上を案内され得、案内要素の少なくとも1つは案内輪郭に沿ってスライドし得る。本発明によると、案内要素および軸方向溝は、リングフィルタ要素のフィルタハウジングに対する取付けまたは取り外しを可能にするために、錠鍵方式に従って相互作用する。
【0008】
錠鍵方式は、特に、それぞれの案内要素が1つの軸方向溝に係合のみし得る場合に存在する。このため、それぞれの案内要素、および/または、それぞれの軸方向溝は、それぞれの案内要素が、組み立てられた状態において、取付けおよび取り外しにおいて対応しない軸方向溝に係合できないように構成され、および/または、設けられ得る。
【0009】
錠鍵方式は、また、特に、軸方向溝がそれぞれ異なった形状、および/または、大きさを有している場合に実現され得る。したがって、また、相補的な態様で構成された対応する案内要素は、それぞれ異なった形状、および/または、大きさを有する。
【0010】
リングフィルタ要素のフィルタハウジングへの取付けは、好ましい実施形態では、少なくとも1つのそのような案内要素の案内輪郭における案内により実現される取付動作により、リングフィルタ要素がフィルタハウジングに回し入れられるように行われる。このことは、したがって、リングフィルタ要素の取り外しに当てはまる。取付動作は、特に、時計回り方向または反時計回り方向へのひねり動作であってもよく、したがって、取り外しは、逆向きの取り外し動作により行われ得る。ここで、フィルタハウジングに対して所定の相対位置にあるリングフィルタ要素が、案内輪郭における案内要素の対応する案内なしに、フィルタハウジングに直接的に取付可能であることが考えられる。相対位置は、特に、それぞれの案内要素が対応する軸方向溝と並んで設けられ、かつピンが溝と並んで設けられている位置である。このことは、したがって、リングフィルタ要素のフィルタハウジングからの取り外しに当てはまる。
【0011】
好ましい実施形態では、軸方向溝の入口断面は、それを通って対応する案内要素が軸方向溝内に到達するものであり、取付動作に沿って増大する。それにより、特に、それぞれの案内要素が対応しない軸方向溝に係合してさらなる回転を妨げることが防止される。このため、特に、案内要素の大きさは、取付動作に沿って異なっていてもよい。
【0012】
案内輪郭は、基本的に、任意の所望の形状、および/または、大きさを有していてもよい。好ましい実施形態では、案内輪郭は、傾斜路の態様で構成されまたは形作られている。案内輪郭の傾斜路のような構成は、特に、取付けにより定められる回転軸周りにおける案内輪郭の螺旋状の構成により実現され得る。案内輪郭のそのような構成を通して、取付けの間におけるリングフィルタ要素のフィルタハウジング内への降下、またはリングフィルタ要素のフィルタハウジングからの引き抜きが行われる。
【0013】
代わりに、案内輪郭は、針状の態様で構成されていて、2つの対向するように向けられた傾斜路を有していてもよい。この変形例では、また、リングフィルタ要素のフィルタハウジングに対する簡素化された取付けまたは取り外しが生み出される。
【0014】
リングフィルタ要素がフィルタハウジングに取り付けられた状態では、ピンは溝に係合し、特に、リングフィルタ要素は、フィルタハウジング内においてその最も深い位置に位置する。したがって、好ましい実施形態では、最も深い位置に設けられた軸方向溝は、案内輪郭の高さ方向に沿って最も低い位置に設けられている。特に、したがって、最も大きな入口断面を有する軸方向溝は、案内輪郭の高さ方向に沿って、大きな入口断面を有する他の軸方向溝よりも低い位置に設けられている。このことは、特に、案内輪郭が傾斜路のようなまたは針状のような態様で構成されている場合に当てはまる。ここで、特に好ましい実施形態では、最も大きな入口断面を有する軸方向溝は、案内輪郭の最も低い位置に設けられている。したがって、最も大きな入口断面を有する軸方向溝に対応する案内要素は、取付けの間、案内輪郭に沿って案内され、そして案内輪郭の最も低い位置に到達すると対応する軸方向溝に係合し得る。ここで、また、他の案内要素は対応する軸方向溝に係合し、ピンは溝に係合する。
【0015】
一般に、案内輪郭は、リングフィルタ要素またはフィルタハウジングの任意の所望の領域に設けられていてもよい。このことは、したがって、対応する案内要素に当てはまる。特に、案内輪郭は、リングフィルタ要素の内部に係合する、フィルタハウジングのドームに設けられていてもよい。ここで、案内輪郭をドームの外側輪郭または表面に設けることが考えられる。この場合、案内要素は、リングフィルタ要素の、ドームに面する内側周縁部、特に内側フレームに設けられる。ここで、フィルタ要素の内側フレームは、概して、リングフィルタ要素の中心に円筒状の態様で設けられていて、特に、リングフィルタ要素の取付け、および/または、安定化に役立つ。上記実施形態では、したがって、フィルタハウジングのドームは、第1の領域に相当し、一方、リングフィルタ要素の内側周縁部または内側フレームは、第2の領域に相当する。
【0016】
他の実施形態では、案内輪郭は、フィルタハウジングに面する、リングフィルタ要素の外側周縁部に設けられ、一方、案内要素は、リングフィルタ要素の外側周縁部に面する、フィルタハウジングの内側周縁部に設けられている。別の選択肢では、案内輪郭は、リングフィルタ要素に面する、フィルタハウジングの内側周縁部に設けられ、一方、案内要素は、フィルタハウジングの内側周縁部に面する、リングフィルタ要素の外側周縁部に設けられている。
【0017】
案内輪郭、および/または、それぞれの案内要素は、対応する領域に構成され得ることを理解されたい。このことは、したがって、案内輪郭、および/または、それぞれの案内要素は、フィルタハウジングまたはリングフィルタ要素の対応する領域の一部、あるいはフィルタハウジングまたはリングフィルタ要素の一部であり得ることを意味する。
【0018】
本発明の別の重要な特徴および利点は、従属請求項、図面、および図面を参照した関連する説明から明らかになるだろう。
【0019】
上述した特徴および以下でさらに説明される特徴は、それぞれに示された組合せにおいてのみでなく、本発明の範囲を外れることなく、他の組合せにおいてまたは単独で用いられ得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明に係るフィルタ装置の縦断面図である。
図2図2は、リングフィルタ要素の三次元図である。
図3図3は、ピンの領域におけるフィルタ装置の断面図である。
図4図4は、フィルタ装置のドームの三次元図である。
図5a図5aは、リングフィルタ要素の特定の取付状態におけるフィルタ装置の断面図である。
図5b図5bは、リングフィルタ要素の特定の取付状態におけるフィルタ装置の断面図である。
図5c図5cは、リングフィルタ要素の特定の取付状態におけるフィルタ装置の断面図である。
図5d図5dは、リングフィルタ要素の特定の取付状態におけるフィルタ装置の断面図である。
図6図6は、別の実施形態のドームの三次元図である。
図7図7は、下側端部ディスクの領域におけるフィルタ装置の三次元図である。
図8図8は、図7の端部ディスクの三次元図である。
図9図9は、リングフィルタ要素の三次元図である。
図10図10は、フィルタハウジングの三次元上面図である。
図11図11は、フィルタハウジングの縦断面図である。
図12図12は、リングフィルタ要素の三次元図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。同一のあるいは似ている、または機能的に同一の構成要素には同じ参照番号を付する。
【0022】
図1は、フィルタ装置1の縦断面図を示しており、当該フィルタ装置は、例えば、オイルフィルタ1’として構成され得る。フィルタ装置1は、フィルタハウジング2と、このフィルタハウジング2に取付可能なリングフィルタ要素3とを備えており、図1には、リングフィルタ要素3がフィルタハウジング2内に取り付けられた状態が示されている。フィルタハウジング2は、加えて、図1に示す図に関して、フィルタハウジング2に対してリングフィルタ要素3を取り付けたり取り外したりできるようにするために、フィルタハウジング2を頂部で閉じかつ残りのフィルタハウジング2から例えば対応するねじ山により取り外し可能なハウジングカバー(図示せず)を有している。リングフィルタ要素3はは、ハウジングカバーから離間したその側面に下側端部ディスク4を有しており、この下側端部ディスクには、偏心して設けられかつ下側端部ディスク4から軸方向に突出したピン5が設けられている。組み立てられた状態において、ピン5は、フィルタハウジング2の溝6に係合しており、当該溝は、特に排出溝6’として構成され得、この排出溝は、例えば、リングフィルタ要素3を取り外すときにフィルタハウジング2から余剰のオイルを排出するのに役立つ。ピン5は、溝6をシールするためのシーリングリング7に囲まれている。
【0023】
リングフィルタ要素3は、円筒形状に構成されていて、中央に設けられて同様に円筒形状に構成された内側フレーム8を有している。この内側フレームは、リングフィルタ要素3を安定させること、およびフィルタハウジング2にリングフィルタ要素3を取り付けることに役立つ。組み立てられた状態において、フィルタハウジング2のドーム9は、内側フレーム8の内部、したがってリングフィルタ要素3の内部に係合している。内側フレーム8は、フィルタ材10に囲まれており、このフィルタ材は、リングフィルタ要素3の下側端部ディスク4および上側端部ディスク11により、軸方向に向かい合った側面において区画されている。
【0024】
加えて、フィルタハウジング2は、第1の領域12を有しており、一方、リングフィルタ要素3は、フィルタハウジング2の第1の領域12と対応付けられた第2の領域13を有している。図1に示す例では、第1の領域12は、ドーム9に相当し、一方、第2の領域13は、内側フレーム8により形成された、リングフィルタ要素3の内側周縁部14に相当する。第1の領域12、したがってドーム9には、案内輪郭15が設けられており、この案内輪郭は、リングフィルタ要素3に面するドーム9の表面16上に構成されている。加えて、第2の領域13、したがって内側フレーム8の内側周縁部14には、少なくとも2つの案内要素17,18が設けられており、図1においては1つだけのそのような案内要素17が見えている。図1に示すリングフィルタ要素3の組み立てられた状態において、それぞれの案内要素17,18は、案内輪郭15の対応付けられた軸方向溝19,20に係合する。このことは、リングフィルタ要素3が組み立てられた状態では、一方ではピン5が溝6に係合し、他方では案内要素17,18が対応する軸方向溝19,20に係合することを意味する。
【0025】
図2は、リングフィルタ要素3の三次元図を示しており、一方、図3は、リングフィルタ要素3の断面図を示している。特に図3において、内側フレーム8が、ピン5に面する側において、下側端部ディスク4に設けられたシーリングリップ21により取り囲まれていることがわかり、当該シーリングリップは、リングフィルタ要素3のシーリングを担保している。
【0026】
図4は、ドーム9の三次元図を示している。その中で、ドーム9の表面16上に構成された案内輪郭15が少なくとも2つの軸方向溝19,20を有していることがわかり、図1図12に示す実施形態ではそのような軸方向溝19,20を2つだけ有している。加えて、案内輪郭15が、傾斜路の態様で構成されているか、または螺旋状の構成を有していることがわかる。ここで、軸方向溝19の1つは、傾斜路のような態様で構成された案内輪郭15の高さ方向22に沿って最も低い位置に設けられている。それに応じて、他方の軸方向溝20は、案内輪郭15の高さ方向22に関して最も高い位置に構成されている。図4では、加えて、案内輪郭15の最も低い位置に設けられた軸方向溝19は、他方の軸方向溝20よりも大きく構成されていて、特により大きな入口断面23を有している。
【0027】
図5a〜図5dは、図4に示すドーム9を伴うフィルタハウジング2へのリングフィルタ要素3の取付けの間における異なった状態のフィルタ装置1の断面をそれぞれ示している。図5では、案内輪郭15の最も低い位置に設けられた軸方向溝19に対応する案内要素17が、他方の軸方向溝20に対応する案内要素18よりも大きく構成されていることがわかる。ここで、案内要素17,18は、内側フレーム8のまたはリングフィルタ要素13の内側周縁部14に同じ高さで設けられている。リングフィルタ要素3をフィルタハウジング2に取り付けている間、案内要素17,18は、案内輪郭15に沿って案内され、軸方向溝20に対応する案内要素18は、案内輪郭15に沿ってスライドする。したがって、リングフィルタ要素3のフィルタハウジング2への取付けは、矢印で示す取付動作24により行われ、ここで当該取付動作は、ねじ込み動作24’に実質的に一致している。取付動作24を通して、案内要素17,18は、したがって案内輪郭15に沿って案内される。ここで、大きい方の案内要素17は、軸方向溝20の入口断面23よりも大きな寸法を有しているため、軸方向溝20に係合することなく、小さい方の入口断面23を伴う軸方向溝20を超えて案内される。大きい方の案内要素17が対応する軸方向溝19の上方にきたとき(図5を参照)、当該案内要素は、案内輪郭15の傾斜路のような構成のためにドーム9にぶつかり、そのため、さらなるねじ込むような取付動作24は不可能となる。この位置では、他方の案内要素18は、また、対応する軸方向溝20の上方に位置しており、一方、ピン5は、溝6の上方に配置されている。したがって、リングフィルタ要素3は、案内要素17,18がそれぞれ対応する軸方向溝19,20に係合するように、軸方向動作24”により移動させられ得る。この位置では、ピン5は、また、溝6に係合する。したがって、フィルタ装置1の不具合のない動作は、図5dおよび図1に示す状態においてのみ可能である。
【0028】
取付動作24は、特に上記ハウジングカバーを通して行われ得、当該ハウジングカバーは、リングフィルタ要素との対応する接続を有し得、かつ、リングフィルタ要素3のフィルタハウジング2への取付けの間、フィルタハウジング2と共にねじ込まれる。
【0029】
図5a〜図5dでは、案内要素17,18および軸方向溝19,20が、リングフィルタ要素3のフィルタハウジング2への取付けにおいて、錠鍵方式に従って機能することが容易にわかり得る。それにより、好ましくないリングフィルタ要素3、例えば不十分な品質を有するリングフィルタ要素がフィルタハウジング2に取り付けられることが防止され得る。
【0030】
図6は、別の実施形態におけるそのようなドーム9の三次元図を示している。ドーム9は、針状の形状を有していて、ドーム9の表面16上に構成されている。ここで、針状の態様で構成された案内輪郭15は、2つの対向するように向けられた傾斜面25を有しており、当該傾斜面は対称的に延びている。この実施形態では、また、大きい方の入口断面23を有する軸方向溝19は、案内輪郭15の最も深い位置に設けられており、一方、小さい方の入口断面23を有する軸方向溝20は、より高い位置に設けられかつ傾斜面25の1つの領域において構成されている。ここで、取付動作24は、軸方向溝19に対応する案内要素17が、取付けの間、小さい方の入口断面23を有する軸方向溝20を超えて案内されるように行われる。図5cおよび図5dに示す取付けの過程に類似する態様において、案内要素17,18は、対応する軸方向溝19,20に係合する。
【0031】
図7には、フィルタ装置1の異なる実施形態が示されており、理解を容易にするために、リングフィルタ要素3の下側端部ディスク4およびフィルタハウジング2のドーム9のみが図示されている。図7に示す実施形態では、案内輪郭15は、ドーム9の外側周縁部26に設けられていて、針状の態様で構成されている。図8では、関連する下側端部ディスク4が個別に図示されている。そこでは、案内要素17,18が、端部ディスク4に設けられていて、ねじ頭の態様で構成されていることがわかる。
【0032】
フィルタ装置1の別の実施形態が図9および図10に示されており、図9は、リングフィルタ要素3を示し、一方、図10では、対応するフィルタハウジング2が図示されている。ここで、案内輪郭15は、リングフィルタ要素3の外側周縁部27に設けられており、当該外側周縁部は、第2の領域13に相当する。組み立てられた状態において、リングフィルタ要素3の外側周縁部27は、フィルタハウジング2の内側周縁部28に面する。軸方向溝19,20に対応する案内要素17,18は、フィルタハウジング2の内側周縁部28に設けられており、それにより、フィルタハウジング2の内側周縁部28は、第1の領域12に相当する。ここで、先行の実施形態とは対照的に、最も大きな入口断面23を有する軸方向溝19は、案内輪郭15の最も低い位置には設けられておらず、むしろ案内輪郭15の最も高い位置に設けられている。
【0033】
図11および図12は、フィルタ装置1の別の実施形態を示しており、図11では、フィルタハウジング2の縦断面図が示され、一方、図12では、関連するリングフィルタ要素3の三次元図が図示されている。図9および図10に図示された実施形態とは対照的に、案内輪郭15は、フィルタハウジング2の内側周縁部28に設けられており、一方、案内要素17,18は、リングフィルタ要素の外側周縁部27に設けられている。加えて、案内要素17,18は、先行の実施形態とは対照的に、対応する領域13の異なる高さに、したがって、リングフィルタ要素3の外側周縁部27の異なる高さに設けられている。
【0034】
図7および図8、または図9および図10に示された実施形態では、案内輪郭15は、枠組みのような態様で構成されていて、対応する外側周縁部26,27に設けられている。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12