特許第6261617号(P6261617)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユーシーエル ビジネス ピーエルシーの特許一覧

特許6261617嚢胞性腎疾患の処置に使用されるリンパ管新生を誘発する作用物質
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261617
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】嚢胞性腎疾患の処置に使用されるリンパ管新生を誘発する作用物質
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/18 20060101AFI20180104BHJP
   A61K 31/713 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 35/761 20150101ALI20180104BHJP
【FI】
   A61K38/18ZNA
   A61K31/713
   A61K48/00
   A61P13/12
   A61P43/00 111
   A61K35/761
【請求項の数】15
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-557515(P2015-557515)
(86)(22)【出願日】2014年2月14日
(65)【公表番号】特表2016-509018(P2016-509018A)
(43)【公表日】2016年3月24日
(86)【国際出願番号】GB2014050436
(87)【国際公開番号】WO2014125291
(87)【国際公開日】20140821
【審査請求日】2017年2月10日
(31)【優先権主張番号】61/764,626
(32)【優先日】2013年2月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507299817
【氏名又は名称】ユーシーエル ビジネス ピーエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ロング,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ウィンヤード,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ジェニファー
【審査官】 高橋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/078624(WO,A1)
【文献】 Am J Physiol Renal Physiol,2011年,Vol.301,F773-783
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/18
A61K 48/00
A61P 13/12
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腎嚢胞性疾患に罹患している対象の嚢胞形成、嚢胞の数又は嚢胞のサイズを低減するための医薬組成物であってVEGF−Cポリペプチド;VEGF−Dポリペプチド;VEGF−Cポリペプチドをコードする核酸;VEGF−Dポリペプチドをコードする核酸からなるリストから選択される作用物質を含む医薬組成物
【請求項2】
前記腎嚢胞性疾患がPKD又は嚢胞性異形成であり、前記PKDが任意にARPKD又はADPKDである、請求項1記載の使用される医薬組成物
【請求項3】
前記嚢胞形成、嚢胞の数又は嚢胞のサイズの低減が、前記疾患の進行を抑制すること、腎不全の可能性もしく重症度又は腎機能の低下を防止又は軽減すること;又は腎臓のサイズ/体重の比を小さくすることである、請求項1又は2に記載の医薬組成物
【請求項4】
前記作用物質が
(i)VEGF−C
(ii)VEGFR−3への結合活性及びリンパ管新生活性を維持したVEGF−Cの断片;
(iii)VEGF−Cと少なくとも70%の同一性を共有するVEGF−Cの変異体であって、VEGFR−3への結合活性及びリンパ管新生活性を維持している変異体;
(iv)Cys156が異なる残基、好ましくはSer残基によって置換されているVEGF−C156であるVEGF−Cの誘導体であって、VEGF−Cに対する低いVEGFR−2の結合親和性を有する誘導体;
(v)D−アミノ酸を含むVEGF−Cの誘導体、
からなるリストから選択される、請求項1〜のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項5】
前記作用物質が
(i)VEGF−D
(ii)VEGFR−3への結合活性及びリンパ管新生活性を維持したVEGF−Dの断片;
(iii)VEGF−Dと少なくとも70%の同一性を共有するVEGF−Dの変異体であって、VEGFR−3への結合活性及びリンパ管新生活性を維持している変異体;
(iv)D−アミノ酸を含むVEGF−Dの誘導体;
からなるリストから選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項6】
前記作用物質がVEGF−Cである、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記作用物質がVEGF−Dである、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記作用物質が請求項4〜7のいずれか1項で規定されたVEGF−Cポリペプチド又はVEGF−Dポリペプチドである作用物質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸である、請求項1〜のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項9】
前記核酸が、哺乳動物対象の細胞での前記作用物質をコードする配列の転写のための、VEGF−Cポリペプチド又はVEGF−Dポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に機能的に連結された、プロモーターを含む遺伝子治療ベクターである、請求項に記載の医薬組成物
【請求項10】
前記VEGF−Cポリペプチド又はVEGF−Dポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が、前記作用物質の配列と共にインフレームで分泌シグナル配列もコードする、請求項に記載の医薬組成物
【請求項11】
前記遺伝子治療ベクターが、アデノウイルスベクター又はアデノ随伴ウイルスベクターである、請求項又は10に記載の医薬組成物
【請求項12】
任意選択の前記対象の前記疾患の診断又は前記疾患に対する感受性の診断の後に、嚢胞の減少についての予防のために、前記対象に予防有効量投与される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項13】
腎臓の標的部位に注射により直接的に投与される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項14】
毎週投与される、請求項12又は13に記載の医薬組成物
【請求項15】
前記嚢胞形成、嚢胞の数又は嚢胞のサイズの低減が、嚢胞性腎疾患の別の治療法と併用され、前記別の治療法が、症状又は疾患の修飾である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、全体として、嚢胞性腎疾患、特に多嚢胞性腎疾患の処置に使用される方法及び物質に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
多嚢胞性腎疾患(PKD)は、病的状態、腎不全、及び出生前から成人期までの死をもたらす。
【0003】
PKDは、体液で満たされた複数の嚢胞の成長によって特徴付けられ、これらの嚢胞は、正常な腎構造を減少させて腎機能を低下させ、多くの場合、末期腎疾患をもたらす。
【0004】
劣性遺伝型(ARPKD)は、20,000分の1の確率で発生し、大部分が、出生前から青年期までの任意の段階であり得る小児で発症し;そのほぼ全てが、腎不全を起こし、透析及び/又は移植を必要とする。
【0005】
優性型は、600分の1の確率であり、より一般的であり、約50%のケースで腎不全を引き起こし、通常は中年で発症する。ADPKDは、成人透析計画患者の2〜3%を占め、かなりの医療費の負担となっている(Lentine KL et al Clin J Am Soc Nephrol 2010 5: 1471 - 1479)。
【0006】
今日まで、殆どの処置戦略は、嚢胞自体の内部の破壊された細胞機能を標的としていたが、このアプローチにより、PKD用の臨床的に改善された治療法も生み出されている。
【0007】
具体的には、戦略は、嚢胞の発生を低減するように臨床試験が行われたが、その殆どがトルバプタン、選択的な競合的バソプレシン受容体2拮抗薬を除き、ヒトの耐用量では効果がないと思われる。これは、染色体優性遺伝(AD)PKDの進行中の腎臓体積の予想される増加を有意に軽減すると近年報告された(Torres et al N Engl J Med 2012 367: 2407-2418)。しかしながら、成人でのみ臨床試験が行われ、副作用のために4分の1を超える患者の臨床試験が中止された。これは、若年期/小児期に発症するヒト染色体劣性(AR)PKDを考慮すると、水処理量の増加が実現困難であり得、水分摂取を減少させる併発小児疾患では潜在的に危険であり問題である。
【0008】
別の処置アプローチは、シロリムス(ラパマイシン)、mTOR阻害剤である。この効果は、主に薬物の増殖抑制効果によるものである(Peces et al. NDT plus 2009 2: 133-135; Tao et al J Am Soc Nephrol. 2005 16: 46-51)。
【0009】
従って、嚢胞性腎疾患、例えば、PKD、特に、例えば、ARPKD及び早期ADPKDの処置により有効な戦略は、当分野に貢献し得ることが分かるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の開示
本明細書では、嚢胞性腎疾患の新規な処置を開示する。
【0011】
以降により詳細に説明されるように、本発明者らは、PKDでは血管及びリンパ管に大きな変化が起こることを示した。本発明者らは、PKDでは、腎嚢胞の周囲の微小血管系が、血管からリンパ内皮表現型に移行することを実証した。さらに、リンパ管の強力な調節因子(VEGF−C)でのPKDマウスモデル(Pkd1nl/nl及びCys1cpk/cpkマウス)の処置は、嚢胞形成を著しく減少させ、かつリンパ管の成長、生存、及び移動を促進した。従って、このような調節因子の使用は、このような疾患を処置するための処置戦略となる。
【0012】
血管内皮成長因子(VEGF)は、血管網の形成及び機能を調整する重要な分子である。血管新生の調節障害は、様々な病的状態に関連している。例えば、新形成は、無制限の血管新生を呈し、虚血及び血管不全の状態は、VEGF活性の低下を伴う。VEGFの役割は、これらの疾患プロセスで解明されているため、その処置的役割が開発された。米国食品医薬品局は、大腸癌、肺癌、及び腎癌の処置用のいくつかの抗VEGF剤を承認した。VEGF誘発剤もまた、重篤な肢虚血患者の血管新生を誘導するために実験的に使用されている(Birk et al Vascular and endovascular surgery 2009 42: 517-530を参照されたい)。
【0013】
現在、VEGFファミリーの多数のメンバーが知られている(VEGF A、B、C、D、及びE)。血管新生の阻害によって癌を処置するための抗VEGF剤の研究は、主にVEGF−Aに集中している。VEGF−Aとは異なり、因子VEGF−C及びVEGF−Dは主に、リンパ管新生及びリンパ管系の発生に作用する。VEGF−C及びVEGF−Dは、VEGFR−3を介してリンパ管新生を誘導し、腫瘍におけるリンパ管新生であり、転移を刺激することも示されている−Lohela et al Curr Opin Cell Biol 2009 21 : 154-165を参照されたい。
【0014】
従来技術では、VEGF受容体の阻害が、cADPKD肝嚢胞疾患に関連した嚢胞の成長を阻害し得ることが示唆されていたため、この結果は驚きである−Amura et al Am J Physiol Cell Physiol 2007 293: C419-C428を参照されたい。嚢胞腎に関しても同様の示唆がなされた−Tao et al Kidney Int 2007 72: 1358-1366を参照されたい。
【0015】
さらに、mTOR阻害剤(上記)の使用もまた、リンパ管新生を妨げることが予想され得る(即ち、リンパ管新生作動薬の投与の逆の効果)−Huber et al Kidney Int. 2007 71 : 771-777を参照されたい。
【0016】
Huang et al “Angiogenesis and autosomal dominant polycystic kidney disease. ” Pediatr Nephrol. 2012 Sep 19.[印刷の前に電子ジャーナルに公開]もまた、嚢胞の成長に対して「全般的な支援」を行う経路、例えば、周囲血管の標的化を使用して嚢胞の進行を抑制できるという仮説を立てている。これを達成する1つの方法は、VEGF−Aの阻害であると仮定された。
【0017】
VEGF−C及びVEGF−Dは、腎不全(例えば、慢性傷害及び炎症並びに線維症)及びヒト腎生検標本に関連して議論されたが、嚢胞性腎疾患については議論されていない(Lee et al “Kidney Int. 2012 Aug 29. doi: 10.1038/ki.2012.312.[印刷の前に電子ジャーナルに公開];Suzuki et al Kidney Int. 2012 81 : 865-879; Sakamoto et al. ” Kidney Int 2009 75: 828-838を参照されたい)。
【0018】
従って、既存の技術の基では、VEGF−C又は他のリンパ管新生剤での処置が、腎嚢胞性疾患、例えば、PKDにおいて本明細書に記載される有益な効果を有し得ることが期待できなかったであろう。
【0019】
ここで、以下の非限定の図面及び実施例を参照して本発明をさらに説明する。当業者であれば、これらの図面及び実施例から、本発明の他の実施形態に想到するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】VEGFCのCys1cpk/cpkマウスへの投与を示している。(a)は、実験戦略の概要である。(b)は、PBS又はVEGFCのいずれかが投与されたCys1+/+及びCys1cpk cpkマウスからの腎臓の外観全体を示す代表的な画像である。各パネルのバーは5cmである。(c)は、腎臓/体重の比の評価であり、(d)は、血中尿素窒素の濃度である。PBS又はVEGFCのいずれかが投与されたCys1+/+及びCys1cpk cpkマウスから得られた、過ヨウ素酸シッフ染色された腎臓切片の代表的な画像。各パネル(e〜j)のバーは50μmである。個々の嚢胞の平均面積を決定する、解剖顕微鏡下の全腎臓の画像のImage J粒子分析の結果である(k)。各群においてn=7〜11であり、分析により、群間で=p<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001である。
図2】VEGFCのPkd1nl/nlマウスへの投与を示している。(a)は、実験戦略の概要である。(b)は、PBS又はVEGFCのいずれかが投与されたPkd1+/+及びPkd1nl/nlマウスからの腎臓の外観全体を示す代表的な画像である。各パネルのバーは5cmである。(c)は、腎臓/体重の比の評価であり、(d)は、血中尿素窒素の濃度である。PBS又はVEGFCのいずれかが投与されたPkd1+/+及びPkd1nl/nlマウスから得られた、過ヨウ素酸シッフ染色された腎臓切片の代表的な画像。各パネル(e〜j)のバーは50μmである。個々の嚢胞の平均面積を決定する、解剖顕微鏡下の全腎臓の画像のImage J粒子分析の結果である(k)。各群においてn=4〜8であり、分析により、群間で=p<0.05である。
図3a-l】Pkd1nl/nlマウスの腎微小血管系に対するVEGFCの投与の効果を示している。皮質管及び髄管を取り囲んでいる微小線形網に配置された、CD31+及びVEGFR3+を含むPkd1+/+マウスの血管(a〜d);これらのパターンは、未処置Pkd1nl/nlマウスでは乱れているが(e〜h)、VEGFCが投与されたPkd1nl/nlマウスでは、これらの異常なパターンが正常化されている(i〜l)。画像は、各郡で分析された5〜8匹の動物の代表である。
図3m-o】増殖するVEGFR3(m)及びCD31(n)毛細管及びCD206(o)陽性細胞の定量であり、各群においてn=5〜8であり、群間で*=p<0.05である。
図3p-q】VEGFR3(p)又はVEGFR2(q)はいずれも、ゼラチン−3に対して陽性であった遠位尿細管に由来する嚢胞(cy)の壁で発現しなかった。
図3r-t】(r〜t)は、PKD腎臓の腎微小血管系における変化及びVEGFC治療法の効果を概説する概略図である。各パネルのバーは50μmである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
従って、本発明の一態様では、腎嚢胞性疾患に罹患している対象の腎嚢胞性疾患を処置する方法が提供され、この方法は、対象に化合物を投与するステップを含み、この化合物は、リンパ管新生剤又は前記リンパ管新生剤をコードする核酸である。
【0022】
リンパ管新生とは、特に、既に存在しているリンパ管からのリンパ管の形成のことであるが、本明細書で使用される場合、この語は、あらゆる条件下でのリンパ管の形成を指す。また、この語は、一般的にはリンパ管の過形成として知られているリンパ管の拡張も指す。リンパ管新生は、恒常性、代謝、及び免疫において重要な生理学的役割を果たす。リンパ管の形成はまた、腫瘍転移、浮腫、間接リウマチ、乾癬、及び創傷治癒障害を含む多数の病的状態に関連している。
【0023】
リンパ管新生促進剤又はリンパ管作動薬は、当分野で公知又は本明細書に記載される任意の物とすることができる。
【0024】
リンパ管新生は、VEGF−C及びVEGF−Dによって相当程度制御される。リンパ管新生は、特に、VEGFR−3のリガンド、VEGF−C及びVEGF−Dに特異的に結合するときに、VEGFR−3によって媒介されるシグナル伝達によって制御されると思われる。
【0025】
好ましくは、本作用物質は、VEGFR−3の作動薬である、即ち、VEGFR−3からのシグナル伝達を刺激する。
【0026】
一実施形態では、本作用物質は、VEGF−Cポリペプチド、例えば、VEGF−C又はその類似体もしくは誘導体である。
【0027】
一実施形態では、本作用物質は、VEGF−Dポリペプチド、例えば、VEGF−D又はその類似体もしくは誘導体である。
【0028】
一実施形態では、本化合物は、これらのうちの1つをコードする核酸である。
【0029】
本発明の一態様では、腎嚢胞性疾患に罹患している対象の腎嚢胞性疾患を処置する方法が提供され、この方法は、対象に化合物を投与するステップを含み、この化合物は、VEGF−C又はVEGF−D又はこれらのいずれかの類似体もしくは誘導体から選択される作用物質、又は前記作用物質をコードする核酸である。
【0030】
対象は、好ましくはヒトである。
【0031】
本発明はまた、腎嚢胞性疾患の処置方法に使用される記載の化合物も提供する。
【0032】
本発明はまた、腎嚢胞性疾患の処置方法に使用される記載の化合物、及び薬学的に許容され得る担体又は希釈剤を含む医薬組成物も提供する。
【0033】
本発明また、腎嚢胞性疾患の処置又は予防に使用される、薬剤の製造で記載の化合物の使用も提供する。
【0034】
いずれの場合(化合物、医薬組成物、又は使用)も、処置方法に関する本明細書での開示は、変更すべきところは変更してこれらの態様にも適用されること理解されたい。
【0035】
本発明の態様の実施では、作用物質は、VEGFR−1でもVEGFR−2でもなく、VEGFR−3受容体に優先的に作用するという意味で、「選択的」リンパ管新生促進剤又はリンパ管作動薬となる。
【0036】
以下に説明されるように、作用物質は、リンパ管により特異的に作用するように操作されたVEGF−C又はVEGF−Dの誘導体、例えば、VEGF−C156であり得る。この誘導体では、Cys156が、VEGFR−3の選択的作動薬となるようにSer残基で置換されている。
【0037】
化合物は、上記説明された作用物質をコードする核酸であり得る。このような化合物は、腎嚢胞性疾患の遺伝子治療に対して有用性を有し得る。これについては、以降により詳細に記載される。
【0038】
一実施形態では、腎嚢胞性疾患は、PKD又は嚢胞性異形成である。
【0039】
一実施形態では、この疾患は、ARPKD又はADPKDである。例えば、方法は、小児のADPKDの初期の処置に使用することができる。
【0040】
一実施形態では、本作用物質は、例えば、皮質及び髄質における嚢胞形成又は嚢胞の数を低減する。
【0041】
一実施形態では、本作用物質は、疾患における腎臓のサイズを縮小する。
【0042】
一実施形態では、本作用物質は、肉眼的な腎形態によって評価される疾患の重症度を軽減する。
【0043】
一実施形態では、本作用物質は、正常な尿細管を保護するためのものである。
【0044】
一実施形態では、本作用物質は、例えば、皮質管と髄管との間の毛細管パターン又は微小血管系を正常化するためのものである。
【0045】
一実施形態では、本作用物質は、CD31+内皮細胞及び/又はVEGFR3+内皮細胞の存在を増加させるため、又は嚢胞上皮細胞の発生を抑制するためのものである。
【0046】
本明細書に記載される化合物は、リンパ系を標的とすると考えられ、かつ疾患の進行を抑制する働きをし得る。処置及び予防は、以下により詳細に記載される。この方法は、腎不全の可能性もしくは重症度又は腎機能の低下を防止又は軽減する目的を有し得る。この方法は、対象又は嚢胞領域における腎臓のサイズ/体重の比を縮小する目的を有し得る。これらの結果は全て、当業者が評価することができる。例えば、腎機能は、血中尿素窒素、血清クレアチニンのようなマーカー、及び尿検査によって評価することができる。
【0047】
本明細書に記載される化合物又は作用物質は、本明細書に記載される発明の方法及び態様に使用される純粋な形態又は単離された形態で提供することができる。
【0048】
作用物質の例
リンパ管新生剤は、当分野で公知であり、当業者が本明細書を踏まえて調製し、使用することができる。前記作用物質をコードする同様の核酸を、過度の負担なしに提供することができる。
【0049】
既知のリンパ管新生剤の例の非限定のリストには、アンジオポイエチン−2(http://www.uniprot.org/uniprot/O15123; Gale et al. Dev Cell 2002 3: 411-423);coup-tfll(http://www.uniprot.org/uniprot/P24468, Lin et al. J Clin Invest 2010 120: 1694-1707);foxc2(http://www.uniprot.org/uniprot/Q99958; Wu et al. Lymphology 2011 44: 35-41);ニューロピリン−2(http://www.uniprot.org/uniprot/O60462; Xu et al J Cell Biol 20*10 188: 115-130)及びproxl(http://www.uniprot.org/uniprot/Q92786; Wigle et al EMBO J 2002 21 : 1505-1513)が含まれる。
【0050】
好ましい作用物質は、血管内皮成長因子(VEGF)又はその類似体もしくは誘導体である。上記説明されたように、VEGFは、成長因子のサブファミリー、特に、シスチンノット成長因子の血小板由来成長因子ファミリーである。好ましい作用物質は、脈管形成(胚の循環系のデノボ形成)及び血管新生(既存の血管系からの血管の成長)の両方に関与する重要なシグナル伝達タンパク質である。血小板由来成長因子のファミリーメンバーには、胎盤成長因子(PIGF)、VEGF−A(VEGFとしても知られている)、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、及びVEGF−Eが含まれる。
【0051】
VEGF−A、VEGF−C、及びVEGF−Dは、構造的に関連した膜受容体チロシンキナーゼ;VEGF受容体−1(VEGFR−1又はFlt−l)、VEGFR−2(flk−1又はKDR)、及びVEGFR−3(Flt−4)に様々に結合して活性化させることによってそれらの効果を発揮する。VEGFファミリーメンバーはまた、構造的に異なる受容体ニューロピリン−1及び2と相互作用し得る。VEGFのこれらの受容体への結合により、シグナル伝達カスケードを開始し、遺伝子発現及び細胞の生存、増殖、及び遊走に影響を与える。
【0052】
当分野では、血管内皮成長因子−C及びDが、VEGFR−3によってリンパ管新生を誘導し、VEGFR−2によっても部分的にリンパ管新生を誘導することが知られている。
【0053】
VEGF−Dは、VEGF−Cよりも強力なリンパ管作動薬であると報告されている(Rissanen et al. Circ Res 2003 92: 1098-1106)。
【0054】
従って、好ましい作用物質は、ヒトVEGF−C又はDである。これらの作用物質は、十分に特徴付けられ、その配列は、当分野で公知である(本明細書では、それぞれ、配列番号:1及び2として示されている)。
【0055】
VEGF−Cは、嚢胞性腎疾患ではないが、リンパ管新生の処置薬として提案された−Szuba et al. “Therapeutic lymphangiogenesis with human recombinant VEGF-C. ” The FASEB journal 2002 16: 1985-1987; Goldman et al. “Regulation of lymphatic capillary regeneration by interstitial flow in skin. ” American Journal of Physiology-Heart and Circulatory Physiology 2007: 292: H2176-H2183を参照されたい。
【0056】
他のリンパ管新生剤は、VEGFR−3に結合して、このVEGFR−3によって媒介されるシグナル伝達を刺激又は誘導するリンパ管新生剤である。これらは、好ましくは、その受容体に選択的に結合する。「VEGFR−3に選択的に結合する」とは、VEGFR−2に有意に結合しないし、VEGFR−2との高い反応性を示す形態に生体内でタンパク質分解的に処理もされないポリペプチドのことである。例示的なVEGFR−3特異的VEGF−Cポリペプチドは、以下に記載されるVEGF−C 156ポリペプチドを含む。
【0057】
「VEGF−Cポリペプチド」という語は、VEGF−C又はVEGF−C類似アミノ酸配列(即ち、本明細書の他の部分でより詳細に定義される変異アミノ酸配列)を有し、かつVEGFR−3結合性及び刺激性(即ち、リンパ管新生を引き起こす)を有するあらゆるポリペプチドを含む。「VEGF−Cポリヌクレオチド」という語は、VEGF−Cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むあらゆるポリヌクレオチド(例えば、1本鎖又は2本鎖のDNA又はRNA)を含む。遺伝子コードの周知の縮重により、複数のVEGF−Cポリヌクレオチド配列が、任意の選択されたVEGF−Cポリペプチドをコードする。本発明に有用であり得る誘導体は、例えば、開示内容が本明細書に明確に援用される国際公開第9705250号及び本明細書で引用される参考文献に記載されている。
【0058】
一実施形態では、本作用物質は、活性、特異性、又はその他の薬物動態学的特性、例えば、半減期を増加させるために修飾された誘導体である。
【0059】
好ましい誘導体は、報告によるとVEGFR−3の選択性を高めるSer残基(又は別の残基)でCys156が置換されたVEGF−C156である(Joukov et al J Biol Chem 1998 273: 6599-6602)。
【0060】
ポリペプチド及び核酸の変異体
当業者であれば、上述の配列に由来する機能的変異体も同様に本発明に利用できることを理解されよう。
【0061】
作用物質の好ましい機能的誘導体は、この作用物質の活性を変更しないが、(野生型に対する)変異を含み得るタンパク質を含む。本発明によると、作用物質における好ましいさらなる変化は、「保存的」又は「安全な」置換として一般に知られている。保存的なアミノ酸置換は、作用物質の構造及び生物学的機能を保存するために、十分に類似した化学特性を有するアミノ酸での置換である。特に、挿入又は欠失に数個、例えば、10個未満、好ましくは5個未満のアミノ酸しか関与せず、作用物質の機能的な高次構造に重要であるアミノ酸が除去又は置換されない場合は、上記定義された配列において、その機能を変更することなくアミノ酸の挿入及び欠失を行うこともできることは明白である。天然タンパク質の配列及び/又は構造に対する統計的及び物理化学的な研究に基づいて保存的なアミノ酸置換の選択を行うことができる多数のモデルが文献に記載されている。
【0062】
熟練した専門家であれば、本明細書に開示されるアミノ酸及び核酸配列の機能的誘導体は、本明細書で言及される任意の配列のアミノ酸/ポリペプチド/核酸配列に対して少なくとも30%、好ましくは40%、より好ましくは50%、さらに好ましくは60%の配列同一性を有する配列を有し得ることを理解されよう。言及される任意の配列に対して好ましくは65%、より好ましくは75%、さらに好ましくは85%、さらに好ましくは90%よりも高い同一性を有するアミノ酸/ポリペプチド/核酸配列も想定される。好ましくは、このアミノ酸/ポリペプチド/核酸配列は、任意の言及される配列に対して92%の同一性、さらに好ましくは95%の同一性、さらに好ましくは97%の同一性、さらに好ましくは98%の同一性、最も好ましくは99%の同一性を有する。
【0063】
別の実施形態では、本化合物は、配列番号:1又は2に示されるアミノ酸配列又はVEGFR−3に結合するその断片に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、及び少なくとも99%又はそれ以上同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドであるか、又はこのポリペプチドを含み、このポリペプチド又は断片はVEGFR−3に結合する。
【0064】
遺伝子治療に関連した別の実施形態では、本化合物は、配列番号:1又は2に示されるアミノ酸配列又はその断片に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、及び少なくとも99%又はそれ以上同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、このポリペプチド又は断片はVEGFR−3に結合する。
【0065】
異なるアミノ酸/ポリペプチド/核酸配列間のパーセント同一性の計算は、以下のように行うことができる。まず、ClustalXプログラムによって複数のアラインメントを作成する(ペアワイズパラメータ:ギャップオープニング10.0、ギャップ延長0.1、タンパク質マトリックスGonnet 250、DNAマトリックスIUB;複数のパラメータ:ギャップオープニング10.0、ギャップ延長0.2、遅延発散配列30%、DNA遷移重量0.5、負のマトリックスオフ、タンパク質マトリックスgonnetシリーズ、DNA重量IUB;タンパク質ギャップパラメータ、残基特異的ペナルティーオン、親水性ペナルティーオン、親水性残基GPSNDQERK、ギャップ離隔距離4、エンドギャップ離隔オフ)。次いで、パーセント同一性を、(N/T)×100として複数のアラインメントから計算し、式中のNは、2つの配列が同一の残基を共有する位置の数であり、Tは、比較する位置の総数である。あるいは、パーセント同一性は、(N/S)×100として計算することができ、式中のSは、比較する短い配列の長さである。アミノ酸/ポリペプチド/核酸配列は、始めから合成しても良いし、又は天然のアミノ酸/ポリペプチド/核酸配列又はその誘導体でも良い。
【0066】
あるいは、実質的に類似したヌクレオチド配列は、ストリンジェントな条件下で、本明細書で言及される任意の核酸配列又はそれらの相補体にハイブリダイズする配列によってコードされる。ストリンジェントな条件とは、ヌクレオチドが、6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でフィルタに結合したDNA又はRNAにハイブリダイズし、次に、約5〜65℃で、0.2×SSC/0.1%SDSで少なくとも1回洗浄されることを意味する。あるいは、実質的に類似したポリペプチドは、少なくとも1つであるが5つ未満、10未満、20未満、50未満、又は100未満のアミノ酸が本発明によるペプチド配列と異なり得る。
【0067】
遺伝子コードの縮重により、コードされる作用物質のタンパク質の配列に実質的に影響を与えることなく、任意の核酸配列を変更又は変化させることができることは明白であり、従って、その機能的変異体を提供することができる。適切なヌクレオチド変異体は、配列内の同じアミノ酸をコードする異なるコドンの置換によって変更され、従って、沈黙変化をもたらす配列を有するヌクレオチド変異体である。他の適切な変異体は、相同なヌクレオチド配列を有するが、保存的な変化となるように、生物物理学的な特性が置換されるアミノ酸と類似の側鎖を有するアミノ酸をコードする異なるコドンの置換によって変更された配列の全て又は一部を含む変異体である。例えば、小さい非極性の疎水性アミノ酸には、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、及びメチオニンが含まれる。大きい非極性の疎水性アミノ酸には、フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシンが含まれる。中立極性のアミノ酸には、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン、及びグルタミンが含まれる。正に帯電した(塩基性)アミノ酸には、リジン、アルギニン、及びヒスチジンが含まれる。負に帯電した(酸性)アミノ酸には、アスパラギン酸及びグルタミン酸が含まれる。
【0068】
本発明に使用するのに適した例示的なVEGF−C及びVEGF−D変異体は、国際公開第2008096268号に記載されている。
【0069】
配列変異体に加えて、タンパク質配列の様々な修飾も想定され、請求される発明の範囲内である、即ち、このような修飾は、例えば、アセチル化、アミド化、カルボキシル化、リン酸化、タンパク分解的切断、又はリガンドへの結合によって、翻訳中又は翻訳後に起こる修飾である。
【0070】
本発明に従って使用されるタンパク質又はペプチド剤の誘導体には、このタンパク質又はペプチド剤の生体内での半減期を長くする誘導体が含まれる。本発明によるポリペプチドの半減期を長くすることができる誘導体の例としては、ペプトイド誘導体、D−アミノ酸誘導体、及びペプチドとペプトイドのハイブリッドが挙げられる。
【0071】
本発明によるタンパク質及びペプチド剤は、多数の手段(例えば、標的部位におけるプロテアーゼ活性)によって分解され得る。このような分解は、このタンパク質及びペプチド剤のバイオアベイラビリティ、従って、処置的有用性を制限し得る。生体内での安定性を高めたペプチド誘導体を設計及び生産することができる十分に確立された方法が多数存在する。このようなペプチド誘導体は、プロテアーゼ媒介分解に対する耐性の増加の結果として改善されたバイオアベイラビリティを有し得る。好ましくは、本発明に従って使用するのに適した誘導体は、その起源となるタンパク質又はペプチドよりもプロテアーゼ耐性が高い。ペプチド誘導体及びこのペプチド誘導体の起源であるタンパク質又はペプチドのプロテアーゼ耐性を、周知のタンパク分解アッセイによって評価することができる。次いで、ペプチド誘導体とペプチドのプロテアーゼ耐性の相対値を比較することができる。
【0072】
本発明によるタンパク質及びペプチドのペプトイド誘導体は、本明細書に記載される又は当分野で公知の配列の知識から容易に設計することができる。市販のソフトウェアを用いて、十分に確立されたプロトコルに従ってペプトイド誘導体を開発することができる。
【0073】
レトロペプトイド(全てのアミノ酸が逆の順序でペプトイド残基によって置換されている)もまた、本発明によるタンパク質又はペプチドを模倣することができる。レトロペプトイドは、ペプチド又は1つのペプトイド残基を含むペプトイドとペプチドのハイブリッドと比較して、反対方向にリガンド結合溝に結合すると予想される。結果として、ペプトイド残基の側鎖は、元のペプチドにおける側鎖と同じ方向を向くことができる。
【0074】
本発明によるペプチド又はタンパク質の修飾された形態のさらなる実施形態は、D−アミノ酸の形態を含む。この場合、アミノ酸残基の順序が反転する。L−アミノ酸ではなくD−アミノ酸を使用したペプチドの調製は、通常の代謝過程による、このような誘導体のあらゆる不所望の分解を大幅に減少させ、その投与頻度と共に、投与に必要な誘導体の量を低減する。
【0075】
核酸/遺伝子治療
本明細書に記載される作用物質を直接投与する代わりに、この作用物質を、例えば、適切なベクター内の、標的細胞に導入される遺伝子をコードする異種からの発現によって標的細胞に導入することができる。ベクターは、処置する特定の細胞を標的としても良いし、又は標的細胞によってほぼ選択的にスイッチが入れられる調節要素を含んでも良い。従って、本発明の核酸ベースの処置薬は、「裸のDNA」としてポリペプチドもしくはオリゴマーの代わりとして、又は、例えば、当分野で周知である従来の遺伝子治療用ベクターと共に使用することができる。
【0076】
「異種」という語は、(例えば、VEGF−Cポリペプチドをコードする)当該ヌクレオチドの遺伝子/配列が、人工的に、即ち、人間の介入によって腎臓又は嚢胞の前記細胞に導入されたことを示すためにこの面で広く使用されている。異種遺伝子は、内在性等価遺伝子と同一であっても良い。
【0077】
従って、本発明の一態様では、本方法に使用される作用物質をコードする核酸は、組換えベクター及び好ましくは複製可能なベクターの形態である。
【0078】
以下に説明されるように、レトロウイルス、アデノウイルス、又はヘルペスもしくはワクシニアウイルス、又は様々な細菌プラスミドに由来する発現ベクターを、標的の器官、組織、又は細胞集団にヌクレオチド配列を送達するために使用することができる。当業者に周知の方法を使用して、本発明のDNA分子を発現するベクターを構築することができる。
【0079】
一般的に言えば、当業者は、ベクターを十分に構築することができ、かつ組換え遺伝子発現のためのプロトコルを十分に設計することができる。上記の本発明の要素に加えて、プロモーター配列、ターミネーター断片、ポリアデニル化配列、マーカー遺伝子、及び適切と思われる他の配列を含む適切な調節配列を有する適切なベクターを選択する、又は構築することができる。さらなる詳細については、例えば、Molecular Cloning: a Laboratory Manual: 2nd edition, Sambrook et al, 1989, Cold Spring Harbor Laboratory Press or Current Protocols in Molecular Biology, Second Edition, Ausubel et al. eds., John Wiley & Sons, (1995, and periodic supplements) を参照されたい。
【0080】
哺乳動物細胞では、多数のウイルスベースの発現系を利用することができ、例えば、アデノウイルス、SV40、又はEBVベースのベクターは、当分野で周知である。ヒト人工染色体(HAC)もまた、プラスミドに含めてこのプラスミドから発現させることができるDNAのより大きい断片を送達するために利用することができる。約6kb〜10MbのHACを構築して、これを、処置目的用の従来の送達方法(リポソーム、ポリカチオンアミノポリマー、又は小胞)によって送達する。さらなる例として、標的タンパク質の発現を増加させることができる本発明の構築物を、裸のポリヌクレオチドとして、又は担体、例えば、リポソームを用いて製剤して対象に投与し、細胞への取り込みを促進することができる。このような構築物は、適切なワクチン、例えば、ウイルスベクター(例えば、ワクシニア)、及び細菌構築物、例えば、周知のBCGワクチンの変異体などに組み入れることもできる。
【0081】
VEGFR3は、嚢胞性腎疾患の処置用ではないが、当分野で以前に遺伝子治療の標的とされた−例えば、Szuba et al., “Therapeutic lymphangiogenesis with human recombinant VEGF-C, ” FASEB J. 2002 16: 1985-1987; and Yoon et al., “VEGF-C gene therapy augments postnatal lymphangiogenesis and ameliorates secondary lymphedema, ” J. Clin. Invest. 2003 111 : 717-725 を参照されたい。
【0082】
VEGF−C遺伝子治療が、全開示内容が本明細書に具体的に援用されるVegenics社の国際公開第2008/096268号に記載されている。この国際公開に記載されているポリヌクレオチドの例には、分泌シグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列が含まれ、分泌シグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列は、VEGF−Cポリペプチドをコードする配列とインフレームに結合している。このポリヌクレオチドは、分泌シグナル配列及びVEGF−Cポリペプチドをコードする配列に機能的に接続されたプロモーター及び/又はエンハンサー配列をさらに含むことができ、このプロモーター配列は、哺乳動物対象の細胞内において、分泌シグナル配列及びVEGF−Cポリペプチドをコードする配列の転写を促進する。一変更形態では、プロモーターは、様々な細胞型における発現を促進する構成的プロモーター、例えば、サイトメガロウイルスプロモーター/エンハンサー(Lehner et al, J. Clin. Microbiol., 29:2494-2502 (1991); Boshart et al, Cell, 41 :521-530 (1985));又はラウス肉腫ウイルスプロモーター(Davis et al, Hum. Gene Ther., 4: 151 (1993))、又はシミアンウイルス40プロモーターである。また、内皮細胞特異的プロモーター、例えば、Tieプロモーター(Korhonen et al, Blood, 86(5): 1828-1835 (1995); U.S. Patent No. 5,877,020)も考えられる。
【0083】
「プロモーター」とは、機能的に連結されたDNAから下流に(即ち、2本鎖DNAのセンス鎖の3’の方向に)転写を開始することができるヌクレオチド配列のことである。
【0084】
「機能的に連結された」とは、プロモーターから開始される転写に適した位置及び向きに、同じ核酸分子の一部として接合されていることを意味する。プロモーターに機能的に連結されたDNAは、このプロモーターの「転写開始制御下」にある。
【0085】
国際公開第2008/096268号に記載されているように、様々なベクターが、VEGF−C(又はVEGF−D)導入遺伝子を宿主に導入するのに適している。参考文献に記載されている例示的なベクターとして、限定されるものではないが、レンチウイルスベクター(Kim et al, J. Virol, 72(1): 811-816 (1998);Kingsman & Johnson, Scrip Magazine, October, 1998, pp. 43-46.);アデノ随伴ウイルスベクター(Gnatenko et al, J. Investig. Med., 45: 87-98 (1997));アデノウイルスベクター(例えば、米国特許第5,792,453号; Quantin et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89: 2581-2584 (1992); Stratford-Perricadet et al, J. Clin. Invest., 90: 626-630 (1992);及びRosenfeld et al, Cell, 68: 143-155 (1992)を参照されたい);リポフェクチンによる遺伝子導入(BRL);リポソームベクター(例えば、米国特許第5,631,237号(Liposomes comprising Sendai virus proteins)を参照されたい);及びこれらの組み合わせを含む、複製欠損性レトロウイルスベクターが挙げられる。加えて、VEGF−C(又はVEGF−D)導入遺伝子は、粒子による遺伝子導入によって導入することができる(Gurunluonglu, R., et al, Ann. Plast. Surg., 49:161-169 (2002))。加えて、又は別法として、本発明の方法に使用される遺伝子治療ベクターの例として、プロモーター及び/又は追加の制御配列の制御下で特定の所望の遺伝子を発現するレトロウイルス又はエピソームベクターが挙げられる(例えば、参照により本明細書に援用される、Axelらによる米国特許第4,399,216号、及びPastanらによる米国特許第5,166,059号;又は国際公開第0159142号を参照されたい)。本明細書で企図される送達システムは、ウイルス送達システム及びリポソーム送達システムの両方である(例えば、参照により本明細書に援用されるDavisによる米国特許第4,920,209号を参照されたい)。前述の文献は全て、参照によりそれらの全開示内容が本明細書に援用される。
【0086】
従って、本発明によって提供される1つのDNAベースの処置アプローチは、本明細書に記載される作用物質の1つをコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含むベクターの使用である。
【0087】
製剤、投与経路、及び投与計画
上記のように、本発明は、対象の嚢胞性腎疾患の処置方法に関し、この方法は、予防有効量又は処置有効量の本明細書に記載の化合物を、好ましくは医薬組成物の形態で前記対象に投与するステップを含む。
【0088】
本発明の組成物は、処置しないと発病し得る嚢胞の減少又は処置において予防的に投与することができる。
【0089】
症状の処置の文脈で、本明細書で使用される「処置」という語は、一般にヒトの処置及び治療法に関連し、一部の所望の処置効果が、例えば、症状の進行の抑制を達成し、この処置効果には、進行速度の低下、進行速度の停止、症状の退行、症状の緩和、及び症状の治癒が含まれる。予防対策としての処置(即ち、予防、防止)も含まれる。
【0090】
本明細書で使用される「処置有効量」という語は、所望の処置計画に従って投与されると、妥当な利益/リスク比に見合った、ある程度の所望の処置効果を与えるのに有効な本発明の化合物又は前記化合物を含む材料、組成物、もしくは剤形の量のことである。
【0091】
同様に、本明細書で使用される「予防有効量」という語は、所望の処置計画に従って投与されると、妥当な利益/リスク比に見合った、ある程度の所望の予防効果を与えるのに有効な本発明の化合物又は前記化合物を含む材料、組成物、もしくは剤形の量のことである。
【0092】
本明細書の文脈における「予防」は、完全な成功、即ち、完全な保護又は完全な防止に限定されると解釈するべきではない。むしろ、本文脈における予防は、特定の症状の遅延、緩和、又は回避に寄与することによって健康維持を目的とした、兆候となる症状の検出の前に施される処置を指す。
【0093】
本発明の化合物を単独で使用する(例えば、投与する)ことが可能であるが、しばしば、この化合物は、組成物又は製剤として提供することが好ましい。
【0094】
従って、本発明の別の態様は、本明細書に記載される化合物及び薬学的に許容され得る担体又は希釈剤を含む組成物を提供する。
【0095】
本明細書で使用される「薬学的に許容され得る」という語は、妥当な利益/リスク比に見合った、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題もしくは合併症が起こることなく、当該対象(例えば、ヒト)の組織に接触して使用するのに適した、音波医学的判断の範囲内である化合物、成分、材料、組成物、剤形などのことである。担体、希釈剤、賦形剤などもそれぞれ、製剤の他の成分に適合するという意味で「許容可能」でなければならない。
【0096】
一部の実施形態では、本組成物は、唯一の有効成分として本明細書に記載される化合物、及び薬学的に許容され得る担体、希釈剤、又は賦形剤を含む、又はこれらから実質的になる、又はこれらからなる医薬組成物(例えば、製剤、調製物、薬剤)である。
【0097】
一部の実施形態では、本組成物は、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物と共に、当分野で周知の1つ以上の他の薬学的に許容され得る成分を含む医薬組成物であり、この薬学的に許容され得る成分としては、限定されるものではないが、薬学的許容され得る担体、希釈剤、賦形剤、アジュバント、充填剤、緩衝剤、防腐剤、抗酸化物質、潤滑剤、安定剤、化溶加剤、界面活性剤(例えば、湿潤剤)、マスキング剤、着色剤、香料、及び甘味剤が挙げられる。
【0098】
一部の実施形態では、本組成物は、他の有効成分、例えば、他の処置剤又は予防剤をさらに含む。これについては、以下により詳細に記載される。
【0099】
本発明によると、好ましい投与経路は、標的部位への直接注射である。
【0100】
非経口投与(例えば、注射による)に適した製剤には、本化合物が溶解される、懸濁される、又は他の方法で供給される(例えば、リポソーム又は他の微粒子の中)水性液体、又は非水性液体、等張液、発熱物質を含まない液体、滅菌液(例えば、溶液、懸濁液)が含まれる。このような液体は、他の薬学的に許容され得る成分、例えば、抗酸化物質、緩衝剤、防腐剤、安定剤、静菌剤、懸濁剤、増粘剤、及び製剤を目的のレシピエントの血液(又は他の適切な体液)と等張にする溶質をさらに含み得る。賦形剤の例としては、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、及び植物油が挙げられる。このような製剤に使用される適切な等張担体の例としては、塩化ナトリウム液、リンガー液、又は乳酸化リンガー液が挙げられる。典型的には、液体中の化合物の濃度は、約1ng/ml〜約10μg/ml、例えば、約10ng/ml〜約1μg/mlである。製剤は、単回投与又は多回投与密封容器、例えば、アンプル及びバイアルで提供することができ、かつ使用の直前に注射用の滅菌液担体、例えば、水の添加しか必要としない、フリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することができる。即時注射液及び懸濁液を、滅菌粉末、顆粒、及びタブレットから調製することができる。
【0101】
他の剤形には、粉末、タブレット、カプセル、液体、軟膏、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、エアロゾル、噴霧、ミセル、経皮パッチ、リポソーム、個人又は動物に投与することができるその他の適切な形態が含まれる。本発明の組成物のビヒクルは、このビヒクルが投与される対象によって十分に許容され、かつ作用部位、即ち、腎臓に化合物を送達することができるビヒクルであるべきことを理解されたい。他の担体、希釈剤、賦形剤などは、標準的な薬学の教科書で確認することができる。例えば、Handbook of Pharmaceutical Additives, 2nd Edition (eds. M. Ash and I. Ash), 2001 (Synapse Information Resources, Inc., Endicott, New York, USA), Remington’s Pharmaceutical Sciences, 20th edition, pub. Lippincott, Williams & Wilkins,2000;及びHandbook of Pharmaceutical Excipients, 2nd edition, 1994を参照されたい。
【0102】
本発明の化合物又は組成物の投与に適した経皮パッチは、国際公開第2008096268号に記載されており、このパッチは、VEGF−Cポリヌクレオチド、VEGF−Cポリペプチド、VEGF−Dポリヌクレオチド、及び/又はVEGF−Dポリペプチドを含む組成物を含む。経皮パッチの厚さは、処置要件によって決まり、相応に適合させることができる。
【0103】
本製剤は、薬学の分野で周知の任意の方法によって調製することができる。このような方法は、1つ以上の補助成分を構成する担体に化合物を結合させるステップを含む。一般に、製剤は、担体(例えば、液体担体、微粉化された固体担体など)に化合物を均一かつ緊密に結合させ、次いで、必要に応じてこの製品を整形することによって調製される。
【0104】
製剤は、迅速放出又は持続放出;即時放出、遅延放出、時限放出、又は長期放出;又はこれらの組み合わせとなるように調製することができる。
【0105】
投与は、処置期間中に単回投与、連続的、又は継続的に(例えば、適切な時間間隔に分割された投与で)行うことができる。投与の最も効果的な手段及び用量を決定する方法は、当業者には周知であり、治療法に使用される製剤、治療法の目的、処置される標的細胞(複数可)、及び処置される対象によって異なることになる。単回投与又は多回投与は、処置する医師又は臨床医によって選択される用量のレベル及びパターンで行うことができる。
【0106】
例えば、本明細書に記載される処置は、毎週の注射によって行うことができる。
【0107】
実施例の結果に基づくと、患者に処置反応を引き起こすための適切な用量は、任意選択で、対象の体重1kg当たり約5μg〜約10mg、より好ましくは約50μg〜約1mgの範囲、例えば、約100μgとすることができる。同様の用量の他の成長因子(即ち)、インスリン様成長因子がヒトで利用されている、例えば、Goeters et al. Ann Surg 1995 222: 646-653; Cheetham et al. Diabet Med 1995 12: 885-892を参照されたい。
【0108】
国際公開第2008096268号に記載されているように、ウイルス送達を利用する遺伝子治療の実施形態では、単位用量は、投与されるウイルス粒子の用量について計算することができる。ウイルス用量は、特定の数のウイルス粒子又はプラーク形成単位(pfu)を含む。アデノウイルスを利用する実施形態では、特定の単位用量は、103、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、1013、又は1014pfuを含む。粒子の量は、感染不全粒子の存在により、やや多めにすることができる(10〜100倍)。
【0109】
併用治療法
一部の実施形態では、本発明の方法又は処置は、対症治療法であっても疾患の修飾であっても、他の治療法と併用することができる。
【0110】
内皮治療法、例えば、本明細書に記載される治療法と嚢胞上皮を標的とする治療法との併用が特に望ましいであろう。
【0111】
「処置」という語は、2つ以上の処置又は治療法が、例えば、連続的又は同時に組み合わせられる処置と治療法の併用を含む。
【0112】
例えば、本明細書に記載される化合物を用いる処置を1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ)の他の作用物質又は治療法と併用することが有益であろう。
【0113】
併用処置薬の適切な例は、本明細書の開示から当業者には公知であろう。典型的には、本明細書に記載される疾患の処置に処置効果を与え得ると考えられる併用処置薬は当業者には公知であり得る。
【0114】
他の併用処置薬は、リンパ管新生をシミュレートする代替の作用物質とすることができる。
【0115】
併用処置薬成長因子又は他のリンパ管刺激因子の非限定のリスト、例えば、アンジオポイエチン−2(http://www.uniprot.org/uniprot/O15123; Gale et al. Dev Cell 2002 3: 411-423);coup-tfll(http://www.uniprot.org/uniprot/P24468, Lin et al. J Clin Invest 2010 120: 1694-1707);foxc2(http://www.uniprot.org/uniprot/Q99958; Wu et al. Lymphology 2011 44: 35-41);ニューロピリン−2(http://www.uniprot.org/uniprot/O60462; Xu et al J Cell Biol 2010 188: 115-130);及びproxl(http://www.uniprot.org/uniprot/Q92786; Wigle et al EM BO J 2002 21 : 1505-1513);嚢胞性増殖を標的とする薬物、例えば、ラパマイシン、バソプレシン拮抗薬(Tao et al J Am Soc Nephrol. 2005 16: 46-5; Torres et al N Engl J Med 2012 367: 2407-2418)又は腎疾患の進行を抑制する薬物、例えば、ACE阻害剤及びアンジオテンシンII拮抗薬(Jafar et al Kidney Int 2005 67: 265-271 ; Torres et al Kidney Int 2012 81 : 577-585)。
【0116】
特定の併用は、医師自らの判断で行うことができ、医師は、自身の一般知識及び熟練開業医に公知の投与計画を用いて用量を選択することもできる。
【0117】
本作用物質(即ち、本明細書に記載される化合物と1つ以上の他の作用物質)は、同時又は連続的に投与することができ、かつ個々に異なる投与スケジュールで様々な経路から投与することができる。例えば、連続的に投与される場合、本作用物質は、短い時間間隔(例えば、5〜10分の期間に亘って)、又は長い時間間隔で(例えば、1時間、2時間、3時間、4時間、もしくはそれ以上の時間間隔、又は必要に応じてそれ以上長い時間間隔)で投与することができ、正確な投与計画は、処置薬(複数可)の特性に合わせられる。
【0118】
本作用物質(即ち、本明細書に記載される化合物と1つ以上の他の作用物質)は、単一剤形にまとめて製剤しても良いし、又は別法として、個々の作用物質を別個に製剤して、任意選択でその取扱説明書と共にキットの形態で一緒に提供しても良い。
【0119】
多数の特許及び刊行物は、本発明及び本発明の属する分野の最新技術をより十分に記載し、開示するために本明細書で言及される。これらの参考文献はそれぞれ、それぞれの参考文献が参照により具体的かつ個々に示された場合と同程度に、参照によりそれらの全開示内容が本明細書に援用される。
【0120】
添付の特許請求の範囲を含む本明細書において、特段の記載がない限り、「含む(comprise)」並びにその変形、例えば、「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」という語は、記載される完全体もしくはステップ、又は完全体もしくはステップの群を含むことを示唆するが、その他の完全体もしくはステップ、又は完全体もしくはステップの群を排除するものでないことを理解されたい。
【0121】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その、当該、前記(the)」は、明確な特段の記載がない限り、複数形の指示対象を含むことに留意されたい。従って、例えば、「医薬担体」と述べる場合、2種類以上のこのような担体の混合物などを含む。
【0122】
範囲は、本明細書では、しばしば、「約」の付いた1つの特定の値から、かつ/又は「約」の付いた他の特定の値までと表される。このような範囲が表される場合、別の実施形態は、1つの特定の値から、かつ/又は他の特定の値までと表される。同様に、値が近似として表される場合、値の前に「約」が付けられると、特定の値は別の実施形態を構成することを理解されたい。
【0123】
本明細書のどの副題も、単に便宜上記載されるものであり、いかなる場合も本開示を限定すると解釈されるべきものではない。
VEGF−Cの配列:配列番号1
http://www.uniprot.org/uniprot/P49767
【化1】

VEGF−Cの配列:配列番号2
http://www.uniprot.org/uniprot/O43915
【化2】
【実施例】
【0124】
材料
それぞれARPKD及びADPKDのモデルである、先天性多嚢胞腎(cpk)マウス及びpkd1−低次形態(pkdlhm)マウスで実験を行った(Chiu et al. Am J Pathol 2006 169: 1925-1938; Lantinga van-Leeuwen et al Hum Mol Genet 2004 13: 3069-3077)。
【0125】
実施例1−cpkマウスの腎臓の血管系及びリンパ管系の評価
方法
先天性多嚢胞腎(cpk)マウス;染色体劣性PKD(ARPKD)のモデルの腎臓の血管系及びリンパ管系を、リアルタイムPCR及び疾患の様々な進行段階における免疫組織化学によって調べた。cpkマウスは、劣性遺伝である表現型を示し、ヒトARPKDに臨床的に類似しているようであるが、ヒトARPKDは、このヒト疾患の基となるpkhd1ではなく嚢胞における変異によって引き起こされる。
【0126】
結果
cpkマウスのより小さい皮質嚢胞を取り囲んでいる血管系は、濃く染まったCD31が野生型同腹仔よりも顕著であった;構造的に、これらの血管は拡張し、無秩序であった。より大きい随質嚢胞では、血管系の退行が見られた。これには、内皮マーカーVegfrl、Vegfr2、Tie1、Tie2、及びPv1の腎臓のmRNAレベルの低下を伴っていた。VEGFR−3免疫染色を使用すると、リンパ管系は、野生型同腹仔よりもcpkマウスでより顕著であり、LYVE−1及びポドプラニンのmRNAレベルが上方制御された。
【0127】
結論
PKDにおける血管系は、血管とリンパ管との間のバランスの変化で無秩序になる。
【0128】
実施例2−リンパ管新生を変更する因子を用いたPKDマウスモデルの処置
100ng/体重gの組換えVEGFCをCys1cpk/cpkマウス、染色体劣性(AR)PKDのモデルに7日目から1週間、毎日腹腔内に投与した(図1a)。VEGFC処置Cys1cpk/cpkマウスは、形態全体によって評価されるPKDの重症度が低下し(図1b)、腎臓/体重の比が著しく低下した(PBS及びVEGFCが投与されたCys1cpk/cpkで7.5%±0.4及び5.3±0.6、p<0.001、図1c)。しかしながら、VEGFC処置は、血中尿素窒素の濃度、腎分泌機能の指標に影響を与えなかった(図1d)。組織学では、VEGFC処置動物は、皮質及び髄質における顕著な嚢胞が減少し(図1f〜図1g、図1i〜図1j)、嚢胞の平均サイズが著しく小さくなった(PBS及びVEGFCが投与されたCys1cpk/cpkで0.11mm±0.01及び0.07±0.01、p<0.01、図1k)。VEGFCが投与されたCys1+/+マウスは、処置の悪影響を一切示さなかった(図1c、図1h)。
【0129】
次に、Pkd1の2つの低次形態対立遺伝子;ヒトADPKDで最も一般的に変異するマウスの遺伝子相同体を有するPkd1nl/nlマウスを用いて実験を行った。組換えVEGFCでPkd1nl/nlを処置し、1〜3週間注目した(図2a)。VEGFCは、形態全体を改善し(図2b)、腎臓/体重の比を著しく低下させた(PBS及びVEGFCが投与されたPkd1nl/nlで8.6%±1.3及び3.8±1.6、p<0.05、図2c)。VEGFCはまた、これらのPkd1nl/nlマウスの血中尿素窒素の濃度を著しく低下させ(PBS及びVEGFCが投与されたPkd1nl/nlで37.1mg/dL±5.3及び23.0±4.2、p<0.05、図2d)、このマウスの正常な尿細管を維持した(図2f〜図2g、図2i〜図2j)。VEGFCはまた、Pkd1nl/nlマウスの各嚢胞の平均サイズを著しく縮小させた(PBS及びVEGFCが投与されたPkd1nl/nlで0.17mm2±0.03及び0.09±0.02、p<0.05、図2k)。
【0130】
未処置Pkd1nl/nlマウスの皮質管と髄質管との間に位置するCD31及びVEGFR3毛細管は、野生型と比較するとパターンの変化を示した(図3a〜図3h)。Pkd1nl/nlマウスのVEGFC処置は、これらの異常なパターンを正常化させた(図3i〜図3l)。これは、CD31内皮細胞及びVEGFR3内皮細胞の増殖(図3m及び図3n)及びCD206マクロファージの著しい減少(図3o)に関連し、後者の細胞は、PKD嚢胞の成長に機能的に関係していた。VEGFR2を嚢胞上皮細胞で検出できず、VEGFR3もこれらの細胞で免疫検出されなかった(図3p、図3q)。これは、VEGFRCの嚢胞の成長に対する直接的な効果に反する。
【0131】
結論
腎血管系を標的とする処置は、ARPKD及びADPKDの両方について新規な治療法であり得る。全ての処置したマウスは、生存し健康に見えるが、これらのマウスの腎臓のサイズ及び平均嚢胞サイズは、未処置の仲間の平均嚢胞サイズの約半分であった。
【0132】
実施例3−代替の因子及び遺伝子治療の使用
材料及び方法
ARPKD及びADPKDのマウスモデルのそれぞれで実験を行う。VEGF−Dは、VEGF−Cで成功することが分かった投与計画(実施例2を参照されたい)を用いて組換えタンパク質として最初に投与し、リンパ管に特異的に作用するように操作されたVEGF−C158と比較する(Joukov et al. 1998)。
【0133】
様々な投与計画、及びマウスで血管成長因子を過剰発現させるために以前に使用したアデノウイルス遺伝子治療(Long et al Kidney Int 2008 74: 300-309)も利用する。
【0134】
具体的には、アデノウイルス系(例えば、Regeneron Pharmaceuticals社の)を用いて、目的の遺伝子を過剰発現させることができる。これらは、成長因子、例えば、アンジオポイエチンに使用することができる(Long et al Kidney Int 2008 74: 300-309)。1匹の動物あたり1回の注射で、1〜2日の内に発現が始まり、3週間続いた。
【0135】
実験的な時間経過及び投与計画は、cpkにおける迅速な嚢胞の発生及びpkd1hm動物における遅い進行を反映する。主な結果は、腎機能、腎臓のサイズ、及び嚢胞の面積によって評価されるPKDの進行速度、及びVEGF治療法を安全にするための毒性評価である。補助パラメータは、VEGF−D、C、及び他のVEGFの発現/レベル;免疫組織化学及びin situハイブリダイゼーションを用いたリンパ管及び血管の密度及び分布の評価;並びに迅速なコスト効率の良い標的RTプロファイラーPCRアレイを用いた、広範なリンパ管/血管及びPKD関連分子をカバーする遺伝子発現の変化の測定値である。後者の技術によって検出される変化は、in situハイブリダイゼーション、免疫組織化学、及び/又はウエスタンブロット法によって確認される。
【0136】
処置戦略
(i)cpkマウス
群:(i)VEGF−D、(ii)VEGF−C156、又は(iii)PBSの7日目から14日目までの毎日の注射
2週間目及び3週間目に各群の6〜8匹の動物を屠殺し;残りを生存させ続け、後に屠殺して長く生存したcpkを評価する。正常なマウス3〜6か月間のより長期間に亘ってさらなる副作用を評価する。
【0137】
cpkマウスは、7日目までには嚢胞を発症し始め、8日目から14日目の間に大量の嚢胞が増殖し、3〜4週間で死ぬため、治療法は早期に開始しなければならない。タンパク質の直接注射は、上記概説された実験プロトコルの通りに利用される。新生仔cpkマウスに、VEGF−DもしくはVEGF−C156(能動的処置群)、又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS;対照)を毎日腹腔内に注射し;この投与計画は、我々の前のVEGF−C実験を再現する。加えて、一部の実験では、cpkマウスの生存期間を(英国内務省(UK Home Office)によって規定された健康評価限界の範囲内で)評価して、これらの治療法によって寿命がどの程度延びたかを決定する。正常なヘテロ接合体cpk及び野生型同腹仔の半数を、腫瘍形成及び他の副作用について監視するために3か月間又は6か月間放置する。マウスを屠殺の前にメタボリックケージに入れて24時間の分析用の尿、及び血中尿素窒素、血清クレアチニンを収集して、腎機能に対する効果を比較する。VEGFレベルも測定する。
【0138】
(ii)pkd1hmマウス:短期間;形成の防止
7日目に再び治療法を開始し、最大3週間、毎日処置する。実験プロトコルは、以下に概説され、3つの群を用いてcpk実験を再現する。処置の最後(即ち、3週間目)、6週間目、及び9週間目にマウスを屠殺し、同様にその1日前にメタボリックケージで上記のように血液を採取する。
【0139】
(ii)pkd1hmマウス:長期間;発症した嚢胞の処置
妥当な数の嚢胞が予想される4週目に治療法を開始する。(i)VEGF−D及び(ii)VEGF−C156で前の実験を群で繰り返し、今回はアデノウイルスベクター及び(iii)PBSを用いて過剰発現させる。一部の嚢胞マウスに、腎での分布を評価するためにVEGFではなくレポーター構築物、例えば、β−ガラクトシダーゼを含むアデノウイルスを注射する。6週間目、9週間目、及び12週間目に群を評価し;良好な過剰発現は6週間目と予想され、この過剰発現は、9週間目に低下し、12週間目に本質的に終了すると予想される。マウスが、嚢胞性であるが健康である場合又は正常な対照である場合は、より長い期間放置する。これらの両方を、腫瘍又は他の潜在的な副作用を排除するために徹底的に検査する。
【0140】
4週間目に処置した群:(i)アデノウイルス過剰発現構築物VEGF−D、(ii)アデノウイルス過剰発現構築物VEGF−C156、(iii)PBS。
【0141】
予想される3〜6週間のVEGF−D又はVEGF−C156の過剰発現の期間。
【0142】
6週間目、9週間目、及び12週間目に各群の6〜8匹の動物を屠殺して血液及び尿を採取。後者のサンプルは、生存及び副作用の分析のために18週間目から採取する。
【0143】
実験のエンドポイント:全ての実験では、各時点で各群の6〜8匹の動物から腎臓を摘出する。これは、測定されるパラメータにおいて少なくとも50%の差異を実証するために権限を持って統計分析を行うのに適した動物の数である(Chiu et al. Am J Pathol 2006 169: 1925-1938; Long et al Kidney Int 2008 74: 300-309)。
【0144】
引用文献
Amura CR, Brodsky KS, Groff R, Gattone VH, Voelker NF, Doctor RB. 2007 VEGF receptor inhibition blocks liver cyst growth in pkd2(WS25/ -) mice. Am J Physiol Cell Pftys/'o/ 293:C419-C428. Birk DM, Barbato J, Mureebe L, Chaer RA. 2008 Current insights on the biology and clinical aspects of VEGF regulation. Vase Endovascular Surg 42: 517-530.

Boshart M, Weber F, Jahn G, Dorsch-Hasler K, Fleckenstein B, Schaffner W. (1985) A very strong enhancer is located upstream of an immediate early gene of human cytomegalovirus. Cell AV. 521-530. Cheetham TD, Holly JM, Clayton K, Cwyfan-Hughes S, Dunger DB. (1995) The effects of repeated daily recombinant human insulin-like growth factor I administration in adolescents with type I diabetes. Diabet Med 12: 885-892. Chiu MG, Johnson TM, Woolf AS, Dahm-Vicker EM, Long DA, Guay-Woodford L, Hillman KA, Bawumia S, Venner K, Hughes RC, Poirier F, Wnyard PJ. 2006 Galectin-3 associates with the primary cilium and modulates cyst growth in congenital polycystic kidney disease. Am J Pathol. 169: 1925-1938. Davis HL, Whalen RG, Demeneix BA. 1993 Direct gene transfer into skeletal muscle in vivo: factors affecting efficiency of transfer and stability of expression. Hum Gene Ther. 4 151-159.

Gale NW, Thurston G, Hackett SF, Renard R, Wang Q, McClain J, Martin C, Wtte C, Wtte MH, Jackson D, Suri C, Campochiaro PA, Wegand SJ, Yancopoulos GD. 2002 Angiopoietin-2 is required for postnatal angiogenesis and lymphatic patterning and only the latter role is rescued by Angiopoietin-1. Dev Cell 3: 411-423.

Gnatenko D, Arnold TE, Zolotukhin S, Nuovo GJ, Muzyczka N, Bahou WF. 1997

Characterization of recombinant adeno-associated virus-2 as a vehicle for gene delivery and expression into vascular cells. J Investig Med. 45: 87-98.

Goeters C, Mertes N, Tacke J, Bolder U, Kuhmann M, Lawin P, Dohlein D. 1995

Repeated administration of recombinant human insulin-like growth factor-l in patients after gastric surgery. Effect on metabolic and hormonal patterns. Ann Surg 222: 646-653.

Goldman J, Conley KA, Raehl A, Bondy DM, Pytowski B, Swartz MA, Rutkowski JM, Jaroch DB, Ongstad EL. 2007 Regulation of lymphatic capillary regeneration by interstitial flow in skin. Am J Physiol Heart Circ Physiol 292: H2176-2183.

Gurunluoglu R, Ozer K, Skugor B, Lubiatowski P, Carnevale K, Siemionow M. 2002 Effect of transfection time on the survival of epigastric skin flaps pretreated with adenovirus encoding the VEGF gene. Ann Plast Surg. 49: 161-169. Huang JL, Woolf AS, Long DA. 2012 Angiogenesis and autosomal dominant polycystic kidney disease. Pediatr Nephrol. Sep 19. [Epub ahead of print].

Huber S, Bruns CJ, Schmid G, Hermann PC, Conrad C, Niess H, Huss R, Graeb C, Jauch KW, Heeschen C, Guba M. 2007 Inhibition of the mammalian target of rapamycin impedes lymphangiogenesis. Kidney /nf 71 : 771-777.

Jafar TH, Stark PC, Schmid CH, Strandgaard S, Kamper AL, Maschio G, Becker G, Perrone RD, Levey AS; ACE Inhibition in Progressive Renal Disease (AIPRD) Study Group. 2005. The effect of angiotensin-converting-enzyme inhibitors on progression of advanced polycystic kidney disease. Kidney Int 67: 265-271. Joukov V, Kumar V, Sorsa T, Arighi E, Weich H, Saksela O, Alitalo K. 1998 A

recombinant mutant vascular endothelial growth factor-C that has lost vascular endothelial growth factor receptor-2 binding, activation, and vascular permeability activities. J.Biol.Chem. 273: 6599-6602.

Kim VN, Mitrophanous K, Kingsman SM, Kingsman AJ. Minimal requirement for a lentivirus vector based on human immunodeficiency virus type 1. J Virol. 72: 811-816.

Korhonen J, Lahtinen I, Halmekyto M, Alhonen L, Janne J, Dumont D, Alitalo K. 1995 Endothelial-specific gene expression directed by the tie gene promoter in vivo. Blood 86: 1828-1835.

Lantinga-van Leeuwen IS, Dauwerse JG, Baelde HJ, Leonhard WN, van de Wal A, Ward CJ, Verbeek S, Deruiter MC, Breuning MH, De Heer E, Peters DJ. 2004. Lowering of Pkd1 expression is sufficient to cause polycystic kidney disease. Hum.Mol.Genet 13: 3069-3077.

Lee AS, Lee JE, Jung YJ, Kim DH, Kang KP, Lee S, Park SK, Lee SY, Kang MJ, Moon WS, Kim HJ, Jeong YB, Sung MJ, Kim W. 2013 Vascular endothelial growth factor-C and -D are involved in lymphangiogenesis in mouse unilateral ureteral obstruction. Kidney Int 83: 50-62.

Lehner R, Stamminger T, Mach M. 1991 Comparative sequence analysis of human cytomegalovirus strains. J Clin Microbiol. 29: 2494-2502

Lentine KL, Xiao H, Machnicki G, Gheorghian A, Schnitzler MA. 2010 Renal function and healthcare costs in patients with polycystic kidney disease. Clin J Am Soc Nephrol. 5: 1471-1479. Lin FJ, Chen X, Qin J, Hong YK, Tsai MJ, Tsai SY. 2010 Direct transcriptional regulation of neuropilin-2 by COUP-TFII modulates multiple steps in murine lymphatic vessel development. J Clin Invest 120: 1694-1707.

Lohela M, Bry M, Tammela T, Alitalo K. 2009 VEGFs and receptors involved in angiogenesis versus lymphangiogenesis. Curr Opin Cell Biol 21 : 154-165.

Long DA, Price KL, loffe E, Gannon CM, Gnudi L, White KE, Yancopoulos GD, Rudge JS, Woolf AS. 2008 Angiopoietin-1 therapy enhances fibrosis and inflammation following folic acid-induced acute renal injury. Kidney Int 74: 300-309.

Peces R, Peces C, Perez-Duenas V, Cuesta-Lopez E, Azorin S, Selgas R. 2009

Rapamycin reduces kidney volume and delays the loss of renal function in a patient with autosomal-dominant polycystic kidney disease. NDT PIus 2: 133-135. Quantin B, Perricaudet LD, Tajbakhsh S, Mandel JL. 1992 Adenovirus as an expression vector in muscle cells in vivo. Proc Natl Acad Sci U S A. 89: 2581-2584. Rissanen TT, Markkanen JE, Gruchala M, Heikura T, Puranen A, Kettunen Ml, Kholova I, Kauppinen RA, Achen MG, Stacker SA, Alitalo K, Yla-Herttuala S. 2003. VEGF-D is the strongest angiogenic and lymphangiogenic effector among VEGFs delivered into skeletal muscle via adenoviruses. Circ.Res., 92: 1098-1 106.

Rosenfeld MA, Yoshimura K, Trapnell BC, Yoneyama K, Rosenthal ER, Dalemans W, Fukayama M, Bargon J, Stier LE, Stratford-Perricaudet L, et al. 1992 In vivo transfer of the human cystic fibrosis transmembrane conductance regulator gene to the airway epithelium. Cell. 68: 143-155

Sakamoto I, Ito Y, Mizuno M, Suzuki Y, Sawai A, Tanaka A, Maruyama S, Takei Y, Yuzawa Y, Matsuo S. 2009 Lymphatic vessels develop during tubulointerstitial fibrosis. Kidney Int. 75: 828-838. Stratford-Perricaudet LD, Makeh I, Perricaudet M, Briand P. 1992 Widespread long-term gene transfer to mouse skeletal muscles and heart. J Clin Invest. 90: 626-630.

Suzuki Y, Ito Y, Mizuno M, Kinashi H, Sawai A, Noda Y, Mizuno T, Shimizu H, Fujita Y, Matsui K, Maruyama S, Imai E, Matsuo S, Takei Y. 2012 Transforming growth factor-β induces vascular endothelial growth factor-C expression leading to lymphangiogenesis in rat unilateral ureteral obstruction. Kidney Int. 81 : 865-879.

Szuba A, Skobe M, Karkkainen MJ, Shin WS, Beynet DP, Rockson NB, Dakhil N, Spilman S, Goris ML, Strauss HW, Quertermous T, Alitalo K, Rockson SG. 2002

Therapeutic lymphangiogenesis with human recombinant VEGF-C. FASEB J 16: 1985- 1987.

Tao Y, Kim J, Schrier RW, Edelstein CL. 2005 Rapamycin markedly slows disease progression in a rat model of polycystic kidney disease. J Am Soc Nephrol. 16: 46-51.

Tao Y, Kim J, Yin Y, Zafar I, Falk S, He Z, Faubel S, Schrier RW, Edelstein CL. 2007 VEGF receptor inhibition slows the progression of polycystic kidney disease. Kidney Int 72: 1358-1366. Torres VE, Chapman AB, Devuyst O, Gansevoort RT, Grantham JJ, Higashihara E, Perrone RD, Krasa HB, Ouyang J, Czerwiec FS. 2012 Tolvaptan in Patients with

Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease. N.Engl.J.Med. 367: 2407-2418.

Torres VE, Chapman AB, Perrone RD, Bae KT, Abebe KZ, Bost JE, Miskulin DC, Steinman Tl, Braun WE, Wnklhofer FT, Hogan MC, Oskoui FR, Kelleher C, Masoumi A, Glockner J, Halin NJ, Martin DR, Remer E, Patel N, Pedrosa I, Wetzel LH, Thompson PA, Miller JP, Meyers CM, Schrier RW; HALT PKD Study Group. 2012 Analysis of baseline parameters in the HALT polycystic kidney disease trials. Kidney Int 81 : 577-585. Wgle JT, Harvey N, Detmar M, Lagutina I, Grosveld G, Gunn MD, Jackson DG, Oliver G. 2002 An essential role for Proxl in the induction of the lymphatic endothelial cell phenotype. EMBO J 2V. 1505-1513. Wu X, Liu NF. 201 1 FOXC2 transcription factor: a novel regulator of lymphangiogenesis. Lymphology 44: 35-41. Xu Y, Yuan L, Mak J, Pardanaud L, Caunt M, Kasman I, Larrivee B, Del Toro R, Suchting S, Medvinsky A, Silva J, Yang J, Thomas JL, Koch AW, Alitalo K, Eichmann A, Bagri A. 2010. Neuropilin-2 mediates VEGF-C-induced lymphatic sprouting together with

VEGFR3. J Cell Biol 188: 1 15-130. Yoon YS, Murayama T, Gravereaux E, Tkebuchava T, Silver M, Curry C, Wecker A,

Kirchmair R, Hu CS, Kearney M, Ashare A, Jackson DG, Kubo H, Isner JM, Losordo DW. 2003 VEGF-C gene therapy augments postnatal lymphangiogenesis and ameliorates secondary lymphedema. J Clin Invest 11 1 : 717-725.
図1
図2
図3a-l】
図3m-o】
図3p-q】
図3r-t】
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]