(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261620
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】燃焼安定のための補助的なレーザ燃焼
(51)【国際特許分類】
F23R 3/14 20060101AFI20180104BHJP
F23R 3/28 20060101ALI20180104BHJP
F23R 3/34 20060101ALI20180104BHJP
F23R 3/00 20060101ALI20180104BHJP
F02C 9/00 20060101ALI20180104BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
F23R3/14
F23R3/28 D
F23R3/34
F23R3/00 E
F02C9/00 B
F02C7/00 A
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-559446(P2015-559446)
(86)(22)【出願日】2014年1月23日
(65)【公表番号】特表2016-511387(P2016-511387A)
(43)【公表日】2016年4月14日
(86)【国際出願番号】EP2014051292
(87)【国際公開番号】WO2014131559
(87)【国際公開日】20140904
【審査請求日】2015年10月26日
(31)【優先権主張番号】13156945.1
(32)【優先日】2013年2月27日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ドルマンズリー
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン メイ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン ライセナールス
【審査官】
山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−322917(JP,A)
【文献】
特開2006−258041(JP,A)
【文献】
特開2005−180799(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0016169(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23R 3/14
F02C 7/00
F02C 9/00
F23R 3/00
F23R 3/28
F23R 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービン用の燃焼システムであって、
燃焼室(100)であって、端部セクション(101)と、該端部セクション(101)から前記燃焼室(100)の中心軸線(103)に沿って延びる予燃焼セクション(102)とを有する燃焼室(100)と、
スワーラ装置(110)であって、主燃料(111)が前記スワーラ装置(110)によって前記予燃焼セクション(102)の内部体積(104)内へ噴射可能であるように前記予燃焼セクション(102)に取り付けられており、前記主燃料(111)を使用する主火炎(108)が前記内部体積(104)内に発生可能である、スワーラ装置(110)と、
選択的に、パイロットバーナ装置(120)であって、パイロット燃料(121)が前記パイロットバーナ装置(120)によって又は前記パイロットバーナ装置(120)を通じて前記予燃焼セクション(102)の前記内部体積(104)内へ噴射可能であるように、前記燃焼室(100)の端部セクション(101)に取り付けられており、前記パイロット燃料(121)を使用する口火(122)が、前記主火炎(108)を安定させるために前記内部体積(104)内に発生可能である、パイロットバーナ装置(120)と、
前記内部体積(104)内へ電磁放射(131)を照射するための発光配列(130)であって、前記予燃焼セクション(102)における空気の窒素及び/又は酸素を励起させて酸素の反応度を高め、これにより前記口火(122)及び/又は前記主火炎(108)を安定させるために、前記口火(122)及び/又は前記主火炎(108)へのエネルギ入力が前記電磁放射(131)によって発生可能であるように前記燃焼室(100)に配置されている発光配列(130)と、を備えることを特徴とする、ガスタービン用の燃焼システム。
【請求項2】
前記燃焼室(100)は、透過性セクション(105)をさらに有し、前記発光配列(130)は、該発光配列(130)の前記電磁放射(131)が前記透過性セクション(105)を通って前記内部体積(104)内へ照射可能であるように、前記燃焼室(100)の外側に配置されている、請求項1記載の燃焼システム。
【請求項3】
前記発光配列(130)は、前記予燃焼セクション(102)に取り付けられている、請求項1又は2記載の燃焼システム。
【請求項4】
前記発光配列(130)は、前記電磁放射(131)が前記端部セクション(101)を通って前記内部体積(104)内へ照射可能であるように配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の燃焼システム。
【請求項5】
前記発光配列(130)は、前記パイロットバーナ装置(120)に取り付けられている、請求項4記載の燃焼システム。
【請求項6】
前記発光配列(130)は、光ファイバ(304)と、該光ファイバ(304)に接続されたファイバ出口アセンブリ(303)とを含み、
該ファイバ出口アセンブリ(303)は、前記電磁放射(131)が前記ファイバ出口アセンブリ(303)から前記内部体積(104)内へ照射可能であるように前記燃焼室(100)に取り付けられている、請求項1から5までのいずれか1項記載の燃焼システム。
【請求項7】
前記発光配列(130)は、前記燃焼室(100)から離れて配置された発光源(301)をさらに含み、該発光源(301)は、前記電磁放射(131)を前記光ファイバ(304)内へ照射するように適応されている、請求項6記載の燃焼システム。
【請求項8】
前記発光配列(130)は、複数の電磁放射ビーム(131)を照射するための複数の電磁放射エミッタをさらに含む、請求項1から7までのいずれか1項記載の燃焼システム。
【請求項9】
前記発光配列(130)は、前記電磁放射(131)の少なくとも1つのパラメータを制御するための制御ユニット(140)を含む、請求項1から8までのいずれか1項記載の燃焼システム。
【請求項10】
前記発光配列(130)は、光学的イメージング装置(401)をさらに含み、該光学的イメージング装置(401)は、前記電磁放射(131)が、照射された光を前記内部体積(104)内の口火(122)及び/又は主火炎(108)に収束させる収束セクションを有するように配置されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の燃焼システム。
【請求項11】
前記発光配列(130)は、レーザビームを含む前記電磁放射(131)を照射するためのレーザ配列を含む、請求項1から10までのいずれか1項記載の燃焼システム。
【請求項12】
ガスタービン用の燃焼システムを制御する方法であって、
燃焼室(100)の予燃焼セクション(102)の内部体積(104)内へスワーラ装置(110)によって主燃料(111)を噴射し、その際、前記スワーラ装置(110)は、前記燃焼室(100)の端部セクション(101)から前記燃焼室(100)の中心軸線(103)に沿って延びる予燃焼セクション(102)に取り付けられており、
前記内部体積(104)内に主火炎(108)が発生されるように前記主燃料(111)を燃焼させ、
選択的に、選択的なパイロットバーナ装置(120)によって又は該パイロットバーナ装置(120)を通じて前記予燃焼セクション(102)の前記内部体積(104)内へパイロット燃料(121)を噴射し、その際、前記パイロットバーナ装置(120)は、前記燃焼室(100)の端部セクション(101)に取り付けられており、
選択的に、前記内部体積(104)内に口火(122)が発生されるように前記パイロット燃料(121)を燃焼させ、
前記口火(122)及び/又は前記主火炎(108)へのエネルギ入力が発生されるように、発光配列(130)から前記内部体積(104)内へ電磁放射(131)を照射することによって、前記予燃焼セクション(102)内の空気の窒素及び/又は酸素を励起させて酸素の反応度を高め、これにより前記口火(122)及び/又は前記主火炎(108)を安定させることを特徴とする、ガスタービン用の燃焼システムを制御する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ガスタービン用の燃焼システム、及びガスタービン用の燃焼システムを制御する方法に関する。
【0002】
背景技術
ガスタービン用の燃焼室において、窒素酸化物(NOx)及び/又は一酸化炭素(CO)などのエミッションを減じることが目標とされる。燃焼室内の温度は、高いCO及びNOxエミッションを発生する。
【0003】
エミッションを減じるために、いわゆる乾式低エミッション(DLE)燃焼システムが使用される。乾式低エミッション(DLE)燃焼システムは、通常、拡散火炎モードにおいて燃焼する補助的な燃料流を有する。補助的な燃料流は、いわゆる口火を生じ得る。これは、燃焼室内の主火炎を安定させる。エミッションを減じるために、口火は制限されなければならない。
【0004】
さらに、NOxエミッションを減じるために燃焼室内の温度を低下させることが目標とされる。このより低い温度は、主火炎において希薄燃料空気混合物を燃焼させることによって達成され得る。希薄燃料空気混合物は、全ての燃料を完全に燃焼させるために必要とされるよりも多くの空気を含有する。従って、希薄燃料空気混合物は、より低い火炎温度を生じる。しかしながら、希薄火炎は極めて不安定となるおそれがあり、等価比(理論混合物として知られる、燃焼において完全に使用される全ての酸素及び全ての燃料のために必要とされる燃料/空気混合物に対する、燃料/空気混合物の比)の小さな変化だけで、消炎を生じるおそれがある。
【0005】
乾式低エミッション燃焼システムは、極めて希薄な燃料混合物が燃焼させられる主火炎を生じる。通常の環境では、これは、ダイナミクスを受けやすい不安定な火炎を生ぜしめる。従って、DLEシステムは口火を利用する。口火は、濃厚又はより濃厚な燃料混合物を含み、濃厚又はより濃厚な口火は、希薄な主火炎よりも安定しており、この高温の安定した口火から生じた熱及びラジカルは、主火炎を安定させる。しかしながら、口火は局所的に高温であり、従って、高いNOxエミッションを生じる。
【0006】
燃焼室における主火炎を安定させるために、主火炎を安定させるための別のエネルギ源が利用され得る。
【0007】
米国特許出願公開第2006/0016169号明細書は、ターボジェット推進システムを開示している。レーザシステムは、燃焼プロセスが増強されるように燃焼室の燃焼セクションに電磁放射を提供するためのレーザ配列を有する。
【0008】
米国特許第4035131号明細書は、燃料/酸化剤混合物を通じて吸収される紫外放射を使用することにより燃料/酸化剤混合物における自立燃焼の点火を制御するための制御手段を有する燃焼室を開示している。
【0009】
米国特許第4556020号明細書は、内燃機関における特に希薄混合物の燃焼を刺激するための配列を開示している。紫外光源を使用することによって火炎に光子エネルギ源が供給される。
【0010】
米国特許出願公開第第2011/0214409号明細書は、燃焼室を含む燃焼タービンを開示している。各燃焼室には、燃料/空気混合物を点火するための点火装置が設けられている。点火装置は、レーザ点火システムを含んでよい。
【0011】
米国特許第5640841号明細書は、低NOx燃焼タービン用のプラズマトーチ点火を開示している。プラズマ加熱された燃料が、従来のタービン燃焼器の口火によって必要とされる空気の排除によりNOx発生をできるだけ減じながら、燃焼バスケットにおける希薄混合物の点火を正確に制御するために噴射される。
【0012】
米国特許第4052139号明細書は、反応のエネルギ生成を高めるための装置を開示している。電磁放射は、燃焼室における燃料/酸素混合物などの反応物の分子を刺激する。
【0013】
米国特許第4230448号明細書は、マイクロ波エネルギ源を有する燃焼室を備えたオイルバーナを開示している。マイクロ波エネルギ源は、燃料を加熱し、燃焼室における燃焼領域において燃料スプレーのノズルに電界を形成するために、燃料供給ラインに接続されている。
【0014】
発明の概要
安定した火炎特性を有する燃焼室を提供することが本発明の課題であり得る。
【0015】
前記課題は、独立請求項に係るガスタービン用の燃焼システム、及びガスタービン用の燃焼システムを制御する方法によって解決される。
【0016】
本発明の第1の態様によれば、ガスタービン用の燃焼システムが提供される。燃焼システムは、燃焼室と、スワーラ装置と、選択的なパイロットバーナ装置と、発光配列とを含む。
【0017】
燃焼室は、端部セクションと、端部セクションから燃焼室の中心軸線に沿って延びる予燃焼セクションとを有する。
【0018】
スワーラ装置は予燃焼セクションに取り付けられており、主燃料が、スワーラによって又はスワーラを通じて、予燃焼セクションの内部体積内へ噴射可能であり、これにより、主燃料を使用する主火炎が内部体積内に発生可能である。
【0019】
燃焼システムは選択的にパイロットバーナ装置を有する。本発明により、従来の解決手段と比較して、パイロットバーナ装置は不要となり得る。他方で、他の構成では、燃焼システムにおいて付加的にパイロットバーナ装置を有すると有利であり得る。パイロットバーナ装置が設けられている場合、パイロットバーナ装置は燃焼室の端部セクションに取り付けられており、パイロット燃料は、パイロットバーナ装置によって又はパイロットバーナ装置を通じて、予燃焼セクションの内部体積内へ噴射可能であり、これにより、パイロット燃料を利用する口火が、主火炎を安定させるために内部体積内に発生可能である。
【0020】
本願の意味における“選択的”とは、“選択的なパイロットバーナ”が設けられておりかつ作動している、又は設けられているが作動していない、又は存在すらしない又は取り付けられてすらいない、ひいては当然のことながら作動もしていないことを意味する。
【0021】
発光配列は、内部体積内へ電磁放射を照射するように適応されており、発光配列は、口火及び/又は主火炎へのエネルギ入力が、口火及び/又は主火炎を安定させるために電磁放射によって生ぜしめられるように、燃焼室に配置されている。
【0022】
正確に言えば、エネルギ入力が主火炎のみに方向付けられている場合、この構成は有利には主火炎を安定させ得る。この場合、口火は、安定した主火炎を生ぜしめるために必要とさえされなくてよい。エネルギ入力が口火のみに方向付けられている場合、この構成は有利には口火を安定させ得る。安定した口火はひいては主火炎の安定性をも高め得る。第3の構成において、エネルギ入力が口火及び主火炎の両方に方向付けられている場合、両火炎は直接的に安定させられてもよい。
【0023】
本発明の別の態様によれば、ガスタービン用の燃焼システムを制御する方法が提供される。この方法によれば、主燃料がスワーラによって燃焼室の予燃焼セクションの内部体積内へ噴射される。スワーラ装置は、燃焼室の中心軸線に沿って燃焼室の端部セクションから延びた予燃焼セクションに取り付けられている。
【0024】
主燃料は、主火炎が内部体積において発生されかつ燃焼するように点火される。
【0025】
パイロットバーナ装置が設けられているならば、パイロット燃料は、パイロットバーナ装置によって又はパイロットバーナ装置を通じて予燃焼セクションの内部体積内へ噴射され、パイロットバーナ装置は燃焼室の端部セクションに取り付けられている。パイロット燃料は、口火が内部体積において発生されかつ燃焼するように点火される。
【0026】
口火へのエネルギ入力が生ぜしめられるように、口火は、発光配列から内部体積内へ電磁放射を照射することによって安定させられる。
【0027】
既に示したように、この設計の別の実施の形態は、安定化機能が主火炎を対象とし得ることである。つまり、レーザは、主火炎へエネルギ入力を提供するために使用される。
【0028】
燃焼室は、環状型又は缶型の燃焼器であってよい。燃焼室は、管状であってよく、円筒形又はだ円形の横断面を有してよい。燃焼室は、主燃焼セクションと、スワーラ装置が取り付けられた予燃焼セクションとを有する。燃焼室の内部体積内での燃焼ガスの流れ方向(この流れ方向は中心軸線に対してほぼ平行であるか又は流れ方向は幾つかの設計においては中心軸線に対して傾けられている)に沿って、予燃焼セクションは主燃焼セクションに対して上流に配置されている。主火炎は、予燃焼セクションから、下流に配置された主燃焼セクションまで延びている。パイロットバーナ装置が取り付けられているならば、口火は一般的に予燃焼セクションにおいて燃焼し、短いセクションのみが主燃焼セクション内へ延在していてよい。口火は主火炎を安定させるために使用される。
【0029】
燃焼室の中心軸線は、燃焼室、特に予燃焼セクションの対称軸線であってよい。燃焼室の中心軸線は、別の設計ではガスタービンの中心線と一致してもよい。スワーラセクションにおいて、スワーラは、予燃焼セクションに取り付けられており、予燃焼セクション中心軸線を包囲している。
【0030】
端部セクションは、予燃焼セクションの上流端部セクションであり、燃焼室の上流端部セクションを形成している。特に、端部セクションは、予燃焼セクションの中心軸線に対して平行な成分を有する垂線を含んでよい。端部セクションとは、パイロット燃料が燃焼室(予燃焼室)に進入するセクションであると定義されてよい。端部セクションは、例えば、円錐形の燃焼室の先端部又は円筒形の燃焼室の上流端部によって形成されていてよい。
【0031】
端部セクションは、燃焼室(予燃焼室)の端面であってもよく、燃焼室の上流端部セクションを形成している。
【0032】
スワーラ装置は、スロットを有する。このスロットを通って酸化剤/燃料混合物から成る主燃料が複数のスワーラ流によって予燃焼セクション内へ噴射可能である。スワーラ装置は、特に、中心軸線を中心にして予燃焼セクションを包囲する半径方向スワーラであってよい。
【0033】
スワーラのスロットを流過する主燃料の酸化剤/燃料混合物は、予燃焼セクション内へのそれぞれの流れに進入するときに中心軸線に対してほぼ接線方向に方向付けられる。さらに、酸化剤/燃料混合物は、酸化剤/燃料混合物が燃焼室の主燃焼セクションに進入するまで予燃焼セクション内の中心軸線の軸方向に対して平行な成分を有しながら予燃焼室内で方向付けられる。主燃料の酸化剤/燃料混合物は主火炎を生ぜしめる。
【0034】
バーナ面を含むパイロットバーナ装置は、スワーラ装置に近い端部セクションに取り付けられてよい。パイロットバーナ装置のパイロット燃料インジェクタは、パイロット燃料を予燃焼セクション内へ噴射するためにパイロットバーナ面に配置されてよい。パイロット燃料は、ほぼ予燃焼室の中心軸線の軸方向に沿って噴射される。さらに、バーナ面は、特に予燃焼セクションの端部セクション内に配置されていてよい。
【0035】
パイロットバーナ装置が取り付けられているならば、パイロットは、主燃料が燃焼させられる主火炎を制御するために使用される。噴射されたパイロット燃料は、ほぼ予燃焼セクション内において所定の火炎形状を形成する。主燃料流は、スワーラを介して燃焼器の中心軸線に対してほぼ接線方向に燃焼器内へ導入される。噴射された主燃料流及びパイロット燃料流は、液体燃料又は気体燃料を含んでよい。主燃料及びパイロット燃料は、予燃焼セクション内へ噴射された後、ほぼ中心軸線に沿って主燃焼セクションへ流れる。主燃料及びパイロット燃料流は、中心軸線に対して僅かに傾けられて流れてもよい。パイロット燃料は、予燃焼セクションにおいて点火され、口火を形成する。口火は、主燃料に点火し、主火炎を形成する。
【0036】
酸化剤は、例えば、空気又は圧縮空気であってよい。スワーラ又はパイロットバーナによって噴射される燃料は、気体状態、すなわち燃料ガス、又は液体状態、すなわち液体燃料であってよい。主燃料は、希薄酸化剤/燃料混合物であってよい。パイロット燃料は、濃厚な酸化剤/燃料混合物であってよい。これに代えて、パイロットバーナは、別個の燃料インジェクタと空気インジェクタとを有してもよく、これにより、パイロット燃料は純粋な燃料であり、酸化剤は空気インジェクタによって別個に噴射される。
【0037】
エミッションを減じるために、主燃料は、極めて希薄な燃料/酸化剤混合物を含む。従って、温度と、窒素酸化物(NOx)及び/又は一酸化炭素(CO)とを減じ得る。しかしながら、主燃料の希薄な混合物は、不安定で、望ましくない火炎ダイナミクス、すなわち圧力変動を生じるおそれがある主火炎につながる。第1の選択肢として、主火炎は、本発明によれば、発光配列、例えば主火炎へ方向付けられたレーザを使用することによって安定させられる。第2の選択肢として、主火炎を安定させるために口火が発生される。両選択肢は、組み合わせることも、個々に実施することもできる。パイロット燃料は、濃厚なパイロット燃料混合物が生ぜしめられるように酸化剤と混合されてもよい。これは、濃厚なものにつながる(酸素のほとんど又は全てが燃焼中に口火において消費される)。これにより、口火は安定し、主火炎が消滅又はほとんど消滅したときに、主火炎が、安定した口火によって再び点火され得る。これにより、燃焼室における安定した燃焼プロセスが達成される。
【0038】
パイロット燃料の濃厚な燃料空気混合物は、燃焼室のエミッションの増大にもつながる。従って、燃焼室において不安定な燃焼プロセスを生ぜしめることなく濃厚なパイロット燃料空気混合物を減じることも目的である。従って、本発明によれば、発光配列が燃焼室、特に予燃焼セクションに配置されている。発光配列は、電磁放射を、燃焼室の内部体積内、特に、ここでは前述の第2の選択肢に注目すると、口火の領域へ照射し、これにより、発光配列は口火へのエネルギ入力を提供する。燃焼の初期段階に向けられていると、レーザからのエネルギは、流入する空気、特に酸素に付与される。この空気のエネルギレベルの増大は、反応の早期段階における化学的組成OHの生成を増大させる。これは、通常、この領域において不利である。燃焼速度は、燃焼の早期段階におけるOHの生成によって決定され、この方法ではOHの生成を増大させることによって、燃焼速度を加速させることができる。これは、安定性の向上につながる。
【0039】
発光配列は、少なくとも1つの発光放射ビームを照射するように適応されていてよい。特に、発光配列は、レーザ配列であってよい。レーザ配列は、口火及び/又は主火炎へエネルギを付与するために口火及び/又は主火炎へ方向付けられた少なくとも1つのレーザビーム又は複数のビームの配列を照射するように適応されている。発光配列は、約300nm〜約1500nmの波長を有する発光放射ビーム、特にレーザビームを照射してよい。
【0040】
従って、電磁放射により、エネルギがパイロット燃料空気混合物及び口火に付与され、燃料及び酸素の反応度が高められ、より安定した口火が達成される。特に電磁放射のエネルギは、口火の空気における窒素に付与される。窒素は空気における酸素を励起させ、ひいては酸素の反応度を高める。これは、燃料との反応度を高め、より安定した口火が達成される。さらに、燃料と酸素との燃焼速度は、予燃焼セクションにおける燃焼の早期段階においても加速される。電磁放射は、口火の領域に収束させられてよく、酸素、特に空気にもエネルギが付与され、酸素と燃料との反応度も高められる。同じ原理を主火炎に適用することもでき、レーザ制御は、口火の代わりに主火炎を安定させるために利用される。これは、能動的制御システムの一部を形成することができる。能動的制御システムでは、エネルギ入力が、測定された燃焼パラメータに基づいて増減され、これにより、主火炎の安定性を維持するために必要に応じて安定化の強弱を提供する。
【0041】
特に、本発明の1つの実施の形態の現在のアプローチによって、電磁放射は口火の領域に収束させられる。従って、パイロット燃料空気混合物の燃料部分、すなわちパイロット燃料/酸化剤混合物は、より濃厚でない状態、ひいてはより希薄な状態で提供されてよい。なぜならば、パイロット燃料混合物がより濃厚でないとしても電磁放射が口火の安定性を保つからである。従って、より濃厚でないパイロット燃料混合物は、口火を不安定にすることなくエミッションの低減につながる。
【0042】
さらに、電磁放射は口火に収束させられてよいので、エネルギ入力は、口火に集中させられてよく、エネルギ入力の非効率な拡散が減じられる。従って、電磁放射を口火に収束させることによって、発光配列自体のエネルギ結合も低減され得る。
【0043】
要するに、上述の発光配列の使用は、エミッションを低減しながら燃焼室内での安定した燃焼プロセスにつながり、発光配列のためのエネルギ消費も低減される。これにより、エミッションが低減された極めて有効な燃焼システムが提供される。
【0044】
本発明の別の典型的な実施の形態によれば、燃焼室は、透過性セクションを有し、発光配列は、燃焼室の外側に配置されており、発光配列の電磁放射が透過性セクションを通って内部体積、特に口火内へ照射可能である。従って、透過性セクションは、電磁放射の波長が、電磁放射のエネルギをほとんど低減させることなく透過性セクションを通過し得るように形成されている。発光配列が内部体積の外側に取り付けられていると、内部体積における高温雰囲気による摩耗及び汚染を防止し得る。これにより、発光配列の寿命及び点検間隔が減じられる。
【0045】
別の典型的な実施の形態によれば、発光配列は予燃焼セクションに取り付けられている。特に、発光配列は、電磁放射が端部セクションを通って内部体積内へ照射可能であるが、バーナの端部セクションのみに限定されないように配置され得る。口火は、ほぼ端部セクションから下流方向に沿って、特に中心軸線に沿って延びている。パイロット燃料は、中心軸線に対して平行に又は傾けられて流れ得る。従って、電磁放射が端部セクションを通って内部体積内へ照射されると、電磁放射はほとんど口火のみを通過し、電磁放射のエネルギが極めて効率的に口火に付与可能である。特に、発光配列は、パイロットバーナ装置に、又はその他の適切な手段を介して取り付けられてよい。
【0046】
別の典型的な実施の形態によれば、発光配列は、光ファイバと、光ファイバに接続されたファイバ出口アセンブリとを有する。ファイバ出口アセンブリは燃焼室に取り付けられており、発光放射ビーム、例えばレーザビームが、ファイバ出口アセンブリから内部体積内へ照射可能になっている。
【0047】
ファイバ出口アセンブリは、光ファイバから出る光を、口火へ収束させられた電磁放射に変換し得る。発光配列のファイバ出口アセンブリは、パイロットバーナ装置に取り付けられてもよい。光ファイバは、ファイバ出口アセンブリを発光源、例えば燃焼室から離れて配置され得る発光源に接続している。
【0048】
これにより、典型的な実施の形態では、発光配列は、さらに、燃焼室から離れて配置された発光源、例えばレーザ源を含み、発光源は、電磁放射、例えばレーザビームを光ファイバ内へ照射するように適応されている。これにより、発光源が燃焼室から離れて配置されていると、敏感な技術的な機器を含む発光源が、燃焼室内の燃焼プロセスの高温に曝されることがない。これにより、発光配列、特に発光源の寿命を延長させ得る。
【0049】
別の典型的な実施の形態によれば、発光配列は、複数の電磁放射ビームを照射するための複数のレーザエミッタを含む。
【0050】
別の典型的な実施の形態によれば、発光配列は、電磁放射の少なくとも1つのパラメータを制御するための制御ユニットを含む。パラメータは、電磁放射の強度、電磁放射の焦点、複数の電磁放射ビームのパターン及び/又は(例えばパルス式)電磁放射ビームの時間変化であってよい。電磁放射は、連続的又はパルス式に照射されてよい。
【0051】
これにより、制御装置によって、電磁放射のエネルギ入力が極めて効率的に制御され得る。例えば、ガスタービンの最大動力において、莫大な量の主燃料及びパイロット燃料が、最大動力を発生させるために燃焼室内へ噴射される。この作動条件下では、主火炎は極めて安定しており、これにより、主火炎を安定させるために必要な発光配列によるエネルギ入力はより少ない。これにより、例えば、電磁放射の強度、焦点又は時間変化は、単に制御装置によって制御されてもよい。これにより、発光配列及び燃焼システムの全体は、エネルギを極めて節約しながら、極めて効率的に作動し得る。
【0052】
別の典型的な実施の形態によれば、発光配列は光学的イメージング装置を含む。光学的イメージング装置は、電磁放射が、発光された光を内部体積内の口火及び/又は主火炎に収束させる収束セクションを有するように配置されている。これにより、例えば口火と発光源との間の領域において、電磁放射は、より収束させられない、より拡散した状態であってよいのに対して、口火においては、電磁放射は、対象となる箇所、すなわち口火におけるエネルギ入力が増大されるように光学的イメージング装置によって収束させられる。これにより、電磁放射は、光学的イメージング装置の使用によってより効率的に口火へ方向付けられてよい。同様の構成を主火炎に対して使用することもできる。従って、光学的イメージング装置は、例えば、1つ又は複数のレンズを含んでよい。
【0053】
本発明によって、パイロット燃料混合物は、従来のアプローチと比較して、より希薄な状態で提供されるか、又は完全に排除されてもよい。発光配列の使用によって、パイロット燃料噴射が減じられてもよく、ガスタービンのより安定した作動条件においては、パイロット燃料噴射は最小限に減じられてよい。所定の作動条件下では、燃焼システムは、パイロットバーナ装置を通じてパイロット燃料を噴射することなく作動してよく、その一方で、発光配列のみが、内部体積内に収束させられた電磁放射を提供する。
【0054】
本発明の複数の実施の形態が、様々な主体に関して説明されていることが留意されなければならない。特に、幾つかの実施の形態は、装置形式の請求項に関して説明されているのに対し、他の実施の形態は、方法形式の請求項に関して説明されている。しかしながら、その他の通告がない限り、1つの形式の主体に属する特徴のあらゆる組合せに比べて、異なる主体に関連する特徴、特に、装置形式請求項の特徴と、方法形式請求項の特徴とのあらゆる組合せも本願によって開示されていると考えられることが、当業者は上記および以下の説明から分かるであろう。
【0055】
本発明の上記で規定した態様及び別の態様は、以下で説明される実施の形態の例から明らかであり、実施の形態の例に関連して説明される。以下に実施の形態の例に関連して発明をより詳細に説明するが、発明はそれらに限定されるわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】本発明の典型的な実施の形態による燃焼システムの典型的な実施の形態を示しており、電磁放射は、予燃焼セクションの側壁を通じて進んでいる。
【
図2】本発明の典型的な実施の形態による燃焼システムの概略図を示しており、電磁放射は端部セクションを通じて投射されている。
【
図3】燃焼システムの概略図を示しており、発光配列は、本発明の典型的な実施の形態による光ファイバを有する。
【
図4】燃焼室の概略図を示しており、発光配列は、本発明の典型的な実施の形態による光学的イメージング装置を有する。
【0057】
詳細な説明
図面の描写は概略的であって、平行な構成を示しているが、それらは、燃焼室がタービンの中心軸線に対して傾けられている特定の製品設計及び定義をも表すと考えられてよい。異なる図面において類似又は同一の要素には同じ参照符号が付されていることに留意されたい。
【0058】
全ての以下の例は、光が口火領域に収束させられる実施の形態を示している。しかしながら、この構成は、主火炎領域に収束させるように適応されてもよい。
【0059】
図1は、ガスタービンエンジン用の燃焼システムを示している。燃焼システムは燃焼室100を有する。燃焼室100は、端部セクション101と、端部セクション101から燃焼室100の中心軸線103に沿って延びる予燃焼セクション102と、予燃焼セクション102から中心軸線103に沿って延びる主燃焼セクション107とを有する。端部セクション101は、管状の燃焼室100の上流端部を形成している。
【0060】
さらに、スワーラ装置110が予燃焼セクション102に取り付けられており、主燃料111がスワーラ装置110によって予燃焼セクション102の内部体積104内へ噴射可能である。主火炎108は、内部体積104内の主燃料によって燃焼させられる。
【0061】
さらに、この構成では、パイロットバーナ装置120が燃焼室100の端部セクション101に取り付けられており、パイロット燃料がパイロットバーナ装置120によって又はパイロットバーナ装置120を通って予燃焼セクション102の内部体積104内へ噴射可能である。口火122は、主火炎108を安定させるために内部体積104内で燃焼可能である。
【0062】
さらに、電磁放射131を内部体積104内へ照射するための発光配列130が燃焼室100に配置されている。発光配列130は、口火122を安定させるために、電磁放射131によって口火122へのエネルギ入力が生ぜしめられ得るように燃焼室100に配置されている。
【0063】
図1は、例えば缶型の燃焼室であってよい燃焼室100を示している。燃焼室は、中心軸線103を有する管形の形状を有してよい。予燃焼セクション102は、主燃焼セクション107よりも小さな直径を有してよい。
【0064】
スワーラ装置100は、中心軸線103を中心にして予燃焼セクション102を包囲するように予燃焼セクション102に取り付けられていてよい。主燃料111は、中心軸線103に対してほぼ半径方向に沿って噴射されてよい。主燃料111は、内部体積104内で下流方向に沿って主燃焼セクション107内へ流れてよい。
【0065】
さらに、パイロットバーナ装置120が概略的に示されている。パイロットバーナ装置120は、パイロット燃料121、又は燃料と空気などの酸化剤とを含有するパイロット燃料混合物を噴射するためのパイロット燃料入口を有してよい。さらに、パイロットバーナ120は、酸素123を噴射するための別個の酸素入口を有してもよい。内部体積104において、噴射されたパイロット燃料が燃焼可能であり、口火122を形成する。口火122は、主火炎108を形成する主燃料を燃焼させる。
【0066】
パイロット燃料混合物は、濃厚な燃料/酸化剤混合物であり、ひいては極めて安定している。主燃料は、希薄な主燃料/酸化剤混合物であり、主火炎108は不安定であるが、エミッションの排出が少ない。
【0067】
口火122を安定させるために、発光配列130は、電磁放射131を予燃焼セクション102の内部体積104内のエネルギ入力領域132へ照射する。電磁放射131は、例えば、エネルギ入力領域132における空気の窒素及び/又は酸素を励起させ、酸素の反応度が高められる。従って、酸素のより高い反応度が、パイロット燃料121、ひいては主燃料111の燃焼の向上につながる。
【0068】
エネルギ入力領域132は円筒状領域として概略的にしか示されていないことに留意されたい。放射を口火122へ直接に収束させることが有利であり得る。従って、エネルギ入力領域132は環の形状を有してもよい。
【0069】
図1において、発光配列130は、電磁放射131が中心軸線103に対して半径方向にエネルギ入力領域132内へ進むように、予燃焼セクション102に対して配置されている。予燃焼セクション102の側壁は、窓、すなわち透過性セクション105を有しており、この透過性セクション105を通って電磁放射がろ過又はブロックされることなく進んでよい。これに代えて、発光配列130は、内部体積104内に配置されてもよい。
【0070】
発光配列130は、電磁放射131、例えばレーザビームの少なくとも1つのパラメータを制御するための制御ユニット140によって制御されてよい。特に、強度、焦点、複数の電磁放射131のパターン、及び例えばパルス電磁放射131の時間変化が、制御装置140によって制御されてよい。
【0071】
さらに、
図1から分かるように、ミラーなどの反射素子106が内部体積104に配置されてよく、これにより、電磁放射131が反射され、電磁放射131によるエネルギ入力が増大されてよい。
【0072】
これに代えて、図示されていないが、パイロットバーナ装置120を備えない構成もあり得る。又は、パイロットバーナ装置120は備えるが、パイロット燃料が供給停止されている構成もあり得る。従って、電磁放射131を照射するための発光配列130は、放射を主火炎108へ又は主火炎108の近くへ照射してよい。この構成は有利である。なぜならば、この構成は、口火122を有することなく直接に主火炎108を安定させることができるからである。
【0073】
図2は、本発明の典型的な実施の形態による燃焼システムを示している。
図2に示された燃焼システムは、
図1に示された燃焼システムと同様の特徴を有する。
【0074】
図1に代えて、発光配列130は、端部セクション101及び/又はパイロットバーナ装置120に配置及び取着されていてよく、これにより、電磁放射131は端部セクション101から内部体積104のエネルギ入力領域132へ進んでよい。
【0075】
従って、パイロットバーナ装置120は、電磁放射131がほぼ中心軸線103に沿ってエネルギ入力領域132へ進むように、透過性セクション105を有してよい。
【0076】
電磁放射131がちょうど中心軸線103において照射されるのではなく、オフセットを生じて又は所定の角度で傾けられて照射されると有利であり得る。これは、特に、口火122の実際の領域をカバーする対応するエネルギ入力領域132’を備えた、例示された口火122の場合に有利であり得る。
【0077】
つまり、正確な構成は任意のバーナの任意の火炎挙動に整合させられなければならないことを理解しなければならない。しかしながら、一般的に、バーナの前面に発光配列130を有する(
図2参照)又は別の実施の形態では燃焼器の側面に有する(
図1参照)という1つの実施の形態があり得る。
【0078】
図3は、本発明の典型的な実施の形態による燃焼システムを示しており、発光配列130がより詳細に示されている。発光配列130は、燃焼室100、特に予燃焼セクション102及び主燃焼セクション107から離れて配置された発光源301を有する。
【0079】
ファイバ出口アセンブリ303は、電磁放射131、例えばレーザビームを内部体積104へ投射するようにパイロットバーナ装置120に取り付けられていてよい。ファイバ出口アセンブリ303は、光ファイバ304によってファイバ入口アセンブリ302に接続されている。発光源301(例えばレーザ源)は、電磁放射131(例えばレーザビーム)をファイバ入口アセンブリ302へ照射してよく、ファイバ入口アセンブリ302は、電磁放射(例えばレーザビーム)を光ファイバ304内へ提供する。ファイバ入口アセンブリ302は、レンズ系を有してよく、光源301から照射された電磁放射を、光ファイバ304を通じて搬送するために準備するように適応されている。ファイバ出口アセンブリ303は、さらに、光ファイバ304によって提供された電磁放射から内部体積104へ照射される所望の電磁放射ビームを生ぜしめるためのレンズ系を有してよい。従って、
図3に示された典型的な実施の形態によって、発光源301は、燃焼室100から離れて配置されていてよい。
【0080】
図4は、前記
図1〜
図3に示された同じ特徴を有する燃焼システムの典型的な実施の形態を示している。
【0081】
加えて、光学的イメージング装置401が示されている。光学的イメージング装置401は、発光配列130の発光源301とエネルギ入力領域132との間に配置されていてよい。光学的イメージング装置401は、レンズ系を含んでよく、電磁放射131が収束させられてよく、これにより、電磁放射131の所望の焦点セクションが、口火122、ひいてはエネルギ入力領域132に配置可能である。これにより、エネルギ入力が最適化及び制御されてよい。
【0082】
発光源301は、光学的イメージング装置401によって収束させられてよい複数の平行な電磁放射ビーム131’(例えば平行なレーザビーム)を照射してよい。光学的イメージング装置401は、電磁放射ビーム131を収束させてよく、これにより、電磁放射131の焦点402は、エネルギ入力領域132の中央に生ぜしめられる。
【0083】
本発明によれば、発光配列130は、電磁放射131を内部体積104内へ照射してよく、発光配列130は燃焼室100に配置されており、これにより、口火122及び/又は主火炎108へのエネルギ入力が、口火122及び/又は主火炎108を安定させるために、特に口火によって必要とされる燃料、ひいてはエミッションを減じるために電磁放射131によって発生可能である。発光配列は、図面には明示されていないが、前述のように、口火の機能を置き換えるために使用することもでき、口火を使用する代わりに主火炎を安定させるために使用することができる。
【0084】
“含む”という用語は、他の要素又はステップを排除するのではなく、単数での記載は複数を排除するのではないことに留意すべきである。異なる実施の形態に関連して記載された要素が組み合わされてもよい。請求項に記載の参照符号は請求項の範囲を限定すると解釈すべきでないことにも留意すべきである。