特許第6261630号(P6261630)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

<>
  • 特許6261630-車両用の移動式誘導性充電ステーション 図000002
  • 特許6261630-車両用の移動式誘導性充電ステーション 図000003
  • 特許6261630-車両用の移動式誘導性充電ステーション 図000004
  • 特許6261630-車両用の移動式誘導性充電ステーション 図000005
  • 特許6261630-車両用の移動式誘導性充電ステーション 図000006
  • 特許6261630-車両用の移動式誘導性充電ステーション 図000007
  • 特許6261630-車両用の移動式誘導性充電ステーション 図000008
  • 特許6261630-車両用の移動式誘導性充電ステーション 図000009
  • 特許6261630-車両用の移動式誘導性充電ステーション 図000010
  • 特許6261630-車両用の移動式誘導性充電ステーション 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261630
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】車両用の移動式誘導性充電ステーション
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20180104BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20180104BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20180104BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   H02J7/00 301D
   H02J50/10
   H02J7/00 P
   H02J7/00 301A
   B60M7/00 X
   B60L11/18 C
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-23773(P2016-23773)
(22)【出願日】2016年2月10日
(65)【公開番号】特開2016-149933(P2016-149933A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2016年2月10日
(31)【優先権主張番号】10 2015 202 295.1
(32)【優先日】2015年2月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ フロマン
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン ロッツ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス レーアル
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン ヴィークマン
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−028332(JP,A)
【文献】 特開平06−017408(JP,A)
【文献】 特開平11−355907(JP,A)
【文献】 特開2003−079006(JP,A)
【文献】 特開2013−021886(JP,A)
【文献】 特開2013−059239(JP,A)
【文献】 特開2003−061266(JP,A)
【文献】 特開2013−156854(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/051044(WO,A1)
【文献】 特開2014−155278(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0354068(US,A1)
【文献】 特表2015−502725(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 11/18
B60M 7/00
H02J 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の移動式誘導性充電ステーション(10)であって、
前記誘導性充電ステーションは
柔軟な台(20)と、
・当該柔軟な台(20)と接続されている一次コイル(30)と、
・前記柔軟な台の表面(42)に設けられた少なくとも1つの陥入部(40)とを有しており、
前記陥入部には複数の内側側面(50、52)が設けられており、かつ、前記陥入部は車両のタイヤ(60)の少なくともタイヤ接地面(62)を収容するように構成されており、
前記柔軟な台(20)は、前記表面に対向する平らな裏面(144)を有しており
前記裏面(144)は、地面上に固定するために設けられ、かつ、接着力を及ぼすように構成されており、これによって、車両が前記誘導性充電ステーションを走行する際に、前記誘導性充電ステーションがずれることを阻止する
ことを特徴とする、移動式誘導性充電ステーション(10)。
【請求項2】
前記移動式誘導性充電ステーション(10)は、さらにロック装置を有しており、
当該ロック装置は、前記複数の内側側面の少なくとも1つに相当するロック面とアクチュエータとを有しており、
前記アクチュエータは前記ロック面と接続されており、かつ、前記ロック面を制御して、前記陥入部の中心の方へ、および、前記陥入部から離れる方へ動かすように構成されている、請求項1記載の移動式誘導性充電ステーション(10)。
【請求項3】
前記移動式誘導性充電ステーション(10)は、さらにロック装置を有しており、
当該ロック装置にはロック本体(170;374、374’)とアクチュエータ(190;375、375’)とが備えられており、
前記アクチュエータは、前記ロック本体(170;374、374’)と接続されており、かつ、当該ロック本体(170;374、374’)を制御して、前記陥入部(140、340)の前および/または後で動かすように構成されている、請求項1記載の移動式誘導性充電ステーション。
【請求項4】
前記ロック本体(374、374’)は、前記前記アクチュエータ(375、375’)と接続されていることによって、前記表面に対して平行な運動方向を有し、特に、前記ロック本体(374、374’)は前記表面に対して平行に誘導される棒の形態を有する、または、
前記ロック本体(170)は、前記前記アクチュエータ(190)と接続されていることによって、前記表面に対して垂直な運動方向を有し、特に、前記ロック本体(170)は、前記アクチュエータによって前記表面に対して垂直に動かされる、前記誘導性充電ステーションの前記表面の柔軟なロック部分の形態を有する、請求項3記載の移動式誘導性充電ステーション。
【請求項5】
少なくとも、前記一次コイル(430)の上方に位置している、前記誘導性充電ステーションの前記表面のコイル部分(449、549、649)は、異物除去装置を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の移動式誘導性充電ステーション。
【請求項6】
前記異物除去装置は、複数のノズル(447)と当該ノズルに接続された圧縮空気源(448)とを含んでおり、
前記ノズル(447)は、前記表面の前記コイル部分(449)に開口部を有している、請求項5記載の移動式誘導性充電ステーション。
【請求項7】
前記異物除去装置は、前記コイル部分(549)と接続されているアクチュエータ装置(572、572’)を有しており、当該アクチュエータ装置(572、572’)が、前記コイル部分(549)の可変の勾配を決める、請求項5記載の移動式誘導性充電ステーション。
【請求項8】
少なくとも、一点において、前記コイル部分(649)は可動であり、前記異物除去装置は圧縮空気源(647)と、当該圧縮空気源に接続されている少なくとも1つのノズルとを有しており、当該ノズルは、前記コイル部分(649)に沿った方向(D)に配向されている、請求項5記載の移動式誘導性充電ステーション。
【請求項9】
前記移動式誘導性充電ステーション(10)は、さらに、少なくとも1つの、前記表面内に設けられている走行溝(722)を有しており、当該走行溝は前記陥入部(740)に続いている、請求項1から8までのいずれか1項記載の移動式誘導性充電ステーション。
【請求項10】
前記移動式誘導性充電ステーション(10)は、さらに、ヘッド部分(712)を有しており、当該ヘッド部分はプラグ接続部(714)によって前記柔軟な台(720)に固定されており、
前記ヘッド部分(712)内に、制御装置および/または前記一次コイルと接続されているパワー出力段が設けられており、
前記ヘッド部分は硬質のケーシングを有しており、当該ケーシング内に前記制御装置および/または前記パワー出力段が収容されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の移動式誘導性充電ステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
車両に電気的な駆動部を設けることが公知である。ここでこの電気的な駆動部は、車両内部のバッテリーによって給電される。例えばいわゆるプラグインハイブリッド車両(電気的な駆動部の他に、内燃機関を有している)の場合または電気自動車の場合、車両側の電気的な差し込みコンタクトが使用され、これによって、車両内部のバッテリーが外部から充電される。
【背景技術】
【0002】
例えば、独国特許出願公開第102011089339A1号明細書から、自動車への誘導性のエネルギー伝送のための装置が公知である。ここでは、地面内の一次コイルが、交番磁界によって、電力を、車両側の二次コイルに送る。ケーブルを接続して行われる充電プロセスと比べて、操作性は向上するが、効率的なエネルギー伝送のために、二次コイルは、できるだけ正確に一次コイル上に位置していなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102011089339A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の課題は、できるだけ簡易な手段で、エネルギーの誘導性伝送のために、車両を容易に一次コイル上に位置付けすることを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題は、請求項1に記載されている、車両用の移動式誘導性充電ステーションによって解決される。すなわち、上述の課題は、車両用の移動式誘導性充電ステーションであって、誘導性充電ステーションは台と、台と接続されている一次コイルと、台の表面に設けられた少なくとも1つの陥入部とを有しており、陥入部には複数の内側側面が設けられており、かつ、陥入部は車両のタイヤの少なくともタイヤ接地面を収容するように構成されており、台は、表面に対向する平らな裏面を有している、ことを特徴とする、移動式誘導性充電ステーションによって解決される。別の特性、特徴および構成は、従属請求項並びに以降の明細書に記載されている。
【0006】
本願に記載されている、車両用の移動式誘導性充電ステーションは台を含んでおり、この台は容易に地面上に置かれる。この台は有利には柔軟性を有している。誘導性充電ステーションは少なくとも1つの陥入部を有しており、この陥入部は、車両を誘導する若しくは位置付けするために用いられる。この陥入部は、窪みまたは凹部とも称される。用語「陥入部」は一般的に、切り取りによる該当する物質的な特徴の形成の制限と解されるべきではなく、また、これに影響されない。
【0007】
特に、構造上の措置またはフロアリングの他の変更は必要ない。誘導性充電ステーションは単に、基底若しくはフロアリング上に載置される。陥入部によって、車輪が誘導される。なぜなら特に、陥入部には少なくとも1つの内側側面が設けられているからである。この陥入部によって、1つの車輪若しくは複数の(前側)車輪が誘導される。この誘導は、車両そのものを正しい位置に導く。さらに、誘導性充電ステーションは、台と接続されている一次コイルを含んでいる。一次コイルを台の上に配置することも、部分的または完全に台の中に埋め込むことも、台の中に組み込むことも可能である。台の表面に陥入部が位置しているので、一次コイルと陥入部との間の位置関係が事前に決定される。従って、陥入部内に車両が進入したときに、自動的に、一次コイルに対する車両の位置付けも行われる。
【0008】
車両用の移動式誘導性充電ステーションを提案する。これは特に、電動車両等の自動車、ハイブリッド駆動部を備えた自動車または電動アシスト自転車用のものである。ここで、誘導性充電ステーションは柔軟な台を有している。特に商用車、例えば連結自動車、バスまたは特殊車両、例えば街路清掃車が本発明に相応して用いられる。誘導性充電ステーションは、さらに、一次コイルと陥入部とを有している。一次コイルは台と接続されており、特に、台の中に組み込むこと、または、台の中若しくは台の上に固定することが可能である。さらに、少なくとも1つの陥入部が台の表面に設けられている。陥入部を、例えば、自動車の左側または右側の1つの前輪(または1つの後輪または1つの連結自動車車輪)に対して1つ設けることが可能である。または、陥入部を2つ設けることが可能である。この場合には、自動車の2つの前輪(または2つの後輪または2つの連結自動車車輪)の各々に対して、この2つの陥入部のそれぞれ1つが割り当てられる。陥入部を2つ設ける場合、これらの陥入部は事前に定められた間隔を相互に有している。これは、特に、誘導性充電ステーションによって充電される車両のトレッドに相当する。
【0009】
上述したように、陥入部には、少なくとも1つの内側側面が設けられている。従って、進入してくる車両を誘導することができる。有利には、陥入部あたり、対向する2つの内側側面または内側側面部分が設けられている。従って各車輪は、両側に向かって誘導される。陥入部は、タイヤの少なくとも1つのタイヤ接地面を収容するように構成されている。これは、収容部の大きさ、殊に収容部の幅を規定し、さらに、陥入部の下方の柔軟な台が、車輪によって生じる力を受容することを規定する。
【0010】
台は特に、柔軟な材料、例えばマットから成る。柔軟な台を、ゴムまたはシリコーン、有利には繊維によって補強されたゴムまたはシリコーンから形成することができる。ゴムまたはシリコーンの代わりに、特にプラスチックから成る、(柔軟性に関して)比肩可能な柔軟な材料を使用することができる。さらに、陥入部の内側側面は柔軟な材料から成り、特に、台そのものと同じ材料から成る。さらに内側側面と陥入部を一体のものとして形成することができる。
【0011】
台の、陥入部に対向する側に位置しているフラットな裏面は、地面上で支えるために用いられる。地面上の裏面の接着力によって、十分な固定が行われる。従って、車両が内部を走行することによって誘導性充電ステーションがずれることはない。これに加えて、上部に誘導性充電ステーションが載置されている地面に誘導性充電ステーションを結合する固定手段を設けることができる。このために誘導性充電ステーションは、留め金(ボルトまたはねじを貫通させるためのもの)、または、直接的に地面と結合されるまたは間接的に機械的に地面と結合されるその他の固定手段を有することができる。
【0012】
陥入部自体は、柔軟な台の幅の方向で見て、凸の形状を有する円筒状であり、特に、アーチ状の輪郭または特別な円弧状の円周を有する円筒状である。従って陥入部は、(実質的に円柱状の)車輪の下方部分に対して相補的な形状を有している。陥入部は、特に、車輪の、陥入部が収容する部分よりも大きい曲率半径を有している、または、一般的に、車輪の、陥入部が収容する部分よりも強く湾曲していない。この形状は、ロック装置によって変化し得る。ここでこのロック装置は第1の箇所において第1の形状を有している。この第1の形状によって、陥入部への進入および陥入部からの退出が可能になる。また、ロック装置は第2の(突出)箇所において、車輪が動き出すことを阻止する形状を有している。このようなロック装置は、本願では、ロック装置が(裏面に対して垂直な)第1の箇所において内へ引っ込んでおり、第2の箇所において、裏面に対して相対的に外へ突出している実施形態として記載されている。
【0013】
柔軟な台は、さらに誘導用の溝を有し得る。この誘導溝は、陥入部へと続く。陥入部は、誘導溝よりも深い。誘導溝は、陥入部との間隔が短くなるにつれて深くなる。さらに誘導溝は、陥入部との間隔が短くなるにつれて幅が狭くなる。従って、誘導溝は、陥入部との間隔が短くなるにつれて先細る。
【0014】
陥入部は、硬い、陥入部を形作る支柱を有し得る。この支柱は例えば、プラスチックから(場合によっては金属製の挿入物、特に鋼製の挿入物を用いて)形成されている。ここでこの支柱は、柔軟な台と結合されている、または、特に、柔軟な台の中に組み込まれている。
【0015】
本発明の1つの態様では、移動式誘導性充電装置はロック装置を有している。これは特に、充電過程の間も、安定した、正確な位置付けを保証するためである。ロック装置は、ロック面を有している。このロック面は可動である。ロック面は、陥入部内の車輪(若しくは車輪のタイヤ、特に、タイヤの少なくとも1つの側面)と物質的に接触するように構成されている。従って、ロック面と車輪との間(特にロック面とタイヤ側面との間)に静止摩擦が生じる。ロック面とはここで、内側側面若しくは内側側面の一部のことである。これは特に、内側側面若しくは一般的にロック面と機械的に結合されているアクチュエータによって動かされる。アクチュエータは、電気機械式のアクチュエータであってよい。これは例えば、ギア、例えば、ギア付きスピンドルドライブに接続されている電動機である。さらにアクチュエータは、空気圧で動くものであっても、液圧で動くものであってもよく、特に、内側側面若しくはロック面を形成する、または、内側側面若しくはロック面と力を伝達するように接続されている蛇腹の形態である。これによって、内側側面は、蛇腹内部の圧力に従って、で、陥入部の方向へ移動する。従ってアクチュエータが、ロック面と接続されている。さらにアクチュエータは、陥入部の中心の方へ、また、陥入部の中心から離れるように、ロック面を制御して動かすことができる。ロック面は、陥入部内の車輪をロックするために、陥入部の中心の方向へ制御して動かされ、かつ、陥入部内の車輪のロックを解除するために、陥入部の中心から離れる方向へ動かされる。相当する実施形態が、図3に示されている。
【0016】
別の実施形態では、ロック装置はロック本体を有しており、このロック本体は陥入部のそばに配置されているが、陥入部内には配置されていない。ロック本体は車輪が陥入部から動いて出ることを阻止する箇所に設けられる。ロック装置にロック本体が設けられ、ロック本体は特にアクチュエータを含む。このアクチュエータは、力を伝達するように、ロック本体と結合されている。これによってロック本体が、制御下で、陥入部の前または後ろで動かされる。ロック本体を、走行溝と陥入部との間の移行部に設けることができる、または、走行溝の、陥入部と接する終端部に設けることができる。このようなロック本体の場合には、(アクチュエータによって)、陥入部の長手延在方向に対して垂直な運動方向が生じる。ロック本体は、陥入部の前および/または後ろに、特に陥入部への進入方向に対して垂直に動かされるように構成若しくは配置されている。本願では方向に関する表現「前」および「後ろ」は、陥入部の長手延在方向(進入方向に相当する)を基準にしている。
【0017】
第1の形態では、ロック本体は次のように配置されている。すなわち、ロック本体が、表面に対して平行な運動方向を有するように配置されている。ここではロック本体は、表面に対して平行に案内される棒の形態を有している。ここで棒の代わりに、他のバーを用いることもできる。このような実施形態は、図4に示されている。上述の形態では、ロック本体は、台の表面の上に、従って台自体の外に配置されている。
【0018】
第2の形態では、ロック本体は有利には、台の中に設けられている。ロック本体は、特に、アクチュエータと接続されていることによって、表面に対して垂直および/または裏面に対して垂直な運動方向を有する。換言すれば、アクチュエータは、ロック本体を上述の形態のように、表面に沿って動かすのではなく、表面から離れるように、かつ、表面の方へ動かす。運動方向と表面との間の正確な角度はここで重要ではない。従って第1の形態では、この運動は、表面に対して平行な方向成分を有しており、第2の形態では、この運動は、表面(特に、ロック本体の場所で)または裏面に対して垂直な方向成分を有している。第1の形態では、運動方向は、裏面に対しても平行であり、特に、裏面に対して平行に延在する運動成分を有する。
【0019】
ロック本体が表面または裏面から離れる方向、かつ、表面または裏面に近づく方向で動く場合には、ロック本体は、ロック部分と称される誘導性充電ステーションの表面の部分である。このロック部分は柔軟である、若しくは、台の残りの表面に対して動く。ここではこのロック部分は例えば、表面の一部を形成する蛇腹の一部であり得る。ロック部分は、アクチュエータによって、表面に対して垂直に動かされ、特に、表面から離れる方向と、表面に近づく方向で動かされる。択一的に、上述したように、運動方向が台の表面を基準にするのではなく、台の裏面を基準にしてもよい。図2では、この第2の形態の1つの実施形態が示されている。
【0020】
別の態様は、誘導性充電ステーションの一部としての異物除去装置である。ここでこの異物除去装置は、異物が車両の位置付けを誤まらせるのを阻止する。このために異物除去装置は、充電過程を妨害し得る異物を除去するために用いられる。従って表面は、一次コイル上に位置し、コイル部分と称される部分を有している。このコイル部分に、異物除去装置が設けられている。
【0021】
このような態様の1つの実施形態では、異物除去装置は多数のノズルと、これらのノズルに接続された圧縮空気源とを含んでいる。圧縮空気源の代わりに、圧縮空気源接続部を設けることもできる。これらのノズルは、表面のコイル部分に位置している開口部を有している。これによって、表面のコイル部分上に位置する物体、すなわち、一次コイル上にある物体が、ノズルによって作成された圧縮空気噴射によって除去される。
【0022】
別の実施形態では、異物除去装置は、アクチュエータ装置を有している。このアクチュエータは、(柔軟に形成された)コイル部分と接続されており、特に、コイル部分を動かすように構成されている。アクチュエータ装置は、コイル部分の可変の勾配を規定するように構成されている。換言すれば、アクチュエータ装置は、コイル部分を可変に傾斜させるように構成されている。ここでアクチュエータ装置は、異なる時点で起動される2つの個別アクチュエータを有し得る。これによって、時間の流れにおいて、異なる勾配が生じる。コイル部分上に位置する異物は、コイル部分のこの(一時的な)傾斜によって滑り落ちまたは転がり落ち、これによってコイル部分から(縁部領域において)除去される。アクチュエータ装置は電気機械式装置であり得る。これは例えば、コイル部分の下方に案内される、カムを備えたシャフトであるが、有利には2つの個々のアクチュエータによって構成される。(この実施例および他の実施例の)アクチュエータは、特に空気圧によって動作するアクチュエータ、液圧によって動作するアクチュエータ、または、有利には電気機械式アクチュエータであり、特に、ギア付きのスピンドルドライブと組み合わされた電動機の形態である。アクチュエータ装置のアクチュエータは、コイル部分の種々の場所に設けられており、特に、コイル部分の対向し合う終端部に設けられている。有利には、コイル部分若しくはコイル部分の縁部領域の異なる箇所に設けられている、2つのアクチュエータが使用される。またここでは、2つよりも多くのアクチュエータを使用することもできる。これらのアクチュエータは有利には縦方向に動くアクチュエータであり、裏面から離したり、裏面に近づけたりする方向の運動方向を有している。
【0023】
ノズルを用いた異物除去装置は図5Aに示されており、傾斜を用いた異物除去装置は図5Bに示されている。
【0024】
異物除去装置の別の実施形態では、コイル部分は少なくとも1つの点で可動である(例えば開口箇所を備えた蛇腹の形態である)。この異物除去装置は、圧縮空気源を有する、または、圧縮空気源に対する接続部を有する。これと並んで、異物除去装置は、圧縮空気源と接続された少なくとも1つのノズルを有する。これらのノズルは、コイル部分に沿って(および特に開口部分に向かって)延在している主要出力方向を有している。従って、圧縮空気がノズルを通って流れると、コイル部分の運動自由度に基づいて揺動が生じる。表面のコイル部分の上下運動を可能にするために、開口箇所は特に緩く固定されている。揺動によって、異物がコイル部分から除去される。図5Cは、この実施形態の相応する図である。
【0025】
さらに、台の表面内に走行溝を設けることができる。この走行溝は、陥入部につながっている。この走行溝の幅は有利には、上述したように、陥入部に近づくにつれて狭まる。しかし走行溝が部分的に、または、その全長にわたって、一定の幅を有していてもよい。択一的にまたはこれと組み合わせて、走行溝の深さは、陥入部に近づくにつれて増す。これによって、陥入部への車輪の進入および誘導が容易になる。しかし同様に走行溝が、部分的に、または、その全長にわたって、一定の深さを有していてもよい。
【0026】
さらに、移動式誘導性充電ステーションは、ヘッド部分を有し得る。このヘッド部分は有利には、(接続解除可能な)接続によって、特にプラグイン接続によって、台に固定されている。ヘッド部分は走行路外で走行溝の方へ、有利には、陥入部の、走行溝に対向している側に位置している。台が地面の上に置かれている場合、ヘッド部分は特に、陥入部と並んで配置されている。ヘッド部分は、走行溝若しくは陥入部の長手延在方向において、台と並んでいる、若しくは、ヘッド部分はこの方向において、台の後方に(すなわち進入方向に)設けられている。ヘッド部分内には、制御装置、および/または、一次コイルと接続されたパワー出力段が設けられている。パワー出力段は、一次コイルを駆動制御する。ヘッド部分は有利には硬質のケーシング、特にプラスチックから成るケーシングを有している。さらにこのケーシングが、鋼構造によって補強されていてもよい。このケーシング内には、制御装置および/またはパワー出力段が収容されている。ケーシング内に、制御装置および/またはパワー出力段が内部に収容可能な引き出し部分を設けることが可能である。ヘッド部分は、さらに、給電網との接続のために電流端子を有する。図6Aおよび図6Bには、これらの実施形態が詳細に示されている。
【0027】
走行溝内に、マークとして用いられる隆起部を設けることができる。例えば、陥入部に近づくにつれて、相互の間隔が短くなる複数のマークを設けることができる。これによって、運転者は、陥入部自体を見なくても、陥入部までの距離を把握することができる。図2は、このような隆起部の例を示している。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1移動式誘導性充電ステーションの1つの実施形態の平面図
図2移動式誘導性充電ステーションの1つの実施形態の縦断面図
図3移動式誘導性充電ステーションの1つの実施形態の横断面図
図4移動式誘導性充電ステーションの1つの実施形態の平面図
図5A】特に異物除去装置のバリエーションを説明するための、移動式誘導性充電ステーションの1つの実施形態の横断面図
図5B】特に異物除去装置のバリエーションを説明するための、移動式誘導性充電ステーションの1つの実施形態の横断面図
図5C】特に異物除去装置のバリエーションを説明するための、移動式誘導性充電ステーションの1つの実施形態の横断面図
図6A移動式誘導性充電ステーションの1つの実施形態の平面図
図6B移動式誘導性充電ステーションの1つの実施形態の断面図
図6C移動式誘導性充電ステーションの1つの実施形態の断面図
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、車両(図示されていない)用の移動式誘導性充電ステーション10の1つの実施形態を示している。ここでこの移動式誘導性充電ステーション10は、柔軟な台20と、一次コイル30とを有している。この一次コイル30は、2つの陥入部40と42との間に設けられている。一般的に、一次コイルは有利には、陥入部同士の間にある領域または陥入部の長手方向における(仮定の)陥入部延長領域同士の間にある領域に位置している。これらの陥入部は、側面50、52によって画定されている。ここで、左側に図示された陥入部40は内側側面50を有している。この内側側面50は、陥入部40をぐるりと包囲している、または、陥入部40を少なくとも180℃または少なくとも270℃の角度で包囲しており、陥入部40を特に、図示されているように、(仮想の)長方形の4つの面のうちの3つの面で包囲している。このことは、陥入部42、若しくは、陥入部42を図示のように包囲している側面52にも当てはまる。
【0030】
各陥入部40、42内に車輪60、62が入れられている。従って図1には、車両が、移動式誘導性充電ステーション10内に進入している状態が示されている。車輪60のタイヤ接地面64は陥入部40内にあり、車輪62(若しくはそのタイヤ)の相応するタイヤ接地面66は陥入部42内にある。図1に示されている誘導性充電ステーションは、前輪を収容するように想定されている。しかしここで、誘導性充電ステーションをより長くした形態も可能である。この場合には、車両が誘導性充電ステーションに進入すると、車両の後輪も誘導性充電ステーション上に置かれる。図4は、このような、より長い実施形態を示している。
【0031】
図2は、移動式誘導性充電ステーション110内の車両180を示している。図2は、側面断面図であり、ここでは誘導性充電ステーション110は裏面144と表面146とを有している。表面146には、陥入部140が設けられている。この陥入部140内に、車両180の車輪のタイヤ160が位置している。陥入部は、窪みを形成する。陥入部の形状は、タイヤ160の輪郭部分の形に合わせられている。従って陥入部はタイヤ160の一部を包囲しており、これによって、収容部140とタイヤ160との間に(部分的な)形状接続が生じる。
【0032】
車両180が誘導性充電ステーション110内に進入している、図2に示された状態では、一次コイル130は、車両180の二次コイル190の下に位置する。誘導性充電ステーション110の台120の表面146には、さらに、隆起部122、123、124が、有利には、陥入部140へとつながる走行溝内に設けられている。
【0033】
図2はさらに、リフトシリンダ170の形態のロック装置の実施形態を示している。ここでこのシフトシリンダ170は、制御可能な圧縮空気源190によって駆動制御される。リフトシリンダ170の代わりに、電動機によって駆動制御されるギア付きスピンドルドライブを設けることもできる。ロック本体は、圧縮空気源190として構成されている駆動部によって駆動される部材(すなわちリフトシリンダ170)によって実現される。ここでこの部材は、ピストン170またはギア付きスピンドルドライブまたは長さを変えることができるように構成されている他の装置と置き換え可能である。図示されているように、ロック装置上にある、表面部分も、この部材とともにロック本体を形成する。突出状態時には、ロック本体は、台120の表面146の一部を押し上げる。従って、退出が阻止される。なぜなら突出状態時には、ピストン170若しくは一般的にロック本体は、この表面部分と一緒に車輪140を次のように包囲するからである。すなわち、車両180が、少なくとも退出方向Lで、退出することができないように包囲するからである。
【0034】
図3は、タイヤ260を備えた車輪240の縦断面図を示している。タイヤは、横断面図で示されている、本願で説明された誘導性充電ステーション210の1つの実施形態内に存在する。タイヤは、台220の上に静止している。(タイヤに対して)側方に、ロック装置が設けられている。このロック装置は、ロック本体272、272’を有している。ロック本体272、272’はロック面、すなわち、タイヤ260の方を向いている面を形成する。ここでこの面は、静止摩擦を用いてタイヤをロックするために、陥入部内部への方向で動かされる。ロック面の運動方向は、参照符号V1で示されている。ロック装置は、図3では、蛇腹として示されているが、空気圧で動くピストンまたは液圧で動くピストンとしても、電磁式リニア駆動部(例えばギア付きスピンドルドライブを備えた電動機)の機械的なインタフェースとしても設けることができる。アクチュエータ273、273’が設けられている。これらは機械的にロック面272、272’と接続されている。蛇腹として構成する場合には、蛇腹と接続されている制御可能な圧縮空気源が設けられる。ここでこの蛇腹は、ロック面を形成する、または、ロック面を少なくとも動かす。
【0035】
図3では、台220に底面部分が設けられている。この底面部分上に、内側側面272、272’を形成する側面部分が位置する。この底面部分とこの側面部分は、2つの部分によって形成可能である。陥入部と、場合によって走行溝は、側面部分によって形成される。陥入部262は、側面部分が底面部分と結合されることによって形成される。台の側面部分と底面部分は、異なる材料から製造可能であり、特に、異なる剛性を有し得る。ここで特に、側面部分の剛性は、底面部分の剛性よりも低い。
【0036】
図4は、比較的長い台320を備えている移動式誘導性充電ステーションを示している。この台320の上には、車両380の前輪360だけでなく、後輪361も収容される。図4は、さらに、それぞれのアクチュエータ375、375’を備えたロック本体374、374’を示している。ロック本体374、374’はそれぞれ、運動方向V2、V2’で動く。運動方向V2とV2’は相互に反対の方向であり、各ロック本体374、374’を前輪360の後方に移動させる、または、車輪360の走行方向から離す。従って、車両の走行方向に対して垂直な、図4のロック本体用の運動方向V2(若しくはV2’)が生じる。すなわち、この運動方向は、タイヤ360の回転方向に対して垂直であり、さらに、台若しくは誘導性充電ステーションの表面に対して平行である。図4では、ロック本体374、374’が、バー若しくは棒として示されている。図示されていない実施形態では、車両の退出走行を阻止するのは、図示されたロック本体のうちの1つで足りている。
【0037】
図4はさらに、側面350を示している。この側面は、内部に前輪が配置されている陥入部の内側側面だけを形成しているのではなく、さらに、後輪に沿って、かつ、後輪を超えて延在している。さらに、二次コイル390が示されている。この二次コイルは、一次コイル(これは二次コイルによって覆われている)上に延在している。この状態では、車輪360は最適に陥入部340内に位置付けされている。従って一次コイルと二次コイルとは、相互の最大のパワー伝達を行うように、空間的に配置されている。
【0038】
図5A、5Bおよび5Cは、誘導性充電ステーションに異物除去装置を装備する種々の手法を示している。異物除去装置は、多数のノズル、コイル部分の可変勾配のためのアクチュエータ装置またはコイル部分に沿って配向されている個々のノズルによって実現される。
【0039】
図5Aでは、移動式誘導性充電ステーション410は、横断面図で示されている。ここでは、一次コイル430の上方に、コイル部分449と称される、誘導性充電ステーションの表面内の部分が設けられている。このコイル部分449は、特に、コイルの外径と列を成す部分を含んでいる。しかし付加的に、一次コイル430上に直接的に位置している領域を外側へ拡張する縁部領域も含み得る。図5Aは、コイル部分449が、一次コイル430と列を成す区間を越えて延在している誘導性充電ステーション410を示している。これによって、縁部領域も異物から保護することができる。このコイル部分には、多数のノズルが示されている。これらのノズルは、図5Aに示された外側輪郭線の中断部として示されている。見やすくするために、これらのノズルのうちの幾つかにしか、参照番号447が付与されていない。点線によって示されている矢印は、圧縮空気源448からの流れの方向を示している。ここで圧縮空気源448の代わりに、誘導性充電ステーション410が、外部の圧縮空気源に対する接続部を有していてもよい。図5Aには、次のことが示されている。すなわち、空気がまずは圧縮空気源448(または相応する接続部)から、誘導性充電ステーション(特に柔軟な台)の内部を通って流れ、誘導性充電ステーションの内部から多数のノズル447を通って離れて、台若しくは誘導性充電ステーション410の表面から出る、ということが示されている。有利には、矢印によって示されたこの流れは、特定の時間の間しか形成されず、特に、充電過程の開始前にしか形成されない、または、充電過程の間、規則的な間隔で形成される。これによって、一次コイル430上の物体が、コイル部分から除去される。
【0040】
参照番号449は、まさに430に位置している部分しか包囲しているのではなく、ここにつながっている縁部部分も包囲する。図5Aに示されているように、コイル部分449は、(相互に規則的な間隔を有する)複数のノズルを含んでいる。さらに図5Aから、次のことが読みとされる。すなわち、コイル上に、誘導性充電ステーション410の裏面に対して実質的に平行な中間部分が存在し得ることが読み取れる。この中間部分は、誘導性充電ステーションの縁部に向かって、エッジ部分において急激に下降しており、これによって、傾斜部分へと移行する。この部分並びに急激な移行部の側面(すなわちエッジ部分)もノズルを有している。従って、自動的に、種々の流れ方向が、種々の部分において得られる。図5Bは、誘導性充電ステーション510の表面のコイル部分549と接続されているアクチュエータ装置を有している充電ステーション510を示している。アクチュエータ装置は、2つの個々のアクチュエータ572と572’とを有している。これらのアクチュエータは、運動方向C若しくはC’を有している。これらの運動方向は実質的に、台の裏面に対して垂直であり、かつ、表面に対しても実質的に垂直である。制御部(図示されていない)が設けられている。この制御部は、個々のアクチュエータ572と572’とを時間的にずらして駆動制御する。従って、自動的に、時間が経過するにつれて変化する、コイル部分549の勾配が得られる。例えばはじめにアクチュエータ572が突出するように動かされる場合には、右側へと下降する傾斜が生じる。ここでこの傾斜は、これに続いて、アクチュエータ572’が突出するように動かされると再び低減する。これと同様に、はじめにアクチュエータ572’が突出するように動かされ、他方で、アクチュエータ572が引っ込められると、傾斜が生じる。
【0041】
アクチュエータ572は特に縦長のアクチュエータである。図示されているのは、電気機械式に、または、空気圧式に、または、液圧に構成されている一般的な縦長のアクチュエータである。択一的に、個々の2つのアクチュエータ572と572’に対して、1つのアクチュエータ装置を設けることができる。このアクチュエータ装置は、複数の点で、コイル部分に固定されており、これによって、回転運動を行うことができる。このような回転運動は、誘導性充電ステーションの表面に対してまたは裏面に対して平行に延在する回転軸を有している。このようなアクチュエータ装置を用いて、種々の回転運動によって、種々の勾配を調整することができる。このようなアクチュエータ装置は、回転運動を生じさせる駆動部、例えば電気的な回転駆動部、空気圧で動作する回転駆動部または液圧で動作する回転駆動部を有し得る。さらに、アクチュエータにカムシャフトを設けることはできる。ここでこのカムは、コイル部分の種々の箇所に設けられており、相互に角度のずれを有している。このカムシャフトが駆動されると、自動的に、コイル部分549の可変勾配が形成される。
【0042】
図5Cは、異物除去装置を形成する別の手法を示している。これはノズル647(概略的に長方形によって示されている)が、コイル部分649に沿って圧縮空気流Dを形成することによって行われる。誘導性充電ステーションの表面は、少なくとも1つの点で動き、特に、ノズル647に対向する点で動く。これによって、特にコイル部分649の表面が揺動し、これによって異物が除去される。固有の圧縮空気源の代わりに、誘導性充電ステーション610は、圧縮空気源に対する接続部を有することができる。この接続部またはこの圧縮空気源は、誘導性充電ステーションの内部に、または、少なくとも、柔軟な台の内部に設けられているノズル647と接続されている。ここでは、揺動を可能にするために、コイル部分649を、残りの誘導性充電ステーションよりも柔軟にすることができる。図5Aの異物除去装置と同様に、図5Bおよび5Cの異物除去装置を、特定の時点でのみアクティブにすることができる。または、異物除去装置を、誘導性充電ステーションへの車両の進入前の特定の時間の間、または、充電過程の開始前の特定の時間の間、アクティブにすることができる。または、異物除去装置を、充電過程の間、(定期的に)アクティブにすることもできる。
【0043】
図6Aは、ヘッド部分712を備えた誘導性充電ステーション710を示している。このヘッド部分712は、柔軟な台720に固定されている。プラグイン接続部714が、ヘッド部分と台を接続するために用いられていることが見て取れる。ここでこの台は、走行溝722を有している。領域740内には、陥入部が設けられている。この陥入部内に、車輪が進入可能である。プラグイン接続システム714は、多数の個々の、列を成すプラグイン接続部材を有している。ここでこのヘッド部分と柔軟な台とは、プラグイン接続部材の種々のサブグループを介して相互に接続される。これによって、種々のトレッドを考慮するために、ヘッド部分712と台720との間に側方のずれを形成することができる。
【0044】
さらに図6Aは、ボルトの形状の接続部材715を示している。これは、ヘッド部分712の開口部を通じて(誘導性充電ステーションの表面に対して垂直に)差し込まれている。このボルト715によって、誘導性充電ステーションまたは少なくともヘッド部分が、誘導性充電ステーションが載置されている地面に係留される。例えば、誘導性充電ステーションが不正に除去されることを阻止するために、取り外し可能な、確実な接続が形成される。さらに、ヘッド部分712は、電気端子716を有している。この電気端子によって、電子回路、特にヘッド部分のパワー出力段が電気供給網と接続される。
【0045】
図6Bは、図6Aに示されている切断線A−Aに従ったヘッド部分712の縦断面図を示している。ヘッド部分712の第1の中空空間713内には、電子回路、例えばパワー出力段または制御装置またはその両方が配置されている。別の中空空間714が同様に、ヘッド部分内に、有利には、中空空間713とは異なる隆起部内に設けられる。ここでこの中空空間714内には水が入れられている。
【0046】
図6Cは、図6Aに示されている切断線B−Bに即した、台720の横断面を示している。ここでは走行溝が片側で、台720の長手方向に延在し、かつ、台720に沿って延在している隆起部721によって構成されている。これによって、この方向においてガイドとして用いられる。この隆起部は、走路誘導のために、側壁若しくは側面を形成する。
【0047】
中空空間713および/または714は、1つ(または複数の)引き出し部分を有し得る。ここには、例えば電子回路が入れられている。さらに図6Bおよび6Aには、ヘッド部分712と台720とが台の長手方向で見て(すなわち車両の進入方向で)、隣り合って並んでおり、接続部714を介して相互に接続されていることが示されている。
【符号の説明】
【0048】
10、110、210、410、510、610 移動式誘導性充電ステーション、 20、120、220、320、720 台、 30、130、430 一次コイル、 40、42、140、340、262、740 陥入部、 50、52 内側側面、 60、62、240、380 車輪、 160、260、360 タイヤ、 64、66 タイヤ接地面、 122、123、124 隆起部、 144 裏面、 146 表面、 170 リフトシリンダ、 180 車両、 190、448、647 圧縮空気源、 272、272’、374、374’ ロック本体、 273、273’、375、375’ アクチュエータ、 350 側面、 361 後輪、 390 二次コイル、 447 ノズル、 449、549、649 コイル部分、 572、572’ アクチュエータ装置
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C