【文献】
・「ぐるなび外国語版」大幅リニューアル!メニュー情報の充実で日本の食の魅力を訴求、ぐるなびホームページ ニュース、[online]、2015年1月19日、株式会社ぐるなび、[平成29年8月3日検索]、インターネット<URL:https://corporate.gnavi.co.jp/release/2015/20150119−012794.html>
【文献】
・外食業界の要は外国人客!グローバル化を促進する「ぐるなび」の海外向け戦略とは、キャリアコンパスbyDODAホームページ コンパスニュース、[online]、2016年3月17日、パーソナルキャリア株式会社、[平成29年8月9日検索]、インターネット<URL:https://doda.jp/careercompass/compassnews/20160317−15402.html>
【文献】
・武田安恵,ぐるなび 飲食店検索サイトの運営 インバウンド客も誘導,日経ビジネス,日経BP社,2015年7月20日,第1800号,pp.60−64
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、メニューに記載した品目の詳細な解説情報を、外国語による音声で再生するメニュー解説装置の発明が開示されている。この装置を用いた場合、外国語による音声が周囲にも響き、周囲に座っている利用客に対して迷惑になってしまう。また、飲食店が事前に詳細な解説情報を準備しておかなければならないが、飲食店に、外国語が堪能な従業員がいないことも多い。そのため、メニューの解説そのものを作成できない、ということもありえる。
【0006】
特許文献2では、料理の品目について、日本語と英語からなるメニュー説明をあらかじめ準備して、接客担当者が用いるハンディターミナルにあらかじめ記憶させておく。そして、利用客に外国人がいる場合に、所定の操作をすることで、英語によるメニュー説明をハンディターミナルで表示させ、それを見せることで、外国人に対して対応をする発明が開示されている。しかしこの場合であっても、特許文献1の場合と同様に、飲食店が事前にメニューの説明をハンディターミナルに登録しておかなければならないが、飲食店に、外国語が堪能な従業員がいないことも多い。そのため、メニューの説明そのものを作成できない、ということもありえる。
【0007】
特許文献3では、飲食店用券売機に多言語対応ソフトを記憶させたライセンスキットを接続することで、券売機で外国語によるメニュー表示を可能とする発明が開示されている。この場合、ライセンスキットは券売機メーカーなどが作成しているので、飲食店に外国語が堪能な従業員がいなくても対応することができる。しかし、多言語対応ソフトを購入する必要があること、また飲食店独自のメニューなどには対応することができない、といった問題点がある。
【0008】
近年、外国人が飲食店を探す場合、ガイドブックなどを用いるほか、インターネットで飲食店情報を提供するウェブサイトから探すことも多い。そして、飲食店情報を提供するウェブサイトで検索された飲食店のウェブページでは、店名、場所、連絡先などのほか、メニューなども情報提供されている。そうすると、飲食店のウェブページで外国語の表記によるメニューを提示できれば、外国人に対する訴求効果も高くなり、また、実際に飲食店に外国人が訪れた場合に、そのメニューを見せれば、外国人が注文をすることも容易となる。
【0009】
この目的を達成するためには、自動翻訳サイトなどを用いて、外国語による飲食店のウェブページを提供することが考えられるが、日本語によるメニューを自動翻訳した場合、自動翻訳の精度などに問題がある。とくに、飲食店におけるメニューの場合、宗教、信条、健康(アレルギーなど)などの理由などにより、食材や調理方法、調味料などが限定されている人もいる。たとえばベジタリアンの場合には、動物性食品を避けることとなる。
【0010】
日本語が堪能であれば、自ら従業員に確認することもできるが、そうでない場合には従業員に確認をすることが困難である。そして自動翻訳サイトなどを用いてメニュー名などを翻訳したとしても、食材や調理方法などが正確に翻訳できなければ、外国人に誤解を招き、却って、飲食店との間でトラブルになることも予想される。このように、食材や調理方法などが制限される場合、外国人が理解可能とするためには、正確な表現により行わなければならない。そのため、メニューが記載されたウェブページの全体を自動翻訳サイトなどを用いて翻訳して情報提供するのみでは、誤解の発生する余地があり、実際上、好ましくはない。
【0011】
このように、外国語でメニューを提供する場合には、注文をする外国人に宗教、信条、健康上などの理由から、禁忌や制限の対象となる食材や調理方法などのメニューの説明が正確に伝わるようにしなければならない問題点がある。また、単に外国語に翻訳しただけでは、注文を受ける従業員が誤って注文内容を認識する可能性があるので、外国人による注文内容を正確に認識できるようにする必要がある。一方で、飲食店のメニューはその飲食店の特徴などを示すものであるから、飲食店の独自のアピールを可能とさせることで、利用客に訴求を図る必要がある、という観点も必要である。つまり、情報を正確に伝えなければならない一方、その表現方法の自由度をも維持しなければならない、という相矛盾した目的を達成しなければならない。これを達成するには、上記のように外国語に堪能な従業員による翻訳が必要であるが、すべての飲食店がそれを行えるわけではない。そこで、外国語が堪能な従業員がいない場合であっても、簡便な方法により、外国人に対して正確にメニューを理解させることが可能な外国人向けのメニューを生成する方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで本発明者は上記課題に鑑み、外国語が堪能な従業員がいない場合であっても、簡便な方法により、外国人に対してメニューを理解させることが可能なメニュー生成システムを発明した。
【0013】
第1の発明は、複数言語による飲食店のメニューを生成するメニュー生成システムであって、メニュー情報を記憶するメニュー情報記憶部と、メニューに用いられる複数の食材、メニューに用いられる複数の調味料、及びメニューの複数の調理方法のうちのいずれかを含むメニュー属性を記憶するメニュー属性マスター記憶部と、メニュー名の入力を受け付けるメニュー名入力受付処理部と、前記メニュー属性マスター記憶部に記憶されたメニュー属性の中から第1言語によるメニュー属性の選択入力を受け付けるメニュー属性処理部と、前記メニュー属性について第1言語と第2言語による対応関係を記憶する外国語対応用語記憶部と、前記外国語対応用語記憶部に基づいて、前記受け付けた第1言語による前記メニュー属性を第2言語に変換する入力情報外国語変換処理部と、飲食店を特定するためのログイン操作を受け付けた後、前記受け付けた前記メニュー名と前記第2言語に変換したメニュー属性とを前記ログイン操作に応じて特定した飲食店に対応するメニュー情報として前記メニュー情報記憶部に記憶するメニュー情報処理部と、情報端末からのメニューの表示要求に応じて、前記メニュー情報記憶部を参照し、前記メニュー名と前記第2言語に変換したメニュー属性とを含むメニュー情報を該情報端末に表示させるメニュー情報表示処理部と、を備えるメニュー生成システムである。
【0014】
また、前記メニュー生成システムは、さらに、メニュージャンルの選択入力を受け付けるメニュージャンル入力受付処理部を備えている。前記メニュー属性マスター記憶部は、前記メニュー属性に加えて、さらに、前記メニュー属性に対応付けられたメニュージャンルを記憶する。前記メニュー属性処理部は、前記受け付けたメニュージャンルに対応するメニュー属性を、前記メニュー属性マスター記憶部から抽出し、該抽出したメニュー属性を前記第1言語によるメニュー属性の入力として受け付ける。
【0015】
また、前記メニュー生成システムは、さらに、メニュージャンルと、第1言語によるメニュー紹介文とを対応付けて記憶するメニュー紹介文マスター記憶部と、前記受け付けたメニュージャンルに対応するメニュー紹介文を、前記メニュー紹介文マスター記憶部から抽出し、該抽出したメニュー紹介文を前記第1言語によるメニュー紹介文として受け付けるメニュー紹介文処理部と、を備える。前記外国語対応用語記憶部は、前記メニュー属性に加えて、さらに、前記メニュー紹介文について第1言語と第2言語による対応関係を記憶する。前記入力情報外国語変換処理部は、前記外国語対応用語記憶部に基づいて、前記受け付けた第1言語による前記メニュー紹介文を第2言語に変換する。前記メニュー情報処理部は、前記メニュー属性に加えて、さらに、前記第2言語に変換したメニュー紹介文をメニュー情報として前記メニュー情報記憶部に記憶する。
【0016】
また、前記メニュー情報処理部は、前記メニュー名及び前記メニュー属性の入力前又は入力後に行われる前記ログイン操作を受け付け可能であってもよい。
【0017】
また、前記メニュー属性処理部は、前記メニュー属性マスター記憶部に記憶された前記メニュー属性各々を前記メニュー属性に予め割り当てられた識別情報の順に沿ってリスト表示させ、前記リスト表示された前記メニュー属性の選択操作を受け付けてもよい。
【0018】
また、前記メニュー情報記憶部は、前記メニュー情報表示処理部が参照する第1メニュー情報記憶部と、前記メニュー情報が一時的に記憶される第2メニュー情報記憶部とを含むことがある。そして、前記メニュー情報処理部は、前記メニュー情報を前記第2メニュー情報記憶部に記憶した後、特定の反映操作に応じて、前記第2メニュー情報記憶部に記憶された前記メニュー情報を前記第1メニュー情報記憶部に記憶させると共に、前記第2メニュー情報記憶部から消去することが考えられる。
【0019】
また、前記メニュー情報処理部は、前記受け付けた前記メニュー名と同一のメニュー名が既に前記メニュー情報記憶部に記憶されている場合に警告を報知することが考えられる。
【0020】
また、前記メニュー情報処理部は、前記メニュー情報記憶部に前記メニュー情報を記憶する前に当該メニュー情報を表示させた後、特定の確認操作が行われた場合に、前記メニュー情報を前記メニュー情報記憶部に記憶させることが考えられる。
【0021】
また、前記メニュー情報処理部は、前記メニュー名が入力される画面又は前記メニュー属性が選択入力される画面におけるプレビュー要求操作に応じて、入力済みの前記メニュー名と第2言語に変換された前記メニュー属性とを表示させることが考えられる。
【0022】
また、前記メニュー情報処理部は、前記メニュー属性処理部で受け付けられた前記メニュー属性又は前記第2言語に変換された前記メニュー属性が前記メニュー名に含まれていない場合に警告を報知することが考えられる。
【0023】
第2の発明は複数言語による飲食店のメニューを生成するメニュー生成システムであって、前記メニュー生成システムは、メニュー名について、第1言語による表記と、外国人が第1言語による発音が可能な表記または前記外国人が第1言語による発音が可能な表記への自動変換が可能な表記の入力を受け付けるメニュー名入力受付処理部と、第1言語によるメニュー紹介文の入力を受け付けるメニュー紹介文処理部と、メニューにおける食材、調理方法、調味料のうちいずれか一以上を含むメニュー属性について、選択による入力を受け付けるメニュー属性処理部と、前記メニュー紹介文処理部で入力を受け付けたメニュー紹介文を第2言語に翻訳する自動翻訳処理部と、前記メニュー属性について第1言語と第2言語による対応関係を記憶する外国語対応用語記憶部と、前記外国語対応用語記憶部に基づいて、第1言語による前記メニュー属性を第2言語に変換する入力情報外国語変換処理部と、前記メニュー名、前記メニュー紹介文、前記メニュー属性をメニュー情報として記憶するメニュー情報記憶部と、飲食店が利用する飲食店端末または利用客が利用するコンピュータからのメニューの表示要求に応じて、前記メニュー情報記憶部に記憶したメニュー情報を、前記飲食店端末または前記利用客が利用するコンピュータに表示させるメニュー情報表示処理部と、を備えており、前記メニュー情報表示処理部は、前記メニュー情報として、外国人が第1言語による発音が可能な表記によるメニュー名、前記入力を受け付けた第2言語によるメニュー紹介文、前記選択された第2言語によるメニューの属性を表示させる、メニュー生成システムである。
【0024】
また、第3の発明は、複数言語による飲食店のメニューを生成するメニュー生成システムであって、前記メニュー生成システムは、メニュー名について、第1言語による表記と、外国人が第1言語による発音が可能な表記または前記外国人が第1言語による発音が可能な表記への自動変換が可能な表記の入力を受け付けるメニュー名入力受付処理部と、メニュージャンルの選択入力を受け付けるメニュージャンル入力受付処理部と、メニュージャンルとメニュー紹介文のテンプレートの情報とを対応づけて記憶するメニュー紹介文マスター記憶部と、前記選択を受け付けたメニュージャンルに対応するメニュー紹介文のテンプレートの情報を、前記メニュー紹介文マスター記憶部から抽出するメニュー紹介文処理部と、メニュージャンルと、メニューにおける食材、調理方法、調味料のうちいずれか一以上を含むメニュー属性のテンプレートの情報とを対応づけて記憶するメニュー属性マスター記憶部と、前記選択を受け付けたメニュージャンルに対応するメニュー属性のテンプレートの情報を、前記メニュー属性マスター記憶部から抽出するメニュー属性処理部と、前記メニュー紹介文処理部でテンプレートからの修正の入力を受け付けたメニュー紹介文について第2言語に自動翻訳をする自動翻訳処理部と、前記メニュー紹介文のテンプレートの情報、メニュー属性のテンプレートの情報について第1言語と第2言語による対応関係を記憶する外国語対応用語記憶部と、前記外国語対応用語記憶部に基づいて、第1言語のメニュー属性を第2言語に変換する入力情報外国語変換処理部と、飲食店が利用する飲食店端末または利用客が利用するコンピュータからのメニューの表示要求に応じて、前記メニュー情報記憶部に記憶したメニュー情報を、前記飲食店端末または前記利用客が利用するコンピュータに表示させるメニュー情報表示処理部と、を備えており、前記メニュー紹介文処理部は、前記飲食店端末からの前記メニュー紹介文のテンプレートの情報の修正要求を受け付けて、第1言語による修正の入力を受け付け、前記自動翻訳処理部は、前記メニュー紹介文処理部で第1言語による修正入力を受け付けたメニュー紹介文を第2言語に自動翻訳処理を実行し、前記メニュー属性処理部は、前記飲食店端末からの前記メニュー属性のテンプレートの情報の修正要求を受け付けることで、前記メニュー属性マスター記憶部を参照して、修正するメニュー属性の選択肢を抽出し、抽出した選択肢に対する入力を前記飲食店端末から受け付け、前記メニュー情報表示処理部は、前記メニュー情報として、外国人が第1言語による発音が可能な表記によるメニュー名、第2言語によるメニュー紹介文、第2言語によるメニューの属性を表示させる、メニュー生成システムである。
【0025】
これらの発明のように構成することで、外国語に堪能な従業員がいない場合であっても、外国語によるメニューを簡便な方法によって生成することができる。特にこれらの発明においては、メニュー名をローマ字表記などの、第1言語による発音が可能な表記とし、メニューの紹介文を修正した場合には、その内容を自動翻訳により外国語に翻訳をし、メニュー属性を選択により受け付け、対応する外国語で表示させる構成としている。
【0026】
外国語によるメニューでの注文の際に問題となるのは、従業員が誤った注文を受けてしまうことである。特に、メニュー名をそのまま外国語に翻訳をしてしまうと、注文を受ける従業員がどのメニューであるのか理解することが困難であり、誤注文の恐れがある。そこで、メニュー名は外国人であっても第1言語での発音が可能な表記とすることで、外国人であってもそのまま第1言語での発音による注文を可能とすることができる。このような構成によって誤注文を防止することができる。
【0027】
また食材や調理方法、調味料などのメニューの属性は、宗教、信条、健康上などの理由から禁忌や制限の対象となっていることも多い。そのため、正確性が重要であり、曖昧さや誤解を招く表記などは避けなければならない。飲食店による自由な入力とし、それを自動翻訳してしまうと、曖昧さ、誤解を招く表記となる可能性が生じてしまう。また、メニューの属性の情報は定型性が高い情報である。そこでこれらの発明では、メニューの属性については、あえて飲食店による自由度を制限し、選択方式による入力とすることで、曖昧さ、誤解を招く表記を排除することとしている。これによって、外国人が宗教上、信条上、健康上などの理由から禁忌や制限の対象となっている食材等を注文してしまうことを回避することができる。
【0028】
さらにメニューの紹介文については、そのメニューの食べ方、特徴などを示すことから、定型性が低い情報である。そのため、選択方式による入力を行うことは困難であり、またメニューの属性において、禁忌や制限の情報がメニューの説明で示されていることから、自由な入力を受け付けて自動翻訳を用いたとしても、弊害の発生が低い。そこでメニューの紹介文については、必要に応じて第1言語による自由な入力を受け付け、それを自動翻訳で処理することで、定型性の低い情報を外国人にも提供することができる。
【0029】
このように、これらの発明においては、メニューにおける、メニュー名、メニューの紹介文、メニューの属性について、それぞれがもつ特性を勘案した上で、それぞれに適した処理を行わせることで、最適な方法で外国語によるメニューを生成することを可能とせしめている。
【0030】
また、第3の発明においては、メニュージャンルを選択することで、メニューの紹介文やメニューの属性などを初期設定として自動的に設定することができる。そのため、飲食店の入力の負担軽減になるとともに、あらかじめ設定されている内容を利用できるので、誤入力等の防止にもつながる。
【0031】
上述の発明において、前記メニュー生成システムは、さらに、飲食店の検索要求における検索条件を前記飲食店端末または前記利用客が利用するコンピュータから受け付け、前記受け付けた検索条件に対応する前記第2言語による単語を特定して第2検索条件として、前記メニュー情報記憶部に基づいて検索をし、該当する飲食店の情報を前記飲食店端末または前記利用客が利用するコンピュータに渡す検索処理部、を備えるメニュー生成システムのように構成することができる。
【0032】
本発明のように構成することで、飲食店情報提供サイトを外国人が利用する場合に、メニュー名、メニューの紹介文、メニューの属性などを検索条件として、該当する飲食店を検索することができる。
【0033】
上述の発明において、前記メニュー情報処理部は、さらに、前記メニューの価格の情報の入力を受け付け、前記メニュー情報表示処理部は、さらに、前記メニューの価格を表示させる、メニュー生成システムのように構成することができる。
【0034】
飲食店のメニューにおいて価格の情報は重要である。そこで本発明のように構成することでメニューの価格を表示させることができる。
【0035】
上述の発明において、前記メニュー名入力受付処理部は、さらに、前記メニューの特徴を示すメニュー特徴情報の入力をさらに受け付け、メニュー情報として前記メニュー情報記憶部に記憶させる、メニュー生成システムである。
【0036】
本発明のように構成することで、メニューの特徴を示すメニュー特徴情報を表示させることができる。これにより、外国人に対するメニューの理解の一助にすることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明のメニュー生成システムを用いることによって、外国語が堪能な従業員がいない場合であっても、簡便な方法により、外国人に対してメニューを理解させることが可能となる。また、食材や調理方法などを正確にメニューに表示することができるので、利用者との間でトラブルになる可能性も低くなる。さらに、メニュー名は外国人でも第1言語による発音が可能な表記にしているので、誤注文の可能性も低くなる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明のメニュー生成システム1の全体のシステム構成の一例を
図1に示す。
【0040】
メニュー生成システム1は、サーバなどを含むコンピュータを用いて実現される。
図2にコンピュータのハードウェア構成の一例を示す。コンピュータは、プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置70と、情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置71と、表示を行うディスプレイなどの表示装置72と、入力を行うマウスやキーボード、タッチパネルなどの入力装置73と、演算装置70の処理結果や記憶装置71に記憶する情報を、コンピュータ間で送受信をする通信装置74とを有している。
【0041】
本発明における各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。また、本発明のメニュー生成システム1は、これらが一つのサーバでその機能を実現しても良いし、各機能を2台以上のサーバに分散して配置しても良い。また、本発明の機能の一部または全部を、飲食店の検索を行うユーザの利用するコンピュータ(携帯電話などの可搬型通信端末を含む)で行っても良い。とくに、後述する自動翻訳処理部205、入力情報外国語変換処理部206、メニュー情報表示処理部22などの処理をユーザのコンピュータで行っても良い。これによって管理サーバ2の処理の負荷を減らすことができる。
【0042】
メニュー生成システム1の各機能を備える管理サーバ2は、飲食店で利用するコンピュータである飲食店端末3と、インターネットなどのネットワークを介して情報の送受信が可能である。飲食店端末3としてはコンピュータであれば良く、パーソナルコンピュータのほか、スマートフォンを含む携帯電話、PHS、タブレット型コンピュータなどの可搬型通信端末などを含む。メニュー生成システム1は、飲食店に関する情報を提供する企業などが、その加盟店となっている飲食店に対して提供することが好ましいが、それに限定されるものではない。
【0043】
メニュー生成システム1における管理サーバ2は、メニュー情報処理部20とメニュー情報記憶部21とメニュー情報表示処理部22とメニューマスター記憶部24とを有している。
【0044】
メニュー情報処理部20は、飲食店で提供するメニューに関する情報の入力を受け付ける。メニュー情報処理部20では、各処理部において入力を受け付けた情報をメニュー情報として、後述するメニュー情報記憶部21に記憶させる。またメニュー情報処理部20では、メニュー名を、外国人でも第1言語(メニュー生成システム1を運用する国における言語(公用語を含む))による発音が可能な表記、たとえば日本語であればローマ字表記で入力を受け付ける。また、メニューの紹介文を必要に応じて第1言語(たとえば日本語)で自由に入力を受け付け、また、メニューの属性を必要に応じて選択形式で入力を受け付ける。メニューの紹介文はあらかじめ定められたメニューの紹介文を変更することを希望する場合には、その入力を受け付けて外国語に自動翻訳し、メニューの属性を対応する外国語の単語に自動変換する。メニューに関する情報としては、メニュー名、メニューの紹介文、メニューの属性などの情報がある。メニュー生成システム1を利用したサービスを展開する国における言語である第1言語として日本語の場合を説明するが、他の国で実施する場合には、その国で用いられている言語を第1言語として用いることができる。また第2言語とは第1言語である言語以外の一または複数の言語(その国にとっての外国語)を意味する。
【0045】
メニュー情報処理部20は、メニュー名入力受付処理部200とメニュー画像入力受付処理部201とメニュージャンル入力受付処理部202とメニュー紹介文入力受付処理部203とメニュー属性入力受付処理部204と入力情報外国語変換処理部205とを有する。
【0046】
メニュー名入力受付処理部200は、メニューの名称として、日本語とそのカタカナ表記の入力を受け付ける。またメニュー名入力受付処理部200は、受け付けたカタカナ表記に基づいて、外国人でも日本語による発音が可能なローマ字表記への変換処理を行う。この際に、そのメニューを特徴付ける英単語、たとえばtempura、sushi、beaf steak、curry、pizzaなどのメニュー特徴情報を併せて入力を受け付けても良い。また、カタカナ表記の入力を受け付けてローマ字表記に変換するのではなく、日本語のメニュー名のローマ字表記での入力を受け付けても良い。なお、ローマ字表記ではなく、日本語(第1言語)での発音が可能な表記であればいかなる表記であっても良い。
【0047】
メニュー画像入力受付処理部201は、そのメニューの画像情報の入力を受け付ける。
【0048】
メニュージャンル入力受付処理部202は、そのメニューの属するジャンルの選択入力を受け付ける。選択されるジャンルは、後述するメニューマスター記憶部23のメニュージャンルマスター記憶部230に記憶されており、メニュージャンル入力受付処理部202は、メニュージャンルマスター記憶部230を参照し、選択肢の表示を行わせることで、選択入力を受け付ける。
【0049】
メニュー紹介文処理部203は、メニュージャンル入力受付処理部202で選択を受け付けたジャンルの情報に基づいて、後述するメニューマスター記憶部23のメニュー紹介文マスター記憶部231から対応するメニュー紹介文のテンプレートの情報を抽出し、表示させる。また、そのメニュー紹介文の変更の選択を受け付けた場合には、メニュー紹介文処理部203は、メニューを紹介する文章の入力を日本語で受け付ける。メニューを紹介する文章としてはそのメニューの食べ方、特徴、アピールポイントなどがある。
【0050】
メニュー紹介文処理部203は、テンプレートの情報を用いずに、最初から、メニューの紹介文の入力を受け付けても良い。
【0051】
メニュー属性処理部204は、メニュージャンル入力受付処理部202で選択を受け付けたジャンルの情報に基づいて、後述するメニューマスター記憶部23の食材マスター記憶部232、調味料マスター記憶部233、調理方法マスター記憶部234から対応する代表的食材、調理方法、調味料のテンプレートの情報を抽出し、表示させる。また、メニューの属性の変更の選択を受け付けた場合には、メニュー属性処理部204は、食材マスター記憶部232、調味料マスター記憶部233、調理方法マスター記憶部234を参照することで、メニューの代表的食材、調理方法、調味料などについて選択入力を受け付ける。選択される各メニュー属性は、後述するメニューマスター記憶部23の食材マスター記憶部232、調味料マスター記憶部233、調理方法マスター記憶部234などに記憶されており、メニュー属性処理部204は、これらの各マスター記憶部を参照し、選択肢の表示を行わせることで、選択入力を受け付ける。メニュー属性としては、代表的食材、調理方法、調味料などがあるが、それらに限定されず、適宜、設定可能である。
【0052】
メニュー属性処理部204は、テンプレートの情報を用いずに、最初から、各マスター記憶部を参照し、選択肢の表示を行わせることで選択入力を受け付けても良い。
【0053】
代表的食材としては、たとえばメニューで使用している魚の特徴や種類、肉の特徴や種類、野菜の特徴や種類などがある。また調理方法としては焼く、煮る、蒸す、揚げるなど、その食材をどのように調理しているかを示す情報がある。また調味料はそのメニューで使用している調味料である。
【0054】
自動翻訳処理部205は、メニュー紹介文処理部203でメニューを紹介する文章が変更され、その入力を受け付けている場合には、公知の翻訳処理機能を用いて外国語に翻訳する。翻訳処理機能としてはさまざまなものを用いることができ、ウェブサイトで文章の翻訳を行う機能のほか、料理に関する翻訳に特化した機能を用いることもできる。
【0055】
入力情報外国語変換処理部206は、後述するメニューマスター記憶部23の外国語対応用語記憶部236に記憶する第1言語である日本語と、第2言語である少なくとも1以上の外国語の対応テーブルに基づいて、メニュージャンル入力受付処理部202、メニュー紹介文処理部203、メニュー属性入力受付処理部204で受け付けた情報を、対応する外国語に自動変換する。
【0056】
また、メニュー情報処理部20は、メニューの価格の情報の入力を受け付けてもよい。
【0057】
メニュー情報記憶部21は、メニュー情報処理部20における各情報をメニュー情報として、飲食店ごとに記憶する。
【0058】
メニュー情報表示処理部22は、飲食店端末3や利用客が利用するコンピュータからメニュー情報の表示要求を受け付けた場合、その飲食店のメニュー情報をメニュー情報記憶部21から抽出し、表示させる。
【0059】
メニューマスター記憶部23は、メニュー情報処理部20において外国語によるメニューを生成するにあたり必要な情報を、マスターテーブルにそれぞれ記憶している。メニューマスター記憶部23は、メニュージャンルマスター記憶部230、メニュー紹介文マスター記憶部231、食材マスター記憶部232、調味料マスター記憶部233、調理方法マスター記憶部234、外国語対応用語記憶部235を有している。
【0060】
メニュージャンルマスター記憶部230は、メニュージャンル入力受付処理部202で料理のメニューのジャンルの選択入力を受け付けるための選択肢となるジャンルの情報を記憶している。ジャンルは、上述のように階層構造で記憶されており、たとえば大分類、大分類を細分化した中分類、中分類をさらに細分化した小分類といったように記憶されている。大分類としては、たとえば和食、イタリアン、フランス料理、スペイン料理、中華料理などがあり、中分類としては、たとえば大分類が和食であると、寿司、鮮魚料理、鉄板焼き、居酒屋などがある。また、小分類としては、たとえば中分類が鮮魚料理であると、刺身、海鮮丼、煮付け、焼き魚などがある。このように、メニュージャンルマスター記憶部230に記憶するジャンルに基づいて、メニュージャンル入力受付処理部202で選択肢の表示を行うことで、その選択入力を受け付けることができる。
【0061】
メニュー紹介文マスター記憶部231は、メニュージャンル入力受付処理部202で選択されたジャンルに対応するメニュー紹介文のテンプレートの情報を記憶している。すなわちジャンルとそれに対応するメニュー紹介文のテンプレートとが対応づけて記憶されている。たとえばジャンル「刺身」には、メニュー紹介文のテンプレートとして「刺身(さしみ)とは、魚介類等の生の食材を小片に切り、ワサビ・ショウガなどの薬味を添えた醤油・酢味噌などの調味料に付けて食べる日本料理である。」が対応づけて記憶されている。したがって、ジャンル「刺身」が選択された場合には、メニュー紹介文処理部203は、メニュー紹介文マスター記憶部231に記憶する「刺身」に対応するメニュー紹介文のテンプレートの情報を抽出し、表示させる。
【0062】
食材マスター記憶部232は、メニュー属性入力受付処理部204で料理のメニューの食材の選択入力を受け付けるための選択肢となる食材の情報を記憶している。食材の情報は、ジャンルの情報と対応づけて記憶されていても良く、メニュージャンル入力受付処理部202で選択されたジャンルに対応する食材をメニュー属性入力受付処理部204が食材マスター記憶部232に基づいて抽出し、テンプレートの食材の情報として表示させても良い。
【0063】
調味料マスター記憶部233は、メニュー属性入力受付処理部204で料理のメニューで使用している調味料の選択入力を受け付けるための選択肢となる調味料の情報を記憶している。調味料の情報は、ジャンルの情報と対応づけて記憶されていても良く、メニュージャンル入力受付処理部202で選択されたジャンルに対応する調味料をメニュー属性入力受付処理部204が調味料マスター記憶部233に基づいて抽出し、テンプレートの調味料の情報として表示させても良い。
【0064】
調理方法マスター記憶部234は、メニュー属性入力受付処理部204で料理のメニューの調理方法の選択入力を受け付けるための選択肢となる調理方法の情報を記憶している。調理方法の情報は、ジャンルの情報と対応づけて記憶されていても良く、メニュージャンル入力受付処理部202で選択されたジャンルに対応する調理方法をメニュー属性入力受付処理部204が調理方法マスター記憶部234に基づいて抽出し、テンプレートの調理方法の情報として表示させても良い。
【0065】
食材マスター記憶部232、調味料マスター記憶部233、調理方法マスター記憶部234を総称して、メニュー属性マスター記憶部という。
【0066】
外国語対応用語記憶部235は、メニュージャンル入力受付処理部202で入力を受け付けるメニューのジャンル、メニュー紹介文処理部203で受け付ける紹介文のテンプレートの情報、メニュー属性処理部204で受け付ける代表的食材、調理方法、調味料などのメニュー属性のテンプレートの情報などについて、日本語(第1言語)と少なくとも一以上の外国語(第2言語)を対応させた対応テーブルである。
【実施例1】
【0067】
つぎに本発明のメニュー生成システム1の処理プロセスの一例を
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0068】
外国語によるメニューの表記を所望する飲食店は、所定の操作を行うことで飲食店の情報提供サービスを運営する企業のメニュー生成システム1にアクセスし、外国語によるメニューの生成を行うことの操作入力を行う。
【0069】
この操作入力を管理サーバ2で受け付けると、メニュー情報処理部20は、飲食店端末3に
図4に示す管理画面を表示させ、飲食店端末3においてメニュー情報の入力を行わせる。まずメニュー情報処理部20のメニュー名入力受付処理部200は、管理画面においてメニュー名の入力を受け付ける(S100)。メニュー名は日本語とそのカタカナ表記したものにより入力を受け付ける。そして、受け付けたカタカナ表記に基づいて、ローマ字への変換を行う。なお、カタカナ表記の代わりにローマ字表記の入力を受け付けても良い。この場合、カタカナ表記からローマ字表記への変換処理は不要である。
【0070】
たとえばメニューが「まぐろの赤富士盛り」であった場合、メニュー名入力受付処理部200は、メニュー名として「まぐろの赤富士盛り」と「マグロノアカフジモリ」の入力を受け付ける。そしてメニュー名入力受付処理部200は、「マグロノアカフジモリ」に基づいて、これを「MAGURONOAKAFUJIMORI」に変換する。
図5に、メニュー名の入力が行われた場合の管理画面の一例を示す。
【0071】
つぎに管理画面において画像の「アップロード」ボタンが選択されると、当該メニューの画像情報をアップロードする画面が表示され、そこでアップロードする画像情報が選択されることで、飲食店端末3から管理サーバ2にメニューの画像情報が送られる。メニューの画像情報は、メニュー情報処理部20のメニュー画像入力受付処理部201で入力を受け付ける(S110)。
図6に、メニュー画像の入力が行われた場合の管理画面の一例を示す。
【0072】
そして飲食店端末3で、管理画面において「ジャンルを選択」のボタンが選択されることで、その選択がされたことをメニュー情報処理部20のメニュージャンル入力受付処理部202が受け付ける。そしてメニュージャンル入力受付処理部202は、メニューマスター記憶部23におけるメニュージャンルマスター記憶部230を参照し、メニューのジャンルの選択肢を管理画面に表示させる。選択肢の表示方法はプルダウンメニューによる方法やチェックボックスによる方法、ポップアップ画面による方法などさまざまな方法があり、いかなる方法でも良い。
【0073】
たとえば「和食」(大分類)の「鮮魚料理」(中分類)のうち「刺身」が選択されたとすると、メニュージャンル入力受付処理部202は、その選択入力を受け付ける(S120)。
図7に、メニュージャンルの入力が行われた場合の管理画面の一例を示す。
【0074】
メニュー紹介文処理部203、メニュー属性処理部204は、メニュージャンル入力受付処理部202においてメニュージャンルの選択を受け付けると、メニューマスター記憶部23におけるメニュー紹介文マスター記憶部231、食材マスター記憶部232、調味料マスター記憶部233、調理方法マスター記憶部234を参照することで、選択されたメニュージャンルに対応するメニュー紹介文、メニュー属性としての食材、調味料、調理方法などのそれぞれ対応するテンプレートの情報を取得する(S130)。そして、メニュー紹介文処理部203、メニュー属性処理部204は、それらのテンプレートの情報を管理画面に表示させる。
図8に、メニュー紹介文、メニュー属性のテンプレートの情報が表示された場合の管理画面の一例を示す。
【0075】
もしメニュー紹介文、メニュー属性について、テンプレートの情報に修正を行いたい場合には(S140)、メニュー紹介における「編集する」、「食材を編集」、「調味料を編集」、「調理方法を編集」を選択することで、編集が可能となり、その入力を受け付ける(S150)。この際に、メニュー紹介文の入力は、メニュー紹介文処理部203が日本語で自由に入力を受け付ける。一方、メニュー属性、すなわち、食材、調味料、調理方法については、「食材を編集」、「調味料を編集」、「調理方法を編集」の選択を受け付けることで、メニュー属性処理部204がメニューマスター記憶部23における食材マスター記憶部232、調味料マスター記憶部233、調理方法マスター記憶部234を参照し、選択肢の表示を管理画面で行わせることで、その選択入力を受け付ける。
【0076】
以上のように、メニュー名、メニュー紹介文、メニュー属性などをメニュー情報として入力を受け付け、メニュー紹介文処理部203でその内容が修正されている場合には、自動翻訳処理部205が、メニュー紹介文入力受付処理部203で入力を受け付けた日本語によるメニュー紹介文を、あらかじめ定められた外国語、たとえば英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、アラビア語などに自動翻訳する処理を実行する(S160)。一方、修正がない場合には、入力情報外国語変換処理部206が、外国語対応用語記憶部235を参照し、選択されたメニュー紹介文の外国語を特定することで自動変換処理を実行する(S160)。
【0077】
さらに、入力情報外国語変換処理部206は、メニュー属性処理部204で入力を受け付けた選択に基づいて、外国語対応用語記憶部235を参照し、選択されたメニューの属性の外国語を特定することで自動変換処理を実行する(S170)。
【0078】
以上のような処理を実行することで、メニュー情報処理部20はメニュー情報記憶部21にメニュー情報として記憶させる(S180)。
【0079】
実際に飲食店に外国人が訪れた場合には、飲食店の従業員は、可搬型通信端末などにより、所定の操作をすることで管理サーバ2にアクセスし、その外国人に対して、可搬型通信端末を渡す。そして外国人が可搬型通信端末で自らが理解可能な言語等を選択することで、メニュー情報表示処理部22が、メニューのリストを
図9のように表示させる。この場合、メニュー名の日本語表記とローマ字表示の情報、メニューの写真の情報とがリスト形式で表示されていると良い。
【0080】
そしてこのリストからメニュー名などを選択すると、当該可搬型通信端末から管理サーバ2に対して当該メニュー情報の取得要求が行われる。そしてメニュー情報表示処理部22は、メニュー情報記憶部21から、選択されたメニューのうち、外国人が選択した言語に対応するメニュー情報、たとえばメニュー名の日本語表記とローマ字表記の情報、メニュー紹介文が当該言語で自動変換/自動翻訳された紹介文の情報、食材、調味料、調理方法などのメニュー属性が当該言語で自動変換されたメニュー説明の情報などを表示させる。この一例を
図10に示す。
【0081】
以上のようにメニュー情報を表示させることで、外国語によるメニューを提供することができる。そして外国人はそのまま従業員に、所望のメニューを注文することができる。この場合、メニュー名は外国人が日本語での発音が可能なローマ字表記でされており、翻訳されていないので、外国人は日本語による発音で注文することができ、また従業員もそれを聞き取ることができる。したがって、従業員による注文内容の聞き取りの誤りの恐れが少なくなる。
【0082】
また、
図10に表示されるメニューの属性は、選択された情報が自動変換され、選択された言語で表示が行われる。飲食店ごとに自由な表現が行えない反面、統一された用語で表示を行える。そのため、食材、調理方法、調味料などについて、正確性を保ったまま外国人に情報提供が行える。したがって、曖昧さや誤解を招く表記がなくなるので、宗教や信条、健康などによって禁忌や制限となっている食材を摂取してしまう、といったトラブルもなくすことができる。
【0083】
一方、メニュー紹介文では飲食店による自由な入力を行え、それを自動翻訳することも可能としている。そのため、メニューに対する飲食店の自由な思いを伝える余地は確保している。したがって、飲食店ごとの独自性を確保することも維持することができる。
【0084】
なお、自動翻訳処理部205、入力情報外国語変換処理部206による自動翻訳処理、自動変換処理は、事前に行うほか、いかなるタイミングで行われても良く、たとえば外国人がそのメニューの表示要求を行った場合に処理を実行しても良い。
【0085】
また、入力情報外国語変換処理部206は、選択されたメニューの属性について対応する外国語の用語を表示するのではなく、選択可能なメニューの属性を対応する外国語で表示を行い、その中から、どのメニューの属性が選択されたかを表示することでも良い。
【実施例2】
【0086】
また、実施例1の別の実施態様として、飲食店情報提供サイトの利用するウェブサーバとメニュー情報記憶部21とを連動させ、飲食店情報提供サイトで飲食店またはメニューを探すための検索条件として、メニュー名、メニュー紹介文、メニューの属性のいずれか一以上を受け付けても良い。この場合、
図11に模式的に示すように、管理サーバ2には検索処理部24を有する。なお、飲食店情報提供サイトの利用するウェブサーバに対する検索条件の入力は、飲食店端末3または利用者が利用するコンピュータから行われれば良い。
【0087】
検索処理部24は、飲食店情報提供サイトへの検索条件におけるメニュー名、メニュー紹介文、メニューの属性のいずれか一以上に基づいて、その検索条件(第1の検索条件)に対応する外国語による単語を外国語対応用語記憶部235から特定する。その用語をさらに検索条件に追加して(第2の検索条件)、それらの用語を含む飲食店をメニュー情報記憶部21から検索し、飲食店情報提供サイトに結果として返す。
【0088】
たとえば、検索条件として「pork」の入力を飲食店情報提供サイトで受け付けると、検索処理部24は、飲食店情報提供サイトから検索条件「pork」に対応する外国語による単語、「豚肉」(日本語)、「猪肉」(中国語)、「schwein」(ドイツ語)、「porc」(フランス語)などを外国語対応用語記憶部235から特定する。そして、検索処理部は、「pork」、「豚肉」、「猪肉」、「schwein」、「porc」をあらたな検索条件として、それらの用語をメニュー情報に含む飲食店をメニュー情報記憶部21から検索し、該当する飲食店を飲食店情報提供サイトに結果として返す。
【0089】
この場合、検索結果として表示させる飲食店のメニュー情報は、飲食店情報提供サイトに入力された検索条件の言語(第1の検索条件)と同一の言語に対応する情報として表示させると良い。すなわち、「pork」ではなく、「豚肉」の検索条件(第2の検索条件)をメニュー情報に含むとして該当した飲食店のメニュー情報であっても、日本語のメニュー情報を表示させるのではなく、英語のメニュー情報をメニュー情報記憶部21から抽出して表示させることが好ましい。
【0090】
検索処理部24を設けることで、該当するメニューを提供する飲食店を、飲食店情報提供サイトを介して、外国人に情報提供することができる。特に宗教上、信条上の理由により食材等の禁忌や制限がある場合、その規準などを満たしている飲食店を選択することが可能となる。
【実施例3】
【0091】
ここで、
図12のフローチャートを参照しつつ、メニュー生成システム1の処理プロセス(
図3参照)の他の例について説明する。具体的に、当該実施例3で説明する処理プロセスは、前記実施例1で説明した処理プロセス(
図3参照)に比べて簡素化されている。
【0092】
メニュー情報処理部20は、前述したように飲食店端末3による所定の操作を受け付けると、
図4に示すような管理画面を表示させ、飲食店端末3においてメニュー情報の入力を実行させる。ここで、メニュー情報処理部20は、飲食店端末3におけるメニュー情報の入力開始時の前記所定の操作として、予め飲食店ごとに設定されたユーザID及びパスワードなどを入力するログイン操作を受け付けることが考えられる。そして、メニュー情報処理部20は、前記所定の操作で入力されたユーザID及びパスワードと、前記ユーザID及び前記パスワードが記憶されたユーザ情報とに基づいて飲食店を特定し、その飲食店をログインさせる。なお、メニュー情報処理部20は、ここで説明するように前記メニュー名及び前記メニュー属性などの入力前に前記ログイン操作を受け付けてもよいが、前記メニュー名及び前記メニュー属性などの入力後に前記ログイン操作を受け付けてもよい。例えば、メニュー情報処理部20は、後述のステップS230において前記メニュー情報がメニュー情報記憶部21に記憶される前などのタイミングで前記ログイン操作を受け付けてもよい。
【0093】
前記管理画面が表示されると、
図12に示されるように、ステップS200において、メニュー名入力受付処理部200は、前記ステップS100と同様に、前記管理画面においてメニュー名の入力を受け付ける。次に、ステップS210において、メニュー属性処理部204は、食材マスター記憶部232、調味料マスター記憶部233、調理方法マスター記憶部234などのメニュー属性マスター記憶部に記憶されたメニュー属性の中から第1言語によるメニュー属性の選択入力を個別に受け付ける。なお、ここで選択入力されるメニュー属性は、食材、調味料、及び調理方法のうちいずれか一つ又は二つであってもよい。
【0094】
食材マスター記憶部232、調味料マスター記憶部233、調理方法マスター記憶部234では、食材、調味料、調理方法に、その食材、調味料、調理方法を識別するための識別情報として食材ID、調味料ID、調理方法IDが割り当てられている。そして、メニュー属性処理部204は、前記管理画面において、食材の選択を開始するための操作が行われた場合に、
図13に示されるように、食材マスター記憶部232に記憶されている食材各々を食材IDの順に沿って昇順又は降順でリスト表示させ、そのリスト表示における食材の選択操作を受け付ける。同様に、メニュー属性処理部204は、前記管理画面において、調味料又は調理方法の選択を開始するための操作が行われた場合にも、調味料マスター記憶部233又は調理方法マスター記憶部234に記憶されている調味料又は調理方法各々を調味料ID又は調理方法IDの順に沿って昇順又は降順でリスト表示させ、そのリスト表示における調味料又は調理方法の選択操作を受け付ける。
【0095】
なお、メニュー属性処理部204は、前記ステップS210において、前記ステップS130と同様に、メニュージャンルの選択入力を前記メニュー属性の選択入力として受け付けてもよい。この場合、メニュー属性処理部204は、選択されたメニュージャンルに対応する食材、調味料、又は調理方法などのメニュー属性を、メニューマスター記憶部23における食材マスター記憶部232、調味料マスター記憶部233、又は調理方法マスター記憶部234などを参照して取得する。
【0096】
そして、ステップS220において、入力情報外国語変換処理部206は、前記ステップS210においてメニュー属性処理部204で選択入力が受け付けられた前記メニュー属性各々に基づいて、外国語対応用語記憶部235を参照し、前記メニュー属性各々を外国語(第2言語)に変換する自動変換処理を実行する。
【0097】
その後、ステップS230において、メニュー情報処理部20は、前記ステップS200で受け付けた前記メニュー名と、前記ステップS220で第2言語に変換されたメニュー属性とをメニュー情報としてメニュー情報記憶部21に記憶する。より具体的に、メニュー情報処理部20は、前記ステップS230において、前記ステップS200で受け付けた前記メニュー名と、前記ステップS220で第2言語に変換されたメニュー属性とを、前記ログイン操作に応じて特定した飲食店のメニュー情報として前記飲食店に対応付けてメニュー情報記憶部21に記憶する。
【0098】
これにより、可搬型通信端末などの情報端末が前記飲食店のいずれかとして管理サーバ2にログインした後、その情報端末における所定の操作に応じて第2言語が選択されると、管理サーバ2のメニュー情報表示処理部22は、前記飲食店に対応する前記メニュー情報に基づくメニューのリスト(
図9参照)を情報端末に表示させることが可能である。そして、前記情報端末において前記メニューのリストからメニュー名などが選択されると、前記情報端末から管理サーバ2に対して当該メニュー情報の取得要求が行われる。したがって、メニュー情報表示処理部22は、前記選択されたメニュー名等の情報をメニュー情報記憶部21から読み出して前記情報端末に表示させる。具体的に、前記情報端末には、メニュー情報として、日本語又はローマ字で表記されたメニュー名と、第2言語に自動変換された食材、調味料、調理方法などのメニュー属性とが少なくとも表示される(
図10参照)。
【0099】
なお、前記メニュー生成処理では、前記ステップS230において、前記メニュー情報が管理サーバ2のメニュー情報記憶部21に記憶される場合について説明したが、前記ステップS230において、前記メニュー情報が飲食店端末3に送信されて飲食店端末3の記憶部に記憶されることも考えられる。この場合、飲食店端末3の記憶部がメニュー情報記憶部の一例である。
【0100】
以上説明したように、メニュー生成システム1では、前記ステップS100〜S180に代えて前記ステップS200〜S230が実行されることが考えられる。即ち、メニュー生成システム1では、メニュー画像入力受付処理部201、メニュージャンル入力受付処理部202、メニュー紹介文処理部203、及び自動翻訳処理部205のいずれか一つ又は複数が省略されてもよい。
【0101】
[下書き機能]
ところで、メニュー生成システム1は、メニュー情報記憶部21に記憶されるメニュー情報を前記情報端末から参照できない状態で保持することが可能な下書き機能を有することが考えられる。ここに、
図14は、メニュー生成システム1の他の構成例を示すブロック図である。なお、以下に説明する下書き機能、誤選択報知機能、同一メニュー名報知機能、確認画面表示機能、又はウィザード入力機能は、前記実施例1又は前記実施例2に係るメニュー生成システム1が備える機能であってもよい。
【0102】
図14に示されるように、メニュー情報記憶部21は、メニュー情報表示処理部22が参照する第1メニュー情報記憶部211と、前記メニュー情報が一時的に記憶される第2メニュー情報記憶部212とを含むことが考えられる。そして、メニュー生成システム1では、メニュー情報処理部20が、第1メニュー情報記憶部211及び第2メニュー情報記憶部122を用いてメニュー情報を管理する。なお、第1メニュー情報記憶部211及び第2メニュー情報記憶部212は物理的に異なる記憶部であってもよいが、一つの記憶部における異なる記憶領域であってもよい。
【0103】
具体的に、メニュー生成システム1の処理プロセスの開始時、メニュー情報処理部20は、前記ログイン操作で特定した飲食店に対応する前記メニュー情報各々を含むメニュー群を第1メニュー情報記憶部211から第2メニュー情報記憶部212にコピーする。なお、前記飲食店に対応する前記メニュー情報が存在しない場合にはそのコピーの処理が省略される。
【0104】
その後、メニュー情報処理部20は、前記管理画面を用いたユーザ操作に応じてメニュー名及びメニュー属性を含むメニュー情報の入力を受け付け(S200、S210)、前記メニュー属性を第2言語に変換し(S220)、前記メニュー名と第2言語に変換された前記メニュー属性とをメニュー情報として第2メニュー情報記憶部212に記憶させる(S230)。この時点では、メニュー情報表示処理部22は、第2メニュー情報記憶部212を参照して前記メニュー情報を前記情報端末に表示させることができない。一方、メニュー情報処理部20は、例えば前記管理画面のように前記メニュー名が入力される画面又は前記メニュー属性が選択入力される画面におけるプレビュー要求操作に応じて、第2メニュー情報記憶部212に記憶されているメニュー情報を飲食店端末3に表示させるプレビュー表示処理を実行することが可能である。このとき、前記メニュー情報の内容は、可搬型通信端末から管理サーバ2に対して当該メニュー情報の取得要求が行われた場合にメニュー情報表示処理部22によって表示される態様(例えば
図10参照)と同じであることが考えられる。
【0105】
そして、メニュー情報処理部20は、第2メニュー情報記憶部212に記憶されている前記メニュー情報を確定するための特定の反映操作がユーザによって行われると、第2メニュー情報記憶部212に記憶されている前記メニュー情報各々を含むメニュー群を第1メニュー情報記憶部211に移動させて記憶させ、第2メニュー情報記憶部212から消去する。なお、第1メニュー情報記憶部211にメニュー情報が記憶されている場合には、そのメニュー情報が第2メニュー情報記憶部212に記憶されている前記メニュー情報に上書き保存されることによって更新される。これにより、その後、メニュー情報表示処理部22は、第1メニュー情報記憶部211を参照して、更新後の前記メニュー情報を前記情報端末に表示させることが可能である。
【0106】
[誤選択報知機能]
一般に、メニュー名には、食材、調味料、調理方法などのメニュー属性が含まれることが多い。例えば、メニュー名「まぐろの赤富士盛り」には、メニュー属性である食材「まぐろ」の名称が含まれる。そこで、メニュー情報処理部20は、前記ステップS210で選択入力されたメニュー属性が前記ステップS200で入力されたメニュー名に含まれておらず、且つ前記ステップS220で第2言語に変換された後のメニュー属性が、前記ステップS200で入力されたメニュー名に含まれていない場合に、その旨の警告を飲食店端末3に表示させてユーザに報知することが考えられる。これにより、前記メニュー名に対応する前記メニュー属性として誤ったメニュー属性が登録されることが抑制される。そして、メニュー情報処理部20は、前記報知の後、ユーザによる特定の確認操作が行われた場合は、そのまま前記メニュー情報をメニュー情報記憶部21に記憶させる。
【0107】
[同一メニュー名報知機能]
また、メニュー情報処理部20は、前記ステップS200で入力されたメニュー名と同一のメニュー名が前記メニュー情報としてメニュー情報記憶部21に既に記憶されている場合に、その旨の警告を飲食店端末3に表示させてユーザに報知することが考えられる。より具体的に、メニュー情報処理部20は、飲食店が飲食店端末3を用いてログインした状態である場合には、前記ステップS200で入力されたメニュー名と同一のメニュー名が、現在ログイン中の飲食店に対応付けてメニュー情報記憶部21に既に記憶されている前記メニュー情報に含まれる場合に、その旨の警告を飲食店端末3に表示させてユーザに報知することが考えられる。これにより、同一のメニュー名が複数登録されることが抑制される。なお、メニュー情報処理部20は、前記報知の後、ユーザによる確認操作が行われた場合は、そのまま前記メニュー情報をメニュー情報記憶部21に記憶させることが可能である。また、ニュー情報処理部20は、飲食店が飲食店端末3を用いてログインした状態である場合には、前記ステップS200で入力されたメニュー名と同一のメニュー名が、現在ログイン中の飲食店を除く他の飲食店に対応付けてメニュー情報記憶部21に既に記憶されている前記メニュー情報に含まれる場合には、当該メニュー情報に記憶されている前記メニュー属性を前記管理画面に反映させることも考えられる。この場合、管理サーバ2は、飲食店端末3のユーザ操作に応じて、自己の飲食店に対応する前記メニュー情報が他の飲食店による前記メニュー情報の入力時に利用されることを禁止することが可能であってもよい。なお、メニュー情報処理部20は、同一のメニュー情報が重複して入力された場合に警告を報知することも考えられる。
【0108】
[確認画面表示機能]
また、メニュー情報処理部20は、前記ステップS230でメニュー情報記憶部21に前記メニュー情報を記憶する前に、当該メニュー情報の内容を確認するための確認画面を飲食店端末3に表示させることが考えられる。特に、前記メニュー情報の内容は、可搬型通信端末から管理サーバ2に対して当該メニュー情報の取得要求が行われた場合にメニュー情報表示処理部22によって表示される態様(例えば
図10参照)で表示されることが考えられる。そして、メニュー情報処理部20は、前記メニュー情報の内容について特定の確認操作が行われた場合に、前記メニュー情報をメニュー情報記憶部21に記憶させる。
【0109】
[ウィザード入力機能]
また、メニュー情報処理部20は、前記ステップS200及びS210において、前記管理画面の一画面の表示中にユーザ操作に応じて前記メニュー名及び前記メニュー属性などの複数の情報の入力を受け付ける構成に限らない。例えば、メニュー情報処理部20は、前記メニュー名及び複数の前記メニュー属性を順次入力するための入力欄が順次表示されるウィザード形式で前記メニュー名及び複数の前記メニュー属性の入力を受け付けてもよい。さらに、メニュー情報処理部20は、前記ウィザード形式で順に入力される情報に従ってその後の選択入力の候補を絞り込むことが考えられる。例えば、前記ウィザード形式では、メニュー名、食材、調味料、調理方法の順で情報が入力されることが考えられる。この場合には、入力された食材に応じて、選択可能な調味料が前記食材に対応付けて予め設定された調味料に限定されることが考えられる。また、入力された食材及び調味料の組み合わせに応じて、選択可能な調理方法が前記食材及び調味料の組み合わせに対応付けて予め設定された調理方法に限定されることが考えられる。