特許第6261653号(P6261653)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261653
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】電極タブの敷板
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/34 20060101AFI20180104BHJP
   H01M 2/26 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   H01M2/34 B
   H01M2/26 A
【請求項の数】8
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-106235(P2016-106235)
(22)【出願日】2016年5月27日
(65)【公開番号】特開2017-174790(P2017-174790A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2016年5月27日
(31)【優先権主張番号】201610157115.0
(32)【優先日】2016年3月18日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】郭 剣
(72)【発明者】
【氏名】李 全坤
(72)【発明者】
【氏名】▲ダン▼ 平華
(72)【発明者】
【氏名】王 鵬
(72)【発明者】
【氏名】朱 凌波
【審査官】 正 知晃
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−059556(JP,A)
【文献】 特開2012−059361(JP,A)
【文献】 特開平07−288122(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/20− 2/34
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極タブの敷板であって、前記電極タブの敷板はフォーク状をなし、接続部及び二つの第1の分枝を備え、二つの前記第1の分枝は並列に設置され、且つ二つの前記第1の分枝の間に第1の隙間を有し、二つの前記第1の分枝はいずれも前記接続部に接続されており、
前記電極タブの敷板は第2の分枝をさらに備え、前記第2の分枝は二つの前記第1の分枝の間に設置され、且つ二つの前記第1の分枝と並列に設置され、前記第2の分枝と二つの前記第1の分枝との間にそれぞれ第2の隙間を有し、前記第2の分枝は前記接続部に接続されており、
前記第2の分枝の、前記接続部から離れる端部に第2のガイド面が設置され、前記第2のガイド面は前記第2の分枝の、前記接続部から離れる側から前記接続部に近づく側まで徐々に前記第2の分枝の両側の前記第2の隙間の方向へ接近していくことを特徴とする電極タブの敷板。
【請求項2】
把持部をさらに備え、前記把持部は、前記接続部の、前記第1の分枝から離れる側に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の電極タブの敷板。
【請求項3】
前記第1の分枝の、前記接続部から離れる端部に第1のガイド面が設置されており、前記第1のガイド面は、前記第1の分枝の、前記接続部から離れる側から前記接続部に近づく側まで徐々に前記第1の隙間の方向へ接近していくことを特徴とする請求項1に記載の電極タブの敷板。
【請求項4】
前記第1のガイド面は面取り面であることを特徴とする請求項3に記載の電極タブの敷板。
【請求項5】
電池であって、ベアセル及び請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電極タブの敷板を備え、前記ベアセルの先端部には電極タブが設置されており、前記電極タブの敷板は、前記ベアセルの先端面に平行する方向に設置され、前記ベアセルの電極タブが第1の隙間内に収容されるようにしたことを特徴とする電池。
【請求項6】
前記ベアセルは少なくとも二つが設置され、且つ並列に接続され、各々の前記ベアセルの先端部に電極タブが設置され、複数の前記電極タブは並列に平行配列され、前記電極タブの敷板は前記ベアセルの先端面に平行する方向に設置され、前記ベアセルの電極タブがいずれも第2の隙間内に収容されるようにしたことを特徴とする請求項に記載の電池。
【請求項7】
前記第1の分枝の内側に位置する前記電極タブは互いに離間する側へ折り曲げられ、前記第1の分枝の上方まで延伸し、さらに互いに接近する方向へ折り曲げられ、前記第2の隙間の上方まで延伸することを特徴とする請求項に記載の電池。
【請求項8】
二つの前記第1の分枝の対向する側面の間隔は、二つの前記第2の隙間内に収容された前記電極タブの間隔よりも少なくとも1mm大きいことを特徴とする請求項に記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願はリチウムイオン電池の技術分野に関わり、特に電極タブが電池のケーシングから離れる方向へ集積することを保持可能な電極タブの敷板に関わる。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池がパッケージされる時に、ブラケットを用いて電極タブを内側へ集積させ、電極タブを収容するために空間を提供する必要があり、これにより、電極タブを電池のケーシングから離れさせ、電極タブと電池のケーシングとの間に常に互いに絶縁する状態にあるように保証し、さらにリチウムイオン電池の安全性能を保証する。しかしながら、電極タブのブラケットを集積して収容するには一定の空間を占める必要があるため、セルの容量の拡大に不利であり、電池の性能の更なる向上にも影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、電極タブを効果的に電極タブの敷板の内側に集積させることにより、電極タブが電池のケーシングから離れる方向へ集積するようにして、セルの容量の向上に有利である電極タブの敷板を提供している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、前記電極タブの敷板がフォーク状をなし、接続部及び二つの第1の分枝を備え、二つの前記第1の分枝は並列に設置され、且つ二つの前記第1の分枝の間に第1の隙間を有し、二つの前記第1の分枝がいずれも前記接続部に接続されている電極タブの敷板が提供される。
【0005】
好ましくは、前記電極タブの敷板は、把持部をさらに含み、前記把持部は、前記接続部の、前記第1の分枝から離れる側に設置されている。
【0006】
好ましくは、前記第1の分枝の、前記接続部から離れる端部に第1のガイド面が設置されており、前記第1のガイド面は、前記第1の分枝の、前記接続部から離れる側から前記接続部に近づく側まで徐々に前記第1の隙間の方向へ接近していく。
【0007】
好ましくは、前記第1のガイド面は面取り面である。
【0008】
好ましくは、前記電極タブの敷板は、第2の分枝をさらに備え、前記第2の分枝は二つの前記第1の分枝の間に設置され、且つ二つの前記第1の分枝と並列に設置され、前記第2の分枝と二つの前記第1の分枝との間にそれぞれ第2の隙間を有し、前記第2の分枝は前記接続部に接続されている。
【0009】
好ましくは、前記第2の分枝の、前記接続部から離れる端部に第2のガイド面が設置され、前記第2のガイド面は前記第2の分枝の、前記接続部から離れる側から前記接続部に近づく側まで徐々に前記第2の分枝の両側の前記第2の隙間の方向へ接近していく。
【0010】
ベアセル及び上記のいずれかに記載の電極タブの敷板を備え、前記ベアセルの先端部には電極タブが設置されており、前記電極タブの敷板は、前記ベアセルの先端面に平行する方向に設置され、前記ベアセルの電極タブが第1の隙間内に収容されるようにした電池が提供される。
【0011】
好ましくは、前記電極タブの敷板は第2の分枝をさらに備え、前記第2の分枝は二つの前記第1の分枝の間に設置され、且つ二つの前記第1の分枝と並列に設置され、前記第2の分枝と二つの前記第1の分枝との間にそれぞれ第2の隙間を有し、前記第2の分枝は前記接続部に接続され、前記ベアセルは少なくとも二つが設置され、且つ並列に接続され、各々の前記ベアセルの先端部に電極タブが設置され、複数の前記電極タブは並列に平行配列され、前記電極タブの敷板は前記ベアセルの先端面に平行する方向に設置され、前記ベアセルの電極タブがいずれも第2の隙間内に収容されるようにする。
【0012】
好ましくは、前記第1の分枝の内側に位置する前記電極タブは互いに離間する側へ折り曲げられ、前記第1の分枝の上方まで延伸し、さらに互いに接近する方向へ折り曲げられ、前記第2の隙間の上方まで延伸する。
【0013】
好ましくは、二つの前記第1の分枝の対向する側面の間隔は、二つの前記第2の隙間内に収容された前記電極タブの間隔よりも少なくとも1mm大きい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に関わる技術方案は、以下の有益な効果を達することができる。
【0015】
本発明に関わる電極タブの敷板はフォーク状であり、リチウムイオン電池の安全性能を保証するように、電極タブを電極タブの敷板の内側に集積させることにより、電極タブが電池のケーシングから離れる方向へ集積するようにする。電極タブの敷板が占める空間は小さいため、セルの容量の拡大に有利であり、これにより電池の性能を改善した。
【0016】
理解すべきなのは、上記一般的な説明及び後述の詳細な説明は例示的なものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本出願の実施例に関わる電極タブの敷板の構成を示す模式図1である。
図2】本発明の実施例に関わる電極タブの敷板の構成を示す模式図2である。
図3】本発明の実施例に関わる電池の構成を示す模式図である。
図4図3の局所拡大図である。
【0018】
ここで、図面は、明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本出願と一致する実施例を示し、明細書とともに本発明の原理を説明するものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、具体的な実施例を参照しながら、図面を結びつけて、本出願をさらに詳しく説明する。ここで、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」はいずれも図面における電極タブの敷板の配置状態に基づくものである。
【0020】
図1〜4に示すように、本発明の実施例は電極タブの敷板を提供し、該電極タブの敷板はフォーク状を成し、接続部2及び二つの第1の分枝1を含む。従来のリチウムイオン電池がパッケージされる時に、電極タブ7が電池のケーシングと一定の距離を保て、電極タブ7が電池のケーシングとの短絡が発生することでリチウムイオン電池の安全性能に影響を与えることを回避するように、通常、ブラケットを用いて電極タブ7を内側へ集積させ、電極タブ7を収容するために空間を提供する。そのため、ブラケットを収容するために、ベアセル8の上部とヘッドカバーとの間に空間を空ける必要がある。ブラケットは電池のケーシングの内部の空間を占め、これはセルの容量の拡大及び電池性能の向上に不利であり、上記の理由に基づき、本発明によれば、空間の占有率が小さいとともに、電極タブ7がケーシングから離れて配設されることを確保可能な電極タブの敷板が提供される。実際な使用時、電極タブの敷板を二つの隣接する電極タブ7の外側に挿入する必要があり、本発明において、電極タブの敷板がフォーク状に設計され、該電極タブの敷板が二つの並列に設置された第1の分枝1を有し、二つの第1の分枝1は接続部2により接続され、且つ二つの第1の分枝1の間に第1の隙間が置いており、実際な使用の時、フォーク状の構成の設計は電極タブの敷板が二つの隣接する、共に正極である、又は共に負極である電極タブ7の外側に挿設されることに有利であり、二つの第1の分枝1の間に置いた第1の隙間は電極タブ7を収容するために用いることができる。組み立てをより便利にするために、本発明に係る電極タブの敷板は、さらに把持部3が設置され、把持部3は接続部2の一端に設置され、且つ第1の分枝1から離れている。
【0021】
第1の分枝1の、接続部2から離れる端部に第1のガイド面4が設置されており、第1のガイド面4は、面取り面であり、接続部2から離れる側から接続部2に近づく側まで徐々に第1の隙間の方向へ接近して形成される。従って、第1の分枝1における接続部2から離れる側には面取り面を有する端部が形成されているため、使用時、第1のガイド面4は電極タブの敷板の挿設をガイドすることができ、電極タブの敷板の挿設をより容易にし、しかも、挿設時に電極タブが第1の分枝に突き破られることを防止することができる。
【0022】
二つの隣接する電極タブ7をより良く仕切り、且つ二つの隣接する電極タブ7が第1の隙間内に貼合して空間を占用することを防止するために、本発明において、さらに二つの第1の分枝1の間に第2の分枝5が設置され、第2の分枝5は第1の分枝1と同様に、接続部2に接続され、且つ二つの第1の分枝1と並列に設置されている。第2の分枝5と二つの第1の分枝1との間に電極タブ7を収容するように第2の隙間を置いてある。電極タブの敷板は共に正極である又は共に負極である隣接する電極タブ7の外側に挿設されているとき、第2の分枝5は二つの隣接する電極タブ7の間に挿設され、これにより、二つの隣接する電極タブ7をより良く仕切り、且つ二つの電極タブ7の対向し屈曲する部分が重なって電極タブ7の収容空間を占めることを防止する。第2の分枝5の、接続部2から離れる端面は第2のガイド面6であり、第2のガイド面6は円弧面であり、該円弧面の先部と接続部2の距離は円弧面の底部と接続部2の距離よりも大きく、該円弧面は徐々に円弧面の先端部から接続部2に近づく方向へ延伸し、且つ、第2の隙間との距離は徐々に小さくなり、第2のガイド面6と第1の分枝1との間の第2の隙間が小さくなるのは、徐々に電極タブ7が第2の隙間に入るように電極タブ7をガイドするためであり、電極タブ7が第2の隙間に入った後、第2の隙間は小さくなり、このようにすると、電極タブ7が第2の隙間内に収容されることにさらに有利であり、また、円弧面を有する第2の分枝5は、電極タブの敷板の挿設時電極タブ7を突き破ることを防止することができる。
【0023】
なお、把持部に近づく第1の分枝1及び第2の分枝5は、円弧面で移行ことにより、電極タブの敷板の構造の強度を向上させるとともに、電極タブ7を保護している。
【0024】
本発明における把持部3は、二つの第1の分枝1の間の距離より小さい幅を有し、両端に切り欠きを有する構成を採用している。上記構成を採用するのは、ヘッドカバーにおけるホットメルトステーク又はバックルを避けるためであり、該切り欠きの形状は実際の需要に応じて円弧形にしてもよい。
【0025】
図3〜4に示すように、本発明に係る実施例はさらに電池を提供し、該電池はケーシング、ベアセル8及び上記電極タブの敷板を備え、ベアセル8は二つが設置され、且つケーシング内に並列に設置され、ベアセル8の先端部に電極タブ7が設置されており、複数の電極タブ7は並列に平行配設され、これにより、ベアセル8の電極タブ7が第1の隙間内に収容されるようにする。挿設中に、第1の分枝1は電極タブ7の外側、即ち、電極タブ7の、互いに離間する側に挿設され、電極タブの敷板がベアセル8の先端部に挿設された後、電極タブの敷板の底部はベアセル8に接触し、二つの電極タブ7は最初、互いに離間する方向へ折り曲げ、第1の分枝1の上方まで延伸し、第1の分枝1の上面に接触し、そして、互いに接近する方向へ折り曲げ、第1の隙間又は第2の隙間の上方まで延伸し、第1の隙間又は第2の隙間は電極タブ7の十分な収容空間を提供し、電極タブ7がケーシングから離れるできるようにして、ケーシングとの短絡が発生することを防止する。二つの第1の分枝1における対向する側面の距離を二つの電極タブ7の底端の背向する主平面間の距離より少なくとも1mm大きくし、これにより、ヘッドカバーがベアセル8に接近する際に、電極タブ7は、第1の分枝1及び第2の分枝5の受け止めにより、外側へ傾することなく電極タブ7が集積させ、しかも、電極タブの敷板が二つの隣接する電極タブ7の外側に挿設されることにさらに有利である。
【0026】
ケーシングに電極タブの敷板をより容易に挿設するために、二つの第1の分枝1の互いに背向する側面の間の距離、即ち、電極タブの敷板の幅は、ケーシングの、ベアセル8の厚み方向における距離よりも1〜2mm小さいことが必要である。
【0027】
本実施例が提供している電極タブの敷板は、リチウムイオン電池の安全性能を保つように、電極タブ7を電極タブの敷板の内側に集積させることにより、電極タブ7が電池のケーシングから離れる方向へ集積するようにして、電極タブの敷板が占める空間は小さいため、セルの容量の拡大に有利であり、電池の性能を改善した。
【0028】
上述したのは本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者にとって、本発明に各種の変形及び変更を行ってもよい。本発明の主旨及び原則の範囲で行う任意の変更、等価置換、改良などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
1 第1の分枝
2 接続部
3 把持部
4 第1のガイド面
5 第2の分枝
6 第2のガイド面
7 電極タブ
8 ベアセル
図1
図2
図3
図4