(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261662
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】処理炉
(51)【国際特許分類】
C21D 9/56 20060101AFI20180104BHJP
F27D 7/06 20060101ALI20180104BHJP
F27D 7/04 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
C21D9/56 101J
F27D7/06 B
F27D7/04
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-127366(P2016-127366)
(22)【出願日】2016年6月28日
(65)【公開番号】特開2018-3047(P2018-3047A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2016年6月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】惠上 寿雄
(72)【発明者】
【氏名】門谷 克浩
(72)【発明者】
【氏名】足立 憲亮
【審査官】
相澤 啓祐
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭52−107207(JP,A)
【文献】
実開昭61−159363(JP,U)
【文献】
特開平09−125160(JP,A)
【文献】
特開平10−183258(JP,A)
【文献】
特開2006−307244(JP,A)
【文献】
特開2014−162953(JP,A)
【文献】
特開2014−162954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21D 9/52− 9/66
C21D 1/74
F27D 7/00−15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雰囲気ガスの圧力が異なる低圧側処理部と高圧側処理部との間における連通部を通して、鋼帯を低圧側処理部と高圧側処理部との間で移動させるようにした処理炉において、前記の低圧側処理部と高圧側処理部とにおける雰囲気ガスが前記の連通部を通して移動するのを抑止するシール部を前記の連通部に設けるにあたり、前記のシール部として、前記の連通部における雰囲気ガスを移動する鋼帯に対して低圧側処理部から高圧側処理部に向けて吹き付ける吹付け部を設けると共に、この吹付け部よりも下流側の位置に吹き付けた雰囲気ガスを吸引する吸引部を設け、この吸引部によって吸引された雰囲気ガスを前記の吹付け部に戻して循環させる一方、前記の雰囲気ガスの一部を排気させるシール部排気管を設け、このシール部排気管を通して排気させる雰囲気ガスの量をシール部調整弁によって調整すると共に、前記のシール部よりも高圧側処理部側における連通部内の雰囲気ガスの一部を排気させる連通部排気管を設け、この連通部排気管を通して排気させる雰囲気ガスの量を連通部調整弁によって調整することを特徴とする処理炉。
【請求項2】
請求項1に記載の処理炉において、前記の連通部と高圧側処理部との間に、鋼帯と接触しないようにして、高圧側処理部内における雰囲気ガスが連通部に移動するのを抑止するシール部材を、前記の高圧側処理部と移動する鋼帯とにおける隙間を狭めるように設けたことを特徴とする処理炉。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の処理炉において、前記の鋼帯を、前記の低圧側処理部から前記のシール部が設けられた連通部を通して高圧側処理部に移動させることを特徴とする処理炉。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の処理炉において、前記の低圧側処理部と高圧側処理部とにおける雰囲気ガスの濃度が異なっていることを特徴とする処理炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雰囲気ガスの圧力が異なる低圧側処理部と高圧側処理部との間における連通部を通して、鋼帯を低圧側処理部と高圧側処理部との間で移動させるようにした処理炉に関するものである。特に、前記のような処理炉において、鋼帯を低圧側処理部と高圧側処理部との間における連通部を通して移動させるにあたり、鋼帯が傷ついたりすることなく、低圧側処理部と高圧側処理部とにおける雰囲気ガスが連通部を通して移動するのを確実に抑止できるようにし、特に、高圧側処理部の雰囲気ガス濃度と低圧側処理部の雰囲気ガス濃度が異なる状態を保持するようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、鋼帯を処理する処理炉として、雰囲気ガスの圧力が異なる低圧側処理部と高圧側処理部との間における連通部を通して、鋼帯を低圧側処理部と高圧側処理部との間で移動させるようにしたものが使用されている。
【0003】
また、鋼帯の連続熱処理設備では、処理部内の雰囲気ガスとして、熱伝導率の高い水素を用い、処理部ごとにその濃度を変えて、加熱や冷却の温度を調整している。
【0004】
そして、このような処理炉において、低圧側処理部と高圧側処理部とにおける雰囲気ガスが前記の連通部を通して移動し、雰囲気ガスの濃度が変動するのを抑止するため、低圧側処理部や高圧側処理部に、雰囲気ガスが連通部に漏れ出すのを防止する一対のシール用のローラーを設け、この一対のシール用のローラーの間に鋼帯を挟むようにして、鋼帯を低圧側処理部と高圧側処理部との間における連通部を通して移動させるようにしたものが知られている。
【0005】
しかし、このように鋼帯を一対のシール用のローラーの間に挟むようにして移動させるようにした場合、鋼帯が挟まれたローラーによって傷ついたり、鋼帯を移動させる際の抵抗が大きくなって、大きな駆動装置が必要になったり、シール用のローラーが摩耗したりする等の問題があった。
【0006】
また、従来においては、特許文献1に示されるように、炉内雰囲気が異なる2つの帯域間において、中央に鋼板を通す矩形路を小室を挟んで配置し、該両矩形路に小室から吸引したガスを小室側に向けて吹き出すと共に、各隣接帯域より一定量のシールガスを小室へ流し放散させるようにしたものが提案されている。
【0007】
しかし、この特許文献1に示されるものにおいても、雰囲気ガスの圧力が異なる低圧側処理部と高圧側処理部との間において、鋼帯を前記の矩形路を通して移動させるようにした場合、雰囲気ガスの圧力が異なる低圧側処理部と高圧側処理部とにおける雰囲気ガスが、この矩形路を通して流れ込み、雰囲気ガスの濃度が変動するのを確実に防止することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−302430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、雰囲気ガスの圧力が異なる低圧側処理部と高圧側処理部との間における連通部を通して、鋼帯を低圧側処理部と高圧側処理部との間で移動させるようにした処理炉における前記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0010】
本発明は、前記のような処理炉において、鋼帯を低圧側処理部と高圧側処理部との間における連通部を通して移動させるにあたり、鋼帯が傷ついたりすることなく、低圧側処理部と高圧側処理部とにおける雰囲気ガスが連通部を通して移動するのを確実に抑止し、処理部内の雰囲気ガスの濃度が変動するのを抑止できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る処理炉においては、前記のような課題を解決するため、雰囲気ガスの圧力が異なる低圧側処理部と高圧側処理部との間における連通部を通して、鋼帯を低圧側処理部と高圧側処理部との間で移動させるようにした処理炉において、前記の低圧側処理部と高圧側処理部とにおける雰囲気ガスが前記の連通部を通して移動するのを抑止するシール部
を前記の連通部に設けるにあたり、前記のシール部として、前記の連通部における雰囲気ガスを移動する鋼帯に対して低圧側処理部から高圧側処理部に向けて吹き付ける吹付け部を設けると共に、この吹付け部よりも下流側の位置に吹き付けた雰囲気ガスを吸引する吸引部を設け、この吸引部によって吸引された雰囲気ガスを前記の吹付け部に戻して循環させる一方、前記の雰囲気ガスの一部を排気させるシール部排気管を設け、このシール部排気管を通して排気させる雰囲気ガスの量をシール部調整弁によって調整すると共に、前記のシール部よりも高圧側処理部側における連通部内の雰囲気ガスの一部を排気させる連通部排気管を設け、この連通部排気管を通して排気させる雰囲気ガスの量を連通部調整弁によって調整するようにした。
【0012】
そして、本発明の処理炉においては、前記の連通部における雰囲気ガスを、前記の吹付け部から移動する鋼帯に対して低圧側処理部から高圧側処理部(圧力差によって生じる流れの反対方向)に向けて吹き付け、この吹付け部よりも下流側に設けられた吸引部に吸引させて前記の吹付け部に戻し、連通部における雰囲気ガスをシール部において循環させるようにすると共に、低圧側処理部や高圧側処理部から雰囲気ガスが連通部に流入された場合には、このように流入された雰囲気ガスをシール部において循環させる途中において、必要に応じて、前記のシール部調整弁によりシール部排気管を通して排気させるようにする。さらに、前記のシール部よりも高圧側処理部側の連通部内における雰囲気ガスに、例えば、前記の高圧側処理部における雰囲気ガスや、前記の吸引部に十分に吸引されずシール部からの雰囲気ガスが導かれた場合には、必要に応じて、前記の連通部調整弁により前記の連通部排気管を通して排気させるようにする。このようにすると、高圧側処理部における雰囲気ガスと低圧側処理部における雰囲気ガスとが、前記の連通部を通して移動するのがさらに抑制される。
【0013】
また、本発明の処理炉においては、高圧側処理部における雰囲気ガスが連通部内に流れ込むのを抑制するため、前記の連通部と高圧側処理部との間に、鋼帯と接触しないようにして、高圧側処理部内における雰囲気ガスが連通部に移動するのを抑止するシール部材を
、前記の高圧側処理部と移動する鋼帯とにおける隙間を狭めるように設けることが好ましい。
【0014】
ここで、本発明の処理炉において、前記の鋼帯を前記の連通部を通して低圧側処理部と高圧側処理部との間で移動させるにあたっては、鋼帯を低圧側処理部から連通部を通して高圧側処理部に移動させるようにし、或いは鋼帯を高圧側処理部から連通部を通して低圧側処理部に移動させるようにすることができる。なお、高圧側処理部における高圧の雰囲気ガスが鋼帯の移動に伴って連通部から低圧側処理部に移動されるのを抑制するためには、鋼帯を低圧側処理部から連通部を通して高圧側処理部(圧力差によって生じる流れの反対方向)に移動させるようにすることが好ましい。
【0015】
また、前記の低圧側処理部と高圧側処理部とにおける雰囲気ガスの濃度が異なっていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明における処理炉においては、前記のようにして雰囲気ガスの圧力が異なる低圧側処理部と高圧側処理部との間における連通部を通して、鋼帯を低圧側処理部と高圧側処理部との間で移動させるようにしたため、鋼帯を一対のシール用のローラーの間に挟むようにして移動させる従来の場合のように鋼帯が傷つくということがなくなると共に、低圧側処理部と高圧側処理部とにおける雰囲気ガスが連通部を通して移動するのも確実に抑止できるようになる。
【0017】
このため、低圧側処理部における雰囲気ガスと高圧側処理部における雰囲気ガスとにおけるガスの濃度等を異ならせた場合にも、低圧側処理部と高圧側処理部とにおける雰囲気ガスが連通部を通して移動して、低圧側処理部における雰囲気ガスや高圧側処理部における雰囲気ガスにおけるガスの濃度等が変化するのを確実に抑止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係る処理炉において、低圧側処理部と高圧側処理部との間における連通部を通して、鋼帯を低圧側処理部と高圧側処理部との間で移動させる構成を示した概略説明図である。
【
図2】前記の実施形態に係る処理炉において、低圧側処理部と高圧側処理部との間における連通部の状態を示した概略説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明の実施形態に係る処理炉を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係る処理炉は下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0020】
この実施形態における処理炉においては、
図1に示すように、低圧側処理部10内における雰囲気ガスの圧力を高圧側処理部20内における雰囲気ガスの圧力よりも低くし、前記の低圧側処理部10と高圧側処理部20との間に連通部30を設け、長尺状の鋼帯1を、この連通部30を通して低圧側処理部10と高圧側処理部20との間で移動させるようにしている。
【0021】
ここで、この実施形態の処理炉においては、前記の鋼帯1を低圧側処理部10内に導き、この低圧側処理部10内に設けられた送りローラー11により前記の鋼帯1を低圧側処理部10内で移動させて、低圧側処理部10内の雰囲気ガスにより鋼帯1を処理した後、この鋼帯1を前記の連通部30を通して高圧側処理部20内に導き、この高圧側処理部20内に設けられた送りローラー21により前記の鋼帯1を高圧側処理部20内で移動させて、高圧側処理部20内の雰囲気ガスにより鋼帯1を処理するようにしている。
【0022】
また、この実施形態の処理炉においては、前記の低圧側処理部10に、雰囲気ガスを供給する低圧側雰囲気ガス供給管12を設けると共に、この低圧側処理部10内における雰囲気ガスを排気させる低圧側雰囲気ガス排気管13を設け、この低圧側雰囲気ガス排気管13を通して排気させる低圧側の雰囲気ガスの量を調整する低圧側調整弁13aを設けている。また、前記の高圧側処理部20に、雰囲気ガスを供給する高圧側雰囲気ガス供給管22を設けると共に、この高圧側処理部20内における雰囲気ガスを排気させる高圧側雰囲気ガス排気管23を設け、この高圧側雰囲気ガス排気管23を通して排気させる高圧側の雰囲気ガスの量を調整する高圧側調整弁23aを設けている。
【0023】
そして、この実施形態の処理炉においては、前記の低圧側処理部10内における雰囲気ガスを低圧で水素ガス濃度が低い状態で維持させ、この低圧側処理部10内において前記の鋼帯1を加熱させる一方、前記の高圧側処理部20内における雰囲気ガスを高圧で水素ガス濃度が高い状態で維持させ、この高圧側処理部20内において前記の鋼帯1を冷却させるようにしている。
【0024】
ここで、この実施形態の処理炉においては、前記の低圧側処理部10内における低圧で水素ガス濃度が低い雰囲気ガスと、高圧側処理部20内における高圧で水素ガス濃度が高い雰囲気ガスとが前記の連通部30を通して移動して、低圧側処理部10内における雰囲気ガスや、高圧側処理部20内における雰囲気ガスにおける水素ガス濃度等が変化するのを抑止するようにしている。
【0025】
そして、この実施形態の処理炉においては、低圧側処理部10内における雰囲気ガスと高圧側処理部20内における雰囲気ガスとが前記の連通部30を通して移動するのを抑制するため、
図1及び
図2に示すように、前記の連通部30にシール部31を設け、循環ファン311により連通部30における雰囲気ガスを、移動する鋼帯1に対してその上下両面側の吹付け部312を通してそれぞれ低圧側処理部10から高圧側処理部20に向けて吹き付けると共に、吹付け部312から鋼帯1に吹き付けた雰囲気ガスを、この吹付け部312よりも下流側の位置において鋼帯1の上下両面側に設けた多孔板等で構成された吸引部313を通して吸引し、連通部30における雰囲気ガスを、前記の循環ファン311により循環パイプ314を通して前記の吹付け部312と吸引部313との間で循環させるようにしている。また、このようにシール部31において循環される雰囲気ガスの一部を排気させるシール部排気管315を設け、このシール部排気管315を通して排気させる雰囲気ガスの量をシール部調整弁315aによって調整するようにしている。
【0026】
また、前記のシール部31よりも高圧側処理部20側の連通部30内における雰囲気ガスの一部を排気させる連通部排気管32を設け、この連通部排気管32を通して排気させる雰囲気ガスの量を連通部調整弁32aによって調整するようにしている。
【0027】
さらに、この実施形態の処理炉においては、前記の連通部30と高圧側処理部20との間に、移動される鋼帯1と接触しないようにして、高圧側処理部20内における雰囲気ガスが連通部30に移動するのを抑止する非接触型のシール部材33を設けている。
【0028】
そして、この実施形態の処理炉においては、前記のように連通部30における雰囲気ガスをシール部31において循環させると共に、低圧側処理部10や高圧側処理部20から雰囲気ガスが連通部30に流入された場合には、このように流入された雰囲気ガスをシール部31において循環させる途中において、前記のシール部調整弁315aを調整して前記のシール部排気管315を通して排気させるようにする。また、前記のシール部31よりも高圧側処理部20側の連通部30内に、例えば、前記の高圧側処理部20における雰囲気ガスや、前記の吸引部313に十分に吸引されずシール部31から雰囲気ガスが導かれた場合には、このような雰囲気ガスを前記の連通部調整弁32aを調整し、前記の連通部排気管32を通して排気させるようにする。
【0029】
そして、この実施形態の処理炉においては、前記のように連通部30と高圧側処理部20との間に、移動される鋼帯1と接触しないようにしてシール部材33を設けたため、高圧側処理部20内における雰囲気ガスが連通部30に移動するのが抑制されると共に、移動される鋼帯1が傷つくということもない。
【0030】
このため、この実施形態の処理炉においては、従来のように鋼帯1が一対のシール用のローラーの間に挟まれて傷つくということがなく、低圧側処理部10と高圧側処理部20とにおける雰囲気ガスが連通部30を通して移動するのが抑止されるようになり、低圧側処理部10内における雰囲気ガスや、高圧側処理部20内における雰囲気ガスにおける水素ガス濃度等が変化するのが確実に防止されるようになる。
【0031】
なお、この実施形態の処理炉においては、長尺状の鋼帯1を低圧側処理部10から連通部30を通して高圧側処理部20に導くようにしたが、逆に、長尺状の鋼帯1を高圧側処理部20から連通部30を通して低圧側処理部10に導くようにすることも可能である。
【0032】
また、この実施形態の処理炉においては、低圧側処理部10内における雰囲気ガスを低圧で水素ガス濃度が低い状態で維持させ、この低圧側処理部10内において前記の鋼帯1を加熱させる一方、前記の高圧側処理部20内における雰囲気ガスを高圧で水素ガス濃度が高い状態で維持させ、この高圧側処理部20内において前記の鋼帯1を冷却させるようにしたが、低圧側処理部10や高圧側処理部20に収容させる雰囲気ガスの種類はこのようなものに限定されず、また鋼帯1に対して低圧側処理部10や高圧側処理部20において行う処理もこのようなものに限定されない。
【0033】
また、この実施形態の処理炉においては、低圧側処理部10と高圧側処理部20との間における連通部30を水平方向に設けるようにしたが、図示していないが、連通部30を垂直方向に設けたり、傾斜させて設けたりすることもできる。
【0034】
また、このようなシール部31は、1つだけではなく、複数連続して設置することも可能である。そのようにすれば、低圧側処理部10と高圧側処理部20とにおける雰囲気ガスが、連通部30を通して移動するのをさらに確実に防止できる。
【0035】
また、前記の実施形態の処理炉においては、低圧側処理部10と高圧側処理部20の2つの処理部を接続したが、更にシール部31を介して、更に異なった圧力の処理部を続けて接続してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 :鋼帯
10 :低圧側処理部
11 :送りローラー
12 :低圧側雰囲気ガス供給管
13 :低圧側雰囲気ガス排気管
13a :低圧側調整弁
20 :高圧側処理部
21 :送りローラー
22 :高圧側雰囲気ガス供給管
23 :高圧側雰囲気ガス排気管
23a :高圧側調整弁
30 :連通部
31 :シール部
32 :連通部排気管
32a :連通部調整弁
33 :シール部材
311 :循環ファン
312 :吹付け部
313 :吸引部
314 :循環パイプ
315 :シール部排気管
315a :シール部調整弁