特許第6261754号(P6261754)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6261754平面表示に用いられる修復可能なGOA回路及び表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261754
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】平面表示に用いられる修復可能なGOA回路及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20180104BHJP
   G09G 3/36 20060101ALN20180104BHJP
【FI】
   G09G3/20 621M
   G09G3/20 622E
   G09G3/20 670A
   G09G3/20 670Q
   G09G3/20 622G
   !G09G3/36
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-555873(P2016-555873)
(86)(22)【出願日】2014年1月21日
(65)【公表番号】特表2017-500615(P2017-500615A)
(43)【公表日】2017年1月5日
(86)【国際出願番号】CN2014070955
(87)【国際公開番号】WO2015096246
(87)【国際公開日】20150702
【審査請求日】2016年5月31日
(31)【優先権主張番号】201310733733.1
(32)【優先日】2013年12月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】深▲せん▼市華星光電技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100080252
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 征四郎
(72)【発明者】
【氏名】▲虞▼曉江
【審査官】 ▲吉▼川 康史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/007464(WO,A1)
【文献】 特開2005−031135(JP,A)
【文献】 特表2017−504821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00− 3/38
G02F 1/133
G11C 19/00−19/06,19/10−23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面表示に用いられる修復可能なGOA回路であって、
前記GOA回路は、縦続接続された複数個のGOAユニットからなるとともに、第nステージGOAユニットと対応する表示領域の第nステージ水平走査線に対する充電を制御し、
前記第nステージ水平走査線の両端には、それぞれ前記第nステージGOAユニットが接続され、
前記第nステージGOAユニットは、プルアップ回路と、プルダウン回路と、プルダウン保持回路と、プルアップ制御回路と、ブートストラップコンデンサと、第一薄膜トランジスタとからなり、
前記プルアップ回路・プルダウン回路・プルダウン保持回路・ブートストラップコンデンサは、ゲート信号点及び前記第nステージ水平走査線とそれぞれ接続され、
前記プルアップ制御回路は、前記ゲート信号点と接続され、
前記第一薄膜トランジスタのゲートは、現ステージのクロック信号を入力し、ドレイン及びソースはそれぞれ前記ゲート信号点及び前記第nステージ水平走査線と接続されるために用いられ、
前記第nステージGOAユニットが正常に動作している時、前記第一薄膜トランジスタのドレイン及びソースの中の少なくとも一つは、前記第nステージGOAユニットと非導通状態を保ち、
前記プルダウン保持回路に異常が生じた時、前記プルダウン保持回路を前記第nステージGOAユニットから隔離するとともに、前記第一薄膜トランジスタが前記第nステージGOAユニットと完全に接続されるようにすることで、修復が完了する
ことを特徴とする平面表示に用いられる修復可能なGOA回路。
【請求項2】
請求項1に記載の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路において、
更に、前記プルダウン保持回路は、レーザー溶断の手法によって、前記第nステージGOAユニットから隔離される
ことを特徴とする平面表示に用いられる修復可能なGOA回路。
【請求項3】
請求項1に記載の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路において、
更に、前記第一薄膜トランジスタのドレイン或はソースとつながった金属線は、絶縁層を隔てて、対応する前記ゲート信号点或は前記第nステージ水平走査線とつながった金属線と交差する
ことを特徴とする平面表示に用いられる修復可能なGOA回路。
【請求項4】
請求項3に記載の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路において、
更に、前記第一薄膜トランジスタは、レーザー溶接の手法によって、前記第nステージGOAユニットと完全に接続される
ことを特徴とする平面表示に用いられる修復可能なGOA回路。
【請求項5】
請求項1に記載の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路において、
更に、前記プルアップ制御回路は、第二薄膜トランジスタと、第三薄膜トランジスタとからなり、
前記第二薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第n−2ステージ水平走査線と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ前記第n−2ステージ水平走査線及び前記ゲート信号点と接続され、
前記第三薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第n−1ステージ水平走査線と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ前記第n−1ステージ水平走査線及び前記ゲート信号点と接続される
ことを特徴とする平面表示に用いられる修復可能なGOA回路。
【請求項6】
請求項1に記載の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路において、
更に、前記プルダウン保持回路は、第四〜第十三薄膜トランジスタからなり、
前記第四薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第一回路点と接続され、ドレインは前記第nステージ水平走査線と接続され、ソースは直流低電圧を入力し、
前記第五薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第二回路点と接続され、ドレインは前記第nステージ水平走査線と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力し、
前記第六薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第一回路点と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ前記第n−1ステージ水平走査線及び前記ゲート信号点と接続され、
前記第七薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第二回路点と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ前記第n−1ステージ水平走査線及び前記ゲート信号点と接続され、
前記第八薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記ゲート信号点と接続され、ドレインは前記第一回路点と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力し、
前記第九薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記ゲート信号点と接続され、ドレインは前記第二回路点と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力し、
前記第十薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第一クロック信号を入力し、ドレインは前記第一クロック信号を入力し、ソースは前記第一回路点と接続され、
前記第十一薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第二クロック信号を入力し、ドレインは前記第一クロック信号を入力し、ソースは前記第一回路点と接続され、
前記第十二薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第二クロック信号を入力し、ドレインは前記第二クロック信号を入力し、ソースは前記第二回路点と接続され、
前記第十三薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第一クロック信号を入力し、ドレインは前記第二クロック信号を入力し、ソースは前記第二回路点と接続され、
動作時において、
前記第一クロック信号と前記第二クロック信号の周波数は、前記現ステージのクロック信号よりも低く、
且つ前記第一回路点と前記第二回路点は、交替で前記第一クロック信号と前記第二クロック信号の充電を受けて高電位となる
ことを特徴とする平面表示に用いられる修復可能なGOA回路。
【請求項7】
請求項1に記載の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路において、
更に、前記プルアップ回路は、第十四薄膜トランジスタからなるとともに、
前記第十四薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記ゲート信号点と接続され、ドレインは前記現ステージのクロック信号を入力し、ソースは前記第nステージ水平走査線と接続される
ことを特徴とする平面表示に用いられる修復可能なGOA回路。
【請求項8】
請求項1に記載の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路において、
更に、前記プルダウン回路は、第十五薄膜トランジスタと、第十六薄膜トランジスタとからなり、
前記第十五薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第n+2ステージ水平走査線と接続され、ドレインは前記第nステージ水平走査線と接続され、ソースは直流低電圧を入力し、
前記第十六薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第n+2ステージ水平走査線と接続され、ドレインは前記ゲート信号点と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力する
ことを特徴とする平面表示に用いられる修復可能なGOA回路。
【請求項9】
請求項6に記載の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路において、
更に、前記第一クロック信号・前記第二クロック信号或は前記直流低電圧は、それぞれコモンの金属線を通して、前記縦続接続された複数個のGOAユニットに入力される
ことを特徴とする平面表示に用いられる修復可能なGOA回路。
【請求項10】
平面表示に用いられる修復可能なGOA回路であって、
前記GOA回路は、縦続接続された複数個のGOAユニットからなるとともに、第nステージGOAユニットと対応する表示領域の第nステージ水平走査線に対する充電を制御し、
前記第nステージ水平走査線の両端には、それぞれ前記第nステージGOAユニットが接続され、
前記第nステージGOAユニットは、プルアップ回路と、プルダウン回路と、プルダウン保持回路と、プルアップ制御回路と、ブートストラップコンデンサと、第一薄膜トランジスタとからなり、
前記プルアップ回路・プルダウン回路・プルダウン保持回路・ブートストラップコンデンサは、ゲート信号点及び前記第nステージ水平走査線とそれぞれ接続され、
前記プルアップ制御回路は、前記ゲート信号点と接続され、
前記第一薄膜トランジスタのゲートは、現ステージのクロック信号を入力し、ドレイン及びソースはそれぞれ前記ゲート信号点及び前記第nステージ水平走査線と接続されるために用いられ、
前記第nステージGOAユニットが正常に動作している時、前記第一薄膜トランジスタのドレイン及びソースの中の少なくとも一つは、前記第nステージGOAユニットと非導通状態を保ち、
前記プルダウン保持回路に異常が生じた時、前記プルダウン保持回路を前記第nステージGOAユニットから隔離するとともに、前記第一薄膜トランジスタが前記第nステージGOAユニットと完全に接続されるようにすることで、修復が完了し、
このうち、
更に、前記プルダウン保持回路は、レーザー溶断の手法によって、前記第nステージGOAユニットから隔離され、
更に、前記第一薄膜トランジスタのドレイン或はソースとつながった金属線は、絶縁層を隔てて、対応する前記ゲート信号点或は前記第nステージ水平走査線とつながった金属線と交差し、
更に、前記第一薄膜トランジスタは、レーザー溶接の手法によって、前記第nステージGOAユニットと完全に接続され、
更に、前記プルアップ制御回路は、第二薄膜トランジスタと、第三薄膜トランジスタとからなり、
前記第二薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第n−2ステージ水平走査線と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ前記第n−2ステージ水平走査線及び前記ゲート信号点と接続され、
前記第三薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第n−1ステージ水平走査線と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ前記第n−1ステージ水平走査線及び前記ゲート信号点と接続される
ことを特徴とする平面表示に用いられる修復可能なGOA回路。
【請求項11】
請求項10に記載の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路において、
更に、前記プルダウン保持回路は、第四〜第十三薄膜トランジスタからなり、
前記第四薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第一回路点と接続され、ドレインは前記第nステージ水平走査線と接続され、ソースは直流低電圧を入力し、
前記第五薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第二回路点と接続され、ドレインは前記第nステージ水平走査線と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力し、
前記第六薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第一回路点と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ前記第n−1ステージ水平走査線及び前記ゲート信号点と接続され、
前記第七薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第二回路点と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ前記第n−1ステージ水平走査線及び前記ゲート信号点と接続され、
前記第八薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記ゲート信号点と接続され、ドレインは前記第一回路点と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力し、
前記第九薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記ゲート信号点と接続され、ドレインは前記第二回路点と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力し、
前記第十薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第一クロック信号を入力し、ドレインは前記第一クロック信号を入力し、ソースは前記第一回路点と接続され、
前記第十一薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第二クロック信号を入力し、ドレインは前記第一クロック信号を入力し、ソースは前記第一回路点と接続され、
前記第十二薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第二クロック信号を入力し、ドレインは前記第二クロック信号を入力し、ソースは前記第二回路点と接続され、
前記第十三薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第一クロック信号を入力し、ドレインは前記第二クロック信号を入力し、ソースは前記第二回路点と接続され、
動作時において、
前記第一クロック信号と前記第二クロック信号の周波数は、前記現ステージのクロック信号よりも低く、
且つ前記第一回路点と前記第二回路点は、交替で前記第一クロック信号と前記第二クロック信号の充電を受けて高電位となる
ことを特徴とする平面表示に用いられる修復可能なGOA回路。
【請求項12】
請求項10に記載の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路において、
更に、前記プルアップ回路は、第十四薄膜トランジスタからなるとともに、
前記第十四薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記ゲート信号点と接続され、ドレインは前記現ステージのクロック信号を入力し、ソースは前記第nステージ水平走査線と接続される
ことを特徴とする平面表示に用いられる修復可能なGOA回路。
【請求項13】
請求項10に記載の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路において、
更に、前記プルダウン回路は、第十五薄膜トランジスタと、第十六薄膜トランジスタとからなり、
前記第十五薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第n+2ステージ水平走査線と接続され、ドレインは前記第nステージ水平走査線と接続され、ソースは直流低電圧を入力し、
前記第十六薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第n+2ステージ水平走査線と接続され、ドレインは前記ゲート信号点と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力する
ことを特徴とする平面表示に用いられる修復可能なGOA回路。
【請求項14】
請求項10に記載の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路において、
更に、前記第一クロック信号・前記第二クロック信号或は前記直流低電圧は、それぞれコモンの金属線を通して、前記縦続接続された複数個のGOAユニットに入力される
ことを特徴とする平面表示に用いられる修復可能なGOA回路。
【請求項15】
表示装置であって、
請求項1に記載の前記平面表示に用いられる修復可能なGOA回路からなる
ことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面表示技術に関し、特に、平面表示に用いられる修復可能なGOA(Gate Driver on Array、アレイ基板行駆動)回路及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、アクティブ型平面表示パネルにおける水平走査線の駆動は、主にパネルに外部接続されたICによって行われる。外部接続ICは、パネルにおける各ステージの画素(pixel)とつながった水平走査線の順次充電と放電を制御することが出来る。またGOA技術、即ちGate Driver on Array(アレイ基板行駆動)技術は、平面表示パネルの従来の製造工程を利用して水平走査線の駆動回路を表示エリア周囲の基板上に作成することで、外部接続ICを代替して水平走査線の駆動を行うことが出来る。GOA技術は、表示パネルの製造工程を簡略化して、水平走査線方向のICボンディング(bonding)工程を省くことが可能であり、生産能力向上とコスト削減が望める。加えて、平面表示パネルの集積度を高めることで、近年の平面表示分野で広く注目を集めている狭額縁或はフレームレスの表示製品の製造に、より適するようになる。
【0003】
従来のGOA回路は、通常、縦続接続された複数個のGOAユニットからなるとともに、各ステージのGOAユニットは一つのステージの水平走査線と対応して駆動する。GOAユニットの主な構造は、プルアップ回路(Pull−up part)と、プルアップ制御回路(Pull−up control part)と、トランスファ回路(Transfer Part)と、プルダウン回路(Key Pull−down Part)と、プルダウン保持回路(Pull−down Holding Part)と、電位上昇を担うブートストラップコンデンサ(Boost)とからなる。プルアップ回路は、主にクロック信号(Clock)をゲート(Gate)信号として出力する。プルアップ制御回路は、プルアップ回路のオン時間を制御するとともに、一般に前ステージのGOA回路から送られたトランスファ信号或はGate信号と接続される。プルダウン回路は、第一時間においてGateを低電位に引き下げて、Gate信号をオフにする。プルダウン保持回路は、Gate出力信号とプルアップ回路のGate信号(通常Q点と呼ばれる)のオフ状態(即ち負電位)を保持(Holding)するとともに、通常二個のプルダウン保持モジュールが交替で作用する。ブートストラップコンデンサ(C boost)は、Q点の二次上昇を担い、これによりプルアップ回路のG(N)出力を利する。
【0004】
しかし、現在のGOA技術には、一定の限界がある。例えば、GOAのゲート駆動(Gate Driver)回路は効果的な修復が難しく、一部のGate Driver回路が無効になると表示パネル全体が効力を失い、製品良品率の低下を招いてしまう。よって、一定の修復機能を有するGate Driver回路の開発は、GOA技術の推進にとって非常に重要な意義を持っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、本発明は、GOA回路に一定の修復性を持たせることで、GOA表示パネルの良品率を向上させる、平面表示に用いられる修復可能なGOA回路を提供することを目的とする。
【0006】
また本発明は、上述の前記平面表示に用いられる修復可能なGOA回路を使用して、GOA表示パネルの良品率を向上させる、表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明が提供する平面表示に用いられる修復可能なGOA回路は、縦続接続された複数個のGOAユニットからなるとともに、第nステージGOAユニットと対応する表示領域の第nステージ水平走査線に対する充電を制御する。前記第nステージ水平走査線の両端には、それぞれ前記第nステージGOAユニットが接続される。前記第nステージGOAユニットは、プルアップ回路と、プルダウン回路と、プルダウン保持回路と、プルアップ制御回路と、ブートストラップコンデンサと、第一薄膜トランジスタとからなる。前記プルアップ回路・プルダウン回路・プルダウン保持回路・ブートストラップコンデンサは、ゲート信号点及び前記第nステージ水平走査線とそれぞれ接続される。前記プルアップ制御回路は、前記ゲート信号点と接続される。前記第一薄膜トランジスタのゲートは現ステージのクロック信号を入力し、ドレイン及びソースはそれぞれ前記ゲート信号点及び前記第nステージ水平走査線と接続されるために用いられる。前記第nステージGOAユニットが正常に動作している時、前記第一薄膜トランジスタのドレイン及びソースの中の少なくとも一つは、前記第nステージGOAユニットと非導通状態を保つ。前記プルダウン保持回路に異常が生じた時、前記プルダウン保持回路を前記第nステージGOAユニットから隔離するとともに、前記第一薄膜トランジスタが前記第nステージGOAユニットと完全に接続されるようにすることで、修復が完了する。
【0008】
このうち、前記プルダウン保持回路は、レーザー溶断の手法によって、前記第nステージGOAユニットから隔離される。
【0009】
このうち、前記第一薄膜トランジスタのドレイン或はソースとつながった金属線は、絶縁層を隔てて、対応する前記ゲート信号点或は前記第nステージ水平走査線とつながった金属線と交差する。
【0010】
このうち、前記第一薄膜トランジスタは、レーザー溶接の手法によって、前記第nステージGOAユニットと完全に接続される。
【0011】
このうち、前記プルアップ制御回路は、以下の第二及び第三薄膜トランジスタからなる。
【0012】
前記第二薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第n−2ステージ水平走査線と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ前記第n−2ステージ水平走査線及び前記ゲート信号点と接続される。
【0013】
前記第三薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第n−1ステージ水平走査線と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ前記第n−1ステージ水平走査線及び前記ゲート信号点と接続される。
【0014】
このうち、前記プルダウン保持回路は、以下の第四〜第十三薄膜トランジスタからなる。
【0015】
第四薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第一回路点と接続され、ドレインは前記第nステージ水平走査線と接続され、ソースは直流低電圧を入力する。
【0016】
第五薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第二回路点と接続され、ドレインは前記第nステージ水平走査線と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力する。
【0017】
第六薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第一回路点と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ前記第n−1ステージ水平走査線及び前記ゲート信号点と接続される。
【0018】
第七薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第二回路点と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ前記第n−1ステージ水平走査線及び前記ゲート信号点と接続される。
【0019】
第八薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記ゲート信号点と接続され、ドレインは前記第一回路点と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力する。
【0020】
第九薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記ゲート信号点と接続され、ドレインは前記第二回路点と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力する。
【0021】
第十薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第一クロック信号を入力し、ドレインは前記第一クロック信号を入力し、ソースは前記第一回路点と接続される。
【0022】
第十一薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第二クロック信号を入力し、ドレインは前記第一クロック信号を入力し、ソースは前記第一回路点と接続される。
【0023】
第十二薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第二クロック信号を入力し、ドレインは前記第二クロック信号を入力し、ソースは前記第二回路点と接続される。
【0024】
第十三薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第一クロック信号を入力し、ドレインは前記第二クロック信号を入力し、ソースは前記第二回路点と接続される。
【0025】
動作時、前記第一クロック信号と前記第二クロック信号の周波数は、前記現ステージのクロック信号よりも低く、且つ前記第一回路点と前記第二回路点は、交替で前記第一クロック信号と前記第二クロック信号の充電を受けて高電位となる。
【0026】
このうち、前記プルアップ回路は、第十四薄膜トランジスタからなるとともに、ゲートは前記ゲート信号点と接続され、ドレインは前記現ステージのクロック信号を入力し、ソースは前記第nステージ水平走査線と接続される。
【0027】
このうち、前記プルダウン回路は、第十五薄膜トランジスタと、第十六薄膜トランジスタとからなる。第十五薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第n+2ステージ水平走査線と接続され、ドレインは前記第nステージ水平走査線と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力する。第十六薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第n+2ステージ水平走査線と接続され、ドレインは前記ゲート信号点と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力する。
【0028】
このうち、前記第一クロック信号・前記第二クロック信号或は前記直流低電圧は、それぞれコモンの金属線を通して、前記縦続接続された複数個のGOAユニットに入力される。
【0029】
また、本発明が提供する平面表示に用いられる修復可能なGOA回路は、縦続接続された複数個のGOAユニットからなるとともに、第nステージGOAユニットと対応する表示領域の第nステージ水平走査線に対する充電を制御する。前記第nステージ水平走査線の両端には、それぞれ前記第nステージGOAユニットが接続される。前記第nステージGOAユニットは、プルアップ回路と、プルダウン回路と、プルダウン保持回路と、プルアップ制御回路と、ブートストラップコンデンサと、第一薄膜トランジスタとからなる。前記プルアップ回路・プルダウン回路・プルダウン保持回路・ブートストラップコンデンサは、ゲート信号点及び前記第nステージ水平走査線とそれぞれ接続される。前記プルアップ制御回路は、前記ゲート信号点と接続される。前記第一薄膜トランジスタのゲートは現ステージのクロック信号を入力し、ドレイン及びソースはそれぞれ前記ゲート信号点及び前記第nステージ水平走査線と接続されるために用いられる。前記第nステージGOAユニットが正常に動作している時、前記第一薄膜トランジスタのドレイン及びソースの中の少なくとも一つは、前記第nステージGOAユニットと非導通状態を保つ。前記プルダウン保持回路に異常が生じた時、前記プルダウン保持回路を前記第nステージGOAユニットから隔離するとともに、前記第一薄膜トランジスタが前記第nステージGOAユニットと完全に接続されるようにすることで、修復が完了する。
【0030】
このうち、前記プルダウン保持回路は、レーザー溶断の手法によって、前記第nステージGOAユニットから隔離される。
【0031】
このうち、前記第一薄膜トランジスタのドレイン或はソースとつながった金属線は、絶縁層を隔てて、対応する前記ゲート信号点或は前記第nステージ水平走査線とつながった金属線と交差する。
【0032】
このうち、前記第一薄膜トランジスタは、レーザー溶接の手法によって、前記第nステージGOAユニットと完全に接続される。
【0033】
このうち、前記プルアップ制御回路は、以下の第二及び第三薄膜トランジスタからなる。
【0034】
前記第二薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第n−2ステージ水平走査線と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ前記第n−2ステージ水平走査線及び前記ゲート信号点と接続される。
【0035】
前記第三薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第n−1ステージ水平走査線と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ前記第n−1ステージ水平走査線及び前記ゲート信号点と接続される。
【0036】
前記プルダウン保持回路は、以下の第四〜第十三薄膜トランジスタからなる。
【0037】
第四薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第一回路点と接続され、ドレインは前記第nステージ水平走査線と接続され、ソースは直流低電圧を入力する。
【0038】
第五薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第二回路点と接続され、ドレインは前記第nステージ水平走査線と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力する。
【0039】
第六薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第一回路点と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ前記第n−1ステージ水平走査線及び前記ゲート信号点と接続される。
【0040】
第七薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第二回路点と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ前記第n−1ステージ水平走査線及び前記ゲート信号点と接続される。
【0041】
第八薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記ゲート信号点と接続され、ドレインは前記第一回路点と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力する。
【0042】
第九薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記ゲート信号点と接続され、ドレインは前記第二回路点と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力する。
【0043】
第十薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第一クロック信号を入力し、ドレインは前記第一クロック信号を入力し、ソースは前記第一回路点と接続される。
【0044】
第十一薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第二クロック信号を入力し、ドレインは前記第一クロック信号を入力し、ソースは前記第一回路点と接続される。
【0045】
第十二薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第二クロック信号を入力し、ドレインは前記第二クロック信号を入力し、ソースは前記第二回路点と接続される。
【0046】
第十三薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第一クロック信号を入力し、ドレインは前記第二クロック信号を入力し、ソースは前記第二回路点と接続される。
【0047】
動作時、前記第一クロック信号と前記第二クロック信号の周波数は、前記現ステージのクロック信号よりも低く、且つ前記第一回路点と前記第二回路点は、交替で前記第一クロック信号と前記第二クロック信号の充電を受けて高電位となる。
【0048】
前記プルアップ回路は、第十四薄膜トランジスタからなるとともに、ゲートは前記ゲート信号点と接続され、ドレインは前記現ステージのクロック信号を入力し、ソースは前記第nステージ水平走査線と接続される。
【0049】
前記プルダウン回路は、第十五薄膜トランジスタと、第十六薄膜トランジスタとからなる。第十五薄膜トランジスタにおいて、ゲートは第n+2ステージ水平走査線と接続され、ドレインは前記第nステージ水平走査線と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力する。第十六薄膜トランジスタにおいて、ゲートは前記第n+2ステージ水平走査線と接続され、ドレインは前記ゲート信号点と接続され、ソースは前記直流低電圧を入力する。
【0050】
前記第一クロック信号・前記第二クロック信号或は前記直流低電圧は、それぞれコモンの金属線を通して、前記縦続接続された複数個のGOAユニットに入力される。
【0051】
また、本発明が提供する表示装置は、上述した前記平面表示に用いられる修復可能なGOA回路からなる。
【発明の効果】
【0052】
本発明の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路は、シングルステージのGOA回路における半数以上のTFT素子が破損した時、レーザー溶接とレーザー溶断によって修復を行うことが可能であるため、本発明はGOA表示パネルの良品率を向上させることが出来る。また本発明のGOA回路を使用して、低コストの狭額縁或はフレームレスの平面表示製品を製造することで、GOA表示パネルの良品率を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0053】
下記の図を合わせて本発明の具体的実施形態について詳細に説明することで、本発明の技術手法及びその他の有益な効果を詳らかにする。
図1】本発明の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路(シングルステージ)の実施例における回路図である。
図2】本発明の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路のマルチステージ構造の概略図である。
図3】本発明の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路を使用した平面表示装置の構造概略図である。
図4】本発明の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路の修復過程を示した概略図である。
図5】Eldo−SPICEソフトウェアを用いて行った、本発明の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路の修復機能に対する検査結果図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
(実施例1)
図1を参照する。図は、本発明の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路(シングルステージ)の実施例における回路図である。本発明の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路は、縦続接続された複数個のGOAユニットからなるとともに、第nステージGOAユニットと対応する表示領域の第nステージ水平走査線G(n)に対する充電を制御する。第nステージ水平走査線G(n)の両端には、それぞれ前記第nステージGOAユニットが接続される。前記第nステージGOAユニットは、主にプルアップ回路100と、プルダウン回路200と、プルダウン保持回路300と、プルアップ制御回路400と、ブートストラップコンデンサ500と、第一薄膜トランジスタT13とからなる。プルアップ回路100・プルダウン回路200・プルダウン保持回路300・ブートストラップコンデンサ500(Cb)は、それぞれゲート信号点Q(n)及び第nステージ水平走査線G(n)と接続される。プルアップ制御回路400は、ゲート信号点Q(n)と接続される。第一薄膜トランジスタT13のゲートは現ステージのクロック信号CKを入力し、ドレイン及びソースはそれぞれゲート信号点Q(n)及び第nステージ水平走査線G(n)と接続されるために用いられる。前記第nステージGOAユニットが正常に動作している時、第一薄膜トランジスタT13のドレイン及びソースの中の少なくとも一つは、前記第nステージGOAユニットと非導通状態を保つ。
【0055】
図1に示した実施例において、回路製造の際、T13のゲートは高周波クロック信号CKと接続され、T13のドレインはG(n)と接続されるように設けられる。図1における点線円で示した位置で、T13ソースとつながった金属線と、Q(n)とつながった金属線とは、窒化ケイ素(SiNx)絶縁層を隔てて一部が交差する。これにより通常状況下では、T13のソースとQ(n)は接続されない。しかし修復(レーザー溶接)後には、T13のソースとQ(n)は接続される。同様の原理で、T13のドレインはG(n)と接続待機の状態で設けられ、T13のソースはQ(n)と接続を保つように設けられることも可能である。
【0056】
プルアップ回路100は、表示領域の第nステージ水平走査線G(n)に対する充電実行を直接制御する薄膜トランジスタT21からなるとともに、ゲートはゲート信号点Q(n)と接続され、T21のドレインは第nステージクロック信号CKを入力し、ソースは第nステージ水平走査線G(n)と接続される。T21ゲートQ(n)の電位は、CKがG(n)を充電するように直接働きかける。
【0057】
プルダウン回路200は、G(n)充電終了時に放電を行う一組の薄膜トランジスタ、即ちG(n)に対する放電を実行するT31と、Q(n)に対する放電を実行するT41とからなる。T31において、ゲートは第n+2ステージ水平走査線G(n+2)と接続され、ドレインは第nステージ水平走査線G(n)と接続され、ソースは直流低電圧VSSを入力する。T41において、ゲートは第n+2ステージ水平走査線G(n+2)と接続され、ドレインはゲート信号点Q(n)と接続され、ソースは直流低電圧VSSを入力する。T31とT41は、G(n+2)が高電位の状態である時にオンになって放電を実行する。
【0058】
プルダウン保持回路300に設けられた一群の薄膜トランジスタは、GOA回路の非充電期間においてG(n)とQ(n)の低電位を保つことが出来る。プルダウン保持回路300は、薄膜トランジスタT32・T33・T42・T43・T52・T62・T53・T54・T63・T64からなる。薄膜トランジスタT32において、ゲートは第一回路点Pと接続され、ドレインはG(n)と接続され、ソースは直流低電圧VSSを入力する。薄膜トランジスタT33において、ゲートは第二回路点Kと接続され、ドレインはG(n)と接続され、ソースは直流低電圧VSSを入力する。薄膜トランジスタT42において、ゲートは第一回路点Pと接続され、ドレイン及びソースはそれぞれG(n−1)及びゲート信号点Q(n)と接続される。薄膜トランジスタT43において、ゲートは第二回路点Kと接続され、ドレイン及びソースはそれぞれG(n−1)及びゲート信号点Q(n)と接続される。薄膜トランジスタT52において、ゲートはゲート信号点Q(n)と接続され、ドレインは第一回路点Pと接続され、ソースは直流低電圧VSSを入力する。薄膜トランジスタT62において、ゲートはゲート信号点Q(n)と接続され、ドレインは第二回路点Kと接続され、ソースは直流低電圧VSSを入力する。薄膜トランジスタT53において、ゲートは低周波クロック信号LC1を入力し、ドレインは低周波クロック信号LC1を入力し、ソースは第一回路点Pと接続される。薄膜トランジスタT54において、ゲートは低周波クロック信号LC2を入力し、ドレインは低周波クロック信号LC1を入力し、ソースは第一回路点Pと接続される。薄膜トランジスタT63において、ゲートは低周波クロック信号LC2を入力し、ドレインは低周波クロック信号LC2を入力し、ソースは第二回路点Kと接続される。薄膜トランジスタT64において、ゲートは低周波クロック信号LC1を入力し、ドレインは低周波クロック信号LC2を入力し、ソースは第二回路点Kと接続される。
【0059】
動作時、低周波クロック信号LC1と低周波クロック信号LC2の周波数は、高周波クロック信号CKよりも低く、且つ第一回路点Pと第二回路点Kは、交替で低周波クロック信号LC1と低周波クロック信号LC2の充電を受けて高電位の状態になり、これにより交替で薄膜トランジスタT32&T42或はT33&T43のオンを制御して、G(n)或はQ(n)の非充電期間における低電位を保持するとともに、薄膜トランジスタT32&T42或はT33&T43が長時間にわたってゲート電圧ストレスの影響を受けることを防止する。薄膜トランジスタT54とT64は、低周波クロック信号LC2とLC1の電位に基づいて交替でオンになることでP点或はK点の放電が実行されるようにして、T32&T42及びT33&T43の交替動作をより確実に保証し、これにより薄膜トランジスタが長時間にわたってゲート電圧ストレスの影響を受けることを防止して、GOA回路の動作寿命を向上させる。薄膜トランジスタT52はP点及び直流低電圧Vssと接続され、薄膜トランジスタT62はK点及び直流低電圧Vssと接続されるとともに、T52とT62はQ(n)が高電位の状態にある時にオンになることでT32・T42・T33・T43をオフにして、Q(n)とG(n)の充電に影響しないようにする。
【0060】
プルアップ制御回路400は、薄膜トランジスタT11とT12とからなるとともに、前ステージのGOA信号が現ステージのGOA回路に伝送されるように制御することが可能であり、これによりGOA信号が順次伝送される。薄膜トランジスタT11において、ゲートは第n−2ステージ水平走査線G(n−2)と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ第n−2ステージ水平走査線G(n−2)及びゲート信号点Q(n)と接続される。薄膜トランジスタT12において、ゲートは第n−1ステージ水平走査線G(n−1)と接続され、ドレイン及びソースはそれぞれ第n−1ステージ水平走査線G(n−1)及びゲート信号点Q(n)と接続される。本発明は、各ステージのGOA回路中に1つの薄膜トランジスタT12を加えてQ(n)を充電することで、Q(n)の上昇前における漏れ電流を補い、これによりQ(n)が高温下での上昇前においてより安定した状態を保つようにすることが出来る。
【0061】
Q(n)とG(n)の間に接続されたブートストラップ機能を有するコンデンサCbは、G(n)電位の上昇時にCbの結合効果によってQ(n)電位を上昇させ、これにより、更に高いQ(n)電位と、より小さいGOA充電信号のRC遅延(RC delay)が得られる。
【0062】
図2を参照する。図は、本発明の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路のマルチステージ構造の概略図である。図2に示した本発明のGOA回路のマルチステージ接続方法において、表示領域の各水平走査線(gate line、ゲート線)の両端にはGOAユニット回路(シングルステージ回路の構造は図1を参照)が接続される。GOAユニットは、左右両辺から水平走査線に対して充電と放電を実行することが可能であり、これにより更に均一な充電効果が得られる。低周波クロック信号LC1とLC2・直流低電圧Vss・CK1〜CK4の4つの高周波クロック信号の金属線は、各ステージのGOA回路の周辺に設けられる。第nステージGOA回路(内部接続は図1を参照)は、LC1・LC2・Vss・CK1〜CK4の中の1つのCK信号・第n−2ステージGOA回路が発したG(n−2)信号・第n−1ステージGOA回路が発したG(n−1)信号・第n+2ステージGOA回路が発したG(n+2)信号をそれぞれ受け取るとともに、G(n)信号を発する。図2に示した回路のマルチステージ接続方法は、GOA信号がステージ毎に順次伝送されるように保証するとともに、各ステージのGOA回路が順次左・右両辺から表示エリアの水平走査線(ゲート線)に対する充電と放電を実行することで、画素スイッチがオンになり、これによりデータ線を通してデータ信号が入力される。
【0063】
本発明の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路は、平面表示パネルの従来の製造工程を利用して表示エリア周囲の基板上に製造されるとともに、外部接続ICを代替して平面表示パネルの各ステージにおける水平走査線の駆動を行うことが出来る。本発明は特に、狭額縁或はフレームレスの平面表示製品の製造に適している。
【0064】
(実施例2)
図3を参照する。図は、本発明の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路を使用した平面表示装置の構造概略図である。図3において、平面表示装置には表示基板10が設けられ、表示基板10上方の駆動制御盤20は表示基板10に駆動及び制御信号を提供し、表示基板10の左側領域30と右側領域40にはGOA回路が設けられて、左側と右側の二つの方向から表示領域50の水平走査線を駆動することが出来る。GOA回路は、駆動制御盤20の入力信号を受け取るとともに、ステージ毎に水平走査線の制御信号を発して、表示領域50中の画素が順次オンになるように制御することが出来る。
【0065】
図4を参照する。図は、本発明の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路の修復過程を示した概略図である。また、合わせて図1及び図2を参照されたい。図4上部に示したGOA回路において、回路中のT53・T54・T63・T64・T32・T42・T33・T43・T52・T62の中の一部の薄膜トランジスタに異常が生じた時、即ちプルダウン保持回路300に異常が生じた時、レーザー溶接とレーザー溶断の手法によって修復を行うことで、元の回路を図4下部に示したGOA回路のように変化させることが出来る。図4において、プルダウン保持回路300に異常が生じた時、点線円で示した位置で、レーザー溶断の手法を用いてプルダウン保持回路300を第nステージGOAユニットから隔離することにより、異常が生じたプルダウン保持回路300がQ(n)とG(n)の電位に影響しないようにするとともに、実線円で示した位置でレーザー溶接の手法を用いて薄膜トランジスタT13を前記第nステージGOAユニットと完全に接続させることで、修復が完了する。また、図4下部に示した修復後のGOA回路において、Q(n)の非充電期間における低電位は、薄膜トランジスタT13(ゲートは高周波クロック信号CKと接続され、ソース及びドレインはそれぞれQ(n)及びG(n)と接続される)を用いて保持することが出来る。G(n)の非充電期間における低電位は、修復が必要なGOA回路の行走査線(gate line、ゲート線)他側とつながったGOA回路中でG(n)電位を保持する薄膜トランジスタによって保持される。行走査線の左右両端にはそれぞれGOAユニットが接続されているため、この中の一つのGOAユニットが正常に動作していれば、図4に従って異常が生じたGOAユニットに対する修復を行うことが出来る。よって、本発明のGOA回路は、一定の修復性を備えており、シングルステージGOA回路中の半数以上のTFT素子に異常が生じた時でも、レーザー溶接とレーザー溶断によってGOA回路の機能のほぼ正常な回復が望める。
【0066】
図5を参照する。図は、Eldo−SPICEソフトウェアを用いて行った、本発明の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路の修復機能に対する検査結果図である。Eldo−SPICEソフトウェアを用いて、マルチステージのGOA回路の水平走査線に対する充電をシミュレートするとともに、第21ステージ左側のGOA回路におけるT53・T54・T63・T64・T32・T42・T33・T43・T52・T62の中の一部の薄膜トランジスタに異常が生じたと仮定し、且つ第21ステージ左側のGOA回路を修復後の回路(修復方法は図4を参照)によって代替した。代替後、27℃及び80℃の時に、第21ステージ左側のGate Driver回路の出力G(21)_L・その前の第19ステージ左側のGOA回路の出力G(19)_L・その後ろの第23ステージ左側のGOA回路の出力G(23)_Lは、いずれも修復前のGOA出力と比べてごく僅かな差しかなく、GOA回路の機能はほぼ正常に回復した。
【0067】
総じて言えば、本発明の平面表示に用いられる修復可能なGOA回路は、シングルステージのGOA回路における半数以上のTFT素子が破損した時、レーザー溶接とレーザー溶断によって修復を行うことが可能であるため、本発明はGOA表示パネルの良品率を向上させることが出来る。また本発明のGOA回路を使用して、低コストの狭額縁或はフレームレスの平面表示製品を製造することで、GOA表示パネルの良品率を向上させることが出来る。
【0068】
以上の記述により、本発明の分野の一般的な技術員は、本発明の技術手法と構想に基づいて各種の変更と変形を加えることが可能であり、これらの変更と変形はいずれも、後述する本発明の特許請求の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0069】
10 表示基板
20 駆動制御盤
30 左側領域
40 右側領域
50 表示領域
100 プルアップ回路
200 プルダウン回路
300 プルダウン保持回路
400 プルアップ制御回路
500 ブートストラップコンデンサ(Cb)
CK 高周波クロック信号
CK1 高周波クロック信号
CK2 高周波クロック信号
CK3 高周波クロック信号
CK4 高周波クロック信号
G(n) 第nステージ水平走査線
G(n−1) 第n−1ステージ水平走査線
G(n−2) 第n−2ステージ水平走査線
G(n+2) 第n+2ステージ水平走査線
G(21)_L 第21ステージ左側のGate Driver回路の出力
G(19)_L 第19ステージ左側のGOA回路の出力
G(23)_L 第23ステージ左側のGOA回路の出力
P 第一回路点
K 第二回路点
LC1 低周波クロック信号
LC2 低周波クロック信号
T13 第一薄膜トランジスタ
T11 薄膜トランジスタ
T12 薄膜トランジスタ
T21 薄膜トランジスタ
T31 薄膜トランジスタ
T32 薄膜トランジスタ
T33 薄膜トランジスタ
T41 薄膜トランジスタ
T42 薄膜トランジスタ
T43 薄膜トランジスタ
T52 薄膜トランジスタ
T53 薄膜トランジスタ
T54 薄膜トランジスタ
T62 薄膜トランジスタ
T63 薄膜トランジスタ
T64 薄膜トランジスタ
Q(n) ゲート信号点
VSS 直流低電圧
図1
図2
図3
図4
図5