【実施例1】
【0032】
図2は本発明の画素を含むアクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)表示装置の機能のブロック図である。
図2に示すように、前記AMOLED表示装置は、主に表示ユニット100、スキャンドライバ200及びデータドライバ300を含む。
【0033】
前記表示ユニット100は、複数の画素110(
図3)を含み、前記複数の画素110は、行列形式でスキャン制御線Scan1n、スキャン制御線Scan2n、発光制御線Em1n、発光制御線Em2n及びデータケーブルD1〜Dmの交差領域に配列される。その中に、nは画素が所在する行列番号である。
【0034】
各画素110をスキャン制御線(例えば、Scan1n、Scan2n)、発光制御線(例えば、Em1n、Em2n)及びデータケーブルに接続する。前記データケーブルは列によりそれぞれに各列の画素の中の画素110に接続される。例えば、i行目とj列目の画素110をi行目のスキャン制御線Scan1i、Scan2i、第i行の発光制御線Em1i、Em2i及びj列目のデータケーブルDjに接続する。
【0035】
表示ユニット100は外部電源、例えば第1電源ELVDD、第2電源ELVSS1及び第3電源ELVSS2からの電力を受電する。前記第1電源ELVDDと第2電源ELVSS2はそれぞれに高レベル電圧源と低レベル電圧源として使用される。第1電源ELVDDと第3電源ELVSS2は画素110の駆動電源として使用される。第2電源ELVSS1は第5トランジスタT5(
図3参照)閾値電圧変動による有機発光ダイオード駆動電流の変化を補償する。
【0036】
スキャンドライバ200は画素110に使用されるスキャン制御信号と発光制御信号を発生する。スキャンドライバ200により発生したスキャン制御信号は、それぞれにスキャン制御線Scan1i〜Scan1nの順序により画素110に提供される。スキャンドライバ200により発生した発光制御信号は、それぞれに発光制御線Em1i〜Em1nの順序により画素110に提供される。
【0037】
データドライバ300は、画素110に使用されるデータ及びデータ制御信号に対応するデータ信号を発生する。データドライバ300により発生したデータ信号は、データケーブルD1〜Dmによりスキャン信号と同期に画素110に提供される。
【0038】
図3は
図2の画素のアーキテクチャ図である。
図3に示された画素は、
図2のAMOLED表示装置に応用されることができる。説明の便宜のために、
図3にn行目とm行目にある画素110を例として説明し、データケーブルDmも含まれている。
【0039】
図3に示すように、前記画素110は、画素回路112とOLEDを含む。前記画素回路112は第1電源ELVDDと第3電源ELVSS2の間に接続され、有機発光ダイオード(OLED)に駆動電流を提供する。
【0040】
前記画素回路112は、主に順次に接続される給電回路1121、基本回路1122及び補償回路1123の三つの部分を含む。
【0041】
給電回路1121は、第2トランジスタT2を含む。前記第2トランジスタT2は、ゲートが第1スキャン制御線Scan1に接続され、ソース(またはドレイン)が第1電源ELVDDに接続され、ドレイン(またはソース)が前記基本回路1122の第5トランジスタT5のソース(またはドレイン)に接続される。
【0042】
基本回路1122、即ち2T1C回路は、従来に常用の画素回路である。この基本回路1122は、第1トランジスタT1、第5トランジスタT5及び第1コンデンサC1を含む。第1トランジスタT1のゲートは第2スキャン制御線Scan2に接続され、前記第1トランジスタT1は、ソース(またはドレイン)がデータケーブルDmに接続され、ドレイン(またはソース)が前記第5トランジスタT5のゲートに接続される。前記第1コンデンサC1は前記第5トランジスタT5のゲートと給電回路1121に接続されるソース(またはドレイン)の間に並列され、言い換えれば、前記基本回路1122は、第5トランジスタT5のソース(またはドレイン)により前記給電回路1121の第2トランジスタT2のドレイン(またはゲート)に接続される。
【0043】
前記基本回路1122は第5トランジスタT5のドレイン(またはソース)は画素110のOLEDの陽極に接続され、前記OLEDの陰極は補償回路1123の第3トランジスタT3、第4トランジスタT4のソース(またはドレイン)に接続される。浮遊容量Coledは前記OLEDの陽極と陰極の両端に並列され、前記第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4と前記補償回路1123を構成する。
【0044】
前記補償回路1123に、第3トランジスタT3と第4トランジスタT4のドレイン(またはソース)はそれぞれに第2電源ELVSS1と第3電源ELVSS2に接続される。第3トランジスタT3のゲートは発光制御線Em1に接続され、第4トランジスタT4のゲートは発光制御線Em2に接続される。前記第3トランジスタT3と第4トランジスタT4のソース(またはドレイン)の電位が同じである。
【0045】
上記の第1、第2、第3、第4及び第5トランジスタはいずれも電界効果トランジスタであり、そのソースとドレインが同じである。
【0046】
本発明の画素回路112が作動する時、第1トランジスタT1は、スキャン制御信号がスキャン制御線Scan2に提供される期間t2に、前記第1トランジスタT1はデータ電圧Vdataを第5トランジスタのゲートに提供する。
【0047】
第2トランジスタT2は第1電源ELVDDと第5トランジスタT5のソース(またはドレイン)の間に接続され、第2トランジスタT2のゲートは、スキャン制御線Scan1を接続することで、期間t2にスキャン制御信号をスキャン制御線Scan1に提供し、この時、給電回路1121の第2トランジスタT2がオンされて、第1電源ELVDDと画素110がオンされる。
【0048】
第3トランジスタT3は、OLEDの陰極と第2電源ELVSS1の間に接続され、前記第3トランジスタT3のゲートは、発光制御線Em1に接続される。スキャン制御信号を発光制御線Em1に提供する期間t3に、第3トランジスタT3がオンされ、前記OLEDと第2電源ELVSS1の電圧がオンされる。これにより、画素110の初期化期間t1、データ電圧読込期間t2、OLEDの陰極駆動電圧の振幅が第2電源ELVSS1の電圧であるように制御する。
【0049】
第4トランジスタT4はOLEDの陰極と第3電源ELVSS2の間に接続され、前記第4トランジスタT4のゲートは発光制御線Em2に接続される。スキャン制御信号を発光制御線Em2に提供する期間t4に、第4トランジスタT4がオンされ、前記OLEDと第3電源ELVSS2の電圧がオンされ、画素110の閾値電圧補償期間t3、発光期間t4の前記OLEDの陰極駆動電圧の振幅が第3電源ELVSS2の電圧であるように制御する。
【0050】
第5トランジスタT5は第2トランジスタT2とOLEDの陽極の間に直列され、前記第5トランジスタT5のゲートは第1トランジスタT1のドレイン(またはソース)に接続される。スキャン制御線から提供されたスキャン制御信号Scan2が低レベルにホッピングされた場合、第1トランジスタT1がオンされ、データ信号が第1トランジスタT1により第5トランジスタT5のゲートに発送される。
【0051】
第1コンデンサC1は第2トランジスタT2のドレイン(またはソース)と第5トランジスタT5のゲートの間に接続される。スキャン制御信号をスキャン制御線Scan1に提供する期間t1に、第2トランジスタT2により第1電源ELVDDの電圧を提供して、第1コンデンサC1を初期化させる。そのあと、スキャン制御信号をスキャン制御線Scan2に提供する期間t2に、第1トランジスタT1により提供されたデータ信号に対応する電圧が第1コンデンサC1に保存されている。
【0052】
前記OLEDは第5トランジスタT5のドレイン(またはソース)と第3トランジスタT3のソース(またはドレイン)間に直列される。画素110の発光期間t4に、OLEDは、光度が第1電源ELVDD、第5トランジスタT5、第2トランジスタT2及び第4トランジスタT4から提供された駆動電流の大きさに対応する光を発する。
【0053】
画素110に、駆動トランジスタ(例えば、第5トランジスタT5)閾値電圧が一致しないため、OLEDに流れた電流も一致せず、画素110の光度一致性が不良になり、結果的には画像ムラになる。第4トランジスタT4と第3トランジスタT3を設置することで、各フレームの初期化期間t1に駆動トランジスタ(例えば、第5トランジスタT5)の閾値電圧の変化を補償することにより、上記の画像110の光度一致性不良により画像ムラになる製品欠陥を避けることができる。
【0054】
図4は
図3の画素を駆動する駆動信号波形図である。描写の便宜のために、
図4に、
図3の画素が1フレーム信号期間に提供した駆動信号の波形が示され、
図3を合わせてこの画素の駆動過程について説明する。
【0055】
スキャン制御信号Scan1は、第2トランジスタT2と第1電源ELVDDがオンされるように第2トランジスタT2を制御する。
【0056】
スキャン制御信号Scan2は、データレベルを読み込むように第1トランジスタT1を制御する。
【0057】
発光制御線Em1は、第3トランジスタT3と第2電源ELVSS1がオンされるように第3トランジスタT3を制御する。
【0058】
発光制御線Em2は、第4トランジスタT4と第3電源ELVSS2がオンされるように第4トランジスタT4を制御する。
【0059】
図4に示すように、初期化段階に設置された期間、即ち期間t1に、まず、低レベルのスキャン制御信号Scan1が画素110に提供される。そのため、第2トランジスタT2は低レベルのスキャン制御信号Scan1によりオンされる。さらに、第1電源ELVDDの電圧は第5トランジスタT5のソース(またはドレイン)に提供される。低レベルの発光制御信号Em1は画素110に提供される。そのため、第3トランジスタT3は低レベルの発光制御信号Em1によりオンされる。これにより、第2電源ELVSS1の電圧は第3トランジスタT3のソース(またはドレイン)に提供される。
【0060】
図3を参照して、期間t1に、第3トランジスタT3により第2電源ELVSS1の電圧をリセット電圧として第3トランジスタT2のソース(またはドレイン)に提供できる。これにより、各フレームの第3トランジスタT3のソース(またはドレイン)は常にリセットされることができる。
【0061】
そのあと、データ電圧読込期間に設置された期間t2(即ち、データ電圧読込期間)に、低レベルのスキャン制御信号Scan2が画素110に提供される。そして、第1トランジスタT1は低レベルのスキャン制御信号Scan2に応答してオンされる。そのため、第1トランジスタT1により、データケーブルDmに提供されたデータ信号Vdataが第5トランジスタT5のゲートに提供される。この時、第5トランジスタT5がオン状態にあるため、第2トランジスタT2のドレイン(またはソース)の相応の電圧がOLEDの陽極に提供される。OLEDの陰極端に提供された第2電源ELVSS1の電圧は、OLEDの浮遊容量Coled、第5トランジスタT5のドレイン(またはソース)により第1コンデンサC1に充電する。
【0062】
さらに、閾値電圧補償に設置された期間t3(即ち、閾値補償)に、発光制御信号Em2が低レベルにホッピングされる。そして、第4トランジスタT4は低レベルの発光制御信号Em2に応答してオンされる。そのため、第2トランジスタT2のドレイン(またはソース)の電荷は、第5トランジスタT5、OLEDの陽極の経路を経て第3電源ELVSS2に流れ、第2トランジスタT2のドレイン(またはソース)の電圧が第5トランジスタT5のゲートの電圧の一つの閾値電圧(即ち、第5トランジスタT5の閾値電圧)より高い場合、第5トランジスタT5がオフされ、前記第2トランジスタT2のドレイン(またはソース)の電荷の流動は停止する。
【0063】
ここで、前記第5トランジスタT5が応答した第5トランジスタT5に提供された閾値電圧に対応する電圧は第1コンデンサC1に保存されているため、期間t3に第5トランジスタT5の閾値電圧を補償する。
【0064】
最後に、発光に設置された期間t4(即ち発光期間)に、スキャン制御信号Scan1は低レベルにホッピングされる。そして、第2トランジスタT2はスキャン制御信号Sacn1に応答してオンされる。そのため、駆動電流は、第1電源ELVDDに沿って第2トランジスタT2、第5トランジスタT5、OLED及び第4トランジスタT4を経て第3電源ELVSS2に流れる。有機発光ダイオード(OLED)に流れた電流Ioledは下記のように得られる。
【0065】
Ioled=1/2Cox(μW/L)(Vdata)^2
そのなかに、Cox、μ、W及びLは、それぞれに第5トランジスタT5の単位面積あたりのチャネル容量、チャネル移動度、チャネル幅及び長さであり、Vdataはデータ電圧である。
【0066】
上記のOLEDに流れた電流は下記のように類似表示される。
Ioled=1/2*K*[Vsg−|Vth|]^2
=1/2*K*[Vdd−(Vdd−Vc1)−|Vth|]^2
=1/2*K*[|Vth|+(1−N)/N*Vdata−|Vth|]^2
=1/2*K*[(1−N)/N*Vdata]^2
=1/2*K*[Vdata]^2
その中に、KはCox*μ*W*Lであり、常数であり、Vsgはソースとゲートの電圧の差であり、Vthは閾値電圧であり、Vddは第1電源電圧ELVDDであり、Vc1は第1コンデンサC1に保存されている電圧であり、Vdataはデータ電圧であり、Nは1より大きい自然数である。
【0067】
以上に述べた内容は本発明の比較的に好ましい実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。