特許第6261757号(P6261757)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6261757画素回路、画素、この画素を含むアクティブマトリックス有機発光ダイオード表示装置及びその駆動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261757
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】画素回路、画素、この画素を含むアクティブマトリックス有機発光ダイオード表示装置及びその駆動方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20180104BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   G09G3/3233
   G09G3/20 611H
   G09G3/20 624B
   G09G3/20 642A
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-558254(P2016-558254)
(86)(22)【出願日】2014年12月29日
(65)【公表番号】特表2017-507367(P2017-507367A)
(43)【公表日】2017年3月16日
(86)【国際出願番号】CN2014095331
(87)【国際公開番号】WO2015101255
(87)【国際公開日】20150709
【審査請求日】2016年6月14日
(31)【優先権主張番号】201310747565.1
(32)【優先日】2013年12月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515179314
【氏名又は名称】昆山工研院新型平板顕示技術中心有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN NEW FLAT PANEL DISPLAY TECHNOLOGY CENTER CO., LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】515179325
【氏名又は名称】昆山国顕光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN GO−VISIONOX OPTO−ELECTRONICS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001922
【氏名又は名称】特許業務法人 日峯国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朱暉
(72)【発明者】
【氏名】胡思明
(72)【発明者】
【氏名】黄秀▲キ▼
【審査官】 中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−145579(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0248471(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 − 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本回路を含む画素回路であって、さらに給電回路と補償回路を含み、前記給電回路、前記基本回路及び前記補償回路は順次に接続され、前記給電回路は第1電源ELVDDに接続され、前記基本回路に電源を提供し、前記補償回路はそれぞれに第2電源ELVSS1及び第3電源ELVSS2に接続され、有機発光ダイオードOLEDの電圧の差と電流の差を補償する画素回路であって、前記基本回路は第5トランジスタT5を含む。
前記補償回路は、前記有機発光ダイオードOLEDと並列した浮遊容量Coled、第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4を含み、前記有機発光ダイオードOLEDと前記浮遊容量Coledが前記基本回路の前記第5トランジスタT5のドレインと前記補償回路の前記第3トランジスタT3及び前記第4トランジスタT4のソースの間に並列してから直列し、前記第3トランジスタT3と前記第4トランジスタT4のゲートはそれぞれに第1発光制御線Em1、第2発行制御線Em2に接続され、前記第3トランジスタT3と前記第4トランジスタT4のドレインはそれぞれに前記第2電源ELVSS1、前記第3電源ELVSS2に接続されることを特徴とする画素回路。
【請求項2】
前記給電回路は第2トランジスタT2であり、前記第2トランジスタT2は、ゲートが第1スキャン制御線Scan1に接続され、ソースが前記第1電源ELVDDに接続され、ドレインが前記基本回路に接続されることを特徴とする請求項1に記載の画素回路。
【請求項3】
前記基本回路は並列した前記有機発光ダイオードOLED前記浮遊容量Coledにより前記補償回路に接続されることを特徴とする請求項1に記載の画素回路。
【請求項4】
前記基本回路は、さらに、第1トランジスタT1、第1コンデンサC1を含み、前記第1トランジスタT1は、ゲートが第2スキャン制御線Scan2に接続され、ソースがデータケーブルDmに接続され、ドレインが前記第5トランジスタT5のゲートに接続され、前記第1コンデンサC1は前記第5トランジスタT5のゲートとソースの間に直列されることを特徴とする請求項1に記載の画素回路。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか一項に記載の画素回路を含むことを特徴とする画素。
【請求項6】
請求項に記載の画素を含むことを特徴とするアクティブマトリックス有機発光ダイオードAMOLED表示装置。
【請求項7】
第1電源により給電回路と基本回路を接続し、基本回路を有機発光ダイオードにより補償回路に接続し、前記補償回路を第2電源と第3電源に接続するステップと、
前記給電回路の第2トランジスタを利用して基本回路に給電し、また、それぞれに第2電源と第3電源を利用して補償回路に給電し、前記給電回路の第2トランジスタのゲートは第1スキャン制御信号を入力し、前記基本回路の第1トランジスタのゲートは第2スキャン制御信号を入力し、そのソースがデータ信号を入力し、前記補償回路の第3トランジスタと第4トランジスタのゲートは、それぞれに第1発光制御信号と第2発光制御信号を入力し、それらのソースはいずれも有機発光ダイオードの陰極に接続されるステップと、
画素作動周期の第1期間に、第1スキャン制御信号を提供し、第2トランジスタにより第1電源の電圧を提供して、第1コンデンサを初期化させるステップと、
第1トランジスタに第2スキャン制御信号を提供する第2期間に、第1トランジスタにより提供されたデータ信号に対応する電圧を第1コンデンサに保存し、同時に、第1トランジスタは低レベルの第2スキャン制御信号に応答してオンされ、第1トランジスタによりデータケーブルに提供されたデータ信号を第5トランジスタのゲートに提供し、第2トランジスタのドレインに対応する電圧を有機発光ダイオードの陽極に提供し、有機発光ダイオードの陰極に給電している第2電源の電圧は、有機発光ダイオードの浮遊容量、第5トランジスタのドレインにより第1コンデンサに充電するステップと、
閾値電圧補償の第3期間に、第2発光制御信号は低レベルにホッピングされ、第4トランジスタは第2発光制御信号に応答してオンされ、第2トランジスタのドレインの電荷は第5トランジスタ、有機発光ダイオードの陽極の経路を経て、第3電源へ流れ、第2トランジスタのドレインの電圧が第5トランジスタのゲートの電圧の一つの閾値電圧より高い場合、第5トランジスタがオフされ、前記第2トランジスタのドレインの電荷の流動が停止するステップと、
有機発光ダイオード発光の第4期間に、第1スキャン制御信号は低レベルにホッピングされ、第2トランジスタは第1スキャン制御信号に応答してオンされ、駆動電流は第1電源に沿って第2トランジスタ、第5トランジスタ、有機発光ダイオード及び第4トランジスタの経路を経て第3電源に流れるステップと、
を含むことを特徴とする画素の駆動方法。
【請求項8】
第1期間に、さらに第3トランジスタにより第2電源の電圧をリセット電圧として第3トランジスタのゲートに提供し、各フレームに第3トランジスタのソースが常にリセットされることを特徴とする請求項に記載の画素の駆動方法。
【請求項9】
有機発光ダイオード発光の第4期間に、前記有機発光ダイオードに流れた電流は、
Ioled=1/2Cox(μW/L)(Vdata)^2
であり、その中に、前記Cox、μ、W及びLは、それぞれに第5トランジスタの単位面積あたりのチャネル容量、チャネル移動度、チャネル幅及び長さであり、Vdataはデータ電圧であることを特徴とする請求項に記載の画素の駆動方法。
【請求項10】
前記有機発光ダイオードに流れた電流は、
Ioled=1/2*K*[Vdata]^2
に類似表示され、その中に、Kは常数であり、Vdataはデータ電圧であることを特徴とする請求項に記載の画素の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットパネルディスプレイ技術に関し、特に画素回路、画素、この画素を含むアクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、陰極線管に対して軽量且つ体積が小さい各タイプのフラットパネル表示装置が開発された。
【0003】
各タイプのフラットパネル表示装置に、アクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)表示装置は自己発光の有機発光ダイオード(OLED)を使用して画像を表示し、通常、応答時間が短く、低消費電力で駆動し、より良い光度及び色純度を有する特性を有するため、有機発光表示装置は、次世代のディスプレイ技術の焦点になっている。
【0004】
大型AMOLED表示装置について、スキャン線とデータケーブルの交差領域にある複数の画素を含む。各画素はOLEDと前記OLEDを駆動するための画素回路を含む。前記画素回路は、通常、スイッチトランジスタ、駆動トランジスタ及び蓄積容量を含む。
【0005】
AMOLEDの画素特性が駆動トランジスタ間の差とスイッチトランジスタのリーク電流に影響されるため、このような複数の画素表示の画像の品質の均一性と一致性が悪い。
【0006】
図1は従来技術におけるアクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)表示装置の画素の概略図である。図1に示すように、画素回路112のトランジスタはPMOS(n型基板、pチャネルであり、正孔の流動により電流を伝送するMOSチューブ)トランジスタである。
【0007】
AMOLED表示装置の画素110は、OLED、データケーブルDmとスキャン制御線Sn1に接続され、前記OLEDを制御する画素回路112を含む。
【0008】
前記OLEDの陽極は画素回路112に接続され、OLEDの陰極は第2電源ELVSSに接続される。このOLEDは、画素回路112が提供した電流の強さに対応する光度を有する光を発する。
【0009】
スキャン制御線Sn1にスキャン信号を提供する場合、画素回路112はデータケーブルDmに提供されたデータ信号に応じてOLEDに提供された電流量を制御する。そのために、画素回路112は、第1電源ELVDDと有機発光ダイオードOLEDの陽極の間に接続された第2トランジスタT2(即ち、駆動トランジスタ)及び第2トランジスタT2のゲートと第1電源ELVDDの間に接続される第1コンデンサC1を含み、第1トランジスタのゲートは前記スキャン制御線Sn1に接続される。
【0010】
第1トランジスタT1のゲートはスキャン制御線Sn1に接続され、第1トランジスタT1のソース(またはドレイン)はデータケーブルDmに接続される。第1トランジスタT1のドレイン(またはソース)は第1コンデンサC1の一端(他端が第1電源ELVDDに接続される)に接続される。スキャン制御線Sn1から第1トランジスタT1にスキャン制御信号を提供する場合、第1トランジスタT1がオンされ、データケーブルDmから提供されたデータ信号が第1コンデンサC1に提供される。この時、データ信号に対応する電圧が第1コンデンサC1に保存されている。
【0011】
第2トランジスタT2のゲートは第1コンデンサC1の一端(他端が第1電源ELVDDに接続される)に接続され、第2トランジスタT2のソースは第1電源ELVDDに接続される。第2トランジスタT2のドレインはOLEDの陽極に接続される。第2トランジスタT2は第1電源源ELVDDから前記OLEDを経て第2電源ELVSSに流れた電流を制御し、この電流の大きさは第1コンデンサC1に保存されている電圧に対応する。
【0012】
第1コンデンサC1の一端は第2トランジスタT2のゲートに接続され、この第1コンデンサC1の他端は第1電源ELVDDに接続され、データ信号に対応する電圧は第1コンデンサC1に充電される。
【0013】
画素110は、第1コンデンサC1に充電された電圧に応じてOLEDに提供される電流を調整してOLEDの光度を制御することにより、所定光度を有する画像を表示する。しかしながら、この伝統的なAMOLED表示装置に、第2トランジスタT2の閾値電圧変化と第1トランジスタT1のリーク電流の影響により、光度均一の画像が表示され難い。例えば、違う画素の中に第2トランジスタT2の閾値電圧の差と第1電源ELVDDの差により、同じゲートの駆動電圧を加える時、OLEDに流れた電流が一致せず、OLEDの光度が一致せず、各画素は同一のデータ信号に応答して、発生した光が違う光度を有するため、表示された画像は均一の光度を有することが難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、以上の事情を鑑み、トランジスタの閾値電圧と電源電圧の差を補償し、AMOLEDの応答特性を改善して、同じ光度の光が発生され、AMOLED表示装置が表示した画像の均一性、一致性の要求を満足させる画素、この画素を使用するアクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)表示装置及びその駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明の技術案は下記のように実現される。
【0016】
画素回路112は、基本回路1122を含み、さらに給電回路1121と補償回路1123を含み、前記給電回路1121、前記基本回路1122及び前記補償回路1123は順次に接続され、前記給電回路1121は第1電源ELVDDに接続され、前記基本回路1122に電源を提供し、前記補償回路1123はそれぞれに第2電源ELVSS1及び第3電源ELVSS2に接続され、有機発光ダイオードOLEDの電圧と電流の差を補償する。
【0017】
その中に、前記給電回路1121は第2トランジスタT2であり、前記第2トランジスタT2は、ゲートがスキャン制御線Scan1に接続され、ソースが第1電源ELVDDに接続され、ドレインが前記基本回路1122に接続される。
【0018】
前記基本回路1122は並列したOLEDと浮遊容量Coledにより前記補償回路1123に接続される。
【0019】
前記基本回路1122は、第1トランジスタT1、第5トランジスタT5及び第1コンデンサC1を含み、前記第1トランジスタT1は、ゲートが第2スキャン制御線Scan2に接続され、ソースがデータケーブルDmに接続され、ドレインが前記第5トランジスタT5のゲートに接続され、第1コンデンサC1は前記第5トランジスタT5のゲートとソースの間に直列される。
【0020】
前記補償回路1123は、OLEDと並列した浮遊容量Coled、第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4を含み、前記OLEDと浮遊容量Coledが基本回路1122の第5トランジスタT5のドレインと補償回路1123の第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4のソースの間に並列してから直列し、前記第3トランジスタT3と前記第トランジスタT4のゲートはそれぞれに発光制御線Em1、発光制御線Em2に接続され、前記第3トランジスタT3と前記第トランジスタT4のドレインはそれぞれに第2電源ELVSS1、第3電源ELVSS2に接続される。
【0021】
本発明はさらに前記いずれか一項に記載の画素回路の画素を提供した。
【0022】
本発明はさらに前記画素のAMOLED表示装置を提供した。
【0023】
画素の駆動方法は、
第1電源ELVDDにより給電回路(1121)と基本回路(1122)を接続し、基本回路(1122)をOLEDにより補償回路(1123)に接続し、前記補償回路(1123)を第2電源ELVSS1と第3電源ELVSS2に接続するステップAと、
前記給電回路(1121)の第2トランジスタT2を利用して基本回路(1122)に給電し、また、それぞれに第2電源ELVSS1と第3電源ELVSS2を利用して補償回路(1123)に給電し、前記給電回路(1121)の第2トランジスタのゲートはスキャン制御信号Scan1を入力し、前記基本回路(1122)の第1トランジスタT1のゲートはスキャン制御信号Scan2を入力し、そのソースがデータ信号Dmを入力し、前記補償回路(1123)の第3トランジスタT3と第4トランジスタT4のゲートは、それぞれに発光制御信号Em1と発光制御信号Em2を入力し、それらのソースはいずれもOLEDの陰極に接続されるステップBと、
画素作動周期Tの期間t1に、スキャン制御信号を提供し、第2トランジスタT2により第1電源ELVDDの電圧を提供して、第1コンデンサC1を初期化させるステップCと、
第1トランジスタT1にスキャン制御信号Scan2を提供する期間t2に、第1トランジスタT1により提供されたデータ信号Vdataに対応する電圧を第1コンデンサC1に保存し、同時に、第1トランジスタT1は低レベルのスキャン制御信号Scan2に応答してオンされ、第1トランジスタT1によりデータケーブルDmに提供されたデータ信号Vdataを第5トランジスタT5のゲートに提供し、第2トランジスタT2のドレインに対応する電圧をOLEDの陽極に提供し、OLEDの陰極に給電している第2電源ELVSS1の電圧は、OLEDの浮遊容量Coled、第5トランジスタT5のドレインにより第1コンデンサC1に充電するステップDと、
閾値電圧補償の期間t3に、発光制御信号Em2は低レベルにホッピングされ、第4トランジスタT4は発光制御信号Em2に応答してオンされ、第2トランジスタT2のドレインの電化は第5トランジスタT5、OLEDの陽極を経て、第3電源ELVSS2へ流れ、第2トランジスタT2のドレインの電圧が第5トランジスタT5のゲートの電圧の一つの閾値電圧より高い場合、第5トランジスタT5がオフされ、前記第2トランジスタT2のドレインの電荷の流動が停止するステップEと、
OLED発光の期間t4に、スキャン制御信号Scan1は低レベルにホッピングされ、第2トランジスタT2はスキャン制御信号Scan1に応答してオンされ、駆動電流は第1電源ELVDDに沿って第2トランジスタT2、第5トランジスタT5、OLED及び第4トランジスタT4の経路を経て第3電源ELVSS2に流れるステップFと、を含む。
【0024】
その中に、期間t1に、さらに第3トランジスタT3により第2電源ELVSS1の電圧をリセット電圧として第3トランジスタT3のゲートに提供し、各フレームに第3トランジスタT3のソースが常にリセットされる。
【0025】
OLED発光の期間t4に、前記OLEDに流れた電流Ioledは、
Ioled=1/2Cox(μW/L)(Vdata)^2
であり、その中に、前記Cox、μ、W及びLは、それぞれに第5トランジスタT5の単位面積あたりのチャネル容量、チャネル移動度、チャネル幅及び長さであり、Vdataはデータ電圧である。
【0026】
前記OLEDに流れた電流Ioledは、
Ioled=1/2*K*[Vdata]^2
に類似表示され、その中に、Kは常数であり、Vdataはデータ電圧である。
【発明の効果】
【0027】
本発明が提供した画素回路、画素、この画素を含むアクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)表示装置及びその駆動方法は、下記の長所がある。
【0028】
本発明の画素及びこの画素を含むAMOLED表示装置を応用して、第2トランジスタT2の閾値電圧と第1電源ELVDDの電圧の差を補償することにより、AMOLEDの応答特性が改善され、同じ光度を有する光を発生できるため、この画素回路を採用したAMOLED表示装置が表示した画像の品質は均一性と一致性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】従来技術におけるアクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)表示装置の画素の概略図である。
図2】本発明の画素を含むアクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)表示装置の機能のブロック図である。
図3図2の画素のアーキテクチャ図である。
図4図3の画素を駆動する駆動信号波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面及び本発明の実施例を合わせて参照して本発明の画素回路、画素、この画素を含むアクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)表示装置及びその駆動方法をさらに詳細的に説明する。
【0031】
ここで、第1素子が第2素子に接続されるように配置される場合、第1素子は直接的に第2素子に接続可能であり、あるいは一つまたは複数の付加素子を介して間接的に第2素子に接続可能である。さらに、明瞭するために、本発明を十分理解することにとって必須ではないある素子を簡明に省略した。
【実施例1】
【0032】
図2は本発明の画素を含むアクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)表示装置の機能のブロック図である。図2に示すように、前記AMOLED表示装置は、主に表示ユニット100、スキャンドライバ200及びデータドライバ300を含む。
【0033】
前記表示ユニット100は、複数の画素110(図3)を含み、前記複数の画素110は、行列形式でスキャン制御線Scan1n、スキャン制御線Scan2n、発光制御線Em1n、発光制御線Em2n及びデータケーブルD1〜Dmの交差領域に配列される。その中に、nは画素が所在する行列番号である。
【0034】
各画素110をスキャン制御線(例えば、Scan1n、Scan2n)、発光制御線(例えば、Em1n、Em2n)及びデータケーブルに接続する。前記データケーブルは列によりそれぞれに各列の画素の中の画素110に接続される。例えば、i行目とj列目の画素110をi行目のスキャン制御線Scan1i、Scan2i、第i行の発光制御線Em1i、Em2i及びj列目のデータケーブルDjに接続する。
【0035】
表示ユニット100は外部電源、例えば第1電源ELVDD、第2電源ELVSS1及び第3電源ELVSS2からの電力を受電する。前記第1電源ELVDDと第2電源ELVSS2はそれぞれに高レベル電圧源と低レベル電圧源として使用される。第1電源ELVDDと第3電源ELVSS2は画素110の駆動電源として使用される。第2電源ELVSS1は第5トランジスタT5(図3参照)閾値電圧変動による有機発光ダイオード駆動電流の変化を補償する。
【0036】
スキャンドライバ200は画素110に使用されるスキャン制御信号と発光制御信号を発生する。スキャンドライバ200により発生したスキャン制御信号は、それぞれにスキャン制御線Scan1i〜Scan1nの順序により画素110に提供される。スキャンドライバ200により発生した発光制御信号は、それぞれに発光制御線Em1i〜Em1nの順序により画素110に提供される。
【0037】
データドライバ300は、画素110に使用されるデータ及びデータ制御信号に対応するデータ信号を発生する。データドライバ300により発生したデータ信号は、データケーブルD1〜Dmによりスキャン信号と同期に画素110に提供される。
【0038】
図3図2の画素のアーキテクチャ図である。図3に示された画素は、図2のAMOLED表示装置に応用されることができる。説明の便宜のために、図3にn行目とm行目にある画素110を例として説明し、データケーブルDmも含まれている。
【0039】
図3に示すように、前記画素110は、画素回路112とOLEDを含む。前記画素回路112は第1電源ELVDDと第3電源ELVSS2の間に接続され、有機発光ダイオード(OLED)に駆動電流を提供する。
【0040】
前記画素回路112は、主に順次に接続される給電回路1121、基本回路1122及び補償回路1123の三つの部分を含む。
【0041】
給電回路1121は、第2トランジスタT2を含む。前記第2トランジスタT2は、ゲートが第1スキャン制御線Scan1に接続され、ソース(またはドレイン)が第1電源ELVDDに接続され、ドレイン(またはソース)が前記基本回路1122の第5トランジスタT5のソース(またはドレイン)に接続される。
【0042】
基本回路1122、即ち2T1C回路は、従来に常用の画素回路である。この基本回路1122は、第1トランジスタT1、第5トランジスタT5及び第1コンデンサC1を含む。第1トランジスタT1のゲートは第2スキャン制御線Scan2に接続され、前記第1トランジスタT1は、ソース(またはドレイン)がデータケーブルDmに接続され、ドレイン(またはソース)が前記第5トランジスタT5のゲートに接続される。前記第1コンデンサC1は前記第5トランジスタT5のゲートと給電回路1121に接続されるソース(またはドレイン)の間に並列され、言い換えれば、前記基本回路1122は、第5トランジスタT5のソース(またはドレイン)により前記給電回路1121の第2トランジスタT2のドレイン(またはゲート)に接続される。
【0043】
前記基本回路1122は第5トランジスタT5のドレイン(またはソース)は画素110のOLEDの陽極に接続され、前記OLEDの陰極は補償回路1123の第3トランジスタT3、第4トランジスタT4のソース(またはドレイン)に接続される。浮遊容量Coledは前記OLEDの陽極と陰極の両端に並列され、前記第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4と前記補償回路1123を構成する。
【0044】
前記補償回路1123に、第3トランジスタT3と第4トランジスタT4のドレイン(またはソース)はそれぞれに第2電源ELVSS1と第3電源ELVSS2に接続される。第3トランジスタT3のゲートは発光制御線Em1に接続され、第4トランジスタT4のゲートは発光制御線Em2に接続される。前記第3トランジスタT3と第4トランジスタT4のソース(またはドレイン)の電位が同じである。
【0045】
上記の第1、第2、第3、第4及び第5トランジスタはいずれも電界効果トランジスタであり、そのソースとドレインが同じである。
【0046】
本発明の画素回路112が作動する時、第1トランジスタT1は、スキャン制御信号がスキャン制御線Scan2に提供される期間t2に、前記第1トランジスタT1はデータ電圧Vdataを第5トランジスタのゲートに提供する。
【0047】
第2トランジスタT2は第1電源ELVDDと第5トランジスタT5のソース(またはドレイン)の間に接続され、第2トランジスタT2のゲートは、スキャン制御線Scan1を接続することで、期間t2にスキャン制御信号をスキャン制御線Scan1に提供し、この時、給電回路1121の第2トランジスタT2がオンされて、第1電源ELVDDと画素110がオンされる。
【0048】
第3トランジスタT3は、OLEDの陰極と第2電源ELVSS1の間に接続され、前記第3トランジスタT3のゲートは、発光制御線Em1に接続される。スキャン制御信号を発光制御線Em1に提供する期間t3に、第3トランジスタT3がオンされ、前記OLEDと第2電源ELVSS1の電圧がオンされる。これにより、画素110の初期化期間t1、データ電圧読込期間t2、OLEDの陰極駆動電圧の振幅が第2電源ELVSS1の電圧であるように制御する。
【0049】
第4トランジスタT4はOLEDの陰極と第3電源ELVSS2の間に接続され、前記第4トランジスタT4のゲートは発光制御線Em2に接続される。スキャン制御信号を発光制御線Em2に提供する期間t4に、第4トランジスタT4がオンされ、前記OLEDと第3電源ELVSS2の電圧がオンされ、画素110の閾値電圧補償期間t3、発光期間t4の前記OLEDの陰極駆動電圧の振幅が第3電源ELVSS2の電圧であるように制御する。
【0050】
第5トランジスタT5は第2トランジスタT2とOLEDの陽極の間に直列され、前記第5トランジスタT5のゲートは第1トランジスタT1のドレイン(またはソース)に接続される。スキャン制御線から提供されたスキャン制御信号Scan2が低レベルにホッピングされた場合、第1トランジスタT1がオンされ、データ信号が第1トランジスタT1により第5トランジスタT5のゲートに発送される。
【0051】
第1コンデンサC1は第2トランジスタT2のドレイン(またはソース)と第5トランジスタT5のゲートの間に接続される。スキャン制御信号をスキャン制御線Scan1に提供する期間t1に、第2トランジスタT2により第1電源ELVDDの電圧を提供して、第1コンデンサC1を初期化させる。そのあと、スキャン制御信号をスキャン制御線Scan2に提供する期間t2に、第1トランジスタT1により提供されたデータ信号に対応する電圧が第1コンデンサC1に保存されている。
【0052】
前記OLEDは第5トランジスタT5のドレイン(またはソース)と第3トランジスタT3のソース(またはドレイン)間に直列される。画素110の発光期間t4に、OLEDは、光度が第1電源ELVDD、第5トランジスタT5、第2トランジスタT2及び第4トランジスタT4から提供された駆動電流の大きさに対応する光を発する。
【0053】
画素110に、駆動トランジスタ(例えば、第5トランジスタT5)閾値電圧が一致しないため、OLEDに流れた電流も一致せず、画素110の光度一致性が不良になり、結果的には画像ムラになる。第4トランジスタT4と第3トランジスタT3を設置することで、各フレームの初期化期間t1に駆動トランジスタ(例えば、第5トランジスタT5)の閾値電圧の変化を補償することにより、上記の画像110の光度一致性不良により画像ムラになる製品欠陥を避けることができる。
【0054】
図4図3の画素を駆動する駆動信号波形図である。描写の便宜のために、図4に、図3の画素が1フレーム信号期間に提供した駆動信号の波形が示され、図3を合わせてこの画素の駆動過程について説明する。
【0055】
スキャン制御信号Scan1は、第2トランジスタT2と第1電源ELVDDがオンされるように第2トランジスタT2を制御する。
【0056】
スキャン制御信号Scan2は、データレベルを読み込むように第1トランジスタT1を制御する。
【0057】
発光制御線Em1は、第3トランジスタT3と第2電源ELVSS1がオンされるように第3トランジスタT3を制御する。
【0058】
発光制御線Em2は、第4トランジスタT4と第3電源ELVSS2がオンされるように第4トランジスタT4を制御する。
【0059】
図4に示すように、初期化段階に設置された期間、即ち期間t1に、まず、低レベルのスキャン制御信号Scan1が画素110に提供される。そのため、第2トランジスタT2は低レベルのスキャン制御信号Scan1によりオンされる。さらに、第1電源ELVDDの電圧は第5トランジスタT5のソース(またはドレイン)に提供される。低レベルの発光制御信号Em1は画素110に提供される。そのため、第3トランジスタT3は低レベルの発光制御信号Em1によりオンされる。これにより、第2電源ELVSS1の電圧は第3トランジスタT3のソース(またはドレイン)に提供される。
【0060】
図3を参照して、期間t1に、第3トランジスタT3により第2電源ELVSS1の電圧をリセット電圧として第3トランジスタT2のソース(またはドレイン)に提供できる。これにより、各フレームの第3トランジスタT3のソース(またはドレイン)は常にリセットされることができる。
【0061】
そのあと、データ電圧読込期間に設置された期間t2(即ち、データ電圧読込期間)に、低レベルのスキャン制御信号Scan2が画素110に提供される。そして、第1トランジスタT1は低レベルのスキャン制御信号Scan2に応答してオンされる。そのため、第1トランジスタT1により、データケーブルDmに提供されたデータ信号Vdataが第5トランジスタT5のゲートに提供される。この時、第5トランジスタT5がオン状態にあるため、第2トランジスタT2のドレイン(またはソース)の相応の電圧がOLEDの陽極に提供される。OLEDの陰極端に提供された第2電源ELVSS1の電圧は、OLEDの浮遊容量Coled、第5トランジスタT5のドレイン(またはソース)により第1コンデンサC1に充電する。
【0062】
さらに、閾値電圧補償に設置された期間t3(即ち、閾値補償)に、発光制御信号Em2が低レベルにホッピングされる。そして、第4トランジスタT4は低レベルの発光制御信号Em2に応答してオンされる。そのため、第2トランジスタT2のドレイン(またはソース)の電荷は、第5トランジスタT5、OLEDの陽極の経路を経て第3電源ELVSS2に流れ、第2トランジスタT2のドレイン(またはソース)の電圧が第5トランジスタT5のゲートの電圧の一つの閾値電圧(即ち、第5トランジスタT5の閾値電圧)より高い場合、第5トランジスタT5がオフされ、前記第2トランジスタT2のドレイン(またはソース)の電荷の流動は停止する。
【0063】
ここで、前記第5トランジスタT5が応答した第5トランジスタT5に提供された閾値電圧に対応する電圧は第1コンデンサC1に保存されているため、期間t3に第5トランジスタT5の閾値電圧を補償する。
【0064】
最後に、発光に設置された期間t4(即ち発光期間)に、スキャン制御信号Scan1は低レベルにホッピングされる。そして、第2トランジスタT2はスキャン制御信号Sacn1に応答してオンされる。そのため、駆動電流は、第1電源ELVDDに沿って第2トランジスタT2、第5トランジスタT5、OLED及び第4トランジスタT4を経て第3電源ELVSS2に流れる。有機発光ダイオード(OLED)に流れた電流Ioledは下記のように得られる。
【0065】
Ioled=1/2Cox(μW/L)(Vdata)^2
そのなかに、Cox、μ、W及びLは、それぞれに第5トランジスタT5の単位面積あたりのチャネル容量、チャネル移動度、チャネル幅及び長さであり、Vdataはデータ電圧である。
【0066】
上記のOLEDに流れた電流は下記のように類似表示される。
Ioled=1/2*K*[Vsg−|Vth|]^2
=1/2*K*[Vdd−(Vdd−Vc1)−|Vth|]^2
=1/2*K*[|Vth|+(1−N)/N*Vdata−|Vth|]^2
=1/2*K*[(1−N)/N*Vdata]^2
=1/2*K*[Vdata]^2
その中に、KはCox*μ*W*Lであり、常数であり、Vsgはソースとゲートの電圧の差であり、Vthは閾値電圧であり、Vddは第1電源電圧ELVDDであり、Vc1は第1コンデンサC1に保存されている電圧であり、Vdataはデータ電圧であり、Nは1より大きい自然数である。
【0067】
以上に述べた内容は本発明の比較的に好ましい実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。
図1
図2
図3
図4