(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261775
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】ケーブル接続部品
(51)【国際特許分類】
H01R 4/24 20180101AFI20180104BHJP
H01R 24/86 20110101ALI20180104BHJP
【FI】
H01R4/24
H01R24/86
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-569755(P2016-569755)
(86)(22)【出願日】2015年6月25日
(65)【公表番号】特表2017-520087(P2017-520087A)
(43)【公表日】2017年7月20日
(86)【国際出願番号】EP2015064424
(87)【国際公開番号】WO2015197776
(87)【国際公開日】20151230
【審査請求日】2016年11月25日
(31)【優先権主張番号】102014109043.8
(32)【優先日】2014年6月27日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】594070612
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Phoenix Contact GmbH & Co.KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】コアト シュターケ
【審査官】
前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2014/0179149(US,A1)
【文献】
特表2014−523625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/24
H01R 24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多芯ケーブル(2)を電気的に接続するケーブル接続部品であって、
雌ねじ山(3)を有するユニオンナット(4)と、絶縁材料から成り、複数の切れ口(5)を有する、前記ケーブル(2)の心線(7)を個別化するためのスプライス部分(6)とを有しており、
前記スプライス部分(6)内に導入される心線端部の心線絶縁体は、前記ユニオンナット(4)を、前記雌ねじ山(3)に対応する雄ねじ山(8)が設けられた接続体(9)上にねじ嵌める際に、前記スプライス部分(6)に設けられた前記切れ口(5)に入り込む、前記接続体(9)内に配置された切断コネクタ(10)によって切断され、前記切断コネクタ(10)が前記心線(7)の導体に接触する、ケーブル接続部品において、
前記スプライス部分(6)はケーブル受容部分(11)と心線ガイド部分(12)とを有しており、前記心線ガイド部分(12)は少なくとも2つの心線受容部(22)を有していて、
各心線受容部(22)は、少なくとも2つの保持エレメント(23)と、1つのクランプギャップ(24)を形成する少なくとも2つのクランプエレメント(25)とを有していて、
心線導入方向で見て、まず前記保持エレメント(23)が、次いで前記クランプエレメント(25)が配置されていて、
前記クランプエレメント(25)の外面(26)から前記心線ガイド部分(12)の長手方向軸線までの間隔、及び前記保持エレメント(23)の内面(27)から前記心線ガイド部分(12)の長手方向軸線までの間隔は、前記保持エレメント(23)と前記クランプエレメント(25)が心線導入方向でオーバラップすることなく配置されるように、選択されていることを特徴とする、ケーブル接続部品。
【請求項2】
前記クランプエレメント(25)の前記外面(26)から前記心線ガイド部分(12)の前記長手方向軸線までの間隔は、前記保持エレメント(23)の前記内面(27)から前記長手方向軸線までの間隔よりも小さい、又は該間隔と同じである、請求項1記載のケーブル接続部品。
【請求項3】
前記心線受容部(22)は、心線導入方向で見て、前記クランプエレメント(25)に続いてそれぞれ1つの当接領域(28)を有しており、前記当接領域(28)の外面(29)から前記長手方向軸線までの間隔は、前記クランプエレメント(25)の内面(30)から前記長手方向軸線までの間隔よりも小さい、又は該間隔と同じである、請求項2記載のケーブル接続部品。
【請求項4】
前記保持エレメント(23)と前記クランプエレメント(25)とは、かつ/又は、前記クランプエレメント(25)と前記当接領域(28)とは、前記心線ガイド部分(12)の長手方向で互いに間隔を置いて配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のケーブル接続部品。
【請求項5】
2つの隣接する前記心線受容部(22)の2つのクランプエレメント(25)の前記内面(30)は、1つの共通の平面に位置していて、該平面は、前記心線ガイド部分(12)の前記長手方向軸線に対して平行に配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のケーブル接続部品。
【請求項6】
2つの隣接する前記心線受容部(22)の2つのクランプエレメント(25)の前記外面(26)と、2つの保持エレメント(23)の前記内面(27)とは、1つの共通の平面に配置されている、請求項5記載のケーブル接続部品。
【請求項7】
複数の前記保持エレメント(23)の前記内面(27)は、前記心線ガイド部分(12)の前記長手方向軸線を中心とする1つの共通の第1の半径上に配置されていて、かつ/又は、複数の前記クランプエレメント(25)の前記内面(30)は、前記心線ガイド部分(12)の前記長手方向軸線を中心とする1つの共通の第2の半径上に配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のケーブル接続部品。
【請求項8】
前記保持エレメント(23)の前記内面(27)と、前記クランプエレメント(25)の前記外面(26)が、1つの共通の第1の半径上に配置されている、請求項7項記載のケーブル接続部品。
【請求項9】
前記心線受容部(22)は、前記心線ガイド部分(12)に非対称的に配置されており、特に前記心線ガイド部分(12)の周面に沿って非対称的に配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のケーブル接続部品。
【請求項10】
前記ケーブル受容部分(11)は、前記心線ガイド部分(12)に面した側に複数の係止アーム(13)を有しており、前記心線ガイド部分(12)は、前記ケーブル受容部分(11)に面した側に、前記係止アーム(13)に対応する、内側に突出した複数の係止フック(14)又は係止切欠を有しており、これにより、前記心線ガイド部分(12)は前記ケーブル受容部分(11)に係止可能である、請求項1から9までのいずれか1項記載のケーブル接続部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多芯ケーブルを電気的に接続するケーブル接続部品であって、雌ねじ山を有するユニオンナットと、絶縁材料から成り、複数の切れ口を有する、前記ケーブルの心線を個別化するためのスプライス部分とを有しており、前記スプライス部分内に導入される心線端部の心線絶縁体は、前記ユニオンナットを、前記雌ねじ山に対応する雄ねじ山が設けられた接続体上にねじ嵌める際に、前記スプライス部分に設けられた前記切れ口に入り込む、前記接続体内に配置された切断コネクタによって切断され、前記切断コネクタが前記心線の導体に接触する、ケーブル接続部品に関する。
【0002】
独国特許発明第19951455号明細書(DE19951455C1)及び独国特許出願公開第102011108123号明細(DE102011108123A1)によりそれぞれ、ケーブル接続装置の部分としてのケーブル接続部品が公知であり、このケーブル接続部品により、個々の心線から心線絶縁体を事前に除去する必要なく、多芯ケーブルの心線を簡単に、機器接続部品又はケーブル接続部品の接続エレメントに接続することができる。例えば独国特許発明第19951455号明細書(DE19951455C1)の
図6及び独国特許出願公開第102011108123号明細(DE102011108123A1)の
図1に示されたケーブル接続部品では、ケーブルの個々の心線がまず、前記明細書では心線受容及び案内部分と称されるスプライス部分内に挿入される。次に、心線終端部が折り曲げられ、スプライス部分における切欠内に導入される。この切欠は、半径方向で向きを変える際に心線の保持ストッパとして用いられる。次に、切欠から突出している心線端部が切り離され、ユニオンナットが、接続体の対応する雄ねじ山にねじって嵌められる。接続体へユニオンナットをねじり嵌める際に、スプライス部分が接続体内へと押し込まれ、この際に、接続体に配置されている切断コネクタが、スプライス部分に設けられている切れ口内に侵入し、ここで、切断コネクタは、切れ口と交差している個々の心線の心線絶縁体を貫通して、個々の導体に接触する。
【0003】
基本的に独国特許発明第19836662号明細書(DE19836662C2)から既知の、このように形成されたケーブル接続または接合装置は、実際には、15年以上にわたって有効であることが実証されていて、殊に、当出願人によって、商品名QUICKON(R)のもとで、種々の実施形態において広範に販売されている(Phoenix Contact GmbH&Co.KG社のパンフレット「PLUSCON 2011」第92頁および第92頁を参照)。
【0004】
特に産業上の処理及び測定技術の装置による使用のために必要な情報及びデータの転送は、しばしば多芯ケーブルによって行われる。この場合、ケーブルの一方の端部は、しばしば差し込みコネクタ若しくはケーブル接続装置を介して電気機器、例えば、センサ・アクチュエータボックスに接続されていて、他方の端部は、電源コネクタ、例えば直列端子に接続されている。ケーブルの心線をケーブル接続装置若しくは差し込みコネクタに接続する際には、簡単な取り扱い性に加えて、容易、ひいては安価な製造が特に重要である。僅かな横断面を有する多数の心線を備えたケーブルの場合は特に、心線の導体が損傷なく切断コネクタに接触することができるように、心線の正確かつ確実な位置決めが保証されていなければならない。
【0005】
従って本発明の課題は、多芯のケーブルであっても複雑でなく確実な接触を保証し、同時に簡単な製造が可能であるようなケーブル接続部品を提供することである。
【0006】
上記課題は、請求項1の特徴を備えた冒頭で述べたケーブル接続部品において、スプライス部分がケーブル受容部分と心線ガイド部分とを有していることにより解決される。従って、スプライス部分は2つの部分から形成されており、ケーブル受容部分は実質的にケーブル自体の保持とガイドを行い、心線ガイド部分は実質的に、個々の心線、即ち心線端部の配置と定置の位置決めを行う。好適には、ケーブル受容部分と心線ガイド部分とは、これらを少なくとも部分的に形状接続的に互いに内外に差し込むことができるように形成されている。
【0007】
心線ガイド部分には、少なくとも2つの心線受容部が設けられており、これらの心線受容部は、切断コネクタによる電気的コンタクトの前及び電気的コンタクトの間、心線の位置決め及び位置固定のために機能する。好適には、接続したいケーブルの心線の数に相当する数の心線受容部が、心線ガイド部分に設けられており、例えば3つ、4つ、5つ、又は8つの心線受容部が設けられている。各心線受容部は、少なくとも2つの保持エレメントと、1つのクランプギャップを形成する少なくとも2つのクランプエレメントとを有している。前記クランプエレメントは、絶縁された心線をクランプギャップ内に挟み込むことができるように互いに調整されている。
【0008】
保持エレメントの間にはガイドギャップが設けられており、このガイドギャップを通して心線をクランプエレメントの方向で導入することができる。保持エレメントは、心線をクランプエレメントの方向では導入可能とするが、再び簡単には戻すことができないように、若しくはひとりでに戻し旋回できないようにする機能を有している。このために、保持エレメントは好適には、ガイドギャップの方向で傾けられたそれぞれ1つの導入傾斜部を有している。特に好適には、保持エレメントは、クランプエレメントの方向に整列した側に、心線の逆戻りを、特に意図しない脱落を阻止する、又は少なくとも困難にする突出するフック領域を有している。
【0009】
心線受容部では、心線導入方向でまず保持エレメントが、次いでクランプエレメントが配置されている。この場合、心線導入方向は、心線ガイド部分長手方向軸線に対して平行に延在していて、ケーブルの心線が、心線受容部において固定されるために心線受容部に導入される方向である。このために全ての心線はまず、心線導入方向に対して逆方向で、心線ガイド部分の中央の開口を通って案内され、それぞれ約90°、各心線受容部の方向に曲げられ、次いでその心線受容部に、即ちまずは保持エレメントの間を通って、次いでクランプエレメントの間のクランプギャップへと導入される。
【0010】
心線受容部の間には好適には、心線ガイド部分の長手方向で延在するウェブが配置されていて、このウェブに、心線受容部のクランプエレメント及び保持エレメントが取り付けられている、若しくは形成されている。従って、ウェブの間には、切断刃のための切り口も配置されている。
【0011】
構造的には、前記クランプエレメントの外面から前記心線ガイド部分の長手方向軸線までの間隔、及び前記保持エレメントの内面から前記心線ガイド部分の長手方向軸線までの間隔は、心線導入方向で、前記保持エレメントと前記クランプエレメントとのオーバラップが存在しないように、選択されているので、前記クランプエレメントと前記保持エレメントとは心線導入方向でオーバラップすることなく配置されている。この場合「内面」とは常に、心線ガイド部分の長手方向軸線に向いた、即ち「内部」に向いた面であって、「外面」とは、前記長手方向軸線とは反対に向いた、即ち「外部」に向いた面である。
【0012】
保持エレメントの内面と、クランプエレメントの外面とは、その延在において好適には、心線ガイド部分の長手方向軸線に対して平行に配置されており、即ち、長手方向軸線の方向で、即ち長手方向で、傾斜していない。長手方向軸線に対する間隔は、1つの平らな面において、この面の長手方向軸線に対する平面法線の間隔である。心線ガイド部分の長手方向軸線を中心とした1つの半径に沿って配置されている湾曲した面においては、この間隔は半径に相当する。好適には、互いに整列させられている内面と外面とはこの場合、互いに平行に、長手方向でずらされて配置されている。
【0013】
「オーバラップすることなく」の特徴は、この関連では、心線ガイド部分を長手方向で、即ち心線導入方向で見た場合に、保持エレメントとクランプエレメントとが重なっていないことを意味している。このために、保持エレメント及びクランプエレメントの形状及び配置は、心線ガイド部分の長手方向で、オーバラップしていないことが保証されているように選択される。従って、保持エレメントとクランプエレメントとは互いにずらされて配置されている。
【0014】
クランプエレメントと保持エレメントとがずらされて配置されていることにより、心線受容部への導入後に心線が意図せず脱落してしまうことが、従来技術により公知の装置の場合よりもさらに確実に防止されているという利点が得られる。これは特に、心線が保持エレメント又はクランプエレメントによって少なくとも部分的に取り囲まれる半径方向の距離が延長されることにより保証されている。即ち、この距離の長さは、少なくともクランプエレメントの厚さを含む保持エレメントの厚さに少なくとも相当する。これにより、心線受容部内に導入された後に心線が「引き出されて傾けられる」危険は減じられる。
【0015】
さらに、クランプエレメントと保持エレメントのこのような形式の配置により、心線ガイド部分の特に簡単な製造が可能である。クランプエレメントと保持エレメントとがオーバラップすることなく配置されていることにより、心線ガイド部分の製造を、心線ガイド部分の長手方向で移動可能な2つの型パンチによって簡単に実施することができ、これらの型パンチからの心線ガイド部分の離型も長手方向で行われる。長手方向移動可能な型パンチを使用することにより、複数の心線受容部を備えたケーブル接続部品を簡単に製造することができ、この場合、心線ガイド部分における心線受容部の位置、ひいては切断コネクタの位置も、任意に選択することができる。これにより、心線受容部の位置決めを、ケーブル接続部品の特に高周波数特性に関して最良にすることができる。
【0016】
ケーブル接続部品の第1の好適な構成によれば、前記クランプエレメントの前記外面から前記心線ガイド部分の前記長手方向軸線までの間隔は、前記保持エレメントの前記内面から前記長手方向軸線までの間隔よりも小さい、又は該間隔と同じである。前記クランプエレメントの前記外面の間隔が、前記保持エレメントの前記内面の間隔と同じである構成であっても、クランプエレメントと保持エレメントとは重なり合うことはなく、心線導入方向で見て、正確に互いに同一平面上にある。この場合、各保持エレメントには、心線導入方向で1つのクランプエレメントが対応配置されているので、クランプエレメントの外面は、対応配置された保持エレメントの内面に対して平行に延在している。好適には、内面と外面とは平らな面である。
【0017】
従って、心線ガイド部分の長手方向軸線までの内面と外面の間隔をこのような構成のように選択した場合、保持エレメントとクランプエレメントは心線導入方向で段状に配置されており、保持エレメントは外側の段を、クランプエレメントは内側の段を形成している。従って、クランプエレメントは、心線ガイド部分の長手方向軸線の方向で保持エレメントよりも内側に向かってずらされている。
【0018】
ケーブル接続部品のさらに好適な構成では、前記心線受容部は、心線導入方向で見て、前記クランプエレメントに続いてそれぞれ1つの当接領域を有しており、前記当接領域の外面から前記長手方向軸線までの間隔は、前記クランプエレメントの内面から前記長手方向軸線までの間隔よりも小さい、又は該間隔と同じである。従って、当接領域は、心線導入方向見てクランプエレメントの後方で心線ガイド部分に配置されている。好適には、当接領域は2つの面エレメントを有していて、この場合それぞれ1つの面エレメントが1つのクランプエレメントに対応配置されている。特に、当接領域の外面、即ち各面エレメントは、クランプエレメントの、心線導入方向で見て手前に位置する内面に対して平行にかつずらされて配置されている。
【0019】
全体として、この当接領域により段状の配置が得られ、この配置では心線導入方向で見て、保持エレメントの内面がクランプエレメントに外面に一致していて、クランプエレメントの内面が当接領域の外面に一致して配置されている。
【0020】
別の構成によれば、前記保持エレメントと前記クランプエレメントとが、かつ/又は、前記クランプエレメントと前記当接領域とが、前記心線ガイド部分の長手方向で互いに間隔を置いて配置されていることにより特に、確実な心線ガイドが保証される。このために、保持エレメントとクランプエレメントとの間に、若しくはクランプエレメントと当接領域との間に、好適には隙間が設けられている。好適にはこの隙間は、約0.5mm〜5mmの長さを有している。間隔を置いて配置されていることにより、クランプエレメントは完全に独立している。
【0021】
本発明の別の構成により、2つの隣接する心線受容部の2つのクランプエレメントの内面が、1つの共通の平面に位置していて、この平面は、心線ガイド部分の長手方向軸線に対して平行に配置されているならば、特に好適である。2つの隣接する心線受容部の、互いに直接隣接する2つのクランプエレメントの内面はこの場合、心線ガイド部分の長手方向軸線を中心とした仮想円に接線状に配置された平面に位置している。クランプエレメントのこのような配置により、心線受容部の簡単な配置が可能である。1つの心線受容部の両クランプエレメントは、前記仮想円に接線状に配置された両平面の間の角度に相当する角度をなして互いに向かい合って位置している。
【0022】
このような態様では、2つの隣接する前記心線受容部の2つのクランプエレメントの外面と、2つの保持エレメントの内面も、1つの共通の平面に配置されていると特に好適である。外面と内面が1つの共通の平面に配置されていることにより、心線導入方向で、クランプエレメントと保持エレメントとが重なることなく配置されることが保証されている。
【0023】
別の構成によれば、心線ガイド部分における心線受容部の配置は、保持エレメントの内面が1つの共通の第1の半径上に配置されていることによっても簡単にすることができる。従って全ての保持エレメントの内面は湾曲されていて、心線ガイド部分の長手方向軸線に対して全て同じ半径方向の間隔を有している。この間隔は第1の半径に相当する。付加的に又は選択的に、クランプエレメントの内面も同様に、心線ガイド部分の長手方向軸線を中心とした1つの共通の第2の半径上に配置されている。このために、クランプエレメントの内面も、少なくとも心線ガイド部分の長手方向軸線の方向に合わせられて湾曲された形状を有している。特に好適には、保持エレメントの外面も湾曲されていて、長手方向軸線を中心とする1つの共通の半径上に配置されている。
【0024】
上記構成では、保持エレメントの内面と、クランプエレメントの外面が、1つの共通の第1の半径上に配置されているならば特に有利であることがわかっている。これにより、心線導入方向で、保持エレメントとクランプエレメントとが重なることなく配置されることが保証されている。保持エレメントの内面とクランプエレメントの外面とが1つの共通の第1の半径上に配置されていることにより、クランプエレメントと保持エレメントとのずらされた段状の配置が生じる。
【0025】
本発明によるケーブル接続部品を使用して、差し込みコネクタの高周波数特性を最適にするためには、前記心線受容部が、前記心線ガイド部分に非対称的に配置されており、特に前記心線ガイド部分の周面に沿って非対称的に分配配置されているならば有利である。心線ガイド部分に心線受容部が非対称的に配置されていることにより、ケーブルの心線のグループ化が可能であるので、例えば、影響を与え合う信号を通すべき心線のための心線受容部は、互いにより大きな間隔を置いて配置される。このために5芯ケーブルの場合、例えば、心線受容部が、2つの心線受容部を有する第1のグループと、3つの心線受容部を有する第2のグループとにグループ化されており、両グループの心線受容部の間には、1つのグループにおける心線受容部間よりも大きな間隔が置かれている。このような構成は、心線ガイド部分がほぼ円形の基本形状を有している場合には、心線受容部が端面側で心線ガイド部分に配置されていて、心線ガイド部分の周面に沿って非対称的に配置されているならば提供される。
【0026】
ここで説明する最後の構成によれば、ケーブル接続部品の組み立ては、前記ケーブル受容部分は、前記心線ガイド部分に面した側に複数の係止アームを有しており、前記心線ガイド部分は、前記ケーブル受容部分に面した側に、前記係止アームに対応する、内側に突出した複数の係止フック又は係止切欠を有しており、これにより、前記心線ガイド部分は前記ケーブル受容部分に係止可能であることにより容易にされる。従って、両構成部分、即ち、心線ガイド部分とケーブル受容部分とを互いに係止させることにより、ケーブル接続部品のスプライス部分を簡単に製造することができる。
【0027】
詳細には、本発明によるケーブル接続部品を構成し、改良する多数の可能性がある。このためには、請求項1に続く請求項、並びに、図面につき好適な実施形態を示した以下の説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】ケーブル接続部品を分解して示す斜視図である。
【
図2】接続されたケーブルを備えたケーブル接続部品を部分的に断面して示した図である。
【
図3】接続されたケーブルを備えたケーブル接続部品を有するケーブル接続装置の縦断面図である。
【
図4】分離された心線ガイド部分を示す斜視図である。
【
図5】
図4の心線ガイド部分を示す第2の斜視図である。
【0029】
図1には、
図2及び
図3に示した多芯ケーブル2を接続するための本発明によるケーブル接続部品1が示されている。ケーブル接続部品1は特に、雌ねじ山3を有するユニオンナット4と、絶縁材料から成る、複数の切れ口5を有するスプライス部分6とを有している。切れ口5の数はこの場合、少なくともケーブル2の心線7の数に相当する。雌ねじ山3を有するユニオンナット4が、対応する雄ねじ山8を有する接続体9にねじ込まれると、スプライス部分6は円筒状の接続体9内に押し込まれ、この際に、接続体9に配置された切断コネクタ10が、スプライス部分6に設けられている切れ口5内に入り込み、切断コネクタ10は、組み付け状態で切れ口5と交差している個々の心線7の心線絶縁体を貫通して、個々の心線7に接触する。
【0030】
図1の分解図からわかるように、スプライス部分6はケーブル受容部分11と、このケーブル受容部分11に掛止可能なスリーブ状の心線ガイド部分12とを有している。この場合、ケーブル受容部分11は複数のばね弾性的な係止アーム13を有していて、心線ガイド部分12は、内側に向いた、即ちこの心線ガイド部分12の長手方向軸線の方向に向いた、係止アーム13に対応する係止フック14を有している。スプライス部分6を組み付けるためには、心線ガイド部分12の、スリーブ状の領域を、ケーブル受容部分11に被せ嵌め、この際に係止フック14が係止アーム13に係止する(
図2参照)。
【0031】
図1からさらに判るように、ケーブル接続部品1は、リング状のシール部材15を有していて、このシール部材15は、ケーブル受容部分11にリング状に形成された複数の薄片16と共に、張力軽減及びシール領域を形成している。薄片16はこの場合、ユニオンナット4がねじ込まれる際に、ユニオンナット4の内側に設けられた傾斜部と、PGねじの形式で協働するので、ユニオンナット4が接続体9に被せ嵌められる際に、薄片16はシール部材15に押し付けられ、これにより、シール作用が得られ、同時に、導入されるケーブル2の張力も軽減される。さらに、ケーブル受容部分11と心線ガイド部分12との間に、Oリング状のシール部材17が設けられており、このシール部材17は、組み付けの際に、このためにケーブル受容部分11に設けられた溝内に収容される。
【0032】
図3に示したケーブル接続装置18は、ケーブル接続部品1と機器接続部品19とを有している。機器接続部品19は、雄ねじ山8を有した接続体9と、接続すべき心線7の数に相当する数の切断コネクタ10と、切断コネクタ10に導電接続された接続エレメント20とを有している。この場合、接続エレメント20はピンコンタクトとして形成されていて、切断コネクタ10にそれぞれろう付け又は溶接されている。
図3に示したケーブル接続装置18の実施形態では、機器接続部品19は差し込みコネクタとして形成されている。接続体9は、ケーブル接続部品1とは反対側に第2の雄ねじ山21を有している。この雄ねじ山21は回転可能であって、従って、機器に設けられた対応する接続ソケットにねじ込むことができる。
【0033】
多芯ケーブル2を導電接続するためには、まず、ケーブル2がケーブル接続部品1内に導入される。この際に、ケーブル2の端部は、ユニオンナット4に設けられた後方の開口を通されて、個々の心線端部が、ユニオンナット4とは反対側の端面側で、スプライス部分6若しくは心線ガイド部分12から突出するまでスプライス部分6内に押し込まれる。次いで、個々の心線端部は外方に向かって約90°曲げられ、心線ガイド部分12に形成された心線受容部22内へ導入される(
図2参照)。
【0034】
心線受容部22の構成は特に
図4〜
図6に示されている。各心線受容部22は、2つの保持エレメント23と、1つのクランプギャップ24を形成する2つのクランプエレメント25とを有している。心線端部は、心線受容部22内に導入されるが、この場合、まず、両保持エレメント23の間を通って、次いでクランプギャップ24内へと挿入される。この場合、保持エレメント23は、心線端部がクランプギャップ24から、ひいては心線受容部22からも再び抜け出してしまうことを阻止している(
図2及び
図4参照)。
【0035】
図2及び
図3によりさらに、ユニオンナット4を接続体9の雄ねじ山8にねじ込む際に、スプライス部分6が接続体9内に押し込まれ、この際に、接続体9に配置された切断コネクタ10が、心線ガイド部分12に形成された端面側の開かれた切れ口5内に入り込むことがわかる。これにより、切れ口5に交差する、外方に曲げられた心線端部が切断コネクタ10により確実に接触されることが保証される。
【0036】
図4及び
図5には、1つの心線ガイド部分12が2つの異なる斜視図で示されている。心線ガイド部分12は、この実施形態では8つの心線受容部22を有しており、各心線受容部22は、2つの保持エレメント23と、1つのクランプギャップ24を形成する2つのクランプエレメント25とを有している。
【0037】
特に
図5により明らかであるように、心線導入方向で見て、まず保持エレメント23が、次いでクランプエレメント25が配置されている。この場合、クランプエレメント25の外面26は、心線ガイド部分12の長手方向軸線に対して半径方向で、保持エレメント23の内面27と同じ間隔を有している。心線導入方向ではクランプエレメント25に次いで当接領域28が配置されている。この当接領域28の外面29は、心線ガイド部分12の長手方向軸線に対して半径方向で、クランプエレメント25の内面30と同じ間隔を有している。全ての面は平らな面であるので、各間隔は、心線ガイド部分12の長手方向軸線に対する各平面法線の間隔である。この場合、
図4によれば、保持エレメント23、クランプエレメント25、当接領域28が段状に配置されていることが判る。
【0038】
図6には、心線ガイド部分12の一部、即ち、1つの心線受容部22が拡大されて示されている。保持エレメント23、クランプエレメント25、当接領域28は互いにずらされて、即ち段状に配置されている。
図6では見えない、保持エレメント23の内面27は、心線ガイド部分12の長手方向軸線に対して半径方向で、クランプエレメント25の外面26と同じ間隔を有している。従って保持エレメント23の内面27は、心線導入方向でそれぞれ保持エレメント23に続くクランプエレメント25の外面26が含まれる平面に位置している。さらに、クランプエレメント25の内面30は、長手方向軸線に対して半径方向で、当接領域28の外面29と同じ間隔を有している。保持エレメント23とクランプエレメント25並びにクランプエレメント25と当接領域28とは互いに間隔を置いて配置されているので、長手方向で、保持エレメント23とクランプエレメント25との間並びにクランプエレメント25と当接領域28との間にはそれぞれ1つの隙間が形成されている。心線の導入を簡単にするために、保持エレメント23は、クランプギャップ24の方向に傾けられた導入斜面31を有している。
【0039】
図7には、心線ガイド部分12の一部が、射出成形過程における製造中の状態で、即ち、第1の型部分32と第2の型部分33との間において、示されている。図示した断面は、心線受容部22の中心を通って延在しているものではなく、1つの保持エレメント23と、1つのクランプエレメント25と、1つの当接領域28及びその後方に(
図7では左側に)配置された切断コネクタ10のための切れ口5とを断面するものである。保持エレメント23の内面27が、心線ガイド部分12の長手方向軸線に対して半径方向で、クランプエレメント25の外面26と同じ間隔を有していることが明確に示されている。同様に、クランプエレメント25の内面30は、心線ガイド部分12の長手方向軸線に対して半径方向で、当接領域28の外面29と同じ間隔を有している。保持エレメント23と、クランプエレメント25と、当接領域28とがこのように段状に配置されていることにより、心線ガイド部分12をその長手方向で簡単に第1の型部分32と第2の型部分33とから取り外すことができ、即ちこの場合、第1の型部分32は
図7で見て下方に、第2の型部分33は
図7で見て上方に動かされる。