特許第6261852号(P6261852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6261852光学シートの製造方法、有機発光表示装置及び有機発光表示装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261852
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】光学シートの製造方法、有機発光表示装置及び有機発光表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/02 20060101AFI20180104BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20180104BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20180104BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20180104BHJP
   B32B 7/02 20060101ALI20180104BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20180104BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   G02B5/02 B
   H05B33/14 A
   H05B33/02
   H05B33/10
   B32B7/02 103
   G09F9/30 365
   H01L27/32
【請求項の数】16
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-255391(P2012-255391)
(22)【出願日】2012年11月21日
(65)【公開番号】特開2013-235233(P2013-235233A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2015年11月5日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0049193
(32)【優先日】2012年5月9日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】金 基棲
(72)【発明者】
【氏名】睦 朗均
(72)【発明者】
【氏名】白 種仁
【審査官】 廣田 健介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−032537(JP,A)
【文献】 特開平10−189237(JP,A)
【文献】 特開2002−277613(JP,A)
【文献】 特開2003−315515(JP,A)
【文献】 特開2000−075132(JP,A)
【文献】 特開2005−050708(JP,A)
【文献】 特開2007−171539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/00−5/136
B32B 1/00−43/00
H01L 51/50−51/56
H05B 33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光表示装置のための光学シートの製造方法であって、
少なくとも一つの透明層と少なくとも一つの光散乱層とを交互に繰り返して積層して積層構造物を形成する段階であって、
複数の透明層を準備する段階と、
複数の光散乱層を準備する段階と、
前記透明層と前記光散乱層を交互に配置する段階と、
前記透明層と前記光散乱層との間にそれぞれ接着層を形成する段階と、
前記透明層と前記光散乱層を積層させる段階と、
前記透明層の各々を、前記有機発光表示装置の表示パネルにおける画素領域に対応させて配置する段階と、
前記光散乱層の各々を、前記有機発光表示装置の表示パネルにおける前記画素領域の周辺領域に対応させて配置する段階と、
を含む段階と、
前記積層構造物を切断して第1切断面を形成する段階と、
前記積層構造物を切断して前記第1切断面に対して平行な第2切断面を形成する段階と含む、ことを特徴とする光学シートの製造方法。
【請求項2】
前記第1切断面と前記第2切断面との間の間隔が前記光学シートの厚さと同一であることを特徴とする請求項1に記載の光学シートの製造方法。
【請求項3】
前記第1切断面及び前記第2切断面は、前記透明層に対して直交することを特徴とする請求項1または2に記載の光学シートの製造方法。
【請求項4】
前記積層構造物を形成する段階は、一つの透明層上に一つの光散乱層をコーティングする工程及び前記一つの光散乱層上に他の一つの透明層をコーティングする工程を含むサイクルを繰り返して遂行する段階を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学シートの製造方法。
【請求項5】
前記光散乱層は、それぞれ透明接着剤及び光散乱式粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学シートの製造方法。
【請求項6】
前記透明層は、互いに同じ厚さを有し、前記光散乱層も互いに同じ厚さを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学シートの製造方法。
【請求項7】
前記透明層は、互いに違う厚さを有し、前記光散乱層も互いに違う厚さを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学シートの製造方法。
【請求項8】
前記光散乱層は、ナノ粒子型、球型、ディスク型、バブル型、及び多面体型を含むグループから選択される少なくとも一つの光散乱式粒子を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学シートの製造方法。
【請求項9】
スイッチング素子、第1電極、有機発光構造物、及び第2電極を具備し、第1方向と前記第1方向に直交する第2方向に沿って配列される複数の画素領域と前記画素領域を囲む周辺領域を含む表示パネルと、
前記表示パネル上に配置され、前記第1方向に沿って延伸して前記第2方向に沿って離隔される第1光散乱層パターン及び第1透明層パターンを含む第1光学シートと、
前記第1光学シート上に配置され、前記第2方向に沿って延伸して前記第1方向に沿って離隔される第2光散乱層パターン及び第2透明層パターンを含む第2光学シートと、を含み、
前記第1光散乱層パターンと前記第2光散乱層パターンは、前記周辺領域に対応するように配置され、
前記第1透明層パターンと前記第2透明層パターンは前記画素領域に対応するように配置されることを特徴とする有機発光表示装置。
【請求項10】
前記第1透明層パターンの幅は、前記各画素領域の幅の整数倍であり、前記第2透明層パターンの幅は、前記各画素領域の高さの整数倍であることを特徴とする請求項9に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
スイッチング素子、第1電極、有機発光構造物、及び第2電極を含み、第1方向と前記第1方向に直交する第2方向に沿って配列される複数の画素領域と前記画素領域を囲む周辺領域を含む表示パネルを形成する段階と、
前記表示パネル上に光学シートを形成する段階と、を含み、
前記光学シートを形成する段階は、
少なくとも一つの透明層と少なくとも一つの光散乱層を交互に繰り返して積層して積層構造物を形成する段階と、
前記積層構造物を切断して第1切断面を形成する段階と、
前記積層構造物を切断して前記第1切断面に対して平行な第2切断面を形成する段階を遂行して、前記第1方向に沿って延伸して前記第2方向に沿って離隔される光散乱層パターン及び透明層パターンを含む少なくとも一つ以上の光学シートを形成する段階と、を含み、
前記表示パネル上に光学シートを形成する段階は、前記透明層が前記画素領域に対応し、前記光散乱層が前記周辺領域に対応するように前記光学シートを形成することを含むことを特徴とする有機発光表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1切断面と前記第2切断面との間の間隔が、前記光学シートの厚さと同一であることを特徴とする請求項11に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1切断面及び前記第2切断面は、前記透明層に対して直交することを特徴とする請求項11または12に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記透明層パターンは互いに同じ幅を有し、前記光散乱層パターンも互いに同じ幅を有することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記透明層パターンの幅は、前記画素領域の幅または高さの整数倍に対応することを特徴とする請求項14に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記表示パネル上に前記光学シートを形成する段階は、
前記第1方向に沿って延伸し、前記第2方向に沿って離隔される第1光散乱層パターン及び第1透明層パターンを含む第1光学シートを前記表示パネル上に配置する段階と、
前記第2方向に沿って延伸し、前記第1方向に沿って離隔される第2光散乱層パターン及び第2透明層パターンを含む第2光学シートを前記第1光学シート上に配置する段階と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は光学シートの製造方法、光学シートを具備する有機発光表示装置及び光学シートを具備する有機発光表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示(organic light emitting display:LED)装置は、正極(anode)と負極(cathode)からそれぞれ提供される正孔と電子が、前記正極と負極との間に位置する有機発光層から結合して生成される光を利用して画像、文字などの情報を表現可能な表示装置である。このような有機発光表示装置は、広い視野角、速い応答速度、薄い厚さ、低い消費電力などの色々なメリットを有するので、有望な次世代ディスプレイ装置として脚光を浴びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】大韓民国特許出願公開2011−0071530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の有機発光表示装置においては、表示パネルの側面方向から放出される光の波長が前記表示パネルの正面方向に放出される光の波長と違った現象(即ち、側面カラーシフト現象)が発生して前記有機発光表示装置が表示する画像の画質が低下するという問題点があった。これによって、有機発光表示装置の側面カラーシフト現象を減少させるための研究が進行されてきた。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、光学的特性を有する新規かつ改良された光学シートの製造方法、有機発光表示装置及び有機発光表示装置の製造方法を提供することにある。
【0006】
ただし、本発明が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されるのではなく、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で多様に拡張されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、少なくとも一つの透明層と少なくとも一つの光散乱層とを交互に繰り返して積層して積層構造物を形成する段階と、前記積層構造物を切断して第1切断面を形成する段階と、前記積層構造物を切断して前記第1切断面に対して平行な第2切断面を形成する段階と、を含むことを特徴とする光学シートの製造方法が提供される。
【0008】
前記第1切断面と前記第2切断面との間の間隔が前記光学シートの厚さと同一であってもよい。
【0009】
前記第1切断面及び前記第2切断面は、前記透明層に対して直交してもよい。
【0010】
前記積層構造物を形成する段階は、一つの透明層上に一つの光散乱層をコーティングする工程及び前記一つの光散乱層上に他の一つの透明層をコーティングする工程を含むサイクルを繰り返して遂行する段階を含んでもよい。
【0011】
前記積層構造物を形成する段階は、複数の透明層を準備する段階と、複数の光散乱層を準備する段階と、前記透明層と前記光散乱層を交互に繰り返して積層する段階と、を含んでもよい。
【0012】
前記光散乱層は、それぞれ透明接着剤及び光散乱式粒子を含んでもよい。
【0013】
光学シートの製造方法は、前記透明層と前記光散乱層との間に接着層を形成する段階をさらに含んでもよい。
【0014】
前記透明層は、互いに同じ厚さを有し、前記光散乱層も互いに同じ厚さを有してもよい。
【0015】
前記透明層は、互いに違う厚さを有し、前記光散乱層も互いに違う厚さを有してもよい。
【0016】
前記光散乱層は、ナノ粒子型、球型、ディスク型、バブル型、及び多面体型を含むグループから選択される少なくとも一つの光散乱式粒子を含んでもよい。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、スイッチング素子、第1電極、有機発光構造物、及び第2電極を具備し、第1方向と前記第1方向に直交する第2方向に沿って配列される複数の画素領域と前記画素領域を囲む周辺領域を含む表示パネルと、前記表示パネル上に配置され、前記第1方向に沿って延伸して前記第2方向に沿って離隔される第1光散乱層パターン及び第1透明層パターンを含む第1光学シートと、前記第1光学シート上に配置され、前記第2方向に沿って延伸して前記第1方向に沿って離隔される第2光散乱層パターン及び第2透明層パターンを含む第2光学シートと、を含むことを特徴とする有機発光表示装置が提供される。
【0018】
前記第1透明層パターンの幅は、前記各画素領域の幅の整数倍であり、前記第2透明層パターンの幅は、前記各画素領域の高さの整数倍であってもよい。
【0019】
前記第1光散乱層パターンと前記第2光散乱層パターンは、前記周辺領域に対応するように配置されてもよい。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、スイッチング素子、第1電極、有機発光構造物、及び第2電極を含み、第1方向と前記第1方向に直交する第2方向に沿って配列される複数の画素領域と前記画素領域を囲む周辺領域を含む表示パネルを形成する段階と、前記表示パネル上に光学シートを形成する段階と、を含み、前記光学シートを形成する段階は、少なくとも一つの透明層と少なくとも一つの光散乱層を交互に繰り返して積層して積層構造物を形成する段階と、前記積層構造物を切断して第1切断面を形成する段階と、前記積層構造物を切断して前記第1切断面に対して平行な第2切断面を形成する段階を遂行して、前記第1方向に沿って延伸して前記第2方向に沿って離隔される光散乱層パターン及び透明層パターンを含む少なくとも一つ以上の光学シートを形成して段階と、を含むことを特徴とする有機発光表示装置の製造方法が提供される。
【0021】
前記第1切断面と前記第2切断面との間の間隔が、前記光学シートの厚さと同一であってもよい。
【0022】
前記第1切断面及び前記第2切断面は、前記透明層に対して直交してもよい。
【0023】
前記透明層パターンは互いに同じ幅を有し、前記光散乱層パターンも互いに同じ幅を有してもよい。
【0024】
前記透明層パターンの幅は、前記画素領域の幅または高さの整数倍に対応してもよい。
【0025】
前記表示パネル上に前記光学シートを形成する段階は、前記第1方向に沿って延伸し、前記第2方向に沿って離隔される第1光散乱層パターン及び第1透明層パターンを含む第1光学シートを前記表示パネル上に配置する段階と、前記第2方向に沿って延伸し、前記第1方向に沿って離隔される第2光散乱層パターン及び第2透明層パターンを含む第2光学シートを前記第1光学シート上に配置する段階と、を含んでもよい。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように本発明によれば、光学的特性を有する光学シートの製造方法、有機発光表示装置及び有機発光表示装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係る光学シートの製造方法を説明するための斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る光学シートの製造方法を説明するための斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る光学シートの製造方法を説明するための斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る光学シートの製造方法を説明するための斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る光学シートの製造方法を説明するための斜視図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る光学シートの製造方法を説明するための斜視図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る光学シートの製造方法を説明するための斜視図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る光学シートの製造方法を説明するための斜視図である。
図9】本発明のまた他の実施形態に係る光学シートの製造方法を説明するための斜視図である。
図10】本発明のまた他の実施形態に係る光学シートの製造方法を説明するための斜視図である。
図11】本発明のまた他の実施形態に係る光学シートの製造方法を説明するための斜視図である。
図12】本発明のまた他の実施形態に係る光学シートの製造方法を説明するための斜視図である。
図13】本発明の一実施形態に係る光学シートを具備する有機発光表示装置の斜視図である。
図14】本発明の一実施形態に係る光学シートを具備する有機発光表示装置の断面図である。
図15】本発明の一実施形態に係る光学シートを具備する有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図16】本発明の一実施形態に係る光学シートを具備する有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態に係る光学シートの製造方法、光学シートを含む有機発光表示装置及び光学シートを含む有機発光表示装置の製造方法について添付した図面を参照して詳細に説明するが、本発明が本明細書に記載された一実施形態によって制限されるものではない。該当分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で本発明を多様な他の形態で具現することができる。
【0029】
本明細書において、特定の構造的ないし機能的説明は、単に本発明の実施形態を説明する目的で例示されたものである。本発明の実施形態は多様な形態で実施されることができ、本明細書に説明された実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むと理解されるべきである。
【0030】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる、または「接続されて」いると言及された場合には、その他の構成要素に直接的に連結されている、または、接続されていることも意味するが、中間に他の構成要素が存在する場合も含むと理解されるべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる、または「直接接続されて」いると言及された場合には、中間に他の構成要素が存在しないと理解されるべきである。構成要素の間の関係を説明する他の表現、即ち、「〜の間に」と「直接〜の間に」または「〜に隣接する」と「〜に直接隣接する」等も同じように解釈されるべきである。
【0031】
本明細書で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定するものではない。単数の表現は文脈上明白に異なることがない限り、複数の表現を含む。本明細書で、「含む」、「備える」、または「有する」等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品または、これを組み合わせたのが存在するということを示すものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品または、これを組み合わせたものの存在または、付加の可能性を、予め排除するわけではない。
【0032】
また、特に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含み、本明細書中において使用される全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、一般的に理解するのと同一の意味を有する。一般的な辞書において定義される用語と同じ用語は、関連技術の文脈上有する意味と同一の意味を有するものと理解されるべきで、本明細書において明白に定義しない限り、理想的或いは形式的な意味として解釈してはならない。
【0033】
第1、第2、第3、第4等の用語は多様な構成要素を説明するのに使用されるが、これらの構成要素はこのような用語によって限定されてはならない。これらの用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使われる。例えば、本発明の権利範囲から逸脱せずに第1構成要素を第2構成要素、第3構成要素、または第4構成要素と称することができ、同様に、第2構成要素、第3構成要素、または第4構成要素も交互に命名することができる。
【0034】
図1図5は、本発明の一実施形態に係る光学シートの製造方法を説明するための斜視図である。
【0035】
図1に示したように、本発明の一実施形態による光学シートの製造に際し、まず第1透明層100a上に第1光散乱層110aをコーティングしてもよい。
【0036】
第1透明層100aは、予め決まった強度と透明度を有する透明な有機物質を含んでもよい。例えば、第1透明層100aは、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)樹脂、ポリエステル(polyester)樹脂、ポリアクリル(polydactyl)樹脂、ポリエポキシ(polyepoxy)樹脂、ポリエチレン(polyethylene)樹脂、ポリスチレン(polystyrene)樹脂、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate)樹脂、ポリカーボネート(poly carbonate)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、シクロオレフィン共重合体(cyclo olefin copolymer)、トリアセチルセルロース(triacety cellulose)または、これらの混合物などのような透明樹脂を含むことができる。また、第1透明層100aは予め決まった厚さを有することができる。一実施形態において、第1透明層100aの厚さは、表示装置の画素領域の高さまたは、幅に実質的に対応することができる。例えば、第1透明層100aの厚さは、表示装置の画素領域の高さまたは、幅の整数倍であってもよい。
【0037】
第1光散乱層110aは第1透明層100a上に塗布されることができる。一実施形態において、第1光散乱層110aは、浸漬塗工法(dip coating)工程、スピンコーティング(spin coating)工程、スクリーンコーティング(screen coating)工程、スプレーコーティング(spray coating)工程、ナイフコーティング(knife coating)工程、グラビアコーティング(Gravure coating)工程、超音波噴霧コーティング(ultrasonic atomizing coating)工程、スプレー−ミスト噴霧コーティング(spray−mist atomizing coating)工程、オフセットプリンティング(offset printing)工程、インクジェットプリンティング(inkjet printing)工程、パッドプリンティング(pad printing)工程などを通じて形成することができる。
【0038】
一実施形態において、第1光散乱層110aは、光散乱式粒子125を含む塗布額を使うスピンコーティング工程を通じて第1透明層100a上に形成することができる。例えば、光散乱式粒子125は、ナノ粒子型、球型、ディスク型、バブル型、多面体型などの多様な形状を有してもよい。
【0039】
また、第1光散乱層110aは、予め決まった厚さを有するように形成することができる。一実施形態において、第1光散乱層110aの厚さは前記表示装置の周辺領域の幅に実質的に対応することができる。
【0040】
さらに、図2に示したように、第1光散乱層110a上に第2透明層100bをコーティングしてもよい。
【0041】
一実施形態において、第2透明層100bは、浸漬塗工法工程、スピンコーティング工程、スクリーンコーティング工程、スプレーコーティング工程、ナイフコーティング工程、グラビアコーティング工程、超音波噴霧コーティング工程、スプレー−ミスト噴霧コーティング工程、オフセットプリンティング工程、インクジェットプリンティング工程、パッドプリンティング工程などを通じて形成することができる。
【0042】
第2透明層100bは、第1透明層100aと実質的に同じ物質を使って形成することができる。他の実施形態によれば、第2透明層100bは第1透明層100aと他の透明樹脂を使って形成することもできる。
【0043】
一実施形態において、第2透明層100bは、第1透明層100aと実質的に同じ厚さを有するように形成することができる。他の実施形態によれば、第2透明層100bと第1透明層100aは、互いに違う厚さを有することができる。
【0044】
その後、図3に示したように、上述したコーティング工程を繰り返して遂行し、透明層100と光散乱層110が交互に繰り返して積層された構造物130を形成することができる。例えば、図1及び図2を参照して説明した透明層100を形成するためのコーティング工程と光散乱層110を形成するためのコーティング工程のサイクルを繰り返して遂行して積層構造物130を形成することができる。即ち、第2透明層100b上に上述したコーティング工程を通じて第2光散乱層110bを形成することができ、第2光散乱層110b上に上述したコーティング工程を通じて第3透明層100cを形成することができ、第3透明層100c上に上述したコーティング工程を通じて第3光散乱層110cを形成することができる。また、第3光散乱層110c上には第4透明層100dが形成することができる。
【0045】
一実施形態によれば、透明層100は実質的に同じ厚さを有してもよく、光散乱層110も実質的に同じ厚さを有してもよい。他の実施形態において、透明層100は互いに違う厚さを有してもよく、光散乱層110も互いに違う厚さを有してもよい。
【0046】
図3では積層構造物130が、複数の透明層100と複数の光散乱層110を含むことと図示されている、本発明がこれによって制限されるのではない。即ち、透明層100を形成するためのコーティング工程と光散乱層110を形成するためのコーティング工程のサイクルは、数十回〜数千回程度で繰り返されることができる。これに伴い、数十〜数千個の光散乱層110と透明層100が交互に繰り返して積層されて積層構造物130を構成することもできる。
【0047】
さらに、図4に示したように、積層構造物130を切断して第1切断面132を形成する。
【0048】
積層構造物130は、光学的、物理的、熱的、化学的方法、または、二種類以上の方法が混合された工程などを通じて切断されてもよい。一実施形態において、積層構造物130は、レーザーを利用して切断されてもよい。他の実施形態によれば、積層構造物130は、回転する刃または鋸の刃によって切断されてもよい。
【0049】
上述した切断工程を通じて第1切断面132が形成することができる。第1切断面132は積層構造物130の表面に対して予め決まった角度で切断してもよい。例えば、第1切断面132は透明層100に対して実質的に直交してもよい。すなわち、第1切断面132は、積層構造物130を各層の積層方向に沿って切断することにより形成されてもよい。
【0050】
続いて、図5に示したように、積層構造物130を切断して第2切断面134を形成し、光学シート140を完成する。なお、第2切断面134は、第1切断面132と同様に透明層100に対して実質的に直交してもよい。すなわち、第2切断面134は、積層構造物130を各層の積層方向に沿って切断することにより形成されてもよい。
【0051】
第1切断面132を有する積層構造物130は、光学的、物理的、熱的、化学的方法または、二種類以上の方法が混合した工程などを通じて切断してもよい。例えば、積層構造物130は図4を参照して説明した切断工程と実質的に同一であるか、或いは、類似の工程を通じて切断されてもよい。
【0052】
上述した切断工程を通じて第2切断面134を形成してもよい。一実施形態において、第2切断面134は第1切断面132と実質的に平行してもよい。また、第2切断面134は第1切断面132と約5um〜約1,000um程度の距離で離隔してもよい。
【0053】
上述した切断工程によって、第1切断面132と第2切断面134を具備する光学シート140が収得されることができる。この場合、光学シート140の厚さは第1切断面132と第2切断面134との間の距離と実質的に同一であってもよい。光学シート140は一方向に沿って延伸する透明層パターン145と光散乱層パターン150を含んでもよい。
【0054】
図4及び図5において、第1切断面132を形成する工程と第2切断面134を形成する工程が順次に遂行されることで図示されてはいるが、本発明がこれによって制限されるのではない。例えば、第1切断面132を形成する工程と第2切断面134を形成する工程は同時に遂行しもよい。
【0055】
一実施形態によれば、別途のパターニング工程を遂行しないのに、交互に繰り返して配置された透明層パターン145と光散乱層パターン150を具備する光学シート140を製造することができる。光学シート140を表示装置に適用する場合、光学シート140は前記表示装置の正面方向に放出される光の輝度を維持させながら、前記表示装置の側面方向に放出される光のカラーシフト(color shift)現象を抑制することができる。従って、前記表示装置が現わす画像の品質を改善することができる。
【0056】
図6図8は本発明の他の実施形態に係る光学シートの製造方法を説明するための斜視図である。
【0057】
図6に示したように、透明層200と光散乱層210を交互に繰り返して配置してもよい。
【0058】
一実施形態において、第1透明層200a、第2透明層200b、第3透明層200c、第4透明層200dなどを含む数十個〜数千個の透明層200が配置されてもよいし、第1光散乱層210a、第2光散乱層210b、第3光散乱層210cなどを含む数十個〜数千個の光散乱層210が配置されてもよい。
【0059】
一実施形態によれば、透明層200はそれぞれ図1を参照して説明した第1透明層100aと実質的に同じ物質を含むことができる。
【0060】
光散乱層210a、210b、210cは、それぞれ接着剤220a、220b、220c、及び、光散乱式粒子225a、225b、225cを含んでもよい。即ち、第1光散乱層210aは第1接着剤220a及び第1光散乱式粒子225aを含んでもよく、第2光散乱層210bは第2接着剤220b及び第2光散乱式粒子225bを含んでもよく、第3光散乱層210cは第3接着剤220c及び第3光散乱式粒子225cを含んでもよい。一実施形態において、接着剤220a、220b、220cは、ゴム系(rubber−based)接着剤、アクリル系(acryl−based)接着剤、ビニルエーテル系(vinyl ester−based)接着剤、シリコン系(silicon−based)接着剤、ウレタン系(urethane−based)接着剤のような透明な減圧性接着剤を含むことができる。また、光散乱式粒子225a、225b、225cは、ナノ粒子型、球型、ディスク型、バブル型、及び多面体型などの形態を有することができる。
【0061】
そして、図7に示したように、透明層200と光散乱層210を接着して、積層構造物230を形成することができる。
【0062】
光散乱層210は接着剤220a、220b、220cを含むので、光散乱層210と透明層210を接着するための、別途の接着フィルムが要求されない。一実施形態において、接着剤220a、220b、220cが減圧性接着剤を含む場合、透明層200と光散乱層210を交互に繰り返して順次に積層した後、圧力を加えて積層構造物230を形成することができる。
【0063】
図7では積層構造物230は複数の透明層200と複数の光散乱層210を含むことと図示されているが、本発明はこれによって制限されるのではない。例えば、積層構造物230は交互に繰り返して積層された数十〜数千個の光散乱層210と透明層200を含むことができる。
【0064】
さらに、図8に示したように、積層構造物230を切断し第1切断面232及び第2切断面234を形成して光学シート240を完成する。
【0065】
積層構造物230は図4及び図5を参照して説明した切断工程と実質的に同一であるか、或いは、類似の工程を通じて切断されてもよい。これに伴い、第1切断面232と第2切断面234を有する光学シート240が形成することができる。光学シート240は交互に繰り返して配置された透明層パターン245と光散乱層パターン250を具備してもよい。第1切断面232と第2切断面234との間の距離は光学シート240の厚さと実質的に同一であってもよい。
【0066】
一実施形態によれば、別途のパターニング工程及びコーティング工程を遂行しないのに、交互に繰り返して配置された透明層パターン245及び光散乱層パターン250を具備する光学シート240を形成することができる。また、光散乱層210は接着剤220を含むので、追加的な接着剤層が省略されることができる。
【0067】
図9図12は、本発明のまた他の実施形態に係る光学シートの製造方法を説明するための斜視図である。
【0068】
図9に示したように、透明層300と光散乱層310は交互に繰り返して配置されてもよい。
【0069】
透明層300と光散乱層310は、図1を参照して説明した透明層100及び光散乱層110と実質的に同一であるか、或いは、類似の物質を含んでもよい。また、図6を参照して説明した工程と実質的に同一であるか、或いは、類似の工程を遂行して、透明層300と光散乱層310を交互に繰り返して配置してもよい。一実施形態によれば、第1透明層300aと第2透明層300bとの間には第1光散乱層310aを配置してもよく、第1光散乱層310aと第2光散乱層310bとの間には第2透明層300bを配置してもよい。第3透明層300c、第4透明層300d、及び第3光散乱層310cも上述したのと同じ方式で配置してもよい。
【0070】
さらに、図10に示したように、透明層300と光散乱層310との間に接着層320が配置されてもよい。
【0071】
接着層320は、図6を参照して説明した接着剤220と実質的に同一であるか、或いは、類似の物質を含むことができる。接着層320は透明層300と光散乱層310との間に配置してもよい。
【0072】
その後、図11に示したように、透明層300、光散乱層310、及び接着層320を接着して積層構造物330を形成することができる。
【0073】
接着層320は上面及び下面に配置された透明層300及び光散乱層310を接着することができる。これに伴い、透明層300,光散乱層310及び接着層320が交互に繰り返して積層された構造物330を形成することができる。
【0074】
図11では積層構造物330は複数の透明層300、複数の光散乱層310及び複数の接着層320を含むことと図示されているが、本発明はこれによって制限されるのではない。例えば、積層構造物330は交互に繰り返して積層された数十〜数千個の光散乱層310、透明層300及び接着層320を含むことができる。
【0075】
続いて、図12に示したように、積層構造物330を切断して第1切断面332及び第2切断面334を形成することによって光学シート340を完成する。
【0076】
図8を参照して説明した工程と実質的に同一であるか、或いは、類似の工程を遂行して、第1切断面332及び第2切断面334を形成することができる。これに伴い、透明層パターン345、光散乱層パターン350及び接着層パターン355が交互に繰り返して配置された光学シート340を形成することができる。
【0077】
一実施形態によれば、別途のパターニング工程及びコーティング工程を遂行しないのに、交互に繰り返して配置された透明層パターン345、光散乱層パターン350及び接着層パターン355を具備する光学シート340を形成することができる。
【0078】
図13及び図14は、それぞれ本発明の一実施形態に係る光学シートを具備する有機発光表示装置の斜視図及び断面図である。
【0079】
図13は本発明の一実施形態に係る光学シートを具備する有機発光表示装置の分解斜視図であり、図14図13のI−I’ラインに従って切断した断面図である。
【0080】
図13及び図14を参照すれば、前記有機発光表示装置は表示パネル500、表示パネル500上に配置された第1光学シート400及び第2光学シート450を含んでもよい。
【0081】
表示パネル500は、第1方向とこのような第1方向に対して実質的に直交する第2方向に沿って配列された画素領域(I)及び画素領域(I)を取り囲む周辺領域(II)を含むことができる。一実施形態において、画素領域(I)は、それぞれ実質的に同じ形態とサイズを有することができる。例えば、画素領域(I)は第1高さH1と第1幅W1を有してもよく、周辺領域(II)は第2幅W2を有してもよい。
【0082】
表示パネル500は、第1基板510、スイッチング構造物(switching structure)、第1電極570、発光構造物(light emitting structure)、第2電極620などを含むことができる。例えば、図14に例示した有機発光表示装置は、背面発光構造を有することができる。
【0083】
前記スイッチング構造物は第1基板510上に配置してもよく、第1電極570は、前記スイッチング構造物上に位置してもよく、前記スイッチング構造物に電気的に接続されてもよい。前記発光構造物は第1電極570と第2電極620との間に配置されてもよい。
【0084】
第1基板510は透明絶縁基板を含んでもよい。例えば、第1基板510はガラス基板、石英基板、透明プラスチック基板などを含んでもよい。他の実施形態において、第1基板510は、軟性を有する基板(flexible substrate)から構成してもよい。
【0085】
前記有機発光表示装置がアクティブマトリクス方式を採用する場合、前記スイッチング構造物は第1基板510と第1電極570との間に配置してもよい。一実施形態において、前記スイッチング構造物はそれぞれトランジスタのようなスイッチング素子と複数の絶縁層を含んでもよい。
【0086】
前記スイッチング構造物の前記スイッチング素子が薄膜トランジスタ(TFT)を含む場合、前記スイッチング素子はゲート電極552、ソース電極554、ドレーン電極556、半導体層530などから構成してもよい。
【0087】
ゲート電極552にはゲート信号が印加されることができ、ソース電極554にはデータ信号が印加されることができる。ドレーン電極556は第1電極570に電気的に接続されてもよく、半導体層530はソース電極554とドレーン電極556に電気的に接触されてもよい。ここで、半導体層530はソース電極554に接続されるソース領域534、ドレーン電極556に接触するドレーン領域536、そしてソース領域534とドレーン領域536との間に位置するチャネル領域532を含んでもよい。
【0088】
半導体層530上にはゲート電極552を半導体層530から電気的に絶縁させるゲート絶縁膜540を配置してもよく、ゲート絶縁膜540上にはゲート電極552を覆う第1絶縁層560を配置してもよい。
【0089】
図14に例示的に図示したスイッチング素子において、半導体層530上部にゲート電極552が配置されるトップゲート(top−gate)構造の薄膜トランジスタが例示的に図示されているが、前記スイッチング素子の構成がここに限定されるのではない。例えば、前記薄膜トランジスタは半導体層下にゲート電極が位置するボトムゲート(bottom−gate)構造を有してもよい。
【0090】
前記スイッチング構造物の第2絶縁層565は、ソース電極554とドレーン電極556とを覆って第1絶縁層560上に配置されてもよく、実質的に平坦な上面を有してもよい。
【0091】
図14に図示したように、前記発光構造物はそれぞれ正孔輸送層(HIL)590、有機発光層(EL)600、電子輸送層(ETL)610などを含むことができる。一実施形態において、有機発光層600は、赤色光、緑色光、または、青色光を発生させるための発光物質を含んでもよい。他の実施形態によれば、有機発光層600は互いに違う波長を有する光を発生させる複数の発光物質が混合された物質を含んでもよい。
【0092】
前記スイッチング構造物と前記発光構造物との間には第1電極570を配置してもよく、前記発光構造物と第2基板660との間に第2電極620を位置させてもよい。また、画素定義膜575を前記スイッチング構造物と前記発光構造物との間で第1電極570が配置されない部分に位置してもよい。
【0093】
一実施形態において、有機発光層600は画素領域(I)内に配置してもよく、画素定義膜575は周辺領域(II)内に配置してもよい。従って、有機発光層600から発生した光は画素領域(I)で放出し、画素定義膜575が配置された周辺領域(II)では光が放出されないこともある。
【0094】
一実施形態によれば、第1電極570は前記発光構造物の正孔輸送層590に正孔(holes)を提供する正極(anode)に該当することができ、第2電極620は電子輸送層610に電子を提供する負極(cathode)に該当することができる。前記有機発光表示装置の発光方式により、第1電極570は透過電極または、反透過電極に該当することができ、第2電極620は反射電極に該当することもできる。例えば、第1電極570は、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウム錫酸化物(ITO)、錫酸化物(SnOx)、亜鉛酸化物(ZnOx)などのような透明導電性物質を含んでもよく、第2電極620はアルミニウム(Al)、白金(Pt)、銀(Ag)、金(Au)、クロム(Cr)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、これらの合金などのような相対的に高反射率を有する金属を含んでもよい。
【0095】
第2基板660は第2電極620上に配置してもよい。第2基板660は透明基板を含んでもよい。例えば、第2基板660はガラス基板、透明プラスチック基板などを含んでもよい。一方、第2基板660は、軟性を有する基板から構成してもよい。一実施形態において、第2基板660は第1基板510と実質的に同じ物質を含んでもよいが、第1及び第2基板510、660が互いに違った物質を含んでもよい。
【0096】
第1光学シート400は、図1図6を参照して説明した光学シート140と実質的に同一であるか、或いは、類似することができる。即ち、第1光学シート400は第1透明層パターン410及び第1光散乱層パターン420を含むことができる。第1透明層パターン410及び第1光散乱層パターン420は、前記第1方向に沿って延伸してもよく、前記第2方向に沿って整列してもよい。ここで、第1光散乱層パターン420は、それぞれ第1光散乱式粒子430を含んでもよい。
【0097】
一実施形態において、第1透明層パターン410の幅は、画素領域(I)の第1高さH1に実質的に対応することができ、第1光散乱層パターン420の幅は周辺領域(II)の第2幅W2に実質的に対応することができる。即ち、第1透明層パターン410の幅は、画素領域(I)の第1高さH1の整数倍であってもよく、第1光散乱層パターン420の幅は、周辺領域(II)の第2幅W2の整数倍であってもよい。これに伴い、第1光散乱層パターン420が周辺領域(II)と実質的に重なるように配置してもよい。
【0098】
一方、第2光学シート450も第1光学シート400と実質的に類似していてもよい。この場合、第2光学シート450は前記第2方向に沿って延伸した第2透明層パターン460及び第2光散乱層パターン470を含むことができる。
【0099】
一実施形態において、第2透明層パターン460の幅は、画素領域(I)の第1幅W1に実質的に対応してもよく、第2光散乱層パターン470の幅は、周辺領域(II)の第2幅W2に実質的に対応してもよい。従って、第2光散乱層パターン470が周辺領域(II)と実質的に重なるように配置してもよい。
【0100】
一実施形態に係る有機発光表示装置において、第1透明層パターン410及び第2透明層パターン460は、画素領域(I)に実質的に対応するように配置してもよい。画素領域(I)で発生して第1光学シート400と直交する方向に進行する光(即ち、前記有機発光表示装置の正面方向に進行する光)は第1透明層パターン410及び第2透明層パターン460のみを通過してもよく、これに伴い、第1光学シート400及び第2光学シート450を通過する時に光の輝度が維持されてもよい。反面、第1光散乱層パターン420及び第2光散乱層パターン470は、周辺領域(II)に対応するように配置してもよい。画素領域(I)で発生して第1光学シート400と所定の角度をなす方向に進行する光(即ち、前記有機発光表示装置の側面方向に進行する光)は、第1光散乱層パターン420及び第2光散乱層パターン470を通過してもよい。これに伴い、前記の側面方向に進行する光は第1光散乱層パターン420及び第2光散乱層パターン470で分散することができ、光の波長変化が減少することができる。結局、前記正面方向に進行する光と前記の側面方向に進行する光との間の色変化(color shift)現象を減少させることができるので、前記有機発光表示装置が向上した品質を有する画像を表示することができる。
【0101】
図15図16はそれぞれ本発明の一実施形態に係る光学シートを具備する有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図及び斜視図である。
【0102】
図15を参照すれば、前記有機発光表示装置の表示パネル500が提供されることができる。
【0103】
表示パネル500は、図14を参照して説明した表示パネル500と実質的に同一であるか、或いは、実質的に類似の構成を有してもよく、これに対する詳細な説明は省略する。
【0104】
図16を参照すれば、表示パネル500上に第1光学シート400及び第2光学シート450を形成することができる。一実施形態において、第1光学シート400及び第2光学シート450は、図1図12を参照して説明した工程と実質的に同一であるか、或いは、実質的に類似の工程によって形成することができる。従って、第1及び第2光学シート400、450の製造過程に対する詳細な説明は省略する。
【0105】
表示パネル500上に第1光学シート400を形成してもよい。一実施形態において、第1光学シート400の第1光散乱層パターンが表示パネル500の周辺領域(II)と実質的に重なり、第1光学シート400の第1透明層パターンが画素領域(I)と実質的に重なるように配置してもよい。例えば、前記第1光散乱層パターンは、表示パネル500上で第1方向に沿って延伸することができる。
【0106】
第1光学シート400上には第2光学シート450が形成されてもよい。ここで、第2光学シート450の第2光散乱層パターン470は、第1光学シート400の第1光散乱層パターンと実質的に直交するように配置してもよい。即ち、第2透明パターン460と第2光散乱層パターン470は、前記第1方向に対して実質的に直交する第2方向に沿って延伸することができる。一実施形態によれば、第2光学シート450の第2光散乱層パターンが表示パネル500の周辺領域(II)と実質的に重なり、第2光学シート450の第2透明層パターンが画素領域(I)と実質的に重なるように形成してもよい。
【0107】
一実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法において、別途のパターニング工程を遂行しないで、交互に繰り返して配置された透明層パターンと光散乱層パターンを具備する光学シートを形成してもよい。また、このような光学シートを前記有機発光表示装置の表示パネルに形成し、前記表示パネルの正面方向に放出される光の輝度を維持させながら、前記表示パネルの側面方向に放出される光のカラーシフト現象を抑制することができる。これに伴い、前記有機発光表示装置によって表示される画像の品質を改善することができる。
【0108】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、本発明の一実施形態に係る光学シートの製造方法において、別途のパターニング工程を遂行しないで、交互に繰り返して配置された透明層パターンと光散乱層パターンを具備する光学シートを形成することができる。前記光学シートが有機発光表示装置に採用される時、前記光学シートは正面方向に放出される光の輝度を維持させながら、側面方向に放出される光のカラーシフト(color shift)現象を抑制して前記有機発光表示装置が現わす画像の品質を向上させることができる。
【0109】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明の一実施形態に係る光学シートの製造方法において、別途のパターニング工程を要求しないで、交互に繰り返して配置された透明層パターンと光散乱層パターンを具備する光学シートを形成することができる。このような光学シートを有機発光表示装置に適用する場合、前記有機発光表示装置の正面方向に放出される光の輝度を維持させながら、前記有機発光表示装置の側面方向に放出される光のカラーシフト現象を抑制することができる。
【符号の説明】
【0111】
100、200、300 透明層
100a、200a、300a 第1透明層
100b、200b、300b 第2透明層
100c、200c、300c 第3透明層
110,210,310 光散乱層
110a、210a、310a 第1光散乱層
110b、210b、310b 第2光散乱層
110c、210c、310c 第3光散乱層
220 接着剤
320 接着剤層
125、225、325 光散乱式粒子
130、230、330 積層構造物
132、232、332 第1切断面
134、234、334 第2切断面
140、240、340 光学シート
145、245、345 透明層パターン
150、250、350 光散乱層パターン
355 接着層パターン
400 第1光学シート
410 第1透明層パターン
420 第1光散乱層パターン
430 第1光散乱式粒子
450 第2光学シート
460 第2透明層パターン
470 第2光散乱層パターン
480 第2光散乱式粒子
500 表示パネル
510 第1基板
530 半導体層
532 チャネル領域
534 ソース領域
536 ドレーン領域
540 ゲート絶縁膜
552 ゲート電極
554 ソース電極
556 ドレーン電極
560 第1絶縁層
565 第2絶縁層
570 第1電極
575 画素定義膜
590 正孔輸送層
600 有機発光層
610 電子輸送層
620 第2電極
660 第2基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16