(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261905
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】締め付け機能を備えたサポータ
(51)【国際特許分類】
A41F 1/04 20060101AFI20180104BHJP
A41C 1/00 20060101ALI20180104BHJP
A61F 5/01 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
A41F1/04
A41C1/00 A
A41C1/00 Z
A61F5/01 K
A61F5/01 N
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-162466(P2013-162466)
(22)【出願日】2013年8月5日
(65)【公開番号】特開2015-30946(P2015-30946A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2016年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】391020687
【氏名又は名称】小村 喜隆
(74)【代理人】
【識別番号】100105809
【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平
(74)【代理人】
【識別番号】100151356
【弁理士】
【氏名又は名称】浅香 小百合
(72)【発明者】
【氏名】小村 喜隆
【審査官】
米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−157523(JP,U)
【文献】
実公昭13−018837(JP,Y1)
【文献】
登録実用新案第3044681(JP,U)
【文献】
特開2007−136147(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41F 1/00−9/02
A44B 11/18
A41C 1/00−1/20
A61F 5/00−5/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サポータを腰や腕や足などの所定箇所に巻き回すための帯部と、帯部を通して所定方向に引き出す通し環とを備えた締め付け機能を備えたサポータにおいて、前記通し環の直線部の断面円形部に回転部材を取り付け、この回転部材は柔軟性のある合成樹脂製又はゴム製の円筒形状を呈するもので、帯部を巻き付けて所定角度で引き出して締め付け調整することを特徴とする締め付け機能を備えたサポータ。
【請求項2】
サポータを腰や腕や足などの所定箇所に巻き回すための帯部と、帯部の所定箇所に取り付けられ帯部の締め付け力を調整するベルトと、ベルトを通して所定方向に引き出す通し環とを備えた締め付け機能を備えたサポータにおいて、前記通し環の直線部の断面円形部に回転部材を取り付け、この回転部材は柔軟性のある合成樹脂製又はゴム製の円筒形状を呈するもので、ベルトを回転部材に巻き付けて締め付け調整することを特徴とする締め付け機能を備えたサポータ。
【請求項3】
前記帯部又はベルトを前記回転部材に巻き付けて引き出して前記回転部材を覆い隠すように締め付け、かつ、円筒状の回転部材を変形させて、サポータの所定個所が膨れ上がることを防止することを特徴とする請求項1又は2記載の締め付け機能を備えたサポータ。
【請求項4】
サポータ生地には、面ファスナが使用されているか又はメッシュ生地が使用されていることを特徴とする請求項1又は2記載の締め付け機能を備えたサポータ。
【請求項5】
前記通し環に一対の前記回転部材を取り付け、この一対の前記回転部材の間に前記帯部又は前記ベルトを通過させることを特徴とする請求項1又は2記載の締め付け機能を備えたサポータ。
【請求項6】
前記回転部材の長手方向に通し環に取り付けるための溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の締め付け機能を備えたサポータ。
【請求項7】
前記通し環に前記円筒状の回転部材を取り付けるための切り欠きが形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の締め付け機能を備えたサポータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、締め付け機能を備えたサポータに関する。
【背景技術】
【0002】
サポータには、医療用やスポーツ用などに広く用いられているが、腰や腕や足などに装着されるサポータには、帯部やベルトにより締め付ける締め付け機能を備えたサポータがある。
【0003】
図11に示す締め付け機能を備えたサポータ101は、腕用に使用されるサポータであり、帯部102が徐々に幅狭に形成されており、この帯部を通して所定方向に引き出す通し環103とを備える。なお、このようなサポータには種種のものがあり、例えば、腰に巻き回すためのサポータ(腰ベルト)では、帯部に取り付けられるベルト7を備え、ベルトを通し環に通して引き出して、このベルトで所定箇所を締め付けるサポータや、所定箇所を個別に締め付けるベルトを帯部の内側に有するタイプのサポータもある(
図14)。
【0004】
また、特許文献としても、上記締め付け機能を備えたサポータが開示されている。特許文献1には、
図12に示すように、ベルトを通して締め付け力を得るバックルが中央に備えて、上記通し環とともにベルトの長さ調節や締め付け力を調整できるサポータが開示されている。また、特許文献2には、腰用サポータ1は、身体の腰部に巻付けて固定される帯部2と、帯部2による締付け力を増強する1対のバンド20a、20bと、1対の可動通し環(通し環)31a、31bと、1対の加締ベルト30a、30bとを備える。通し環(通し環)31a、31bは、帯部2と各バンド20a、20bとの間に位置し、該通し環を通るとともに側方張出部12a、12bの腰当て部側端部の上下領域に連結された定位置通し環33〜35を通って腰当て部11の中央部に固定される紐部材32a、32bにて該側方張出部端部に連結されている。各加締ベルト30a、30bは、通し環31a、31bを通過し、その一端が帯部2の側方張出部12a、12bに固定され、他端がバンド20a、20bの自由端近傍に固定されている(
図13)。
また、特許文献3には、カラフルな帯状の布地の一方の先端に面ファスナを設け、中間部に角カンを設け、他端部に設けた帯垂らし部にて面ファスナを隠し、帯垂らし部の端をスリットを設けた帯留めで固定する様に構成した骨盤サポートベルト(その請求項1)が開示されている(
図14)。しかし、上記案内環(通し環)は、単なるリング状の金具にすぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平7−31014号公報
【特許文献2】実用新案登録第3094642号公報
【特許文献3】特開2011−122284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、伸縮性を有するサポータでは、帯部やベルトで締め付ける場合、帯部やベルトを十分に引き出しながら即座に締め付けないと、十分な締め付け力を得ることができない場合がある。また、サポータの帯部やベルトには、伸縮性の素材が使用されるが、面ファスナが使用されていたり、メッシュ生地が使用されるなど、表面の素材は、これを折り返すときの滑りを妨げるものがある。
しかしながら、従来の所定厚みの板状の通し環(リング状の金具)に通すだけでは、ベルトを通して引き出しても、スムーズに引き出すことができず、しかも十分な締め付け力を得ることができない問題を有していた。特に、通し環(リング状の金具)に巻き付けて帯部やベルトを折り返して引き出す場合には、スムーズに引き出すことができない場合が合った。
ここで、上記特許文献1のようなバックル9(
図12注の符号9)を備えるサポータとすることも考えられるが、サポータとしては機構が大掛かりすぎるとともに、バックル9の存在により、帯部やベルトが膨らんで、サポータとしての厚さを厚くしてしまい、上手く隠す(衣服でバックルが目立たないようにする)ことができなくなる問題を有する。
【0007】
そこで本発明の目的は、通し環(リング状の金具)に通した帯部やベルトをスムーズに引き出しながら締め付け調整することができる締め付け機能を備えたサポータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の締め付け機能を備えたサポータは、サポータを腰や腕や足などの所定箇所に巻き回すための帯部と、帯部を通して所定方向に引き出す通し環とを備えた締め付け機能を備えたサポータにおいて、前記通し環
の直線部の断面円形部に回転部材を取り付け、この回転部材
は柔軟性のある合成樹脂製又はゴム製の円筒形状を呈するもので、帯部を巻き付けて所定角度で引き出して締め付け調整することを特徴とする。また、サポータを腰や腕や足などの所定箇所に巻き回すための帯部と、帯部の所定箇所に取り付けられ帯部の締め付け力を調整するベルトと、ベルトを通して所定方向に引き出す通し環とを備えた締め付け機能を備えたサポータにおいて、前記通し環
の直線部の断面円形部に回転部材を取り付け、この回転部材
は柔軟性のある合成樹脂製又はゴム製の円筒形状を呈するもので、ベルトを回転部材に巻き付けて締め付け調整することを特徴とする。ここで、ベルトには、サポータに別体に取り付けられるタイプや、サポータの一部が細幅になって帯部を呈する場合のいずれの場合も含まれる。
本発明によれば、通し環に通される帯部やベルトを円筒状の回転部材の回転を利用して(滑車のような働きをして)、スムーズに引き出すことができ、引き出し角度や伸縮性の素材のサポータにかかわらず、サポータを腰や腕や足にしっかりと固定することができる。例えば、腕用のサポータでは、片手で帯部やベルトの締め付け作業を行なう場合でも、帯部やベルトを円筒状の回転部材の回転を利用してスムーズに引き出して、サポータを腕にしっかりと固定することができる。
【0009】
本発明としては、前記回転部材が柔軟性のある合成樹脂製又はゴム製で円筒状を呈することを特徴とする。
本発明によれば、帯部やベルトを回転部材に巻き付けて引き出して、円筒状の回転部材が変形して、サポータの所定箇所が膨れ上がるような事態を防止する。一方、通し環に帯部やベルトを回転部材に巻き付けて帯部やベルトを引き出すときには、円筒状の回転部材はその円筒状の形を維持してスムーズに引き出すことができる。なお、通し環の回転部材が取り付けられる箇所を断面円形に形成すると、前記回転部材の回転を滑車の如く、よりスムーズに回転させることができる。
【0010】
本発明としては、前記回転部材の長手方向に通し環に取り付けるための溝が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、前記回転部材の溝を利用して、円筒状の回転部材の通し環に対する着脱を容易に行なうことができる。また、前記円筒状の回転部材に溝を形成することで、回転部材の変形を容易にして、サポータの所定箇所が膨れ上がるような事態を防止する役割も果たす。
【0011】
本発明としては、前記通し環に前記円筒状の回転部材を取り付けるための切り欠きが形成されていることを特徴とする。例えば、前記通し環の形状を前記溝を介してC字状やコ字状に形成する。
本発明によれば、前記通し環の溝を利用して、前記溝を有しない円筒状の回転部材であっても着脱を容易に行なうことができる。また、前記通し環の溝を利用して、サポータに対する着脱を容易に行なうことができる。
【0012】
本発明としては、前記通し環に一対の前記円筒状の回転部材を取り付け、この一対の円筒状の回転部材の間に帯部又はベルトを通過させることを特徴とする。
本発明によれば、一対の円筒状の回転部材の間に帯部又はベルトを通過させることにより、さらにスムーズに帯部やベルトを引き出すことが容易になる。
【0013】
本発明としては、前記通し環の前記回転部材が取り付けられる位置が断面円形であることを特徴とする。
本発明によれば、前記円筒状の回転部材が回転し易くなって、さらにスムーズに帯部やベルトを引き出すことが容易になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、通し環に通される帯部やベルトを円筒状の回転部材の回転を利用してスムーズに引き出して締め付け調整することができるので、サポータを腰や腕や足にしっかりと固定することができる。そして、前記回転部材が柔軟性のある合成樹脂製又はゴム製で円筒状であることにより、通し環に帯部やベルトを回転部材に巻き付けて帯部やベルトを引き出すときには、回転部材はその円筒状の形を維持してスムーズに引き出すことができるとともに、帯部やベルトを回転部材に巻き付けて引き出して、円筒状の回転部材が圧縮変形させて、サポータの所定箇所が膨れ上がるような事態を防止することができる。したがって、老人や体の不自由な人でも、片手で締め付け操作する場合でも容易に引き出しえ締め付け調整可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施形態の締め付け機能を備えたサポータを示す図であり、(a)はその斜視図であり、(b)はその平面図である。
【
図2】上記第1の実施形態の締め付け機能を備えたサポータの使用例を示す斜視図である。
【
図3】上記第1の実施形態の締め付け機能を備えたサポータの使用例を示す斜視図である。
【
図4】上記第1の実施形態の回転部材の例を図である。
【
図5】上記第1の実施形態の通し環の例を示す図である。
【
図6】上記第1の実施形態の通し環似回転部材をとりつけた上体を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態の締め付け機能を備えたサポータの断面図である。
【
図8】上記第2の実施形態の締め付け機能を備えたサポータの平面図であり、ベルトを回転部材を介して折り返した状態を示す図である。
【
図9】上記第2の実施形態の締め付け機能を備えたサポータの斜視図である。
【
図10】上記第2の実施形態の他の例を示す図である。
【
図11】従来の腕用の締め付け機能を備えたサポータを示す図である。
【
図12】従来の腰用の締め付け機能を備えたサポータを示す図である。
【
図13】従来の腕用の締め付け機能を備えたサポータを示す図である。
【
図14】従来の腰用の締め付け機能を備えたサポータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1(a)(b)は、本発明の第1の実施形態の締め付け機能を備えたサポータ1Aの斜視図と平面図である。
図2と
図3は、その使用例を示す斜視図である。第1の実施形態の締め付け機能を備えたサポータ1Aは、腕に使用するサポータであり(或いはひじ用)、帯部2の延長としてベルト(帯部2の細い部分)2Bが設けられ、所定箇所に取り付けられる通し環5にベルト2Bを通して、締め付け力を得る、片側引き出しタイプである。
そして、帯部2の所定箇所に通し環5が配され、通し環5の一辺5yには、回転部材6が装着されている。この回転部材6は、通し環5に通し折り返した状態でも、上記ベルト2Bを引き出し易くするためのもので、長方形状の通し環5の一辺5yに装着され、これにより通し環5の形状如何にかかわらず、通し環5を介した引き出しがスムーズになる。
回転部材6には、その長手方向に沿って溝6cが形成されて、通し環5に着脱自在に取り付けができる。また、通し環5は、袋状の連結部材7を介して帯部2に着脱自在に取り付けられている。すなわち、略C字形状の通し環5を通す袋状の連結部材7が連続的に設けられ、帯部2やベルト3の長さを考慮して通し環5を取り付けることができる。なお、連結部材7から回転部材6と通し環5を外して、本体のみ洗濯することができる。
【0018】
したがって、上記腕用の締め付け機能付きサポータ1Aを腕に締め付け調整するためには、帯部2の先端(ベルト状の細い部分)を回転部材6を有する通し環5に挿通した状態で、腕に装着させてから、締め付けるか、又は、腕の所定箇所に上記腕用の締め付け機能付きサポータ1Aを配してから、帯部2の先端を回転部材6を有する通し環5に挿通させて、帯部2を引っ張り出すようにする。このようにすると、帯部2は回転部材6の回転によりスムーズに引き出されるので(無理な角度でも容易に引き出し)、片手操作でも帯部2を腕部にしっかりと巻付けて固定することができる。なお、上記回転部材6がないとすると、板状の通し環5に挿通しても、折り曲げられるように折り返されると、帯部2は回転部材6の回転によりスムーズに引き出すことは難しく、帯部2の引き出し角度を工夫するなどの対策が必要になる。これに対して、本実施の形態の上記締め付け機能付きサポータ1Aによれば、帯部2の先端が回転部材6の回転に伴ってスムーズに引き出され、これにより長さ調節や締め付け力の調整も腕に合わせて無理なく調整可能である。
そして、ベルト3や帯部2には、面ファスナMを配したりメッシュ生地になっていることも多いが、回転部材6が滑車のように回転して、ベルト3や帯部2はスムーズに引き出される。また、筒状の回転部材に対して、通し環5をその断面が円形状に形成することで、より回転部材の回転が滑らかになる(
図7(b))。本実施の形態の通し環5を通す連結部材7の表面には、面ファスナが施されており、帯部2を通し環5を通した直後や折り返す時点での止着(仮止)ができるようになっている。
【0019】
ここで、回転部材6Bとしては、柔軟性のある合成樹脂製又はゴム製であり、外力がかかると、変形することが好ましい(
図7(a)(b))。また、回転部材6の長手方向に溝6cを形成することで、柔軟性のある回転部材6Bの径を小さくすることができる。回転部材6Bの変形が容易であることから、サポータ1Aの所定箇所が膨れ上がるような事態を防止する。なお、通し環5を柔軟性のある合成樹脂製又はゴム製としても良く、又、前記通し環5の回転部材6Bが装着される箇所を(符号5y)の断面を円形にすることで(
図7(b))、よりスムーズな回転力を得ることができる。
また、回転部材6の長手方向に溝5aが形成されていると、通し環5に取り付けることが容易になる。通し環5は、リング状の金具や合成樹脂製の輪(環)であることが多いが、前記円筒状の回転部材6Bに溝5aを形成することで、この溝5aを介して装着が容易になる(
図4(a)(b))。また、通し環5は、C字形状のような切欠き5kを形成すると(
図5(a)〜(e))、前記円筒状の回転部材6Bが溝6cのないものでも、装着が可能になる。
【0020】
(第2の実施の形態)
図8(a)(b)と
図9は、本発明の第1の実施形態の締め付け機能を備えたサポータ1Bの使用態様を例示する図である。
図9は、その使用例を示す斜視図である。第1の実施形態の締め付け機能を備えたサポータ1Bは、腰に使用するサポータ(腰ベルト)であり、帯部2の外側面にベルト3が左右一対設けられている。また、中央には、腰に当てる腰当て部4が設けられている。腰当て部4の左右には、一対の通し環5が連結部材7を介して取り付けられ、通し環5の一辺5yには、回転部材6Bが各々装着されている。ベルト3の幅と、回転部材6Bの長さは、ほぼ同じ長さである。
ベルト3は、帯部2の先端側を基端3zとして、中央の腰当て部4に向けて引き出されて、通し環5に装着されている回転部材6に巻き回されて、折り返して(
図8(b))、再度帯部2の基端側2zに向かって引き出される(
図8(a))。これらが左右一対配されており、これにより両手で左右のベルト3の先端側3sを握って、引き出して、引き出し長さや圧力調整をして、面ファスナMを利用して帯部2に固定する。
【0021】
上記通し環5は、連続する袋状の連結部材7を介して帯部2に取り付けられている。なお、帯部2の先端側2sと、ベルト3の先端側3sには、面ファスナMが配されている。また、連続する袋状の連結部材7の表面にも面ファスナが施されている。
【0022】
したがって、本実施形態の腰用サポータ1Bによれば、バンド3を外側にして帯部2を腰部に巻き付ける。腰当て部4の中央部に当てて、帯部2の先端側の面ファスナMで仮留めする。そして、通し環5の隙間に通して引き出すと、回転部材6Bが滑車のように回転動作し、これにより小さい力で容易に引き出すので、帯部2の面ファスナMに係合させて、腰部をしっかりと固定できる。すなわち、ベルト3や帯部2には、面ファスナMがあっても、或いは、メッシュ生地であっても、回転部材6Bにより回転して、ベルト3や帯部2はスムーズに引き出される。
そして、腰の左右一対のベルト3が各々回転部材6を介して左右一対の通し環5から引き出されるので、体の正面側(腹側)で締め付け操作を容易に行うことができる。また、合成樹脂製又はゴム製の回転部材6Bはその変形を容易にして、サポータの所定箇所が膨れ上がるような事態を防止する(腰部の周りが膨出する事態を防止する)。
【0023】
ここで、本実施形態の他の例としては、
図6(b)に示すように、2つの回転部材6を有する通し環5に、帯部2とベルト3とを通して、各々引き出すようなタイプの腰ベルトにも適用可能である。また、
図10(b)に示すように、帯部2の先端2sを、回転部材6Bを有する通し環5に通して、帯部2を引き出すようにしても良い。なお、
図10(a)は、帯部2とベルト3を各々2つの回転部材6Bを有する通し環5に通して使用する例である。
また、締め付け機能を備えたサポータ1A,1Bには、上記バンド3が帯部2の外側のみならず、内側に配されるもの等種種のものがあるが(
図14参照)、このバンド3が内側のタイプの腰用のベルトとしても、通し環5に回転自在に取り付けられている回転部材6Bの回転により、ベルト3は引き出されて、長さ調節と加圧力を調整しながら固定できる。
【0024】
以上、上述した実施の形態では、腕用のサポータと腰用のサポータの例で説明したが、締め付け機能を備えたサポータであれば、膝用サポータや肘用サポータなどのサポータにも、本発明は広く適用可能である。
【符号の説明】
【0025】
1A,1B 本発明の締め付け機能を備えたサポータ、
2 帯部、 2s 先端、
2B,3 ベルト、3s 先端、3z 基端、
4 腰当て部、
5A,5B,5C,5D 通し環、5k 切り欠き、
5y 一辺(回転部材が配される箇所)、
6,6A,6B 回転部材、6c 溝、
7 連結部材、
M 面ファスナ