(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記被検体の生検が行われる際に、前記加振器に換えて、生検用の穿刺針が前記被検体に挿入される際のガイドとなる生検用グリッドが取り付けられることを特徴とする請求項3に記載のコイルパッド。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面に基づいて、コイルパッド、加振器及びMRI装置の実施形態を説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施例に係るMRI装置の構成例を示す図である。
図1に示すように、MRI装置100は、静磁場磁石111と、傾斜磁場コイル112と、送信コイル113と、受信コイル120と、コイルパッド130と、傾斜磁場電源141と、送信部142と、受信部143と、シーケンス制御装置150と、寝台装置160と、計算機システム170とを有する。
【0009】
静磁場磁石111は、円筒状に形成された磁石であり、静磁場電源(図示せず)から供給される電流により、被検体Sが配置される円筒内部の空間に静磁場を発生させる。
【0010】
傾斜磁場コイル112は、円筒状に形成されたコイルであり、静磁場磁石111の内側に配置される。また、傾斜磁場コイル112は、傾斜磁場電源141から供給される電流により、被検体Sが配置される円筒内部の空間に、互いに直交するx,y,zの3方向に沿った傾斜磁場を発生させる。
【0011】
送信コイル113は、円筒状に形成されたコイルであり、傾斜磁場コイル112の内側に配置される。また、送信コイル113は、送信部142から給電ケーブルを介して高周波電流の供給を受けて、被検体Sが配置される円筒内部の空間に高周波磁場を発生させる。
【0012】
なお、上記の静磁場磁石111、傾斜磁場コイル112および送信コイル113は、図示していない架台装置にそれぞれ搭載される。
【0013】
受信コイル120は、被検体Sに装着されて、高周波磁場の影響によって被検体Sから発生する磁気共鳴信号を受信する。また、受信コイル120は、受信した磁気共鳴信号を内部の増幅器によって増幅して出力する。
【0014】
コイルパッド130は、受信コイル120と被検体Sとの間に配置される。コイルパッド130を受信コイル120と被検体Sとの間に配置することで、その厚みの分だけ、受信コイル120と被検体Sとの間に一定の間隔を設けることができる。これにより、受信コイル120の感度を調整することができる。また、受信コイル120から発生する熱が被検体Sに直接伝わるのを防ぐことができる。
【0015】
傾斜磁場電源141は、シーケンス制御装置150からの指示に基づいて、傾斜磁場コイル112に電流を供給する。例えば、傾斜磁場電源141は、高圧発生回路や傾斜磁場アンプなどを含む。高圧発生回路は、商用交流電源から供給されるAC(Alternate Current)電流を所定の電圧のDC(Direct Current)電流に変換して傾斜磁場アンプに供給する。傾斜磁場アンプは、高圧発生回路から供給されるDC電流を増幅して傾斜磁場コイル112に供給する。
【0016】
送信部142は、シーケンス制御装置150からの指示に基づいて、送信コイル113にRFパルスを送信する。例えば、送信部142は、発振部や位相選択部、周波数変換部、振幅変調部、RFアンプなどを含む。発振部は、静磁場中における対象原子核に固有の共鳴周波数のRFパルスを発生する。位相選択部は、発信部によって発生したRFパルスの位相を選択する。周波数変換部は、位相選択部から出力されたRFパルスの周波数を変換する。振幅変調部は、周波数変調部から出力されたRFパルスの振幅を例えばsinc関数に従って変調する。RFアンプは、振幅変調部から出力されたRFパルスを増幅して送信コイル113に供給する。
【0017】
受信部143は、シーケンス制御装置150からの指示に基づいて、送信コイル113によって受信された磁気共鳴信号を検出する。また、受信部143は、検出した磁気共鳴信号をA/D(Analog-to-Digital)変換することで生データを生成し、生成した生データをシーケンス制御装置150に送信する。例えば、受信部143は、選択器や前段増幅器、位相検波器、A/D変換器などを含む。選択器は、送信コイル113から出力される磁気共鳴信号を選択的に入力する。前段増幅器は、選択器から出力される磁気共鳴信号を増幅する。位相検波器は、前段増幅器から出力される磁気共鳴信号の位相を検波する。A/D変換器は、位相検波器から出力される信号をデジタル信号に変換する。
【0018】
シーケンス制御装置150は、計算機システム170による制御のもと、傾斜磁場電源141、送信部142および受信部143をそれぞれ駆動することによって、データ収集を実行する。また、シーケンス制御装置150は、データ収集を行った結果、受信部143から生データが送信されると、その生データを計算機システム170に送信する。
【0019】
寝台装置160は、被検体Sが載置される天板161を備え、架台装置に設けられた開口部内にある撮像領域へ被検体Sとともに天板161を移動する。
【0020】
計算機システム170は、MRI装置100全体を制御する。例えば、計算機システム170は、操作者から各種入力を受け付ける入力部、操作者から入力される撮像条件に基づいてシーケンス制御装置150にデータ収集を実行するシーケンス制御部、シーケンス制御装置150から送信された生データに基づいて画像を再構成する画像再構成部、再構成された画像などを記憶する記憶部、再構成された画像など各種情報を表示する表示部、操作者からの指示に基づいて各機能部の動作を制御する主制御部などを有する。
【0021】
以上、第1の実施形態に係るMRI装置100の構成例について説明した。このような構成のもと、MRI装置100では、受信コイル120と被検体Sとの間に配置されるコイルパッド130が、受信コイル120が有するコイル開口部と位置合わせされて、コイル開口部と被検体Sとの間に貫通孔を形成するパッド開口部と、被検体と対向する側に設けられ、内部に形成された中空部に振動する空気が送り込まれることで振動する振動面とを備える。
【0022】
このような構成によれば、第1の実施形態に係るMRI装置100では、MRエラストグラフィが行われる場合に、コイルパッド130を、加振器の代わりに用いることができる。そして、MRエラストグラフィが行われた後には、受信コイル120のコイル開口部とコイルパッド130のパッド開口部とで形成される貫通孔を介して被検体に穿刺針を挿入することで、受信コイル120及びコイルパッド130を被検体Sから取り外すことなく生検を行うことができる。
【0023】
従来のMRI装置では、MRエラストグラフィが行われる際に、撮像領域を覆うように加振器が配置されるため、生検が行われる際には、加振器を取り除く必要があった。このため、MRエラストグラフィが行われた後には、加振器を覆う受信コイルを被検体から取り外して、加振器を取り外した後に、被検体に装着し直す必要があった。一般的に、MRエラストグラフィでは、受信コイルに取り付けられる生検用グリッドとの位置関係に基づいて生検の対象位置が特定されるため、生検の前に受信コイルが装着し直されると、生検の対象位置がずれてしまう場合があった。
【0024】
これに対し、第1の実施形態に係るMRI装置100では、コイルパッド130及び受信コイル120を被検体Sから取り外すことなく生検を行うことができるので、エラストグラフィ後に生検の対象位置がずれるのを防ぐことができる。以下では、本実施形態に係るMRI装置100について詳細に説明する。
【0025】
図2は、第1の実施形態に係る受信コイルの一例を示す図である。例えば、
図2に示すように、第1の実施形態に係る受信コイル120は、矩形状に形成された表面コイルであり、4つのコイル開口部121を有する。そして、例えば、MRI装置100によってMRエラストグラフィが行われる場合には、受信コイル120は、生検の対象となる臓器を覆うように被検体Sに装着される。なお、受信コイル120には、受信コイル120から出力される磁気共鳴信号を受信部143へ伝送する送電ケーブル122が接続される。
【0026】
なお、受信コイル120の形状は、必ずしも矩形状に限られない。例えば、受信コイル120の形状は、正方形や円形であってもよい。また、受信コイル120が有するコイル開口部121の数も4つに限られず、少なくとも1つのコイル開口部121が設けられていればよい。
【0027】
図3は、第1の実施形態に係るコイルパッドの一例を示す図である。例えば、
図3に示すように、第1の実施形態に係るコイルパッド130は、塩化ビニルなどの樹脂によって、受信コイル120と略同じ形状に形成される。例えば、
図2に示した受信コイル120が用いられる場合には、コイルパッド130は、受信コイル120と同様に矩形状に形成される。また、コイルパッド130には、受信コイル120が有する4つのコイル開口部121と同じ位置に、コイル開口部121と同じ形状の4つのパッド開口部131が形成される。
【0028】
なお、コイルパッド130の形状は、必ずしも受信コイル120の形状と厳密に一致していなくてもよい。具体的には、コイルパッド130の形状は、受信コイル120と重ねられた際に少なくとも1つのパッド開口部131がコイル開口部121と位置合わせされる位置に設けられていれば、受信コイル120とは異なる形状であってもよい。また、コイルパッド130が有するパッド開口部131の数は、必ずしも、受信コイル120が有するコイル開口部121の数と同じでなくてもよい。具体的には、受信コイル120と重ねられた際にコイル開口部121と位置合わせされる位置に、少なくとも1つのパッド開口部131が設けられていればよい。
【0029】
図4は、第1の実施形態に係るコイルパッドの内部構造の一例を示す図である。例えば、
図4に示すように、第1の実施形態に係るコイルパッド130は、内部に中空部132を有する。例えば、
図4に示すように、中空部132は、コイルパッド130において、パッド開口部131を除いた部分の内部全体に渡って形成される。また、コイルパッド130における被検体Sと対向する側(
図3に示すコイルパッド130の裏側)には、振動面133が設けられる。振動面133は、振動する空気が中空部132に送り込まれることで振動する。例えば、中空部132には、コイルパッド130の長辺部に取り付けられた給気管134を介して、図示していない振動発生装置から空気が送り込まれる。
【0030】
なお、給気管134が取り付けられる位置は、必ずしもコイルパッド130の長辺部に限られない。例えば、給気管134は、コイルパッド130の短辺部に取り付けられてもよいし、角部に取り付けられてもよい。また、受信コイル120と重ならない位置であれば、受信コイル120側の面上に取り付けられてもよい。
【0031】
図5は、第1の実施形態に係るコイルパッド上に受信コイルが配置されたときの様子を示す図である。
図5に示すように、コイルパッド130上に受信コイル120が配置されたときには、コイルパッド130が有するパッド開口部131は、受信コイル120が有するコイル開口部121と位置合わせされて、コイル開口部121と被検体Sとの間に貫通孔を形成する。そして、受信コイル120及びコイルパッド130は、
図5に示すように重ねられた状態で、コイルパッド130の振動面133が被検体Sと接するように、被検体Sに装着される。
【0032】
このように、第1の実施形態では、受信コイル120及びコイルパッド130が重ねられた状態で、コイルパッド130が有する振動面133が被検体Sと接するように装着されるので、MRエラストグラフィが行われる場合に、コイルパッド130を従来の加振器の代わりに用いることができる。
【0033】
図6は、第1の実施形態に係る生検用グリッドの一例を示す図である。例えば、
図6に示すように、第1の実施形態に係る生検用グリッド180は、パッド開口部131によってコイル開口部121と被検体Sとの間に形成された貫通孔を介して、受信コイル120及びコイルパッド130に取り付けられる。そして、生検用グリッド180は、生検用の穿刺針が被検体Sに挿入される際のガイドとなる。例えば、
図6に示すように、生検用グリッド180は、穿刺針に取り付けられる穿刺アダプタを固定するための複数のアダプタ装着部181を有する。ここで、例えば、アダプタ装着部181は、それぞれ四角形状に形成された孔であり、複数の行及び複数の列に沿って配列するように設けられる。
【0034】
このように、第1の実施形態では、受信コイル120が有するコイル開口部121とコイルパッド130が有するパッド開口部131とを通して生検用グリッド180が取り付けられるので、MRエラストグラフィが行われた後に、受信コイル120及びコイルパッド130を被検体Sから取り外すことなく生検を行うことができる。
【0035】
上述したように、第1の実施形態によれば、MRエラストグラフィが行われる場合に、コイルパッド130を加振器の代わりに用いることができる。そして、MRエラストグラフィが行われた後には、コイルパッド130及び受信コイル120を被検体Sから取り外すことなく生検を行うことができる。したがって、第1の実施形態によれば、エラストグラフィ後に生検の対象位置がずれるのを防ぐことができる。
【0036】
以下、コイルパッド、加振器及びMRI装置に関する他の実施形態を説明する。なお、以下で説明する各実施形態に係るMRI装置及び受信コイルの構成は、基本的には第1の実施形態で説明したものと同じであり、コイルパッド及び/又は加振器の構成が異なるだけである。そのため、以下に示す各実施形態では、MRI装置の構成及び受信コイルについては説明を省略し、コイルパッド及び/又は加振器の構成を中心に説明する。また、以下に示す各実施形態では、第1の実施例で説明した部位と同じ役割を果たす部位については、同一の符号を付すこととして詳細な説明を省略する。
【0037】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、コイルパッド130において、中空部132が、パッド開口部131を除いた部分の内部全体に渡って形成される場合の例を説明した。これに対し、第2の実施形態では、コイルパッドの内部に複数の中空部が形成される場合の例を説明する。
【0038】
図7は、第2の実施形態に係るコイルパッドの一例を示す図である。例えば、
図7に示すように、第2の実施形態に係るコイルパッド230は、6つの部分235a〜235fで構成され、パッド開口部131を含む4つの部分235a〜235dそれぞれの内部に中空部が形成される。例えば、
図7に示すように、部分235aの内部に中空部232aが形成され、部分235bの内部に中空部232bが形成される。
【0039】
ここで、コイルパッド230の内部に形成された各中空部には、それぞれ別の給気管を介して、振動する空気が送り込まれる。例えば、部分235aの内部に形成された中空部232aには、給気管234aを介して空気が供給され、部分235bの内部に形成された中空部232bには、給気管234bを介して空気が供給される。また、部分235cの内部に形成された中空部(図示せず)には、給気管234cを介して空気が供給され、部分235dの内部に形成された中空部(図示せず)には、給気管234dを介して空気が供給される。
【0040】
このように、第2の実施形態では、コイルパッド230の内部に複数の中空部が形成され、各中空部に別の給気管を介して空気が供給されるので、MRエラストグラフィが行われる際に、コイルパッド130を局所的に振動させることができる。なお、
図7では、4つの部分235a〜235dそれぞれに給気管が設けられる場合の例を示したが、給気管は着脱可能に設けられてもよい。その場合には、例えば、4つの部分235a〜235dのうち、振動させた部分だけに給気管が設けられてもよい。また、中空部が設けられる部分は、4つの部分235a〜235dのうちの一部であってもよい。
【0041】
(第3の実施形態)
上述した第1及び第2の実施形態では、生検用グリッド180が、パッド開口部131によってコイル開口部121と被検体Sとの間に形成された貫通孔を介して取り付けられる場合の例を説明した。これに対し、第3の実施形態では、生検用グリッドに代わるグリッド部がコイルパッド自体に設けられる場合の例を説明する。
【0042】
図8は、第3の実施形態に係るコイルパッドの一例を示す図である。例えば、
図8に示すように、第3の実施形態に係るコイルパッド330は、受信コイル120が有する4つのコイル開口部121と同じ位置に、4つのグリッド部380が形成される。ここで、グリッド部380は、受信コイル120が有するコイル開口部121と位置合わせされて、生検用の穿刺針が被検体Sに挿入される際のガイドとなる。例えば、グリッド部380は、穿刺針が挿入される複数の穿刺ガイド孔381を有する。ここで、例えば、穿刺ガイド孔381は、それぞれ円形状に形成された孔であり、複数の行及び複数の列に沿って配列するように設けられる。なお、穿刺ガイド孔381の周辺部は、穿刺針によって損傷しないように補強されるのが望ましい。
【0043】
図9は、第3の実施形態に係るコイルパッド上に受信コイルが配置されたときの様子を示す図である。
図9に示すように、コイルパッド330上に受信コイル120が配置されたときには、コイルパッド330が有するグリッド部380は、受信コイル120が有するコイル開口部121と位置合わせされる。そして、受信コイル120及びコイルパッド330は、
図9に示すように重ねられた状態で、コイルパッド330が有する振動面133が被検体Sと接するように、被検体Sに装着される。
【0044】
このように、第3の実施形態では、受信コイル120及びコイルパッド130が重ねられた状態で、コイルパッド130が有する振動面133が被検体Sと接するように装着されるので、MRエラストグラフィが行われる場合に、コイルパッド130を従来の加振器の代わりに用いることができる。また、第3の実施形態では、受信コイル120のコイル開口部121とコイルパッド330のグリッド部380とを介して穿刺を行うことができるので、MRエラストグラフィが行われた後に、受信コイル120及びコイルパッド330を被検体Sから取り外すことなく生検を行うことができる。したがって、第3の実施形態によれば、エラストグラフィ後に生検の対象位置がずれるのを防ぐことができる。
【0045】
(第4の実施形態)
上述した第1〜第3の実施形態では、コイルパッドが、内部に形成された中空部に振動する空気が送り込まれて振動することで、加振器の代わりに用いられる場合の例を説明した。これに対し、第4の実施形態では、加振器が用いられる場合の例を説明する。
【0046】
図10は、第4の実施形態に係るコイルパッドの一例を示す図である。例えば、
図10に示すように、第4の実施形態に係るコイルパッド430は、塩化ビニルなどの樹脂によって、受信コイル120と略同じ形状に形成される。例えば、
図2に示した受信コイル120が用いられる場合には、コイルパッド430は、受信コイル120と同様に矩形状に形成される。また、コイルパッド430には、受信コイル120が有する4つのコイル開口部121と同じ位置に、コイル開口部121と同じ形状の4つのパッド開口部431が形成される。なお、第4の実施形態に係るコイルパッド430は、内部に中空部を有していない。
【0047】
なお、コイルパッド430の形状は、必ずしも受信コイル120の形状と厳密に一致していなくてもよい。具体的には、コイルパッド430の形状は、受信コイル120と重ねられた際に少なくとも1つのパッド開口部431がコイル開口部121と位置合わせされる位置に設けられていれば、受信コイル120とは異なる形状であってもよい。また、コイルパッド430が有するパッド開口部431の数は、必ずしも、受信コイル120が有するコイル開口部121の数と同じでなくてもよい。具体的には、受信コイル120と重ねられた際にコイル開口部121と位置合わせされる位置に、少なくとも1つのパッド開口部431が設けられていればよい。
【0048】
図11は、第4の実施形態に係るコイルパッド上に受信コイルが配置されたときの様子を示す図である。
図11に示すように、コイルパッド430上に受信コイル120が配置されたときには、コイルパッド430が有するパッド開口部431は、受信コイル120が有するコイル開口部121と位置合わせされて、コイル開口部121と被検体Sとの間に貫通孔を形成する。そして、受信コイル120及びコイルパッド430は、
図11に示すように重ねられた状態で、コイルパッド430が有する振動面133が被検体Sと接するように、被検体Sに装着される。
【0049】
図12は、第4の実施形態に係る加振器の一例を示す図である。例えば、
図12に示すように、第4の実施形態に係る加振器490は、パッド開口部431によってコイル開口部121と被検体Sとの間に形成された貫通孔を介して、受信コイル120及びコイルパッド430に取り付けられる。そして、加振器490は、MRエラストグラフィが行われる際に、振動する空気が内部に送り込まれることで、被検体Sを振動させる。例えば、加振器490には、加振器490の側面部に取り付けられた給気管491を介して、図示していない振動発生装置から空気が送り込まれる。
【0050】
なお、給気管491が取り付けられる位置は、必ずしも加振器490の側面部に限られない。例えば、給気管491は、加振器490の上面部に取り付けられてもよいし、角部に取り付けられてもよい。具体的には、例えば、加振器490の側面部に給気管491が取り付けられる場合には、加振器490が受信コイル120及びコイルパッド430に取り付けられた際に受信コイル120より上に露出する部分に取り付けられる。
【0051】
図13は、第4の実施形態に係る生検用グリッドの一例を示す図である。例えば、
図13に示すように、第4の実施形態に係る生検用グリッド180は、第1の実施形態で説明した生検用グリッド180と同様のものである。そして、
図13に示すように、生検用グリッド180は、被検体Sの生検が行われる際に、加振器490に換えて、受信コイル120及びコイルパッド430に取り付けられる。すなわち、生検用グリッド180は、パッド開口部431によってコイル開口部121と被検体Sとの間に形成された貫通孔を介して、受信コイル120及びコイルパッド430に取り付けられる。
【0052】
このように、第4の実施形態では、受信コイル120が有するコイル開口部121とコイルパッド430が有するパッド開口部431とを通して、加振器490及び生検用グリッド180のいずれか一方を取り付けることができる。このため、MRエラストグラフィが行われた後に加振器490を取り外し、その代わりに生検用グリッド180を取り付けることで、受信コイル120及びコイルパッド430を被検体Sから取り外すことなく生検を行うことができる。したがって、第4の実施形態によれば、エラストグラフィ後に生検の対象位置がずれるのを防ぐことができる。
【0053】
さらに、第4の実施形態では、エラストグラフィが行われる際に、受信コイル120及び加振器490を被検体S又はMRI装置100に固定してもよい。このとき、例えば、加振器490は、受信コイル120が有するコイル開口部121とコイルパッド430が有するパッド開口部431とを貫通して取り付けられた際に、受信コイル120とは独立して被検体S又はMRI装置100に固定される。
【0054】
図14は、第4の実施形態に係る加振器を固定する固定部の一例を示す図である。例えば、
図14に示すように、受信コイル120は、固定部510によって天板161又は寝台装置160に固定され、加振器490は、固定部520によって天板161又は寝台装置160に固定される。ここで、例えば、固定部510及び520は、それぞれ、折り曲げ可能なベルトなどである。その場合には、例えば、加振器490は、受信コイル120より大きな厚みを有するように形成される。これにより、固定部510で加振器490を上から固定した場合に、加振器490のみが固定部510によって押さえつけられて固定されるようになる。なお、受信コイル120及び加振器490は、それぞれ固定部510及び520によって被検体Sに固定されてもよい。
【0055】
このように、加振器490が受信コイル120とは独立して固定されることで、受信コイル120に伝わる振動を、被検体Sから伝わる振動のみに抑えることができる。なお、ここでは、折り曲げ可能なベルトなどを固定部として用いる場合の例を説明したが、例えば、固定部として、剛性を有する支持体が用いられてもよい。この場合には、固定部は、受信コイル120及び加振器490をそれぞれ独立して固定位置に保持する。これにより、受信コイル120に伝わる振動をさらに抑えることができる。
【0056】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、エラストグラフィ後に生検の対象位置がずれるのを防ぐことができる。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。