【実施例】
【0047】
以下、本発明の試験例を説明するが、本発明は、これらの試験例に何ら限定されるものではない。
【0048】
(試験例1:萎黄病菌抵抗性遺伝子の探索−1)
<BAC及びコスミドの単離>
キャベツ(
Brassica oleracea)の萎黄病抵抗性品種(安寿(以下、「Anju」と称することがある))から、第7染色体に座乗している萎黄病抵抗性遺伝子領域を含むBACを以下のようにして単離した。
萎黄病に罹病性のブロッコリー品種‘グリーンコメット (P04)’DH系統(以下、「GC」と称することがある))を種子親に、抵抗性を示すキャベツ品種‘安寿 (P01)’DH系統(以下、「Anju」と称することがある))を花粉親として用い、F1雑種を得た。前記F1雑種のF2個体を用い、萎黄病抵抗性遺伝子周辺で染色体組み換えを起こしている個体の選抜を行い、連鎖地図を作成したところ(
図1参照)、FocBo1の座乗位置をBGA04とBGA05マーカーの間の0.7cMの間に絞り込んだ。その後、BGA04マーカーを用い
Brassica oleracea var. alboglabraのBACライブラリーからBGA04マーカー座を含むBACクローン#58を選抜した。#58の部分シークエンス結果と、この領域に対応する公知の
B. rapaゲノムデータベースの情報から、耐病性遺伝子の特徴であるNBS−LRR構造をもつ遺伝子を特定した。
B. oleracea var. alboglabraは萎黄病に罹病性なので、萎黄病抵抗性の‘安寿’からDNAを抽出してコスミドライブラリーを作製し、BACクローン#58領域に対応し、NBS−LRR構造をもつ遺伝子を含む領域を含むコスミドクローン#27A06を単離した。
【0049】
<BAC及びコスミドの解析>
前記BACクローン#58領域とコスミドクローン#27A06のシークエンス解析の結果、この領域には耐病性遺伝子の特徴であるTIR−NBS−LRRモチーフを有する遺伝子は2つだけであった。そこで、萎黄病菌抵抗性遺伝子の候補遺伝子を、TIR−NBS−LRRモチーフを有する、FocBo1−AとFocBo1−Bとに絞り込んだ。
【0050】
<塩基配列の決定>
前記BAC及びコスミドの全塩基配列を次世代シークエンサー(Hiseq2000、イルミナ社製)により決定し、前記FocBo1−A、及び前記FocBo1−Bのゲノム塩基配列と、cDNA配列とを決定した。
また、キャベツ(
Brassica oleracea)の萎黄病感受性品種(グリーンコメット)についても、前記安寿と同様にして、FocBo1−A、及びFocBo1−Bのゲノム塩基配列と、cDNA配列とを決定した。
【0051】
<比較>
前記Anjuと、前記GCの、FocBo1−A、及びFocBo1−Bの遺伝子構造を比較したものを
図2Aに示し、前記Anjuと、前記GCのFocBo1−Bの遺伝子構造とインデル箇所を示したものを
図2Bに示す。
また、前記Anjuと、前記GCのFocBo1−Aの遺伝子構造とインデル箇所を比較した結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
表1中、Eはエクソンを示し、Iはイントロンを示す。
【0053】
前記
図2A、
図2B、及び表1に示すように、萎黄病抵抗性品種である前記Anjuでは、FocBo1−Aについては、全長4kbのオープンリーディングフレーム(ORF)を確保できたのに対して、FocBo1−Bでは、全長にわたり塩基の挿入や欠失が見られ機能のない遺伝子と考えられた。
一方、萎黄病感受性品種である前記GCでは、FocBo1−Aでは、エクソン2に1塩基の挿入があり、フレームシフトが起こっていたほか、3’端には1,882bpの欠失が見られた。これらの変異により、前記GCのFocBo1−Aは、機能を消失していると考えられた。
上記比較の結果から、前記FocBo1−A(配列番号:1、cDNA配列)が萎黄病菌抵抗性を付与していると考えられた。
【0054】
(試験例2:萎黄病菌に対する抵抗性の判定−1)
前記FocBo1−A遺伝子を指標として、アブラナ科植物の萎黄病菌に対する抵抗性を判定することができるか否かを以下のようにして試験した。
【0055】
<PCR>
−プライマーセット−
プライマーセットとして、前記FocBo1−A遺伝子内の配列に対応する以下のプライマーセットを用意した(以下、「プライマーセット−1」と称することがある)。
FocBo1−Fw : 5’−agaatcgtgcatctctccagagtgt−3’(配列番号:4)
FocBo1−Rv : 5’−ctaataagctccaaatttggatttatg−3’(配列番号:5)
【0056】
また、別のプライマーセットとして、前記FocBo1−A遺伝子近傍領域に対応する以下のプライマーセットを用意した(以下、「プライマーセット−2」と称することがある)。
MTK−Fw : 5’−agcttataggagaaccatccaagat−3’(配列番号:6)
MTK−Rv : 5’−cctaggcatcatcttcatccactca−3’(配列番号:7)
【0057】
−PCR反応−
下記表2に記載の品種から、以下のようにして鋳型となるDNAを調製した。
−−DNAの調製−−
各植物個体から直径約1cmの葉片組織を採取し、2mLチューブに入れ、「Murray and Thompson. 1980」らの「CTAB(Cethltrimethyl−ammonium bromide)法」を一部改変してゲノムDNAの抽出を行った。イソプロピルアルコールでDNAを沈殿後、サンプルを20分間遠心分離し、沈殿を回収し、70%エタノールで沈殿を洗浄後、TE bufferを200μL加えペレットを溶解し、−20℃で保存した。
【0058】
前記DNAを鋳型とし、前記プライマーセット−1、又はプライマーセット−2を用い、以下の条件でPCR反応を行った。なお、PCRミクスチャーの組成は、以下のとおりである。
(1) 94℃、3分間を1サイクル、
(2) 94℃、30秒間、次いで、60℃、30秒間、次いで、72℃30秒間を30サイクル、
(3) 72℃、3分間。
〔PCRミクスチャー〕
・ 酵素(EmeraldAmp PCR Master Mix(2× Premix、タカラバイオ株式会社製)) ・・・ 5μL
・ Forward Primer ・・・ 0.2μM(終濃度)
・ Reverse Primer ・・・ 0.2μM(終濃度)
・ 鋳型DNA ・・・ 20ng〜50ng
・ dH
2O ・・・ 残部(上記各物質との合計量で10μLとなる量)
【0059】
前記PCR産物について、アガロースゲル電気泳動を行い、バンドの有無を調べた。結果を表2に示す。
表2中、前記プライマーセット−1を用いた場合に、バンドが得られたものは「+」で示し、バンドが得られなかったものは「−」で示す。また、「A」(FocBo1−A遺伝子有りの場合に得られるバンド)、「B」(FocBo1−A遺伝子無しの場合に得られるバンド)は、前記プライマーセット−2を用いた場合に得られたバンドの種類を示す。
【0060】
<接種試験>
下記表2に記載の品種について、以下のようにして接種試験を行い、表現型を解析した。結果を表2に示す。表2中、Rは、萎黄病菌に対する抵抗性を有することを示し、Sは、萎黄病菌に対する感受性を有する(即ち、罹病性である)ことを示す。
東北農業研究センターから分譲されたキャベツ分離菌
Fusarium oxysporum f.sp conglutinans Cong:1−1株を用いた。PDA(Potato Dextroce Agar)培地で培養した菌を液体PSA(Potato Sucrose Agar)培地に植菌し、暗所下で26℃、1週間培養を行った。得られた菌培養液50mLを、土壌80g、米ぬか20g、4%スクロース溶液30mL、及びパーライトを混合した滅菌土へ加え、よく混ぜ、26℃、暗所条件で2週間培養し、種病土を作製した。この種病土と市販の培養土とを1:9の比で混合して、接種検定用の土壌培地とした。
抵抗性試験には、両親(GC、Anju)をコントロールに用いた。罹病指数は、コントロールの抵抗性品種Anju(P01)と差がなく変化のないものを「0」、子葉及び葉の全体が黄変したものを「1」、枯死したものを「2」とする3段階で評価し、罹病指数が、「1」又は「2」のものを罹病性(S)とし、「0」のものを抵抗性(R)とした。
接種検定に用いた植物は、7×7セルポットに播種し、約10日間、26℃の人工気象機内にて生育させた後、接種検定用の土壌培地を充填した直径6cmビニールポットに移植し、26℃条件下で3週間生育させ、罹病性及び抵抗性を判定した。
【0061】
【表2】
【0062】
表2の結果から、接種試験による表現型の解析において、抵抗性品種であった場合には、前記プライマーセット−1を用いたPCR産物においてバンドが確認された。一方、接種試験による表現型の解析において、罹病性品種であった場合には、前記プライマーセット−1を用いたPCR産物においてバンドが確認されなかった。
また、前記プライマーセット−2を用いたPCR産物では、3パターンのバンドが確認された。具体的には、FocBo1−A遺伝子のみを有する品種では、Aバンドのみが確認され、FocBo1−A遺伝子を有さない品種では、Bバンドのみが確認され、FocBo1−A遺伝子をヘテロで有する品種では、AバンドとBバンドの両方のバンドが確認された。
以上の結果から、前記PCRの結果と、前記接種試験の結果とは完全に一致しており、前記FocBo1−A遺伝子の有無を指標とするDNA検査により、アブラナ科植物の萎黄病菌に対する抵抗性を判定することができることが示された。
【0063】
(試験例3:萎黄病菌抵抗性遺伝子の探索−2)
キャベツ(
Brassica oleracea)の近縁種であるハクサイ(
Brassica rapa)における萎黄病菌抵抗性遺伝子を以下のようにして探索した。
【0064】
<RNAシークエンス法>
萎黄病菌に対して罹病性であるハクサイのRJKB−T24系統と、萎黄病菌に対して抵抗性であるハクサイのRJKB−T23系統について、以下のようにしてRNAシークエンス法を行い、萎黄病菌に対して抵抗性であるハクサイのRJKB−T23系統にのみ発現し、TIR−NBS−LRRモチーフを有する遺伝子として、Bra008055、Bra008056、Bra012116、Bra012540、Bra012688、Bra012689、Bra022071を選び出した。
RNAシークエンス法は、ハクサイ自殖系統(Inbred Line)の萎黄病罹病性のRJKB−T24と抵抗性のRJKB−T23とを用い、以下のように行った。
トータルRNAを、播種後14日目(14DAS)のRJKB−T24とRJKB−T23の本葉第1葉及び本葉第2葉から抽出した。トータルRNAからcDNAライブラリーを作製し、Illumina HiSeq 2000によりシークエンス解析を行った。得られたシークエンスデータをBrassica Databaseで公開されているゲノム情報をリファレンスゲノムとしてマッピングした。
その結果、検出された発現遺伝子約2万9千個の中から、RJKB−T24とRJKB−T23との間で発現量の差が確認でき、かつNBS−LRRモチーフをもつ遺伝子を71個選抜した。なお、NBS−LRRモチーフを持つ遺伝子の同定にはBrassica Datebaseで公表されているハクサイのNBS−LRRモチーフ遺伝子リストを参考にした。71個の遺伝子の中から、抵抗性のRJKB−T23系統で発現し、罹病性のRJKB−T24系統で発現が認められない7個の遺伝子を選んだ。
【0065】
<表現型との相関−1>
ハクサイの近交系10系統について、前記TIR−NBS−LRRモチーフを有する遺伝子の有無と、萎黄病菌に対する罹病性若しくは抵抗性との関係を以下のようにして調べた。
【0066】
−プライマーセット−
前記TIR−NBS−LRRモチーフを有する遺伝子を検出するためのプライマーセットとして、以下のプライマーセットを用意した。
〔Bra008055〕
Fw : 5’−gtttcagagaagaaattcgtggggg−3’(配列番号:8)
Rv : 5’−cgggatagcatggaggaccttcttg−3’(配列番号:9)
〔Bra008056〕
Fw : 5’−ccatgtcggccgtgcttcct−3’(配列番号:10)
Rv : 5’−gggccgagagctgctcgaaa−3’(配列番号:11)
〔Bra012116〕
Fw : 5’−caagaagaagctacttgatgctgcc−3’(配列番号:12)
Rv : 5’−ccaacaatatctgatcattcccatca−3’(配列番号:13)
〔Bra012540〕
Fw : 5’−agaagacaatggaggaaaaagaagt−3’(配列番号:14)
Rv : 5’−tgaagatctttcagtgttatgtcca−3’(配列番号:15)
〔Bra012688〕
Fw : 5’−tcagggctcattttagatgga−3’(配列番号:16)
Rv : 5’−tgagatagaccagattttctgagc−3’(配列番号:17)
〔Bra012689〕
Fw : 5’−agatgtcgttgagaagtctgatacc−3’(配列番号:18)
Rv : 5’−ttgttgttctgttatcatgggatta−3’(配列番号:19)
〔Bra022071〕
Fw : 5’−gggtcgggtggaaatgcacgg−3’(配列番号:20)
Rv : 5’−gcgccacaactccttcccaca−3’(配列番号:21)
【0067】
−PCR反応−
下記表3に記載の品種から、以下のようにして鋳型となるDNAを調製した。
−−DNAの調製−−
各植物個体から直径約1cmの葉片組織を採取し、2mLチューブに入れ、「Murray and Thompson. 1980」らの「CTAB(Cethltrimethyl−ammonium bromide)法」を一部改変してゲノムDNAの抽出を行った。イソプロピルアルコールでDNAを沈殿後、サンプルを20分間遠心分離し、沈殿を回収し、70%エタノールで沈殿を洗浄後、TE bufferを200μL加えペレットを溶解し、−20℃で保存した。
【0068】
前記DNAを鋳型とし、前記プライマーセットを用い、以下の条件でPCR反応を行った。なお、PCRミクスチャーの組成は、以下のとおりである。
(1) 94℃、3分間を1サイクル、
(2) 94℃、30秒間、次いで、60℃、30秒間、次いで、72℃30秒間を30サイクル、
(3) 72℃、3分間。
〔PCRミクスチャー〕
・ 酵素(EmeraldAmp PCR Master Mix(2× Premix、タカラバイオ株式会社製)) ・・・ 5μL
・ Forward Primer ・・・ 0.2μM(終濃度)
・ Reverse Primer ・・・ 0.2μM(終濃度)
・ 鋳型DNA ・・・ 20ng〜50ng
・ dH
2O ・・・ 残部(上記各物質との合計量で10μLとなる量)
【0069】
前記PCR産物について、アガロースゲル電気泳動を行い、バンドの有無を調べた。結果を表3に示す。
表3中、前記プライマーセットを用いた場合に、バンドが得られたものは「+」で示し、バンドが得られなかったものは「−」で示す。
【0070】
【表3】
表3中、Rは、萎黄病菌に対する抵抗性を有することを示し、Sは、萎黄病菌に対する感受性を有することを示す。
【0071】
表3の結果から、Bra012688(以下、「FocBr1−A」又は「FocBr1A」と称することがある)、及びBra012689(以下、「FocBr1−B」又は「FocBr1B」と称することがある)の有無と、ハクサイ近交系における萎黄病菌に対する抵抗性の有無とが一致した。
【0072】
<Bra012688及びBra012689の発現量の確認>
罹病性系統であるRJKB−T24と、抵抗性系統であるRJKB−T23とについて、以下のようにしてRNAシークエンス法を行い、それぞれにおけるBra012688及びBra012689の発現量を調べた。結果を
図3に示す。
罹病性系統であるRJKB−T24と、抵抗性系統であるRJKB−T23のRNAシークエンス分析から得られたショートリードをBra012688及びBra012689のゲノム領域にあてたところ、RJKB−T23系統ではmRNAの発現を示すたくさんのショートリードがBra012688及びBra012689領域に貼り付けることができたが、RJKB−T24ではこの2つの遺伝子領域にはショートリードが検出されなかった。このことは、罹病性系統のBra012688及びBra012689の遺伝子の発現がないことを示している。
【0073】
図3中、ドットは、RNAシークエンス法により得られた遺伝子の発現量を示す。
図3の結果から、罹病性系統であるRJKB−T24では、Bra012688及びBra012689が発現していないことが確認された。
また、抵抗性系統であるRJKB−T23では、Bra012688は強く発現しているのに対し、Bra012689はほとんど発現していなかった。
この結果から、Bra012688が萎黄病菌に対する抵抗性を有する遺伝子であると考えられた。
【0074】
<表現型との相関−2>
罹病性品種と抵抗性品種との交雑を2つの組合せ(系統1:RJKB−T24×RJKB−T23、系統2:RJKB−T22×RJKB−T21)で行い、その後代(F2)を以下のようにして作製した。
−交雑−
罹病性のハクサイ自殖系統のRJKB−T24とRJKB−T22を種子親として抵抗性のRJKB−T23とRJKB−T21を花粉親として、それぞれのF1を作成した。
−F2の作製−
RJKB−T24×RJKB−T23、又はRJKB−T22×RJKB−T21の交雑から得られたそれぞれのF1を自家受粉して、それぞれの系統においてF2を作製した。
【0075】
前記F2の表現型と、Bra012688遺伝子の有無との関係を以下のようにして調べた。
【0076】
−プライマーセット−
前記Bra012688遺伝子を検出するためのプライマーセットとして、上述の配列番号:16、及び配列番号:17のプライマーセットを用意した。
【0077】
−PCR反応−
前記<表現型との相関−1>と同様にしてPCRを行った。
前記PCR産物について、アガロースゲル電気泳動を行い、バンドの有無を調べた。結果を
図4A、及び
図4Bに示す。
【0078】
<接種試験>
前記F2について、前記試験例2と同様にして接種試験を行い、表現型を解析した。結果を
図4A、及び
図4Bに示す。
【0079】
図4A、及び
図4B中、前記PCR産物に、バンドが検出されたものは「+」で示し、バンドが得られなかったものは「−」で示す。また、前記接種試験の結果、抵抗性であったものは「R」で示し、感受性であったものは「S」で示す。
図4A、及び
図4Bの結果から、前記Bra012688遺伝子(ゲノム配列(配列番号:2)、cDNA配列(配列番号:3))の有無と、萎黄病菌に対する抵抗性の有無との対応関係に矛盾はないことがわかった。
なお、
図4Aの「58」の個体では、接種試験でのミスか、あるいは何らかの理由で生き残った例外的な個体であると考えられる。
以上の結果から、前記Bra012688遺伝子の有無を指標とするDNA検査によっても、アブラナ科植物の萎黄病菌に対する抵抗性を判定することができることが示された。
【0080】
また、前記Bra012688遺伝子と、前記FocBo1−A遺伝子の配列相同性を確認したところ、95.5%と極めて高い相同性を有することもわかった。
【0081】
本発明の態様としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。
<1> 萎黄病菌抵抗性を有することを特徴とする下記(a)から(c)のいずれかに記載のポリヌクレオチドである。
(a)配列番号:1に記載の塩基配列を含むDNA。
(b)配列番号:2に記載の塩基配列を含むDNA。
(c)配列番号:3に記載の塩基配列を含むDNA。
<2> 前記<1>に記載のポリヌクレオチドを含むことを特徴とするベクターである。
<3> 前記<1>に記載のポリヌクレオチドが導入されたことを特徴とする形質転換体である。
<4> 前記<1>に記載のポリヌクレオチド、及び前記<2>に記載のベクターの少なくともいずれかを含み、萎黄病菌への抵抗性をアブラナ科植物に対して付与することを特徴とする組成物である。
<5> 被検植物体中の配列番号:1から3のいずれかに記載の塩基配列の有無を検出する工程と、
前記配列番号:1から3のいずれかに記載の塩基配列の有無を指標として、被検植物体の萎黄病菌への抵抗性の有無を評価する工程とを含むことを特徴とするアブラナ科植物の萎黄病菌に対する抵抗性の判定方法である。