(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記トイレブースに入室した前記使用者の位置が所定の下限高さを超えていない状態を検出した場合、前記使用者の位置が所定の下限高さを超えている状態を検出した場合と比べて、前記第1の時間及び前記第2の時間の少なくとも一つを短く設定する請求項1から3の何れか1項に記載のトイレシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記システムにおいて警報が発せられると、管理者が当該トイレに出向き、体調不良となった使用者の救護等の対応を行っていた。
【0005】
しかし、近年、快適な環境のトイレが増えたことに伴い、トイレ内で仮眠や、携帯電話の充電といった、本来の目的以外の使用者が長時間トイレ内に留まるケースが増え、上記システムにおいて警報が発せられる頻度が高くなってきている。即ち、使用者の体調不良や不審者の存在といった緊急に対応すべきケースではなく、緊急性の無いケースで警報が発せられる割合が増えている。
【0006】
このような場合でも管理者は、警報が発せられると、当該トイレに出向き、緊急性のある事態か否かを確認しなければならず、不必要に出動回数が増加するといった問題があった。
【0007】
また、本来の目的以外の使用者が長時間トイレを占有すると、本来の使用者が使用できないといった問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、使用者が個室内に所定時間以上留まった場合に予備警告を行い、警報を発する前に退出を促す技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係るトイレシステムは、
トイレブース内の使用者の状態を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づき、前記トイレブースについて使用者の入退室を判定する判定部と、
前記トイレブースに使用者が入室してから第1の時間以上退室しない場合に警報を出力する警報部と、
前記使用者が入室してから前記第1の時間よりも短い第2の時間以上退室しない場合に警報を予告する予備警告を出力する予備警告部と、
を有する。
【0010】
前記トイレシステムは、前記検出部で検出する使用者の状態と前記第1の時間とを対応付けて警報条件とし、複数の警報条件を記憶する第1条件記憶部を備え、
前記警報部が、前記検出部で検出した使用者の状態と対応する第1の時間を前記第1条件記憶部から取得し、当該第1の時間に基づいて前記警報の出力を行っても良い。
【0011】
前記トイレシステムは、前記検出部で検出する使用者の状態と前記第2の時間とを対応付けて警告条件とし、複数の警告条件を記憶する第2条件記憶部を備え、
前記予備警告部が、前記検出部で検出した使用者の状態と対応する第2の時間を前記第2条件記憶部から取得し、当該第2の時間に基づいて前記予備警告の出力を行っても良い。
【0012】
前記トイレシステムは、前記トイレブースに入室した前記使用者の位置が所定の下限高さを超えていない状態を検出した場合、前記使用者の位置が所定の下限高さを超えている状態を検出した場合と比べて、前記第1の時間及び第2の時間の少なくとも一つを短く設定しても良い。
【0013】
前記トイレシステムは、トイレ施設に存在する前記トイレブースの全体数に対して、前記使用者が入室中の前記トイレブースの数の割合を使用率として求める使用率算出部を備え、
前記使用率が所定値を超えた場合に、前記第1の時間及び第2の時間の少なくとも一つを短く設定しても良い。
【0014】
前記トイレシステムは、緊急性の高い状態として予め設定された状態が検出された場合に、前記予備警告を省略して前記警報部が前記警報を出力しても良い。
前記トイレシステムは、使用者の退出後、使用者の荷物がトイレブース内に放置されていた場合に警報を出力しても良い。
【0015】
上記課題を解決するため、本発明に係るトイレ管理方法は、
トイレブース内の使用者の状態を検出するステップと、
前記検出結果に基づき、前記トイレブースについて使用者の入退室を判定するステップと、
前記トイレブースに使用者が入室してから第1の時間以上退室しない場合に警報を出力するステップと、
前記使用者が入室してから前記第1の時間よりも短い第2の時間以上退室しない場合に警報を予告する予備警告を出力するステップと、
をコンピュータが実行する。
【0016】
上記トイレ管理方法は、前記使用者の状態と前記第1の時間とを対応付けて警報条件とし、複数の警報条件を記憶する第1条件記憶部から、前記使用者の状態と対応する第1の時間を取得し、当該第1の時間に基づいて前記警報の出力を行っても良い。
【0017】
前記トイレ管理方法は、前記使用者の状態と前記第2の時間とを対応付けて警告条件とし、複数の警告条件を記憶する第2条件記憶部から、前記使用者の状態と対応する第2の時間を取得し、当該第2の時間に基づいて前記予備警告の出力を行っても良い。
【0018】
前記トイレ管理方法は、前記トイレブースに入室した前記使用者の位置が所定の下限高さを超えていない状態を検出した場合、前記使用者の位置が所定の下限高さを超えている状態を検出した場合と比べて、前記第1の時間及び第2の時間の少なくとも一つを短く設定しても良い。
【0019】
前記トイレ管理方法は、トイレ施設に存在する前記トイレブースの全体数に対して、前記使用者が入室中の前記トイレブースの数の割合を使用率として求める使用率算出部を備
え、
前記使用率が所定値を超えた場合に、前記第1の時間及び第2の時間の少なくとも一つを短く設定しても良い。
【0020】
前記トイレ管理方法は、緊急性の高い状態として予め設定された状態が検出された場合に、前記予備警告を省略して前記警報を出力しても良い。
【0021】
また、本発明は、上記トイレ管理方法をコンピュータに実行させるためのトイレ管理プログラムであっても良い。更に、前記匿名化プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録されていても良い。
【0022】
ここで、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記憶媒体をいう。このような記憶媒体の内コンピュータから取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。また、コンピュータに固定された記憶媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、使用者が個室内に所定時間以上留まった場合に予備警告を行い、警報を発する前に退出を促す技術を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
〈実施形態1〉
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態は本発明の一例であり、本発明の構成は以下の例には限られない。
【0026】
図1は、本実施形態1に係るトイレシステム全体の構成を示す図である。本実施の形態に係るトイレシステム100は、トイレ設備1と、管理サーバ2とを有し、これらがインターネット等のネットワーク5を介して相互に接続されている。トイレシステム100は、トイレ施設10に設けられたトイレブース14に入室した使用者の状態をトイレ設備1が検出して管理サーバ2へ通知し、管理サーバ2がトイレブース14内に使用者が所定時間以上留まっていると判定した場合に管理者端末3等へ警報を送信する。なお、
図1では
、トイレシステム100が管理者端末3を含まない例を示したが、トイレシステム100が、管理者端末3を含んでも良い。
【0027】
トイレ施設10は、例えば百貨店等の商業施設や駅等における、公衆が使用するトイレである。トイレ施設10は、例えば複数の建物の各々や、建物の複数のフロアの各々に備えられる。また、トイレ施設10は、トイレブース(便房)14に設けられたトイレ設備1により使用者の状態を検出し、使用情報として定期的に管理サーバ2へ送信する。
【0028】
管理サーバ2は、トイレ設備1から使用情報を受信し、この使用情報に基づいて、トイレブース14内の使用者に予備警告を出力させる処理や、管理者に警報を送信するといった処理を行う。
【0029】
図2はトイレ施設10の一例を示す図、
図3はトイレ施設10に設けられたトイレブース14を示す斜視図、
図4はトイレブース14を示す正面図である。
【0030】
図2に示すように、トイレ施設10は、例えば、女性用トイレ施設101、男性用トイレ施設102及び多目的トイレ施設103に区分されている。女性用トイレ施設101及び男性用トイレ施設102には複数のトイレブース14が設けられている。
図2の多目的トイレ施設103は、一つのトイレブース14からなる例を示したが、多目的トイレ施設103が、複数のトイレブース14を有しても良い。ここで、トイレブース14とは、ドアや壁等で囲まれた通常同時に一人だけが用を足すためのトイレ設備1が設けられた空間である。なお、トイレブース14は、一人で使用することに厳密に限定されるものではなく、介助者や乳幼児が使用者と同時に入室可能なものでも良い。また、幼児用トイレのように完全に囲われていない空間であっても良い。
【0031】
トイレブース14は、三方を囲う左右一対の側壁14L,14R及び後壁14B並びにトイレブース14の出入り口4を開閉する扉9を有する。四方が側壁14L、14R及び後壁14B並びに扉9によって囲繞されたトイレブース14の中に便器41が設置されている。トイレブース14を囲繞する壁14L,14R,14B及び扉9は、床14Fから天井14Cに達する高さとしても良いが、本実施形態では、
図4に示すように左右の側壁14L,14R及び扉9と天井14Cとの間に空間を設けて空気の流通を可能にしている。
【0032】
ここで、左右とは、トイレブース14の外から出入り口4に正対した場合の左側及び右側をいい、前後とは便器41に着座したときの前方及び後方をいい、上下とは、天井14C側及び便器41の設置面(床)14F側をいう。
【0033】
左右の側壁14L、14Rは、横断面Jの字形になるように、つまり、一方側が直線状で、他方側が湾曲(二次曲面)状をなすようにされた板材であり(
図2、
図3参照)、隣接するトイレブース14がある場合、左側壁14Lは、トイレブース14の左隣の別のトイレブース14の右側壁14Rを兼ね、右側壁14Rはトイレブース14の右隣の別のトイレブース14の左側壁14Lを兼ねる。
【0034】
右側壁14Rには、その内側上部にガイドレール8が設置されている(
図2参照)。この右側壁14Rに一端部が保持されたガイドレール8は、出入り口4の上部を通り、他端が左側壁14Lに固設されている。なお、
図2には省略したが左隣のトイレブース14の右側壁を兼ねる左側壁14Lのトイレブース内側にもガイドレール8は設置される。このガイドレール8に扉9が垂下された状態で設置され、扉9をガイドレール8に沿って移動させることで出入り口4を開閉する。
【0035】
扉9の左側端部には、錠91が設けられ、トイレブース14内の使用者によって施錠及び開錠の操作が可能であり、施錠時に左側壁14Lの受け具(不図示)と係合して開扉を抑止する。錠91は、この左側壁14Lと係合する構成に限らず、右側壁14Rと係合する構成や、その他、ガイドレール8、床面14F、天井面14Cと係合して施錠する構成であっても良い。また、扉9には、錠91が施錠されているか否か、即ち錠91がロックされているか否かを検出するドアロックセンサー92が備えられている。なお、扉9を自動で開閉するような場合で、使用者が開扉を指示するまで扉9の開動作が行われない構成であれば錠91を省略しても良い。
【0036】
図3、
図4に示すように、トイレブース14には、便器41、便座装置42、コントローラ43、制御装置44、警報機45、検出部46等のトイレ設備1が備えられている。
【0037】
便座装置42は、洋式の便器41上に設けられ、使用者が着座する座面を加温する機能や温水を吐出して使用者の肛門や局部を洗浄する洗浄機能を有している。また、便座装置42は、使用者が着座しているか否かを検出する着座センサー421を備え、この着座センサー421の検出結果に基づき、使用者の着座を検出して所定時間経過後に着座を検出しなくなった場合、即ち使用者が用を足して立ち上がったと判定した場合に便座を洗浄する洗浄水を放出する制御や、使用者が着座していない場合には座面の温度を低くして省電力モードとする制御等を行う。なお、便器41は、洋式に限らず和式であっても良く、和式の便器41が設けられた場合には便座装置42は省略される。
【0038】
コントローラ43は、
図5に示すように、便座装置42の温度設定や洗浄位置の設定などの操作を行う操作部431を有している。また、コントローラ43は、表示部432や、スピーカ433を有している。
【0039】
表示部432は、便座の設定温度や洗浄用の温水の温度、洗浄位置の他、制御装置44から受信した情報等を表示する。
【0040】
スピーカ433は、操作部431を操作した際の操作音や、後述の予備警告に係る音、便器を洗浄する洗浄水が流れる音を模擬する擬音等を出力する。
【0041】
警報機45は、管理サーバ2からの警報に基づき、警報として音や光を出力する。警報機45は、例えば左右の側壁14L,14Rの上部に設けられ、側壁14L,14Rの上部と天井14Cとの間の空間を介して警報が当該トイレブース14内の使用者だけでなく、周囲にも伝わるようにしている。
【0042】
検出部46は、トイレブース14内の使用者の状態を検出するためのセンサーである。検出部46は、例えば赤外線や電波、超音波等によって使用者の存在を検出する人感センサーである。検出部46は、使用者の発する赤外線を感知して使用者の存在を検出するパッシブ型のセンサーであっても良いし、送信器から赤外線や電波、超音波を送信し、この赤外線や電波、超音波が使用者によって遮られたり反射されたりして変化した場合に、この変化を受信器で捉えることで使用者の存在を検出するアクティブ型のセンサーであっても良い。本実施形態では、検出する対象領域の位置を異ならせた複数の人感センサーが設けられており、どの人感センサーで検出したかによって使用者の存在する位置が特定される。例えば
図4に示すように下限高さH1以下を検出対象領域とするセンサー461や、上限高さH2以上を検出対象領域とするセンサー462、下限高さH1と上限高さH2の間を検出対象領域とするセンサー463を設けている。また、検出部46は、受信する前記赤外線や電波、超音波の強度や位相の変化に基づいて使用者の動きを検出しても良い。更に、検出部46は、他の機器のセンサーを用いても良い。例えば、便座装置42の着座センサー421や扉9のドアロックセンサー92が検出部46として用いられても良い。
また、検出部46は、使用者がトイレブース14に入室したことを検出して照明や空調、消臭器等を動作させるためのセンサー(不図示)を用いても良い。
【0043】
制御装置44は、検出部46で検出した情報を管理サーバ2へ送信する機能及び管理サーバ2から予備警告に係る方法を受信する機能を有している。制御装置44は、例えば
図6に示すように、CPU441や主記憶装置442、補助記憶装置443、通信IF(Interface)444、入出力IF(Interface)445、通信バス446を備えている。
【0044】
CPU441は、プログラムを実行することにより、本実施の形態で説明する処理を行う。例えばCPU441は、使用者情報取得部や出力制御部の機能を提供する。
【0045】
使用者情報取得部は、検出部46による検出結果を所定のタイミングで取得し、使用者情報として管理サーバ2へ送信する。なお、各トイレブース14には、管理サーバ2が各トイレブースを識別するための識別情報が割り当てられ、使用者情報取得部は、この識別情報と共に使用者情報を送信する。また、使用者情報取得部は、使用者がトイレブース14に入室したことを検出部46によって検出した場合に、このトイレブース14の識別情報と、入室時刻とを使用者情報として管理サーバ2へ送信する。更に、使用者情報取得部は、使用者が操作部431から入力した情報を管理サーバ2へ送信する。
【0046】
出力制御部は、管理サーバ2から予備警告の情報を受信した場合に、コントローラ43から予備警告を出力させる。ここで予備警告とは、使用者に対して警報を予告する情報であり、例えばコントローラ43の表示部432に表示させるメッセージや、スピーカ433から出力させる音であっても良い。
【0047】
主記憶装置442は、CPU441が読み出したプログラムやデータのキャッシュや、CPUの作業領域として用いられる。主記憶装置442は、具体的には、RAM(Random
Access Memory)やROM(Read Only Memory)等である。
【0048】
補助記憶装置443は、CPU441により実行されるプログラムや、本実施の形態で用いる設定情報などを記憶する。補助記憶装置443は、具体的には、HDDやSSD、フラッシュメモリ等である。
【0049】
通信IF444は、他のコンピュータ装置との間でデータを送受信する。通信IF444は、具体的には、有線又は無線のネットワークカード等である。入出力IF445は、入出力装置と接続され、コンピュータのユーザから入力を受け付けたり、ユーザへ情報を出力したりする。本実施形態の入出力IF445は、入出力装置としてコントローラ43が接続され、操作部431による入力を受けたり、表示部432への表示出力、スピーカへの音出力を行ったりする。以上のような構成要素が、通信バス446で接続されている。なお、これらの構成要素は複数設けられていても良いし、一部の構成要素を設けないようにしてもよい。例えば、制御装置44は、トイレブース14毎に設けられていても良いが、複数のトイレブース14に対して一つの制御装置を設けて、複数のトイレブース14の使用者の状態を一つの制御装置で取得して管理サーバ2へ送信すると共に、複数のトイレブース14への予備警告や警報に係る方法を一つの制御装置44で各トイレブース14のコントローラ43や警報機45へ通知する構成としても良い。
【0050】
図7は管理サーバ2のハードウェア構成を示す図である。管理サーバ2は、CPU21や主記憶装置22、補助記憶装置23、通信IF(Interface)24、入出力IF(Interface)25、通信バス26を有する所謂コンピュータである。
【0051】
CPU21は、主記憶装置22に実行可能に展開されたプログラムを実行し、判定部や
警報部、予備警告部の機能を提供する。判定部は、前記検出部46の検出結果に基づき、前記トイレブースについて使用者の入退室を判定する。警報部は、トイレブース14に使用者が入室してから第1の時間以上退室しない場合に警報を出力する。ここで警報の出力とは、表示出力や音出力、他の装置への送信などである。例えば、使用者が第1の時間以上退室しない場合、まず表示装置に警告を表示して管理サーバ2の操作者に通知し、当該操作者が電話により当該トイレの管理者に連絡する。なお、警報部は、警報を直接管理者の端末に送信しても良い。また、警報部は、警報をトイレ設備1の制御装置44に通知して警報機45を動作させる。
【0052】
予備警告部は、使用者がトイレブース14に入室してから第1の時間よりも短い第2の時間以上退室しない場合に予備警告を出力する。なお、予備警告部は、予備警告をトイレ設備1の制御装置44に通知してコントローラ43から使用者へ出力させる。
【0053】
主記憶装置22は、CPU21が読み出したプログラムやデータのキャッシュや、CPU21の作業領域として用いられる。主記憶装置22は、具体的には、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等である。
【0054】
補助記憶装置23は、CPU21により実行されるプログラムや、本実施の形態で用いる設定情報などを記憶する。補助記憶装置23は、具体的には、HDDやSSD、フラッシュメモリ等である。
【0055】
通信IF24は、他のコンピュータ装置との間でデータを送受信する。通信IF24は、具体的には、有線又は無線のネットワークカード等である。入出力IF25は、表示装置やプリンタ等の出力手段や、キーボードやポインティングデバイス等の入力手段、ドライブ装置等の入出力手段が適宜接続される。ドライブ装置は、着脱可能な記憶媒体の読み書き装置であり、例えば、フラッシュメモリカードの入出力装置、USBメモリを接続するUSBのアダプタ等である。また、着脱可能な記憶媒体は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等のディスク媒体であってもよい。ドライブ装置は、着脱可能な記憶媒体からプログラムを読み出し、補助記憶装置23に格納する。
【0056】
補助記憶装置23は、CPU21により実行されるプログラムや、本実施の形態で用いる設定情報などを記憶する。補助記憶装置23は、具体的には、HDDやSSD、フラッシュメモリ等である。補助記憶装置23は、ドライブ装置との間で、データを授受する。例えば、補助記憶装置23は、ドライブ装置からインストールされるプログラム等を記憶する。また、補助記憶装置23は、プログラムを読み出し、主記憶装置22に引き渡す。更に補助記憶装置23は条件テーブルを格納する。
【0057】
図8は、条件テーブルの一例を示す図である。
図8の条件テーブルは、センサー92,421,461,462,463の検出結果を使用者情報とし、第1の時間及び第2の時間と対応付けた警告条件及び警報条件を記憶している。即ち
図8の条件テーブルは、第1条件記憶部及び第2条件記憶部として機能する。
図8の条件テーブルは、第1条件記憶部と第2条件記憶部を一つのテーブルとして記憶した例を示したが、第1条件記憶部と第2条件記憶部を別のテーブルとしても良い。なお、
図8ではセンサー92が施錠を検出した場合や、センサー421が着座を検出した場合、人感センサー461,462,463が使用者の存在を検出した場合をON、そうでない場合をOFFで示している。
図8の例では、洋式便座上に設けた着座センサー421の検出結果によって使用者が着座した状態か否かを検出したが、和式便座の場合、使用者が便座上で屈んだ姿勢であるか否か、即ち用を足す姿勢(以下この状態も着座状態と称する)か否かを人感センサーで検出し、用を足す姿勢(着座状態)の場合にON、そうでない場合にOFFとする。
【0058】
次に本実施形態のトイレシステムにおけるトイレ管理方法について説明する。
図9は、管理サーバ2がトイレ管理プログラムに従って実行するトイレ管理方法の説明図である。
【0059】
まず、使用者がトイレブース14に入室し、検出部46が、この入室を検出すると、制御装置44が、当該トイレブース14の識別情報と共に入室時刻を管理サーバ2へ送信する。なお、検出部46が、退出を検出した場合にも同様に、制御装置44は、当該トイレブース14の識別情報と共に退出した旨の情報を管理サーバ2へ送信する。本実施形態では、センサー92,421,461,462,463の何れかがONとなった場合に使用者がトイレブース14に入室したことが検出され、全てのセンサーがOFFとなった場合に使用者がトイレブース14から退出したことが検出される。
【0060】
制御装置44からトイレブース14の識別情報と入室時刻を受信すると、管理サーバ2は、
図9の処理を開始し、当該トイレブース14の識別情報と入室時刻を主記憶装置22に記憶する(ステップS10)。
【0061】
次に管理サーバ2は、受信した識別情報で特定されるトイレブース14の制御装置44に使用者情報として各センサーの検出結果の送信を要求し、制御装置44から使用者情報、即ち使用者の状態を取得する(ステップS20)。
【0062】
管理サーバ2は、条件テーブルを参照してステップS20で取得した使用者の状態と対応する第2の時間を取得する(ステップS30)。
【0063】
そして管理サーバ2は、ステップS10で記録した入室時刻から第2の時間が経過したか否かを判定する(ステップS40)。ここで、第2の時間が経過していなければ(ステップS40、No)、管理サーバ2は当該トイレブース14の使用者が退出したか否か、即ち退出の通知を受けたか否かを判定し(ステップS50)、退出していれば(ステップS50,Yes)、
図9の処理を終了し、退出していなければ(ステップS50、No)、ステップS20へ戻る。
【0064】
一方、ステップS40で第2の時間が経過していると判定した場合(ステップS40、Yes)予備警告を当該トイレブース14の制御装置44に通知する(ステップS60)。この予備警告の通知を受けた制御装置44は、コントローラ43のスピーカ433から警告音を出力させると共に、「あと5分で警報を発します。警報が不要な場合は、5分以内に退出して下さい」のように、警報を予告するメッセージを表示部432に表示させる。
【0065】
また、管理サーバ2は、当該トイレブース14の制御装置44に使用者情報として各センサーの検出結果の送信を要求し、制御装置44から使用者の状態を取得する(ステップS70)。
【0066】
管理サーバ2は、条件テーブルを参照してステップS70で取得した使用者の状態と対応する第1の時間を取得する(ステップS80)。
【0067】
そして管理サーバ2は、ステップS10で記録した入室時刻から第1の時間が経過したか否かを判定する(ステップS90)。ここで、第1の時間が経過していなければ(ステップS90、No)、管理サーバ2は当該トイレブース14の使用者が退出したか否か、即ち退出の通知を受けたか否かを判定し(ステップS100)、退出していれば(ステップS100,Yes)、
図9の処理を終了し、退出していなければ(ステップS100、No)、ステップS70へ戻る。
【0068】
一方、ステップS90で第1の時間が経過していると判定した場合(ステップS90、Yes)、警報を出力して管理サーバ2の操作者や管理者に知らせると共に、当該トイレブース14の制御装置44に通知する(ステップS110)。なお、警報の出力は、管理サーバ2の表示装置等に警報を表示させて管理サーバ2の操作者に知らせ、操作者から管理者へ電話等で連絡することや、管理サーバ2が直接管理者の端末にメール等で通知することでも良い。また、本実施形態では、警報をトイレブース14の警報機45から出力することで、当該トイレブース14内の使用者だけでなく、周囲の人にも知らせることができる。なお、警報の出力は、トイレブース14と管理サーバ2の何れか一方でもよく、例えばトイレブース14における警報の出力を省略しても良い。
【0069】
このように本実施形態によれば、使用者がトイレブースに入室してから退出するまでの使用時間に応じて警告を発する場合に、警報を予告する予備警告を出力することで、警報を発する前に退出を促すことができ、警報の頻発を抑制できる。
【0070】
また、体調不良によって動けず、予備警告後も退出できないような場合には、使用時間が第1の時間に達した時点で警報が出力される。即ち、警報の頻発を抑えながら必要な警報は出力することができる。
【0071】
更に本実施形態によれば、使用者の状態によって予備警告や警報のタイミングを変更するので、適切なタイミングで予備警告や警報を出力できる。
【0072】
例えば使用者が正常に着座した場合、着座センサー421がONとなり、下部センサー461と中間部センサー463がONとなり、
図8の条件1に適合する。従って、使用者が正常に着座した場合、入室から25分で予備警告が通知され、30分で警報が発せられる。
【0073】
一方、使用者の状態が、条件2に適合した場合、着座センサー421がOFFであり、着座せずに使用している状態(立姿勢)であるので、男性が小便のために使用されているか、トイレ使用を装って着替え等の本来の目的以外で使用されていると考えられる。このため、使用者の状態が、条件2と適合した場合には、着座して使用している場合よりも短時間で済むと想定されるので、条件1よりも短く、入室から15分で予備警告が通知され、20分で警報が発せられる。なお、これに限らず、入室から予備警告までの時間(第2の時間)を3分〜14分、入室から警報までの時間(第1の時間)を5分〜15分のように、更に短い時間で警報を出力するようにしても良い。このように警報までの時間を短く設定した場合でも、本実施形態によれば警報の前に予備警告し、退出を促せるので、警報の頻発を防ぐことができる。
【0074】
また、使用者の状態が、条件3,4に適合した場合、即ち下部センサー461がONであり、中間部センサー463がOFFである場合、使用者が床に倒れている場合や、覗き等のために床に伏せていることが考えられるため、条件1,2より短い時間で予備警告・警報を行う。例えば入室から5分で予備警告が通知され、10分で警報が発せられる。これにより通常の使用状態で警報が頻発しないように警報までの時間を長く設定した場合でも、使用者が倒れた場合や覗き等の迷惑行為の可能性がある場合には短時間で予備警告や警報を発することができる。なお、使用者が倒れていることを適切に検出するため、下限高さH1を洋式便器の座面或いは和式便器の設置面から10cm〜50cm程度に設定し、これよりも下に使用者が存在する場合、即ち中間部センサー463がOFFで下部センサー461がONの場合に使用者が倒れていると判定する。この場合、着座センサー421はON(条件3)でも、着座センサー421がOFF(条件4)でも同様に短い時間で予備警告・警報を行う。
【0075】
更に、使用者の状態が、条件5,6に適合した場合、即ち上部センサー462がONの場合、使用者が左右の側壁14L,14Rの上部から覗いている可能性が考えられるため、条件1,2より短い時間で予備警告・警報を行う。例えば入室から5分で予備警告が通知され、10分で警報が発せられる。これにより通常の使用状態で警報が頻発しないように警報までの時間を長く設定した場合でも、迷惑行為の可能性がある場合には短時間で予備警告や警報を発することができる。なお、覗いている可能性を適切に検出するため、上限高さH2を床面から200cm〜280cm程度に設定し、これよりも上に使用者が存在する場合、即ち上部センサー462がONの場合に覗きの可能性があると判定する。この場合、着座センサー421はON(条件5)でも、着座センサー421がOFF(条件6)でも同様に短い時間で予備警告・警報を行う。
【0076】
〈実施形態2〉
実施形態2では、前述の実施形態1と比べて、トイレ施設の使用率に基づいて予備警告及び警報のタイミングを変更する構成が異なり、その他の構成は同じである。このため、実施形態1と異なる構成を主に説明し、同一の要素には同符号を付す等して再度の説明を省略する。
【0077】
図10は本実施形態2における条件テーブルの一例を示す図、
図11は実施形態2におけるトイレ管理方法の説明図である。
【0078】
本実施形態2において、管理サーバ2のCPU21は、前述の機能に加え、使用率算出部としても機能する。使用率算出部は、予め各トイレ施設に属するトイレブース14の識別情報を記憶し、各トイレブース14の入退室の通知に基づき、各トイレ施設に存在する前記トイレブースの全体数に対して、前記使用者が入室中の前記トイレブースの数の割合を使用率として求める。
【0079】
本実施形態2では、
図10に示すように条件テーブルが前記使用率と対応付けて第1の時間及び第2の時間を記憶しているので、予備警告部及び警報部が使用率に基づく第1の時間及び第2の時間を設定し、この時間に達した際に予備警告及び警報を発する。なお、全ての条件について使用率と時間を対応付けなくても良く、
図10の例では、条件1,2について使用率と第1,2の時間とを対応付けて記憶し、条件3〜6については使用率と対応つけていない。
【0080】
本実施形態2の管理サーバ2は、制御装置44からトイレブース14の識別情報と入室時刻を受信すると、
図11の処理を開始し、当該トイレブース14の識別情報と入室時刻を主記憶装置22に記憶し(ステップS10)、当該トイレブース14が属するトイレ施設におけるトイレブース14の使用率を求める(ステップS15)。
【0081】
次に管理サーバ2は、受信した識別情報で特定されるトイレブース14の制御装置44に使用者情報として各センサーの検出結果の送信を要求し、制御装置44から使用者情報、即ち使用者の状態を取得する(ステップS20)。
【0082】
管理サーバ2は、条件テーブルを参照してステップS20で取得した使用者の状態及び使用率と対応する第2の時間を取得する(ステップS30)。なお、条件3〜6については、使用率に関わらず使用者の状態と対応する第2の時間を取得する。
【0083】
そして管理サーバ2は、ステップS10で記録した入室時刻から第2の時間が経過したか否かを判定する(ステップS40)。ここで、第2の時間が経過していなければ(ステップS40、No)、管理サーバ2は当該トイレブース14の使用者が退出したか否か、
即ち退出の通知を受けたか否かを判定し(ステップS50)、退出していれば(ステップS50,Yes)、
図11の処理を終了し、退出していなければ(ステップS50、No)、ステップS15へ戻る。
【0084】
一方、ステップS40で第2の時間が経過していると判定した場合(ステップS40、Yes)予備警告を当該トイレブース14の制御装置44に通知する(ステップS60)。この予備警告の通知を受けた制御装置44は、コントローラ43のスピーカ433から警告音を出力させると共に、「あと5分で警報を発します。警報が不要な場合は、5分以内に退出して下さい」のように、警報を予告するメッセージを表示部432に表示させる。
【0085】
また、管理サーバ2は、当該トイレブース14が属するトイレ施設におけるトイレブース14の使用率を求め(ステップS65)、当該トイレブース14の制御装置44に使用者情報として各センサーの検出結果の送信を要求して、制御装置44から使用者の状態を取得する(ステップS70)。
【0086】
管理サーバ2は、条件テーブルを参照してステップS70で取得した使用者の状態及び使用率と対応する第1の時間を取得する(ステップS80)。なお、条件3〜6については、使用率に関わらず使用者の状態と対応する第1の時間を取得する。
【0087】
そして管理サーバ2は、ステップS10で記録した入室時刻から第1の時間が経過したか否かを判定する(ステップS90)。ここで、第1の時間が経過していなければ(ステップS90、No)、管理サーバ2は当該トイレブース14の使用者が退出したか否か、即ち退出の通知を受けたか否かを判定し(ステップS100)、退出していれば(ステップS100,Yes)、
図11の処理を終了し、退出していなければ(ステップS100、No)、ステップS65へ戻る。
【0088】
一方、ステップS90で第1の時間が経過していると判定した場合(ステップS90、Yes)、警報を出力して管理サーバ2の操作者や管理者に知らせると共に、当該トイレブース14の制御装置44に通知する(ステップS110)。
【0089】
このように本実施形態2によれば、前述の実施形態1の効果に加えて、使用率に応じた適切なタイミングで予備警告及び警報を出力できる。
【0090】
例えば、制御装置44は、使用者の状態が条件1と適合した場合に、使用率が50%(所定値)以上80%未満であれば、第1の時間を30分、第2の時間を25分に設定し、使用率が50%未満であれば第1の時間を45分、第2の時間を35分と比較的長く設定する。これとは逆に、使用率が80%以上であれば、制御装置44は、第1の時間を20分、第2の時間を15分と比較的短く設定する。即ち、使用率が低く、トイレブース14の空きが多い場合には予備警告及び警報までの時間を長く設定し、使用率が高く、トイレブース14の空きが少ない場合には予備警告及び警報までの時間を短く設定して、適切なタイミングで予備警告及び警報を出力できるようにしている。なお、条件3〜6の場合、トイレブースの空きの数と関係なく短い時間で予備警告及び警報を出力することが望ましいため使用率に関わらず所定の時間で予備警告及び警報を出力する。
【0091】
〈実施形態3〉
実施形態3では、前述の実施形態2と比べて、使用者の状態が緊急性の高い状態の場合に予備警告を禁止する構成が異なり、その他の構成は同じである。このため、実施形態2と異なる構成を主に説明し、同一の要素には同符号を付す等して再度の説明を省略する。
【0092】
図12は本実施形態3における条件テーブルの一例を示す図、
図13は実施形態3におけるトイレ管理方法の説明図である。
【0093】
公共のトイレでは、便座装置42の窃盗や盗撮用カメラの設置のために、便座装置が取り外されたり、コントローラ43等の機器が分解されたりすることがある。そこで、便座装置42やコントローラ43等のトイレ設備に対して異常な操作が行われた場合に、この異常な操作を使用者の状態として管理サーバ2へ通知する。
【0094】
なお、各機器に対する異常な操作の検出は、例えば 各機器の回路にかかる電力の電圧
値や電流値を定期的に検出し、分解や取り外しによってこの電力の値が変化した場合に異常が生じたと判定する。また、各機器の筐体等が開けられた場合に作動するスイッチを設け、このスイッチが作動した場合に異常として検出する。
【0095】
図12の例では、便座装置42とコントローラ43について、異常が生じた場合にON、そうでない場合をOFFで示している。この
図12に示すように、本実施形態3では、異常な操作が行われた場合、即ち便座装置42の異常やコントローラ43の異常がONの場合を緊急性の高い状態として定め、管理サーバ2は、この条件7,8の状態が通知された場合に、予備警告を禁止して比較的短い時間で警報を出力する。なお、
図12において、便座装置42の異常がONの場合(条件7)やコントローラ43の異常がONの場合(条件7)には、他のセンサーのON/OFFに係らず、条件7,8に該当することとした。また、本実施形態3では前記異常な操作が行われた場合の他、条件3〜6の場合も緊急性の高い状態として定めた。
【0096】
本実施形態3の管理サーバ2は、制御装置44からトイレブース14の識別情報と入室時刻を受信すると、
図13の処理を開始し、当該トイレブース14の識別情報と入室時刻を主記憶装置22に記憶し(ステップS10)、当該トイレブース14が属するトイレ施設におけるトイレブース14の使用率を求める(ステップS15)。
【0097】
次に管理サーバ2は、受信した識別情報で特定されるトイレブース14の制御装置44に使用者情報として各センサーの検出結果の送信を要求し、制御装置44から使用者情報、即ち使用者の状態を取得する(ステップS20)。
【0098】
管理サーバ2は、条件テーブルを参照してステップS20で取得した使用者の状態及び使用率と対応する第2の時間を取得する(ステップS30)。なお、条件3〜8については、第2の時間に代えて予備警告の禁止を示す情報が取得される。
【0099】
そして管理サーバ2は、予備警告が禁止か否かを判定し(ステップS35)、予備警告が禁止であれば(ステップS35,Yes)、予備警告を行わずにステップS70〜S110の処理を行い、警報を出力する。
【0100】
一方、ステップS35において、予備警告が禁止で無ければ(ステップS35,No)、管理サーバ2は、ステップS40へ移行し、前述の実施形態2と同様に予備警告や警報の出力を行う(ステップS40〜S110)。
【0101】
このように本実施形態2によれば、前述の実施形態2の効果に加えて、緊急性が高い場合には予備警告を禁止して速やかに警報を出力できる。
【0102】
なお、本実施形態3は、予備警告を禁止する構成以外を実施形態2と同じとしたが、実施形態1と同じとしても良い。
【0103】
〈実施形態4〉
実施形態4では、前述の実施形態1と比べて、トイレ使用者が、トイレブース14内に不審物を持込み、放置したことを検知した場合に、速やかに警報を出力する構成が異なり、その他の構成は同じである。このため、実施形態1と異なる構成を主に説明し、同一の要素には同符号を付す等して再度の説明を省略する。
【0104】
図14は不審物を検出するセンサーの説明図、
図15は本実施形態4における条件テーブルの一例を示す図である。
【0105】
図14においてセンサー464,465は、トイレブース14内の物体の位置を検出するセンサーであり、例えばレーザスキャナである。センサー464,465としてのレーザースキャナは、レーザー光を照射してトイレブース14内を光走査し、このレーザー光の反射位置を測定する。即ち、レーザー光が反射した位置に物体が存在することが検出できる。
図14では、各センサー464,465から下方へ二点鎖線で示した間の領域460をレーザー光で光走査している。このように左右から光走査することで死角をなくすようにしているが、更に他の角度から光走査するセンサー(レーザースキャナ)を設けても良いし、真上や正面等から一つのセンサーで光走査するようにしても良い。また、センサー464,465は、レーザー光に限らず、マイクロ波を照射して、その反射位置を測定するものでも良い。
【0106】
制御装置44のCPU441は、使用者情報取得部としてセンサー464,465の検出結果を定期的に取得し、例えば使用者の入室前の検出結果と比較することで使用者がトイレブース14内に持ち込んだ荷物の有無を使用者情報として検出し、管理サーバ2へ送信する。
図15においてセンサー464,465がONの状態は、センサー464,465の少なくとも一方で荷物があることを検出した状態を示している。
【0107】
管理サーバ2のCPU21は、予備警告部として、使用者がトイレブース14に入室してから第2の時間以上経過し、トイレブース14内に荷物がある状態で扉9が開錠された場合、即ちセンサー92がOFFとなった場合に予備警告を出力する。なお、予備警告部は、予備警告をトイレ設備1の制御装置44に通知してコントローラ43から使用者へ出力させる。
【0108】
また、管理サーバ2のCPU21は、警報部として、使用者がトイレブース14に入室してから第1の時間以上経過し、トイレブース14内に荷物がある状態で使用者が退出した場合、即ちセンサー92,421,461〜463がOFFとなった場合に警報を出力する。ここで警報の出力とは、表示出力や音出力、他の装置への送信などである。例えば、使用者が荷物をトイレブース14内に放置して退室した場合、まず表示装置に警告を表示して管理サーバ2の操作者に通知し、当該操作者が電話により当該トイレの管理者に連絡する。なお、警報部は、警報を直接管理者の端末に送信しても良い。また、警報部は、警報をトイレ設備1の制御装置44に通知して警報機45を動作させる。
【0109】
本実施形態4の管理サーバ2が、前述の
図9に示すようにトイレ管理方法を実行した際、ステップS20において取得した使用者情報が、トイレブース14内に荷物が存在する状態で、扉9が開錠されたことを示す情報である場合、即ちセンサー464,465がON、センサー461,463の何れかがON、且つセンサー92がOFFで条件9と適合した場合、条件テーブルを参照して対応する第2の時間として1分を取得する(ステップS30)。
【0110】
そして管理サーバ2は、第2の時間が経過していると判定した場合(ステップS40、Yes)予備警告を当該トイレブース14の制御装置44に通知する(ステップS60)
。この予備警告の通知を受けた制御装置44は、コントローラ43のスピーカ433から警告音を出力させると共に、「荷物をお忘れにならないようにお気を付け下さい」のようにメッセージを表示部432に表示させ、荷物に関する注意を促す。なお、トイレブース14に入室したものの直ぐに退出したような場合には、予備警告を行う必要性が低いため、本実施形態では少なくとも1分経過後に予備警告を行うようにしたが、条件9と対応する第2の時間を零とし、条件9と適合した場合にはステップS40は必ずYesとして直ちに予備警告を出力しても良い。
【0111】
そして、使用者が完全に退出した際に、トイレブース14内に荷物が存在する状態で、扉9が開錠されたこと、即ちセンサー464,465がON、センサー461,463,92がOFFで条件10と適合したことを示す使用者情報を取得した場合(ステップS70)、対応する第1の時間として5分を取得する(ステップS80)。
【0112】
そして管理サーバ2は、第1の時間が経過していると判定した場合(ステップS90、Yes)、警報を出力して管理サーバ2の操作者や管理者に知らせると共に、当該トイレブース14の制御装置44に通知する(ステップS110)。なお、トイレブース14に荷物を忘れたまま退出した場合でもすぐに取りに戻ることがあるため、本実施形態では少なくとも5分経過後に出力するようにしたが、条件10と対応する第1の時間を零とし、条件10と適合した場合にはステップS90は必ずYesとして直ちに警報を出力しても良い。
このように本実施形態4によれば、トイレの使用者がトイレブース14内に荷物を忘れた場合や不審物を放置した場合には速やかに警報を発することができる。この場合でも開錠時に予備警告を行い、荷物に対する注意を促すので、警報の頻発を防ぐことができる。
【0113】
〈その他〉
本発明は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。