(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明による化粧料容器の好適な実施形態について
図1〜
図10を参照しながら説明する。
図1〜
図3は、本発明の第1実施形態を、
図4は、本発明の第2実施形態を、
図5は、本発明の第3実施形態を、
図6は、本発明の第4実施形態を、
図7は、本発明の第5実施形態を、
図8は、本発明の第6実施形態を、
図9は、本発明の第7実施形態を、
図10は、本発明の第8実施形態を各々示すものである。
【0020】
先ず、
図1〜
図3に示す第1実施形態を説明する。
図1及び
図2は、第1実施形態に係る化粧料容器を示す各図、
図3は、化粧料容器の使用方法を説明するための図である。
【0021】
本実施形態の化粧料容器は、粉体化粧料を被塗布部に塗布する際に用いられるものであり、ここでは、特に頬紅を塗布するのに好適な化粧料容器として説明する。
【0022】
図1に示すように、化粧料容器100は、粉体化粧料である頬紅を収容する容器本体1と、容器本体1の頬紅を被塗布部である頬に塗布するための塗布体(塗布部)2と、塗布体2を覆うキャップ3と、容器本体1に連結された位置決め部4と、を備える。
【0023】
容器本体1は、段付きの有底円筒状に構成され、内部に頬紅を収容する。容器本体1は、上部側の小径部と下部側の大径部を外周の段差面1aを介して連ねた形状を呈し、小径部の外周面に、キャップ3を着脱するための雄螺子1bが形成される。また、容器本体1の段差面1aには、位置決め部4を連結するための溝1cが形成される。
【0024】
溝1cの形状は、
図2に示すように、段差面1aから下方に延び平面視略四角形を成す凹部1dと、凹部1dの上下方向に亘って形成され当該凹部1dの長手方向幅より小さい幅で凹部1dを外方に開放する開口1eと、を備える。凹部1dは、位置決め部4の後述の連結部4aの形状にほぼ合致し、開口1eは、位置決め部4の後述の横軸部4bの横断面形状にほぼ合致する。
【0025】
塗布体2は、容器本体1の上部を覆うようにして容器本体1の上部に装着され、容器本体1内の頬紅を外部に流出可能とする。この塗布体2は、ここでは、頬紅が通るのに適した発泡率のウレタン発泡体から成るスポンジとされている。
【0026】
図1に示すように、キャップ3は、有底円筒状に構成され、内周面の雌螺子(不図示)が容器本体1の雄螺子1bに螺合することにより、容器本体1に着脱自在に装着される。
【0027】
位置決め部4は、塗布体2による塗布位置を位置決めするためのものであり、容器本体1に連結される連結部4aと、連結部4aから水平方向(容器本体1の径方向)に延びる横軸部4bと、横軸部4bの先端から垂直方向上方(容器本体1の軸線方向上方)に延びる縦軸部4cと、縦軸部4cの先端に設けられた当接部4dを一体成形したものである。ここでいう上方とは、塗布体2の塗布面側のことである。そして、位置決め部4を容器本体1から突出させることで、位置決め部4は塗布体2からも突出して形成される。この位置決め部4は弾性を有し、ここでは、シリコンゴムより成形されている。なお、特に好ましいとして、位置決め部4は弾性を有しているが、弾性を有するものに限られない。また、位置決め部4において、横軸部4b及び縦軸部4cが弾性を有しない場合でも、当接部4dは弾性を有していることが好ましい。
【0028】
図2に示すように、連結部4aは、略平板状に形成され、その長手方向が水平方向に向くと共にその短手方向が上下方向を向くように構成される。横軸部4bは、略平板状に形成され、その長手方向が水平方向に向くと共にその短手方向が上下方向を向いて連結部4aに直交するように連設され、連結部4aと共に平面視T字状を成すように構成される。縦軸部4cも、略平板状に形成され、その長手方向が上下方向に向くと共にその短手方向が水平方向を向いて横軸部4bに直交するように連設され、横軸部4bと共に側面視L字状を成すように構成される。当接部4dは、略球状に形成され、縦軸部4cの上端に連設される。ここで、位置決め部4の当接部4dの直径は3〜10mmであることが好ましい。また、当接部4dは、ここでは、小鼻の脇に押し当てることにより、塗布体2による頬紅の塗布位置を位置決めするものである。当接部4dを当接させる部分としては、小鼻以外には、例えば、目の下、耳や口角付近等が挙げられる。
【0029】
このような構成を有する位置決め部4は、その連結部4aが容器本体1の凹部1dに圧入されると共に、その横軸部4bが容器本体1の開口1eを通りその先端側が外方に突出するようにして圧入され、これにより、
図1に示すように、容器本体1に連結される。なお、位置決め部4の連結部4aは容器本体1の凹部1dに対して着脱可能であり、位置決め部4は必要に応じて容器本体1に対して取り付け又は取り外しされる。また、位置決め部4に横軸部4bが形成されていることにより、容器本体1に位置決め部4を連結させたまま、容器本体1に対するキャップ3の着脱が可能である。
【0030】
ここで、位置決め部4の当接部4dの天面の高さは、好ましくは、塗布体2の天面から下方15mm〜上方15mmの間の位置に設けられており、さらに好ましくは、塗布体2の天面から下方10mm〜上方10mmの間の位置に設けられる。例えば、小鼻付近に当接部4dを押し当てる場合には、当接部4dの天面の高さ位置は、好ましくは、塗布体2の天面から0mm〜下方15mmの間の位置に設けられ、さらに好ましくは、塗布体2の天面から下方5mm〜下方12mmの間の位置に設けられる。
【0031】
また、位置決め部4の当接部4dの中心位置は、例えば小鼻付近に当接部4dを押し当てる場合、好ましくは、容器側面から径方向5〜30mmの位置、又は、塗布体2の中心から径方向25〜55mmの位置にくるように構成される。さらに好ましくは、容器側面から径方向5〜15mmの位置、又は、塗布体2の中心から径方向25〜40mmの位置にくるように構成される。
【0032】
次に、このような構成を有する化粧料容器100の使用方法を説明する。
【0033】
使用者は、キャップ3を取り外して化粧料が収容された容器本体1を持ち、
図3に示すように、位置決め部4の先端の当接部4dを使用者Wの小鼻Nの脇に押し当てる。このとき、横軸部4bが略水平方向を向くようにする。
【0034】
このように位置決め部4の先端の当接部4dを使用者Wの小鼻Nの脇に押し当てることにより、図示のように、塗布体2による頬紅の塗布位置が狙いの位置として自動的に位置決めされ、塗布体2が位置している位置が、頬紅の一般的に推奨される塗布位置となる。使用者Wは、この状態で、塗布体2を頬に叩くようにして頬紅を塗布すれば良い。なお、横軸部4bは水平方向を向くのが必須ではなく、顔の形状、大きさ等により、適宜方向を微調整するのが良い。
【0035】
このように、本実施形態においては、容器本体1から突出する位置決め部4により、塗布体2の塗布位置を位置決めでき、この位置決め部4は、塗布の際に邪魔にならず且つ移動させる必要もない。このため、頬紅を狙いの位置に容易且つ確実に塗布できる。
【0036】
また、本実施形態においては、位置決め部4が弾性を有しているため、位置決め部4の当接部4dを皮膚に押し当てたときの触感が良い。また、位置決め部4の当接部4dを強く押し当てた場合でも、当接部4dを支持する部分である縦軸部4cが弾性により撓むため、この場合の触感も良い。
【0037】
また、塗布体2の頂点より当接部4dが軸線方向上方にある場合、使用時に当接部4dが先に小鼻Nに接触し、さらに押し付けると縦軸部4cが撓み塗布体2と頬が接触し、化粧を正確な位置に施すことが可能となる。
【0038】
図4は、本発明の第2実施形態に係る化粧料容器の位置決め部を示す斜視図、
図5は、本発明の第3実施形態に係る化粧料容器の位置決め部を示す斜視図、
図6は、本発明の第4実施形態に係る化粧料容器の位置決め部を示す斜視図である。
【0039】
第2実施形態の位置決め部14が第1実施形態の位置決め部4と違う点は、弾性を有する縦軸部4cを、コイルバネ14cとした点である。
【0040】
第3実施形態の位置決め部15が第1実施形態の位置決め部4と違う点は、弾性を有する縦軸部4cを、螺旋状の樹脂バネ15cとした点である。
【0041】
第4実施形態の位置決め部16が第1実施形態の位置決め部4と違う点は、弾性を有する縦軸部4cを、略菱形状を呈する樹脂バネ16cとした点である。この樹脂バネ16cは、反った板バネ様で四辺を構成し、四辺で囲まれた部分が空間とされている。
【0042】
このような第2、第3、第4実施形態においても、縦軸部14c,15c,16cが軸線方向に伸縮するので、当接部4dを皮膚に押し当てたときの触感が良く、第1実施形態と同様な作用・効果を奏するというのはいうまでもない。
【0043】
図7は、本発明の第5実施形態に係る化粧料容器を示す斜視図である。
【0044】
この第5実施形態の位置決め部17が第1実施形態の位置決め部4と違う点は、縦軸部4cを上方に延ばすと共に、この縦軸部4cの当接部4d寄りの位置に、円環状のリング体17eを設けた点である。このリング体17eは、その軸線が塗布体2の軸線と同軸となるように配置される。
【0045】
リング体17eは、ここでは、連結部4a、横軸部4b、縦軸部4c、当接部4dと一体成形したものであり、従って、弾性を有する。なお、リング体17eを別部品として縦軸部4cに連結しても良い。また、リング体17eの内径は、塗布体2の外径より大きくされている。
【0046】
このような第5実施形態の化粧料容器200によれば、当接部4dを小鼻Nの脇に押し当てることにより、頬紅が塗布される頬の場所にリング体17eがくるため、そのまま塗布体2を頬に押し付けるようにして化粧を行う。このように、リング体17eが、頬紅が塗布される頬の場所にくることにより、より分かりやすい化粧のガイドを行うことができる。そして、塗布体2を頬に押し付けるようにすれば、リング体17eが軸線方向塗布体2側に移動すると共に塗布体2がリング体17eの内側を通るように縦軸部4cが撓み、頬に塗布体2が当接し化粧を施すことができる。
【0047】
なお、このようなリング体17eの付加は、第2〜第4実施形態に適用しても良い。
【0048】
図8は、本発明の第6実施形態に係る化粧料容器を示す斜視図である。
【0049】
この第6実施形態の化粧料容器300が第1実施形態の化粧料容器100と違う点は、容器本体1の上部の一部を径方向外側に膨出させ、この膨出部1fに、縦軸部4c及び当接部4dから成る位置決め部18を連結し立設させた点である。ここでは、縦軸部4cが膨出部1fに圧入されることにより連結されている。
【0050】
このように構成しても第1実施形態と同様な効果を得ることができるというのはいうまでもない。
【0051】
なお、このような膨出部1fに対して第2〜第5実施形態の位置決め部14〜17を適用することもできる。この場合には、連結部4a及び横軸部4bはなくて良い。
【0052】
図9は、本発明の第7実施形態に係る化粧料容器の位置決め部を示す斜視図、
図10は、本発明の第8実施形態に係る化粧料容器の位置決め部を示す斜視図である。
【0053】
第7実施形態の位置決め部19が第1実施形態の位置決め部4と違う点は、横軸部4b及び縦軸部4cを、斜め上方に直線状に延びる斜軸部19eに代えた点である。
【0054】
第8実施形態の位置決め部20が第1実施形態の位置決め部4と違う点は、横軸部4b及び縦軸部4cを、斜め上方に湾曲して延びる斜軸部20eに代えた点である。
【0055】
このような第7、第8実施形態においても、斜軸部19e,20eが弾性により撓むので、当接部4dを皮膚に押し当てたときの触感が良く、第1実施形態と同様な作用・効果を奏するというのはいうまでもない。なお、このような斜軸部19e,20eは、第2〜第6実施形態にも適用できる。
【0056】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、特に好適であるとして、塗布体2をスポンジとしているが、他の柔らかい発泡体でも良く、要は、頬紅を外部に流出させて頬に塗布できるものであれば良い。また、塗布体2に代えて、例えば樹脂等より成る例えばドーム状の塗布部を容器本体1に固定し、この塗布部に、頬紅を外部に流出させる貫通孔を備える構成としても良い。
【0057】
また、上記実施形態においては、
図1、
図7及び
図8に示すように、容器本体1は、位置決め部4,14〜20及び雄螺子1bを含む上半部と、これより下の下半部に分かれているが、分かれていない一体の容器本体でも良い。また、位置決め部4,14〜20は、上半部ではなく下半部から突出していても良い。
【0058】
また、上記実施形態においては、特に好適であるとして、位置決め部4,14〜20の先端の当接部4dを小鼻Nの脇に押し当て、これにより、頬紅の塗布位置を位置決めできる化粧料容器としているが、位置決め部4,14〜20の先端の当接部4dを上記とは別の位置に押し当てることにより、上記とは別の塗布位置を位置決めできる化粧料容器とすることもできる。この場合、化粧料は頬紅に限定されるものではない。
【0059】
さらにまた、上記実施形態においては、特に好適であるとして、化粧料を粉体化粧料としているが、液状化粧料等にも適用できる。
【0060】
なお、上記実施形態においては、化粧料を容器本体1に収容した化粧料容器として具体的に説明したが、化粧料を収容する前の容器本体1と、上述した塗布部2及びキャップ3並びに位置決め部4(14〜20)とを有する化粧料用容器に対しても勿論適用できる。この化粧料用容器は、容器本体1に化粧料を収容し化粧料容器となる。