【0013】
ここで、条件(A)の構成脂肪酸の含有量とは、ソルビタン脂肪酸エステルの製造の原料となる脂肪酸100%中の含有量を指すが、この含有量は、製造されたソルビタン脂肪酸エステルについて下記工程(1)〜(3)を実施して測定しても良い。
(1)試料の調製
「基準油脂分析試験法(I)」(社団法人 日本油化学会編)の[2.4.1.2−1996 メチルエステル化法(三フッ化ホウ素メタノール法)]に準じて試料を調製する。
(2)測定方法
「基準油脂分析試験法(I)」(社団法人 日本油化学会編)の[2.4.2.2−1996 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)]に準じて測定する。
(3)定量
データ処理装置により記録されたピーク面積の総和に対する各ピーク面積の百分率をもって構成脂肪酸の含有量とする。
【実施例】
【0028】
[製造例1]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、ソルビトールを443g仕込み、次にラウリン酸L−98(商品名;脂肪酸組成:ラウリン酸98%、ミリスチン酸2%;丸善薬品産業社製)188.6g、ステアリン酸65(商品名;ステアリン酸含有量65%;パルミチン酸含有量35%;ミヨシ油脂社製)377.3g及びベヘニン酸85(商品名;ベヘニン酸含有量90%;アラキジン酸含有量8%;ステアリン酸含有量2%;ミヨシ油脂社製)62.9gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム1.33gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、235℃で酸価10以下となるまで約1.5時間エステル化反応を行った。得られた反応生成物を冷却し、ソルビタン脂肪酸エステル(試作品A;エステル化率30%)約830gを得た。
【0029】
[製造例2]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、ソルビトールを428g仕込み、次にラウリン酸L−98(商品名;脂肪酸組成:ラウリン酸98%、ミリスチン酸2%;丸善薬品産業社製)330.5g、ステアリン酸65(商品名;ステアリン酸含有量65%;パルミチン酸含有量35%;ミヨシ油脂社製)264.4g及びベヘニン酸85(商品名;ベヘニン酸含有量90%;アラキジン酸含有量8%;ステアリン酸含有量2%;ミヨシ油脂社製)66.1gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム1.38gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、235℃で酸価10以下となるまで約1.5時間エステル化反応を行った。得られた反応生成物を冷却し、ソルビタン脂肪酸エステル(試作品B;エステル化率35%)約850gを得た。
【0030】
[製造例3]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、ソルビトールを367g仕込み、次にラウリン酸L−98(商品名;脂肪酸組成:ラウリン酸98%、ミリスチン酸2%;丸善薬品産業社製)446.0g、ステアリン酸65(商品名;ステアリン酸含有量65%;パルミチン酸含有量35%;ミヨシ油脂社製)356.8g及びベヘニン酸85(商品名;ベヘニン酸含有量90%;アラキジン酸含有量8%;ステアリン酸含有量2%;ミヨシ油脂社製)89.2gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.58gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、235℃で酸価10以下となるまで約3.0時間エステル化反応を行った。得られた反応生成物を冷却し、ソルビタン脂肪酸エステル(試作品C;エステル化率60%)約1070gを得た。
【0031】
[製造例4]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、ソルビトールを361g仕込み、次にラウリン酸L−98(商品名;脂肪酸組成:ラウリン酸98%、ミリスチン酸2%;丸善薬品産業社製)740.7g及びステアリン酸65(商品名;ステアリン酸含有量65%;パルミチン酸含有量35%;ミヨシ油脂社製)185.2gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.59gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、235℃で酸価10以下となるまで約4.0時間エステル化反応を行った。得られた反応生成物を冷却し、ソルビタン脂肪酸エステル(試作品D;エステル化率75%)約1090gを得た。
【0032】
[製造例5]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、ソルビトールを356g仕込み、次にラウリン酸L−98(商品名;脂肪酸組成:ラウリン酸98%、ミリスチン酸2%;丸善薬品産業社製)914.8g及びベヘニン酸85(商品名;ベヘニン酸含有量90%;アラキジン酸含有量8%;ステアリン酸含有量2%;ミヨシ油脂社製)48.1gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.61gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、235℃で酸価10以下となるまで約4.0時間エステル化反応を行った。得られた反応生成物を冷却し、ソルビタン脂肪酸エステル(試作品E;エステル化率80%)約1120gを得た。
【0033】
[製造例6]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、ソルビトールを337g仕込み、次にラウリン酸L−98(商品名;脂肪酸組成:ラウリン酸98%、ミリスチン酸2%;丸善薬品産業社製)341.1g及びステアリン酸65(商品名;ステアリン酸含有量65%;パルミチン酸含有量35%;ミヨシ油脂社製)682.1g及びベヘニン酸85(商品名;ベヘニン酸含有量90%;アラキジン酸含有量8%;ステアリン酸含有量2%;ミヨシ油脂社製)113.7gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.70gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、235℃で酸価10以下となるまで約4.0時間エステル化反応を行った。得られた反応生成物を冷却し、ソルビタン脂肪酸エステル(試作品F;エステル化率80%)約1250gを得た。
【0034】
[製造例7]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、ソルビトールを492g仕込み、次にラウリン酸L−98(商品名;脂肪酸組成:ラウリン酸98%、ミリスチン酸2%;丸善薬品産業社製)523.7g及びステアリン酸65(商品名;ステアリン酸含有量65%;パルミチン酸含有量35%;ミヨシ油脂社製)27.6gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム1.22gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、235℃で酸価10以下となるまで約1.5時間エステル化反応を行った。得られた反応生成物を冷却し、ソルビタン脂肪酸エステル(試作品G;エステル化率30%)約810gを得た。
【0035】
[製造例8]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、ソルビトールを382g仕込み、次にステアリン酸65(商品名;ステアリン酸含有量65%;パルミチン酸含有量35%;ミヨシ油脂社製)570.8g及びベヘニン酸85(商品名;ベヘニン酸含有量90%;アラキジン酸含有量8%;ステアリン酸含有量2%;ミヨシ油脂社製)244.6gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム1.61gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、235℃で酸価10以下となるまで約1.5時間エステル化反応を行った。得られた反応生成物を冷却し、ソルビタン脂肪酸エステル(試作品H;エステル化率40%)約930gを得た。
【0036】
[製造例9]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、ソルビトールを355g仕込み、次にラウリン酸L−98(商品名;脂肪酸組成:ラウリン酸98%、ミリスチン酸2%;丸善薬品産業社製)126.6g、ステアリン酸65(商品名;ステアリン酸含有量65%;パルミチン酸含有量35%;ミヨシ油脂社製)682.0g及びベヘニン酸85(商品名;ベヘニン酸含有量90%;アラキジン酸含有量8%;ステアリン酸含有量2%;ミヨシ油脂社製)165.6gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.62gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、235℃で酸価10以下となるまで約3.0時間エステル化反応を行った。得られた反応生成物を冷却し、ソルビタン脂肪酸エステル(試作品I;エステル化率60%)約1130gを得た。
【0037】
[製造例10]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、ソルビトール347gを仕込み、次にステアリン酸65(商品名;ステアリン酸含有量65%;パルミチン酸含有量35%;ミヨシ油脂社製)1035.4gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.65gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、235℃で酸価10以下となるまで約3.0時間エステル化反応を行った。得られた反応生成物を冷却し、ソルビタン脂肪酸エステル(試作品J;エステル化率65%)約1140gを得た。
【0038】
[製造例11]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、ソルビトール550gを仕込み、次にラウリン酸L−98(商品名;脂肪酸組成:ラウリン酸98%、ミリスチン酸2%;丸善薬品産業社製)295.6g、ステアリン酸65(商品名;ステアリン酸含有量65%;パルミチン酸含有量35%;ミヨシ油脂社製)172.4g及びベヘニン酸85(商品名;ベヘニン酸含有量90%;アラキジン酸含有量8%;ステアリン酸含有量2%;ミヨシ油脂社製)24.6gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム1.13gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、235℃で酸価10以下となるまで約1.5時間エステル化反応を行った。得られた反応生成物を冷却し、ソルビタン脂肪酸エステル(試作品K;エステル化率23%)約800gを得た。
【0039】
ここで、製造例1〜11で製造したソルビタン脂肪酸エステル(試作品A〜K)の構成脂肪酸100%中、炭素数10〜14、炭素数16〜18及び炭素数20〜22の脂肪酸含有量(%)並びにこれらのエステル化率を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
なお、表1に示したソルビタン脂肪酸エステルのうち、試作品A〜G(製造例1〜7)は、本発明に係る実施例であり、試作品H〜K(製造例8〜11)は、これらに対する比較例である。
【0042】
[試験例]
[ラウリン系油脂の収縮抑制試験]
製造例1〜11で得たソルビタン脂肪酸エステル(試作品A〜K)各0.5gを油脂収縮抑制剤としてヤシ硬化油99.5gに添加し、これを80℃に加熱して混合・溶解し、ラウリン系油脂組成物を調製した。得られた油脂組成物のうち各60gを容量70mLのマヨネーズビン(略円筒形状の透明な容器)に流し込み、10℃に設定した恒温器内で4時間静置して固化させた。その後、固化した油脂組成物の形状を観察することにより、ラウリン系油脂の収縮の程度を評価した。また、対照として、油脂収縮抑制剤を添加せずに同様にラウリン系油脂組成物を調製して評価した。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
表2の結果から明らかなように、本発明の油脂収縮抑制剤(試作品A〜G)を添加したラウリン系油脂組成物は、わずかな収縮が見られるものが一部あったものの、いずれも収縮が十分に抑制されていた。これに対し、比較例の油脂収縮抑制剤(試作品H〜K)を添加したラウリン系油脂組成物及び対照のラウリン系油脂組成物では、いずれも大きな収縮が見られ、本発明に比べて劣っていた。