(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0005】
[0010]以下に示す実施形態の説明では、本明細書の一部を構成する添付の図面を参照し、そしてここでは、説明の特定の例示的な実施形態が例として示されている。しかしながら、他の実施形態が利用されてもよいし、その論理的、機械的、及び電気的変更がなされ得ることが理解されるべきである。さらに、図面及び本明細書に提示されるこの方法は、個々のステップが実行され得る順序を限定するものとして解釈されるべきではない。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で理解されるべきではない。
【0006】
[0011]本開示に記載の実施形態は、漏電を引き起こす腐食及び湿気のような、圧力媒体の有害な影響から、シリコンダイ及びシリコンダイ上に形成された検出回路を保護する。シリコン圧力センサを保護するために、圧力検出回路は、2層ダイスタックを形成する2つのシリコン圧力センサダイの間に形成される。2層ダイスタックは、シリコン整合された低温同時焼成セラミックス(SM−LTCC)の、台座のような圧力隔離部材に搭載されている。2層ダイスタック構造は、高圧検出ダイヤフラム及び低圧検出ダイヤフラムの、2つの圧力検出ダイヤフラムを提供する。2層ダイスタックは、高圧検出ダイヤフラム及び低圧検出ダイヤフラムの間に、内部空洞を含む。内部空洞は、結合パッド、金属化配線、及びピエゾ抵抗素子を含む検出回路を、圧力媒体から及び隔離する。2層ダイ構造は、高圧検出ダイヤフラムと低圧検出ダイヤフラムとを接続するセンターポストを含み、センターポストは、高圧検出ダイヤフラムと低圧検出ダイヤフラムとの互いの間の偏差に起因する力を伝達する。このように、高圧検出ダイヤフラム又は低圧検出ダイヤフラムのいずれかに与えられる差圧は、内部空洞にさらされた一方のダイアグラム表面にあるピエゾ抵抗素子によって検出される。電気的接続は、ダイを貫通するビアの接続を介して、ピエゾ抵抗素子に形成される。内部空洞内に検出回路を配置することによって、検出回路は、圧力媒体の有害な影響から隔離される。
【0007】
[0012]さらなる実施形態において、2層ダイスタックは、低圧及び高圧媒体から隔離されていない2層ダイスタックの表面に形成される原子層堆積によって、低圧及び高圧媒体の両方から保護される。例えば、アルミナ又は酸化チタンのような金属酸化物コーティングは、センサ性能の劣化を最小限にするために、圧力検出装置内の露出面に堆積される。この構成は、ゲージ又は差圧用途に使用することができる。また、入力ポートの一つが真空を含むよう密封されている場合、絶対圧センサとして構成することができる。さらに、隔離媒体としてのオイルを排除することによって、圧力センサのサイズを減らすことができる。
【0008】
[0013]
図1は、圧力検出装置100の断面図である。圧力検出装置100は、別々の媒体間の差圧を測定すること、又は媒体内の圧力を測ることができる。圧力検出装置100が、異なる圧力媒体において圧力を検出する場合、異なる圧力媒体は、空気、液体、又は空気と液体の両方から構成されてもよい。異なる圧力媒体の圧力を検出するために、圧力検出装置100はハイサイド入力ポート102及びローサイド入力ポート104を含み、ハイサイド入力ポート102は高圧媒体がハイサイド筐体106に入ることを可能にし、ローサイド入力ポート104は低圧媒体がローサイド筐体108に入ることを可能にする。本明細書で使用される高圧媒体とは、ローサイドの圧力媒体よりも高い圧力を有する媒体のことを指す。しかし、特定の例示的な実装形態では、低圧媒体は、高圧媒体よりも高い圧力を有していてもよい。また、1つの特定の例示的な実施形態では、ハイサイド又はローサイドの一方は、圧力検出装置100が絶対圧力ゲージとして機能するように、基準真空を含むように密封されている。他の特定の実施形態においては、圧力検出装置100は、高圧媒体と低圧媒体間との差圧を求める。代替的には、圧力検出装置100は、他の媒体内の圧力を測定するための基準として、高圧又は低圧媒体の一方の圧力を使用する。さらに、圧力検出装置100を損傷する、又は圧力検出装置100の性能に影響する、可能性がある環境の影響から部品を保護するために、圧力検出装置100の検出部品をカプセル化するようハイサイド筐体106はローサイド筐体108に結合される。
【0009】
[0014]特定の実施形態では、ハイサイド入力ポート102に入る高圧媒体とローサイド入力ポート104に入る低圧媒体との間の圧力を計測するために、圧力検出装置100は、内部に形成されたダイヤフラム105を有するセンサダイ110を含む。圧力検出装置100内にダイヤフラム105を形成するために、センサダイ110のくぼみ部を形成するためセンサダイ110の一部は除去される。そのくぼみ部は、センサダイ110の一部である。センサダイ110の一部をくぼませることにより、ダイヤフラム105の異なる側の差圧に応じて動くことができるように、ダイヤフラムは、センサダイ110の他の部分よりもより薄く形成される。
【0010】
[0015]少なくとも1つの実施形態では、センサダイ110は、ピエゾ抵抗シリコン圧力センサダイであり、ピエゾ抵抗シリコン構造を含む検出回路107は、シリコンダイヤフラム105の回路側109に形成され、ダイヤフラム105での歪みは、検出回路107の性能に影響を及ぼす。少なくとも1つの実施形態では、高圧媒体がハイサイド入力ポート102を介してハイサイド筐体106に入るにつれて、また低圧媒体がローサイド入力ポート104を介してローサイド筐体108に入るにつれて、低圧媒体と高圧媒体の両方が、センサダイ110上で力を及ぼす。低圧媒体と高圧媒体間との差圧は、センサダイ110上のダイヤフラム105で歪みを引き起こす。例えば、高圧媒体と低圧媒体の圧力が等しい場合、高圧媒体及び低圧媒体は、ダイヤフラム105の反対側からであるが、ダイヤフラム105上に同じ圧力をかける。したがって、差圧がゼロである場合は、ダイヤフラム105が歪むことはない。さらに、高圧媒体が低圧媒体よりも高い圧力を有する場合、高圧媒体は、ダイヤフラム105に対して低圧媒体よりもより大きな力を加える。高圧媒体から加えられる力によって、ダイヤフラム105は、ローサイド入力ポート104に向かって歪み、ダイヤフラム105の歪みは、ダイヤフラム105上に形成される検出回路107を歪ませる。
【0011】
[0016]特定の環境では、ハイサイド筐体106及びローサイド筐体108は、圧力検出器100の、ハイサイド筐体106とローサイド筐体108の組み合わせ内に配置される部品、に影響を与える圧力を受ける可能性がある。筐体内の部品の一部が圧力によってごくわずかな影響を受ける可能性がある間、センサダイ110の回路側109に配置される検出回路107にあるピエゾ抵抗シリコン構造上の、圧力検出装置100での圧力によって生じる歪みは、圧力検出装置100によって計測される圧力計測の正確さに否定的な影響を及ぼす可能性がある。例えば、圧力検出装置100での外部歪みは圧力検出装置100の様々な部品を介して伝搬し、高圧媒体又は低圧媒体のどちらかによってセンサダイ110のダイヤフラム105に加わる歪みと似た方法で、センサダイ110を歪める可能性がある。ダイヤフラム105での歪みは、センサダイ110から得た圧力測定値にバイアスをもたらす。特定の実施形態では、センサダイ110を圧力検出装置100又は検出装置100のその他部品の圧力から隔離するために、センサダイ110は、圧力隔離部材114に搭載されている。圧力隔離部材114は、センサダイ110を、圧力検出装置100に加えられる歪み、又は、圧力検出装置100内の他の部品によって引き起こされる歪みから分離する。1つの実施形態において圧力隔離部材114は、センサダイ110が搭載された台座を含んでもよく、その台座は構造的に、圧力検出装置100又は圧力検出装置100の他の部品に影響を及ぼす物理的な力から、圧力検出装置100内のセンサダイ110を隔離する。
【0012】
[0017]特定の実施形態において、歪みがセンサダイ110による圧力測定の精度に影響を及ぼすことをを防ぐために、圧力隔離部材114は、センサダイ110と同様の熱膨張(CTE)の係数を有する材料で製造される。例えば、センサダイ110がシリコンで製造される場合、圧力隔離部材114はシリコンと実質的に同じCTEを有する材料で製造される。したがって、圧力隔離部材114及び/又はセンサダイ110が熱エネルギーの変化によって大きさが変化する場合、圧力隔離部材114及びセンサダイ110は、熱膨張が、センサダイ110に形成されるピエゾ抵抗要素に圧力を加えることを防ぐために、実質的に同じ割合で膨張する。少なくとも1つの例示的な実施形態ではセンサダイ110は、シリコン整合された低温同時焼成セラミックス(SM−LTCC)で製造される。さらなる実施形態において、圧力隔離部材114を製造する場合、センサダイ110は、センサダイ110を圧力隔離部材114に結合するための熱結合プロセス又は他のプロセスを用いて、圧力隔離部材114に結合される。
【0013】
[0018]特定の実施形態では、圧力隔離部材114は、基板126上に形成される。基板126は、アルミナ支持材又は他のろう付け可能な材料で製造されてもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態では、基板126及び圧力隔離部材114はローサイド筐体108内に確実に搭載されている。基板126と、ローサイド筐体108内に取り付けられている部品と、を確実に搭載するために、基板126は、ローサイド筐体108にろう材128で取り付けられている。基板126が、ローサイド筐体108に確実に取り付けられているため、ローサイド入力ポート104に入る圧力媒体は、圧力隔離部材114から基板の反対側にある基板126の側面と接触する可能性がある。圧力媒体がセンサダイ110のダイヤフラム105に接触するように、圧力媒体が基板126及び圧力隔離部材114を通過できるようにするために、チャネル138は、基板126及び圧力隔離部材114を貫通して形成されている。圧力隔離部材114が台座を含む場合、チャネル138は、台座を通って延在している。センサダイ110は、ダイヤフラム105の一方の側が圧力隔離部材114内のチャネル138の開口及びに対向するように、圧力隔離部材114に搭載されている。センサダイ110の回路側109は、チャネル138にさらされていない。
【0014】
[0019]少なくとも1つの実施形態において、センサダイ110のダイヤフラム105上の検出回路107と外部回路との間の電気的な接続を容易にするために、金属化ビア111はセンサダイ110を通って形成される。さらに、圧力隔離部材114を製造する間に、圧力隔離埋め込み配線116が圧力隔離部材114内に形成され、基板埋め込み配線124が基板126内に形成される。センサダイ110上に形成されている検出回路107は金属化ビア111に電気的に接続されている。センサダイ110は、金属化ビア111が圧力隔離部材114内の圧力隔離埋め込み配線116に接触するように、圧力分離部材114に搭載されている。さらに、圧力隔離埋め込み配線116は、基板埋め込み配線124に接触している。基板埋め込み配線124は、基板を貫通して延在し、ローサイド筐体108又はハイサイド筐体106のいずれかの側壁を通って延在している相互接続子132に、電気的に接続する。相互接続子132は、側壁を通って延在し、回路ウェハ上に搭載されているフロントエンド回路134に接触している。フロントエンド回路134は、圧力検出装置100を外部システムに接続する外部コネクタに、電気的に接続する。フロントエンド回路134は、部分的に、センサダイ110上の電気センサ素子への入力を制御するように機能する電子機器を含む。例えば、フロントエンド回路134は、アナログデジタル変換器、デジタルアナログ変換器、マルチチップモジュールなどを含む。少なくとも1つの実施形態では、フロントエンド回路134は、圧力出力特性評価、出力信号調節などの機能を実行する。
【0015】
[0020]特定の実施形態では、複数の圧力隔離埋め込み配線116及び基板埋め込み配線124があり、各圧力隔離埋め込み配線116は、基板埋め込み配線124に関連づけられる。圧力隔離埋め込み配線116及び基板埋め込み配線124の各ペアは、センサダイ110に形成された個々の金属化ビア111に同様に関連づけられる。圧力隔離埋め込み配線116、基板埋め込み配線124、及び金属化ビア111の各組み合わせは、フロントエンド回路134と、センサダイ110上に形成された検出回路107と、の間で、異なる電気的接続を形成する。このように、センサダイ110上の検出回路107のパフォーマンスは、ダイヤフラム105上の圧力に応じて変化し、検出回路107のパフォーマンスの変化が外部コネクタ136を介して外部システムに通信されるように、検出回路107はフロントエンド回路134を介して駆動される。
【0016】
[0021]少なくとも一実施形態において、センサダイ110及び付随するダイヤフラム105は、シリコン又は他の類似の材料で製造されてもよい。また、センサダイ110、ピエゾ抵抗素子、及びセンサダイ110上に形成された付随する回路は、圧力媒体からの損傷を受け易くてもよい。例えば、かなりの期間、センサダイが圧力媒体と接触した場合、圧力媒体は、センサダイ110を腐食させ、センサダイ110上に形成された検出回路107の動作に影響を与える可能性がある。腐食及び操作上の影響は、圧力検出装置100が故障したり、誤って機能する原因になる場合さえある。1つの特定の例では、圧力媒体が空気である場合において、空気は、湿気を含む可能性があり、湿気は、圧力検出装置100の吸湿性部品を膨張させ、センサダイ110に歪みを印加する場合がある。さらに、湿気は、センサダイ110上に形成された金属化パス間の電流漏洩を引き起こす場合がある。圧力媒体によって引き起こされるセンサダイ110への損傷を防ぐため、センサダイ110上の検出回路は、低圧又は高圧媒体のいずれかとの接触から隔離される。
【0017】
[0022]特定の実施形態では、高圧媒体及び低圧媒体の両方から検出回路を隔離するために、検出回路は、高圧センサダイ112と低圧センサダイとして機能するセンサダイ110との間の内部空洞118内に配置される。高圧センサダイ112及び低圧センサダイ110は、高圧媒体又は低圧媒体のどちらかの水分が、検出回路を含む内部空洞118にアクセスすることができないように、気密に結合されている。高圧センサダイ112及び低圧センサダイ110が、互いに結合されている場合、高圧センサダイ112及び低圧センサダイ110は、2層ダイスタック113を形成する。少なくとも1つの例示的な実施形態では、高圧センサダイ112及び低圧センサダイ110は、拡散結合プロセスを介して互いに結合されている。
【0018】
[0023]
図1に示すように、特定の実施形態において、検出回路107がセンサダイ上に形成されるセンサダイ110は、低圧センサダイ110として機能する。代替的な実施形態において、検出回路107は高圧センサダイ112上に形成することができる。低圧センサダイは、低圧ダイヤフラム105を含む。低圧ダイヤフラム105は、ローサイド入力ポート104を介して圧力検出装置100に入る低圧媒体よって印加される力に、直接反応する。同様に、高圧センサダイ112は、高圧ダイヤフラム140を含む。高圧ダイヤフラム140は低圧ダイヤフラム105と同様の方法で形成されている。高圧ダイヤフラム140は、ハイサイド入力ポート102を介して圧力検出装置100に入る高圧媒体によって印加される力に、直接反応する。少なくとも1つのさらなる実施形態では、低圧ダイヤフラム105及び高圧ダイヤフラム140は、センターポスト120を介して、互いに物理的に接続されている。センターポスト120は、高圧ダイヤフラム140と低圧ダイヤフラム105との間で力整流部材である。低圧媒体によって低圧ダイヤフラム105上で力が加えられた場合、低圧ダイヤフラム105は印加された力に反応して移動する。低圧ダイヤフラム105は、センターポスト120と接触しているため、低圧ダイヤフラム105の動きはセンターポスト120に力を加える。センターポスト120は、高圧ダイヤフラム140に接触しているため、低圧ダイヤフラム105によってセンターポスト120上ではたらく力は、センターポスト120を介して転送され、高圧ダイヤフラム140に印加される。同様に、高圧媒体によって高圧ダイヤフラム140上で力が印加された場合、高圧ダイヤフラム140は印加された力に反応して移動する。センターポスト120は、低圧ダイヤフラム105及び高圧ダイヤフラム140の両方に接触しているため、高圧ダイヤフラム140によってセンターポスト120上で印加される力は、センターポスト120を介して転送され、低圧ダイヤフラム105に印加される。高圧ダイヤフラム140又は低圧ダイヤフラム105のいずれかにおいて高圧媒体又は低圧媒体のどちらかによって加えられる力は、検出回路を含む低圧ダイヤフラム105の移動に影響を及ぼし、低圧ダイヤフラム105は、高圧媒体と低圧媒体間との差に応じて移動する。このように、内部空洞118内の検出回路は、高圧媒体と低圧媒体との間の圧力差を示す圧力測定値を提供することができる。
【0019】
[0024]特定の実施形態では、圧力隔離部材114は、シリコン、SM−LTCCなどのような吸湿性の材料で製造することができる。圧力隔離部材114が、吸湿性の材料から製造される場合、圧力隔離部材114は、ハイサイド入力ポート102を介して圧力センサダイ110に入る高圧媒体又はローサイド入力ポート104を介して圧力センサダイに入る低圧媒体のいずれかの水分を吸収し、膨張する。圧力隔離部材114が、低圧媒体又は高圧媒体のいずれかの湿気にさらされる場合、低圧センサダイ110上の検出回路のピエゾ抵抗素子が歪むように、圧力隔離部材114の膨張は拡張し、その結果、ピエゾ抵抗素子によって実行される測定のバイアスを引き起こす。さらに、低圧センサダイ110及び高圧センサダイ112が、圧力媒体にさらされ、圧力媒体が低圧センサダイ110及び高圧センサダイ112を損傷するように、圧力媒体は、2層ダイスタック113を腐食させる可能性がある。
【0020】
[0025]特定の実施形態において、圧力隔離部材114は、圧力媒体中の水分から保護され、低圧センサダイ110及び高圧センサダイ112は、圧力媒体内の原子層堆積(ALD)コーティング130及び139によって、圧力媒体中の有害物質から保護される。例えば、潜在的に高圧媒体にさらされる、2層ダイスタック113及び圧力隔離部材114の表面は、高圧ALDコーティング139で被覆されている。同様に、潜在的に低圧媒体にさらされる、2層ダイスタック113、圧力隔離部材114、及び基板126の表面は、低圧ALDコーティング130で被覆されている。特定の実施例において、高圧ALDコーティング139及び低圧ALDコーティング130の両方は、金属酸化物の原子層堆積である。例えば金属酸化物は、アルミナ、酸化チタンなどであってもよい。少なくとも1つの実施形態において、部品がローサイド筐体108内に搭載される前に、低圧ALDコーティング130及び高圧ALDコーティング139の両方は、圧力検出装置100内の部品の表面上に堆積される。代替的には、ローサイド筐体108がハイサイド筐体106に接合される前であるが、部品がローサイド筐体108に搭載された後、低圧ALDコーティング130及び高圧ALDコーティング139の両方は圧力検出装置100内の部品に塗布される。例えば、基板126、圧力隔離部材114、及び2層スタック113が、ローサイド筐体108内に固定される場合、高圧ALDコーティング139及び低圧ALDコーティング130の両方は、ローサイド筐体108の全ての露出した内部表面に塗布される。高圧ALDコーティング139及び低圧ALDコーティング130の両方がローサイド筐体108内の表面に塗布されたら、ローサイド筐体108及びハイサイド筐体106は互いに接合される。また、ローサイド入力ポート104を介して露出しているローサイド筐体108の内部表面を低圧ALDコーティング130で被覆することにより、低圧ALDコーティング130は、ろう材128の上に塗布される。ろう材128上への低圧ALDコーティング130の塗布は、圧力検出装置100内のOリングシールの必要性をなくすことができる。Oリングシールは、高温動作中に機能を失う場合がある。
【0021】
[0026]上述したように、高圧ALDコーティング139及び低圧ALDコーティング130は、圧力検出装置100の性能に影響を及ぼし得る圧力媒体中の物質から圧力検出装置100の部品を保護する。また、高圧センサダイ112及び低圧センサダイ110は、センターポスト120を介して互いに接続される、低圧ダイヤフラム105及び高圧ダイヤフラム140をそれぞれ有し、高圧センサダイ112及び低圧センサダイ110によって形成される内部空洞118への検出回路の配置は、オイル中に検出回路をカプセル化することなく、圧力媒体から検出回路を隔離する。検出回路がオイル内で隔離されていないため、センサダイは、検出回路がオイル内で隔離される他の圧力センサよりも小さなサイズで製造することができる。
【0022】
[0027]
図2Aは低圧センサダイ210及び高圧センサダイ212の詳細な断面
図200aであり、低圧センサダイ210は圧力隔離部材214に搭載されている。特定の実施形態において、低圧センサダイ210、高圧センサダイ212、及び圧力隔離部材214は、
図1で説明した低圧センサダイ110、高圧センサダイ112、及び圧力隔離部材114として機能する。さらに、低圧センサダイ210は、低圧センサダイの回路側109に形成された検出回路を有する。例えば、低圧センサダイ210は、圧力検出素子207及び温度検出素子203を有する。少なくとも1つの例示的な実施形態では、圧力検出素子207は、ダイヤフラム205の上部に配置されたピエゾ抵抗素子であり、ダイヤフラム205は低圧センサダイ210の一部として形成される。高圧媒体と低圧媒体との間の差圧に応じてダイヤフラム205が移動すると、これに応じて圧力検出素子207の抵抗値は変化する。圧力検出素子207の抵抗値が変化すると、電流が圧力検出素子207に流れる場合には、圧力検出素子207における電圧降下も変化する。高圧媒体と低圧媒体との間の差圧の変化とともに圧力検出素子207における電圧降下が変化するため、電圧降下は、異なる媒体間の差圧を決定するために使用することができる。あるいは、高圧媒体又は低圧媒体のいずれかは、基準圧力(真空、又は1気圧など)を提供する媒体として機能する。高圧媒体又は低圧媒体の1つが基準圧力として機能する場合、圧力検出素子207における電圧降下は、計測された圧力媒体の絶対圧力を決定するために使用することができる。
【0023】
[0028]さらなる実施形態では、製造プロセスは、低圧センサダイ210の表面において、温度検出素子203を形成してもよい。圧力検出素子207とは対照的に、温度検出素子203は、ダイヤフラム205上に形成されておらず、温度検出素子203は、ダイヤフラム205上にはない低圧センサダイ210の一部、の上に形成されている。圧力検出素子207と同様に、温度検出素子203は環境の影響を受け、抵抗値が変化する。特に、温度検出素子203は、温度変化に応じて抵抗値が変化する。したがって、圧力センサの環境の温度変化は、温度検出素子203における電圧降下を監視することによって、検出することができる。
【0024】
[0029]少なくとも1つの実施形態では、温度検出素子203及び圧力検出素子207の両方は、低圧センサダイ210の表面に形成された金属配線を介して、外部システムへ電気的に接続される。金属配線は、センサダイを通って延びて圧力隔離部材配線216に接続する金属化ビア211に、圧力検出素子207及び温度検出素子203を電気的に接続する。特定の実施形態において、金属化ビア211及び圧力隔離部材配線216は、
図1に関連して上述した圧力隔離部材116及び金属化ビア111と同様に機能する。
【0025】
[0030]圧力検出素子207及び温度検出素子203は外部要因による歪みに反応するので、圧力検出素子207及び温度検出素子203は、圧力検出素子207及び温度検出素子203のいずれかで測定される電圧降下の精度に影響を及ぼしうる外部環境の影響から保護されていてもよい。例えば、もし圧力検出素子207、温度検出素子203、又は金属配線が湿気にさらされる場合、金属配線から電流が漏れ、温度検出素子203及び/又は圧力検出素子207の正確さが損なわれる可能性がある。外部環境要因が温度検出素子203又は圧力検出素子207のいずれかの動作に影響を与えるのを防ぐために、高圧センサダイ212は低圧センサダイ210に結合されている。
【0026】
[0031]
図1の内部空洞118に関して上述したように高圧センサダイ212は、低圧センサダイ210の表面に形成された検出回路のための空間を提供するために、内部に空洞を有する。例えば、高圧センサダイ212は、圧力検出空洞218及び温度検出空洞219を含んでいてもよい。圧力検出空洞218は、高圧センサダイ212に形成されたダイヤフラム240を提供するように機能する。圧力検出空洞は、圧力検出素子207及び金属化ビア211に向かって圧力検出素子207から延びている金属配線の一部を含む。温度検出空洞219は、温度検出素子203及び金属化ビア211に接続された金属配線の一部を含む。少なくとも1つの実施形態では、温度検出空洞219は、低圧センサダイ210の表面の金属配線に接続する金属化ビアの表面を含む。高圧センサダイ212は、低圧センサダイ210に気密に密封されているので、湿気及びその他の有害な環境要因は、温度検出空洞219又は圧力検出空洞218のいずれかに入ることができない。
【0027】
[0032]少なくとも1つの実施形態において、圧力検出空洞218が低圧センサダイ210内のダイヤフラム205から高圧センサダイ212内のダイヤフラム240を分離する場合、センターポスト220は、両方のダイヤフラム240及びダイヤフラム205の互いに向かい合う表面を物理的に接続する。センターポスト220は、ダイヤフラム240に加えられる圧力を低圧ダイヤフラム205に転送するために、また、低圧ダイヤフラム205に加えられる圧力を高圧ダイヤフラム240に転送するために機能する。低圧ダイヤフラム205と高圧ダイヤフラム240との間で力を前後に伝達することによって、低圧ダイヤフラム205又は高圧ダイヤフラム240のいずれかが圧力媒体の圧力にさらされた場合、低圧ダイヤフラム205は移動する。低圧ダイヤフラム205の移動は、低圧ダイヤフラム205上に形成された圧力検出素子207に歪みを生じさせ、その結果、圧力検出素子207は、高圧ダイヤフラム240又は低圧ダイヤフラム205のいずれかに印加された圧力を測定することができる。少なくとも1つの実施形態において、力はもう一方のダイヤフラムに転送されるので、センターポスト220は、一方のダイヤフラムにより受ける力を減衰する。例えば、高圧ダイヤフラム240が力を受ける場合、力は、センターポスト220を介して低圧ダイヤフラム205に転送され、低圧ダイヤフラム205は、高圧ダイヤフラム240にかけられた圧力と比較して差圧に対する4分の1の感度を有する。低圧ダイヤフラム205の表面に搭載された圧力検出素子207の減少した感度を補償するために、外部システムは、圧力検出素子207から受信した測定値を調整する。また、
図1に関して上述したように、高圧センサダイ212が低圧センサダイ210に一旦搭載されると、高圧センサダイ212、低圧センサダイ210、及び圧力隔離部材214の露出した表面は、ALDコーティング238及び、230で被覆される。
【0028】
[0033]
図2Bは、圧力検出空洞218及び温度検出空洞219内において、低圧センサダイ210の表面上に形成された検出回路を示す断面
図200bである。図示のように、圧力検出空洞218及び温度検出空洞219は、高圧センサダイ212内に形成される。図示のように、圧力検出素子207は、低圧ダイヤフラム205上の歪みに反応する複数のピエゾ抵抗素子を含んでもよい。圧力検出素子207は、低圧センサダイ210の表面上に形成された金属配線209を介して金属化ビア211に接続する。図示のように、金属配線209及び圧力検出素子207は、センターポスト220の周りの圧力検出空洞218内に配置されている。さらに、述べたように、温度検出空洞219は、温度変化に反応する複数の温度検出素子203を含む。さらに、低圧センサダイ210表面に形成された金属配線209は、温度検出空洞219内の金属化ビア211に接続する。
【0029】
[0034]高圧センサダイ212及び低圧センサダイ210の特定の実施形態では、2つの異なるウェハの相互拡散結合によって、高圧センサダイ212及び低圧センサダイ210が製造される。別個のウェハは、圧力検出空洞218及び温度検出空洞219と、低圧ダイヤフラム205及び高圧ダイヤフラム240と、圧力検出素子207及び温度検出素子203と、金属配線209と、センターポスト220と、ダイを通る金属化ビア211と、を作るために、当業者に知られている方法に従って処理された。適切なシリコン加工技術を用いて、1度に2つのウェハを用いることでダイを大量処理することができ、1つのウェハは、そのウェハに形成された複数の低圧センサダイ210を含み、もう1つのウェハは、そのウェハに形成された複数の高圧センサダイ212を含む。例えば、ダイのサイズが0.250×0.200インチでそれぞれのウェハが6インチのウェハである場合、2つのウェハは、ウエアセットから高圧センサダイ212及び低圧センサダイ210の両方を含む450以上のダイを作り出す。少なくとも1つの実施形態では、拡散結合プロセスを使用して2つの別個のウェハを互いに結合していてもよい。例えば、複数の高圧センサダイ212を含むウェハは、低温拡散結合プロセスを用いて、低圧力センサダイ210に結合してもよく、温度は600℃未満である。少なくとも1つの実施形態では、温度検出素子203及び圧力検出素子207は、低圧センサダイ210を形成するために使用される導電性シリコンからピエゾ抵抗素子の分離を提供するシリコンオンインシュレータ(SOI)構造を使用して、低圧力センサダイに搭載される。
【0030】
[0035]異なるウェハが互いに結合している場合、ウェハは、異なる2層ダイスタックに単一化することができ、各2層ダイスタックは、個々の高圧センサダイ212及び低圧センサダイ210を含む。ウェハが単一化された場合、2層ダイスタックは、様々なダイ実装技術を用いて圧力隔離部材214に搭載される。少なくとも1つの例示的な実施形態において、2層ダイスタックは、圧力隔離部材214と2層ダイスタックとの間の熱電結合を使用して圧力隔離部材214に搭載される。
【0031】
[0036]上述したように、圧力隔離部材214は、金属化ビア211に電気的に接続される圧力隔離部材配線216とともに製造される。さらに、圧力隔離部材配線216は、他の様々なタイプの回路に電気的に接続することができる。例えば、1つの実施態様では、圧力隔離部材配線216は、センサのみに適用される(外部コネクタ136のような)外部コネクタに電気的に接続される。代替的には、圧力隔離部材配線216は、信号処理、エラー訂正、及び適切な電子出力(例えば、RFフロントエンド回路134のような)などを提供する電子回路に接続してもよい。
【0032】
[0037]異なる2層ダイスタックが、圧力隔離部材214に搭載されたら、2層ダイスタック及び圧力隔離部材214の表面は、異なる圧力媒体によって引き起こされ得る損傷に対する圧力検出装置の耐性を高めるため、原子層堆積で被覆される。少なくとも1つの実施形態では、原子層堆積は、金属酸化物である。例えば、金属酸化物は、4−14の範囲のpHを持つ媒体からの損傷に対する耐性を有するTaO5コーティングであってもよい。
【0033】
[0038]低圧センサダイ210及び高圧検出212を含む2層ダイスタックの使用は、隔離プロセスでオイルを使用することなく、特定のタイプの圧力媒体によって引き起こされ得る損傷から、温度検出素子203及び圧力検出素子207を隔離することを可能にする。したがって、2層ダイスタックを含む圧力検出装置は、小型に製造することができる。また、隔離の提供にオイルを使用しないことによって、圧力検出装置は、大きな温度範囲にわたって高い信頼性を有する。
【0034】
[0039]
図3は、圧力センサを製造するための方法300の1つの例示的な実施形態のフロー図である。
図3に示す例示的実施形態は、
図1に示す圧力検出装置100を使用して実装されるものとしてここに記載するが、他の実施形態は他の方法で実装できることが理解されるべきである。
【0035】
[0040]方法300は、ステップ302へ進み、圧力隔離部材114が、基板126に接して形成される。特定の実施形態では、圧力隔離部材114は、アルミナで形成される基板126上に、SM−LTCC材料で形成される。少なくとも1つの実施形態において、チャネル138は、気体又は液体媒体がチャネル138を通過することができるように、圧力隔離部材114及び基板126の両方を通って延在している。また、圧力隔離部材114は、台座のような形状であってもよく、チャネル138は、圧力隔離部材114の台座を介して長手方向に延びる。
【0036】
[0041]方法300は、ステップ304へ進み、第1センサダイ110が製造される。第1センサダイ110は、ダイヤフラム105、及びダイヤフラム105上に形成された検出回路を含む。ダイヤフラム105は、第1センサダイ110の一部をくぼまれることによって形成される。少なくとも1つの実施形態では、検出回路は、ダイヤフラムの動きに応じて抵抗が変化するピエゾ抵抗素子を含む。第1センサダイ110が製造されたら、方法300は、ステップ306へ進み、第2センサダイ112が製造される。第1センサダイ110のように、第2センサダイ112は、第2センサダイ112の一部をくぼませることによってダイヤフラム140とともに形成される。さらに、ダイヤフラム140は、第2センサダイ112のくぼみ部の中にセンターポスト120を含む。次に、方法300は、ステップ308へ進み、2層ダイスタック113を形成するために、第1センサダイ110は、第2センサダイ112に結合される。第1センサダイ110が第2センサダイ112に結合されたら、第2センサダイ112は、第1センサダイ110上に形成された検出回路が第2センサダイ112のくぼみ部内に配置されるように、第1センサダイに対して位置合わせされる。さらに、第2センサダイ112のくぼみ部内に配置されたセンターポスト120は、ダイヤフラム140とダイヤフラム105との間で延在する。少なくとも1つの実施形態では、第1センサダイ110及び第2センサダイ112は、2層ダイスタックを形成するために、及び拡散プロセスを用いて互いに結合される。
【0037】
[0042]方法300は、ステップ301に進み、2層ダイスタック113が圧力隔離部材114に搭載される。少なくとも1つの実施形態では、第1センサダイ110のダイヤフラム105がチャネル138の開口にさらされるように、第1センサダイ110は、圧力隔離部材114に搭載される。少なくとも1つの実施形態において、第1センサダイ110上の検出回路は、第1センサダイ110を通って延在する金属化ビア111に接続される。第1センサダイ110が圧力隔離部材114に搭載されたら、金属化ビア11は、検出回路が埋め込み配線116に電気的に接続するように、圧力隔離部材114内に形成された埋め込み配線116と接触する。
【0038】
[0043]特定の実施形態において、方法300は、ステップ312に進み、圧力隔離部材114、基板126、及び2層ダイスタック113が、筐体内に固定される。例えば、組み立てられた部品は、ハイサイド筐体108及びローサイド筐体106の2つの部分を含む筐体内に配置される。ローサイド筐体108はローサイド入力ポート104を備え、ハイサイド筐体106はハイサイド入力ポート102を備え、ハイサイド入力ポート102に入る高圧媒体は、第2センサダイ112のダイヤフラム140に及び圧力をかけることができ、ローサイド入力ポート104に入る低圧媒体は、第1センサダイ110のダイヤフラム105上に圧力をかけることができる。さらに、少なくとも1つの例示的な実施形態において、組み立てられた部品は、ろう材128で、筐体内に固定される。別の方法として、圧力隔離部材114、基板126、及び2層ダイスタック113は、部品が互いに組み立てられるように、個々に筐体内に固定される。
【0039】
[0044]特定の実施形態では、圧力隔離部材114及び基板126は、吸湿性の材料で製造することができる。また、2層ダイスタック113内の材料は、圧力媒体内で、有害物質の影響を受けやすい。圧力隔離部材114及び/又は基板126が吸湿性であり圧力媒体中の水分にさらされたた場合、圧力隔離部材114及び/又は基板126は膨張し、測定誤差の原因となる歪みを2層ダイスタック113に引き起こし得る。さらに湿度は検出回路に電流漏電を発生させる可能性があり、また圧力媒体中の腐食性物質は筐体内の部品を腐食させる可能性がある。水分の吸収及び損傷を防ぐために、高圧媒体又は低圧媒体のどちらかにさらされる筐体内の部品の表面は、原子層堆積126で被覆される。
【0040】
[0045]少なくとも1つの実施形態では、方法300は、ステップ314へ進み、第1センサダイ110上の検出回路は、外部システムに電気的に接続される。上述したように、検出回路は、圧力隔離部材114内の埋め込み配線116に結合されている、センサダイ110内のビアに接続される。外部システムに検出回路を電気的に接続するには、埋め込み配線116は、外部コネクタ136を介して外部システムに接続するフロントエンド回路134とともに相互接続132に接続する、基板内126の埋め込み配線124に接続してもよい。
【0041】
実施例
[0046]実施例1は、圧力センサを製造する方法を含み、前記方法は、基板と接触して圧力隔離部材を形成するステップであって、前記圧力隔離部材及び前記基板は、前記基板及び前記圧力隔離部材を通って形成されるチャネルを有する、ステップと、第1センサダイを製造するステップであって、前記第1センサダイは、第1ダイヤフラムを形成するために第1くぼみ部を有し、前記第1ダイヤフラムは、前記第1センサダイの、前記第1くぼみ部の反対側の回路側に形成された検出回路を有する、ステップと、第2センサダイを製造するステップであって、前記第2センサダイは、第2ダイヤフラムを形成するための第2くぼみ部を有し、センターポストが前記第2ダイヤフラムから前記第2くぼみ部へ延在する、ステップと、前記検出回路が前記第2くぼみ部内に位置し、前記センターポストが前記第1センサダイの前記回路側に接触するように、2層ダイスタックを形成するために前記第1センサダイを前記第2センサダイに結合するステップと、前記2層ダイスタックを前記圧力隔離部材に搭載するステップであって、前記第1くぼみ部は前記チャネルにさらされる、ステップと、ハイサイド入力ポート及びローサイド入力ポートを有する筐体内に、前記圧力分離部材、前記基板、及び前記2層ダイスタックを固定するステップであって、前記ローサイド入力ポートに入る低圧媒体が前記チャネルに入り、前記ハイサイド入力ポートに入る高圧媒体が前記第2ダイヤフラムに直接力を加えるように、前記チャネルは前記筐体内に配置される、ステップと、前記検出回路を外部システムに電気的に接続するステップと、を備える。
【0042】
[0047]実施例2は、実施例1の方法を含み、前記圧力隔離部材は、台座を含み、前記台座は、前記基板の表面から離れて延び、前記チャネルは、前記台座を通って長手方向に延び、前記センサダイは、前記台座に搭載され、前記第1ダイヤフラムの第1の側にさらされた前記チャネルの開口は、前記基板から最も遠い前記台座の側面である。
【0043】
[0048]実施例3は、実施例1〜2のいずれかに記載の方法を含み、前記第1センサダイを前記第2センサダイに結合するステップは、拡散接合プロセスを用いることを含む。
【0044】
[0049]実施例4は、実施例1〜3のいずれかに記載の方法を含み、前記基板上に前記圧力絶縁部材を形成するステップは、前記圧力隔離部材内に少なくとも1つの埋め込み導電配線を形成することを含み、前記少なくとも1つの埋め込み導電性配線は、前記検出回路に電気的に接続する。
【0045】
[0050]実施例5は、実施例4の方法を含み、前記第1センサダイを製造するステップは、第1のセンサダイを通る少なくとも1つのビアを形成することを含み、前記少なくとも前記1つのビアは、前記2層ダイスタックが前記圧力隔離部材に搭載される場合に、前記少なくとも1つの埋め込み導電配線を前記検出回路に電気的に接続する。
【0046】
[0051]実施例6は、実施例1〜5のいずれかに記載の方法を含み、前記圧力隔離部材は、低温同時焼成セラミックと一致する熱膨張係数のシリコンで製造される。
【0047】
[0052]実施例7は、実施例1〜6のいずれかに記載の方法を含み、さらに、前記基板、前記圧力隔離部材、及び前記2層ダイスタック、のローサイド面に、ローサイド原子層堆積を塗布することを含み、前記ローサイド面は前記ローサイド入力ポートにさらされ、また、前記圧力隔離部材及び前記2層ダイスタックのハイサイド面に、ハイサイド原子層堆積を塗布することを含み、前記ハイサイド面は、ハイサイド入力ポートにさらされる。
【0048】
[0053]実施例8は、実施例7の方法を含み、前記原子層堆積は、金属酸化物を含む。
【0049】
[0054]実施例9は、実施例7〜8のいずれかの方法を含み、前記圧力隔離部材、前記基板、及び、前記2層ダイスタックを、前記筐体内に固定するステップは、前記圧力隔離部材、前記基板、及び、前記2層ダイスタックを、前記ローサイド入力ポートを含むローサイド筐体に搭載するステップと、前記ローサイド原子層堆積を塗布するステップと、前記ハイサイド原子層堆積を塗布するステップと、前記筐体を形成するために、前記ハイサイド入力ポートを備えるハイサイド筐体を前記ローサイド筐体に接合するステップと、を備える。
【0050】
[0055]実施例10は、実施例1〜9のいずれかに記載の方法を含み、前記検出回路を外部システムに電気的に接続するステップは、前記検出回路を、前記筐体の外部面に搭載される回路筐体内に配置されたフロントエンド回路に電気的に接続するステップと、外部コネクタを介して前記フロントエンド回路を前記外部システムに電気的に接続するステップと、を含む。
【0051】
[0056]実施例11は、実施例1〜10のいずれかに記載の方法を含み、前記基板及び前記圧力隔離部材は、ろう接合及びはんだ接合の少なくとも一方で前記筐体内に固定される。
【0052】
[0057]実施例12は、圧力センサを含み、前記圧力センサは、筐体であって、前記筐体が高圧媒体及び低圧媒体を含む環境におかれたときに、前記筐体内部のハイサイドに前記高圧媒体が入るよう構成されたハイサイド入力ポートと、前記筐体内部のローサイドに前記低圧媒体が入るよう構成されたローサイド入力ポートと、を備えた筐体と、前記筐体内にしっかりと搭載された基板と、前記基板に搭載された圧力隔離部材であって、チャネルが前記ローサイド入力ポートの端部から前記基板及び前記圧力隔離部材を通って延在し、少なくとも1つの配線が前記圧力隔離部材に埋め込まれている、圧力隔離部材と、前記圧力隔離部材と結合された2層ダイスタックであって、前記2層ダイスタックは、第1センサダイであって、前記第1センサダイは、第1ダイヤフラムを形成するために第1くぼみ部を有し、前記第1ダイヤフラムは、前記第1センサダイの、前記第1くぼみ部の反対側の回路側に形成された検出回路を有する、第1センサダイと、第2センサダイであって、前記第2センサダイは、第2ダイヤフラムを形成するために第2くぼみ部を有し、センターポストが前記第2ダイヤフラムから前記第2くぼみ部へ延在する、第2センサダイと、前記第1センサダイを通って延在する少なくとも1つのビアであって、前記少なくとも1つのビアは、前記検出回路を、少なくとも1つの配線に電気的に接続する、少なくとも1つのビアと、を備える2層ダイスタックと、前記ローサイド入力ポートにさらされた、前記基板、前記圧力隔離部材、及び前記2層ダイスタックの表面に塗布されたローサイド原子層堆積と、前記ハイサイド入力ポートにさらされた、前記圧力隔離部材及び前記2層ダイスタック、の表面に塗布されたハイサイド原子層堆積と、を備える。
【0053】
[0058]実施例13は、実施例12の圧力センサを含み、前記検出回路は、少なくとも1つの温度検出素子と、少なくとも1つの圧力検出素子、を含む。
【0054】
[0059]実施例14は、実施例13の圧力センサを含み、前記少なくとも1つの圧力検出素子は、前記第1ダイヤフラムの前記回路側の前記第2くぼみ部内に配置され、前記少なくとも1つの温度検出素子は、前記第1センサダイ(110)の前記回路側の一部分の、前記第1くぼみ部の反対側ではない、前記第2センサダイ(112)の温度検出空洞(219)、の内部に配置される。
【0055】
[0060]実施例15は、実施例14の圧力センサを含み、前記少なくとも1つのビアは、前記温度検出空洞内の金属配線に接続し、前記金属配線は、前記少なくとも1つの圧力検出素子、及び前記少なくとも1つの温度検出素子に接続する。
【0056】
[0061]実施例16は、実施例12〜15のいずれかに記載の圧力センサを含み、前記第1センサダイは、拡散接合プロセスで第2センサダイに結合される。
【0057】
[0062]実施例17は、実施例12〜16のいずれかに記載の圧力センサを含み、前記筐体は、前記ローサイド入力ポートを備えるローサイド筐体を備え、前記圧力分離部材及び前記基板は、前記ローサイド筐体内にしっかり搭載されており、また、前記ハイサイド入力ポートを備えるハイサイド筐体を備え、前記ハイサイド筐体は、前記ローサイド筐体に気密接合されている。
【0058】
[0063]実施例18は、圧力センサを含み、前記圧力センサは、筐体であって、前記筐体が高圧媒体及び低圧媒体を含む環境におかれたときに、前記筐体内部のハイサイドに前記高圧媒体が入るよう構成されたハイサイド入力ポートと、前記筐体内部のローサイドに前記低圧媒体が入るよう構成されたローサイド入力ポートと、を備えた筐体と、前記筐体内にしっかりと搭載された基板と、前記基板に搭載された圧力隔離部材であって、チャネルが前記ローサイド入力ポートの端部から前記基板及び前記圧力隔離部材を通って延在する圧力隔離部材と、前記圧力隔離部材と結合され、隔離された検出回路を備える2層ダイスタックと、前記ローサイド入力ポートにさらされた、前記基板、前記圧力隔離部材、及び前記2層ダイスタック、の表面に塗布されたローサイド原子層堆積と、前記ハイサイド入力ポートにさらされた、前記圧力隔離部材及び前記2層ダイスタック、の表面に塗布されたハイサイド原子層堆積と、を備える。
【0059】
[0064]実施例19は、実施例18の圧力センサを含み、前記2層ダイスタックは、第1センサダイであって、前記第1センサダイは、第1ダイヤフラムを形成するために第1くぼみ部を有し、前記第1ダイヤフラムは、前記第1センサダイの、前記第1くぼみ部の反対側の回路側に形成された検出回路を有する、第1センサダイと、第2センサダイであって、前記第2センサダイは、第2ダイヤフラムを形成するために第2くぼみ部を有し、センターポストが前記第2ダイヤフラムから前記第2くぼみ部へ延在する、第2センサダイと、前記第1センサダイを通って延在する少なくとも1つのビアであって、前記少なくとも1つのビアは、前記検出回路を、前記圧力分離部材に形成された少なくとも1つの配線に電気的に接続する、少なくとも1つのビアと、を備える。
【0060】
[0065]実施例20は、実施例18〜19のいずれかに記載の圧力センサを含み、前記2層ダイスタックは、圧力隔離部材に熱電結合している。
【0061】
[0066]具体的な実施形態がここでは図示され説明されたが、同様の目的を解決するために意図される変更が、開示された具体的な実施形態に対して代替的に行われることは、当業者によって認識される。したがって、本発明は、クレーム及びクレームと同意義のものによってのみ制限されることが、明確に意図される。
【0062】
[0067]本明細書で用いられた相対位置の用語は、ウェハ又は基板の向きに関わらず、ウェハ又は基板の標準面又は作業面に平行な面に基づいて定義される。本明細書で用いられる用語”水平”又は(側面)は、ウェハ又は基板の向きに関わらず、ウェハ又は基板の標準面又は作業面に平行な面に基づいて定義される。用語”垂直”は、水平に対して直交する方向を指す。用語”の上”、”(側壁における)側面”、”より高い”、”より低い”、”の上”、”頂部”、”の下”は、ウェハ又は基板の向きに関わらず、ウェハ又は基板のトッププレート上の標準面又は作業面に関して定義される。