【実施例】
【0017】
図1は、本発明の第1の実施例の散気装置の構成を示す概略説明図である。(a)本発明の第1の実施例の散気装置の分解図である。(b)本発明の第1の実施例の散気装置の組立図である。
【0018】
本発明の第1の実施例の散気装置1は、内部に空気室21が形成された散気板2、ホルダ3、パッキン6、抑え金具4及び固定ボルト5を有するものである。
従来の散気装置と同様に、ホルダ3の上に、パッキン6及び散気板2が載置され、抑え金具4及び固定ボルト5で固定されている。
【0019】
(ホルダ)
ホルダ3は、従来の散気装置と同様に、ホルダ空気通路31及びホルダ空気配管32と連通した内部空洞を有し、上部に内部空洞を開放する空気供給孔33を備えている。
これらの材質は、特に限定されるものではないが、例えば、ステンレス鋼のような金属材料や、コンクリートなどが挙げられる。大型の曝気槽の底部にコンクリートでホルダを形成すると、部品が少なくなり、組み付け作業が簡易なものとなるため好ましい。また、金属材料を用いる場合には、耐腐食性の観点からステンレス鋼で形成されたものが好ましい。
【0020】
(散気板)
散気板2は、空気を通過する微細孔を有した板状部材であり、その内部に空気室21を有している。空気室21は、散気板2の下面においてのみ開放し、散気板2の全体に広がるように形成されている。下面の開放部は、散気板全体に広がって形成されてもよいし、ホルダ3の空気供給孔33と同程度の大きさの穴を形成して内部の空気室21に連通するように構成してもよい。
図1に図示するように、下面の開放部が散気板全体に広がって形成された散気板2は、簡素な形状であるので容易に成形加工することができる。
散気板2は、空気室21がホルダ3の内部空洞と空気供給孔33を介して連通するように固定される。その際、空気供給孔33から流出した空気が散気装置の外に漏れないように、空気供給孔33の全体を覆うように散気板2を載置する。このようにして、空気供給孔33から流出した空気は、散気板2の空気室21内の全体に拡散することができる。
【0021】
散気板2の形状は、どのようなものでもよく、角型、丸型でもよい。角型は、曝気槽の底部に隙間なく配置することができるという利点がある。一方、丸型は、空気供給孔33から空気室に流入した空気を散気板全体に均等な空気圧で拡散することができるという利点がある。
【0022】
散気板2の材質は、特に限定されないが、例えば、ABS等の合成樹脂製のものやセラミック製のものがある。
ABS等の合成樹脂の散気板は、軽量であり散気板の組み立てが容易であることや、軟らかくて割れにくいという利点がある。
一方、セラミック製の散気板は、排水処理により有機物が微細孔に詰まった際に、焼成して再生することができるという利点がある。
【0023】
(シール手段)
本発明の第1の実施例の散気装置では、ホルダ3と散気板2の間にパッキン6を備えている。このパッキン6は、従来の散気装置10のように空気室を形成する必要がない。すなわち、パッキン6はホルダ3と散気板2の間から空気が漏れないようにするための単なるシール手段である。
【0024】
シール手段としては、クロロプレン、ニトリルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴム材料で形成されたパッキンのほか、シリコーン系、変性シリコーン系、ポリウレタン系の樹脂等のコーキング剤や、エポキシパテ、ポリエステルパテ、石膏パテ、炭酸カルシウムパテ等の粘土状のパテでもよい。
【0025】
シール手段としてパッキンを設ける場合、パッキンの厚みは、空気漏れを防止することができれば、極めて薄くすることができる。また、その設置位置は、散気板2とホルダ3の空気供給孔33の態様に合わせて適宜設定することができる。そのため、散気板2の外周に合わせる必要がなく、空気供給孔33の外周に合わせて設置してもよい。すなわち、散気板、ホルダ及びシール手段により形成される空間は、散気板の空気室より小さい空間であることが好ましい。
このように、本発明の散気装置では、パッキンを薄く、かつ、小さくすることができるため、材料費を格段に抑えることができる。
また、薄く小さいパッキンは、耐久性が高く、交換する頻度が極めて低くなる。そのため、パッキンの交換部品の費用、交換作業費用等も抑えることができる。
【0026】
シール手段として、コーキング剤やパテを使用する場合は、散気板2の下面とホルダ3の上面との間に挟むように充填したり、散気板2の下面の周囲を囲むように散気板2とホルダ3の隙間を塞いでもよい。
【0027】
なお、本発明の散気装置においてシール手段は必須の構成ではなく、ホルダ3と散気板2の密着性が高く、空気漏れが無い場合には、シール手段を設けなくてもよい。
【0028】
(固定手段)
本発明の実施例1の散気装置では、ホルダ3の上面に散気板2を固定するための固定手段として、2組の押え金具4及び固定ボルト5を備えている。
押え金具4は、固定ボルトが貫通するための孔を有する板状の小片部材であり、散気板2を上面から押さえ付けるものである。固定ボルト5は、ホルダ3とネジ止めして前記押え金具4を固定するものである。
押え金具4及び固定ボルト5の材質は、特に限定されないが、耐腐食性の観点から、ステンレス鋼であることが好ましい。
実施例1の散気装置では、2組の固定手段を角型の散気板の対向する2辺において固定しているが、固定手段の組数は、装置のサイズ等に応じて適宜設定される。
【0029】
本発明の固定手段は、空気室21を貫通しないように固定することを特徴とする。空気室21にボルト等を貫通して固定すると、その部分の強度が弱くなるため、局所的な力がかかったときに割れやすくなり、本発明の課題を解決することができない。また、空気室を貫通する部分より、空気漏れを生じる恐れもない。
【0030】
その他の固定手段としては、空気室を貫通しないものであればどのような手段でもよい。例えば、接着剤により固定する手段等が挙げられる。また、ホルダ3の内部空洞の上面にボルトが貫通する孔を設け、散気板2の下面(空気室21の外周壁の下面)にボルトを直接ネジ止めする手段としてもよい。さらに、ホルダ3と散気板2を一体として成形加工してもよい。
【0031】
図2は、本発明の散気装置に使用する散気板の他の態様を示す概略説明図である。(a)本発明の第2の実施例の散気板を示す概略説明図である。(b)本発明の第3の実施例の散気板を示す概略説明図である。
【0032】
第2の実施例の散気板2Aは、空気室21を空気室21a及び21bに2分割する分割壁22が形成されている。分割壁22を設けることにより、散気板2Aの強度が高まるため、局所的な力がかかった際にも割れにくいという効果を奏する。
【0033】
散気板2Aをホルダ3上に設置する際には、空気室21a及び21bの各空気室と、ホルダ3の内部空洞が、空気供給孔33を介して連通するように固定される。このように設置することにより、空気供給孔33より流出する空気が各空気室に流れ込み、散気板2Aの全体に拡散する。
【0034】
第3の実施例の散気板2Bは、空気室21を空気室21c、21d、21e及び21fに4分割するように分割壁を形成したものである。分割壁を増加することにより、より強度の高い散気板とすることができる。
また、第2の実施例同様、各空気室とホルダ3の内部空洞は、空気供給孔33を介して連通する。
【0035】
なお、本発明の第2の実施例及び第3の実施例では、分割された各空気室がホルダ3の内部空洞と直接連通するように構成されているが、分割壁に連通口を設けて各空気室を連通させ、この連通口を介して各空気室とホルダ3の内部空洞を間接的に連通させてもよい。分割壁に設ける連通口は、各空気室を連通すればどのような形状でもよく、例えば、複数の孔を設けた分割壁が挙げられる。また、分割壁の高さが空気室より低く、分割壁の上部又は下部において、隣接する空気室同士が連通している態様としてもよい。