特許第6262059号(P6262059)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6262059-呼吸用保護具のカバー 図000002
  • 特許6262059-呼吸用保護具のカバー 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262059
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】呼吸用保護具のカバー
(51)【国際特許分類】
   A62B 18/08 20060101AFI20180104BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   A62B18/08 Z
   A41D13/11 Z
【請求項の数】2
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2014-76645(P2014-76645)
(22)【出願日】2014年4月3日
(65)【公開番号】特開2015-196029(P2015-196029A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2017年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小林 しのぶ
【審査官】 松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−122146(JP,A)
【文献】 実開昭58−133362(JP,U)
【文献】 特開2002−219184(JP,A)
【文献】 特開2002−177408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 18/00−18/10
A41D 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸用保護具の外気吸入口に取り付けられたフィルターを覆うカバーであって、
前記カバーの内側に先端が前記フィルターに接するブラシが植毛されたことを特徴とする呼吸用保護具のカバー。
【請求項2】
前記ブラシは、カーボン繊維であることを特徴とする請求項1に記載の呼吸保護具のカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸用保護具または防塵マスクのカバー、より詳細には、特に土木、建築工事現場で使われる呼吸用保護具の外気吸入口に取り付けられるフィルターを保護するためのカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸用保護具または防塵マスクは多く提案されており、粉塵の捕集性や通気性、あるいは付着した塵埃の除去に関する性能にも優れた高級仕様のものから、単に口や鼻を覆うだけを目的にした簡易なものまである。一方、作業員の安全を確保するために、粉塵を瞬時に除去してクリーンな状態を維持することができる電動ファンを備えたマスクや、送風機とホースで連結して常時酸素を供給できる高機能のマスクも開発されている。(例えば、特開2002−219184、特開2002−177408など。)
一般的に土木、建築工事現場では、常時塵埃が浮遊する過酷な空間での作業が避けられないが、作業環境に応じた性能を有するとともに、小型軽量で作業がし易く、土埃などの比較的粒径が大きく多量の粉塵に対しても性能が長持ちするような呼吸用保護具、または防塵マスクはなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−219184
【特許文献2】特開2002−177408
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
土木、建築工事現場では、作業員が移動しながら作業するので、単独で使用できる小型軽量タイプで、かつ作業の妨げにならないマスクが必要である。また地盤の掘削や土砂の搬出作業を伴う地下工事や、トンネル工事の切羽では湿った土埃が多量に発生するため、土埃による汚れとともに水分がマスクに付着し、頻繁にマスクを交換しなければならない場合がある。
交換頻度を下げるためには、比較的粒径が大きく多量の粉塵に対しても性能を長持ちさせる必要がある。市販の呼吸用保護具または防塵マスクの外気吸入口に取り付けられて交換できるカバーがあれば、粉塵を含んだ水滴がフィルターに付着するのを防いだり、フィルターに溜まった粉塵の落下を促すことができるので、フィルターひいては呼吸用保護具の性能が長持ちする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の呼吸用保護具のカバーは、呼吸用保護具の外気吸入口に取り付けられるフィルターを保護するための着脱自在のカバーである。即ち、呼吸用保護具の外気吸入口に取り付けられたフィルターを覆うカバーであって、前記カバーの内側に先端が前記フィルターに接するブラシが植毛されたことを特徴とする呼吸用保護具のカバーである。
更に、前記ブラシは、カーボン繊維で構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の呼吸用保護具のカバーは、プラスチック等の軽量な素材で作れば、市販の呼吸用保護具に簡単に装着固定でき、小型軽量で作業の妨げにならない。また呼吸用保護具の外気吸入口に取り付けられるフィルターを直接正面に露出させないので、作業中に粉塵を含んだ水滴が直接呼吸用保護具のフィルターに付着するのを防ぐ。
更に、カバー内側に先端が前記フィルターに接するブラシが植毛されているので、フィルターの呼吸に伴う振動や作業による振動により、フィルター表面をブラシで払うことになり、フィルターに溜まった粉塵の落下を促すことができ、フィルターひいては呼吸用保護具の性能が長持ちする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る呼吸用保護具のカバーの断面図である。
図2】本発明の実施形態に係る呼吸用保護具のカバーを設置した場合の縦断面図と側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、呼吸用保護具または防塵マスクのカバー、より詳細には、特に土木、建築工事現場で使われる呼吸用保護具の外気吸入口に着脱自在に取り付けられるとともに、フィルターを保護するためのカバーに関する。
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1において、カバー本体1は、プラスチックを素材として、市販の呼吸用保護具の外気吸入口に取り付けられるフィルター部分を覆い、挿入することで固定できる程度の大きさのカップ形状である。前記カバー側面の一部に外気吸込口3が開けられている。
更に、前記カバーの内側には、先端が前記フィルターに接するブラシ2が植毛されている。図2において、市販の電動ファン付き呼吸保護具に本発明の呼吸用保護具のカバーを設置した場合の縦断面図と側面図を示す。
【0010】
本発明の呼吸用保護具のカバーは、プラスチック等の軽量な素材で作れば、市販の呼吸用保護具に簡単に装着固定でき、小型軽量で作業の妨げにならない。また呼吸用保護具の外気吸入口に取り付けられるフィルターを直接正面に露出させないので、作業中に粉塵を含んだ水滴が直接呼吸用保護具のフィルターに付着するのを防ぐ。
更に、カバー内側に先端が前記フィルターに接するカーボン繊維のブラシ2が植毛されているので、フィルターの呼吸に伴う振動や作業による振動により、フィルター表面をブラシ2で払うことになり、フィルターに溜まった粉塵の落下を促すことができ、フィルターひいては呼吸用保護具の性能が長持ちする。カーボン繊維のブラシであるため摩擦により静電気が発生し難い。
【符号の説明】
【0011】
1 カバー本体
2 ブラシ
3 吸込口
図1
図2