特許第6262077号(P6262077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6262077電子レシート管理サーバおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262077
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】電子レシート管理サーバおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20180104BHJP
   G07G 1/14 20060101ALI20180104BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20180104BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   G06Q30/02 320
   G07G1/14
   G07G1/06 Z
   G07G1/12 321M
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-110393(P2014-110393)
(22)【出願日】2014年5月28日
(65)【公開番号】特開2015-225532(P2015-225532A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2016年7月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲川 暢浩
【審査官】 大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−003428(JP,A)
【文献】 特開2003−123144(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0073363(US,A1)
【文献】 特開2008−021303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G07G 1/06
G07G 1/12
G07G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の販売に係るレシート情報を電子化した電子レシート情報を記憶する電子レシート情報記憶手段と、
店舗毎に実施している特売商品や新商品に関する付加情報を複数の店舗別に記憶する付加情報記憶手段と、
顧客が携帯する携帯端末から電子レシート情報の照会があると、当該携帯端末の位置から所定距離内にある店舗を判断する店舗判断手段と、
前記店舗判断手段が判断した前記店舗に対応して前記付加情報記憶手段が記憶している前記付加情報を前記照会があった電子レシート情報とともに前記携帯端末に送信する送信手段と、
を備えた電子レシート管理サーバ。
【請求項2】
前記店舗判断手段が前記店舗として前記照会があった電子レシート情報に含まれる商品情報の商品を購入した店舗を判断した場合に、前記送信手段は前記商品を購入した店舗で販売する商品に係る前記付加情報を送信する、
請求項に記載の電子レシート管理サーバ。
【請求項3】
前記店舗判断手段が前記店舗として前記照会があった電子レシート情報に含まれる商品情報の商品を購入した店舗を判断しなかった場合に、前記送信手段は、前記所定距離内に存在する他店舗で販売する商品に係る前記付加情報を送信する、
請求項1または2に記載の電子レシート管理サーバ。
【請求項4】
前記店舗判断手段が前記店舗として前記照会があった電子レシート情報に含まれる商品情報の商品を購入した店舗外の他店舗を判断した場合に、前記送信手段は前記他店舗で販売する商品に係る前記付加情報を送信する、
請求項1または2に記載の電子レシート管理サーバ。
【請求項5】
前記店舗判断手段は、前記所定距離内に店舗が存在しないことをさらに判断し、
前記店舗判断手段が前記所定距離内に店舗が存在しないことを判断した場合に、前記送信手段は前記顧客の過去の購入履歴に係る前記付加情報をさらに送信する、
請求項1乃至4のいずれか一に記載の電子レシート管理サーバ。
【請求項6】
コンピュータを、
商品の販売に係るレシート情報を電子化した電子レシート情報を記憶する電子レシート情報記憶手段と、
店舗毎に実施している特売商品や新商品に関する付加情報を複数の店舗別に記憶する付加情報記憶手段と、
顧客が携帯する携帯端末から電子レシート情報の照会があると、当該携帯端末の位置から所定距離内にある店舗を判断する店舗判断手段と、
前記店舗判断手段が判断した前記店舗に対応して前記付加情報記憶手段が記憶している前記付加情報を前記照会があった電子レシート情報とともに前記携帯端末に送信する送信手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子レシート管理サーバおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品決済時に店舗から買物をした顧客に渡されるレシートあるいは領収書を電子化しサーバから顧客の携帯端末等に送信する電子レシートという仕組みが知られている。
【0003】
このようにレシートを電子データにすることによって、例えば、顧客は自身が携帯する携帯端末の表示部で電子レシートを閲覧することができる。また、家計簿も電子的かつ自動的に簿記ができるなど顧客にとって有益である。また、電子レシートを導入することにより、レシート用紙の消費を減らすことができるため、導入店舗にとっても有益である。店舗は、携帯端末等の媒体で顧客を特定し、特定した顧客に対して電子レシート情報を送信している。
【0004】
ところで、店舗の販売促進活動として、サーバから顧客の携帯端末に対して電子レシートを送信する際、同時に例えば店舗で使用可能なクーポン情報等の付加情報を送信する仕組みが実現されている。
【0005】
しかしながら、従来は、顧客に配信する付加情報は定められたものであり、顧客にとって適正な情報ではないことがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、顧客の状況に合わせた適正な付加情報を、電子レシートとともに送信可能な電子レシート管理サーバおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の電子レシート管理サーバは、商品の販売に係るレシート情報を電子化した電子レシート情報を記憶する電子レシート情報記憶手段と、店舗毎に実施している特売商品や新商品に関する付加情報を複数の店舗別に記憶する付加情報記憶手段と、顧客が携帯する携帯端末から電子レシート情報の照会があると、当該携帯端末の位置から所定距離内にある店舗を判断する店舗判断手段と、前記店舗判断手段が判断した前記店舗に対応して前記付加情報記憶手段が記憶している前記付加情報を前記照会があった電子レシート情報とともに前記携帯端末に送信する送信手段と、を備える。
【0008】
実施形態のプログラムは、コンピュータを、商品の販売に係るレシート情報を電子化した電子レシート情報を記憶する電子レシート情報記憶手段と、店舗毎に実施している特売商品や新商品に関する付加情報を複数の店舗別に記憶する付加情報記憶手段と、顧客が携帯する携帯端末から電子レシート情報の照会があると、当該携帯端末の位置から所定距離内にある店舗を判断する店舗判断手段と、前記店舗判断手段が判断した前記店舗に対応して前記付加情報記憶手段が記憶している前記付加情報を前記照会があった電子レシート情報とともに前記携帯端末に送信する送信手段と、して機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態にかかる電子レシートシステムの構成全体を示す構成図である。
図2図2は、POS端末の要部構成を示すブロック図である。
図3図3は、電子レシートサーバの要部構成を示すブロック図である。
図4図4は、電子レシート管理サーバの要部構成を示すブロック図である。
図5図5は、電子レシート管理サーバの記憶部の一部を示すメモリマップである。
図6図6は、電子レシート管理サーバの記憶部の一部を示すメモリマップである。
図7図7は、携帯端末の要部構成を示すブロック図である。
図8図8は、POS端末における制御処理の流れを示すフローチャートである。
図9図9は、電子レシートサーバにおける制御処理の流れを示すフローチャートである。
図10図10は、電子レシート管理サーバの機能構成を示す機能ブロック図である。
図11図11は、電子レシート管理サーバ制御処理の流れを示すフローチャートである。
図12図12は、携帯端末の制御処理にかかる機能ブロック図である。
図13図13は、携帯端末の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
図1は、実施形態にかかる電子レシートシステムの構成全体を示す構成図である。図1に示すように、電子レシートシステムは、POS(Point of Sales)端末1と、ストアサーバ2と、電子レシートサーバ3と、電子レシート管理サーバ4と、顧客が携帯し、顧客を特定するための携帯端末7とを有する。
【0012】
POS端末1とストアサーバ2とは、店舗P1内に設けられる。POS端末1とストアサーバ2とは、LAN(Local Area Network)等の店舗内ネットワークN1を介して通信可能に接続される。また、POS端末1及びストアサーバ2は、店舗内ネットワークN1に接続されたルータ等のネットワーク機器(図示せず)を介して、店舗P1と本部P2とを繋ぐネットワークN2に接続することが可能である。ここで、ネットワークN2は、例えば、インターネットやVPN(Virtual Private Network)等の専用線である。
【0013】
POS端末1は、商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置である。POS端末1は、決済対象の商品の取引内容を含むレシート情報(非構造化形式)を生成し、当該レシート情報を後述する印字部13で印字することで紙レシートを出力する。また、POS端末1は、レシート情報のデータ形式を構造化形式に変換して電子レシート情報を生成し、生成した電子レシート情報をネットワークN2を介して電子レシートサーバ3に出力(送信)する。電子レシート情報の送信方法は特に問わず、HTTPやHTTPS等の汎用プロトコルを用いてもよい。なお、店舗P1に設けられるPOS端末1の個数は特に問わず、複数台であってもよい。
【0014】
ストアサーバ2は、POS端末1で行われる商品販売データ処理等の管理を統括的に行う。例えば、ストアサーバ2は、POS端末1の商品販売データ処理で生成された商品販売データを収集して記憶・管理したり、商品販売データ処理に用いる商品データファイル等を記憶・管理する。
【0015】
また、ストアサーバ2は、店舗P1で販売される特売商品や新商品等の、店舗として販売の宣伝をしたい商品等の情報、またこれらの商品に対して使用可能なクーポンの情報等(これらの情報を総称して「付加情報」という)を、ネットワークN2を介して電子レシートサーバ3に送信する。なお、POS端末1が付加情報を電子レシートサーバ3に送信してもよい。
【0016】
なお、本実施形態では、POS端末1がレシート情報を変換して電子レシート情報を生成し、出力する構成として説明するが、これに限らず、POS端末1で生成されたレシート情報を、ストアサーバ2や図示しない変換装置がデータ形式を変換して生成し、生成した電子レシート情報を電子レシートサーバ3に出力する構成としてもよい。
【0017】
電子レシートサーバ3は、店舗またはチェーン店舗(以下、店舗という)を運営する企業の本部P2に設けられており、店舗を運営する企業毎のレシート情報を管理する企業用のレシート管理サーバとして機能する。
【0018】
また、電子レシートサーバ3は、POS端末1から送信された電子レシート情報を、ネットワークN2を介して受信する。また、電子レシートサーバ3は、受信した電子レシート情報を、本部P2と電子レシートセンターP3とを繋ぐネットワークN3を介して、電子レシート管理サーバ4に送信する。
【0019】
また、電子レシートサーバ3は、POS端末1またはストアサーバ2から送信された付加情報を、ネットワークN2を介して受信する。また、電子レシートサーバ3は、受信した付加情報を、本部P2と電子レシートセンターP3とを繋ぐネットワークN3を介して、電子レシート管理サーバ4に送信する。
【0020】
ここで、ネットワークN3は、例えば、インターネットやVPN等の専用線である。また、電子レシート情報の送信方法は特に問わず、HTTPやHTTPS等の汎用プロトコルを用いてもよい。
【0021】
電子レシート管理サーバ4は、電子レシートセンターP3に設けられる。電子レシートセンターP3は、例えば、電子レシートサーバ3でレシート情報を管理する各企業の電子レシート情報の管理を行う、当該企業以外の第三者機関である。なお、電子レシートサーバ3についても第三者機関等が管理してもよい。
【0022】
電子レシート管理サーバ4は、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を一括に管理する顧客用レシート管理サーバとして機能する。電子レシート管理サーバ4は、後述する手順等により会員登録を行った各顧客(会員)の氏名や顧客コードである会員コード、携帯端末7を特定するための固有の端末コード、電子レシート情報の送信先となる携帯端末7の送信先情報(例えばメールアドレス)等の会員データを、データベースDBに保持された会員マスタに記憶・管理する。なお、電子レシート管理サーバ4とは別に、会員データの記憶・管理を行う会員管理サーバ等を設ける構成としてもよい。
【0023】
また、電子レシート管理サーバ4は、電子レシートサーバ3から送信された電子レシート情報を、ネットワークN3を介して受信し、この電子レシート情報をデータベースDBに保持された後述する電子レシート管理領域43aに記憶・管理する(図4を参照)。より詳細には、電子レシート情報は、商品の取引内容(商品販売データ)の他、電子レシート情報を送信する店舗の店舗情報や会員コード等の要素を含み、対応する会員の会員データと対応付けて管理される。
【0024】
また、電子レシート管理サーバ4は、データベースDBに電子レシート情報を記憶すると、この電子レシート情報の会員コードに対応付けされた送信先情報を参照することで、送信先(携帯端末7)を特定する。そして、電子レシート管理サーバ4は、後述するネットワークN5を介して、送信する電子レシート情報があることをその送信先に通知する。
【0025】
また、電子レシート管理サーバ4は、後述するネットワークN5を介して接続される携帯端末7から、会員コードを指定する電子レシート照会を受け付けると、当該会員コードに対応する電子レシート情報をデータベースDBから抽出し、携帯端末7に送信する。なお、電子レシート情報に付加情報が対応付けされている場合、この付加情報についても照会があった携帯端末7に送信する。
【0026】
携帯端末7は、本システムの利用者(顧客)が携帯して使用する、例えばスマートフォン、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ等の端末装置である。携帯端末7は、ネットワークN5上で提供される各種情報を閲覧するためのWebブラウザ等のアプリケーションを実装する。
【0027】
携帯端末7は、ネットワークN5を介して電子レシート管理サーバ4にアクセスすることで、本システムへの会員登録を行う。ここで、ネットワークN5は、インターネットや、各種公衆網である。
【0028】
携帯端末7は、周知のGPS(Global Positioning System)部77(図7を参照)を備えており、GPS部77は地球を周回する複数のGPS衛星8から発信された信号をキャッチされることで携帯端末7の位置を特定することができる。携帯端末7は、GPS部77が特定した携帯端末7の位置情報を、ネットワークN5を介して定期的(例えば1秒毎)に電子レシート管理サーバ4に送信する。
【0029】
ところで、本システムでの顧客の会員登録は、例えば次のような手順で行われる。顧客は、携帯端末7からネットワークN5を介して電子レシート管理サーバ4に対して空メールを送信する。電子レシート管理サーバ4は、受信したメールアドレスに会員登録のためのページを示すURL(Uniform Resource Locator)を送信する。顧客は、携帯端末7から会員登録のためのページを示すURLにアクセスして会員登録に必要な事項(氏名、送信先情報等)を入力させる入力画面を表示させる。顧客による必要事項の入力終了後、電子レシート管理サーバ4は、会員マスタに対する会員登録を実行する。その後、電子レシート管理サーバ4は、携帯端末7に対して会員コード(顧客コード)及びパスワードを含む会員登録完了メールを配信する。これにより、会員登録が終了する。
【0030】
また、携帯端末7は、POS端末1での決済(取引)後、電子レシート管理サーバ4において電子レシート情報を送信可能であることを示す通知を、電子レシート管理サーバ4からネットワークN5を介して受信する。会員が、携帯端末7を操作して、電子レシート情報の照会情報をネットワークN5を介して電子レシート管理サーバ4に送信することで、当該会員の電子レシート情報および付加情報を電子レシート管理サーバ4から受信する。また、携帯端末7は、受信した電子レシート情報および付加情報を表示する。
【0031】
係る構成の電子レシートシステムにおいては、店舗P1のPOS端末1で商品販売データ処理が行なわれて生成された取引(決済)の内容を示す電子レシート情報が、電子レシートサーバ3を介して電子レシート管理サーバ4に伝送され、Web上に公開される。したがって、Webブラウザを実装してなる携帯端末7は、URL(Uniform Resource Locator)を指定することにより、Web上に公開されたレシート情報を携帯端末7にダウンロードしてWebブラウザで閲覧することができる。なお、携帯端末7にレシート情報を閲覧するためのアプリケーションをインストールして閲覧するようにしてもよい。
【0032】
次に、図2図7を用いて、本実施形態の電子レシートシステムを構築する主要な装置のハードウェア構成について説明する。
【0033】
まず、商品販売データ処理装置であるPOS端末1について説明する。図2は、POS端末1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、POS端末1は、各種演算やPOS端末1の各部を統括的に制御する制御部11を備えている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、各種プログラムやデータを記憶するROM(Read Only Memory)、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM(Random Access Memory)、現在の日時を計時するRTC(Real Time Clock)部等によって構成されるコンピュータである。
【0034】
制御部11は、バス18を介して操作部12、印字部13、表示部14、コード読取部15、通信I/F16、および記憶部17に接続されている。
【0035】
操作部12は、オペレータが操作入力を行うための各種の操作キーを有している。操作キーとしては、例えば、数値を入力するための置数キー、所定の項目を選択するためのカーソルキーや選択決定キー、一取引の決済処理を実行させ、当該取引を終了させるための締めキー121等が設けられている。
【0036】
印字部13は、レシートやジャーナル等の印字を行うプリンタ装置で構成される。印字部13は、例えば発熱媒体を有するサーマルヘッドで搬送されるロール用紙に、購入した商品の商品情報や決済処理にともなう決済情報等を含むレシート情報の印字を行い、その後用紙をカットしてレシートを発行する。
【0037】
表示部14は、例えば液晶ディスプレイ等であり、販売登録された商品の品名、価格、決済が宣言された一取引の合計金額、釣銭額等の各種情報を表示する。表示部14は、キャッシャ向けに各種情報を表示するオペレータ用ディスプレイ14aと、顧客向けに各種情報を表示する客用ディスプレイ14bとを備える。なお、表示部14をタッチパネル構成としてもよく、この場合、タッチパネルは操作部12として機能する。
【0038】
コード読取部15は、例えばバーコードや二次元コード等のコードシンボルを光学的に読み取るスキャナ装置である。コード読取部15は、例えば、商品に付されたコードシンボルや、携帯端末7の表示部に表示されたコードシンボル等を読み取り、制御部11は、読み取った当該コードシンボルに保持された情報を入力する。なお、商品に付されたコードシンボルには、その商品を特定するための商品コード等が保持されているとする。また、携帯端末7に表示されるコードシンボルには、その携帯端末7を携帯する顧客を特定するための会員コード(顧客コード)等が保持されているとする。なお、会員コードは、携帯端末7に磁気的あるいは電気的に記憶されていてもよい。この場合、記憶されている会員コードを、専用の読取装置で読み取る。制御部11は、読み取った会員コードを入力する。
【0039】
また、制御部11は、バス18を介して通信I/F(インターフェース)16に接続されており、この通信I/F16を介して店舗内ネットワークN1やネットワークN2に接続することが可能となっている。
【0040】
また、制御部11は、バス18を介して、記憶部17に接続されている。記憶部17は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。記憶部17は、商品販売データ処理を含む各種のPOS業務を実行するための制御プログラム17aを記憶する。制御プログラム17aに基づいて、制御部11は、商品販売データ処理やレシート情報に係る処理を実行する。記憶部17は、各商品の商品名、商品コード及び単価等の商品データを格納した商品データファイル等の商品販売データ処理に係る各種データファイルを記憶する。
【0041】
また、記憶部17は、レシート情報から電子レシート情報を生成するための電子レシート生成プログラム17bを記憶する。制御部11は、電子レシート生成プログラム17bを駆動させて、レシート情報スキーマ(図示せず)に記述された変換規則に基づいて、非構造化形式のレシート情報を構造化形式の電子レシート情報に変換する。このようにして、制御部11は、レシート情報から電子レシート情報を生成する。
【0042】
また、記憶部17は、自己のPOS端末1を他のPOS端末1と識別するためのPOSナンバー、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コード、当該POS端末1が設置される店舗P1を示す店舗コード等を記憶する。ここで、業種・業態コードは、例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、薬局、レストラン、飲食店などとして、店舗の業種・業態を区別するコード(分類コード)である。なお、このような業種・業態は、ユーザの好みによって任意に変更可能である。また、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コードについては、電子レシートサーバ3に登録されていてもよい。
【0043】
次に、企業用のレシート管理サーバとして機能する電子レシートサーバ3のハードウェア構成を、図3のブロック図を用いて説明する。図3において、電子レシートサーバ3は、各種演算や電子レシートサーバ3の各部を統括的に制御する制御部31を備えている。制御部31は、CPU、各種プログラムやデータを記憶するROM、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM、現在の日時を計時するRTC部等によって構成されるコンピュータである。
【0044】
制御部31は、バス34に接続された通信I/F32を介して、ネットワークN2やネットワークN3に接続することが可能となっている。また、制御部31は、バス34を介して記憶部33に接続されている。
【0045】
記憶部33は、店舗を運営する企業毎の電子レシート情報を電子レシート管理領域33aに記憶する。電子レシート情報は、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コード、店舗コード、買物客の会員コード、POS端末1のPOSナンバー、レシートナンバー、商品販売データなどを含む。また、記憶部33は、電子レシート情報を電子レシート管理領域33aで管理するための制御プログラム33bを記憶する。また、記憶部33は、ストアサーバ2またはPOS端末1またはストアサーバ2から受信した付加情報を記憶する付加情報記憶部33cを備えている。
【0046】
次に、顧客用レシート管理サーバとして機能する電子レシート管理サーバ4のハードウェア構成を、図4のブロック図を用いて説明する。図4において、電子レシート管理サーバ4は、各種演算や電子レシート管理サーバ4の各部を統括的に制御する制御部41を備えている。制御部41は、CPU、各種プログラムやデータを記憶するROM、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM、現在の日時を計時するRTC部等によって構成されるコンピュータである。
【0047】
制御部41は、バス44に接続された通信I/F42を介して、ネットワークN3、ネットワークN4及びネットワークN5に接続することが可能となっている。また、制御部41は、バス44を介して、記憶部43に接続されている。
【0048】
記憶部43には、電子レシート管理領域43a、付加情報記憶領域43b、顧客管理領域43dが設けられている。また記憶部43には、制御プログラム43cが記憶されている。電子レシート管理領域43aは、電子レシートサーバ3から受信した、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を会員毎に管理する。
【0049】
電子レシートは、会員コード、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、店舗コード、POS端末1のPOSナンバー、レシートナンバー、商品販売データ(日時データを含む)などを含んでいる。したがって、例えば消費財メーカー等は、当該メーカーに関連する一意な購入商品の証明情報を、この電子レシート情報から特定条件の下(例えば、店舗を運営する特定の企業限定、特定の地域限定、特定の時間限定等)に取得することが可能になる。なお、消費財メーカーは、食料品、飲料、衣類、化粧品、薬品、生活雑貨などのメーカーである。
【0050】
また、記憶部43は、所望の商品(商品コード)、会員(会員コード)、企業(企業コード)、店舗(店舗コード)に対応付けて各種の付加情報を、電子レシートサーバ3から受信して付加情報記憶領域43bに記憶する。ここで、付加情報とは、例えば、特売商品の商品情報および特定商品や他の商品のクーポン情報等をいう。付加情報は、特定条件(例えば、店舗を運営する特定の企業、特定の地域、特定の店舗、特定の時間等)に対応付けられるキャンペーンに対応して設けられている。付加情報記憶領域43bには、電子レシートセンターP3が管轄するすべての店舗で設けられた付加情報を、店舗を特定する店舗コードで特定される店舗毎に記憶している。
【0051】
また、記憶部43は、電子レシート管理領域43aおよび付加情報記憶領域43b等の制御を行うための制御プログラム43cを記憶する。また、記憶部43は、携帯端末7の携帯者である顧客を管理するための顧客管理領域43dを記憶する。顧客管理領域43dには、顧客を特定する顧客IDに対応して、種々の顧客情報、および顧客が携帯する携帯端末7を特定する端末コード(後述するSRID)を記憶する。顧客IDとSRIDとは互いに対応付けて記憶されている。
【0052】
次に、図5を用いて、付加情報を記憶する付加情報記憶領域43bについて説明する。図5において、付加情報記憶領域43bは、店舗部43b1、特売情報部43b2、新商品情報部43b3、クーポン情報部43b4を備える。
【0053】
店舗部43b1は、付加情報記憶領域43bが付加情報を記憶するすべての店舗の、個々の店舗を特定する店舗コードおよび店舗名を、店舗別に記憶する。特売情報部43b2は、各店舗で実施されている特売商品の特売商品情報や特売期間情報等を、店舗部43b1に記憶された店舗コード毎に記憶する。新商品情報部43b3は、各店舗で実施されている新商品の新商品情報を、店舗部43b1に記憶された店舗コード毎に記憶する。クーポン情報部43b4は、特売情報部43b2に記憶された特売商品情報や、新商品情報部43b3に記憶された新商品情報に対応して設定されているクーポン情報を、店舗部43b1に記憶された店舗コード毎に記憶する。クーポン情報は、特売商品情報または新商品情報に対応付けて記憶されており、特売商品または新商品が特定されると、対応したクーポン情報を特定できる。
【0054】
次に、図6を用いて、電子レシート管理領域43aについて説明する。図6において、電子レシート管理領域43aは、取引において生成した電子レシート情報を取引毎に記憶する。電子レシート管理領域43aは、電子レシートを送信する携帯端末7を特定する端末コードである電子レシートID(以降「SRID」という)を記憶するSRID部43a1、店舗コード部43a2、電子レシート情報部43a3を備えている。SRID部43a1は、POS端末1のコード読取部15によって読み取られたSRIDを記憶する。店舗コード部43a2は、電子レシート情報が生成されたPOS端末1が設置された店舗P1を特定する店舗コードを、SRID毎に記憶する。電子レシート情報部43a3は、一取引分のレシート情報を電子レシート化した電子レシート情報を、取引毎にSRIDに対応して記憶する。なお、図6は、ある一つの取引における電子レシート情報を示すものである。
【0055】
次に、図7のブロック図を用いて、携帯端末7について説明する。図7において、携帯端末7は、各種演算や携帯端末7の各部を統括的に制御する制御部71を備えている。制御部71は、CPU、各種プログラムやデータを記憶するROM、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM、現在の日時を計時するRTC部等によって構成されるコンピュータである。
【0056】
操作部72は、バス76を介して表示部73に接続されている。操作部72は、操作者(顧客)が操作入力を行うための各種の操作キーや、ポインティングデバイスを有している。表示部73は、例えば液晶ディスプレイ等であり、後述する電子レシート情報等の各種情報を表示する。なお、表示部73をタッチパネル構成としてもよく、この場合、タッチパネルは操作部72として機能する。
【0057】
また、制御部71は、バス76を介して通信I/F74に接続されており、この通信I/F74を介してネットワークN5に接続することが可能となっている。なお、通信I/F74を介して、店舗内ネットワークN1に接続可能な構成としてもよい。
【0058】
また、制御部71は、バス76を介して、記憶部75に接続されている。記憶部75は、Web上に公開されている各種情報(コンテンツ)を閲覧するためのWebブラウザの他、電子レシート管理サーバ4から電子レシート情報を受け取るための電子レシート対応プログラム75aと、受け取ったレシート情報を閲覧するための電子レシート閲覧プログラム75bと、電子レシート情報を送信する携帯端末7を特定するためのSRIDを記憶するSRID記憶部75cを備えている。SRID記憶部75cに記憶されたSRIDは、表示部73に、コードシンボルで表示される。POS端末1は、コード読取部15を用いて、表示部73に表示されたコードシンボルを読み取って、SRIDを入力する。
【0059】
なお、SRIDは、コードシンボルとして読み取られる他に、POS端末1によって磁気的あるいは電気的に読み取られてもいい。また、携帯端末7以外の、例えば会員カード等からSRIDを読み取ってもいい。また、SRID以外の顧客を特定する顧客IDを読み取ってもいい。この場合、読み取った顧客IDに基づいて、対応して電子レシート管理サーバ4に記憶されているSRIDを取得する。
【0060】
また、携帯端末7はバス76を介してGPS部77を備えている。GPSとは、上空にある数個の衛星からの信号をGPS受信機で受け取り、受信者が自身の現在位置を知る位置測位システムである。GPS部77はGPS受信機であり、複数のGPS衛星8から発信された信号を受信して携帯端末7の位置を特定する。
【0061】
次に、図8図13を用いて、本実施形態の各部が実行する制御処理について説明する。
【0062】
まず、POS端末1の制御部11が制御プログラム17aに従って実行される制御処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0063】
図8において、POS端末1の制御部11は、コード読取部15により、携帯端末7に記憶されているSRIDが入力されたか否かを判断する(ステップS11)。入力されたと判断した場合は(ステップS11のYes)、制御部11は、入力されたSRIDを、制御部11のRAM内に設けられたSRID記憶部(図示せず)に記憶する(ステップS12)。そして制御部11は、ステップS11に戻って待機する。
【0064】
また、携帯端末7に記憶されているSRIDが入力されていないと判断した場合は(ステップS11のNo)、制御部11は、コード読取部15により、商品に付されたコードシンボルが読み取られて商品コードが入力されたか否かを判定する(ステップS21)。商品コードが入力されたと判定すると(ステップS21のYes)、制御部11は、当該商品コードに基づく商品登録処理を実行する(ステップS22)。そして制御部11は、ステップS11に戻って待機する。
【0065】
商品登録処理とは、入力された商品コードに基づいて、記憶部17に記憶された商品マスタ(図示せず)を検索し、入力された商品コードに対応して商品マスタに記憶されている商品情報(商品名、単価、属性情報等)を読み出して、RAMまたは記憶部17に設けられた商品情報部(図示せず)に記憶することである。
【0066】
商品コードが入力されていないと判断した場合は(ステップS21のNo)、制御部11は、締めキー121が操作されたか否かを判断する(ステップS31)。操作されたと判断した場合は(ステップS31のYes)、制御部11は、当該取引の決済処理を実行する(ステップS32)。決済処理とは、商品情報部に記憶された商品情報に基づいて、合計金額を算出して表示部14に表示し、各種メディアでの支払いに基づいて当該取引を終了する処理をいう。そして制御部11は、当該取引に係る決済情報に基づいて、レシート用紙に印字するためのレシート情報を生成する(ステップS33)。なお、上記SRID記憶部75cにSRIDが記憶されている場合は、ステップS33において、当該SRIDを取込んでレシート情報を生成する。
【0067】
次に制御部11は、レシート情報に基づいて電子レシート情報を生成するか否かを判断する(ステップS34)。生成されたレシート情報にSRIDが含まれている場合は、制御部11が電子レシート情報を生成すると判断する。
【0068】
電子レシート情報を生成すると判断した場合は(ステップS34のYes)、制御部11は、電子レシート生成プログラム17bを駆動して、ステップS33で生成したレシート情報に基づいて電子レシート情報を生成する(ステップS35)。生成した電子レシート情報には、SRIDおよびPOS端末1が設置された店舗P1の店舗コードが含まれる。そして制御部11は、生成したSRIDと店舗コードとを含む電子レシート情報を電子レシートサーバ3に送信する(ステップS36)。そして制御部11は処理を終了する。
【0069】
一方、レシート情報に基づいて電子レシート情報を生成しない(すなわち、ステップS33で生成したレシート情報にSRIDが含まれていない)と判断した場合は(ステップS34のNo)、制御部11は、印字部13を駆動させ、ステップS33で生成したレシート情報に基づいた印字を行い、紙のレシートを発行する(ステップS37)。そして制御部11は処理を終了する。なお、ステップS31において、締めキー121が操作されていないと判断した場合は(ステップS31のNo)、制御部11は、ステップS11に戻って待機する。
【0070】
次に、電子レシートサーバ3の制御部31が、制御プログラム33bに従って動作することにより実行される電子レシート管理処理の流れを、図9に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0071】
電子レシートサーバ3の制御部31は、POS端末1からステップS36で送信された電子レシート情報を通信I/F32を介して受信したか否かを判断する(ステップS41)。受信したと判断した場合(ステップS41のYes)、記憶部33の電子レシート管理領域33aに企業毎の電子レシート情報として記憶する(ステップS42)。そして、制御部31は、ステップS42で記憶した電子レシート情報を電子レシート管理サーバ4に送信し(ステップS43)、ステップS41に戻る。
【0072】
また、電子レシート情報を受信していないと判断した場合は(ステップS41のNo)、制御部31は、ストアサーバ2またはPOS端末1から付加情報を受信したか否かを判断する(ステップS44)。付加情報を受信したと判断した場合は(ステップS44のYes)、制御部31は、付加情報記憶部33cに受信した付加情報を記憶する(ステップS45)。付加情報は、店舗を特定する店舗コード毎に記憶される。そして記憶した付加情報を電子レシート管理サーバ4に送信する(ステップS46)。そして制御部31は、ステップS41に戻って待機する。
【0073】
また、制御部31は、ストアサーバ2およびPOS端末1のいずれからも付加情報を受信していないと判断した場合は(ステップS44のNo)、制御部31は、予め設定された送信タイミングになったか否かを判断する(ステップS47)。送信タイミングになったと判断した場合(ステップS47のYes)、制御部31は、電子レシート管理領域33aに記憶して管理されている電子レシート情報および付加情報記憶部33cに記憶されている付加情報を電子レシート管理サーバ4に送信し(ステップS48)、ステップS41に戻る。このステップS48の送信により、例えばステップS43で送信の対象から漏れた電子レシート情報を、電子レシート管理サーバ4に送信することができる。また、ステップS46で送信の対象から漏れた付加情報を、電子レシート管理サーバ4に送信することができる。
【0074】
また、ステップS47において、予め設定された送信タイミングになっていないと判断した場合は(ステップS47のNo)、制御部31は、ステップS41に戻って待機する。
【0075】
次に、電子レシート管理サーバ4の制御部41が、制御プログラム43cに従って動作することにより実行される電子レシート制御処理を、図10に示す機能ブロック図及び図11に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0076】
図10に示すように、電子レシート管理サーバ4で実行される制御プログラム43cは、電子レシート情報記憶手段411、付加情報記憶手段412、送信手段413、位置特定手段414を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては制御部41のCPUが、記憶部43から制御プログラム43cを読み出して実行することにより電子レシート情報記憶手段411、付加情報記憶手段412、送信手段413、位置特定手段414が実行される。
【0077】
電子レシート情報記憶手段411は、商品の販売に係るレシート情報を電子化した電子レシート情報を記憶する機能を有する。
【0078】
付加情報記憶手段412は、電子レシート情報に対する付加情報を顧客が携帯する携帯端末7への配信条件に対応して複数記憶する機能を有する。
【0079】
送信手段413は、複数の付加情報から携帯端末7への配信条件を満たす付加情報を電子レシート情報とともに携帯端末7に送信する機能を有する。
【0080】
位置特定手段414は、外部から受信したGPS情報に基づいて携帯端末7の存在位置を特定する機能を有する。
【0081】
図11は、電子レシート管理サーバ4の制御処理を示すフローチャートである。図11において、制御部41は、電子レシートサーバ3から電子レシート情報を受信したか否かを判断する(ステップS51)。電子レシート情報を受信したと判断した場合は(ステップS51のYes)、制御部41(電子レシート情報記憶手段411)は、SRIDと店舗コードを含む電子レシート情報を電子レシート管理領域43aに記憶する(ステップS52)。そして制御部41は、受信した電子レシート情報に含まれるSRIDに対応して顧客管理領域43dに記憶されている、当該SRIDで特定される携帯端末7のアドレス等に対して、電子レシート管理サーバ4が電子レシート情報を受信しており、携帯端末7で電子レシート情報を閲覧可能であることを示す通知を送信する(ステップS53)。そして制御部41は、ステップS51に戻って待機する。
【0082】
また、電子レシートサーバ3から電子レシート情報を受信していないと判断した場合は(ステップS51のNo)、制御部41は、ステップS46またはステップS48で送信された付加情報を受信したか否かを判断する(ステップS61)。付加情報を受信したと判断した場合は(ステップS61のYes)、制御部41(付加情報記憶手段412)は、受信した付加情報を付加情報記憶領域43bに記憶する(ステップS62)。そして制御部41は、ステップS51に戻って待機する。
【0083】
また、付加情報を受信していないと判断した場合は(ステップS61のNo)、制御部41は、携帯端末7から電子レシート情報の照会があったか否かを判断する(ステップS71)。電子レシート情報の照会は、ステップS53の通知を受信した携帯端末7を操作することで実行される(詳細は図12を用いて後述する)。
【0084】
電子レシート情報の照会があったと判断した場合は(ステップS71のYes)、制御部41は、照会があった電子レシート情報を、電子レシート管理領域43aから抽出する(ステップS72)。そして制御部41(位置特定手段414)は、抽出した電子レシート情報に含まれるSRIDおよび店舗コードに基づいて、当該SRIDで特定される携帯端末7の現在の位置を調査して特定する(ステップS73)。
【0085】
具体的には、制御部41は、携帯端末7から定期的に送信されているSRIDおよび位置情報を受信し、受信したSRIDのうち、ステップS72で抽出されたSRIDと同一のSRIDで特定される携帯端末7の位置情報に基づいて、携帯端末7の位置を特定する。
【0086】
そして制御部41は、得られた携帯端末7の位置情報と、上記抽出された店舗コードとに基づいて、携帯端末7が、照会された電子レシートが生成された店舗P1内に位置しているか否かを判断する(ステップS74)。得られた携帯端末7の位置情報が、抽出された店舗コードで特定される店舗P1内である場合は、制御部41は、携帯端末7が照会された電子レシートが生成された店舗P1内に位置していると判断する。
【0087】
携帯端末7が、照会された電子レシートが生成された店舗P1内に位置していると判断した場合は(ステップS74のYes)、制御部41は、電子レシート管理領域43aに記憶された電子レシート情報のうち、SRIDで特定される電子レシート情報について、付加情報記憶領域43bに記憶された付加情報を抽出する(ステップS75)。
【0088】
具体的には、制御部41は、付加情報記憶領域43bに記憶された店舗毎の各種情報のうち、上記店舗コードで特定される店舗を店舗部43b1から抽出し、該当する特売情報部43b2に記憶された当該店舗の特売情報と、該当する新商品情報部43b3に記憶された当該店舗の新商品情報と、該当するクーポン情報部43b4に記憶された上述の特売情報や新商品情報の商品に適用可能なクーポン情報を、抽出する。
【0089】
なお、抽出する特売情報、新商品情報、クーポン情報は、特売情報部43b2に記憶された当該店舗のすべての特売情報と新商品情報部43b3に記憶された当該店舗のすべての新商品情報とクーポン情報部43b4に記憶されたすべてのクーポン情報のうち、当該電子レシート情報に含まれる購入した商品に関連する商品の各情報のみを抽出するようにしてもよい。また、店舗が特に宣伝したい商品の各情報のみを抽出するようにしてもよい。その他、店舗で販売する商品に関する各情報であれば、各種条件で抽出可能である。
【0090】
次に制御部41は、照会された電子レシート情報にステップS75で抽出した付加情報を付加する(ステップS76)。そして制御部41(送信手段413)は、付加情報が付加された電子レシート情報を該当するSRIDで特定される携帯端末7に送信する(ステップS77)。
【0091】
一方、ステップS73で調査した結果、携帯端末7が、照会された電子レシートが生成された店舗P1内に位置していない(すなわち当該店舗P1の外に位置している)と判断した場合は(ステップS74のNo)、制御部41は、ステップS73で調査した携帯端末7の位置の近くに系列他店舗が存在するか否かを判断する(ステップS81)。制御部41は、ステップS73で調査した携帯端末7の位置が、系列他店舗から所定範囲内(例えば1キロメートル以内)の距離であれば、携帯端末7の位置の近くに系列他店舗が存在すると判断する。
【0092】
系列他店舗が近くに存在すると判断した場合は(ステップS81のYes)、制御部41は、該当する店舗の店舗コードを取得し、付加情報記憶領域43bに記憶された特売情報、新商品情報、クーポン情報のうち、取得した店舗コードに該当する店舗の各情報を抽出する(ステップS82)。そして制御部41は、ステップS76以降を実行する。
【0093】
また、系列他店舗が近くに存在しないと判断した場合は(ステップS81のNo)、制御部41は、顧客管理領域43dを検索し、当該SRIDで特定される携帯端末7の顧客の過去の購入履歴情報を抽出し、過去に多く購入している商品や一定期間毎に購入している商品等の商品情報やこれに関するクーポン情報を抽出する(ステップS83)。そして制御部41は、ステップS76以降を実行する。
【0094】
次に、携帯端末7の制御部71が、電子レシート対応プログラム75aに従って動作することにより実行される電子レシート受け取り処理及び電子レシート閲覧プログラム75bに従って動作することにより実行される電子レシート閲覧処理の流れを、図12および図13を参照しつつ説明する。
【0095】
図12に示すように、制御部71は、電子レシート管理サーバ4から、電子レシート情報受信の通知を受信したか否かを判断する(ステップS91)。受信したと判断した場合は(ステップS91のYes)、制御部71は、受信した通知を表示部73に表示する(ステップS92)。
【0096】
電子レシート情報受信の通知を受信していないと判断した場合は(ステップS91のNo)、制御部71は、電子レシート情報の照会が操作されたか否かを判断する(ステップS93)。上記通知を見た携帯端末7の操作者は、電子レシート情報の照会情報を送信するために操作部72を操作する。操作されたと判断した場合は(ステップS93のYes)、制御部71は、照会情報を電子レシート管理サーバ4に送信する(ステップS94)。照会を受信した電子レシート管理サーバ4は、図11のステップS71〜ステップS83の処理を実行して電子レシート情報および付加情報を携帯端末7に送信する。
【0097】
一方、電子レシート情報の照会が操作されていないと判断した場合は(ステップS93のNo)、制御部71は、電子レシート管理サーバ4から、電子レシート情報および付加情報を受信したか否かを判断する(ステップS95)。電子レシート情報および付加情報を受信したと判断した場合は(ステップS95のYes)、制御部71は、受信した電子レシート情報および付加情報を表示部73に表示する(ステップS96)。なお、電子レシート情報のみを受信した場合は、制御部71は、当該電子レシート情報を表示する。
【0098】
ここで、図13に、ステップS86で表示した電子レシート情報および付加情報の一例を示す。図13の例は、一例として、電子レシート情報と、ステップS74において携帯端末7が店舗内に存在すると判断した場合にステップS75で抽出された付加情報を表示している。図13において、制御部71は、携帯端末7の表示部73に、電子レシート情報Dと付加情報Fを表示する。制御部71は、電子レシート情報Dとして、商品を購入した店舗の店名と店名ロゴD1、商品を購入した日時D2、商品名や商品の価格等の商品情報D3、合計金額や釣銭等の決済情報D4等を表示する。
【0099】
また、制御部71は、付加情報Fとして、店内で特売を実施している商品の特売商品情報F1、特売商品情報F1に対応して設定されている、当該特売商品の購入時に使用可能なクーポンを示すクーポン情報F2を表示する。特売商品情報F1は、電子レシート情報として表示されている商品情報D3と関連する特売商品である。
【0100】
図12の説明に戻る。制御部71が電子レシート情報および付加情報を受信していないと判断した場合は(ステップS95のNo)、制御部71は、表示されたクーポン情報F2をタッチして操作することで、クーポンが操作されたか否かを判断する(ステップS97)。
【0101】
クーポンが操作されたと判断した場合(ステップS97のYes)、制御部71は表示部73に、操作されたクーポン情報を大きく表示する(ステップS98)。クーポン情報F2をタッチすると、当該特売商品のクーポンが大きく詳細に表示されるため、携帯端末7の操作者は、表示された特売商品を購入する場合、当該クーポンを大きく表示して店員に見せることで、当該クーポンを使用して特売商品を購入することができる。
【0102】
また、クーポンが操作されていないと判断した場合は(ステップS97のNo)、制御部71は、GPS部77から受信したGPS信号に基づいて携帯端末7が現在存在する位置情報を生成する(ステップS99)。そして制御部71は、生成した位置情報を、ネットワークN5を介して電子レシート管理サーバ4に送信する(ステップS100)。
【0103】
このような実施形態によれば、電子レシート管理サーバ4は、携帯端末7が店舗内に存在するか、他の系列店舗の近くに存在するか、しないかを判断し、携帯端末7が店舗内にいる場合には当該店舗の付加情報を送信し、携帯端末7が他の系列店舗の近くに存在する場合は当該店舗の付加情報を送信し、それ以外は過去の購入履歴を参照して付加情報を送信するため、携帯端末7の存在する場所、すなわち携帯端末7を携帯する顧客が存在する場所に応じて最適な付加情報を送信することができる。
【0104】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0105】
例えば、上記実施形態では、GPS機能を使用して携帯端末7の位置を特定したが、例えば携帯電話の基地局を用いて携帯端末7の位置を特定する等、他の手段で携帯端末7の位置を特定するようにしてもよい。
【0106】
また、上記実施形態では、付加情報として、特売商品情報、新商品情報、クーポン情報としたが、商品に関する他の情報であってもよい。
【0107】
また、実施形態では、携帯端末7の位置情報に基づいて送信する付加情報の種類を変更したが、位置情報以外の情報(例えば商品を購入してからの経過時間)に基づいて送信する付加情報を変更してもよい。
【0108】
なお、実施形態の電子レシート管理サーバで実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0109】
また、実施形態の電子レシート管理サーバで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態の電子レシート管理サーバで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0110】
また、実施形態の電子レシート管理サーバで実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0111】
1 POS端末
3 電子レシートサーバ
4 電子レシート管理サーバ
7 携帯端末
11 制御部
31 制御部
41 制御部
43 記憶部
43a 電子レシート管理領域
43b 付加情報記憶領域
71 制御部
411 電子レシート情報記憶手段
412 付加情報記憶手段
413 送信手段
414 位置特定手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0112】
【特許文献1】特開2012−185664号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13