特許第6262079号(P6262079)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東ソー・ファインケム株式会社の特許一覧

特許62620794−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体及びその製造方法
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262079
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 239/52 20060101AFI20180104BHJP
【FI】
   C07D239/52CSP
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-114123(P2014-114123)
(22)【出願日】2014年6月2日
(65)【公開番号】特開2015-227318(P2015-227318A)
(43)【公開日】2015年12月17日
【審査請求日】2017年4月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】301005614
【氏名又は名称】東ソー・ファインケム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100182073
【弁理士】
【氏名又は名称】萩 規男
(72)【発明者】
【氏名】香川 巧
(72)【発明者】
【氏名】重弘 大樹
(72)【発明者】
【氏名】河田 恒佐
【審査官】 新留 素子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−515372(JP,A)
【文献】 米国特許第3328388(US,A)
【文献】 特表2013−501759(JP,A)
【文献】 特表2013−545741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】
(式(1)中、Rは、メチル基、エチル基、炭素数3〜6の直鎖分岐若しくは環式のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を示す)
で表される4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体。
【請求項2】
下記式(2)
【化2】
で表わされる2,4−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンと、下記一般式(3)
RO−M (3)
(式(3)中、Rは前記式(1)に同じ)
で表わされる金属アルコキシド又は金属フェノキシドとを反応させることを特徴とする請求項1に記載の4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体の製造方法。
【請求項3】
金属がリチウム、ナトリウム又はカリウムであることを特徴とする請求項2に記載の4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体及びその製造方法に関する。本発明の4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体は各種、医農薬や電子材料の合成原料として有用な化合物である。
【背景技術】
【0002】
従来より、本発明の4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体及びその製造方法は知られていない。
類似の化合物として、2−(4−ニトロフェノキシ)−4−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン及びその製造方法(例えば特許文献1参照)並びに2−メトキシ−4−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン及びその製造方法(例えば特許文献2参照)が知られている。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、4−ニトロフェノルを用い2−(4−ニトロフェノキシ)−4−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンを得る方法に限られるという課題があった。
一方、特許文献2に記載の方法は、目的物の2−メトキシ−4−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンと異性体の4−メトキシ−2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンの混合物を得る方法であり、シリカゲルカラム精製により目的物の2−メトキシ−4−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンを得ており、工業的に実施が困難なシリカゲルカラム精製が必要という課題があった。
【0004】
さらに、2,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンに各種金属アルコキシド等を反応させた場合、反応させる金属アルコキシドの種類により、組成は変動するが、生成物は2−位が置換されたものと4−位が置換されたものの混合物となるという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2013−501759号公報
【特許文献2】特表2008−528613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、2−位又は4−位が置換された5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体の合成原料として有用な、2−位が置換された4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体及びその製造方法の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、2,4−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンを原料とし、金属アルコキシド又は金属フェノキシドを反応させることにより、非常の高選択的に2−位がアルコキシで置換された新規な4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち本発明は、下記一般式(1)
【0009】
【化1】
【0010】
(式(1)中、Rは、メチル基、エチル基、炭素数3〜6の直鎖分岐若しくは環式のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を示す)
で表される4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体に関するもので、下記式(2)
【0011】
【化2】
【0012】
で表わされる2,4−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンと、下記一般式(3)
RO−M (3)
(式(3)中、Rは前記式(1)に同じ)
で表わされる金属アルコキシド又は金属フェノキシドを反応させ製造する方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、医農薬の合成原料として有用な新規な4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体及びその高選択的製造方法が提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式(1)で表わされる4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体としては、具体的には例えば、2−メトキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン、2−エトキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン、2−n−プロポキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン、2−iso−プロポキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン、2−n−ブトキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン、2−sec−ブトキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン、2−iso−ブトキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン、2−tert−ブトキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン、2−n−ペントキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン、2−cyclo−ペントキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン、2−n−ヘキシルオキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン、2−cylo−ヘキシルオキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン、2−フェノキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン、2−ベンジロキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン等を挙げることができる。
【0015】
本発明の一般式(1)で表わされる5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体の製造に使用する式(2)で表わされる2,4−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンは、例えば、工業的に入手可能な5−(トリフルオロメチル)ウラシルをオキシ塩化リン等より脱水及び塩素化し、2,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンを調製の後、さらに2,2,2−トリフルオロエタノールの金属塩を反応させること等により調製可能である。
【0016】
本発明の一般式(1)で表わされる5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体の製造に適用可能な一般式(3)で表わされる金属アルコキシド又は金属フェノキシドとしては、具体的には例えば、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウム−n−プロポキシド、ナトリウム−n−プロポキシド、カリウム−n−プロポキシド、リチウム−iso−プロポキシド、ナトリウム−iso−プロポキシド、カリウム−iso−プロポキシド、リチウム−n−ブトキシド、ナトリウム−n−ブトキシド、カリウム−n−ブトキシド、リチウム−iso−ブトキシド、ナトリウム−iso−ブトキシド、カリウム−iso−ブトキシド、リチウム−sec−ブトキシド、ナトリウム−sec−ブトキシド、カリウム−sec−ブトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、リチウム−n−ペントキシド、ナトリウム−n−ペントキシド、カリウム−n−ペントキシド、リチウム−n−ヘキシルオキシド、ナトリウム−n−ヘキシルオキシド、カリウム−n−ヘキシルオキシド、リチウム−cyclo−ヘキシルオキシド、ナトリウム−cyclo−ヘキシルオキシド、カリウム−cyclo−ヘキシルオキシド、リチウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウムフェノキシド、リチウムベンジロキシド、ナトリウムベンジロキシド、カリウムベンジロキシド等が挙げられる。
【0017】
本発明の一般式(1)で表わされる5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体の製造に適用可能な一般式(3)で表わされる金属アルコキシド又は金属フェノキシドの使用量は、反応に具する式(2)で表わされる2,4−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンに対して、1.0モル倍量〜1.5モル倍量の範囲である。
【0018】
本発明の一般式(1)で表わされる5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体の製造に適用可能な一般式(3)で表わされる金属アルコキシド又は金属フェノキシドは、市販されているものであればそのまま用いても良いし、市販されていないものは該当するアルコール類又はフェノールに、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウム ヘキサメチルジシラジド、ナトリウム ヘキサメチルジシラジド、カリウム ヘキサメチルジシラジド等の金属試剤を、アルコール類又はフェノールに対して0.7モル倍量〜1.0モル倍量使用し調製しても良い。
【0019】
本発明の一般式(1)で表わされる5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体の製造に適用可能な溶剤としては、反応に不活性な溶剤であればあらゆるものが使用可能であるが、例えば、ジエチルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、メチル−cyclo−ペンチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、ペンタン、ヘキサン、cyclo−ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン、クメン等の芳香族炭化水素系溶剤等が挙げられ、反応に具する式(2)で表わされる2,4−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンに対して、2重量倍量〜100重量倍量使用する。また、これら溶剤は2種以上を混合して用いても良い。
【0020】
本発明の一般式(1)で表わされる5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体の製造の反応温度及び時間としては、反応に用いる金属アルコキシドの種類、溶剤の種類及び基質濃度により異なるが、通常−20℃〜80℃の温度範囲で、1時間〜48時間反応を行うことにより反応が完結する。
本発明の一般式(1)で表わされる5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体の製造後の後処理としては、周知の方応で実施可能で、例えば、飽和塩化アンモニウム水溶液で中和、ジクロロメタン等の溶剤で抽出、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過、濃縮することにより、一般式(1)で表わされる4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体を得る。
【実施例】
【0021】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、分析に当たっては下記機器を使用した。
1H−NMR,19F−NMR,13C−NMR:ブルカー社(BRUKER)製AVANCE II 400。
GC-MS:嶋津製作所製GCMS−QP2010Plus。
元素分析:ヤナコ社製CHNコーダー MT−6。
【0022】
参考例1 2,4−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンの調製
窒素気流下、撹拌子を備えた200mLのナス型フラスコに、2,2,2−トリフルオロエタノール(5.99g,59.9mmol)及びテトラヒドロフラン(85mL)を仕込み、−20℃に冷却の後、n−ブチルリチウム(1.6M−ヘキサン溶液,34.5mL,55.2mmol)を添加し、同温度で30分撹拌した。次いでこれに、2,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(5.00g,23.0mmol)を添加し、同温度で30分撹拌の後、昇温し、40℃で24時間反応を行った。
【0023】
反応終了後、反応液に飽和の塩化アンモニウム水溶液(30mL)を添加、減圧下濃縮、ジクロロメタン(30ml×3回)抽出、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮することにより粗製物を得た。
得られた粗製物は、シリカゲル床(10g、溶離液ジクロロメタン)で精製、濃縮することにより目的物の2,4−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(7.22g,21.0mmol,収率91%)を無色透明液体として得た。
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ8.60(d,J=0.8Hz,1H),4.91(q,J=4.9Hz,2H),4.85(q,J=4.8Hz,2H)。
19F−NMR(CDCl3,376MHz)δ−63.80,−74.82(t,J=7.5Hz),−74.89(t,J=7.5Hz)。
13C−NMR(CDCl3,100MHz)δ167.07,165.00,158.38(q,J=4.7Hz),122.99(q,J=275.8Hz),122.74(q,J=275.6Hz),122.28(q,J=269.4Hz),108.05(q,J=34.7Hz),64.39(q,J=36.7Hz),63.39(q,J=37.2Hz)。
GC−MS(m/z):344(M+,45),325(58),275(100),246(93),163(90),83(95)。
元素分析
計算値:炭素(31.41%)、水素(1.46%)、窒素(8.14%)。
測定値:炭素(31.32%)、水素(1.46%)、窒素(8.16%)。
【0024】
実施例1 2−ベンジロキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(4)の調製
【0025】
【化3】
【0026】
撹拌子を備え、窒素置換した50mLのナス型フラスコに、ベンジルアルコール(0.310g,2.91mmol)及びテトラヒドロフラン(20mL)を仕込み、−20℃に冷却の後、n−ブチルリチウム(1.6M−ヘキサン溶液,1.82mL,2.91mmol)を添加し、同温度で30分撹拌した。次いで、参考例1で調製した2,4−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(1.00g,2.91mmol)を添加し、同温度で30分撹拌の後、室温に戻し、12時間反応を行った。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を添加、減圧濃縮によりテトラヒロロフランを留去、ジクロロメタン(10mL×3回)抽出、有機層を合わせて、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過、次いで濃縮することにより、粗製物の2−ベンジロキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンを微淡黄色固体として得た(1.21g)。得られた粗製物を、ヘキサフルオロベンゼンを内部標準として用いた19F−NMR測定において、転化率95%、収率92%で、副生物の2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−4−ベンジロキシ−5−(トリフルロメチル)ピリミジンが収率換算で1.2%含有されていた。
【0027】
さらに得られた粗製物を、エチルベンゼン−ヘキサンを用いた再結晶を行うことにより、精製2−ベンジロキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンを白色固体として得た(0.77g,収率75%、純度99%)。
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ8.58(d,J=0.8Hz,1H),7.47−7.35(m,5H),5.47(s,2H),4.85(q,J=8.0Hz,2H)。
19F−NMR(CDCl3,376MHz)δ−63.71,−75.03(t,J=7.5Hz)。
13C−NMR(CDCl3,100MHz)δ166.58,166.28,158.45(q,J=4.7Hz),135.52,128.84,128.73,128.40,122.82(q,J=275.2Hz),122.58(q,J=269.2Hz),106.49(q,J=34.5Hz),70.60,63.01(q,J=37.0Hz)。
GC−MS(m/z)352(10,M+),351(8),269(7),246(35),107(6),91(100),65(21)。
元素分析
計算値:炭素(47.74%)、水素(2.86%)、窒素(7.95%)。
測定値:炭素(47.62%)、水素(2.87%)、窒素(7.93%)。
【0028】
実施例2 2−ベンジロキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンの調製
実施例1と同じ反応装置に、水素化ナトリウム(60%油性、0.163g,4.07mmol)及びテトラヒドロフラン(40mL)を仕込み、0℃に冷却の後、ベンジルアルコール(0.450g,4.22mmol)を添加し、同温度で30分撹拌した。次いで、参考例1で調製した2,4−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(1.00g,2.91mmol)を添加し、同温度で24時間反応を行った。反応収率後、実施例1と同じ後処理操作を行い、粗製物の2−ベンジロキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンを微淡黄色固体として得た(1.27g)。得られた粗製物を、ヘキサフルオロベンゼンを内部標準として用いた19F−NMR測定において、転化率100%、収率96%、副生物の2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−4−ベンジロキシ−5−(トリフルロメチル)ピリミジンが収率換算で1.5%含有されていた。
【0029】
実施例3 2−ベンジロキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンの調製
実施例1と同じ反応装置に、ベンジルアルコール(0.403g,3.78mmol)及びテトラヒドロフラン(10mL)を仕込み、−10℃に冷却の後、カリウム ヘキサメチルジシラジド(1.0M−テトラヒドロフラン溶液、3.06mL,3.06mmol)を添加し、同温度で30分撹拌した。次いで、参考例1で調製した2,4−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(1.00g,2.91mmol)を添加し、同温度で24時間反応を行った。反応収率後、実施例1と同じ後処理操作を行い、粗製物の2−ベンジロキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンを微淡黄色固体として得た(1.19g)。得られた粗製物を、ヘキサフルオロベンゼンを内部標準として用いた19F−NMR測定において、転化率99%、収率95%、副生物の2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−4−ベンジロキシ−5−(トリフルロメチル)ピリミジンが収率換算で1.8%含有されていた。
【0030】
実施例4 2−メトキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(5)の調製
【0031】
【化4】
【0032】
実施例1のベンジルアルコール(0.310g,2.91mmol)に替えてメタノール(0.092g,2.91mmol)を用いた以外、実施例1と同じ操作を行い、2−メトキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンの粗製物(0.82g)を無色透明液体として得た。得られた粗製物を、ヘキサフルオロベンゼンを内部標準として用いた19F−NMR測定において、転化率92%、収率89%で、副生物の2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−4−メトキシ−5−(トリフルロメチル)ピリミジンが収率換算で2.3%含有されていた。
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ8.58(d,J=0.8Hz,1H),4.90(q,J=8.1Hz,2H),4.08(s,3H)。
19F−NMR(CDCl3,376MHz)δ−63.60,−74.94(t,J=8.1Hz)。
13C−NMR(CDCl3,100MHz)δ166.93,166.54,158.49(q,J=4.7Hz),122.86(q,J=275.6Hz),122.63(q,J=268.9Hz),106.25(q,J=34.5Hz),62.88(q,J=37.1Hz),55.86。
GC−MS m/z276(49,M+),275(27),257(24),246(100),163(37),143(32),91(27),83(23),69(21)。
元素分析
計算値:炭素(34.80%)、水素(2.19%)、窒素(10.14%)。
測定値:炭素(34.71%)、水素(2.19%)、窒素(10.13%)。
【0033】
実施例5 2−iso−プロポキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(6)の調製
【0034】
【化5】
【0035】
実施例1のベンジルアルコール(0.310g,2.91mmol)に替えてiso−プロパノール(0.175g,2.91mmol)を用いた以外、実施例1と同じ操作を行い、2−iso−プロポキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンの粗製物(0.98g)を無色透明液体として得た。得られた粗製物を、ヘキサフルオロベンゼンを内部標準として用いた19F−NMR測定において、転化率96%、収率94%、副生物の2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−4−iso−プロポキシ−5−(トリフルロメチル)ピリミジンが収率換算で1.3%含有されていた。
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ8.55(d,J=0.8Hz,1H),5.35(dq,J=6.4,6.3Hz,1H),4.90(q,J=8.1Hz,2H),1.42(d,J=6.4Hz,6H)。
19F−NMR(CDCl3,376MHz)δ−63.30,−74.82(t,J=9.4Hz)。
13C−NMR(CDCl3,100MHz)δ166.52,166.11,158.43(q,J=4.7Hz),122.89(q,J=275.7Hz),122.69(q,J=268.7Hz),105.83(q,J=34.0Hz),72.58,62.89(q,J=37.0Hz),21.75。
GC−MS(m/z)304(2,M+),289(12),263(94),246(100),243(27),223(16),193(35),164(28),136(33),83(23)。
元素分析
計算値:炭素(39.48%)、水素(3.31%)、窒素(9.21%)。
測定値:炭素(39.42%)、水素(3.31%)、窒素(9.19%)。
【0036】
実施例6 2−tert−ブトキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(7)の調製
【0037】
【化6】
【0038】
実施例1のベンジルアルコール(0.310g,2.91mmol)に替えてtert−ブタノール(0.216g,2.91mmol)を用いた以外、実施例1と同じ操作を行い、2−tert−ブトキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンの粗製物(0.94g)を無色透明液体として得た。得られた粗製物を、ヘキサフルオロベンゼンを内部標準として用いた19F−NMR測定において、転化率93%、収率93%、副生物の2−(トリフルオロエトキシ)−4−tert−ブトキシ−5−(トリフルロメチル)ピリミジンは観測されなかった。
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ8.54(d,J=0.8Hz,1H),4.85(q,J=8.1Hz,2H),1.66(s,9H)。
19F−NMR(CDCl3,376MHz)δ−63.70,−74.87(t,J=9.4Hz)。
13C−NMR(CDCl3,100MHz)δ166.12(d,J=1.3Hz),165.96,158.06(q,J=4.7Hz),122.91(q,J=275.5Hz),122.79(q,J=268.7Hz),105.51(q,J=34.5Hz),69.03,62.98(q,J=36.9Hz),28.30。
GC−MS(m/z)303(4),263(91),243(15),223(8),83(9),57(100)。
【0039】
実施例7 2−cyclo−ヘキシルオキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(8)の調製
【0040】
【化7】
【0041】
実施例1のベンジルアルコール(0.310g,2.91mmol)に替えてcyclo−ヘキサノール(0.291g,2.91mmol)を用いた以外、実施例1と同じ操作を行い、2−cyclo−ヘキシルオキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンの粗製物(1.25g)を無色透明液体として得た。得られた粗製物を、ヘキサフルオロベンゼンを内部標準として用いた19F−NMR測定において、転化率97%、収率96%、副生物の2−(トリフルオロエトキシ)−4−cyclo−ヘキシルオキシ−5−(トリフルロメチル)ピリミジンが収率換算で0.7%含有されていた。
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ8.54(d,J=0.8Hz,1H),5.12−5.02(m,1H),4.87(q,J=8.1Hz,2H),2.07−1.27(m,10H)。
19F−NMR(CDCl3,376MHz)δ−63.55,−74.99(t,J=8.1Hz)。
13C−NMR(CDCl3,100MHz)δ166.53,166.12,158.38(q,J=4.7Hz),122.89(q,J=275.7Hz),122.69(q,J=268.9Hz),105.79(q,J=34.4Hz),77.55,62.90(q,J=37.0Hz),31.62,25.49,23.98。
GC−MS(m/z)263(100),247(21),246(20),243(16),223(7),83(22%)。
元素分析
計算値:炭素(45.36%)、水素(4.10%)、窒素(8.14%)。
測定値:炭素(45.31%)、水素(4.11%)、窒素(8.12%)。
【0042】
実施例8 2−フェノキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(9)の調製
【0043】
【化8】
【0044】
実施例1のベンジルアルコール(0.310g,2.91mmol)に替えてフェノール(0.274g,2.91mmol)を用い、60℃で36時間反応を行った以外、実施例1と同じ操作を行い、2−フェノキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンの粗製物(1.18g)を無色透明液体として得た。得られた粗製物を、ヘキサフルオロベンゼンを内部標準として用いた19F−NMR測定において、転化率65%、収率58%、副生物の2−(トリフルオロエトキシ)−4−フェノキシ−5−(トリフルロメチル)ピリミジンが収率換算で0.5%含有されていた。
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ8.56(d,J=0.4Hz,1H),7.47−6.46(m,5H),4.92(q,J=8.1Hz,2H)。
19F−NMR(CDCl3,376MHz)δ−63.27,−74.75(t,J=7.5Hz)。
GC−MS(m/z)338(60,M+),319(16),269(11),246(38),192(15),104(20),93(100),77(87%)。
【0045】
比較例1 2,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンとリチウム ベンジロキシドの反応
実施例1と同じ反応装置を用い、2,4−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(1.00g,2.91mmol)に替えて2,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(0.63g,2.91mmol)を用い、0℃で6時間反応を行った以外は実施例1と同じ操作を行い、粗製物(0.86g)を得た。得られた粗製物を、ヘキサフルオロベンゼンを内部標準として用いた19F−NMR測定において、転化率95%で2−ベンジロキシ−4−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンが収率換算で57%、2−クロロ−5−ベンジロキシ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンが収率換算で35%含有される混合物であった。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の新規な4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン誘導体は、各種医薬品の合成中間体として利用可能であり、5−(トリフルオロメチル)ピリミジン骨格の導入剤として期待される。