(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262169
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】メチルナルトレキソンを含む医薬処方物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/485 20060101AFI20180104BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20180104BHJP
A61K 47/18 20060101ALI20180104BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20180104BHJP
A61P 1/08 20060101ALI20180104BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20180104BHJP
A61P 17/04 20060101ALI20180104BHJP
A61P 13/02 20060101ALI20180104BHJP
A61P 1/10 20060101ALI20180104BHJP
A61P 1/14 20060101ALI20180104BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20180104BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20180104BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20180104BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20180104BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20180104BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
A61K31/485
A61K9/08
A61K47/18
A61P25/04
A61P1/08
A61P25/22
A61P17/04
A61P13/02
A61P1/10
A61P1/14
A61P37/04
A61K47/12
A61K47/04
A61K47/22
A61K47/26
A61K47/10
【請求項の数】34
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-61493(P2015-61493)
(22)【出願日】2015年3月24日
(62)【分割の表示】特願2012-103554(P2012-103554)の分割
【原出願日】2004年4月8日
(65)【公開番号】特開2015-147783(P2015-147783A)
(43)【公開日】2015年8月20日
【審査請求日】2015年4月10日
(31)【優先権主張番号】60/461,611
(32)【優先日】2003年4月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505377108
【氏名又は名称】プロジェニックス ファーマシューティカルズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【弁理士】
【氏名又は名称】水原 正弘
(72)【発明者】
【氏名】スークートゥ・ピー・サングヴィ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・エー・ボイド
【審査官】
茅根 文子
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第02/098422(WO,A1)
【文献】
米国特許第05972954(US,A)
【文献】
米国特許第05866154(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/33−33/44
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/69
A61P 1/08
A61P 1/10
A61P 1/14
A61P 13/02
A61P 17/04
A61P 25/04
A61P 25/22
A61P 37/04
CAplus/REGISTRY/WPIDS/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メチルナルトレキソンまたはその塩の溶液を含む安定な医薬製剤であって、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エデト酸二カリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸三ナトリウムおよびエデト酸カリウムからなる群から選択されるキレート剤を含む、医薬製剤。
【請求項2】
メチルナルトレキソンまたはその塩が、メチルナルトレキソン臭化物塩である、請求項1記載の医薬製剤。
【請求項3】
緩衝剤、酸化防止剤およびそれらの組み合わせからなる群から選択される剤をさらに含み、pHが2〜6の範囲内である、請求項1または2記載の医薬製剤。
【請求項4】
pHが、2.0〜4.0の範囲内である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項5】
pHが、3.0〜3.5の範囲内である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項6】
メチルナルトレキソンまたはその塩の濃度が、20mg/mlである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項7】
メチルナルトレキソン分解生成物の濃度が、1.5%、1.0%、0.5%、0.25%もしくは0.125%を超えないか、またはメチルナルトレキソン分解生成物を実質的に含有しない、請求項1〜6のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項8】
キレート剤がEDTAまたはその塩であり、その濃度が0.001〜100.0mg/ml、0.05〜25.0mg/mlまたは0.1〜2.5mg/mlの範囲内である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項9】
該剤が緩衝剤である、請求項3記載の医薬製剤。
【請求項10】
緩衝剤が、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸、リン酸ナトリウム、リン酸、アスコルビン酸ナトリウム、酒石酸、マレイン酸、グリシン、乳酸ナトリウム、乳酸、アスコルビン酸、イミダゾール、重炭酸ナトリウム、炭酸、コハク酸ナトリウム、コハク酸、ヒスチジン、安息香酸ナトリウムおよび安息香酸からなる群から選択される、請求項9記載の医薬製剤。
【請求項11】
緩衝剤が、クエン酸塩緩衝剤である、請求項10記載の医薬製剤。
【請求項12】
緩衝剤の濃度が、0.25mM〜25mMの範囲内である、請求項9記載の医薬製剤。
【請求項13】
pHが、HCl、クエン酸、硫酸、酢酸またはリン酸で調整される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項14】
メチルナルトレキソンまたはその塩の濃度が、0.01〜100mg/ml、0.05〜100mg/ml、0.1〜100mg/ml、25〜75mg/ml、1〜50mg/ml、1〜20mg/mlもしくは0.05〜0.5mg/mlの範囲内であるか、または50mg/ml、10mg/mlもしくは0.1mg/mlである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項15】
等張化剤をさらに含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項16】
等張化剤が、塩化ナトリウム、マンニトール、ラクトース、デキストロース、ソルビトールおよびグリセロールからなる群から選択される、請求項15記載の医薬製剤。
【請求項17】
溶液が、バイアル、アンプル、隔壁を有するバイアル、隔壁を有するアンプル、シリンジ、注入袋または密封可能なビンまたは医薬製剤がオートクレーブ処理されていることを示す証印を含む容器中に提供されている、請求項1〜16のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項18】
溶液がバイアル中で提供されている、請求項17記載の医薬製剤。
【請求項19】
溶液がシリンジ中で提供されている、請求項17記載の医薬製剤。
【請求項20】
オピオイド治療に付随する副作用を治療するための医薬の製造における請求項1〜19のいずれか一項に記載の医薬製剤の使用。
【請求項21】
副作用が、便秘である、請求項20記載の使用。
【請求項22】
メチルナルトレキソンまたはその塩を含む安定な医薬製剤を製造するための方法であって、メチルナルトレキソンまたはその塩を含む溶液とエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エデト酸二カリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸三ナトリウムおよびエデト酸カリウムからなる群から選択されるキレート剤とを混合することを含む、方法。
【請求項23】
溶液のpHが、2〜5、3〜5または3〜4の範囲内である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
溶液のpHが、3.0〜4.0の範囲内である、請求項22または23記載の方法。
【請求項25】
メチルナルトレキソンまたはその塩が、メチルナルトレキソン臭化物塩である、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
キレート剤の濃度が0.001〜100.0mg/ml、0.05〜25.0mg/mlまたは0.1〜2.5mg/mlの範囲内である、請求項22〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
緩衝剤をさらに含む、請求項22〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
緩衝剤が、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸、リン酸ナトリウム、リン酸、アスコルビン酸ナトリウム、酒石酸、マレイン酸、グリシン、乳酸ナトリウム、乳酸、アスコルビン酸、イミダゾール、重炭酸ナトリウム、炭酸、コハク酸ナトリウム、コハク酸、ヒスチジン、安息香酸ナトリウムおよび安息香酸からなる群から選択される、請求項27記載の方法。
【請求項29】
等張化剤をさらに含む、請求項22〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
等張化剤が、塩化ナトリウム、マンニトール、ラクトース、デキストロース、ソルビトールおよびグリセロールからなる群から選択される、請求項29記載の方法。
【請求項31】
該溶液を滅菌手法の下で加工することをさらに含む、請求項22〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
溶液がオートクレーブ処理されている、請求項31記載の方法。
【請求項33】
製剤中のメチルナルトレキソン分解生成物の濃度が、製剤中の全メチルナルトレキソンの2.0%、1.0%、0.5%または0.25%を超えない、請求項22〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
請求項1〜19のいずれか一項に記載の医薬製剤を含む密閉した容器を含有するパッケージ;および
使用説明書
を含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、メチルナルトレキソン医薬製剤、メチルナルトレキソン処方物、メチルナルトレキソンキットおよびこれらを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
第四級アミンオピオイドアンタゴニスト誘導体は、多くの状況において有用性を有することが示されている。これらは、末梢的に作用するのみであると考えられ、従って、オピオイドの鎮痛効果を低減せずにオピオイドの副作用を低減するにあたり、特別の有用性が見出されている。このような副作用には、悪心、嘔吐、神経不安、そう痒症、尿閉、腸運動性低下、便秘、胃運動性低下、遅延された胃内容排出および免疫抑制が含まれる。これらの末梢的に作用するオピオイドアンタゴニストの有用性は、オピオイド鎮痛処置に起因する副作用を低減することに限定されない。代わりに、これらの誘導体はまた、内因性オピオイドのみ(または外来性オピオイド処置と組み合わせて)により、不所望な状態、例えばイレウスおよび、前に述べたものが含まれるが、これらには限定されない他のこのような状態が生じる状況において、有用性を有する。
【0003】
メチルナルトレキソンは、70年代半ばに発見された、第四級アミンオピオイドアンタゴニスト誘導体である。メチルナルトレキソンおよびいくつかのこの使用は、米国特許第4,176,186号、4,719,215号、4,861,781号、5,102,887号、5,972,954号および6,274,591号に記載されている。しかし、メチルナルトレキソンの安定な処方物は、現在まで存在していなかった。メチルナルトレキソンは、明らかに、本来的に安定である構造を有すると推測された。しかし、溶液中での医薬組成物の安定性は、長時間にわたり室温で貯蔵した際またはオートクレーブ処理した際に、必ずしも予測可能ではない。
【0004】
ナロキソンは、中枢的および末梢的の両方で作用するオピオイドアンタゴニストである。これは、メチルナルトレキソンと、構造的に相違し、溶液中で異なる安定性を有すると予測される。ナロキソンの安定であるとされている処方物は、米国特許第5,866,154号に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,176,186号明細書
【特許文献2】米国特許第4,719,215号明細書
【特許文献3】米国特許第4,861,781号明細書
【特許文献4】米国特許第5,102,887号明細書
【特許文献5】米国特許第5,972,954号明細書
【特許文献6】米国特許第6,274,591号明細書
【特許文献7】米国特許第5,866,154号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
驚異的なことに、メチルナルトレキソンは、異常に不安定であることが見出された。さらに、メチルナルトレキソンは、ナロキソンの分解生成物とは異なるある分解生成物を有することが見出された。また、臨界パラメーターおよび条件が、メチルナルトレキソンの安定な処方物のために必要であることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
1つの観点において、本発明は、メチルナルトレキソンまたはこの塩の溶液である組成物または製剤であって、オートクレーブ処理の後の製剤が、メチルナルトレキソンまたはこの塩の2%を超えない濃度のメチルナルトレキソン分解生成物を該製剤中に有する、前記組成物または製剤を提供する。好ましくは、このような分解生成物の濃度は、製剤中のメチルナルトレキソンまたはこの塩の1.5%、1%、0.5%、0.25%またはさらに0.125%を超えない。組成物または製剤は、キレート剤、緩衝剤、酸化防止剤、凍結保護剤、等張化剤およびオピオイドの1種、すべての組み合わせまたはすべてを含むことができる。好ましいキレート剤は、エデト酸二ナトリウムまたはこの誘導体である。エデト酸二ナトリウムは、好ましくは、0.001〜100mg/ml、一層好ましくは0.05〜25.0mg/mlおよびさらに一層好ましくは0.1〜2.5mg/mlの範囲内の濃度においてである。好ましい緩衝剤は、クエン酸塩緩衝剤である。クエン酸塩緩衝剤は、典型的に、0.001〜100.0mM、好ましくは0.1〜10mMおよび一層好ましくは0.1〜5.0mMの範囲内の濃度においてである。好ましい凍結保護剤は、マンニトールである。
【0008】
組成物または製剤は、好ましくは、4.25を超えないpHを有する。さらに好ましくは、pHは、2.0〜4.0、3.0〜4.0および最も好ましくは3.0〜3.5の範囲内である。
【0009】
本発明の他の観点において、メチルナルトレキソンまたはこの塩の溶液を含む組成物または製剤であって、該製剤が、約室温における6ヶ月にわたる貯蔵の後に、メチルナルトレキソンの2%を超えない濃度のメチルナルトレキソン分解生成物を該製剤中に有する、前記組成物または製剤を提供する。メチルナルトレキソン分解生成物の濃度は、好ましくは、製剤中のメチルナルトレキソンの1.5%、1.0%、0.5%、0.25%およびさらに0.125%を超えない。組成物または製剤は、キレート剤、緩衝剤、酸化防止剤、凍結保護剤、等張化剤およびオピオイドの1種、すべての組み合わせまたはすべてを含むことができる。好ましいキレート剤および濃度は、上記した通りである。好ましい緩衝剤および濃度は、上記した通りである。好ましくは、組成物または製剤は、4.25を超えないpHを有する。好ましいpHおよび範囲は、上記した通りである。
【0010】
本発明の他の観点において、安定な組成物または製剤を提供する。この組成物または製剤は、メチルナルトレキソンまたはこの塩の溶液であり、ここで、pHは、4.25よりも低い。好ましくは、pHは、2.75〜4.25、さらに好ましくは3.0〜4.0および最も好ましくは3.0〜3.5である。慣用の手順において、pHを、酸で調整することができる。この目的のために有用な酸の例には、塩酸、クエン酸、硫酸、酢酸およびリン酸が含まれる。安定な組成物または製剤はまた、キレート剤、緩衝剤、等張化剤、酸化防止剤、極低温剤およびオピオイドの任意の1種、すべての組み合わせまたはすべてを含むことができる。
【0011】
本発明の他の観点において、安定な組成物または製剤を提供する。この組成物または製剤は、メチルナルトレキソンまたはこの塩の溶液であり、ここで、この溶液は、さらに、キレート剤を、メチルナルトレキソンまたはこの塩の分解を阻害するのに十分な量で含み、これにより、この量は、この組成物または製剤が、オートクレーブ処理の後に、組成物または製剤中のメチルナルトレキソンまたはこの塩の0.5%、0.25%またはさらに0.125%を超えない濃度のメチルナルトレキソン分解生成物を有する程度である。この組成物または製剤は、さらに、緩衝剤、等張化剤、酸化防止剤およびオピオイドの任意の1種、すべての組み合わせまたはすべてを含むことができる。好ましいキレート剤、緩衝剤およびpHは、上記した通りである。
【0012】
本発明の他の観点において、組成物または製剤を提供する。この組成物または製剤は、メチルナルトレキソンまたはこの塩を、少なくとも1種のメチルナルトレキソン分解阻害剤に溶解した溶液である。この剤は、溶液が2.0〜6.0の範囲内のpHを有する場合には、キレート剤、緩衝剤および酸化防止剤の任意の1種、すべての組み合わせまたはすべてであってもよい。分解阻害剤は、組成物または製剤を安定にするのに十分な量で存在し、ここで、この組成物または製剤を、少なくとも1種の滅菌手法の下で加工し、ここで、この組成物または製剤は、メチルナルトレキソン分解生成物を実質的に含まない。この組成物または製剤は、約室温における少なくとも6ヶ月、少なくとも12ヶ月または少なくとも24ヶ月にわたる貯蔵に対して安定であり得る。好ましくは、この組成物または製剤は、オートクレーブ処理の後に安定である。この組成物または製剤は、さらに、等張化剤およびオピオイドのいずれかまたは両方を含むことができる。好ましくは、溶液のpHは、2.75〜4.25、さらに好ましくは3.0〜4.0および最も好ましくは3.0〜3.5である。
【0013】
本発明の前述の観点の任意の1つにおいて、組成物または製剤は、医薬組成物であってもよい。
【0014】
本発明の前述の観点の任意の1つにおいて、メチルナルトレキソンは、治療的に有効な量で存在することができる。いくつかの態様において、メチルナルトレキソンの濃度は、0.01〜100mg/mlの範囲内である。他の態様において、メチルナルトレキソン濃度は、0.1〜100.0mg/mlの範囲内である。他の態様において、メチルナルトレキソンは、1.0〜50.0mg/mlの範囲内である。
【0015】
前述の観点の任意の1つにおいて、メチルナルトレキソンは、悪心、嘔吐、神経不安、そう痒症、尿閉、イレウス、術後イレウス、分娩後イレウス、麻痺性イレウス、腸運動性低下、便秘、胃運動性低下、遅延された胃内容排出、減少した胆汁分泌、減少した膵臓分泌、胆汁痙攣、増大した括約筋緊張、皮膚潮紅、嵌入、発汗、胃腸運動性の阻害、胃内容排出の阻害、胃腸機能障害、不完全な排出、膨満、腹部膨張、増大した胃食道逆流、低血圧、徐脈、過敏性腸症候群または免疫抑制を処置するのに十分な量で存在することができる。
【0016】
前述の態様のすべてにおいて、メチルナルトレキソンは、病院での術後(腹部手術、例えば直腸切除、結腸切除、胃、食道、十二指腸、虫垂切除、子宮摘出、または非腹部手術、例えば整形、外傷損傷、胸部または移植を含む)からの退院を、例えば術後の腸音を促進するかまたは最初の食物の摂取もしくは最初の腸運動の時間を加速させることにより促進するのに十分な量で、存在することができる。他の重要な態様において、この量は、緩下を誘発するのに十分な量である。これは、被検者が慢性のオピオイド使用者である特定の用途を有する。
【0017】
前述の態様の任意の1つにおいて、メチルナルトレキソンまたはこの塩の溶液を、密閉した容器、例えばビン、注入袋、シリンジ、バイアル、隔壁を有するバイアル、アンプル、隔壁を有するアンプルまたはシリンジ中に含ませることができる。容器は、溶液がオートクレーブ処理されているか、または他の方法で滅菌手法が施されていることを示す証印を含むことができる。
【0018】
本発明の他の観点において、前述の態様のすべてを、好ましくは凍結保護剤の存在下で凍結乾燥する。従って、本発明は、メチルナルトレキソンの凍結乾燥された製剤を提供する。好ましくは、凍結乾燥された製剤は、1%より少ない、0.5%より少ない、0.25%より少ない、およびさらに0.125%より少ないメチルナルトレキソン分解生成物を含む、安定な製剤である。製剤は、好ましくは水中で中性の、または酸性の凍結保護剤を含むことができる。
【0019】
本発明の他の観点において、生成物を提供する。この生成物は、メチルナルトレキソンの安定な凍結乾燥された処方物であり、ここで、20mg/mlの濃度における再構成および水による処方物は、2〜6のpHを有する。いくつかの態様において、再構成による処方物は、約2、約3、約4、約5または約6のpHを有する。この処方物は、該処方物を安定にするのに十分な量で存在する凍結保護剤を含むことができる。重要な態様における凍結保護剤は、重合した炭水化物である。好ましい凍結保護剤は、マンニトールである。上記した前述の溶液の任意の1つを、凍結乾燥することができる。従って、このような材料が、緩衝剤、キレート剤、酸化防止剤および等張化剤の1種またはすべての組み合わせを含むことは、本発明の観点である。好ましい材料は、上記した通りである。
【0020】
本発明の尚他の観点において、メチルナルトレキソン並びにキレート剤、緩衝剤、酸化防止剤およびこれらの組み合わせからなる群から選択された分解阻害剤を含む生成物を提供し、ここで、分解阻害剤は、20mg/mlの濃度のメチルナルトレキソンを水中に含む生成物の溶液を安定にするのに十分な量で存在する。好ましくは、20mg/mlのメチルナルトレキソンの濃度における溶液中にある際に、この生成物は、2〜6のpHを生じる。
【0021】
本発明の他の観点において、医薬製剤を提供する。この医薬製剤は、メチルナルトレキソン、塩化ナトリウム、クエン酸、クエン酸三ナトリウムおよびエデト酸二ナトリウムを含む。1つの重要な態様において、メチルナルトレキソンは、20〜40mg/mlで存在し、塩化ナトリウムは、2〜6mg/mlで存在し、クエン酸は、0.05〜0.1mg/mlで存在し、クエン酸三ナトリウムは、0.025〜0.075mg/mlで存在し、エデト酸二ナトリウムは、0.5〜1.0mg/mlで存在する。
【0022】
緩衝剤は、すべての薬学的に許容し得る緩衝剤であってもよい。一般的な緩衝剤には、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸、リン酸ナトリウムおよびリン酸、アスコルビン酸ナトリウム、酒石酸、マレイン酸、グリシン、乳酸ナトリウム、乳酸、アスコルビン酸、イミダゾール、重炭酸ナトリウムおよび炭酸、コハク酸ナトリウムおよびコハク酸、ヒスチジン、並びに安息香酸ナトリウムおよび安息香酸が含まれる。好ましい緩衝剤は、クエン酸塩緩衝剤である。
【0023】
キレート剤は、すべての薬学的に許容し得るキレート剤であってもよい。一般的なキレート剤には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびこの誘導体、クエン酸およびこの誘導体、ナイアシンアミドおよびこの誘導体、並びにデソキシコール酸(desoxycholate)ナトリウムおよびこの誘導体が含まれる。好ましいキレート剤は、エデト酸二ナトリウムである。
【0024】
酸化防止剤は、すべての薬学的に許容し得る酸化防止剤であってもよい。一般的な酸化防止剤には、アスコルビン酸誘導体、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、没食子酸アルキル、メタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、スルホキシル酸ナトリウムホルムアルデヒド、トコフェロールおよびこの誘導体、モノチオグリセロール、並びに亜硫酸ナトリウムからなる群から選択されたものが含まれる。好ましい酸化防止剤は、モノチオグリセロールである。
【0025】
凍結保護剤は、すべての薬学的に許容し得る凍結保護剤であってもよい。一般的な凍結保護剤には、ヒスチジン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリジン、ラクトース、スクロースおよびマンニトールが含まれる。重要な凍結保護剤は、ポリオール類である。本発明の好ましい凍結保護剤は、マンニトールである。
【0026】
オピオイドは、すべての薬学的に許容し得るオピオイドであってもよい。一般的なオピオイドは、アルフェンタニル、アニレリジン、アシマドリン、ブレマゾチン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、デゾシン、ジアセチルモルヒネ(ヘロイン)、ジヒドロコデイン、ジフェノキシレート、フェドトジン、フェンタニル、フナルトレキサミン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レバロルファン、酢酸レボメタジル、レボルファノール、ロペラミド、メペリジン(ペチジン)、メタドン、モルヒネ、モルヒネ−6−グルコロニド、ナルブフィン、ナロルフィン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プロピラム、プロポキシフェン、レミフェンタニル、スフェンタニル、チリジン、トリメブチンおよびトラマドールからなる群から選択されたものである。
【0027】
等張化剤は、すべての薬学的に許容し得る等張化剤であってもよい。一般的な等張化剤には、塩化ナトリウム、マンニトール、ラクトース、デキストロース、グリセロールおよびソルビトールからなる群から選択されたものが含まれる。好ましい等張化剤は、マンニトールである。
【0028】
医薬製剤は、随意に、保存剤を含むことができる。一般的な保存剤には、クロロブタノール、パラベン、チメロサール、ベンジルアルコールおよびフェノールからなる群から選択されたものが含まれる。
【0029】
本発明の他の観点において、メチルナルトレキソンまたはこの塩の溶液のオートクレーブ処理された製剤を調製するための方法を提供し、ここで、オートクレーブ処理された製剤は、メチルナルトレキソンまたはこの塩の2%を超えない濃度のメチルナルトレキソン分解生成物を該製剤中に有する。この方法は、4.25またはこれ以下のpHを有し、メチルナルトレキソン分解生成物を実質的に含まない、メチルナルトレキソンまたはこの塩の溶液を提供すること、およびこの溶液をオートクレーブ処理することを含む。この溶液は、随意に、キレート剤、等張化剤、緩衝剤、酸化防止剤、凍結保護剤およびオピオイドの任意の1種、すべての組み合わせまたはすべてを含むことができる。好ましくは、溶液のpHは、2.0〜4.0の範囲内である。一層好ましくは、3.0〜4.0および最も好ましくは3.0〜3.5の範囲内である。好ましいキレート剤、等張化剤、緩衝剤、酸化防止剤、凍結保護剤およびオピオイドは、上記した通りである。メチルナルトレキソンの好ましい濃度は、同様に、上記した通りである。
【0030】
本発明の他の観点において、オートクレーブ処理された製剤を調製するための方法を提供する。この製剤は、メチルナルトレキソンまたはこの塩の2%を超えない濃度のメチルナルトレキソン分解生成物を該製剤中に有する。この方法は、メチルナルトレキソンまたはこの塩およびキレート剤を含む溶液を提供し、該溶液が、メチルナルトレキソン分解生成物を実質的に含まないこと、および次に、溶液をオートクレーブ処理することを含む。キレート剤は、製剤をメチルナルトレキソンまたはこの塩の実質的な不所望な分解に対して保護し、溶液を、メチルナルトレキソン分解生成物を実質的に含まないように維持するのに十分な量で存在する。好ましいキレート剤およびこの濃度は、上記した通りである。この製剤は、随意に、緩衝剤、等張化剤、酸化防止剤、凍結保護剤およびオピオイドの任意の1種、すべての組み合わせまたはすべてを含むことができる。好ましい緩衝剤、等張化剤、酸化防止剤およびオピオイド並びに濃度は、上記した通りである。溶液の好ましいpHは、同様に、上記した通りである。好ましくは、オートクレーブ処理の後の分解生成物は、1.5%、1%、0.5%、0.25%またはさらに0.125%を超えない。
【0031】
本発明の他の観点において、メチルナルトレキソンまたはこの塩の溶液である製剤中でのメチルナルトレキソン分解生成物の生成を阻害する方法を提供する。この方法は、キレート剤、緩衝剤、酸化防止剤、凍結保護剤およびこれらの組み合わせからなる群から選択された少なくとも1種のメチルナルトレキソン分解阻害剤を含む水性溶液を調製することを含む。メチルナルトレキソンまたはこの塩の粉末状供給源を、溶液に溶解して、製剤を形成する。この製剤は、pH調整塩基を加えずに、2〜6のpHを有するか、または有するように調整されている。一層好ましくは、この医薬製剤は、3〜5、一層好ましくは3〜4および最も好ましくは3.0〜3.5の範囲内のpHを有するように調整されている。等張化剤を、この溶液に加えることができる。同様に、オピオイドを、この溶液に加えることができる。
【0032】
本発明の上記の観点の任意の1つにおいて、製剤は、医薬製剤であってもよい。
【0033】
本発明の他の観点において、メチルナルトレキソン分解生成物の生成を阻害するための、メチルナルトレキソンまたはこの塩の水性溶液である安定な医薬製剤を調製するための方法を提供する。メチルナルトレキソンまたはこの塩および少なくとも1種のメチルナルトレキソン分解阻害剤を含む溶液を提供する。この溶液を、少なくとも1種の滅菌手法の下で、溶液を密閉可能な容器中に最終的に充填する前および/または後に加工して、安定な医薬製剤を形成し、ここで、この方法を、pH調整塩基を溶液に加えずに行う。
【0034】
メチルナルトレキソン分解阻害剤を、キレート剤、緩衝剤、酸化防止剤およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。等張化剤を加えることができる。凍結保護剤もまた加えることができる。同様に、オピオイドを加えることができる。好ましいキレート剤、緩衝剤、酸化防止剤、等張化剤、凍結保護剤およびオピオイドは、上記した通りである。好ましい濃度は、上記した通りである。この溶液を加工して、pHを調整することができる。これを、好ましくは、酸を用いて行う。最も好ましくは、この溶液を、2〜6、一層好ましくは3〜5、3〜4および最も好ましくは3.0〜3.5のpHの範囲内に調整する。材料を、密閉した容器中に含ませることができる。容器を、窒素でパージし、および/またはスパージして(sparged)、酸素を排除することができる。
【0035】
本発明のいくつかの態様において、非経口処方物を提供する。1つの態様において、この処方物は、水で希釈されたメチルナルトレキソンを溶解し、これにマンニトールを加えることにより、製造される。次に、溶液を、濾過滅菌し、続いて凍結乾燥する。従って、生成物を、凍結乾燥した形態で、およびある凍結保護剤、例えばマンニトールまたはラクトースと組み合わせて提供することができる。随意に、再構成希釈剤、例えば生理的食塩水希釈剤を提供する。
【0036】
本発明の他の観点において、キットを提供する。このキットは、上記した製剤の任意の1種を含む密閉した容器を含むパッケージおよび使用のための指示である。このキットはまた、薬学的に許容し得る希釈剤を含む希釈剤容器を含むことができる。このキットはさらに、製剤と希釈剤とを混合するための指示を含むことができる。希釈剤は、すべての薬学的に許容し得る希釈剤であってもよい。十分知られている希釈剤は、5%デキストロース溶液および生理食塩水溶液を含む。この容器は、注入袋、密閉されたビン、バイアル、隔壁を有するバイアル、アンプル、隔壁を有するアンプル、注入袋またはシリンジであってもよい。このキットはさらに、オピオイドを含むオピオイド容器を含むことができる。この容器は、随意に、容器がオートクレーブ処理されているかまたは他の方法で滅菌手法が施されていることを示す証印を含むことができる。このキットは、容器中に含まれる種々の溶液を被検者に投与するための指示を含むことができる。
【0037】
本発明はまた、処置方法を含む。本発明の他の観点において、このような処置を必要としている被検者を、有効な量のメチルナルトレキソンまたはこの塩で処置するための方法を提供する。この方法は、被検者に、有効な量のメチルナルトレキソンまたはこの塩を、上記し、以下に詳細に述べ、および/または特許請求の範囲に述べた任意の1種の医薬製剤において投与することを含む。1つの観点において、この方法は、ヒト被検者における末梢オピオイドレセプターを阻害するための方法である。他の観点において、この方法は、オピオイド処置の副作用を低減するための方法である。他の観点において、この方法は、悪心、嘔吐、神経不安、そう痒症、尿閉、イレウス、術後イレウス、分娩後イレウス、麻痺性イレウス、腸運動性低下、便秘、胃運動性低下、遅延された胃内容排出、減少した胆汁分泌、減少した膵臓分泌、胆汁痙攣、増大した括約筋緊張、皮膚潮紅、嵌入、発汗、胃腸運動性の阻害、胃内容排出の阻害、胃腸機能障害、不完全な排出、膨満、腹部膨張、増大した胃食道逆流、低血圧、徐脈、過敏性腸症候群または免疫抑制からなる群から選択された状態の任意の1つを処置するための方法である。
【0038】
前述の態様のすべてにおいて、メチルナルトレキソンは、病院の術後からの退院を促進し、術後の腸音を促進し、または緩下を誘発するのに十分な量で存在することができる。
【0039】
被検者は、このような処置を必要としているすべての被検者であってもよい。重要な被検者には、疼痛、癌もしくは手術患者のためのオピオイドを含むオピオイドを施与される被検者、または免疫抑制されたかもしくは免疫無防備状態の患者(HIV感染患者を含む)、進行した医学的疾患を有する患者、末期の疾患の患者、神経障害を有する患者、関節リウマチを有する患者、骨関節炎を有する患者、慢性背痛を有する患者、脊髄損傷を有する患者、慢性腹痛を有する患者、慢性膵臓痛を有する患者、骨盤/会陰痛を有する患者、線維筋痛症を有する患者、慢性疲労症候群を有する患者、片頭痛もしくは緊張頭痛を有する患者、血液透析における患者、および鎌状赤血球性貧血を有する患者が含まれる。
【0040】
上記の記載において、本出願人らは、本発明を、メチルナルトレキソンまたはこの塩との関連において記載した。このような塩には、臭化物塩、塩化物塩、ヨウ化物塩、炭酸塩および硫酸塩が含まれるが、これらには限定されない。しかし、メチルナルトレキソンは、米国特許第4,176,186号に開示されているように、ノルオキシモルホンの第四級誘導体として知られている化合物の群の要素であることは、理解されるべきであり、この開示全体を、本明細書中に、参照により導入する。本発明は、ノルオキシモルホンのすべてのこのような第四級誘導体に拡張され、本発明は、このような誘導体を含む医薬製剤、方法およびキットを包含することを意図すると考えられる。次に、本発明の他の観点は、前述の概要を包含するが、各々の観点において「メチルナルトレキソン」が出現するすべての個所においてすべてのこのような誘導体が交換されるように読み取られる。同様に、本発明はまた、用語「ノルオキシモルホンの第四級誘導体」が、「メチルナルトレキソン」が出現する際には常に交換されるように読み取られる各々の、およびすべての請求項を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】カラムから時間0において溶離するメチルナルトレキソン分解生成物を示すグラフである(ピーク番号1、2および4は、分解生成物である;ピーク番号3は、メチルナルトレキソンである;ピーク番号5は、臭化O−メチルナルトレキソンである)。
【
図2】カラムから12ヶ月において溶離するメチルナルトレキソン分解生成物を示すグラフである(ピーク番号1、2および4は、分解生成物である;ピーク番号3は、メチルナルトレキソンである;ピーク番号5は、臭化O−メチルナルトレキソンである)。
【
図3】本明細書中に記載した処方物を含む本発明のキットを図式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
発明の詳説
本出願人らは、オートクレーブ処理プロセスの間、水性溶液中のメチルナルトレキソンは、驚異的な程度まで分解する傾向があることを見出した。単純なオートクレーブ処理(122℃、20分間にわたり15ポンドの圧力)から生じる分解の量は、10%程度に高い場合がある。分解生成物を、
図1に示し、0.72(2.828分)および0.89(3.435分)の相対保持時間(RRT)を有する少なくとも2種の主要な分解生成物(degradant)並びに、観察され得るように、他の主要でない形態を含むと見られる。0.72RRTピークにより同定される分解生成物は、メチルナルトレキソンを溶液に溶解した直後に、少量で0.074であると見られ、長時間にわたり貯蔵またはオートクレーブ処理して、0.25%に増大する。
【0043】
0.89RRTピークにより同定された分解生成物は、長時間にわたる貯蔵の後またはオートクレーブ処理の後にのみ見られる(それぞれ<0.05%および0.724%)。本出願人らはまた、メチルナルトレキソンは、室温またはさらに4℃において顕著な(しかし商業的に必要な)期間、例えば6ヶ月、12ヶ月またはさらに2年にわたり貯蔵した際に、水性溶液中で不安定であることを見出した。分解は、水性溶液が、前にオートクレーブ処理されたか、濾過滅菌されたかにかかわらず、生じる。メチルナルトレキソンの処方物を、オートクレーブ処理した後もしくは貯蔵(またはオートクレーブ処理および貯蔵の両方)の後に、合計の分解生成物の量が、2.0%、1.5%、1.0%、0.5%、0.25%およびさらに0.125%より低いように安定化するのが望ましい。
【0044】
本発明は、メチルナルトレキソンの安定な処方物を提供する。メチルナルトレキソンの安定な溶液により、122℃、15ポンドの圧力において20分間オートクレーブ処理した後に、このような状態から生じるメチルナルトレキソン分解生成物が、所定の溶液中に存在する合計のメチルナルトレキソンの2%よりも多くないことを意味する。メチルナルトレキソンの安定な溶液により、また、オートクレーブ処理されていない溶液の室温における12ヶ月にわたる貯蔵の後に、このような状態から生じるメチルナルトレキソン分解生成物が、所定の溶液中に存在する合計のメチルナルトレキソンの2%よりも多くないことを意味する。メチルナルトレキソンの安定な溶液により、また、オートクレーブ処理されていない溶液の室温における2ヶ月にわたる貯蔵の後に、このような状態から生じるメチルナルトレキソン分解生成物が、所定の溶液中に存在する合計のメチルナルトレキソンの1.0%よりも多くないことを意味する。メチルナルトレキソンの安定な凍結乾燥された処方物により、メチルナルトレキソンの凍結乾燥および室温における2ヶ月にわたる貯蔵並びにこれらの水中での再構成の後に、このような状態から生じるメチルナルトレキソン分解生成物が、所定の溶液中に存在する合計のメチルナルトレキソンの1.0%よりも多くないことを意味する。
【0045】
驚異的なことに、pHのみで、過剰なメチルナルトレキソン分解生成物の問題が解決され得ることが見出された。特に、2mg/mLのメチルナルトレキソンを含むメチルナルトレキソン溶液のpHが、約4.25のpHまたはこれ以下である際に、オートクレーブ処理の後のメチルナルトレキソン分解生成物の量の急激な低下があることが見出された。メチルナルトレキソンを含む溶液のpHを、3.5〜4.0に調整した際に、分解生成物の合計の百分率は、2%より低く、およびある例においてはさらに1.39%より低く降下する。pHを、3.0〜3.5に調整した際に、合計の分解生成物の百分率は、オートクレーブ処理の後に、約0.23%に低下した。
【0046】
また、メチルナルトレキソン溶液のpHを、オートクレーブ処理の前に6.0より低くした際には、水平状態の前に、顕著な低下があることが記録された。pHを4.25〜6に調整することは、メチルナルトレキソンの安定な処方物を生じるのに十分ではなかった(pHのみを調整することにより)。しかし、以下で明らかなように、pHに呼応して他のパラメーターを操作した結果、2.0〜6.0のpHの範囲におけるすべての個所において、メチルナルトレキソンの安定な処方物が得られた。メチルナルトレキソン処方物の安定性に対する低いpHの利点は、キレート剤、等張化剤、緩衝剤および酸化防止剤の存在において持続した。従って、本発明は、1つの観点において、溶液中のメチルナルトレキソンの安定な処方物を提供し、ここで、pHは、4.25より低く、好ましくは3.0〜4.0であり、最も好ましくは3.0〜3.5である。
【0047】
本出願人らはまた、メチルナルトレキソン溶液のpHを、pHを調整する酸またはpHを調整する塩基を用いて、オートクレーブ処理の前に3.0〜6.0の点に設定するにもかかわらず、および比較的低いpHから得られた利点にもかかわらず、オートクレーブ処理した試料のpHは、ほぼ直ちに約7.0にドリフトすることを記録した。従って、特に、緩衝剤が、オートクレーブ処理から生じる熱分解に対して保護する能力に悪影響を及ぼさずに、オートクレーブ処理から生じるpHドリフトを解消し得るか否かを試験した。本出願人らは、緩衝剤を用いて、実際に、メチルナルトレキソン溶液のpHを、オートクレーブ処理全体にわたり、分解生成物が許容し得る最小値を超えることを可能にせずに安定化することができることを見出した。緩衝剤を、0.25mM〜25mMの範囲内の濃度で用いた。
【0048】
分解生成物の許容し得るレベルは、試験したすべての緩衝剤濃度において得られた。しかし、クエン酸塩緩衝剤が、酢酸塩緩衝剤の特性よりも望ましい特性を有することが記録された。特に、クエン酸塩緩衝剤の添加により、すべての材料の観点において、メチルナルトレキソン溶液をオートクレーブ処理することから生じる分解生成物の量が変化し、3.5のpHにおいて0.23%より低い分解生成物が得られるとは見られなかった。しかし、酢酸塩緩衝剤の添加により、メチルナルトレキソン分解性生物の量がいくらか、しかし許容し得ないレベルまでではなく増大し、3.6のpHにおいて1.39%より低い分解生成物を生じると見られた。しかし、クエン酸塩緩衝剤は、驚異的なことに、酢酸緩衝剤よりも好ましい。好ましいクエン酸塩緩衝剤範囲は、約2〜5mMである。
【0049】
緩衝剤は、一般的に、通常の当業者に十分知られている。緩衝剤系には、クエン酸塩緩衝剤、酢酸塩緩衝剤、ホウ酸塩緩衝剤およびリン酸塩緩衝剤が含まれる。緩衝剤の例には、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸、リン酸ナトリウムおよびリン酸、アスコルビン酸ナトリウム、酒石酸、マレイン酸、グリシン、乳酸ナトリウム、乳酸、アスコルビン酸、イミダゾール、重炭酸ナトリウムおよび炭酸、コハク酸ナトリウムおよびコハク酸、ヒスチジン、並びに安息香酸ナトリウムおよび安息香酸が含まれる。
【0050】
本出願人らはまた、驚異的なことに、キレート剤が、単独で、分解生成物の量を許容し得るレベルに低下させることができることを見出した。特に、pHを調整せず、エデト酸二ナトリウムを、0.01、0.1、0.25、0.5、0.75および1.0mg/mLの濃度で加えた。エデト酸二ナトリウムは、メチルナルトレキソンを、熱分解に対して、濃度依存性方式で安定化した。0.01mg/mL程度の低濃度で、分解生成物の量に対する実質的な効果があり、これにより約2.3%の合計の分解生成物が得られた。0.1mg/mLの濃度により、1.5%より低い合計の分解生成物が得られた。約0.3〜0.4mg/mLにおいて、合計の分解生成物が0.5%をわずかに下回り、増大する量のエデト酸二ナトリウムに伴って安定する、臨界点があった。従って、エデト酸二ナトリウムが、単独で、pHを調整していないメチルナルトレキソンの緩衝されていない溶液を安定にするのに十分であった。これは、驚異的な結果であった。
【0051】
本出願人らは、この結果は、エデト酸二ナトリウムに限定されないと考える。代わりに、通常の当業者に十分知られている他のキレート剤は、本発明において有用である。キレート剤は、金属イオンと水溶性配位化合物を形成して、金属イオンを捕獲して溶液から除去し、これにより金属イオンの分解効果を回避する化学物質である。キレート剤には、エチレンジアミン四酢酸(またEDTA、エデト酸、ヴェルセン(versene)酸およびsequestreneと同義である)並びにEDTA誘導体、例えばエデト酸二カリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エデト酸三ナトリウムおよびエデト酸カリウムが含まれる。他のキレート剤には、クエン酸およびこの誘導体が含まれる。クエン酸はまた、クエン酸一水和物として知られている。クエン酸の誘導体には、無水クエン酸およびクエン酸三ナトリウム二水和物が含まれる。
【0052】
尚他のキレート剤には、ナイアシンアミドおよびこの誘導体並びにデソキシコール酸ナトリウムおよびこの誘導体が含まれる。pHおよびエデト酸二ナトリウムの相乗効果がまた観察された。pH3〜3.5において、クエン酸塩緩衝剤(25mM)および0.01mg/mLのエデト酸二ナトリウムの存在下で、オートクレーブ処理の後の合計の分解生成物は、0.4%より低い量であった。エデト酸二ナトリウムの濃度を1mg/mLに増大させた以外は、同一の条件の下で、検出可能な差異はなかった。即ち、分解生成物は、オートクレーブ処理の後に、約0.4%の程度であった。しかし、状況は、pHを緩衝されていない系において6.0〜7.0に上方に調整した際には、異なっていた。特に、6.0〜7.0に上方に調整されたpHにおいて、合計の分解生成物は、0.01mg/mLのエデト酸二ナトリウムの濃度において3〜6%より高く、1.0mg/mLのエデト酸二ナトリウムにおいて約2.8%であった。
【0053】
これは、一見して、上記した結果と特異であると見られ、ここでエデト酸二ナトリウムが、単独で、合計の分解生成物を、約0.3mg/mLより高い濃度のエデト酸二ナトリウムにおいて、0.5%より低くするのに十分であった。しかし、分解の増大は、pHを調整する塩基を、メチルナルトレキソンを含む溶液に加えて、pHを6.0〜7.0に上方に調整したためであったことが見出された。従って、予期されないことに、pHを調整する塩基、例えば水酸化ナトリウムを、メチルナルトレキソンを含む溶液に加えることは、分解生成物の存在を最小にするために回避されなければならないことが、見出された。
【0054】
同一の結果が、0.01mg/mLおよび1.0mg/mLにおいて、酢酸塩緩衝剤およびエデト酸二ナトリウムの組み合わせにより達成されたが、再び、クエン酸塩緩衝剤は、メチルナルトレキソンを熱分解から保護するにあたり、酢酸塩緩衝剤よりも驚異的に良好に作用すると見られた。しかし、酢酸塩緩衝剤の存在下での、エデト酸二ナトリウムの一層高いレベルにより、クエン酸塩緩衝剤を酢酸塩緩衝剤に対して用いた際に観察される区別的な効果が補償され得る。クエン酸塩緩衝剤はまた、この明らかに優れた特性に寄与し得るキレート剤であることに、注意するべきである。しかし、クエン酸塩緩衝液による濃度依存性安定化がなく、クエン酸塩のキレート効果は、完全に、クエン酸塩緩衝剤と酢酸塩緩衝剤との間に観察される区別的な効果の原因ではないと見られる。
【0055】
本出願人らはまた、酸化防止剤が、本発明において有用であると考える。酸化防止剤は、遊離基を溶液から除去することにより酸化を阻害することができる物質である。酸化防止剤は、通常の当業者に十分知られており、これには、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体(例えばアスコルビルパルミチン酸塩、アスコルビルステアリン酸塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウムなど)、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、没食子酸アルキル、メタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、スルホキシル酸ナトリウムホルムアルデヒド、トコフェロールおよびこの誘導体(d−アルファトコフェロール、酢酸d−アルファトコフェロール、酢酸dl−アルファトコフェロール、コハク酸d−アルファトコフェロール、ベータトコフェロール、デルタトコフェロール、ガンマトコフェロールおよびコハク酸d−アルファトコフェロールポリオキシエチレングリコール1000)、モノチオグリセロール、並びに亜硫酸ナトリウムなどの物質が含まれる。このような物質を、典型的には、0.01〜2.0%の範囲内で加える。
【0056】
本発明の医薬製剤はまた、等張化剤を含むことができる。この用語は、業界において、等浸透圧剤と同義的に用いられ、医薬製剤に加えられて、浸透圧を、ヒト細胞外流体、例えば血漿と等浸透圧である0.9%塩化ナトリウム溶液の浸透圧まで上昇させる化合物として知られている。好ましい等張化剤は、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、デキストロースおよびグリセロールである。
【0057】
随意に、本発明の医薬製剤は、さらに、保存剤を含むことができる。好適な保存剤には、以下のものが含まれるが、これらには限定されない:クロロブタノール(0.3〜0.9% W/V)、パラベン(0.01〜5.0%)、チメロサール(0.004〜0.2%)、ベンジルアルコール(0.5〜5%)、フェノール(0.1〜1.0%)など。
【0058】
エデト酸二ナトリウムを単独で用いて、緩衝されていない系において達成された成功の観点において、安定な処方物を、単に種々の有効なメチルナルトレキソン分解阻害剤を最適にすることにより、事実上すべてのpHにおいて調製することができることが、予測された。このような剤には、上記したもの、即ちキレート剤、緩衝剤、酸化防止剤などが含まれる。しかし、溶液中でのメチルナルトレキソンの安定な処方物は、6より高いpHにおいてこのような分解阻害剤を用いて得ることができないことが、見出された。従って、本発明の1つの観点において、溶液中にメチルナルトレキソンを含む安定な医薬製剤が可能であり、ここで、この溶液は、さらに、この溶液が、2〜6の範囲内のpHを有する場合には、キレート剤、緩衝剤、酸化防止剤およびこれらの組み合わせからなる群から選択された剤を含む。
【0059】
本発明の安定な医薬製剤は、オートクレーブ処理から生じる熱分解に対してのみならず、製造中に用いられる他の滅菌プロセスに対しても安定である。本明細書において用いる滅菌プロセスまたは手法には、無菌手法、例えば1または2以上の濾過(0.45または0.22ミクロンフィルター)段階、オートクレーブ処理および濾過とオートクレーブ処理との組み合わせが含まれる。これらはまた、長期間貯蔵に対して安定である。本発明の安定な処方物は、30℃またはこれ以下、好ましくは5℃〜30℃の範囲内の温度において、少なくとも6ヶ月にわたり安定であり、一層好ましくは、これらは、15℃より高い温度において、少なくとも6ヶ月にわたり安定である。さらに特に、安定な医薬製剤は、約室温または25℃において、少なくとも6ヶ月、少なくとも12ヶ月、およびさらに少なくとも24ヶ月の期間にわたり安定である。このような製剤は、メチルナルトレキソン分解生成物を実質的に含まないままであり、即ち、このような溶液は、溶液中のメチルナルトレキソンの合計量と比較して、2%より少ないメチルナルトレキソン分解生成物を含む。
【0060】
本出願人らはまた、驚異的なことに、凍結乾燥条件が、メチルナルトレキソン分解生成物の量に大きく影響し得ることを見出した。従って、本発明の医薬製剤は、有利には、メチルナルトレキソンを凍結の有害な効果から保護する凍結保護剤を含むことができる。このような剤はまた、溶液を再構成する際に、および製造加工において問題であり得るケーキングおよびフレーキングを防止し得る。重要な凍結保護剤は、マンニトール、ラクトース、スクロース、ポリエチレングリコールおよびポリビニルピロリドンである。最も好ましいのは、マンニトールである。6.0およびこれより高い再構成pHをもたらすか、または塩基性である凍結保護剤はまた、上記したpH効果のためにメチルナルトレキソンの分解に寄与すると考えられる。従って、好ましい凍結保護剤は、処方物の他の成分と共に、上記した好ましい範囲内のpHをもたらすものである。好ましくは、凍結保護剤は、中性または酸性である。
【0061】
溶液中のメチルナルトレキソンの量は、内因性オピオイドレセプター、特に末梢オピオイドレセプター、例えばミューオピオイドレセプターの活性化に関連する状態を完全に処置し、改善し、またはさらに防止するのに有効な量である。このような状態には、悪心、嘔吐、神経不安、そう痒症、尿閉、イレウス、術後イレウス、分娩後イレウス、麻痺性イレウス、腸運動性低下、便秘、胃運動性低下、遅延された胃内容排出、減少した胆汁分泌、減少した膵臓分泌、胆汁痙攣、増大した括約筋緊張、皮膚潮紅、嵌入、発汗、胃腸運動性の阻害、胃内容排出の阻害、胃腸機能障害、不完全な排出、膨満、腹部膨張、増大した胃食道逆流、低血圧、徐脈、過敏性腸症候群または免疫抑制が含まれる。1種の重要な使用は、便秘、即ち3日に1回よりも少ない腸運動または1週間に3回よりも少ない腸運動の処置においてである。
【0062】
前述の態様のすべてにおいて、メチルナルトレキソンは、病院の術後からの退院を促進し、術後の腸音を促進し、または緩下を誘発するのに十分な量で存在することができる。このような量は、通常の当業者に十分知られており、発明の背景において列挙した特許を含む文献中に記載されている。メチルナルトレキソンはまた、メチルナルトレキソンの臭化物、塩化物、ヨウ化物、炭酸塩および硫酸塩を含む塩形態であってもよい。
【0063】
本発明の処方物を用いて処置可能な患者には、疼痛、癌または手術患者のためのオピオイドを含むオピオイドを施与される患者、免疫抑制されたかまたは免疫無防備状態の患者(HIV感染患者を含む)、進行した医学的疾患を有する患者、末期の疾患の患者、神経障害を有する患者、関節リウマチを有する患者、骨関節炎を有する患者、慢性背痛を有する患者、脊髄損傷を有する患者、慢性腹痛を有する患者、慢性膵臓痛を有する患者、骨盤会陰痛を有する患者、線維筋痛症を有する患者、慢性疲労症候群を有する患者、片頭痛または緊張頭痛を有する患者、血液透析における患者、および鎌状赤血球性貧血を有する患者が含まれる。
【0064】
本発明の医薬製剤はまた、オピオイドを含むことができる。オピオイドの治療的使用は、十分知られており、再び、前述の文献および特許の両方中に記載されている。オピオイドには、アルフェンタニル、アニレリジン、アシマドリン、ブレマゾチン、ブルプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、デゾシン、ジアセチルモルヒネ(ヘロイン)、ジヒドロコデイン、ジフェノキシレート、フェドトジン、フェンタニル、フナルトレキサミン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レバロルファン、レボメタジルアセテート、レボルファノール、ロペラミド、メペリジン(ペチジン)、メタドン、モルヒネ、モルヒネ−6−グルコロニド、ナルブフィン、ナロルフィン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プロピラム、プロポキシフェン、レミフェンタニル、スフェンタニル、チリジン、トリメブチンおよびトラマドールが含まれる。
【0065】
本発明の医薬製剤は、典型的には、ビン、バイアル、アンプル、注入袋など中に保持され、この任意の1つをスパージして、酸素を排除するか、または窒素でパージすることができることを、理解するべきである。いくつかの態様において、ビン、バイアルおよびアンプルは、例えば色が琥珀色である際に、不透明である。このようなスパージおよびパージ手順は、通常の当業者に十分知られており、医薬製剤の安定性を維持するのに寄与しなければならない。医薬製剤はまた、いくつかの態様において、シリンジ内に含まれることが予期される。
【0066】
本発明の他の観点において、キットをまた提供する。
図3を参照して、キット10を示す。キット10は、医薬製剤バイアル12、医薬製剤希釈バイアル14、オピオイドバイアル16およびオピオイド希釈バイアル18を含む。キットはまた、指示20を含む。医薬製剤のための希釈剤を含むバイアル14は、随意である。バイアル14は、希釈剤、例えばバイアル12中に含まれているメチルナルトレキソンの濃縮溶液であってもよいものを希釈するための生理食塩水を含む。指示は、特定の量の希釈剤を特定の量の濃縮された医薬製剤と混合し、これにより注射または注入のための最終的な処方物を製造するための指示を含むことができる。
【0067】
指示は、患者制御鎮痛(PCA)デバイスにおいて用いるための指示を含むことができる。同様に、キットは、随意に、オピオイドバイアル16中にオピオイドを含み、これはまた、随意に、濃縮された形態であってもよい。オピオイドバイアル18は、濃縮されたオピオイドのための希釈剤を含む。指示はまた、オピオイドを医薬製剤と混合し、かつ/またはオピオイドを、オピオイド希釈バイアル18中に含まれるオピオイド希釈剤で希釈するための指示を含むことができる。従って、指示は、希釈剤およびオピオイドの存在または不存在に依存して、種々の形態を採る。
【0068】
指示20は、患者を有効量のメチルナルトレキソンで処置するための指示を含むことができる。容器がビン、隔壁を有するバイアル、隔壁を有するアンプル、注入袋などであるか否かにかかわらず、医薬製剤を含む容器は、証印、例えば医薬製剤をオートクレーブ処理したかまたは他の方法で滅菌した際に色が変化する慣用のマーキングを含むことができることが、理解される。
【0069】
本発明の医薬製剤は、単独で、または混合物で用いた際に、治療的に有効な量で投与する。治療的に有効な量は、以下に記載するパラメーターにより決定される;しかし、いずれの場合においても、本明細書中に記載する状態の1種を有する被検者、例えばヒト被検者を処置するのに有効な1種または2種以上の薬剤のレベルを達成する量である。有効な量は、処置される状態の開始を遅延させ、進行を完全に阻害し、もしくは低減し、または開始もしくは進行を全面的に停止するのに必要な、単独での、または複数の用量での量を意味する。被検者に投与された際には、有効な量は、当然、処置される特定の状態;状態の重篤度;年齢、物理的状態、大きさおよび重量を含む個々の患者パラメーター;同時の処置;処置の頻度;並びに投与の方式に依存する。これらの要因は、通常の当業者に十分知られており、常習的な実験を超えずに対処することができる。一般的に、最大の用量、即ち信頼できる医学的判定による最高の安全な用量を用いるのが好ましい。
【0070】
本発明の医薬製剤は、薬学的に許容し得る担体を含むかまたはこの中に希釈され得る。本明細書中で用いる用語「薬学的に許容し得る担体」は、ヒトまたは他の哺乳類、例えばイヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジもしくはヤギに投与するのに適する1種または2種以上の適合性固体または半固体または液体充填剤、希釈剤またはカプセル封入物質を意味する。用語「担体」は、天然または合成の、有機または無機成分を示し、これと、活性成分が混ぜ合わされて、適用が容易になる。担体を、本発明の製剤と、および互いに、所望の薬学的効能または安定性を顕著に損なう相互作用がないように、混合することができる。経口、皮下、静脈内、筋肉内などの処方物に適する担体は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pa中に見出すことができる。
【0071】
種々の投与経路が有用である。選択される特定の方式は、当然、選択される特定の薬剤、処置される疾患状態の重篤度および治療効能に必要な投与量に依存する。本発明の方法は、一般的に述べて、臨床的に許容し得ない悪影響を生じずに活性化合物の有効なレベルを生じるすべての方式を意味する、医学的に許容し得る投与のすべての方式を用いて行うことができる。このような投与の方式には、経口、直腸、舌下、局所的、鼻腔内、経皮的または非経口経路が含まれる。用語「非経口」には、皮下、静脈内、筋肉内または注入が含まれる。
【0072】
投与量を、所望の薬剤レベルを、局所的に、または全身的に達成するために、適切に調整することができる。一般的に、活性化合物の毎日の経口用量は、1日あたり約0.1mg/kg〜1日あたり30mg/kgである。0.01〜1.00mg/kgの範囲内のIV用量は、有効であることが予測される。被検者における応答が、このような用量において不十分である場合には、さらに高い用量(または異なる、一層局所化された送達経路による有効な一層高い用量)を、患者の耐容が容認される程度に用いることができる。例えば24時間にわたる連続的なIV投薬または1日あたり複数の投薬もまた、化合物の適切な全身レベルを達成するために考えられる。緩下を誘発するための慢性的なオピオイド使用者のために好ましい皮下用量は、0.1〜0.3mg/kgであり、同一の患者の集団のための好ましい経口用量は、1.0〜3.0mg/kgである。術後イレウスを処置するための好ましいIV用量は、0.15mg/kgである。
【0073】
本発明はまた、メチルナルトレキソンまたはこの塩の2%を超えない濃度のメチルナルトレキソン分解生成物を製剤中に有する、オートクレーブ処理した医薬製剤の製造方法を含む。メチルナルトレキソンの水性溶液を調製する。pHを調整する酸を加えて、pHを4.25またはこれ以下、好ましくは3.0〜3.5の範囲内に調整する。次に、溶液を、標準的な手順によりオートクレーブ処理する。このような手順の1種は、122℃および15ポンドの圧力において20分間オートクレーブ処理することを含む。この医薬製剤は、キレート剤、等張化剤、緩衝剤、酸化防止剤、凍結保護剤およびオピオイドの任意の1種、すべての組み合わせまたはすべてを含むことができる。本発明の他の観点において、水性溶液中にメチルナルトレキソンを含む医薬製剤を、キレート剤をメチルナルトレキソン溶液と混ぜ合わせ、次にこの溶液をオートクレーブ処理することにより、調製する。メチルナルトレキソンの水性溶液は、緩衝剤、酸化防止剤、等張化剤およびオピオイドの任意の1種、すべての組み合わせまたはすべてを含むことができる。
【0074】
本発明の尚他の観点において、メチルナルトレキソンを凍結乾燥した処方物中に含む医薬製剤を、凍結保護剤、例えばマンニトールを、メチルナルトレキソン処方物と混ぜ合わせることにより、調製する。凍結乾燥した製剤はまた、緩衝剤、酸化防止剤、等張化剤およびオピオイドの任意の1種、すべての組み合わせまたはすべてを含むことができる。
【0075】
本発明はまた、キレート剤、緩衝剤および酸化防止剤の任意の1種、すべての組み合わせまたはすべてを、溶液中でメチルナルトレキソンまたはこの塩と混ぜ合わせることによる、メチルナルトレキソンを含む溶液中のメチルナルトレキソン分解生成物の生成を阻害する方法を含む。1つの好ましい態様において、キレート剤、緩衝剤および/または酸化防止剤を含む水性溶液を、先ず調製し、次にメチルナルトレキソンまたはこの塩の粉末供給源を、水性溶液中に溶解する。
【0076】
本発明はまた、キレート剤、緩衝剤および酸化防止剤の任意の1種、すべての組み合わせまたはすべてを、ゲルマトリックス中でメチルナルトレキソンまたはこの塩と混ぜ合わせることによる、メチルナルトレキソン分解生成物の、メチルナルトレキソンを含むゲル中での生成を阻害する方法を含む。1つの好ましい態様において、キレート剤、緩衝剤および/または酸化防止剤を含むゲルを、先ず調製し、次にメチルナルトレキソンまたはこの塩の粉末供給源を、ゲル中に溶解する。本明細書中で用いる溶液は、ゲルを包含する。
【0077】
本発明の医薬製剤を、粒子において提供することができる。本明細書中で用いる粒子は、全体的に、または部分的に本明細書中に記載した末梢オピオイドアンタゴニストまたは1種もしくは2種以上の他の治療剤からなることができる、ナノもしくはマイクロ粒子(またはある例において一層大きい)を意味する。粒子は、腸溶コーティングを含むがこれには限定されないコーティングにより包囲された核中に1種または2種以上の治療剤を含むことができる。1種または2種以上の治療剤はまた、粒子全体に分散されていてもよい。1種または2種以上の治療剤はまた、粒子中に吸着されていてもよい。粒子は、0次放出、1次放出、2次放出、遅延放出、持続放出、即座の放出、およびこれらのすべての組み合わせなどを含む、すべての次元の放出動力学であってもよい。粒子は、1種または2種以上の治療剤に加えて、浸食性、非浸食性、生分解性もしくは非生分解性材料またはこれらの組み合わせを含むがこれらには限定されない、薬学および医学の業界において常習的に用いられている材料のすべてを含むことができる。粒子は、溶液または半固体状態にあるアンタゴニストを含むマイクロカプセルであってもよい。粒子は、事実上すべての形状であってもよい。
【0078】
非生分解性および生分解性ポリマー材料の両方を、1種または2種以上の治療剤を送達するための粒子の製造において用いることができる。このようなポリマーは、天然または合成ポリマーであってもよい。ポリマーは、放出が望ましい期間に基づいて選択される。特別に興味深い生体接着性ポリマーには、H.S. Sawhney, C.P. PathakおよびJ.A. HubellによりMacromolecules, (1993) 26:581-587に記載されている生体内分解性ヒドロゲルが含まれ、これらの教示を、本明細書中に導入する。これらには、ポリヒアルロン酸、カゼイン、ゼラチン、グルチン、ポリ無水物、ポリアクリル酸、アルギン酸塩、キトサン、ポリ(メチルメタクリレート)類、ポリ(エチルメタクリレート)類、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)およびポリ(オクタデシルアクリレート)が含まれる。
【0079】
本発明はまた、メチルナルトレキソン分解生成物の生成を阻害するための、メチルナルトレキソンまたはこの塩の水性溶液を含む安定な医薬製剤を調製するための方法を提供する。メチルナルトレキソンまたはこの塩および少なくとも1種のメチルナルトレキソン阻害剤を含む溶液を、提供する。この溶液を、少なくとも1種の滅菌手法の下で、溶液を密閉可能な容器中に最終的に充填する前および/または後に加工して、安定な医薬製剤を形成し、ここで、この方法を、pHを調整する塩基を溶液に加えずに、行う。
【実施例】
【0080】
例
例1
メチルナルトレキソンの医薬処方物のための製造方法
製造方法を、以下のように概説することができる:
1.所要の量の注射用の水(〜80%または最終容積)を、ステンレススチールタンクに加える。
2.キレート剤を、タンクに加え、溶解するまで撹拌する。
3.緩衝剤を、タンクに加え、溶解するまで撹拌する。
4.メチルナルトレキソンを、タンクに加え、溶解するまで撹拌する。
5.等張化剤を、タンクに加え、溶解するまで撹拌する。
6.溶液のpHを、pH 3.25に調整する。
7.注射用の水を加えて、容積を所要の量に増大させる。
8.材料を供給圧力容器に移送する。
9.無菌ステンレススチール圧力容器中に滅菌濾過する。
10.ビン/バイアル中に充填し、窒素でパージし、次にビン/バイアルに栓をする。
11.充填したバイアルをオートクレーブ処理により滅菌する。
【0081】
用いるべき添加剤の正確な量:
エデト酸二ナトリウム=0.75mg/ml 段階2において加える
クエン酸ナトリウム=0.199mg/ml 段階3において加える
クエン酸=0.35mg/ml 段階3において加える
塩化ナトリウム=8.5mg/ml 段階5において加える
【0082】
添加剤を加える順序は、上記した通りである。段階2〜5を、任意の順序で行うことができる。
すべての添加剤および薬剤を加えた際に、段階6において、溶液のpHを、酸を加えることにより調整する。緩衝剤を、溶液において用いる場合には、pH調整は、必要ではない場合がある。
処方の間に、温度または撹拌速度について、特定はない。処方の間の温度を、80℃程度の高温とすることができる。
【0083】
例2
メチルナルトレキソンの医薬処方物のための好ましい製造方法
好ましい製造方法は、以下の通りである:
メチルナルトレキソン溶液の20mg/ml溶液100ml
1.80mlの注射用の水(〜80%または最終容積)を、ステンレススチールタンクに加える。
2.75mgのエデト酸二ナトリウム、即ちキレート剤を、タンクに加え、溶解するまで撹拌する。
3.19.9mgのクエン酸ナトリウムおよび35mgのクエン酸(緩衝剤として)を、タンクに加え、溶解するまで撹拌する。
4.2000mgのメチルナルトレキソンを、タンクに加え、溶解するまで撹拌する。
5.850mgの塩化ナトリウム、即ち等張化剤を、タンクに加え、溶解するまで撹拌する。
6.所要に応じて、溶液のpHを調整する。
7.注射用の水を加えて、容積を100mlに増大させる。
8.材料を供給圧力容器に移送する。
9.0.22ミクロンのフィルターを用いて、無菌ステンレススチール圧力容器中に滅菌濾過する。
10.充填し、窒素でパージし、次にビン/バイアルに栓をする。
11.充填したバイアルをオートクレーブ処理により滅菌する。
【0084】
例3
医薬製剤メチルナルトレキソンの12ヶ月安定性
等張生理食塩水溶液中のメチルナルトレキソン(臭化物塩)およびこの分解生成物を、溶液(安定剤を加えていない、滅菌濾過した、オートクレーブ処理していない)の製造の際に、および貯蔵の際に、室温で12ヶ月、Hewlett-Packard HP1100シリーズ、第四級勾配ポンプ、プログラム可能な可変波長UVデテクターおよびMillenniumデータ収集システムを備えたHPLCシステムを用いて試験した。2つの可動相を、以下のようにして調製した:
【0085】
試薬、標準および媒体は、参照標準としてのメト臭化ナルトレキソン、トリフルオロ酢酸(ACS階級)、アセトニトリル(HPLC階級)、Milli-Q水(または等価なもの)およびメタノール(HPLC階級)を含んでいた。溶液を、以下のようにして調製した。可動相A(85:15:0.1)(水:メタノール:トリフルオロ酢酸):850mLのMilli-Q水を、好適な容器に加え、これに150mLのメタノールおよび1.0mLのトリフルオロ酢酸を加えた。この溶液を、十分混合し、室温に放置して平衡にした。この溶液を、ヘリウムスパージにより脱ガスした。可動相B(メタノール):メタノールを、好適な容器に加え、ヘリウムスパージにより脱ガスした。
【0086】
装置条件
分析カラム:Metachem Inertsil ODS3、5μm、150x4.6mmまたは等価なもの
可動相:可動相AおよびBの混合物を、表Iに示すようにして用いる:
【表1】
【0087】
カラム温度:50℃
検出:280nmにおけるUV
注射容積:20μL
実施時間:20分
流量:1.5mL/分
評価法:ピーク領域応答
【0088】
結果:
20mg/mlの生理食塩水薬剤生成物ロットCTM−02085
【表2】
【0089】
メチルナルトレキソン生理食塩水処方物(オートクレーブ処理していない)からの試料を、25℃で12ヶ月貯蔵する前および後に、メチルナルトレキソン分解生成物について分析した。
出発物質を、HPLCにより分析した。
図1に示すように、メチルナルトレキソンは、1.0(4.364分)のRRTを有するピークである。追加のピークは、メト臭化O−メチルナルトレキソンとして、約1.57(6.868分)のRRTで同定された。O−メチルナルトレキソンは、メチルナルトレキソンの分解生成物ではなく、メチルナルトレキソン(薬剤物質)製造プロセスからの結果である。
【0090】
12ヶ月にわたり貯蔵した物質を、同様にHPLCにより分析した。クロマトグラムを、
図2に示す。
出発物質におけるように、12ヶ月にわたり貯蔵した試料のHPLC分析により、1.00(3.839分)のメチルナルトレキソンRRT、約1.53(5.866分)のO−メチル−メチルナルトレキソンRRTが示された。しかし、HPLC分析により、12ヶ月にわたり貯蔵したメチルナルトレキソン生理食塩水処方物は、完成した薬剤製品の製造の間または貯蔵の間に生成した少なくとも3種の分解生成物を有することが明らかになった。分解生成物のピークRRTは、約0.74(2.828分)、0.89(3.435分)および1.40(5.326分)であった。
【0091】
HPLC分析を、また、貯蔵の前に、等張生理食塩水溶液(安定剤を加えていない)を用いて製造し、滅菌濾過し、およびオートクレーブ処理したメチルナルトレキソン溶液について行った。この生理食塩水、オートクレーブ処理した溶液は、上記したように、製造または貯蔵の間に生成した分解生成物を含んでいた(データは示していない)。
【0092】
例4
皮下処方物の調製
極めて低いクエン酸塩レベルで見られる分解生成物は、標準の生理食塩水溶液で見られるものと同一であった。これらの低いクエン酸塩処方物を、オートクレーブ処理し、3ヶ月後、見られた分解生成物の量は、各々の分解生成物について0.1%より低かった。クエン酸塩/EDTA処方物のために用いた処方を、以下に列挙する:
【0093】
mg/mL
メチルナルトレキソン 30mg
塩化ナトリウム 4mg
クエン酸 0.0875mg
クエン酸三ナトリウム 0.0496mg
エデト酸二ナトリウム 0.75mg
注射用の水 1グラムとする
この溶液のpHは、3.5であり、オートクレーブ処理に耐えることができる。
【0094】
例5
メチルナルトレキソンの凍結乾燥した医薬処方物の製造方法
以下に列挙する凍結乾燥サイクルは、通常の当業者に十分知られている標準的な手順である。このサイクルを、例6よび7において分析するメチルナルトレキソンの凍結乾燥された製剤の調製のために用いた。
【0095】
1.室温(20〜25℃)でチャンバーに入れる。
2.貯蔵温度を、1.0℃/分において−45℃に低下させる。
3.貯蔵温度を、−45℃に120分間保持する。
4.凝縮器が−50℃より低い際には、チャンバーを100〜125mtに排気する。
5.貯蔵を、−20℃に、0.5℃/分において上昇させる。
6.−20℃で16時間保持する。
7.貯蔵を、+27℃に、0.10℃/分において上昇させる。
8.最低8時間保持する。チャンバー圧力を、100〜125mtに、サイクル全体にわたり維持する。
9.チャンバーを、11.0PSIA+または−1.0に、滅菌濾過した窒素で戻し、次に栓(2”Hg)を据え付け、次に窒素で大気圧に流出させて、降ろす。
【0096】
例6
メチルナルトレキソンの凍結乾燥した処方物の安定性
以下のデータは、種々の凍結保護剤を用いたメチルナルトレキソンの凍結乾燥した処方物の安定性を報告する。
【表3】
【0097】
例7
メチルナルトレキソンの凍結乾燥した処方物の安定性
以下のデータは、緩衝した処方物と比較してのメチルナルトレキソンの凍結乾燥した処方物の安定性を報告する。
【0098】
製造の種々の段階における合計の関連する物質の量
【表4】
【0099】
本明細書中に記載した好ましい態様に対する種々の変更および修正が、通常の当業者には明らかであることを、理解するべきである。このような変更および修正は、この利点を消失させずに本発明の精神および範囲から逸脱せずになすことができる。従って、等価なものを含むこのような変更および修正は、添付した特許請求の範囲により包含されることを意図する。本明細書中に列挙したすべての特許、特許出願および参考文献は、これらの全体を参照により導入する。