(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ペンダント架橋性基が、置換又は非置換マレイミド部分、エポキシド部分、ビニル部分、アセチレン部分、インデニル部分、シンナメート部分又はクマリン部分を含む、請求項4に記載の有機電子デバイス。
基板(1)と、ゲート電極(2)と、ゲート絶縁体として働く誘電体層(3)と、離間されていて間にチャネル領域(7)が位置するソース電極及びドレイン電極(4)と、前記チャネル領域(7)にわたって延在するウェル(8)を画成するようにパターニングされる第1及び第2のバンク構造(5a、5b)と、前記チャネル領域(7)に提供されるOSC層(6)とを含む、請求項17〜19のいずれか一項に記載の有機電子デバイスであって、前記バンク構造(5a、5b)が、請求項1〜16のいずれか一項に定義されるとおりのポリシクロオレフィンポリマー又はポリマー組成物から得られる、有機電子デバイス。
基板(1)と、離間されていて間にチャネル領域(図示せず)が位置するソース電極及びドレイン電極(4)と、前記チャネル領域にわたって延在するウェル(8)を画成するようにパターニングされる第1及び第2のバンク構造(5a、5b)と、前記チャネル領域(7)に提供されるOSC層(6)と、ゲート絶縁体として働く誘電体層(3)と、ゲート電極(2)とを含む、請求項17〜19のいずれか一項に記載の有機電子デバイスであって、前記バンク構造(5a、5b)が、請求項1〜16のいずれか一項に定義されるとおりのポリシクロオレフィンポリマー又はポリマー組成物から得られる、有機電子デバイス。
集積回路(IC);無線周波数識別(RFID)タグ、RFIDタグを含むセキュリティマーキング又はセキュリティデバイス、フラットパネルディスプレイ(FPD)、FPDのバックプレーン、FPDのバックライト、電子写真デバイス、電子写真記録デバイス、有機メモリデバイス、センサ、バイオセンサー又はバイオチップである、請求項1〜20、22又は24のいずれか一項に記載の有機電子デバイスを含む製品又はアセンブリ。
前記有機電子デバイスが、有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機薄膜トランジスタ(OTFT)、有機発光ダイオード(OLED)又は有機光起電力(OPV)デバイスである、請求項27に記載のバンク構造。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書で使用されるとき、有機電界効果トランジスタ(OFET)という用語は、有機薄膜トランジスタ(OTFT)として知られるかかるデバイスのサブクラスを包含することが理解されるであろう。
【0017】
加えて、用語「誘電体の」と「絶縁の」とは、本明細書では同義的に用いられることが理解されるであろう。従って絶縁材料又は絶縁層への言及には誘電体材料又は誘電体層が包含され、逆もまた同様である。さらに、本明細書で使用されるとき、用語「有機電子デバイス」には、用語「有機半導体デバイス」、及び上記に定義するとおりのOFETなどの、かかるデバイスのいくつかの特定の実施態様が包含されることが理解されるであろう。
【0018】
本明細書で使用されるとき、用語「直交の」及び「直交性」は、化学的直交性を意味することが理解されるであろう。例えば、直交溶媒は、既に堆積済みの層の上にその溶媒中に溶解した材料の層を堆積するのに使用したとき、前記既に堆積済みの層を溶解しない溶媒を意味する。
【0019】
本明細書で使用されるとき、用語「隔離構造」及び「バンク構造」は、下層の基板上に提供され、且つ前記基板上に、半導体又は誘電体などの機能材料で充填され得る特定の構造、例えばウェルを画成するパターニング構造、例えばパターニング層を意味することが理解されるであろう。パターニング構造は、前記パターニング構造と前記基板との間で表面エネルギーに相違が生じるように選択される構造画成材料を含む。通常、基板の方が表面エネルギーが高く、パターニング構造の方が表面エネルギーが低い。基板は例えば電子デバイスの機能層であり、電極、半導体層又は誘電体層などである。隔離構造又はバンク構造は、液体である溶液が表面エネルギーのより高い範囲、すなわち基板に移動して付着する傾向を用いて、電子デバイスにおいて溶液加工された例えば半導体の薄膜の活性範囲をより容易に画成するために使用される。液体を所与の範囲に制限することにより、特定のデバイス適用の必要に応じた薄膜を形成することができる。これは特定の利益をもたら
し、例えばOFETでは、有機半導体の範囲が限られていることでオフ状態電流が改善される。用語「バンク構造」と「隔離構造」とは、本明細書では同義的に使用されることが理解されるであろう。従ってバンク構造への言及には、隔離構造が包含される。
【0020】
本明細書で使用されるとき、用語「ポリマー」は、1種以上の別種の繰り返し単位(分子の最も小さい構成単位)の骨格を含む分子を意味するものと理解され、一般に知られる用語「オリゴマー」、「コポリマー」、「ホモポリマー」などが包含される。さらに、用語のポリマーには、ポリマーそれ自体に加えて、かかるポリマーの合成に伴う開始剤、触媒及び他の成分由来の残渣が包含されることが理解され、ここでかかる残渣は、ポリマーに共有結合に取り込まれてはいないものと理解される。さらに、かかる残渣及び他の成分は、通常は重合後の精製過程で取り除かれるものの、典型的にはポリマーと共に混じり合い又は混在し、従ってポリマーが容器間又は溶媒若しくは分散媒間で移し替えられるときに、概してポリマーと共に残る。
【0021】
本明細書で使用されるとき、用語「ポリマー組成物」は、少なくとも1つのポリマーと、ポリマー組成物及び/又はその中の少なくとも1つのポリマーの特定の特性を提供するため、又はそれを修飾するため、その少なくとも1つのポリマーに加えられる1つ以上の他の材料を意味する。ポリマー組成物が、基板上への層又は構造の形成を可能にするためポリマーを基板に運ぶ媒体であることは理解されるであろう。例示的材料としては、限定はされないが、溶媒、抗酸化剤、光開始剤、光増感剤、架橋部分又は架橋剤、反応性希釈剤、酸掃去剤、均展剤及び定着剤が挙げられる。さらに、ポリマー組成物は、前述の例示的材料に加え、2つ以上のポリマーのブレンドも含み得ることが理解されるであろう。
【0022】
本明細書で定義するとき、用語「ポリシクロオレフィン」、「多環状オレフィン」、及び「ノルボルネン系」は同義的に使用され、以下の構造A1又はA2のいずれかに示すような、少なくとも1つのノルボルネン部分を含む付加重合可能なモノマー、又は得られる繰り返し単位を指す。最も単純なノルボルネン系又は多環状オレフィンモノマーであるビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(A1)は、一般にノルボルネンと称される。
【0024】
しかしながら、用語「ノルボルネン系モノマー」又は「ノルボルネン系繰り返し単位」は、本明細書で使用されるとき、ノルボルネンそれ自体を意味するのみならず、任意の置換ノルボルネン、又は例えば以下に示す構造B1及びB2(式中、mは0より大きい整数である)の、その置換及び非置換高次環状誘導体もまた指すものと理解される。
【0026】
ノルボルネン系モノマーをペンダント基で置換することにより、それから形成されるポリマーの特性を、個々の適用の必要性を満たすように調整することができる。機能化したノルボルネン系モノマーを重合させるために開発されたこの手順及び方法は、モノマーの様々な部分及び基に対する優れた柔軟性及び許容性を呈する。特定のペンダント基によるモノマーの重合に加え、様々な別個の機能性を有するモノマーをランダムに重合して最終的な材料を形成することができ、ここでは用いるモノマーの種類及び比率によって、得られるポリマーの全体的なバルク特性が左右される。
【0027】
本明細書で使用されるとき、「ヒドロカルビル」は、各炭素が1つ以上の水素原子で適切に置換されている炭素骨格を含むラジカル又は基を指す。用語「ハロヒドロカルビル」は、水素原子のうち、全てではないが、1つ以上がハロゲン(F、Cl、Br、又はI)に置き換えられているヒドロカルビル基を指す。用語パーハロカルビルは、各水素がハロゲンに置き換えられているヒドロカルビル基を指す。ヒドロカルビルの非限定的な例としては、限定はされないが、C
1〜C
25アルキル、C
2〜C
24アルケニル、C
2〜C
24アルキニル、C
5〜C
25シクロアルキル、C
6〜C
24アリール又はC
7〜C
24アラルキルが挙げられる。代表的なアルキル基としては、限定はされないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル及びドデシルが挙げられる。代表的なアルケニル基としては、限定はされないが、ビニル、プロペニル、ブテニル及びヘキセニルが挙げられる。代表的なアルキニル基としては、限定はされないが、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1 ブチニル、及び2−ブチニルが挙げられる。代表的なシクロアルキル基としては、限定はされないが、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロオクチル置換基が挙げられる。代表的なアリール基としては、限定はされないが、フェニル、ビフェニル、ナフチル、及びアントラセニルが挙げられる。代表的なアラルキル基としては、限定はされないが、ベンジル、フェネチル及びフェンブチルが挙げられる。
【0028】
用語「ハロヒドロカルビル」は、本明細書で使用されるとき、上述のヒドロカルビル部分を包含するが、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子に置き換えられている場合(例えばフルオロメチル基)乃至パーハロゲン化とも称される、ヒドロカルビル基の全ての水素原子がハロゲン原子に置き換えられている場合(例えばトリフルオロメチル又はパーフルオロメチル)に及び得るある程度のハロゲン化がある場合である。例えば、本発明の実施形態において有用であり得るハロゲン化アルキル基は、部分的又は完全にハロゲン化された、式C
aX
2a+1(式中、Xは独立してハロゲン又は水素であり、aは1〜25の整数から選択される)のアルキル基であってよい。一部の実施形態では、各Xは、水素、塩素、フッ素、臭素及び/又はヨウ素から独立して選択される。他の実施形態では、各Xは、独立して水素又はフッ素のいずれかである。従って、代表的なハロヒドロカルビル及びパーハロカルビルは、前述の例示的ヒドロカルビルにより例示され、ここでは適切な数の水素原子が各々ハロゲン原子により置き換えられる。
【0029】
加えて、用語「ヒドロカルビル」、「ハロヒドロカルビル」、及び「パーハロヒドロカルビル」の定義には、炭素原子の1つ以上が、O、N、P、又はSiから独立して選択されるヘテロ原子に置き換えられている部分が包含される。かかるヘテロ原子含有部分は、例えば「ヘテロ原子−ヒドロカルビル」又は「ヘテロヒドロカルビル」のいずれとも称することができ、とりわけ、エーテル、エポキシ、グリシジルエーテル、アルコール、カルボン酸、エステル、マレイミド、アミン、イミン、アミド、フェノール、アミドフェノール、シラン、シロキサン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、亜ホスフィン酸塩、亜ホスホン酸塩、亜リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、及びリン酸塩が含まれる。
【0030】
ヘテロ原子を包含するさらなる例示的ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、及びパーハロカルビルとしては、限定はされないが、−(CH
2)
n−Ar−(CH
2)
n−C(CF
3)
2−OH、−(CH
2)
n−Ar−(CH
2)
n−OCH
2C(CF
3)
2−OH、−(CH
2)
n−C(CF
3)
2−OH、−((CH
2)
i−O−)
k−(CH
2)−C(CF
3)
2−OH、−(CH
2)
n−C(CF
3)(CH
3)−OH、−(CH
2)
n−C(O)NHR
*、−(CH
2)
n−C(O)Cl、−(CH
2)
n−C(O)OR
*、−(CH
2)
n−OR
*、−(CH
2)
n−OC(O)R
*及び−(CH
2)
n−C(O)R
*(式中、nは独立して0〜12の整数を表し、iは2、3又は4であり、kは1、2又は3であり、Arはアリール、例えばフェニルであり、及びR
*は、独立して、水素、C
1〜C
11アルキル、C
1〜C
11ハロゲン化若しくはパーハロゲン化アルキル、C
2〜C
10アルケニル、C
2〜C
10アルキニル、C
5〜C
12シクロアルキル、C
6〜C
14アリール、C
6〜C
14ハロゲン化若しくはパーハロゲン化アリール、C
7〜C
14アラルキル又はハロゲン化若しくはパーハロゲン化C
7〜C
14アラルキルを表す)が挙げられる。
【0031】
例示的パーハロゲン化アルキル基としては、限定はされないが、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、−C
2F
5、−C
3F
7、−C
4F
9、C
6F
13−、−C
7F
15、及び−C
11F
23が挙げられる。例示的ハロゲン化若しくはパーハロゲン化アリール基及びアラルキル基としては、限定はされないが、式−(CH
2)
x−C
6F
yH
5−y、及び−(CH
2)
x−C
6F
yH
4−y−pC
zF
qH
2z+1−q(式中、x、y、q及びzは、それぞれ0〜5、0〜5、0〜9及び1〜4から独立して選択される整数である)を有する基が挙げられる。具体的には、かかる例示的ハロゲン化若しくはパーハロゲン化アリール基としては、限定はされないが、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタフルオロベンジル、4−トリフルオロメチルベンジル、ペンタフルオロフェネチル、ペンタフルオロフェンプロピル、及びペンタフルオロフェンブチルが挙げられる。
【0032】
本発明のバンク構造において使用されるとおりのポリシクロオレフィンポリマーは、好適にはノルボルネン系ポリマーである。
本発明の好適な実施形態において、ノルボルネン系ポリマーは、2種以上の別種の繰り返し単位を組み込む。
【0033】
本発明の別の好適な実施形態において、ノルボルネン系ポリマーは1種以上の別種の繰り返し単位を組み込み、ここで少なくとも1種のかかる種の繰り返し単位は、何らかの程度の潜伏性を有するペンダント架橋性基又は部分を含む。「潜伏性」とは、かかる基が周囲条件では又はポリマーの初期形成の間は架橋せず、しかしかかる反応が例えば化学線又は熱によって明確に開始されると架橋することを意味する。かかる潜伏性の架橋性基は、例えば、かかるペンダント架橋性基、例えば置換又は非置換マレイミド又はマレイミド含有ペンダント基を含む1つ以上のノルボルネン系モノマーを重合反応混合物に提供し、それを重合させることにより、ポリマー骨格に組み込まれる。好適な架橋性基としては、置換又は非置換マレイミド部分、エポキシド部分、ビニル部分、アセチレン部分、インデニル部分、シンナメート部分又はクマリン部分を含む基、より具体的には、3−モノアルキル又は3,4−ジアルキルマレイミド、エポキシ、ビニル、アセチレン、シンナメート、インデニル又はクマリン基から選択される基が挙げられる。
【0034】
別の好適な実施形態において、ノルボルネン系ポリマーは、式I
【0036】
[式中、Zは、−CH
2−、−CH
2−CH
2−又は−O−から選択され、mは0〜5の整数であり、R
1、R
2、R
3及びR
4の各々は、H、C
1〜C
25ヒドロカルビル基、C
1〜C
25ハロヒドロカルビル基又はC
1〜C
25パーハロカルビル基から独立して選択される]
の1種以上の別種の繰り返し単位を含む。
【0037】
式Iの繰り返し単位は、式Ia(式中、Z、m及びR
1〜4は上記に定義するとおりである)の対応するノルボルネン系モノマーから形成される。
【0039】
式I及び式Iaの繰り返し単位及びモノマーにおいて、好適な実施形態ではZが−CH
2−であり、且つmが0、1又は2であり、別の好適な実施形態ではZが−CH
2−であり、且つmが0又は1であり、さらに別の好適な実施形態ではZが−CH
2−であり、且つmが0である。
【0040】
別の好適な実施形態において、バンク構造は、単一のノルボルネン系ポリマーを含むか、或いは2種以上の異なるノルボルネン系ポリマーのブレンドを含むポリマー組成物を含む。かかるポリマー組成物の実施形態が単一のノルボルネン系ポリマーを含む場合、かかるポリマーはホモポリマー、すなわち1種の繰り返し単位のみを含むポリマーであってもよく、又はコポリマー、すなわち2種以上の別種の繰り返し単位を含むポリマーであってもよい。かかるポリマー組成物の実施形態が異なるポリマーのブレンドを含む場合、「異なる」は、ブレンドされたポリマーの各々が、ブレンドされた他のポリマーのいずれとも別個の少なくとも1種の繰り返し単位、又は繰り返し単位の組み合わせを含むことを意味するものと理解される。
【0041】
本発明の別の好適な実施形態において、ポリマー組成物は、2種以上の異なるノルボルネン系ポリマーのブレンドであり、ここで各ポリマーは、式I
【0043】
[式中、Zは、−CH
2−、−CH
2−CH
2−又は−O−から選択され、mは0〜5の整数であり、R
1、R
2、R
3及びR
4の各々は、H、C
1〜C
25ヒドロカルビル基、C
1〜C
25ハロヒドロカルビル基又はC
1〜C
25パーハロカルビル基から独立して選択される]
の1種以上の別種の繰り返し単位を含む。
【0044】
本発明のポリマー及びポリマー組成物の実施形態は、有利には、多くの特定の適用のそれぞれに合わせて別個の一組の特性を提供するように調整することができる。すなわち、ノルボルネン系モノマーと数種の異種ペンダント基との異なる組み合わせを重合することにより、とりわけ柔軟性、密着性、比誘電率、及び有機溶媒に対する溶解性などの特性に関する制御性の獲得をもたらす特性を備えたノルボルネン系ポリマーを提供することができる。例えば、アルキルペンダント基の長さを変化させることにより、ポリマーの弾性率及びガラス転移温度(Tg)の制御が可能となり得る。また、マレイミド、シンナメート、クマリン、無水物、アルコール、エステル、及びエポキシ官能基から選択されるペンダント基を使用して架橋を促進し、溶解特性を修飾することができる。極性官能基のエポキシ基及びトリエトキシシリル基を使用して、隣接するデバイス層の金属、ケイ素、及び酸化物に対する密着性を提供することができる。例えばフッ素化基を使用して表面エネルギー、比誘電率を有効に修飾し、他の材料に対する溶液の直交性に影響を与えることができる。
【0045】
従って、本発明のさらに好適な実施形態において、詳細にはR
1〜4のうち1つのみがHと異なるかかる実施形態について、R
1〜4の1つ以上は、限定はされないが、式−(CH
2)
x−C
6F
yH
5−y、及び−(CH
2)
x−C
6F
yH
4−y−pC
zF
qH
2z+1−q(式中、x、y、q、及びzは、それぞれ0〜5、0〜5、0〜9、及び1〜4から独立して選択される整数であり、「p」は「パラ」を意味する)のものを含めた、ハロゲン化又はパーハロゲン化アリール基又はアラルキル基を表す。具体的にかかる式としては、限定はされないが、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、−C
2F
5、−C
3F
7、−C
4F
9、C
6F
13、−C
7F
15、−C
11F
23、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタフルオロベンジル、4−トリフルオロメチルベンジル、ペンタフルオロフェニルエチル、ペンタフルオロフェンプロピル、及びペンタフルオロフェンブチルが挙げられる。
【0046】
さらにまた、本発明の一部の好適な実施形態は、詳細にはR
1〜4のうち1つのみがHと異なるかかる実施形態について、Hと異なる基であって、末端ヒドロキシ、カルボキシ又はオリゴエチレンオキシ部分、例えば末端ヒドロキシアルキル、アルキルカルボニルオキシ(例えばアセチル)、ヒドロキシ−オリゴエチレンオキシ、アルキルオキシ−オリゴエチレンオキシ又はアルキルカルボニルオキシ−オリゴエチレンオキシ部分を有する極性基である基を含み、ここで「オリゴエチレンオキシ」は、−(CH
2CH
2O)
s−においてsが1、2又は3であるもの;例えば1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エ
ン−2−イル)−2,5,8,11−テトラオキサドデカン(NBTODD)(式中、sは3である)及び5−((2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(NBTON)(式中、sは2である)を意味するものと理解される。
【0047】
さらにまた、本発明の他の好適な実施形態において、詳細にはR
1〜4のうち1つのみがHと異なるかかる実施形態について、Hと異なる基であって、ペンダントシリル基、例えば−(CH
2)
n−SiR
93(式中、nは0〜12の整数であり、各R
9は、塩素、フッ素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されるハロゲン、線状又は分枝状(C
1〜C
20)アルキル、線状又は分枝状(C
1〜C
20)アルコキシ、置換又は非置換(C
6〜C
20)アリールオキシ、線状又は分枝状(C
1〜C
20)アルキルカルボニルオキシ;線状又は分枝状(C
1〜C
20)ジアルキルアミド;置換又は非置換(C
6〜C
20)ジアリールアミド;置換又は非置換(C
1〜C
20)アルキルアリールアミドを独立して表す)によって表されるシリル基を有する基である基を含む。
【0048】
なおもまた、R
1〜4のうちの1つのみがHと異なり、且つR
5〜
8のうち1つのみがHと異なるかかる実施形態について、好適な実施形態は、光反応性基又は架橋性基のいずれかである基を含む。好適な光反応性基又は架橋性基は、結合部分Lと機能部分Fとを含む。好適にはLは、C
1〜C
12アルキル、アラルキル、アリール又はヘテロ原子類似体から選択される基を表すか又はそれを含む。さらに好適には、Fは、マレイミド、3−モノアルキル又は3,4−ジアルキルマレイミド、エポキシ、ビニル、アセチレン、シンナメート、インデニル又はクマリン部分の1つ以上を表すか又はそれを含み、これは架橋又は2+2架橋反応が可能である。
【0049】
本明細書で使用されるとき、語句「光反応性及び/又は架橋性」は、ある種のペンダント基の説明に用いられるとき、化学線に対して反応性を有する基であって、その反応性の結果として架橋反応を開始する基か、又は化学線との反応性を有しない基であって、しかしながら架橋活性化剤の存在下で架橋反応を開始する基を意味することが理解されるであろう。
【0050】
式Iを代表するペンダント光反応性基又は架橋性基を含む好適な繰り返し単位は、限定はされないが、以下の式:
【0052】
[式中、nは1〜8の整数であり、Q
1及びQ
2は、各々、互いに独立して−H又は−CH
3であり、R’は−H又は−OCH
3である]
から選択されるものを含むノルボルネン系モノマーから重合中に形成される。
【0053】
上記に説明したような式Iのさらに好適な繰り返し単位は、下記における以下の構造式1〜5:
【0055】
によって表される1つ以上のノルボルネン系モノマーから得られる。
上記の構造式1〜5に関して、mは0〜3の整数であり、Aは、(CZ
2)
n、(CH
2)
n−(CH=CH)
p−(CH
2)
n、(CH
2)
n−O−(CH
2)
n、(CH
2)
n−C
6Q
4−(CH
2)
nから選択され、構造1についてはさらに(CH
2)
n−O及びC(O)−Oから選択される結合基、スペーサ基又は架橋基であり;Rは、H、CZ
3、(CZ
2)
nCZ
3、OH、O−(O)CCH
3、(CH
2CH
2O)
nCH
3、(CH
2)
n−C
6Q
5、シンナメート又はp−メトキシシンナメート、クマリン、フェニル−3−インデン、エポキシド、C≡C−Si(C
2H
5)
3又はC≡C−Si(i−C
2H
5)
3(各nは独立して0〜12の整数であり、pは1〜6の整数であり、C
6Q
4及びC
6Q
5は、Qにより置換されているベンゼンを表し、Qは、独立して、H、F、CH
3、CF
3又はOCH
3であり、Zは独立してH又はFであり、但し、−A−Rは−O−O−(ペルオキシ)結合を含まないものとし、及びR’’は独立してH又はCH
3である)から選択される。
【0056】
上記に記載したような式Iのさらに好適な繰り返し単位は、限定はされないが、以下の式からなる群から選択されるものを含めた1つ以上のノルボルネン系モノマーにより形成される:
【0058】
式中、「Me」はメチルを意味し、「Et」はエチルを意味し、「OMe−p」はパラメトキシを意味し、「Ph」及び「C
6H
5」はフェニルを意味し、「C
6H
4」はフェニレンを意味し、「C
6F
5」はペンタフルオロフェニルを意味し、部分式9及び11において「OAc」はアセテートを意味し、部分式25において「PFAc」は−OC(O)−C
7F
15を意味し、及びメチレン架橋基(ノルボルネン環及び官能基の両方に共有結合したCH
2)を有する上記の部分式(限定はされないが11〜14、16、18、19及び55を含む)の各々について、メチレン架橋基が共有結合又は式20にあるとおりの−(CH
2)
b−に置き換えられてもよく、bは1〜6の整数であることは理解されるであろう。
【0059】
さらに、上記に具体例を55例提供しているが、本発明の実施形態における他のモノマーには、式Ia[式中、R
1、R
2、R
3及びR
4の少なくとも1つは、ヘテロ原子を含む、ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、及びパーハロカルビルであり、これには、−(CH
2)
n−Ar−(CH
2)
n−C(CF
3)
2−OH、−(CH
2)
n−Ar−(CH
2)
n−OCH
2C(CF
3)
2−OH、−(CH
2)
n−C(CF
3)
2−OH、−((CH
2)
i−O−)
k−(CH
2)−C(CF
3)
2−OH、−(CH
2)
n−C(CF
3)(CH
3)−OH、(CH
2)
n−C(O)NHR
*、(CH
2)
n−C(O)Cl、−(CH
2)
n−C(O)OR
*、(CH
2)
n−OR
*、−(CH
2)
n−OC(O)R
*及び−(CH
2)
n−C(O)R
*(式中、nは独立して0〜12の整数を表し、iは2、3又は4であり、kは1、2又は3であり、Arはアリール、例えばフェニルであり、及びR
*は、独立して、水素、C
1〜C
11アルキル、C
1〜C
11ハロゲン化若しくはパーハロゲン化アルキル、C
2〜C
10アルケニル、C
2〜C
10アルキニル、C
5〜C
12シクロアルキル、C
6〜C
14アリール、C
6〜C
14ハロゲン化若しくはパーハロゲン化アリール、C
7〜C
14アラルキル又はハロゲン化若しくはパーハロゲン化C
7〜C
14アラルキルを表す)が含まれる]によって表されるモノマーが包含されることを注記し得る。例示的パーハロゲン化アルキル基としては、限定はされないが、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、−C
2F
5、−C
3F
7、−C
4F
9、−C
7F
15、及び−C
11F
23が挙げられる。例示的ハロゲン化若しくはパーハロゲン化アリール基及びアラルキル基としては、限定はされないが、式−(CH
2)
x−C
6F
yH
5−y、及び−(CH
2)
x−C
6F
yH
4−y−pC
zF
qH
2z+1−q(式中、x
、y、q、及びzは、それぞれ0〜5、0〜5、0〜9、及び1〜4から独立して選択される整数である)を有する基が挙げられる。具体的には、かかる例示的ハロゲン化若しくはパーハロゲン化アリール基としては、限定はされないが、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタフルオロベンジル、4−トリフルオロメチルベンジル、ペンタフルオロフェニルエチル、ペンタフルオロフェンプロピル、及びペンタフルオロフェンブチルが挙げられる。
【0060】
式I及び式Iaは、また上記に提供する部分式及び一般式の各々も、立体化学は何ら示すことなく表現されているが、概してモノマーの各々は、特に指示がない限り、繰り返し単位に変換されたときにその立体配置を保つジアステレオマー混合物として得られることに留意しなければならない。かかるジアステレオマー混合物のエキソ異性体及びエンド異性体は僅かに異なる特性を有し得るため、本発明の好適な実施形態は、エキソ異性体又はエンド異性体のいずれかを多く含む異性体混合物であるか、又は本質的に有利な純異性体であるモノマーを使用することにより、かかる違いを利用するようになされることがさらに理解されなければならない。
【0061】
本発明の別の好適な実施形態は、繰り返し単位を含む式Iのポリマーであって、式中、R
1〜4のうちの1つ、例えばR
1が、上記に記載したとおりのフッ素化又はパーフッ素化アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、R
1〜4のその他がHであるポリマーに関する。好適にはR
1は、上記の部分式15〜26(NBC
4F
9、NBCH
2C
6F
5、NBC
6F
5、NBCH
2C
6H
3F
2、NBCH
2C
6H
4CF
3、NBアルキルC
6F
5、FPCNB、FHCNB、FOCHNB、FPCHNB、C
8PFAcNB、PPVENB)のうちの1つから、及びより好適には、部分式16、17、18、19、20又は26(NBCH
2C
6F
5、NBC
6F
5、NBCH
2C
6H
3F
2、NBCH
2C
6H
4CF
3、NBアルキルC
6F
5又はPPVENB)から選択される。
【0062】
本発明の別の好適な実施形態は、繰り返し単位を有する式Iのポリマーであって、式中、R
1〜4のうちの1つ、例えばR
1が、上記に記載したとおりの光反応性基又は架橋性基であり、R
1〜4のその他がHであるポリマーに関する。好適にはR
1は、上記の部分式27〜50の1つに示されるとおりの、及びより好適には部分式34、35、36、37及び38(DMMIMeNB、DMMIEtNB、DMMIPrNB、DMMIBuNB及びDMMIHxNB)に示されるとおりの基である。
【0063】
本発明の別の好適な実施形態は、繰り返し単位を有する式Iのポリマーであって、式中、R
1〜4のうちの1つ、例えばR
1が、上記に記載したとおりのヒドロキシ、カルボキシ、アセトキシ又はオリゴエチレンオキシ部分を有する極性基であり、R
1〜4のその他がHを表すポリマーに関する。好適にはR
1は、上記の部分式9〜14の1つに示されるとおりの基、及びより好適には部分式9(MeOAcNB)に示されるとおりの基である。
【0064】
本発明の別の好適な実施形態は、上記に記載したとおりのフッ素化型の繰り返し単位から選択される第1の種の繰り返し単位と、同様に上記に記載したとおりの架橋性の繰り返し単位から選択される第2の種の繰り返し単位とを有するポリマーに関する。この実施形態の好適なポリマーには、部分式15〜26、より好適には15、16、17、18、19、20及び26(NBC
4F
9、NBCH
2C
6F
5、NBC
6F
5、NBCH
2C
6H
3F
2、NBCH
2C
6H
4CF
3、NBアルキルC
6F
5、及びPPVENB)から選択される第1の種の繰り返し単位と、部分式34、35、36、37及び38(DMMIMeNB、DMMIEtNB、DMMIPrNB、DMMIBuNB及びDMMIHxNB)から選択される第2の種の繰り返し単位とを有するポリマーが含まれる。
【0065】
本発明の別の好適な実施形態は、上記に記載したとおりのフッ素化型の繰り返し単位から選択される第1の種の繰り返し単位と、同様に上記に記載したとおりの架橋性の繰り返し単位から選択される第2の種の繰り返し単位と、これも同様に上記に記載したとおりの極性の繰り返し単位から選択される第3の種の繰り返し単位とを有するポリマーに関する。この実施形態の好適なポリマーには、部分式9(MeOAcNB)の第1の繰り返し単位と、部分式34、35、36、37、又は38(DMMIMeNB、DMMIEtNB、DMMIPrNB、DMMIBuNB及びDMMIHxNB)から選択される第2の種の繰り返し単位と、部分式16(NBCH
2C
6F
5)から選択される第3の種の繰り返し単位とを有するポリマーが含まれる。
【0066】
本発明の別の好適な実施形態は、式Iに従う3種より多い異種繰り返し単位を有するポリマーに関する。本発明の別の好適な実施形態は、式Iに従う第1の種の繰り返し単位を有する第1のポリマーと、第1の種の繰り返し単位及び第1の種と別の式Iに従う第2の種の繰り返し単位を少なくとも有する第2のポリマーとのポリマーブレンドに関する。或いはかかるポリマーブレンドは、式Iに従う2種以上の別種の繰り返し単位を有する代替的な第1のポリマーと混合された前述の第2のポリマーを含み得る。さらに好適には、かかるポリマーブレンドは、式Iに従う3種の別種の繰り返し単位を有する代替的な第2のポリマーと混合された前述の代替的な第1のポリマーを含み得る。
【0067】
本発明の別の好適な実施形態は、式Iに従う第1及び第2の別種の繰り返し単位を有するポリマーに関し、ここでかかる第1の種と第2の種との繰り返し単位の比は、95:5〜5:95である。別の好適な実施形態において、かかる第1の種と第2の種との繰り返し単位の比は、80:20〜20:80である。さらに別の好適な実施形態において、かかる第1の種と第2の種との繰り返し単位の比は、60:40〜40:60である。さらに別の好適な実施形態において、かかる第1の種と第2の種との繰り返し単位の比は、55:45〜45:55である。
【0068】
好適なノルボルネンモノマー、ポリマー及びそれらの合成方法の例は、本明細書に提供され、また、米国特許第5,468,819号明細書、米国特許第6,538,087号明細書、米国特許出願公開第2006/0020068 A1号明細書、米国特許出願公開第2007/0066775 A1号明細書、米国特許出願公開第2008/0194740 A1号明細書、PCT/EP2011/004281号明細書、米国特許出願第13/223,784号明細書、PCT/EP2011/004282号明細書及び米国特許出願第13/223,884号明細書(これらの関連する部分は参照により本願に援用される)にも見出すことができる。例えば、第VIII族遷移金属触媒を用いる例示的重合プロセスが、前述の米国特許出願公開第2006/0020068 A1号明細書に記載されている。
【0069】
本発明のポリマーの実施形態は、その使用に適切な重量平均分子量(M
w)を有して形成される。概して5,000〜500,000のM
wが一部の実施形態に適切であると認められるが、他の実施形態については他のM
w範囲が有利であり得る。例えば、好適な実施形態において、ポリマーは少なくとも30,000のM
wを有し、一方、別の好適な実施形態ではポリマーは少なくとも60,000のM
wを有する。別の好適な実施形態において、ポリマーのM
wの上限は最大400,000であり、一方、別の好適な実施形態ではポリマーのM
wの上限は最大250,000である。適切なM
wは、それから得られる硬化ポリマー、膜、層又は構造における所望の物理的特性に応じて変わるため、それは設計上の選択であり、従って上記に提供される範囲内の任意のM
wが本発明の範囲に含まれることは理解されるであろう。
【0070】
本発明の好適な実施形態では、架橋性を有する又は架橋されたポリシクロオレフィンポ
リマーが、バンク構造材料として、又はその構成成分として使用される。かかる架橋性を有する又は架橋されたポリマーは、ゲート誘電体層及び電子デバイスの構造的完全性、耐久性、機械的抵抗性及び耐溶剤性から選択される1つ以上の特性の向上に役立ち得ることが分かっている。極めて好適な架橋性ポリマーは、例えば、式I(式中、R
1〜4のうち1つ以上が架橋性基を表す)の1つ以上の繰り返し単位、極めて好適には部分式27〜50から選択されるモノマーにより形成される単位を有するものである。
【0071】
ポリマーは、架橋させるため、概してその堆積後に電子ビーム又は電磁(化学線)放射、例えばX線、紫外線若しくは可視光線に露光されるか、又はそれが熱架橋性の基を含む場合には、加熱される。例えば、化学線を用いることにより、11nm〜700nm、例えば200〜700nmの波長を使用してポリマーをイメージングし得る。化学線の露光線量は、概して25〜15000mJ/cm
2である。好適な放射線源には、水銀、水銀/キセノン、水銀/ハロゲン及びキセノンランプ、アルゴン又はキセノンレーザ光源、X線が含まれる。このように化学線に露光するのは、露光された領域に架橋を生じさせるためである。他の架橋する繰り返し単位ペンダント基が提供されてもよいが、一般には、かかる架橋は、マレイミドペンダント基を含む繰り返し単位、すなわちR
1〜R
4のうちの1つが置換又は非置換マレイミド部分である繰り返し単位によって提供される。マレイミド基の光吸収帯域外の波長を有する光源を使用することが望ましい場合、感放射線性の光増感剤を加えることができる。ポリマーが熱架橋性の基を含む場合、例えば架橋反応が熱的に開始されない例など、場合により架橋反応を開始させるため開始剤を加えてもよい。
【0072】
好適な実施形態において、バンク構造は、露光後に70℃〜130℃の温度で、例えば1〜10分間にわたりベークされる。露光後ベークを用いると、ポリマーの露光された部分の範囲内にある架橋性部分の架橋をさらに促進することができる。
【0073】
別の好適な実施形態において、架橋性ポリマー組成物は安定化材料又は部分を含むことにより自発架橋を防止し、ポリマー組成物の保存寿命を向上させる。好適な安定化剤は、場合により1つ以上のバルクのアルキル基、例えばt−ブチル基をフェノールOH基に対してオルト位に含むカテコール又はフェノール誘導体などの抗酸化剤である。
【0074】
機能層及びバンク構造を含めた個々のデバイス構成要素の加工、及び電子デバイスの完全性を向上させるため、形成される構成要素の物理的特性を保ち又は向上させながらも、加工に要する時間を短縮することが望ましい。この物理的特性は、後続の構成要素と、かかる構成要素の形成に使用される溶媒とが直交性であり、従って互いを溶解しない場合に維持することができる。かかる直交性を得ることが困難である場合、第1の構成要素を架橋、典型的には紫外線架橋することによりかかる第1の構成要素を第2の構成要素のポリマー組成物に対して不溶性にすると、いずれか一方の構成要素の特性が他方の構成要素に任意の影響を及ぼすことが防止され得る。
【0075】
加工に要する時間の短縮は、例えば成膜プロセスを調整することにより行うことができ、一方、紫外線架橋に要する時間の低減は、ポリマーの化学的調節又はプロセスの変更のいずれによっても実現することができる。
【0076】
しかしながら、紫外線感光性がポリマーのある種の特性と関係しているために、ポリマーの化学的修飾は限られており、例えば紫外線感光性を増加させようとする変更が溶解性を低下させ得る。プロセスを、例えば高出力の紫外線を使用することにより変更すると、オゾン雰囲気が発生し、ひいてはポリマー誘電体の表面に望ましくない変化が生じる可能性が高くなり得る。
【0077】
従って、本発明の好適な実施形態において、ポリマー組成物は1つ以上の架橋添加剤を
含む。かかる添加剤は、バンク構造の形成に使用されるポリシクロオレフィンポリマーのペンダント架橋性基と反応することが可能な2つ以上の官能基を含む。また、かかる架橋添加剤の使用が前述のポリマーの架橋も増進し得ることが理解されるであろう。
【0078】
紫外線への露光による架橋が好適である。
架橋剤の使用は、適切な波長及び紫外線線量に対するイメージワイズな露光を使用したバンク構造のパターニング能力を増進する。
【0079】
架橋剤の架橋性基は、好適には、マレイミド基、3−モノアルキルマレイミド基、3,4−ジアルキルマレイミド基、エポキシ基、ビニル基、アセチレン基、インデニル基、シンナメート基又はクマリン基、又は置換若しくは非置換マレイミド部分、エポキシド部分、ビニル部分、アセチレン部分、インデニル部分,シンナメート部分又はクマリン部分を含む基から選択される。
【0080】
極めて好適には、架橋剤は、式III1又は式III2
P−A’’X’−A’’−P III1
H
4−cC(A’’−P)
c III2
[式中、X’は、O、S、NH又は単結合であり、A’’は単結合であるか、又は(CZ
2)
n、(CH
2)
n−(CH=CH)
p−(CH
2)
n、(CH
2)
n−O−(CH
2)
n、(CH
2)
n−C
6Q
10−(CH
2)
n、及びC(O)(式中、各nは独立して0〜12の整数であり、pは1〜6の整数であり、Zは独立してH又はFであり、C
6Q
10は、Qにより置換されているシクロヘキシルであり、Qは、独立して、H、F、CH
3、CF
3、又はOCH
3であり、Pは架橋性基であり、及びcは2、3、又は4である)から選択される結合基、スペーサ基若しくは架橋基であり、式III1においてX’及び2つのA’’基のうちの少なくとも1つが単結合ではない]から選択される。
【0081】
Pは、好適には、マレイミド基、3−モノアルキルマレイミド基、3,4−ジアルキルマレイミド基、エポキシ基、ビニル基、アセチレン基、インデニル基、シンナメート基又はクマリン基から選択されるか、又は置換若しくは非置換マレイミド部分、エポキシド部分、ビニル部分、アセチレン部分、インデニル部分、シンナメート部分又はクマリン部分を含む。
【0082】
式III1の好適な化合物は、式C1:
【0084】
[式中、R
10及びR
11は、互いに独立してH又はC
1〜C
6アルキル基であり、A’’は、式III1に定義されるとおりである]から選択される。この発明の好適な一実施形態において、架橋剤は、DMMI−ブチル−DMMI、DMMI−ペンチル−DMMI及びDMMI−ヘキシル−DMMIから選択され、ここで「DMMI」は3,4−ジメチルマレイミドを意味する。
【0085】
スペーサ基A’’は、好適には、線状C
1〜C
30アルキレン又は分枝状C
3〜C
30
アルキレン又は環状C
5〜C
30アルキレンを表し、これらの各々は非置換型であるか、又はF、Cl、Br、I若しくはCNによる一置換型若しくは多置換型であり、ここで場合により1つ以上の非隣接CH
2基が、いずれの場合も互いに独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR
18−、−SiR
18R
19−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−OC(O)−O−、−S−C(O)−、−C(O)−S−、−CH=CH−又は−C≡C−により、O及び/又はS原子が互いに直接結合しない形で置き換えられており、R
18及びR
19は、互いに独立して、H、メチル、エチル又はC
3〜C
12線状又は分枝状アルキル基である。
【0086】
好適なA’’基は、−(CH
2)
r−、−(CH
2CH
2O)
s−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−S−CH
2CH
2−又は−CH
2CH
2−NH−CH
2CH
2−又は−(SiR
18R
19−O)
r−(式中、rは2〜12の整数であり、sは1、2又は3であり、R
18及びR
19は上記に提供した意味を有する)である。
【0087】
さらに好適なA’’基は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレン−チオエチレン、エチレン−N−メチル−イミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレン及びブテニレンから選択される。
【0088】
式C1のような架橋剤の合成は、例えば米国特許第3,622,321号明細書に開示されている。
別の好適な実施形態において、ポリマー組成物は、架橋性ポリシクロオレフィンポリマーと反応性定着剤とを含む。反応性定着剤は、バンク構造が上に提供される基板と相互作用、例えば化学結合することが可能な界面活性基である第1の官能基と、化学結合の形成を伴い、或いは伴わずに、ポリシクロオレフィンポリマーと相互作用することが、例えばポリシクロオレフィンポリマー中のペンダント架橋性基との架橋により可能な第2の官能基とを含む。定着剤は、特にフォトリソグラフィ法が用いられる場合に、バンク構造又はさらなる機能層を提供する際に使用され得る。
【0089】
好適には定着剤は、式IV
G
1−A’’−G
2 IV
[式中、G
1は界面活性基、好適にはシラン基又はシラザン基であり、A’’は単結合であるか又は好適には上記の式III1に定義されるとおりの、結合基、スペーサ基若しくは架橋基であり、G
2は、好適には上記の式III1に定義されるとおりの架橋性基であるか、又はG
2は、ポリシクロオレフィンポリマー用の非反応性相溶化基である]の化合物である。本明細書で使用されるとき、用語「相溶化」は、通常は不混和性であるポリマーの均一なブレンドの形成を促進する界面剤又は基を意味することが理解されるであろう。例えば、ポリシクロオレフィンポリマーがハロゲン化又はパーハロゲン化部分を含む場合(例えばモノマー15〜26)、相溶化基G
2は、ハロゲン化又はパーハロゲン化アルキル基、アリール基又はアラルキル基から選択されてもよい。
【0090】
G
1は、好適には、式−SiR
12R
13R
14の基、又は式−NH−SiR
12R
13R
14の基であり、式中、R
12、R
13及びR
14は、各々、ハロゲン、シラザン、C
1〜C
12アルコキシ、C
1〜C
12アルキルアミノ、場合により置換されているC
5〜C
20アリールオキシ及び場合により置換されているC
2〜C
20ヘテロアリールオキシから独立して選択され、式中、R
12、R
13及びR
14の1つ又は2つはまた、C
1〜C
12アルキル、場合により置換されているC
5〜C
20アリール又は場合により置換されているC
2〜C
20ヘテロアリールも表し得る。
【0091】
G
2は、好適には、マレイミド基、3−モノアルキルマレイミド基、3,4−ジアルキルマレイミド基、エポキシ基、ビニル基、アセチル基、インデニル基、シンナメート基又はクマリン基から選択される架橋性基であるか、又は置換又は非置換マレイミド部分、エポキシド部分、ビニル部分、アセチル部分、インデニル部分、シンナメート部分又はクマリン部分を含む。
【0092】
別の好適な実施形態において、G
2は、C
1〜C
11ハロゲン化若しくはパーハロゲン化アルキル、C
6〜C
14ハロゲン化若しくはパーハロゲン化アリール、又はハロゲン化若しくはパーハロゲン化C
7〜C
14アラルキルから選択され、より好適にはC
1〜C
11アルキル、C
6〜C
14アリール又はC
7〜C
14アラルキルであって、各々フッ素化又はパーフッ素化されているものから選択され、最適には−C
4F
9、−(CH
2)
b−C
6F
5、−CH
2C
6F
2、−CH
2−C
2F
5、−CH
2CH
2−C
4F
9、−CH
2−(CF
2)
3−CF
2H、−CH
2CF
2CF
2H、−C
7F
15又はCF
2CFHOC
3F
7(式中、bは1〜6の整数である)から選択される非反応性の相溶化基である。
【0093】
A’’は、好適には、(CZ
2)
n、(CH
2)
n−(CH=CH)
p−(CH
2)
n、(CH
2)
n−O、(CH
2)
n−O−(CH
2)
n、(CH
2)
n−C
6Q
4−(CH
2)
n、(CH
2)
n−C
6Q
10−(CH
2)
n及びC(O)−O(式中、各nは独立して0〜12の整数であり、pは1〜6の整数であり、Zは独立してH又はFであり、C
6Q
4は、Qにより置換されているフェニルであり、C
6Q
10は、Qにより置換されているシクロヘキシルであり、Qは、独立して、H、F、CH
3、CF
3又はOCH
3である)から選択される。
【0096】
[式中、R
12、R
13、R
14、及びA’’は上記に定義するとおりであり、R
10及びR
11は、各々独立して、H又はC
1〜C
6アルキル基である]から選択される。特に、DMMI−プロピル−Si(OEt)
3、DMMI−ブチル−Si(OEt)
3、DMMI−ブチル−Si(OMe)
3、DMMI−ヘキシル−Si(OMe)
3(式中、「DMMI」は3,4−ジメチルマレイミドを意味する)が好適である。
【0097】
前述のポリマー及びポリマー組成物は、有機電子デバイスにおけるバンク構造の形成に使用される。本発明のバンク構造は、多種多様な有機電子OEデバイス、特にOFET及びOLEDにおいて使用することができ、ここでバンク構造は、典型的には電極の周囲(OFETにおいて)又は電極上(OLEDにおいて)に位置する。
【0098】
ポリシクロオレフィンポリマーを含むバンク構造は、OEデバイス、特にOFET及びOLEDを、高い時間効率、費用効率及び材料効率で、有機半導体(OSC)材料及び有機誘電体材料を用いて大規模に生産することを可能にする。
【0099】
有利には、本発明のバンク構造は単層構造として適用され得る。従って、本発明における好適な実施形態において、バンク構造は、上記及び下記に説明するとおりポリシクロオレフィンポリマー又はポリシクロオレフィンポリマーブレンドを含む単層として形成される。
【0100】
さらに有利には、本発明におけるバンク構造で使用されるポリシクロオレフィンポリマーは、限られた加工性及び有機溶媒に対する限られた溶解性などの、これまでに公知のバンク構造材料に認められている欠点を解消するように調整することができる。従って、ポリシクロオレフィンポリマーは、有機溶媒に対するその溶解性などのポリマー特性の優れた調整自在性を示し、疎水性及び紫外線感光性の両方を組み合わせた柔軟な材料設計を可能にする。詳細には、ポリシクロオレフィンポリマーは、フッ素化されていない環境に無害な溶媒から加工可能であり、紫外線硬化法により架橋することができ、及びインクジェット印刷又はフレキソ印刷などの標準的な方法で堆積させることができる。
【0101】
従って、本発明における好適な実施形態において、バンク構造は、フッ素化基で表される疎水性部分と、ペンダント架橋性基で表される紫外線感光性部分とを含むポリシクロオレフィンポリマーを含む。
【0102】
本発明におけるバンク構造はアディティブ加工法によって、例えば、インクジェット印刷、フレキソ印刷又はグラビア印刷などの印刷技術を使用してポリマー溶液からバンク構造を印刷し、続いて溶媒を除去し、場合によりポリマーを例えば紫外線露光により硬化させることにより提供されてもよい。
【0103】
或いは本発明におけるバンク構造はサブトラクティブ加工法によって、例えばフォトリソグラフィ式の加工法により提供されてもよい。例えば、スピンコーティング及び乾燥後、ネガ型レジストのように塗膜材料を紫外線に露光し、次に溶媒で現像するとパターニング構造が得られ、次にこれを紫外線露光によりさらに硬化させて架橋を増加させることができる。
【0104】
本発明の好適な実施形態において、ポリシクロオレフィンポリマーを含むバンク構造は、有機電子デバイスにおいて、1つ以上の電極、例えばOFETにおけるソース電極及びドレイン電極の上に重なり、且つ例えば有機半導体層などの機能層を堆積させるウェル又はウェルのパターンを画成し、従ってバンク構造が前記電極及び前記機能層と接触するように提供される。例えば、ソース電極及びドレイン電極(これらは離間されていて、間に位置するチャネル領域を画成する)を含むOFETでは、バンク構造がソース電極及びドレイン電極の上に重ねて堆積され、チャネル領域にわたって延在するウェルがバンク構造により画成されるようにしてパターニングされる。チャネル領域には有機半導体層が提供され、従ってバンク構造はソース電極及びドレイン電極並びに有機半導体層と接触する。
【0105】
本発明における好適な実施形態は、バンク構造を提供する方法に関し、この方法は以下の工程を含む:バンク構造材料の溶液を基板上にスピンコートするか又は他の方法で堆積させて薄膜を形成する。次にマスクアライナを使用し、フォトマスクを介して薄膜を紫外線に露光させる。次に薄膜を現像して露光したバンク構造材料のパターンを残し、有機溶媒で洗浄して未硬化の材料を除去し、乾燥させる。次にバンク構造材料に紫外線をフラッド照射する。
【0106】
本発明における別の好適な実施形態は、上記及び下記に記載するとおりのポリシクロオレフィンポリマー又はポリマー組成物を含む、又はそれを使用することにより得られる有機電子デバイスに関する。かかる有機電子デバイスには、とりわけ、有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機薄膜トランジスタ(OTFT)(トップゲート型又はボトムゲ
ート型トランジスタであってよい)、有機発光ダイオード(OLED)又は有機光起電力(OPV)デバイスが含まれる。例えば、本発明におけるポリマー又はポリマー組成物を使用して作製されるボトムゲート型及びトップゲート型トランジスタを、
図1及び
図2に概略的に示す。
【0107】
ここで
図1を見ると、本発明の好適な実施形態におけるボトムゲート型FETデバイスの概略簡略図が提供される。かかるFETデバイスは、基板(1)と、ゲート電極(2)と、ゲート絶縁体として働く誘電体層(3)と、離間されていて間にチャネル領域(7)が位置するソース電極及びドレイン電極(4)と、チャネル領域(7)にわたって延在するウェル(8)を画成するようにパターニングされる第1及び第2のバンク構造(5a、5b)と、チャネル領域(7)に提供されるOSC層(6)とを含み、ここでバンク構造(5a、5b)は、上記及び下記に記載するとおりのポリシクロオレフィンポリマー又はポリマー組成物から得られる。
【0108】
本発明の別の実施形態は、以下による、例えば
図1に示すとおりのボトムゲート型FETデバイスの作製方法に関する
a)図示されるとおり基板(1)上にゲート電極(2)を形成する工程、
b)ゲート電極(2)上に誘電体材料の層(3)を堆積させる工程、
c)誘電体層(3)上にソース電極及びドレイン電極(4)を、それらが離間されていて間にチャネル領域(7)が位置するように形成する工程、
d)ポリシクロオレフィンポリマーを含むか、又はポリシクロオレフィンポリマーを含むポリマー組成物を含むバンク構造材料をソース電極及びドレイン電極(4)上に堆積させることによりバンク構造(5a、5b)を形成する工程であって、それによりチャネル領域(7)にわたって延在するウェル(8)を画成する工程、
e)バンク構造(5a、5b)により形成されたウェル(8)内且つソース電極及びドレイン電極(4)上に半導体材料の層(6)を堆積させる工程。
【0109】
ここで
図2を見ると、本発明の別の好適な実施形態におけるトップゲート型FETデバイスの概略簡略図が提供される。かかるFETデバイスは、基板(1)と、離間されていて間にチャネル領域(図示せず)が位置するソース電極及びドレイン電極(4)と、チャネル領域にわたって延在するウェル(8)を画成するようにパターニングされる第1及び第2のバンク構造(5a、5b)と、チャネル領域(7)に提供されるOSC層(6)と、ゲート絶縁体として働く誘電体層(3)と、ゲート電極(2)とを含み、ここでバンク構造(5a、5b)は、上記及び下記に記載するとおりのポリシクロオレフィンポリマー又はポリマー組成物から得られる。
【0110】
本発明の別の実施形態は、以下による、例えば
図2に示すとおりのトップゲート型FETデバイスの作製方法に関する
a)基板(1)上にソース電極及びドレイン電極(4)を、それらが離間されていて間にチャネル領域が位置するように形成する工程、
b)ポリシクロオレフィンポリマー又はポリシクロオレフィンポリマーを含むポリマー組成物を含むバンク構造材料をソース電極及びドレイン電極(4)上に堆積させることによりバンク構造(5a、5b)を形成する工程であって、それによりチャネル領域にわたって延在するウェル(8)を画成する工程、
c)バンク構造(5a、5b)により形成されたウェル(8)内且つソース電極及びドレイン電極(4)上に半導体材料の層(6)を堆積させる工程、
d)半導体層(6)上に誘電体材料の層(3)を堆積させる工程、
e)誘電体層(3)上にゲート電極(2)を形成する工程。
【0111】
電極(2、4)は、例えば、スパッタリング法によって基板又は誘電体層(3)上に設
けられ、エッチング及び/又はリソグラフィパターニングによりパターニングすることができる。バンク構造(5a、5b)は例えば印刷法で溶液加工し、乾燥させて任意選択で硬化させることにより所望の形状に設けることができ、又はリソグラフィ法により所望の形状に設けてパターニングすることができる。OSC層(6)及び誘電体層(3)は、コーティング又は印刷法により設けることができる。
【0112】
ポリシクロオレフィンポリマーの堆積に用いられる溶媒は、バンク構造上又はその間に有機半導体を堆積させる前に、又はパターニング工程が含まれる場合には、バンク構造の前記パターニングの前に取り除かれる。
【0113】
本発明における好適な実施形態において、FET及びOFETの層及び構造の堆積及び/又は形成は溶液加工技法を用いて実施され、ここでかかる技法は可能である。例えば材料の配合物又は組成物、典型的には1つ以上の有機溶媒を含む溶液を、好適な技法を用いて堆積させ又は形成することができ、そのような技法には、限定はされないが、ディップコーティング、スロットダイコーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、ドクターブレードコーティング、ローラ印刷、リバースローラ印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、ウェブ印刷、スプレーコーティング、ブラシコーティング、又はパッド印刷と、続くかかる溶液の形成に用いられた溶媒の蒸発が含まれる。例えば、有機半導体材料、バンク構造材料及び有機誘電体材料は、各々、形成されるデバイスに適切な順序でのスピンコーティング、フレキソ印刷、及びインクジェット印刷技法によって堆積させ又は形成することができる。
【0114】
本発明における好適な実施形態において、ポリマー組成物は、1つ以上のポリシクロオレフィンポリマーに加えて、キャスト溶媒又は印刷溶媒と、場合により、架橋剤、定着剤、反応性溶媒、安定化剤、紫外線増感剤、及び熱増感剤から選択される1つ以上の添加剤とを含む。
【0115】
溶媒は好適には、限定はされないが、有機ケトン、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メチルn−アミルケトン(2−ヘプタノン、MAK)、デカノン、3−デカノン、シクロヘキサノン、及びエーテル類、例えば、ブチルフェニルエーテル、4−メチルアニソール及び芳香族炭化水素、例えば、シクロヘキシルベンゼン、又はこれらの混合物から選択される。好適には、溶媒中におけるバンク構造材料の濃度は1〜30wt.%であり、しかしながら他の濃度もまた適し得る。高沸点の有機ケトン溶媒は、インクジェット印刷及びフレキソ印刷技法が用いられる場合に特に好適な溶媒であることが分かっている。
【0116】
本発明におけるOFETの実施形態は、好適には、国際公開第03/052841号パンフレットに開示されるとおりの3.0以下の誘電率(ε)を有する(「低k誘電体」)誘電体材料(「ゲート誘電体」)からなるゲート誘電体層(3)を用いる。一部の好適な実施形態において、εは1.3〜3.0の範囲にあり、好適には1.7〜3.0が適切であることが分かっているが、他の好適な実施形態では2.0〜3.0の範囲が適切である。本発明におけるさらに他の好適なOFETの実施形態では、2.5〜3.0又は2.0〜2.6の誘電率範囲が適切であることが分かっている。
【0117】
上記に記載したとおり、ゲート誘電体層に低kゲート誘電体材料を用いる、本発明における好適なOFETの実施形態において、かかる材料は、典型的には有機フッ素化ポリマーである。好適なフッ素化ポリマーとしては、例えば、市販のサイトップ(CYTOP)(商標)シリーズ(旭硝子)、テフロンAF(Teflon AF)(登録商標)シリーズ(デュポン(DuPont))又はハイフロンAD(Hyflon AD)(登録商標)シリーズ(ソルベイ(Solvay)製)からのものなどの高溶解性全フッ素化ポリマーが挙げられる。サイトップ(CYTOP)ポリマーについては、「モダン・フルオロプ
ラスティックス(Modern Fluoroplastics)」、編者ジョン・シェリス(John Scheris)、ジョン・ワイリー・アンド・サンズリミテッド(John Wiley&Sons Ltd.)、1997年、章:「環化重合により得られる全フッ素化ポリマー(Perfluoropolymers Obtained by
Cyclopolymerisation)」、N.スギヤマ(N.Sugiyama)著、541ff頁に記載されている。テフロンAF(Teflon AF)については、「モダン・フルオロプラスティックス(Modern Fluoroplastics)」、編者ジョン・シェリス(John Scheris)、ジョン・ワイリー・アンド・サンズリミテッド(John Wiley&Sons Ltd.)、1997年、章:「テフロンAFアモルファスフッ素化ポリマー(Teflon AF amorphous fluoropolymers)」、P.R.レスニク(P.R.Resnick)著、397ff頁に記載されている。ハイフロンAD(Hyflon AD)については、「高性能全フッ素化ポリマーフィルム及び膜(High Performance Perfluoropolymer Films and Membranes)」、V.アルセラ(V.Arcella)ら、ニューヨーク科学アカデミー年報(Ann.N.Y.Acad.Sci.)、第984巻、226〜244頁(2003年)に記載されている。
【0118】
基板、ゲート電極並びにソース及びドレイン電極などの、電子デバイスの他の構成要素又は機能層は、標準的な材料から選択することができ、標準的な方法により製造してデバイスに加え得る。これらの構成要素及び層に好適な材料及び製造方法は、当業者に公知であり、文献に記載されている。例示的な堆積方法としては、既述の液体コーティング方法並びに化学蒸着法(CVD)又は物理蒸着法が挙げられる。
【0119】
概して、機能層、例えばゲート誘電体層又は半導体層の厚さは、本発明に係る一部の好適な電子デバイスの実施形態において0.001(単分子層の場合)〜10μmであり;他の好適な実施形態ではかかる厚さは0.001〜1μmの範囲であり、さらに他の好適な実施形態では5nm〜500nmであるが、他の厚さ又は厚さ範囲が企図され、従って本発明の範囲内にある。
【0120】
本発明の電子デバイスの実施形態の作製には、種々の基板を使用し得る。例えばガラス又はポリマー材料が、ほとんどの場合に使用される。好適なポリマー材料としては、限定はされないが、アルキド樹脂、アリルエステル、ベンゾシクロブテン、ブタジエン−スチレン、セルロース、酢酸セルロース、エポキシド、エポキシポリマー、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ガラス繊維強化プラスチック、フルオロカーボンポリマー、ヘキサフルオロプロピレンビニリデン−フルオライド共重合体、高密度ポリエチレン、パリレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラミド、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリケトン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリシクロオレフィン、シリコーンゴム、及びシリコーンが挙げられ、ここではポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン及びポリエチレンナフタレート材料が最適であることが分かっている。加えて、本発明の一部の実施形態については、基板は、上記に列挙した材料の1つ以上で被覆された任意の好適な材料、例えばプラスチック、金属又はガラス材料であってよい。かかる基板の形成において、デバイス作製用に均一な表面を提供し、並びに有機半導体材料の事前の位置合わせを提供してその材料のキャリア移動度を増進させるため、押出し、延伸、ラビング又は光化学的技法などの方法が用いられ得ることは理解されるであろう。
【0121】
本発明におけるOFETデバイスの実施形態のゲート電極、ソース電極及びドレイン電
極は、スプレー、ディップ、ウェブ又はスピンコーティングなどの液体コーティングによるか、又は限定はされないが物理蒸着(PVD)法、化学蒸着(CVD)法又は熱蒸着法を含む真空蒸着法により、堆積させ、又は形成することができる。好適な電極材料及び堆積方法は当業者に公知である。好適な電極材料としては、限定なしに、無機若しくは有機材料、又はこれらの2つの複合材料が挙げられる。例示的電極材料としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)又はドープ共役ポリマー、さらにグラファイト又はAu、Ag、Cu、Al、Niなどの金属の粒子又はこれらの混合物の分散体又はペースト、並びにスパッタ被覆又は蒸発した金属、例えばCu、Cr、Pt/Pd、Ag、Au又は金属酸化物、例えばインジウムスズ酸化物(ITO)FドープITO又はAlドープZnOが挙げられる。有機金属前駆体もまた使用することができ、液相から堆積させ得る。
【0122】
有機半導体(OSC)層はn型又はp型OSCであってよく、これはPVD法、CVD法又は溶液堆積法により堆積させることができる。効果的なOSCは、1×10
−5cm
2V
−1s
−1より高いFET移動度を呈する。
【0123】
本発明におけるOSCの実施形態は、OSCが活性チャネル材料として使用されるOFETであっても、OSCが電荷担体材料として使用されるOPVデバイスであっても、或いはOSCがかかるダイオードの層要素である有機整流ダイオード(ORD)であってもよい。かかる実施形態のOSCは、これまでに考察した堆積方法のいずれによっても堆積させることができ、しかしながら一般にはブランケット層として堆積又は形成されるため、溶媒被覆法、例えばスプレー、ディップ、ウェブ又はスピンコーティング、又は印刷法、例えばインクジェット印刷、フレキソ印刷又はグラビア印刷が典型的には用いられ、周囲温度での加工を可能にする。しかしながら、OSCは、任意の液体コーティング技法、例えばインクジェット堆積によるか、又はPVD若しくはCVD技法を用いて堆積させてもよい。
【0124】
一部の好適なOFETの実施形態について、形成される半導体層は、同種又は異種の半導体の2つ以上の複合材料であってもよい。例えば、p型OSC材料を例えばn型材料と混合することにより、層のドーピング効果を実現してもよい。本発明の一部の好適な実施形態では、多層半導体層が用いられる。例えばゲート誘電体界面の近傍に真性半導体層を堆積させることができ、且つかかる真性層に隣接して高ドープ領域をさらに成膜させることができる。
【0125】
本発明における電子デバイスの実施形態に用いられるOSC材料は、任意の共役分子であってよく、例えば、好適には2つ以上の芳香環、極めて好適には少なくとも3つの芳香環を含む芳香族分子であってよい。本発明の一部の好適な実施形態において、OSCは、5員、6員又は7員芳香族環から選択される芳香環を含有し、一方、他の好適な実施形態では、OSCは、5員又は6員芳香環から選択される芳香環を含有する。OSC材料は、モノマー、オリゴマー又はポリマーの1つ以上の混合物、分散体及びブレンドを含めた、モノマー、オリゴマー又はポリマーであってもよい。
【0126】
OSCの芳香環の各々は、場合により、Se、Te、P、Si、B、As、N、O又はS、概してN、O又はSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する。さらに、芳香環は、場合により、アルキル、アルコキシ、ポリアルコキシ、チオアルキル、アシル、アリール又は置換アリール基、ハロゲン、ここではフッ素、シアノ、ニトロ、又は場合により置換されている第2級又は第3級アルキルアミン又はアリールアミン(−N(R
15)(R
16)によって表され、式中、R
15及びR
16は、各々独立して、H、場合により置換されているアルキル又は場合により置換されているアリールである)により置換されていてもよく、典型的にはアルコキシ基又はポリアルコキシ基が用いられる。さらに、R
15及びR
16がアルキル又はアリールである場合、これらは場合によりフッ素化されていてもよい。
【0127】
前述の芳香環は、縮合環であるか、又は共役連結基、例えば、−C(T
1)=C(T
2)−、−C≡C−、−N(R’’’)−、−N=N−、(R’’’)=N−、−N=C(R’’’)−(式中、T
1及びT
2は、各々独立して、H、Cl、F、−C≡N又は低級アルキル基、例えばC
1〜4アルキル基などを表し;R’’’は、H、場合により置換されているアルキル又は場合により置換されているアリールを表す)などにより連結されていてもよい。さらに、R’’’がアルキル又はアリールである場合、それはフッ素化されていてもよい。
【0128】
本発明の一部の好適なOEデバイスの実施形態において、使用することのできるOSC材料には、共役炭化水素ポリマー、例えば、ポリアセン、ポリフェニレン、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリフルオレン(これらの共役炭化水素ポリマーのオリゴマーを含む);縮合芳香族炭化水素、例えば、テトラセン、クリセン、ペンタセン、ピレン、ペリレン、コロネン、又はこれらの可溶性置換誘導体;オリゴマーパラ置換フェニレン、例えば、p−クアテルフェニル(p−4P)、p−キンクフェニル(p−5P)、p−セクシフェニル(p−6P)、又はこれらの可溶性置換誘導体;共役複素環ポリマー、例えば、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、場合により置換されているポリチエノ[2,3−b]チオフェン、場合により置換されているポリチエノ[3,2−b]チオフェン、ポリ(3−置換セレノフェン)、ポリベンゾチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)、ポリフラン、ポリピリジン、ポリ−1,3,4−オキサジアゾール、ポリ(N−置換アニリン)、ポリ(2−置換アニリン)、ポリ(3−置換アニリン)、ポリ(2,3−二置換アニリン)、ポリアズレン、ポリピレン;ピラゾリン化合物;ポリセレノフェン;ポリベンゾフラン;ポリインドール;ポリピリダジン;ベンジジン化合物;スチルベン化合物;トリアジン;置換無金属(metallo−free)又は無金属(metal−free)ポルフィン、フタロシアニン、フルオロフタロシアニン、ナフタロシアニン又はフルオロナフタロシアニン;C
60及びC
70フラーレン;N,N’−ジアルキル、置換ジアルキル、ジアリール又は置換ジアリール−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド及びフルオロ誘導体;N,N’−ジアルキル、置換ジアルキル、ジアリール又は置換ジアリール3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド;バソフェナントロリン;ジフェノキノン;1,3,4−オキサジアゾール;11,11,12,12−テトラシアノナフト−2,6−キノジメタン;α,α’−ビス(ジチエノ[3,2−b2’,3’−d]チオフェン);2,8−ジアルキル、置換ジアルキル、ジアリール又は置換ジアリールアントラジチオフェン;2,2’−ビベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンからなる群から選択される化合物、オリゴマー及び化合物の誘導体が含まれる。OSCの液相成長技法が望ましい場合、上記リストの化合物及びそれらの誘導体は、適切な溶媒又は適切な溶媒の混合物に可溶性であるものに限られる。
【0129】
さらに、本発明における一部の好適な実施形態では、OSC材料は、チオフェン−2,5−ジイル、3−置換チオフェン−2,5−ジイル、場合により置換されているチエノ[2,3−b]チオフェン−2,5−ジイル、場合により置換されているチエノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、セレノフェン−2,5−ジイル、又は3−置換セレノフェン−2,5−ジイルから選択される1つ以上の繰り返し単位を含むポリマー又はコポリマーである。
【0130】
さらに好適なp型OSCは、電子受容体及び電子供与体単位を含むコポリマーである。この好適な実施形態の好適なコポリマーは、例えば、好適には上記に定義するとおりの1つ以上のR基により4,8−二置換されている1つ以上のベンゾ[1,2−b:4,5−
b’]ジチオフェン−2,5−ジイル単位を含み、且つA群及びB群から選択される1つ以上のアリール単位又はヘテロアリール単位をさらに含む、好適にはA群の少なくとも1つの単位とB群の少なくとも1つ単位とを含むコポリマーであり、ここでA群は、電子供与体特性を有するアリール基又はヘテロアリール基からなり、B群は、電子受容体特性を有するアリール基又はヘテロアリール基からなり、及び好適には、
A群は、セレノフェン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、チエノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、チエノ[2,3−b]チオフェン−2,5−ジイル、セレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,5−ジイル、セレノフェノ[2,3−b]セレノフェン−2,5−ジイル、セレノフェノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、セレノフェノ[2,3−b]チオフェン−2,5−ジイル、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル、2,2−ジチオフェン、2,2−ジセレノフェン、ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]シロール−5,5−ジイル、4H−シクロペンタ[2,1−b:3,4−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル、2,7−ジ−チエン−2−イル−カルバゾール、2,7−ジ−チエン−2−イル−フルオレン、インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン−2,7−ジイル、ベンゾ[1’’,2’’:4,5;4’’,5’’:4’,5’]ビス(シロロ[3,2−b:3’,2’−b’]チオフェン)−2,7−ジイル、2,7−ジ−チエン−2−イル−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン、2,7−ジ−チエン−2−イル−ベンゾ[1’’,2’’:4,5;4’’,5’’:4’,5’]ビス(シロロ[3,2−b:3’,2’−b’]チオフェン)−2,7−ジイル、及び2,7−ジ−チエン−2−イル−フェナントロ[1,10,9,8−c,d,e,f,g]カルバゾール(これらは全て、上記に定義するとおりの1つ以上、好適には1つ又は2つのR基により場合により置換されている)からなり、及び
B群は、ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,7−ジイル、5,6−ジアルキル−ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,7−ジイル、5,6−ジアルコキシベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,7−ジイル、ベンゾ[2,1,3]セレナジアゾール−4,7−ジイル、5,6−ジアルコキシ−ベンゾ[2,1,3]セレナジアゾール−4,7−ジイル、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−4,7,ジイル、ベンゾ[1,2,5]セレナジアゾール−4,7,ジイル、ベンゾ[2,1,3]オキサジアゾール−4,7−ジイル、5,6−ジアルコキシベンゾ[2,1,3]オキサジアゾール−4,7−ジイル、2H−ベンゾトリアゾール−4,7−ジイル、2,3−ジシアノ−1,4−フェニレン、2,5−ジシアノ,1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ(difluro)−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン、3,4−ジフルオロチオフェン−2,5−ジイル、チエノ[3,4−b]ピラジン−2,5−ジイル、キノキサリン−5,8−ジイル、チエノ[3,4−b]チオフェン−4,6−ジイル、チエノ[3,4−b]チオフェン−6,4−ジイル、及び3,6−ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(これらは全て、上記に定義するとおりの1つ以上、好適には1つ又は2つのR基により場合により置換されている)からなる。
【0131】
本発明の他の好適な実施形態において、OSC材料は、置換オリゴアセン、例えば、ペンタセン、テトラセン又はアントラセン、又はその複素環誘導体である。例えば、米国特許第6,690,029号明細書又は国際公開第2005/055248 A1号パンフレット又は米国特許第7,385,221号明細書に開示されるとおりの、ビス(トリアルキルシリルエチニル)オリゴアセン又はビス(トリアルキルシリルエチニル)ヘテロアセンもまた有用である。
【0132】
例えば国際公開第2005/055248 A1号パンフレットに記載されるとおり、レオロジー特性を調節することが適切な場合、及びその必要に応じて、本発明の一部の実施形態は、1つ以上の有機バインダーを含むOSC組成物を用いる。
【0133】
典型的にはポリマーであるバインダーは、絶縁バインダー又は半導体バインダーのいずれか、又はこれらの混合物を含むことができ、本明細書では有機バインダー、ポリマーバインダー、又は単にバインダーと称され得る。
【0134】
本発明に係る好適なバインダーは、低誘電率の材料、すなわち3.3以下の誘電率εを有する材料である。有機バインダーは、好適には3.0以下、より好適には2.9以下の誘電率εを有する。好適には有機バインダーは、1.7以上の誘電率εを有する。バインダーの誘電率は2.0〜2.9の範囲であることが、特に好適である。いかなる特定の理論による拘束も望むものではないが、誘電率εが3.3より高いバインダーの使用は、電子デバイス、例えばOFETにおけるOSC層移動度の低下につながり得ると考えられる。加えて、高誘電率バインダーはデバイスの電流ヒステリシスの増加ももたらし得るが、これは望ましくない。
【0135】
好適な有機バインダーの例には、ポリスチレン、又はスチレン及びα−メチルスチレンのポリマー若しくはコポリマーが含まれ、又はスチレン、α−メチルスチレン及びブタジエンを含むコポリマーが、好適に用いられ得る。好適なバインダーのさらなる例は、例えば米国特許出願公開第2007/0102696 A1号明細書に開示されている。
【0136】
ある種の好適な実施形態において、有機バインダーは、原子の少なくとも95%、極めて好適には原子の少なくとも98%、最適には原子の全てが水素原子、フッ素原子及び炭素原子から選択されるものである。
【0137】
バインダーは、好適にはフィルム、より好適にはフレキシブルフィルムの形成が可能である。
バインダーはまた、架橋性バインダー、例えば、アクリレート、エポキシ、ビニルエーテル、及びチオレンから選択されてもよく、好適には十分に低い誘電率、極めて好適には3.3以下の誘電率を有する。バインダーはまた、メソゲン結晶又は液晶であってもよい。
【0138】
別の好適な実施形態において、バインダーは半導体バインダーであり、これは共役結合、特に共役二重結合及び/又は芳香環を含む。好適なバインダーは、例えば、米国特許第6,630,566号明細書に例えば開示されるとおりのポリトリアリールアミンである。
【0139】
バインダーとOSCとの比率は、典型的には20:1〜1:20(重量単位)、好適には10:1〜1:10、より好適には5:1〜1:5、さらにより好適には3:1〜1:3、さらに好適には2:1〜1:2及び特に1:1である。バインダー中における式Iの化合物の希釈は、電荷移動度に対して有害な作用をほとんど又は全く有しないことが分かっており、これは先行技術から予想されたものと対照的である。
【0140】
文脈上特に明確に指示されない限り、本明細書で使用されるとき、本明細書における用語の複数形は単数形を含むものと解釈されるべきであり、逆もまた同様である。
本発明の前述の実施形態に変形を加えることができ、それでもなお本発明の範囲内に含まれることは理解されるであろう。本明細書に開示される各特徴は、特に明記しない限り、同じ、均等な又は類似の目的を果たす代替的な特徴に置き換えることができる。従って、特に明記しない限り、開示される各特徴は、包括的な一連の均等な又は類似の特徴のうちの一例に過ぎない。
【0141】
本明細書に開示される特徴は全て、かかる特徴及び/又は工程の少なくとも一部が相互
排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせることができる。詳細には、本発明の特徴は、本発明の全ての態様に適用可能であり、任意の組み合わせで用いられ得る。同様に、不可欠でない組み合わせに記載される特徴が、(組み合わせで用いるのでなく)別々に用いられてもよい。
【0142】
ここで本発明を、以下の例を参照してさらに詳細に説明する。これらの例は例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
上記及び下記で、特に明記しない限り、百分率は重量パーセントであり、温度はセ氏温度(℃)で示す。比誘電率ε(「誘電率」)の値は、20℃及び1,000Hzで取った値を指す。
(実施例)
実施例1〜3:ボトムゲート型有機トランジスタデバイスにおけるバンク構造ポリマー
コーニングイーグルXG(Eagle XG)ガラスの基板を、3%デコン90(Decon90)中70℃で30分間超音波処理し、水で2回洗浄し、MeOH中で超音波処理し、次にスピンコータでスピン液切りすることにより乾燥させる。次にシャドウマスクを介して基板上に30nmアルミニウム層を熱蒸着させることにより、ゲート電極を形成する。リシコンD207(Lisicon D207)(登録商標)誘電体を塗布し、説明(メルク・カー・ゲー・アー・アー(Merck KGaA)、独国ダルムシュタットから入手可能)に従い処理する。次に、ゲート電極及び誘電体を有するこの基板を、それぞれ以下の実施例1、2又は3に記載するとおりのボトムゲート型OFETデバイスの作製に以降使用する。
実施例1
30nm厚さの銀ソース電極及びドレイン電極を、シャドウマスクを介して基板上に熱蒸着させて、長さL=50μm及び幅W=1000μmのチャネルを作成する。
【0143】
次に、NBC
4F
9とDMMIBuNBとのコポリマー、コモノマーの比52/48、Mw83,400のMAK中15%溶液を基板上に1500rpmでスピン塗布し、厚さ500nmの膜を作成する。
【0144】
次に基板を、カールズース(KarlSuss)マスクアライナを使用して、マスクを介して365nmで8秒間照射する。膜のうち露光されない部分は、
図3に概略的に示すとおり、ソース/ドレイン電極の位置に対して位置付けられる直径1.1mmの円の形状を有する。
【0145】
次にパターンを混合液THF−IPA(1:1)中で1分間現像し、IPAで洗浄し、スピン乾燥法により乾燥させる。次に基板を365nmで1分間フラッド照射(11mW/cm
2)する。
【0146】
バンク構造を作成した後、基板を表面処理配合物リシコンM001(Lisicon M001)(登録商標)(メルク・カー・ゲー・アー・アー)で1分間処理し、イソプロピルアルコールで洗浄し、スピンコータでスピン液切りすることにより乾燥させる。次に、OSC配合物リシコンS1200(Lisicon S1200)(登録商標)(メルク・カー・ゲー・アー・アー)を、上記の処理後の基板上にスピン塗布し、次に100℃のホットプレートで1分間アニールする。
【0147】
ボトムゲート型OFETデバイスの伝達特性を
図5に示す。オフ状態のドレイン電流が極めて低いことが見て分かる。
実施例2
NBC
4F
9とDMMIBuNBとのコポリマー、コモノマーの比36/64、Mw118,000のMAK中の15%溶液を基板上に1500rpmでスピン塗布し、厚さ5
00nmの膜を作成する。
【0148】
次に基板を、カールズースマスクアライナを使用して、マスクを介して365nmで8秒間照射する。膜のうち露光されない部分は、
図3に概略的に示すとおり、ソース/ドレイン電極の位置に対して位置付けられる直径1.1mmの円の形状を有する。
【0149】
次にパターンを混合液THF−IPA(1:1)中で1分間現像し、IPAで洗浄し、スピン乾燥法により乾燥させる。次に基板を365nmで1分間フラッド照射(11mW/cm
2)する。
【0150】
バンク構造を作成した後、30nm厚さの銀ソース電極及びドレイン電極を、シャドウマスクを介して基板上に熱蒸着させて、長さL=50μm及び幅W=1000μmのチャネルを作成する。
【0151】
次に基板を表面処理配合物リシコンM001(Lisicon M001)(登録商標)で1分間処理し、イソプロピルアルコールで洗浄し、スピンコータでスピン液切りすることにより乾燥させる。次に、OSC配合物リシコンS1200(Lisicon S1200)(登録商標)を、上記の処理後の基板上にスピン塗布し、次に100℃のホットプレートで1分間アニールする。
【0152】
ボトムゲート型OFETデバイスの伝達特性を
図6に示す。オフ状態のドレイン電流が極めて低いことが見て分かる。
実施例3
30nm厚さの銀ソース電極及びドレイン電極を、シャドウマスクを介して基板上に熱蒸着させて、長さL=50μm及び幅W=1000μmのチャネルを作成する。
【0153】
NBC
4F
9とDMMIBuNBとのコポリマー、コモノマーの比36/64、Mw118,000のデカノン中7.5%溶液を、ダイマティックス(Diamatix)インクジェットプリンタを使用して50℃基板に加熱した基板上にインクジェット塗布し、
図4に概略的に示すとおりのソース/ドレイン電極の位置に対するパターンを作成する。次に基板を365nmで1分間フラッド照射(11mW/cm
2)する。
【0154】
バンク構造を作成した後、OSC配合物リシコンS1200(Lisicon S1200)(登録商標)を、上記の処理後の基板上にスピン塗布し、次に100℃のホットプレートで1分間アニールする。
【0155】
ボトムゲート型OFETデバイスの伝達特性を
図7に示す。オフ状態のドレイン電流が極めて低いことが見て分かる。
比較例1
ボトムゲート型OFETデバイスを、実施例1に記載されるとおり、但しバンク構造は含まず作製する。
【0156】
ボトムゲート型OFETデバイスの伝達特性を
図8に示す。バンク構造を設けたデバイスと比べてオフ状態のドレイン電流が著しく高いことが見て分かる。
実施例4:トップゲート型有機トランジスタデバイスにおけるバンク構造ポリマー
トップゲート型OFETを以下のとおり作製する。コーニング1737ガラスの基板を、3%デコン90(Decon90)中70℃で30分間超音波処理し、水で2回洗浄し、MeOH中で超音波処理し、次にスピンコータでスピン液切りすることにより乾燥させる。30nm厚さの金ソース電極及びドレイン電極を、シャドウマスクを介して基板上に熱蒸着させて、L=50μm及びW=1000μmのチャネルを形成する。基板を表面処
理配合物リシコンM001(Lisicon M001)(登録商標)で1分間処理し、イソプロピルアルコールで洗浄し、スピンコータでスピン液切りすることにより乾燥させる。
【0157】
NBC
4F
9とDMMIBuNBとのコポリマー、コモノマーの比44/56、M
w83,200のMAK中15%溶液を1500rpmでスピン塗布し、厚さ500nmの膜を作成する。
【0158】
次に基板を、カールズース(KarlSuss)マスクアライナを使用して、マスクを介して365nmで1秒間照射する。膜のうち露光されない部分は、
図3に概略的に示すとおり、ソース/ドレイン電極の位置に対して位置付けられる直径1.1mmの円の形状を有する。
【0159】
次にパターンをシクロヘキサノン中で1分間現像し、IPAで洗浄し、スピン乾燥法により乾燥させる。
バンク構造を作成した後、OSC配合物リシコンS1200(Lisicon S1200)(登録商標)を基板上にスピン塗布し、次に100℃のホットプレートで1分間アニールする。次にリシコンD139(Lisicon D139)誘電体(メルク・カー・ゲー・アー・アー)をスピン塗布し、100℃のホットプレートで2分間アニールする。次に銀を、ゲート電極としてシャドウマスクを使用して蒸着させる。
【0160】
ボトムゲート型OFETデバイスの伝達特性を
図9に示す。オフ状態のドレイン電流が極めて低いことが見て分かる。
比較例2
トップゲート型OFETデバイスを、実施例4に記載されるとおり、但しバンク構造は含まず作製する。
【0161】
ボトムゲート型OFETデバイスの伝達特性を
図10に示す。バンク構造を設けたデバイスと比べてオフ状態のドレイン電流が著しく高いことが見て分かる。
実施例5:OLEDデバイスにおける光パターニングされたバンク構造ポリマー材料
この評価には、DMMIMeNBとPPVENBとのコポリマー、コモノマーの比54/46、Mw=49,000を使用した。
【0162】
コポリマーの溶液を、このコポリマーをMAK中に20%(w/w)の濃度で溶解することにより作製した。光開始剤CPTX(アルドリッチの1−クロロ−4−プロポキシ−9H−チオキサンテン−9−オン)を、コポリマーの1.5%(w/w)で添加した。得られた溶液を、0.45μフィルタを使用してろ過した。
【0163】
フォトレジストの塗布前に、ガラス基板(コーニングXGガラス)を50℃のメタノール中で5分間超音波処理することにより清浄にした。圧縮空気を送ることにより基板を乾燥させ、次に150℃のホットプレートに5分間置いた。
【0164】
次にコポリマー溶液をガラス基板上に1000rpmの回転速度で30秒間スピンコートした。次にコートされた基板を、120℃の温度のホットプレートで20秒間ベークした。次に基板をマスクアライナに置き、365nmフィルタを使用して紫外線に10秒間露光させた。次に得られた構造を、スライドを撹拌なしに最初に2−ヘプタノン中に70秒間浸漬することにより現像し、次にこれを取り出して1000rpmの速度で30秒間スピン乾燥させた。この過程を、現像溶媒としてPGMEAを使用して繰り返す。
【0165】
フォトレジストの画像(ここでは正方形のサイズが2mm×2mmである)を、
図11
aに示す。
フォトレジストの画像(ここではピクセルのサイズが250μ×75μである)を、
図11bに示す。
【0166】
ダイマティックス(Dimatix)DMP2800シリーズインクジェットプリンタを使用して、インクTSG−003(メルク・カー・ゲー・アー・アー(Merck KGaA)により供給される)をこのピクセル中に印刷した。LCP(液晶高分子)カートリッジを使用し、インクジェット条件は、ノズル温度25℃、プラテン温度35℃、滴下間隔15μであった。
【0167】
図12a及び
図12bは、紫外線源を使用して撮影した顕微鏡写真を示す。良好な塗膜が得られ、ピクセル化構造内にインクが入っていることが見て分かる。また、インクがバンク構造材料を濡らしていないことも認められる。
実施例6:OLEDデバイスにおけるインクジェットパターニングされたバンク構造ポリマー材料
この評価には、DMMIBuNBとNBC
4F
9とのコポリマー、コモノマー比64/36、Mw102,000を使用した。
【0168】
コポリマーの溶液を、このコポリマーを3−デカノン中に7.5%(w/w)の濃度で溶解することにより作製した。この材料に開始剤は不要である。得られた溶液を、0.45μフィルタを使用してろ過した。
【0169】
フォトレジストの塗布前に、ITOコートガラス基板を、3%デコン90(Decon
90)溶液を使用して10分間超音波処理することにより清浄にした。超音波処理後、これを水で6回洗浄し、次に水中で5分間超音波処理し、次に基板を乾燥させて、次にメタノール中で5分間超音波処理した;全ての超音波処理は60℃で実施した。圧縮空気を送ることにより基板を乾燥させ、次に150℃のホットプレートに5分間置いた。
【0170】
コポリマー溶液を、ダイマティックス(Dimatix)DMP2800シリーズインクジェットプリンタを使用して清浄な基板上に印刷した。LCP(液晶高分子)カートリッジを使用し、インクジェット条件は、ノズル温度25℃、プラテン温度60℃、滴下間隔30μであった。この後、365nm紫外線ランプを使用して1分間にわたり材料を硬化させた。
【0171】
図13は、壁幅が約250μであって、内部ピクセル寸法が約1mm×1mmの、インクジェット塗布したバンク構造の画像を示し、このパターンは個々の正方形で構成され、線が必ずしも一本にならない結果として各バンクの壁の間に小さい孔が形成される。この効果はフォトルミネセンス画像で見ることができる。
【0172】
ダイマティックス(Dimatix)DMP2800シリーズインクジェットプリンタを使用して、インクTSG−003(メルク・カー・ゲー・アー・アー(Merck KGaA)により供給される)をこのピクセル中に印刷した。LCP(液晶高分子)カートリッジを使用し、インクジェット条件は、ノズル温度25℃、プラテン温度25℃、滴下間隔15μであった。
【0173】
図14は、紫外線源を使用して撮影した顕微鏡写真を示す。印刷されたバンク構造がインクを十分に含むことが見て分かり、均一な成膜が見られる。正方形を印刷したため、それらの正方形の間に、バンク構造材料が当接せずに隣接するピクセル間に小さい島を形成した範囲があった。これらが正方形間の白い点として見える。