(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記方向性力センサーアセンブリがピエゾ抵抗素子を具備し、前記本体アセンブリがケーシングを具備し、前記ピエゾ抵抗素子が前記ケーシングに関連付けられている、請求項1に記載の機器。
前記エンドエフェクタが前記ケーシングに着脱可能に連結され得、前記エンドエフェクタが、前記エンドエフェクタに印加された力に応じて前記ピエゾ抵抗素子を圧縮すべく動作可能な指部を具備する、請求項7に記載の機器。
ユーザーを介して動作可能な起動機構を更に備え、前記制御モジュールが、第1の力を検出する前記方向性力センサーアセンブリの出力及び前記起動機構を操作するユーザーの両方に応じて、第1のエネルギー設定にて前記エネルギー構成要素を動作させるべく動作可能である、請求項1に記載の機器。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために使用されるべきではない。本技術のその他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び有利点は、例として、本技術を実施するために想到される最良の形態の1つである以下の説明から、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書で説明される本技術は、全て本技術から逸脱することなく、その他種々の明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明文は、例示的な性質のものであって限定的なものと見なすべきではない。
【0008】
したがって、本明細書で述べる教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書で述べる他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることが理解されるべきである。したがって、以下の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに関して分離して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の適切な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には容易に明らかとなるであろう。こうした修正及び変形は特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0009】
I.概論
図1は、例示的な外科用器具(10)の構成要素をブロック図の形式で示す。図示されているように、外科用器具(10)は、制御モジュール(12)と、電源(14)と、エンドエフェクタ(16)と、を備える。いくつかの形態においては、電源(14)は内部電源であってもよく、一方、他の形態においては、電源(14)は外部の供給元から供給されてもよい。本明細書における教示を鑑みれば当業者には明らかであり得るように、ほんの例示に過ぎないが、内部電源(14)としては、NiMH電池、Liイオン電池(例えば、プリズムセル式リチウムイオン電池など)、Ni−Cad電池、又は他の何らかの種類の電源を挙げることができる。ほんの例示に過ぎないが、外部電源(14)としては、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)が販売するGEN 300などのジェネレータを挙げることができる。本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、制御モジュール(12)は、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、メモリ、プリント回路基板(PCB)、記憶装置(例えば、ソリッドステートドライブ若しくはハードディスク)、ファームウェア、ソフトウェア、又はその他の好適な制御モジュール構成要素を含んでもよい。いくつかの形態においては、制御モジュール(12)は、データを保管するためのEEPROMを更に具備する。例えば、EEPROMには、外科用器具(10)の様々な構成要素を制御するための機械読取可能コードを保管することもできるし、あるいはデータテーブルに保管された1つ又は2つ以上の操作設定及び/又はモードを含めることもできる。勿論、EEPROMに関する他の機械読取可能コード及び/又は構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。制御モジュール(12)及び電源(14)は、回路基板等におけるケーブル及び/又は配線等の電気的接続(22)によって連結されて、電力を電源(14)から制御モジュール(12)へ伝達する。あるいは、電源(14)は、制御モジュール(12)に選択的に連結されてもよい。これにより、電源(14)を外科用器具(10)から切り離して取り外すことができ、その結果、更に、例えば、本明細書における様々な教示に従い、再滅菌及び再使用に備えて、電源(14)を容易に再充電又は再生することも可能になる。加えて又は代わりに、制御モジュール(12)は、整備、試験、交換、又は本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかであろう他の任意の目的のために取り外されることが可能である。
【0010】
エンドエフェクタ(16)は、別の電気的接続(22)によって、制御モジュール(12)に連結される。エンドエフェクタ(16)は、外科用器具(10)の望ましい機能を実行するように構成される。ほんの一例として、そのような機能としては、組織の焼灼、組織の切除、組織の切断、超音波による振動、組織のステープル留め、又は外科用器具(10)によるその他の任意の所望される作業を挙げることができる。したがって、エンドエフェクタ(16)は、能動的機構、例えば、超音波ブレード、一対の掴み具、鋭いナイフ、ステープル駆動アセンブリ、単極無線周波電極、一対の双極性無線周波電極、加熱素子、及び/又はその他の様々な構成要素を含むことができる。エンドエフェクタ(16)及び/又は外科用器具(10)は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている米国特許出願公開第2011/0015660号「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」(2011年1月20日公開)、その開示内容が本明細書において参照により援用されている米国特許第7,416,101号「Motor−Driven Surgical Cutting and Fastening Instrument with Loading Force Feedback」(2008年8月26日発行)、及び/又はその開示内容が本明細書において参照により援用されている米国特許第6,500,176号「Electrosurgical Systems and Techniques for Sealing Tissue」(2002年12月31日発行)に記載されている実施例の教示の少なくとも一部に従って更に構築され得る。
【0011】
本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、エンドエフェクタ(16)はまた、整備、試験、交換、又はその他の任意の目的のために外科用器具(10)から取り外し可能であってよい。いくつかの形態においては、エンドエフェクタ(16)はモジュラーであるため、外科用器具(10)を様々な種類のエンドエフェクタ(例えば、その開示内容が本明細書において参照により援用されている米国非仮特許出願第13/289,870号「Surgical Instrument with Modular Shaft and End Effector」(2011年10月10日出願)、及びその開示内容が本明細書において参照により援用されている、本明細書と同一日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END7088USNP.0590486]号「Surgical Instrument with Orientation Sensing」、及び/又はその他において教示されているもの)と併用できる。本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、エンドエフェクタ(16)の様々なその他の構成は、外科用器具(10)の目的に応じて多種多様な機能を得る目的で提供され得る。同様に、電源(14)から電力を受け取ることのできる外科用器具(10)の他のタイプの構成要素は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなろう。
【0012】
本実施例の外科用器具(10)は、起動機構(18)を含むが、当然のことながら、そのような構成要素は単に任意であることを理解すべきである。起動機構(18)は、電気的接続(22)により制御モジュール(12)及び電源(14)に連結される。起動機構(18)は、処置の実行中に、電源(14)からエンドエフェクタ(16)に(及び/又は外科用器具(10)のいくつかのその他の構成要素に)選択的に電力を供給して外科用器具(10)を起動すべく構成できる。本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、起動機構(18)としては、ほんの例示に過ぎないが、トリガ、容量性触覚センサー、抵抗性触覚センサー、電気機械ボタン、及び/又はその他の任意の起動機構(18)を挙げることができる。起動機構(18)は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている米国特許出願公開第2010/0069940号「Ultrasonic Device for Fingertip Control」(2010年3月18日公開)の教示の少なくとも一部に従って更に構築され得る。
【0013】
外科用器具(10)はセンサー(20)を更に含む。センサー(20)はまた、電気的接続(22)によって制御モジュール(12)に連結され、処置の間、様々な情報を制御モジュール(12)に提供するように構成することができる。ほんの一例として、このような構成は、エンドエフェクタ(16)において温度を感知すること、又はエンドエフェクタ(16)の振動速度を決定することを含み得る。ほんの例示に過ぎないが、温度感知センサーは、その開示内容が本明細書において参照により援用されている米国非仮特許出願第13/277,328号「Surgical Instrument with Sensor and Powered Control」(2011年10月20日出願)に記載してある。いくつかの形態において、センサー(20)は、外科用器具(10)の方向、及び/又は動作を検出すべく動作可能であるセンサー(20)を具備し得る。例えば、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、センサー(20)は、ジャイロスコープセンサー、伏角計、加速度計、並びに/又は他の何らかの好適な方向センサー及び/若しくは動作センサーを含み得る。なお更なる形態において、センサー(20)は、エンドエフェクタ(16)に対する外科用器具(10)の力の大きさ及び方向が検出されるように構成され得る。そのような力センサーの例は、以下に詳述する。加えて又は代わりに、センサー(20)は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている本明細書と同一日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END7088USNP.0590486]号「Surgical Instrument with Orientation Sensing」の教示の少なくとも一部に従って構築され得る。センサー(20)からのデータを制御モジュール(12)で処理して、(例えば、フィードバックループなどで)エンドエフェクタ(16)への電力の供給を管理することができる。本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、センサー(20)の様々なその他の構成が、外科用器具(10)の目的に合わせて提供され得る。勿論、本明細書に記載の他の構成要素の場合と同様、外科用器具(10)に1超のセンサー(20)を具備させてもよいし、又は所望される場合は、センサー(20)を単に省略することもできる。外科用器具(10)のなお更なる構成は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0014】
II.例示的な外科用システム及び外科用器具
以下の説明は、多様な超音波を用いる(ultrasonic variety)外科用器具(10)に関するものであるが、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、エンドカッター、把持器、カッター、ステープラー、クリップ適用器具、アクセス装置、薬物/遺伝子治療薬送達装置のほか、超音波振動、RF、レーザーなどを使用するエネルギー送達装置及び/又はこれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない多様な外科用器具(10)に以下の特徴を容易に組み入れることができることを理解すべきである。
【0015】
A.例示的な超音波外科用システム
例示的な外科用器具(50)を有する外科用システム(30)としては、ほんの一例を挙げるに過ぎないが、
図2に示されている。本実施例において、システム(30)は、超音波外科用器具(50)と、ジェネレータ(40)と、ジェネレータ(40)を外科用器具(50)に連結すべく動作可能なケーブル(42)と、を具備する。当然のことながら、外科用器具(50)は例示的な形態の外科用器具(10)であると見なすことができる。好適なジェネレータ(40)は、Cincinnati,OhioのEthicon Endo−Surgery,Inc.が販売しているGEN 300である。ほんの一例として、ジェネレータ(40)は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている米国特許出願公開第2011/0087212号「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」(2011年4月4日公開)の教示に従って構築され得る。いくつかの形態においては、ジェネレータ(40)は、上述した制御モジュール(12)を含み得るが、これは全くの任意である。更には、本実施例は、ケーブル接続式の外科用器具(50)を参照して説明されているが、当然のことながら、外科用器具(50)は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている米国特許出願公開第2009/0143797号「Cordless Hand−held Ultrasonic Cautery Cutting Device」(2009年6月4日公開)に開示されているもののようなコードレス運用に対応すべく適応され得る。更に、外科装置(50)はまた、その開示内容が本明細書において参照により援用されている米国特許第6,783,524号「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」(2004年8月31日発行)に開示されているもののようなロボット支援手術環境で使用され得るか、又は使用するように適合され得る。
【0016】
本実施例の外科用器具(50)には、マルチピースハンドルアセンブリ(60)、細長い伝達アセンブリ(70)、及びトランスデューサ(90)が含まれる。伝達アセンブリ(70)は、伝達アセンブリ(70)の近位端にあるマルチピースハンドルアセンブリ(60)に連結され、マルチピースハンドルアセンブリ(60)から遠位方向に延出する。本実施例において、伝達アセンブリ(70)は、内視鏡用途向けの長尺の薄い管状アセンブリとして構成されているが、代わりに、伝達アセンブリ(70)は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている米国特許出願公開第2007/0282333号「Ultrasonic Waveguide and Blade」(2007年12月6日公開)、米国特許出願公開第2008/0200940号「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」(2008年8月21日公開)、及び/又は本明細書と同一日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END7088USNP.0590486]号「Surgical Instrument with Orientation Sensing」に開示されているもののような短尺のアセンブリであってもよいことを理解すべきである。本実施例の伝達アセンブリ(70)は、外側シース(72)、内側管状作動部材(図示せず)、導波路(図示せず)、及び伝達アセンブリ(70)の遠位端にあるエンドエフェクタ(80)を具備する。本実施例において、エンドエフェクタ(80)は、導波路に連結されたブレード(82)と、伝達アセンブリ(70)の近位端で回転するように動作し得るクランプアーム(84)と、任意選択的に、クランプアーム(84)に連結し得る1つ又は2つ以上のクランプパッド(86)と、を備える。エンドエフェクタ(80)は、
図1を参照しながら説明したエンドエフェクタ(16)に従って更に構成され得る。導波路は、超音波エネルギーをトランスデューサ(90)からブレード(82)へ送信するように適応されているが、可撓性、半可撓性、又は剛性であってよい。導波路はまた、当該技術分野において周知のように、導波路を経由してブレード(82)へ送信される機械的振動を増幅するように構成されてもよい。導波路は、導波路に沿った縦振動のゲインを制御する機能、及び導波路を本システムの共振周波数に合わせる機能を更に有することができる。超音波トランスデューサ(90)としては、ほんの一例に過ぎないが、Cincinnati,OhioのEthicon Endo−Surgery,Inc.により販売されているModel No.HP054がある。また当然のことながら、クランプアーム(84)及び関連した機構は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている1999年11月9日発行の米国特許第5,980,510号、「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」の教示のうちの少なくとも一部に従って構築でき、かつ動作できる。勿論、所望される場合、クランプアーム(84)を省略することもできる。
【0017】
本実施例において、音響アセンブリが組織により装填されないときには、音響アセンブリを好ましい共振周波数f
oに同調させるために、波腹の近辺にブレード(82)の遠位端が配設される。トランスデューサ(90)が通電されると、ブレード(82)の遠位端は、例えば55.5kHzの所定の振動周波数f
oで、最大振幅が、例えば約10〜500μmの範囲、好ましくは約20〜約200μmの範囲で、長手方向に移動するように構成されている。本実施例のトランスデューサ(90)を起動すると、これらの機械的振動が、導波路を介してエンドエフェクタ(80)へ伝達される。本実施例において、ブレード(82)は、導波路に連結されているが、超音波振動数で振動する。したがって、ブレード(82)とクランプアーム(84)との間に組織が固定されたとき、ブレード(82)の超音波振動が、組織の切断と、隣接した組織細胞内のタンパク質の変性とを同時に行い、それにより比較的小さい熱拡散で凝固効果が提供される。また、組織も焼灼するために、ブレード(82)及びクランプアーム(84)を介して電流が提供されてもよい。伝達アセンブリ(70)及びトランスデューサ(90)のいくつかの構成を記述してきたが、伝達アセンブリ(70)及びトランスデューサ(90)の更に他の好適な構成が、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかになるであろう。
【0018】
本実施例のマルチピースハンドルアセンブリ(60)は、嵌め合わせハウジング部分(62)及び下方部分(64)を含む。嵌め合わせハウジング部分(62)は、嵌め合わせハウジング部分(62)の近位端にてトランスデューサ(90)を受容し、嵌め合わせハウジング部分(62)の遠位端にて伝達アセンブリ(70)の近位端を受容すべく構成されている。開口は、様々な伝達アセンブリ(70)を挿入するために、嵌め合わせハウジング部分(62)の遠位端に提供される。本実施例において回転ノブ(66)は、伝達アセンブリ(70)及び/又はトランスデューサ(90)を回転させるように示してあるが、回転ノブ(66)は単に任意であると理解すべきである。嵌め合わせハウジング部分(62)、及び/又は伝達アセンブリ(70)は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている米国特許出願第13/269,870号「Surgical Instrument with Modular Shaft and End Effector」(2011年10月10日出願)の教示の少なくとも一部に従って更に構築され得る。マルチピースハンドルアセンブリ(60)の下方部分(64)は、トリガー(68)を含み、かつ、使用者によって片手で掴れるように構成されている。下方部分(64)の代替構成としては、ほんの一例に過ぎないが、その開示内容が本明細書において参照により援用されている2011年1月20日公開の「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」と題する米国特許出願公開第2011/0015660号の
図1に図示されている。
【0019】
加えて、マルチピースハンドルアセンブリ(60)は、2つの別個の部分(62、64)を参照して説明されているが、マルチピースハンドルアセンブリ(60)は、両方の部分(62、64)が組み合わされた、一体型アセンブリとすることができる点を、理解すべきである。マルチピースハンドルアセンブリ(60)は、代わりに、(ユーザーの手又は足のいずれかにより操作可能な)別個の起動部分、及び別個の嵌め合わせハウジング部分(62)のように、多数の異なる構成要素に分割されてもよい。起動部分は、トランスデューサ(90)を起動すべく動作可能であってもよく、嵌め合わせハウジング部分(62)の遠方にあってもよい。本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかなように、マルチピースハンドルアセンブリ(60)は、耐久性プラスチック(ポリカーボネートや液晶ポリマーなど)、セラミック及び/若しくは金属、又は他の何らかの適切な材料から構成され得る。マルチピースハンドルアセンブリ(60)に関する更なる他の構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。例えば、器具(50)は、ロボットシステムの一部として操作されてもよい。マルチピースハンドルアセンブリ(60)に関する他の構成もまた、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。ほんの一例として、外科用器具(50)は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている米国特許出願公開第2006/0079874号、米国特許出願公開第2007/0191713号、米国特許出願公開第2007/0282333号、米国特許出願公開第2008/0200940号、米国特許出願公開第2011/0015660号、米国特許第6,500,176号、米国特許出願公開第2011/0087218号、及び/又は米国特許出願公開第2009/0143797号の教示の少なくとも一部に従って構築され得る。
【0020】
B.例示的な着脱式エンドエフェクタ
図3〜4は、例示的な外科用器具(100)の端部及び例示的な着脱式エンドエフェクタ(150)を図示したものである。外科用器具(100)の他の機構は、外科用器具(10、50)に関して上述したように構成され得る。図示されている実施例において、器具(100)は、ケーシング(102)と、ケーシング(102)から延在するトランスデューサシャフト(110)と、ケーシング(102)上の複数の電気的接触部(120)と、を含んで構成される。トランスデューサシャフト(110)は、エンドエフェクタ(150)の導波路(160)にねじ的に連結すべく構成されており、その結果、器具(100)内のトランスデューサからの超音波振動をエンドエフェクタ(150)のブレード(152)(
図4に示す)に伝達できる。図示されている実施例において、トランスデューサシャフト(110)は、ケーシング(102)の最も遠位の点から離れる向きに距離dで開始するねじ付き部分(112)を含む。距離dは、キーブロック(170)の長手方向の長さに対応しており、そのため、キーブロック(170)がケーシング(102)に連結されているときにエンドエフェクタ(150)の回転スリーブ(180)の内部にねじ付き部分(112)が位置するようになっている。したがって、キーブロック(170)がケーシング(102)に係合している間、導波路(160)をトランスデューサシャフト(110)にねじ的に連結できる。接触部(120)は、エンドエフェクタ(150)の1つ又は2つ以上の構成要素が器具(100)に電気的に連結されるように、エンドエフェクタ(150)上の相補的な接触部(図示せず)に当接する金属部材である。いくつかの形態において、接触部(120)は、上述した制御モジュール(12)などの制御モジュールに更に電気的に連結されている。勿論、エンドエフェクタ(150)と器具(100)との間の他の電気的な連結機構(例えば、誘導結合など)は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。本実施例において、接触部(120)はケーシング(102)のキー溝部分(104)の内部に配設されており、その結果、エンドエフェクタ(150)はケーシング(102)に単一方向にのみ連結できるようになっている。故に、キー溝部分(104)によって、接触部(120)はエンドエフェクタ(150)の相補的な接触部に確実に整合できる。器具(100)のなお更なる構成は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0021】
エンドエフェクタ(150)は、導波路(160)と、回転スリーブ(180)と、キーブロック(170)と、モジュール(182)と、を含んで構成される。本実施例において、導波路(160)は回転スリーブ(180)に連結されているため、回転スリーブ(180)を回転させると、導波路(160)がキーブロック(170)に対して回転する。導波路(160)は、回転スリーブ(180)から遠位に延在し、ブレード(152)(
図4に示す)にて終端する。ブレード(152)に加えて又は代わりに、回転スリーブ(180)、例えば1つ又は2つ以上のクランプアームなどの様々な機構を遠位に含んでもよい。図示されている実施例において、導波路(160)は、導波路(160)をトランスデューサシャフト(110)にねじ的に連結するねじ付き部分(162)(想像線で示す)を含む。故に、後述するように、キーブロック(170)がケーシング(102)に係合すると、回転スリーブ(180)は、導波路(160)をトランスデューサシャフト(110)にねじ的に連結すべく動作可能である。勿論、導波路(160)及びトランスデューサシャフト(110)の更なる連結機構は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。本実施例のキーブロック(170)は、キー部分(172)と、中央穴(178)(想像線で示す)と、キーブロック(170)に装着されたモジュール(182)と、を含んで構成される。上述したように、中央穴(178)は、トランスデューサシャフト(110)をキーブロック(180)に通して挿入させて導波路(160)に係合させるような大きさ及び構成になっている。キー部分(172)は、ケーシング(102)のキー溝部分(104)に挿入されるように構成されており、結果として、キーブロック(170)は、ケーシング(102)に対して回転自在に固定されるようになっている。故に、キーブロック(170)は、ケーシング(102)に係合しているときに、回転スリーブ(180)に対して機械的な接地部を提供する。キー部分(172)は、上述した接触部(120)に対する相補的な接触部を更に含む。キー溝部分(104)に対するキー部分(172)の係合部は、一連の接触部に回転自在に位置合わせされるように構成されており、そのため、キーブロック(170)がケーシング(102)に係合したときに一連の接触部が電気的に連結するようになっている。相補的な接触部はモジュール(182)に連結されており、そのため、エンドエフェクタ(150)が器具(100)に連結されるとモジュール(182)が接触部(120)に電気的に連結されるようになっている。
【0022】
本実施例において、モジュール(182)は、1つ又は2つ以上の構成データを保管すべく動作可能である、不揮発性ソリッドステートメモリモジュールを含んで構成される。例えば、モジュール(182)は、
図1を参照しながら説明した外科用器具(100)の制御モジュール(12)などの制御モジュールで使用されるエンドエフェクタ(150)のタイプ及び特有の特性に関する構成データを含み得る。構成データとしては、ほんの一例として、ブレード長さ、ブレード材料、ブレード形状、導波路形状、導波路材料、固有減衰特性、固有周波数、故障平均時間(MTTF)などの特性を挙げることができる。そのような特性は、補正処置を判別する際、器具(100)のエネルギー設定を判別する際、及び/又は以下で更に詳述されているような別の手段の際に、制御モジュールにより使用できる。勿論、その他の構成要素をモジュール(182)と共に組み込んでもよいし、モジュールに統合してもよいし、かつ/又はモジュールの代わりに用いてもよいことを理解すべきである。例えば、加速度計、ジャイロスコープ、温度センサー、力センサーなどのような様々なセンサーを、モジュール(182)と共に組み込んでもよいし、モジュールに統合してもよいし、かつ/又はモジュールの代わりに用いてもよい。エンドエフェクタ(150)は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている、本明細書と同一日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END7088USNP.0590486]号「Surgical Instrument with Orientation Sensing」の教示の少なくとも一部に従って更に構築され得る。本明細書における教示を鑑みれば、モジュール(182)、エンドエフェクタ(150)、及び/又は器具(100)の更なる構成が、当業者に明白であろう。
【0023】
ここで
図4を参照すると、一連の方向矢印(190、192、194、196、198)は、ブレード(152)の周りに配設して示してある。矢印(190)は、ブレード(152)及び導波路(160)の長手方向軸に相当する。矢印(192、194)は、ブレード(152)に対する横方向軸に相当する。矢印(196、198)は、ブレード(152)に対する垂直軸に相当する。本実施例において、矢印(190、192、194、196、198)は、外科的処置においてユーザーが器具(100)を使用している際にブレード(152)が組織に対して圧入される方向に相当する。例示の目的に過ぎないが、場合によっては、ブレード(152)を組織に対して矢印(190、192、194)の方向に圧入したときに、低エネルギー設定にてトランスデューサを起動し、ブレード(152)を組織に対して矢印(196、198)の方向に圧入したときに、高エネルギー設定にてトランスデューサを起動するのが好ましい場合がある。例えば、ユーザーはブレード(152)の上縁部又は下縁部を使用して組織を切断し、ブレード(152)の側部及び/又は先端部を使用して凝固させることが好ましい場合がある。勿論、上述は例示として挙げたに過ぎず、いかなるエネルギー設定もブレード(152)の任意の方向に対応し得ることを理解すべきである。本実施例において、そのようなエネルギー設定及び方向は、制御モジュールにより使用されるモジュール(182)の構成データに含めてもよいし、かつ/又は他の手段を介して制御モジュールに提供することもできるしてもよい。そのような設定は、これらに限定されないが、ブレード(152)及び/又はエンドエフェクタ(150)の他の部分の機構及び/又は幾何学形状、エンドエフェクタ(150)を用いる外科的処置、個々のユーザーの好み、並びに/あるいはその他の要因を含む任意の数の要因に応じて様々に変わり得る。そのようなエネルギー設定の使用については、
図21を参照しながら以下で更に詳述する。
【0024】
III.例示的な能動減衰アセンブリ及び方向性力センサー
場合によっては、トランスデューサ(90)及び/又は外科用器具におけるその他の構成要素(10、50、100)のエネルギー設定を能動的に制御するのが有用であり得る。例えば、外科的処置中に、導波路(160)及び/又は外科用器具(10、50、100)の超音波動力伝達系の他の部分に横断運動が発生した場合、その横断運動によって、トランスデューサ(90)からの振動運動が中断される場合もあれば、又はさもなければ干渉される場合もある。加えて、いくつかの事例において、横断運動によって不安定な振動モードが誘導され、それにより、器具(10、50、100)が損傷を受ける可能性がある。器具(10、50、100)によっては、所定の位置にて導波路(160)に塗布されるポリマーのシース又は押出物(例えば、高温安定性を有する過フッ素化ポリマー(perfluorinated polymer))などのFEPを含んで、有害な又はさもなければ望ましくない横断モードを減衰させることができる。外科用器具(10、50、100)の使用中に、横断運動を除外又は低減することで、製作公差を増大でき、かつ/又はFEPの必要性をなくすことが可能となる。他の事例において、トランスデューサ(90)のエネルギー設定を能動的に制御することは、ユーザーがどのように器具(10、50、100)を使用しているかに応じてエネルギー設定を適応させるうえで有用であり得る。例えば、上述したように、組織に対してブレード(82、152)が圧入される方向を制御モジュール(12)への入力として使用することで、外科的処置中にリアルタイムでトランスデューサ(90)のエネルギー設定を動的に調整できるため、ユーザーは特定のエネルギーレベルを一切選択せずに済むようになる。それ故、様々な能動減衰アセンブリ及び/又は方向性力センサーで様々な外科用器具(10、50、100)に組み入れることが可能なもの(超音波器具を含むがこれに限定されない)についてここで記述するが、他の実施例は本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかになるであろう。
【0025】
A.ハンドルアセンブリ搭載の能動減衰アセンブリ
図5は、ケーシング(202)と、トランスデューサ(210)と、遠位圧電円板アセンブリ(250)と、ノーズコーン(290)と、を具備する例示的なハンドルアセンブリ(200)を表す。本実施例のケーシング(202)は、トランスデューサ(210)及びその内部のその他の構成要素(図示せず)を収容するような大きさ及び構成になっている。本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、ケーシング(202)は、耐久性プラスチック(ポリカーボネート又は液晶ポリマーなど)、セラミック、及び/若しくは金属、又はその他の何らかの好適な材料から構築され得る。
図5に示すように、ケーシング(202)は、トランスデューサのフランジ(226)に係合すべく構成された内部環状フランジ(204)を含み、後述するように、ケーシング(202)とトランスデューサ(210)との間に機械的な接地部を提供している。ケーシング(202)はまた、近位に延在するケーブル(206)を更に含み、このケーブルは、複数のワイヤ(216、218、270、272)を上述したジェネレータ(40)などの電源まで導いている。勿論、いくつかの形態においては、ケーブル(206)を省略することもできるし、電源をケーシング(202)の内部に位置付けることもできる。ケーシング(202)は、上述したマルチピースハンドルアセンブリ(60)の教示の少なくとも一部に従って更に構築され得る。後述するように、ノーズコーン(290)をケーシング(202)の遠位端に機械的に固定することによって、ノーズコーン(290)とトランスデューサのフランジ(226)との間
で遠位の圧電円板アセンブリ(250)が圧縮される。
【0026】
トランスデューサ(210)は、連続した圧電素子(212)間に交流電極(214)が配設された複数の圧電素子(212)を具備することで、圧電素子の積み重ね体を形成している。圧電素子(212)は、電極(214)間で任意の好適な材料、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、チタン酸鉛、及び/又は任意の好適な圧電性結晶材料から製造され得る。本実施例では、交流電極(214)がワイヤ(216、218)を介して電気的に連結され、その結果、電原がワイヤ(216、218)に連結されたときに複数の圧電素子(212)にわたって電位が生ずる。それ故、電源を起動すると、複数の圧電素子(212)によって電力が超音波振動に変換される。そのような超音波振動は、遠位共振器(224)及び導波路を遠位共振器(224)に連結するねじ付き部分(230)を介して、導波路(図示せず)に遠位に伝達される。圧電素子(212)の積み重ね体の近位端には、近位共振器(220)がある。ボルト(222)は、環状開口部(図示せず)を通して近位共振器(220)及び圧電素子(212)の積み重ね体に挿入され、遠位共振器(224)に連結する。それ故、トランスデューサ(210)は、ボルト(222)、近位共振器(220)、圧電素子(212)及び電極(214)の積み重ね体、並びに遠位共振器(224)で実質的に形成されている。本実施例において、トランスデューサのフランジ(226)は遠位共振器(224)に連結されており、近位表面(228)をケーシング(202)の内部環状フランジ(204)に対して当接させるべく構成されている。それ故、トランスデューサのフランジ(226)と内部環状フランジ(204)との境界面は、トランスデューサ(210)がケーシング(202)に対して近位に移動するのを防ぐ。遠位共振器(224)は、遠位圧電円板アセンブリ(250)を通って遠位に延在し、ねじ付き部分(230)にて終端する。ねじ付き部分(230)は、導波路、ブレード及び/又はエンドエフェクタ、例えば上述した導波路(160)、ブレード(152)及び/又はエンドエフェクタ(150)などにねじ的に連結すべく構成されている。それ故、超音波振動は、トランスデューサ(210)から導波路、ブレード、及び/又はエンドエフェクタに伝達できる。ねじ付き部分(230)は、遠位共振器(224)に沿った節点、波腹、及び/又はその他の任意の地点にて位置付けられ得る。トランスデューサ(210)は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている米国特許出願第13/274,480号「Surgical Instrument with Slip Ring Assembly to Power Ultrasonic Transducer」(2011年10月17日出願)の教示の少なくとも一部に従って更に構築され得る。トランスデューサ(210)の更に他の構成は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0027】
遠位圧電円板アセンブリ(250)は、ノーズコーン(290)とトランスデューサのフランジ(226)との間に介在する。遠位圧電円板アセンブリ(250)は、一対の電極(260、262)間に圧電円板(252)を介在させて構成される。本実施例において、遠位圧電円板アセンブリ(250)は、単一の一体型圧電素子を具備するが、以下で更に詳述するように、いくつかの形態においては、遠位圧電円板アセンブリ(250)は、遠位共振器(224)の振動を検出するための1つ又は2つ以上のセグメントと能動減衰のための1つ又は2つ以上のセグメントとを有するマルチピース圧電素子を具備し得る。勿論、いくつかの形態においては、1つ又は2つ以上の振動モードを誘導する目的で遠位圧電円板アセンブリ(250)を使用できることを理解すべきである。上述の圧電素子(212)の場合と同様、圧電円板(252)は、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、チタン酸鉛、及び/又は任意の好適な圧電性結晶材料などの任意の好適な材料から製造され得る。電極(260、262)は、圧電円板(252)の両側に配設された金属部材を含む。
【0028】
電極(260、262)はワイヤ(270、272)に連結されており、その結果、電源がワイヤ(270、272)に連結されているときに、圧電円板(252)全体に電位が生ずるようになっている。それ故、圧電円板(252)全体に印加される電位に応じて圧電円板(252)が膨張するか又は収縮するため、ノーズコーン(290)とトランスデューサのフランジ(226)との間に膨張又は収縮が生ずる。故に、遠位圧電円板アセンブリ(250)の動作を用いると、遠位共振器(224)に存在する振動に影響を及ぼし得る。加えて又は代わりに、ワイヤ(270、272)が電圧検出装置(図示せず)に連結されてもよい。電圧検出装置は、エンドエフェクタの内部、ハンドルアセンブリ(200)の内部、及び/又は電源の内部にあってよい。いくつかの形態においては、電圧検出装置は、制御モジュール(12)などの制御モジュールに統合されてもよい。圧縮力又は膨張力が遠位圧電円板アセンブリ(250)に印加されると、圧電円板(252)の圧縮又は膨張によって、電圧検出装置により検出され得る電圧が生ずる。それ故、遠位共振器(224)の内部の振動を測定することができる。勿論、1つを超える遠位圧電円板アセンブリ(250)を設けてもよいことを理解すべきである。例えば、第1の遠位圧電円板アセンブリ(250)を能動減衰の目的に使用し、第2の遠位圧電円板アセンブリ(250)を振動検出の目的に使用してよい。例示的なハンドルアセンブリ(200)及び/又は遠位圧電円板アセンブリ(250)の更なる構成、及び/又は構築体は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。例示の目的に過ぎないが、いくつかの形態においては、遠位圧電円板アセンブリ(250)を省略してもよく、電圧感応膜、及び/又はその他の力センサー、例えばひずみゲージを、能動減衰能なしに力の大きさ及び/又は方向の測定値が必要とされる場合に使用してもよい。
【0029】
B.エンドエフェクタ搭載の能動減衰アセンブリ
図6は、例示的な代替のハンドルアセンブリ(300)及び着脱式エンドエフェクタ(350)を表す。ハンドルアセンブリ(300)は、ケーシング(302)と、トランスデューサ(320)と、を具備する。本実施例のケーシング(302)は、トランスデューサ(320)及びその内部のその他の構成要素(図示せず)を収容するような大きさ及び構成になっている。本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、ケーシング(302)は、耐久性プラスチック(ポリカーボネートや液晶ポリマーなど)、セラミック及び/若しくは金属、又は他の何らかの適切な材料から構成され得る。
図6に示すように、ケーシング(302)は、トランスデューサのフランジ(336)に係合すべく構成された内部環状フランジ(304)を含み、後述するように、ケーシング(302)とトランスデューサ(320)との間に機械的な接地部を提供する。ケーシング(302)はまた、近位に延在しているケーブル(306)を含み、このケーブルは、複数のワイヤ(318、319、326、328)を上述したジェネレータ(40)などの電源まで導いている。勿論、いくつかの形態においては、ケーブル(306)を省略することもできるし、電源をケーシング(302)の内部に位置付けることもできる。
【0030】
ケーシング(302)はまた、開口した遠位端(310)と、エンドエフェクタ(350)からの一対のスナップ(356)に係合して固着するように構成された一対のタブ(312)と、を含む。後ほど更に詳述するように、本実施例において、一対の接触部(314、316)は、開口した遠位端(310)の内部に位置付けられ、その結果、接触部(314、316)はそれぞれ、選択的に圧電円板アセンブリ(370)の一対の電極(380、390)に電気的に連結される。本実施例の接触部(314、316)は、弾力的に偏倚した板ばね接触部を含むが、他の弾力的に偏倚した接触部又はその他の接触部が設けられてもよい。いくつかの形態においては、電極(380、390)に電気的に連結する目的で、ばね仕掛けの玉軸受が使用されてもよい。電極(380、390)に回転自在に連結するための更に他の機構は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている米国特許出願第13/269,870号「Surgical Instrument with Modular Shaft and End Effector」(2011年10月10日出願)に記載されている。接触部(314、316)はそれぞれワイヤ(318、319)に連結されており、その場合、ワイヤ(318、319)は、上述のジェネレータ(40)及び/又は電圧検出装置(図示せず)などの電力アセンブリに連結され得る。ケーシング(302)は、上述したマルチピースハンドルアセンブリ(60)の教示の少なくとも一部に従って更に構築され得る。
【0031】
トランスデューサ(320)は、連続した圧電素子(322)間に交流電極(324)が配設された複数の圧電素子(322)を含むことで、圧電素子の積み重ね体を形成する。圧電素子(322)は、電極(324)間で任意の好適な材料、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、チタン酸鉛、及び/又は任意の好適な圧電性結晶材料から製造され得る。本実施例では、交流電極(324)がワイヤ(326、328)を介して電気的に連結され、その結果、電原がワイヤ(326、328)に連結されたときに複数の圧電素子(322)にわたって電位が生ずる。それ故、電源を起動すると、複数の圧電素子(322)によって電力が超音波振動に変換される。そのような超音波振動は、導波路(360)がトランスデューサ(320)にねじ的に連結しているときにエンドエフェクタ(350)の導波路(360)に対して遠位に伝達される。圧電素子(322)の積み重ね体の近位端には、近位の共振器(330)がある。ボルト(332)は、環状開口部(図示せず)を通して近位共振器(330)及び圧電素子(322)の積み重ね体に挿入され、遠位共振器(334)に連結する。それ故、トランスデューサ(320)は、ボルト(332)、近位共振器(330)、圧電素子(322)及び電極(324)の積み重ね体、並びに遠位共振器(334)で実質的に形成されている。本実施例において、トランスデューサのフランジ(336)は、遠位共振器(334)の遠位端で遠位共振器(334)に連結されており、ケーシング(302)の内部環状フランジ(304)に対して近位表面(338)が当接するように構成されている。それ故、トランスデューサのフランジ(326)と内部環状フランジ(304)との境界面は、トランスデューサ(310)がケーシング(302)に対して近位に移動するのを防ぐ。ねじ付き部分(340)は、エンドエフェクタ(350)の導波路(360)にねじ的に連結すべく構成されている。ねじ付き部分(340)は、遠位共振器(334)に沿った節点、波腹、及び/又はその他の任意の地点にて位置付けられ得る。トランスデューサ(320)は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている米国特許出願第13/274,480号「Surgical Instrument with Slip Ring Assembly to Power Ultrasonic Transducer」(2011年10月17日出願)の教示の少なくとも一部に従って更に構築され得る。トランスデューサ(320)の更に他の構成は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0032】
エンドエフェクタ(350)は、ケーシング(352)と、ケーシング(352)の内部に回転自在に装着された導波路(360)と、導波路(360)の近位のベル部分(362)に装着された圧電円板アセンブリ(370)と、を具備する。ケーシング(352)はブッシング(354)を含み、導波路(360)を支持しながらも依然として導波路(360)をケーシング(352)に対して回転させ、かつ振動させることを可能にしている。勿論、軸受などのその他の回転自在な連結部を設けることもできるし、又はいくつかの形態においては、ブッシング(354)を省略してもよいことを理解すべきである。ケーシング(352)は、タブ(312)に係合してエンドエフェクタ(350)をハンドルアセンブリ(300)に連結させるべく構成された一対のスナップ(356)を更に含む。勿論、エンドエフェクタ(350)をハンドルアセンブリ(300)に連結するための他の連結機構は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。導波路(360)は遠位に延在し、ブレード(82)などのブレード(図示せず)に連結されている。近位のベル部分(362)は、導波路(360)の近位端に位置し、ねじ付き凹部(364)(想像線で示す)を含む。このねじ付き凹部は、トランスデューサ(320)の遠位共振器(334)のねじ付き部分(340)にねじ的に連結されるように構成されている。近位のベル部分(362)の近位面は、圧電円板アセンブリ(370)の直径に実質的に対応する直径を有するような大きさになっている。ケーシング(352)及び/又は導波路(360)の更に他の構成は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0033】
圧電円板アセンブリ(370)は、一対の電極(380、390)間に圧電円板(372)を介在させて構成される。本実施例において、圧電円板アセンブリ(370)は、単一の一体型圧電素子を具備するが、後ほど更に詳述するように、いくつかの形態においては、圧電円板アセンブリ(370)は、遠位共振器(334)及び/又は導波路(360)の振動を検出するための1つ又は2つ以上のセグメントと能動減衰のための1つ又は2つ以上のセグメントとを有するマルチピース圧電素子を具備し得る。勿論、いくつかの形態においては、圧電円板アセンブリ(370)を使用して1つ又は2つ以上の振動モードを誘導できることを理解すべきである。上述した圧電素子(322)の場合と同様、圧電円板(372)は、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、チタン酸鉛、及び/又は任意の好適な圧電性結晶材料などの任意の好適な材料から製造され得る。
【0034】
電極(380、390)は、圧電円板(372)の両側に配設された金属部材を含む。電極(380、390)は、エンドエフェクタ(350)がハンドルアセンブリ(300)に連結されたときに、それぞれ接触部(314、316)に電気的に連結すべく構成されている。本実施例において、各電極(380、390)の外周は、圧電円板(372)から外方へ延在し、圧電円板(372)が接触部(314、316)とインターフェースしないスリップリングアセンブリと同様な様式にて、電極(380、390)が接触部(314、316)とインターフェースする。電源がワイヤ(318、319)に連結されると、圧電円板(372)全体に電位が生ずる。それ故、圧電円板(372)全体に印加された電位に応じて圧電円板(372)が膨張するか又は収縮するため、近位のベル部分(362)とトランスデューサのフランジ(336)との間に膨張又は収縮が生ずる。故に、圧電円板アセンブリ(370)の動作を用いると、遠位共振器(334)及び/又は導波路(360)に存在する振動に影響を及ぼし得る。上述したように、ワイヤ(318、319)が電圧検出装置(図示せず)に連結されてもよい。電圧検出装置は、エンドエフェクタ(350)の内部、ハンドルアセンブリ(300)の内部、及び/又は電源の内部にあってよい。いくつかの形態においては、電圧検出装置は、制御モジュール(12)などの制御モジュールに統合されてもよい。圧縮力又は膨張力が圧電円板アセンブリ(370)に印加されると、圧電円板(372)の圧縮又は膨張によって、電圧検出装置で検出され得る電圧が生ずる。それ故、遠位共振器(334)及び/又は導波路(360)の内部の振動を測定することができる。勿論、1つを超える圧電円板アセンブリ(370)、例えば、能動減衰のための1つの圧電円板アセンブリ(370)と、振動を検出するための第2の圧電円板アセンブリ(370)と、を有する一対の積み重ねられた圧電円板アセンブリ(370)が提供され得ることを理解すべきである。例示的なハンドルアセンブリ(300)、エンドエフェクタ(350)及び/又は圧電円板アセンブリ(370)の更なる構成及び/又は構築体は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。例示の目的に過ぎないが、いくつかの形態においては、圧電円板アセンブリ(370)を省略してもよく、電圧感応膜及び/又はその他の力センサー、例えばひずみゲージを、トランスデューサのフランジ(336)に連結し、能動減衰能なしに力の大きさ及び/又は方向の測定値が必要とされる場合に使用してもよい。
【0035】
C.例示的なマルチピース圧電素子
図7は、上記の圧電円板アセンブリ(250、370)に組み込むことができる例示的なマルチピース圧電素子(400)を表す。本実施例において、マルチピース圧電素子(400)は、マルチピース圧電素子(400)が4つのセグメント(410、420、430、440)に分割されることを除き、実質的に上述の圧電円板アセンブリ(250、370)に従って構築される。各セグメント(410、420、430、440)は、一対の電極と、その一対の電極間に配設された圧電素子と、を含む。本実施例の対向するセグメント(410、430)は、横断運動を無効にするように導波路の振動を駆動すべく動作可能な圧電セグメントを含む。別の対向するセグメント(420、440)は、導波路からの振動を感知すべく構成されている。それ故、単一のマルチピース圧電素子(400)を使用して、導波路からの振動の感知及び導波路の振動の誘起の両方を行って、横断運動を無効にできる。
【0036】
いくつかの形態においては、駆動セグメント(410、430)が一斉に動作して導波路の振動を駆動するか又は調整することができる。他の形態において、駆動セグメント(410、430)は、別々の期間及び/又は速度で駆動することができる。同様に、いくつかの形態において、感知セグメント(420、440)は導波路からの振動を同時に感知することができ、他の形態においては、感知セグメント(420、440)は導波路の振動を交互に感知することができるか、又は個々に動作することができる。なお更なる構成においては、セグメント(410、420、430、440)は、振動の感知及び駆動を交互に行うことができる。そのような交互の振動の感知及び駆動は、個々のセグメントで、連携して、又は全体として行うことができる。当然のことながら、セグメント(410、420、430、440)を4つのセグメントに分割することは単に任意である。いくつかの形態においては、2個又は3個のセグメントを使用できる。他の形態においては、4個を超えるセグメントを使用できる。例えば、いくつかの形態においては、8個又は16個のセグメントを設けてもよい。当然のことながら、本実施例において、セグメント(410、420、430、440)を用いて導波路又は他の超音波動力伝達系の構成要素からの振動を感知する際、セグメント(410、420、430、440)はまた、外科用器具(10、50、100)などの外科用器具に対する力の大きさ及び方向の両方を決定すべく動作可能である。例えば、セグメント(410、420、430、440)は、組織に対してブレード軸受を用いることにより発生した力ベクトルを決定することができる。勿論、マルチピース圧電素子(400)の更に他の構成は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。例示の目的に過ぎないが、マルチピース圧電素子(500)の代替構成が
図8に示されており、単一の連続的な底部電極(510)、圧電円板(520)、及び複数の分割された頂部電極(530)を有する。
【0037】
上述のマルチピース圧電素子(400、500)において、様々なセグメント(410、420、430、440、530)にわたる電圧変化をモニターすることによって、様々なブレード表面にかかる力、ブレード上の力の位置、及び/又は外科医の処置を決定できることを理解すべきである。横断モードが、導波路の軸に対して直角な方向に沿って1つ又は2つ以上の円板セグメント(410、420、430、440、530)を励起させることができ、横断モードを検出するセグメント(410、420、430、440、530)(及び/又は1つ若しくは2つ以上のその他のセグメント)が、能動的に励起して横断モードを減衰させることができることも理解すべきである。セグメント化された性能を提供するように、圧電円板は様々な方法で作製することができる。例えば、均質の圧電円板は、分割された電極表面を含み得る。電極表面間の分離は、意図された最も高い動作電圧レベルでの電圧破壊を防ぐべく構成され得る。もう1つの単なる例示的実施例として、いくつかの離散的に形成されたパイ形状のセグメントは、相互に当接するように整列配置され得るか、又は空気若しくは固体誘電体などで分離され得る。更に別の単なる例示的実施例として、圧電アクチュエータはチューブ又はシリンダとして形成され得る。内側半径表面及び外側半径表面は、電極を含んでもよく、圧電アクチュエータは長手方向(電圧勾配に対して垂直)に応答するように分極化され得る。この形態では、外側の電極が長手方向のストリップに分割されてもよいし、中心電極(例えば、接地部)が内側半径の周りに連続してもよい。分割された素子機構を提供することができるその他の好適な方式は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかになるであろう。
【0038】
D.指部ベースの方向性力センサーアセンブリ
図9〜10は、ピエゾ抵抗素子(612)の環を有するハンドルアセンブリ(600)と、一対の指部(656)を有するエンドエフェクタ(650)と、を具備した例示的な代替の方向性力センサーアセンブリを表す。この一対の指部は、エンドエフェクタ(650)がハンドルアセンブリ(600)に連結され、エンドエフェクタ(650)のブレード(図示せず)に力が印加されたときに、ピエゾ抵抗素子(612)に係合すべく構成されている。本実施例のハンドルアセンブリ(600)は、ケーシング(602)とトランスデューサ(620)とを具備する。本実施例のケーシング(602)は、トランスデューサ(620)及びその内部のその他の構成要素(図示せず)を収容するような大きさ及び構成になっている。本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、ケーシング(602)は、耐久性プラスチック(ポリカーボネートや液晶ポリマーなど)、セラミック及び/若しくは金属、又は他の何らかの適切な材料から構成され得る。ケーシング(602)は、近位に延在しているケーブル(606)を含み、このケーブルは、複数のワイヤ(618、626、628)を上述したジェネレータ(40)などの電源まで導く。勿論、いくつかの形態においては、ケーブル(606)を省略することもできるし、電源をケーシング(602)の内部に位置付けることもできる。ケーシング(602)はまた、
図10において最もよく分かるように、開口した遠位端(610)と、開口した遠位端(610)の内側の周りで環内に位置付けられたピエゾ抵抗素子(612)の環と、を含む。ピエゾ抵抗素子(612)については、後ほど更に詳述する。ケーシング(602)は、上述したマルチピースハンドルアセンブリ(60)の教示の少なくとも一部に従って更に構築され得る。
【0039】
トランスデューサ(620)は、連続した圧電素子(622)間に交流電極(624)が配設された複数の圧電素子(622)を具備して、圧電素子の積み重ね体を形成している。本実施例では、交流電極(624)がワイヤ(626、628)を介して電気的に連結され、その結果、電原がワイヤ(626、628)に連結されたときに複数の圧電素子(622)にわたって電位が生ずる。それ故、電源を起動すると、複数の圧電素子(622)によって電力が超音波振動に変換される。そのような超音波振動は、導波路(660)がトランスデューサ(620)にねじ的に連結しているときにエンドエフェクタ(650)の導波路(660)に対して遠位に伝達される。圧電素子(622)の積み重ね体の近位端には、近位共振器(630)がある。ボルト(632)は、環状開口部(図示せず)を通して近位共振器(630)及び圧電素子(622)の積み重ね体に挿入され、遠位共振器(634)に連結する。それ故、トランスデューサ(620)は、ボルト(632)、近位共振器(630)、圧電素子(622)及び電極(624)の積み重ね体、並びに遠位共振器(634)で実質的に形成されている。遠位共振器(634)のねじ付き部分(640)は、エンドエフェクタ(650)の導波路(660)にねじ的に連結すべく構成されている。ねじ付き部分(640)は、遠位共振器(634)に沿った節点、波腹、及び/又はその他の任意の地点にて位置付けられ得る。トランスデューサ(620)は、トランスデューサ(210、320)、及び/又はその開示内容が本明細書において参照により援用されている米国特許出願第13/274,480号「Surgical Instrument with Slip Ring Assembly to Power Ultrasonic Transducer」(2011年10月17日出願)の教示の少なくとも一部に従って更に構築され得る。トランスデューサ(620)の更に他の構成は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0040】
本実施例において、各ピエゾ抵抗素子(612)は、対応するワイヤ(618)に連結されており、このワイヤは電圧検出装置(図示せず)に更に連結されている。それ故、ピエゾ抵抗素子(612)、例えばピエゾ抵抗素子(612)に接触する指部(656)が力を受けると、電圧検出装置は、対応するピエゾ抵抗素子(612)からの電圧の変化を示す。そのような電圧の変化を用いることで、エンドエフェクタ(650)のブレードに印加された力の大きさ、及びピエゾ抵抗素子(1つ又は複数)(612)は電圧変化を示す基準となる力の方向の両方を示すことができる。勿論、ピエゾ抵抗素子(612)(例えば、導電性エラストマー及び/若しくはゲル、ひずみゲージ、容量性感知素子、その他の抵抗性感知素子、並びに/又はその他)の代わりに、他の力検知素子を使用することもできる。また当然のことながら、可撓性の環は、ピエゾ抵抗素子(612)の環状アレイ又はその代替物の周りに位置付けられていてもよい。そのような可撓性の環は、少なくとも部分的に環状アレイにてピエゾ抵抗素子(612)又はその代替物を支持できると共に、外科医の手によってかけられた圧力に応じて弾力的に変形することもでき、それにより、ピエゾ抵抗素子(612)又はその代替物に力を伝達し、かつ/又はピエゾ抵抗素子(612)又はその代替物が流体などに曝露されるのを防ぐシールとしての機能を果たし得る。いくつかの他の形態において、以下で更に詳述されるように、ホール効果センサーに対する指部(656)の近接性を用いて、ホール効果センサーを非接触ベースの力を定量する目的に使用できる。勿論、ピエゾ抵抗素子(612)の更に他の構成は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0041】
本実施例のエンドエフェクタ(650)は、ケーシング(652)の内部に回転自在に配設された導波路(660)を含む。導波路(660)は、遠位共振器(634)に連結して超音波振動をトランスデューサ(620)からブレード(図示せず)に、又は導波路(660)の遠位端に連結されている他の機構に伝達すべく構成されている部材を具備する。
図9に示すように、導波路(660)は、ねじ付き部分(640)に連結して導波路(660)をトランスデューサ(620)に機械的にかつ調和的に連結すべく構成された近位ねじ付き凹部(662)(想像線で示す)を含む。勿論、導波路(660)及び/又はトランスデューサ(620)の他の連結機構は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。ケーシング(652)は、導波路(660)を支持しながらも依然として導波路(660)をケーシング(652)に対して回転させ、かつ振動させるブッシング(654)を含む。勿論、軸受などの他の回転自在な連結部を設けることもできるし、又はいくつかの形態においては、ブッシング(654)を省略し得るてもよいことを理解すべきである。
【0042】
ケーシング(652)は、ケーシング(652)の近位端に一対の指部(656)を含む。上述したように、指部(656)は、ブレード又はエンドエフェクタ(650)の他の機構に力が印加されたときにピエゾ抵抗素子(612)に接触すべく構成されている。本実施例において、
図10に最もよく示すように、指部(656)は、互いに180度離れた2つの三日月形状の片持梁部材を具備する。
図10を参照すると、力が水平に印加されると、少なくとも1つの指部(656)が1つ又は2つ以上のピエゾ抵抗素子(612)に係合する。それ故、対応するピエゾ抵抗素子(612)からの電圧出力を用いることによって、(ピエゾ抵抗素子(1つ又は複数)(612)が電圧を変化させた)力の方向、及び(電圧の変化による)大きさの両方を定量できる。
図10に示す例に対して垂直に力が印加されると、三日月形状の指部(656)が、指部(656)の上方又は下方にある少なくとも1つ又は2つ以上のピエゾ抵抗素子(612)に接触する。それ故、2つの指部(656)を用いることにより、ブレード又はエンドエフェクタ(650)の他の機構にかかる力のいかなる方向に対しても力の方向及び大きさを決定できる。勿論、2つを超える指部(656)を使用してもよい。例えば、3つの指部(656)を120度離隔させてもよい。そのような指部(656)は、単純な矩形部材を含むいかなる幾何学形状であってもよい。更になお、いくつかの形態において、単一の指部(656)は、ピエゾ抵抗素子(612)の同心環に使用され得る。このピエゾ抵抗素子は、ピエゾ抵抗素子(612)の外側環とピエゾ抵抗素子(612)の内側環とを有する。それ故、単一の指部(656)は、ブレード又はエンドエフェクタ(650)の他の機構に対する力に応じて、内側環又は外側環上のいずれか一方のピエゾ抵抗素子(612)に常に接触する。いくつかの更なる形態において、指部(656)は、必ずしもエンドエフェクタ(650)のケーシング(652)に関連付けられなくてもよく、代わりにエンドエフェクタ(650)の別個の機構に関連付けられてもよい。加えて又は代わりに、ピエゾ抵抗素子(612)は、エンドエフェクタ(650)に関連付けられ得る一方、指部(656)はハンドルアセンブリ(600)のケーシング(602)から延在する。エンドエフェクタ(650)及び/又は指部(656)の更なる構成は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0043】
E.圧電ストリップの方向性力センサーアセンブリ
図11A〜13Bは、ケーシング(702)と、ケーシング(702)の内部に回転自在に装着されたトランスデューサ(710)と、トランスデューサ(710)から延在する導波路(720)と、導波路(720)の遠位端に連結されているブレード(730)と、方向性力センサーアセンブリ(750)と、を具備する例示的な代替の外科用器具(700)を表す。まず
図11A〜11Bを参照すると、本実施例のケーシング(702)は、トランスデューサ(710)と、コントローラ(790)と、ケーシングの内部のその他の構成要素(図示せず)と、を収容するような大きさ及び構成になっている。本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、ケーシング(702)は、耐久性プラスチック(ポリカーボネートや液晶ポリマーなど)、セラミック及び/若しくは金属、又は他の何らかの適切な材料から構成され得る。本実施例において、電源及び関連する配線は、トランスデューサ(710)に電力を供給しコントローラ(790)により制御されるものであるが、見やすいように省略してある。いくつかの形態において、ケーシング(702)は、複数のワイヤ(図示せず)を上述のジェネレータ(40)などの電源まで導く、近位に延在しているケーブル(図示せず)を含み得る。勿論、いくつかの形態においては、ケーブルを省略することもできるし、電源をケーシング(702)の内部に位置付けることもできる。
【0044】
本実施例において、ケーシング(702)は、トランスデューサ装着部(704)及び正面節点(706)を更に備える。トランスデューサ装着部(704)は、ケーシング(702)の内部のトランスデューサ(710)を長手方向に固着すると共にケーシングの内部にてトランスデューサ(710)の回転が可能になるように構成されている。ほんの一例として、トランスデューサ装着部(704)は、トランスデューサ(710)のフランジ(712)とインターフェースする軸受機構を具備する。正面節点(706)は、ケーシング(702)の遠位端にて導波路(720)とインターフェースし、この導波路を支持する一対の支柱を具備する。それ故、トランスデューサ(710)の超音波アセンブリ、導波路(720)、及びブレード(730)は、器具(700)の2つの固定点にて支持される。
【0045】
ケーシング(702)はまた、起動ボタン(708)を含む。起動ボタン(708)は、コントローラ(790)に電気的に連結されており、その起動ボタン(708)を使用するユーザーに応じて器具(700)を選択的に起動するようにコントローラ(790)に対し指示すべく動作可能である。本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、起動ボタン(708)としては、トグル、容量性触覚センサー、抵抗性触覚センサー、電気機械ボタン、及び/又は他の任意の起動ボタン(708)を挙げることができる。起動ボタン(708)は、本明細書において記述されている起動機構(18)の教示の少なくとも一部に従って更に構築され得る。
【0046】
本実施例のトランスデューサ(710)は、電力が電極に印加されたときに導波路(720)を振動させるべく動作可能な圧電素子及び電極を交互に配した積み重ね体を具備する。導波路(720)は、トランスデューサ(710)から遠位に延在し、近位端にてトランスデューサ(710)に機械的に連結されている。ブレード(730)は、導波路の遠位端に連結されており、トランスデューサ(710)がアクティブであるときに切断かつ/又は凝固すべく動作可能である。いくつかの形態においては、ブレード(730)は導波路(720)に適合され、その結果、導波路(720)に対するブレード(730)の回転位置が把握される。そのような回転位置情報は、本明細書において述べるように、トランスデューサ(710)の動作の制御中に、コントローラ(790)により使用され得る。トランスデューサ(710)、導波路(720)及び/又はブレード(730)は、トランスデューサ(90、210、320、620)、導波路(160、360、660)、ブレード(82、152)及び/又は別の手段に関する教示の少なくとも一部に従って更に構築され得る。
【0047】
上述したように、コントローラ(790)はケーシング(702)の内部に収容されている。コントローラ(790)は、電源のエネルギー設定を制御すべく動作可能であり、導波路(720)によりブレード(730)に伝送される、トランスデューサ(710)からの出力を制御する。コントローラ(790)は、以下で更に詳述されているように、方向性力センサーアセンブリ(750)、及び起動ボタン(708)に電気的に連結されている。いくつかの形態においては、起動ボタン(708)をユーザーが操作した場合でも方向性力センサーアセンブリ(750)により力が検出されるまではトランスデューサ(710)が起動されないようにコントローラ(790)を構成することが可能であるが、この構成は全くの任意である。コントローラ(790)は、上述の制御モジュール(12)の教示の少なくとも一部に従って更に構築され得る。
【0048】
本実施例の方向性力センサーアセンブリ(750)は、導波路(720)の一部の周りに配設された複数のピエゾ抵抗ストリップ(752)を具備する。本実施例において、方向性力センサーアセンブリ(750)は、長手方向軸(780)に対する導波路(720)の偏向が最大になるように、前側節点(706)とトランスデューサ装着部(704)との間の中間点に位置決めされるが、この位置決めは全くの任意である。加えて、方向性力センサーアセンブリ(750)を節点若しくは導波路(720)内の発振振動が最小になる地点に、又はその付近に位置付けることにより、センサーアセンブリ(750)により吸収される音響エネルギーが最小限に抑えられるようにもなる。いくつかの形態においては、センサーアセンブリ(750)は、節点に隣接して位置付けられるか又は節点に対して非対称に夾叉する。代わりに、センサーアセンブリ(750)は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、導波路(720)に沿った他の好適な任意の地点に位置付けられてもよい。簡潔に
図12を参照すると、ピエゾ抵抗ストリップ(752)は、導波路(720)の周りの角状アレイに配設されており、導波路(720)に固定的に連結されている。本実施例では、7つのピエゾ抵抗ストリップ(752)が、導波路(720)の周辺に等間隔に配設されるが、この配設は全くの任意である。いくつかの形態においては、7つより多くの又は7つ未満のピエゾ抵抗ストリップ(752)を使用してもよい。例示の目的に過ぎないが、ピエゾ抵抗ストリップ(752)は接着剤で的に接合され、かつ/又は導波路(720)に機械的に連結され得る。ピエゾ抵抗ストリップ(752)は、
図11A〜11B、及び13A〜13Bに示すような導波路(720)の屈曲がピエゾ抵抗ストリップ(752)を伸張させるか又は圧縮すべく長手方向に細長い部材を具備する。それ故、そのような膨張及び/又は圧縮によって、電圧検出装置により測定され得る電圧が生ずる。本実施例において、各ピエゾ抵抗ストリップ(752)は、コントローラ(790)に電気的に連結されているため、導波路(720)の屈曲によって生じた電圧(1つ又は複数)がコントローラ(790)に伝達される。
【0049】
コントローラ(790)は、各ピエゾ抵抗ストリップ(752)からの電圧の変化を判定する1つ又は2つ以上の電圧検出回路を具備する。それ故、コントローラ(790)は、ピエゾ抵抗ストリップ(752)の位置、及び生じた電圧を用いてブレード(730)に印加された力の方向及び大きさを測定すべく構成され得る。いくつかの形態においては、導波路(720)に対するブレード(730)のキーイングは、電圧を生ずるピエゾ抵抗ストリップ(752)の位置に基づいて、所定のキーイングされた部分に対する方向を判定するための参照点として使用できる。勿論、導波路(720)の周りに他の力検知素子を配設し得ることを理解すべきである。例えば、複数のひずみゲージを導波路(720)に対して長手方向に取り付けてもよい。ピエゾ抵抗ストリップ(752)及び/又は方向性力センサーアセンブリ(750)の更に他の構成は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0050】
図11Aに戻って参照すると、ブレード(730)及び導波路(720)が、第1の非屈曲状態にて示してある。この位置において、ピエゾ抵抗ストリップ(752)は電圧出力がゼロになるように較正される。いくつかの形態においては、トランスデューサ(710)がアクティブであるときは、導波路(720)を介した振動によって、ピエゾ抵抗ストリップ(752)に対して一貫した小さな電圧変化を生じる可能性があり、この電圧変化に対しては無視するようにコントローラ(790)を較正してもよい。
図11Bに矢印(770)で示すように、ブレード(730)に力が印加されると、前側節点(706)及びトランスデューサ装着部(704)によって2つの地点が設けられ、これら2地点間においては、矢印(772)で示されているようなブレード(730)に印加された力に対向する方向に、導波路(720)が屈曲する。そのような屈曲の誇張形態は、例示のみを目的に
図13A〜13Bに示してある。導波路(720)が第2の屈曲状態にあるとき、1つ又は2つ以上のピエゾ抵抗ストリップ(752)は圧縮され、同時に1つ又は2つ以上のピエゾ抵抗ストリップ(752)は伸張する。そのため、いくつかのピエゾ抵抗ストリップ(752)からの電圧の上昇、及び他のピエゾ抵抗ストリップ(752)による電圧の降下が、コントローラ(790)によって検出される。どのピエゾ抵抗ストリップ(752)が最も圧縮されたか、またどのピエゾ抵抗ストリップ(752)が(例えば、電圧の変化によって)最も伸張したかを識別することにより、コントローラ(790)は、ブレード(730)を中心としてどの方向から力が印加されたかを判定できる。加えて、前もって較正を行うことによって、電圧変化を用いて、ブレード(730)に印加された力の大きさを測定することができる。それ故、方向性力センサーアセンブリ(750)を利用することによって、コントローラ(790)は、ブレード(730)に印加された力の方向及び大きさを判定できる。本明細書において更に詳述するように、コントローラ(790)は続いて、トランスデューサ(710)の出力が制御されるように1つ又は2つ以上のエネルギー設定を適用すべく構成され得る。
【0051】
F.非接触の方向性力センサーアセンブリ
いくつかの形態においては、導波路(160、360、660、720)に接触せずにブレード(82、152、730)に印加された方向及び力を判定することが好ましい場合がある。ここで、例示の目的に過ぎないが、非接触の方向性力センサーアセンブリについて説明する。しかしながら、他の例は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかになることを理解されたい。
【0052】
図14〜15は、シース(830)の内部に配設された導波路(810)を具備する例示的な非接触の方向性力センサーアセンブリ(800)を示す。本実施例において、導波路(810)は、近位端にてトランスデューサ(図示せず)に連結され、遠位端にてブレード(図示せず)に連結されている、細長い金属製部材を具備する。本実施例の導波路(810)は横断孔(812)を含み、その横断孔は、中にピン形状の磁石(820)を受容すべく構成されている。本実施例において、横断孔(812)は円筒状の孔を備えるが、他の形状及び幾何学形状は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。磁石(820)及び孔(812)は、磁石(820)が孔(812)に挿入されたときに磁石(820)が導波路(810)の長手方向軸(818)の周りの実質的に中央に位置するように構成されている。いくつかの形態においては、接着剤又は他の機構で磁石(820)を孔(812)の内部に固定できるが、これは全くの任意である。加えて又は代わりに、磁石(820)をシリコーンでオーバーモールドして導波路(810)に対して磁石(820)を絶縁することもできるが、これは全くの任意である。本実施例において、磁石(820)は、磁石(820)で形成されるピン形状の軸に沿って磁化される。更に、上記は導波路(810)を参照しながら説明してきたが、当然のことながら、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、磁石(820)及び孔(812)をブレード上、及び/又はトランスデューサの一部の上に位置付けることも可能である。
【0053】
シース(830)は、シース(830)上の角状アレイに配設された複数の電極ループ(840)を具備する。本実施例のシース(830)はプラスチック部材を具備し、このプラスチック部材はシース(830)の内表面に電極ループ(840)がオーバーモールドされているが、これは全くの任意である。いくつかの形態においては、電極ループ(840)をシース(830)の外側にオーバーモールドし、かつ/又は他の手段(例えば、接着剤による付着、機械的連結部など)を介してシース(830)に関連付けることができる。電極ループ(840)はそれぞれ、長手方向の長さに沿って複数の短手方向の短尺スイッチバック(842)を有する金属製ワイヤ又は構成要素を含む。いくつかの変形において、電極ループ(840)は、シース(830)の直径の周囲の連続的な巻線として形成される。そのようなループは、磁石(820)の位置を中心にしてよく、それにより、磁石(820)により形成されるピン形状の軸が電極ループ(840)の中心を通過する。加えて又は代わりに、電極ループ(840)は、シース(830)の周縁に巻着されてよい。電極ループ(840)及び/又はシース(830)の他の好適な構成は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0054】
図15を参照すると、トランスデューサにより振動が活発になったために導波路(810)が振動すると、軸(818)に沿ってシース(830)に対して磁石(820)は長手方向に前後に移動する。この振動運動によって電極ループ(840)に小さな電流が生成される。この電流は、コントローラ(790)及び/又は制御モジュール(12)などのコントローラ及び/又は制御モジュールにより測定され得る。例えば、ユーザーが組織(tissue or)に対してブレードを押圧するなどして導波路(810)が偏向すると、磁石(820)は1つ又は2つ以上の電極ループ(840)に接近するように動く。磁界の増大によって、対応する電極ループ(840)の誘導電流が増加する。それ故、電極ループ(単数又は複数)(840)が経る偏向の向き、電流の増加及び/又は減少、並びに偏向を生ずる力の大きさは、導波路(810)構造特性及び電流増分の大きさに基づいて判定することができる。故に、導波路(810)に接触することなしに、導波路(810)に連結されているブレードに印加された力の大きさ及び方向の両方を判定できる。シース(830)は、磁石(820)及びシース(830)アセンブリの相対的な機械的動作の実効インダクタンスにおける小さい変化を感知できる共振回路内で動作し得る。回路の共振は実効インダクタンスによって異なる。勿論、更に他の配置構成、及び/又は非接触の方向性力センサーアセンブリ(800)の構成は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0055】
IV.例示的な減衰制御
上述したように、場合によっては、器具(10、50、100、700)の超音波動力伝達系を減衰させるか又はさもなければ振動動作を制御することが好ましい場合がある。例えば、外科的処置中に組織に対しブレード軸受を用いることによって、導波路(160、360、660、720、810)、及び/又は外科用器具(10、50、100、700)の超音波動力伝達系の他の部分に横断運動が生じた場合、横断運動は中断される可能性もあれば又はさもなければトランスデューサ(90、210、320、620、710)からの振動運動に支障を来たす可能性もある。加えて、いくつかの事例においては、横断運動によって不安定な振動モードが誘導され、それにより、器具(10、50、100、700)が損傷を受ける可能性がある。外科用器具(10、50、100、700)の使用中にこれらの横断運動を排除するか又は低減することで、製作公差を増大させ得る。それ故、そのような横断運動を超音波動力伝達系から減衰させる様々な方法について、ここで記述するが、他の実施例は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0056】
図16は、トランスデューサ(210)が正常状態にて動作しているときの
図5の遠位圧電円板アセンブリ(250)からの例示的なサンプル電圧出力(900)を表す。
図17に示すように、横断運動又は事象がエンドエフェクタ及び/又は導波路に印加されると、振動波形に外乱(910)が起こり、電圧出力(900)が不安定になる。勿論、上記は単なる例示であることを理解すべきである。
【0057】
図18は、制御モジュール(12)などの制御モジュール、及び/又は
図17に示す横方向の事象に応じて、超音波動力伝達系の動作を補正するコントローラ(790)により実行され得る工程の例示的な流れ図を表す。工程(1000)においては、器具、例えば器具(10、50、100、700)が起動される。工程(1010)においては、器具の1つ又は2つ以上のセンサーがモニターされる。ほんの一例として、遠位圧電円板アセンブリ(250)、圧電円板アセンブリ(370)、マルチピース圧電素子(400)、及び/又はマルチピース圧電素子(500)は、制御モジュールによりモニターされ得る。本実施例において、工程(1010)で実行されるモニター工程は、1つ又は2つ以上の上記センサーからの電圧出力(900)をモニターする工程を含む。工程(1020)では、横方向の事象が検出されたかどうかが、制御モジュールによって判定される。そのような判定は、
図17に示すような電圧出力(900)が所定の閾値を超えたか、かつ/又は振動波形の周期が変化したかを検出することによって行われ得る。横方向の事象が一切検出されない場合、制御モジュールは工程(1010)に戻ってセンサーのモニターを続行する。
【0058】
横方向の事象が検出された場合、制御モジュールは、補正処置が起動される工程(1030)に進む。
図19に、制御モジュールによってトランスデューサが一時的に起動解除されて振動が衰微し、続いてトランスデューサが再起動されて器具の動作が再開される、1つの例示的な補正処置が示してある。
図19に示すように、横方向の事象が原因で電圧出力(1100)は初期に不安定になる。領域(1110)において、トランスデューサは起動解除される。振動は領域(1120)を通して衰微する。領域(1130)では、トランスデューサを再起動して、通常動作を再開する。
【0059】
安定性の能動減衰が行われる工程(1030)にて実施できる第2の例示的な補正処置は、
図20に示してある。ほんの一例として、そのような能動減衰は、上述したように、遠位圧電円板アセンブリ(250)、圧電円板アセンブリ(370)、マルチピース圧電素子(400)、及び/又はマルチピース圧電素子(500)により行われる。
図20に示す例において、総電圧出力(1100)は、遠位圧電円板アセンブリ(250)、圧電円板アセンブリ(370)、マルチピース圧電素子(400)及び/又は上述したマルチピース圧電素子(500)のうちの1つ又は2つ以上、及び/又は1つ又は2つ以上のセグメント(410、420、430、440、530)を介して感知された振動に対応する。点線部の電圧入力(1190)は、遠位圧電円板アセンブリ(250)、圧電円板アセンブリ(370)、マルチピース圧電素子(400)、マルチピース圧電素子(500)のうちの1つ又は2つ以上に対して、及び/又は1つ以上のセグメント(410、420、430、440、530)により供給されて、横方向の事象を能動的に減衰させる電圧に対応している。
【0060】
図20に示すように、電圧出力(1100)は初めに(1140)における横方向の事象を示す。続いて、制御モジュールは、遠位圧電円板アセンブリ(250)、圧電円板アセンブリ(370)、マルチピース圧電素子(400)、マルチピース圧電素子(500)のうちの1つ又は2つ以上を、及び/又は1つ又は2つ以上のセグメント(410、420、430、440、530)により電圧入力(1190)に従って起動させて、電圧出力(1100)により示される不安定性を能動的に減衰させる。ほんの一例として、電圧入力(1190)を生じさせるための能動減衰は、遠位圧電円板アセンブリ(250)、圧電円板アセンブリ(370)、マルチピース圧電素子(400)、マルチピース圧電素子(500)を、及び/又は1つ又は2つ以上のセグメント(410、420、430、440、530)により、電圧出力(1100)の振動波形のピークにて起動させて、横方向の事象を無効にする工程を含み得る。いくつかの形態においては、短いバーストに対して能動減衰機能の起動が為され、その後、電圧出力(1100)の振動波形が検出され得る。新たな電圧出力(1100)の示度を用いることによって、実行されている能動減衰の修正、及び/又はシステムが正規の振動波形に戻ったかどうかの判定が可能になる。例えば、(1150)において、電圧出力(1100)で示される横方向の事象からの不安定が抑制された。あるいは、いったん横方向の事象が検出され、所定の時間を経た後に起動解除されると、及び/又は不安定な波形が止んだことを別のセンサーが判定すると、能動減衰機能の起動が継続的に行われ得る。加えて、いくつかの形態においては、能動減衰中に印加され得る最大電圧入力(1190)に対する所定の制限を制御モジュールに含めてもよいが、この制限は全くの任意である。勿論、能動減衰の他の構成は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0061】
図18に戻ると、いったん上述の補正処置によって横方向の事象が抑制及び/又は実質的に抑制されると、制御モジュールは、工程(1010)のセンサーをモニターする工程に戻ることができる。いくつかの形態においては、工程(1030)において各補正処置が行われた(preformed)後、任意選択的な工程(1040)にてカウンタが減分される。例示の目的に過ぎないが、器具を100個の横方向の事象の補正に制限してもよい。いったんカウンタがゼロに達したら、パラメータの許容範囲から外れて器具が動作していることをユーザーに通知するようにインジケータを起動できる(例えば、照明、ビープ音、振動を起動させてユーザーに通知する)。通知に加えて又は通知の代わりに、器具が修理されるか又は再生されるまで、制御モジュールでトランスデューサを起動解除してもよい。工程(1040)においてカウンタがゼロまで減分されなかった場合、制御モジュールは工程(1010)に戻ってセンサーを再びモニターする。勿論、他の構成及び工程は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0062】
V.例示的なエネルギー設定の管理
いくつかの形態においては、ユーザーがどのように器具(10、50、100、700)を利用しているかに基づいて器具(10、50、100、700)のエネルギー設定を調整することが役立つ場合がある。例えば、一部のユーザーに対して、ブレード(82、152、730)に印加された力の方向及び大きさは、ユーザーが予想する用途タイプ及びエネルギー設定を示し得る。例えば、ユーザーが、ブレード(82、152、730)の側面を使用して
図4に示す矢印(192、194)の方向に
高圧を印加した場合、ユーザーは、ブレードを使用して組織を凝固することを予想し得る。あるいは、ユーザーが、
図4に示す矢印(196、198)の方向にブレード(82、152、730)の頂面又は底面を使用してより強力な圧力を印加した場合、ユーザーは、ブレードを使用して組織を切断することを予想し得る。それ故、上記マルチピース圧電素子(400、500)、ピエゾ抵抗素子(612)及び指部(656)並びに/又は方向性力センサーアセンブリ(750、800)のうちの1つ又は2つ以上を使用してブレード(82、152、730)、制御モジュール(12)などの制御モジュール、及び/又はコントローラ(790)に印加された力の大きさ及び方向の両方を検出する工程を用いて、トランスデューサ(90、210、320、620、710)のエネルギー設定を制御することができる。ここで、ほんの例示に過ぎないが、エネルギー設定制御構成をいくつか取り上げて説明する。当然のことながら、トランスデューサ(90、210、320、620、710)のエネルギー設定を制御するための他の構成は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0063】
トランスデューサ(90、210、320、620、710)のエネルギー設定を制御するための例示的な工程の例示的な流れ図を、ほんの一例を挙げるに過ぎないが、
図21に図示してある。本実施例について、図示されている器具(700)を参照しながら説明すると共に、
図11A〜13Bを参照しながら説明するが、当然のことながら、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、以下は、本明細書において記述されている他の任意の外科用器具(10、50、100、700)に対して、マルチピース圧電素子(400、500)、ピエゾ抵抗素子(612)及び指部(656)並びに/又は方向性力センサーアセンブリ(750、800)のうちの1つ又は2つ以上を組み入れた外科用器具に対して、及び/又は他の任意の外科用器具に対して適用可能である。
【0064】
工程(1200)では、最初にユーザーにより1つの起動ボタン又は電源ボタン(708)が起動される。上述した通り、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、起動ボタン(708)には、トリガ、容量性触覚センサー、抵抗性触覚センサー、電気機械ボタン、及び/又はその他の任意の起動ボタン(708)が含まれ得る。1つの起動ボタン(708)を使用することで、ユーザーが器具(700)の使用中に最大又は最小エネルギートグルなどの様々なエネルギーレベル設定ボタンの間で切り替える必要がないように器具(700)を簡素化することができるが、この簡素化は全くの任意である。本実施例では、起動ボタン(708)を操作するだけではトランスデューサ(710)が起動されないが、いくつかの形態においては、起動ボタン(708)を操作するとトランスデューサ(710)が開始される場合がある。工程(1210)では、コントローラ(790)は、方向性力センサーアセンブリ(750)をモニターする。工程(1220)では、コントローラ(790)は、方向性力センサーアセンブリ(750)により力が検出されたかどうかを判定する。例えば、
図11B及び13Bに示すもののように導波路(720)が偏向した場合、ピエゾ抵抗ストリップ(752)が変形し、電圧変化を生ずる。コントローラ(790)によって、この電圧変化が検出され、力がブレード(730)に印加されていることを判定し、工程(1230)に進む。ブレード(730)にかかる力が検出されない場合、工程(1210)においてコントローラ(790)は、方向性力センサーアセンブリ(750)により力が検出されるまで方向性力センサーアセンブリ(750)のモニターを継続する。本実施例において、ユーザーが起動ボタン(708)を操作し、かつ起動ボタン(708)が押下されている間に方向性力センサーアセンブリ(750)を介してブレード(730)に力が印加されたことをコントローラ(790)が検出した後に初めて、トランスデューサ(710)が起動される。そのような構成は、偶発的な起動を減らすためのロックアウト機能を提供することができる。勿論、上記は単に任意である。
【0065】
工程(1230)では、コントローラ(790)は、方向性力センサーアセンブリ(750)の構成を利用してブレード(730)に印加された力の大きさ及び方向の両方を判定する。上述したように、導波路(720)の周りに角状アレイでピエゾ抵抗ストリップ(752)が配設され、その結果、ブレード(730)に印加された力の方向を検出することが可能になる。例示の目的に過ぎないが、
図11Bに示すように、ブレード(730)の底部に力が印加されると、導波路(720)の底部にある対応するピエゾ抵抗ストリップ(752)が伸張し、かつ/又は導波路(720)の頂部にあるピエゾ抵抗ストリップ(752)が圧縮され、それにより、異なる電圧変化が生じ、ブレード(730)の底部に力が印加されたことが示される。勿論、2つのピエゾ抵抗ストリップ(752)を使用することによって、大きさ及び方向の測定値の平均化、並びに/又は1つのピエゾ抵抗ストリップ(752)が不良な電圧示度を出力していないことの確認が可能になるが、これは全くの任意であることを理解すべきである。いくつかの形態においては、各方向に単一のピエゾ抵抗ストリップ(752)を使用し得るが、これも任意である。加えて又は代わりに、トランスデューサ(710)が既にアクティブであり得る形態においては、2つの異なる電圧変化の使用が導波路(720)の曲げを示す一方、並列な及び一貫した電圧変化でアクティブなトランスデューサ(710)の通常動作を示すことができるが、これもまた任意である。ブレード(730)に印加された力の大きさ及び方向が判定されてから、コントローラ(790)は工程(1240)に進み、トランスデューサ(710)のエネルギー設定を判定する。
【0066】
図4を簡潔に参照すると、方向性力センサーアセンブリ(750)が矢印(192、194)の方向に印加された力を示す場合、コントローラ(790)は工程(1240)にて所定の第1のエネルギー設定を判定する。方向性力センサーアセンブリ(750)が矢印(196、198)の方向に印加された力を示す場合、コントローラ(790)は工程(1240)にて所定の第2のエネルギー設定を判定する。いくつかの形態では、ブレード(730)に印加された力の大きさに基づいて、第1及び/又は第2のエネルギー設定を拡大又は縮小できる。加えて又は代わりに、第1のエネルギー設定及び/又は第2のエネルギー設定の、所定の最小値及び/又は最大値を設定してもよく、その結果、第1のエネルギー設定及び/又は第2のエネルギー設定に対してエネルギー設定の境界範囲が利用可能になる。いくつかの形態においては、コントローラ(790)は、矢印(192、194、196、198)以外の方向に力が印加されていることを判定でき、中間的な、又は矢印(192、194、196、198)に対する方向に基づいたその他の計算されたエネルギー設定(例えば、ブレード(730)に力が印加される角度に基づいて第1及び第2のエネルギー設定間で判定されるエネルギー設定)を適用することもできる。更に他のエネルギー設定、及び/又はエネルギー設定を決定するための構成は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0067】
工程(1240)にてエネルギー設定が決定されると、コントローラ(790)は工程(1250)にてトランスデューサ(710)を起動させる。いくつかの形態において、トランスデューサ(1250)は、工程(1240)で決定されたエネルギー設定にて所定の期間にわたってアクティブに維持される。加えて又は代わりに、いったん方向性力センサーアセンブリ(750)が、ブレード(730)に印加される力の検出を止めると、トランスデューサ(710)の起動が解除される。更に、工程(1210)においてコントローラ(790)は引き続きセンサーをモニターして、方向性力センサーアセンブリ(750)により測定された力の大きさ及び方向の更なる変化を検出することができる。それ故、コントローラ(790)は、ブレード(730)に印加される力の大きさ及び方向に基づいて、トランスデューサ(710)のエネルギー設定を継続的に更新し調整すべく構成され得る。故に、ユーザーは、予想された方向性力プロファイルに従って器具(700)を簡単に使用して、器具(700)を使用中に動的に調整することができる。勿論、更に他の構成は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0068】
例えば、
図22に示すように、ほんの例示に過ぎないが、トランスデューサ(710)のエネルギー設定を決定するための工程(1240)に対する代替構成を図示してある。本実施例において、センサーが検査されると、工程(1300)において加速度計が組み込まれる。方向性力センサーアセンブリ(750)により検出された力の大きさ、及び加速度計により検出された動作速度に基づいて、コントローラ(790)は、工程(1310、1320、1330及び1340)に示すような工程に従ってトランスデューサ(710)のエネルギー設定を調製する。動作が高速であることが加速度計により示され、力又は圧力の低いことが方向性力センサーアセンブリ(750)により示された場合は、組織を切開する目的に合わせて工程(1310)において、トランスデューサ(710)が高速設定に設定される。動作が高速であることが加速度計により示され、力又は圧力の高いことが方向性力センサーアセンブリ(750)により示された場合、堅い組織又は血管を切り込む目的に合わせて工程(1320)において、トランスデューサ(710)が中速設定に設定される。動作が低速であることが加速度計により示され、力又は圧力の低いことが方向性力センサーアセンブリ(750)により示された場合は、組織を凝固させる目的に合わせて工程(1330)において、トランスデューサ(710)が止血設定に設定される。動作が低速であることが加速度計により示され、力又は圧力の高いことが方向性力センサーアセンブリ(750)により示された場合、堅い組織又は血管の組織を切開する目的に合わせて工程(1340)において、トランスデューサ(710)が中速設定に設定される。コントローラ(790)は(1300)において引き続きセンサーを確認してエネルギー設定を更新でき、かつ/又は
図21を参照しながら説明した工程に従って処理を進めることができる。勿論、上述は単なる例示に過ぎず、その他の構成は本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0069】
上記に関しては器具(700)を参照しながら説明してきたが、当然のことながら、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、上述のいずれの構成も、本明細書において記述されている他の任意の外科用器具(10、50、100、700)に対して、マルチピース圧電素子(400、500)、ピエゾ抵抗素子(612)及び指部(656)並びに/又は方向性力センサーアセンブリ(750、800)のうちの1つ又は2つ以上を組み入れた外科用器具に対して、及び/又はその他の任意の外科用器具に対して適用可能である。
【0070】
VI.例示的なユーザーフィードバック制御
加えて又は代わりに、上記エネルギー設定の管理に対応するため、いくつかの形態では、器具(10、50、150、700)の使用が意図されたタスク(例えば、切断、凝固など)に対して所定範囲及び/又は至適範囲内であるかどうかを示すフィードバックをユーザーに提供することが好ましい場合がある。そのようなフィードバックは、ユーザーが器具(10、50、150、700)を使用した際の効果を向上させることができ、かつ/又は器具(10、50、150、700)を至適範囲(単数又は複数)内で使用するのに必要とされる学習曲線を低減することができる。上述の場合と同様、下掲の実施例について、図示されている器具(700)を参照しながら説明すると共に、
図11A〜13Bを参照しながら説明するが、当然のことながら、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、以下は、本明細書において記述されている他の任意の外科用器具(10、50、100、700)、マルチピース圧電素子(400、500)、ピエゾ抵抗素子(612)及び指部(656)並びに/又は方向性力センサーアセンブリ(750、800)のうちの1つ又は2つ以上を組み入れた外科用器具に対して、及び/又はその他の任意の外科用器具に対して適用可能である。
【0071】
図23は、外科用器具(700)などの外科用器具を用いた性能に基づいてユーザーに対して可聴フィードバックを提供するための複数の工程を図示した、例示的な流れ図を表す。処置を特定するための初期工程(1400)は、上述したモジュール(182)などの記憶装置から、及び/又はその開示内容が本明細書において参照により援用されている本明細書と同一日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END7088USNP.0590486]号「Surgical Instrument with Orientation Sensing」に記載されているモジュール(590)から処置構成データをローディングすることによって達成できる。勿論、処置を特定するための他の出典は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。例示の目的に過ぎないが、処置を特定する工程は、処置の構成データが制御モジュール及び/又はコントローラ、例えば、外科用器具(700)の制御モジュール(12)及び/又はコントローラ(790)に伝達されるように特定の処置向けに構成された外科用器具と共に、所定のモジュラーエンドエフェクタを利用する工程を含み得る。加えて又は代わりに、そのような処置の特定は、ユーザーが、本明細書と同一日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号END7088USNP.0590486]号「Surgical Instrument with Orientation Sensing」に開示されているもののようなユーザーインターフェースを介して処置の構成データを選択することによって、ユーザーがジェネレータ(40)などのジェネレータを介して選択することによって、及び/又は別の手段によって、達成され得る。以下に更に詳述されるように、処置の構成データは、特定された処置の際に器具(700)のブレード(730)に印加され得る力の範囲に対応する力の範囲を含み得る。例えば、第1の処置に関連する第1の力の範囲は胸郭の処置に対応し得るのに対して、第2の処置に関連する第2の力の範囲は一般的な外科的処置に対応し得る。本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、更に他のデータを読み込んでもよいし、かつ/又はさもなければ、実行すべき処置を特定するための工程(1400)から使用することもできる。勿論、上記は単に任意であり、完全に省略してもよい。
【0072】
工程(1410)においては、最初にユーザーにより1つの起動ボタン又は電源ボタン(708)を起動させる。上述の通り、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、起動ボタン(708)は、トリガ、容量性触覚センサー、抵抗性触覚センサー、電気機械ボタン、及び/又はその他の任意の起動ボタン(708)を含み得る。1つの起動ボタン(708)を使用することで、ユーザーが器具(700)の使用中に最大又は最小エネルギートグルなどの様々なエネルギーレベル設定ボタンを切り替える必要がないように器具(700)を簡素化することができるが、これは全くの任意である。工程(1420)では、コントローラ(790)が方向性力センサーアセンブリ(750)をモニターする。本明細書において記述されているように、コントローラ(790)は、ブレード(730)に印加された力の大きさ及び方向の両方を定量すべく動作可能である。工程(1430)において、コントローラ(790)は、方向性力センサーアセンブリ(750)からの力の大きさを、例えば任意選択的な工程(1400)中に読み込まれたものなどの所定の設定若しくは範囲、及び/又はコントローラ(790)(例えば、記憶装置上でコントローラ(790)に電気的に連結されているもの)によりアクセス可能な所定の範囲と比較する。そのような所定の範囲は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、工程(1400)中に特定された処置に対する力の至適範囲、トランスデューサ(710)に適用されるエネルギー設定に基づく所定の範囲(例えば、上掲の
図21の工程(1240)で判定されたもの)、及び/又はその他の任意の所定の範囲に対応し得る。例示の目的に過ぎないが、
図24に単に例証用の力の範囲を帯域(1550)としてグラフ形式で示してある。
【0073】
工程(1440)では、工程(1430)でブレード(730)に印加された力に関して検出された大きさが所定の範囲外であるかどうかが、コントローラ(790)によって判定される。
図24に示すように、線(1500)は、方向性力センサーアセンブリ(750)から出力された力の大きさに対応する。線(1500)が帯域(1550)の範囲内に留まる限りでは、ブレード(730)に印加された力は工程(1430)の所定の範囲内である。それ故、
図23の工程(1450)では、スピーカ又はその他の音声生成装置で、所定の音調が出力されるか又は維持される。例示の目的に過ぎないが、そのような音調には、
図24の領域(1630、1650)内のドットで示されるもののような定期的なクリック又はビープ音のノイズが含まれ得る。勿論、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、
図24に示すドット及び/若しくは線(1500)の視覚的インジケータのような他のインジケータ、複数のLED、触覚の振動、並びに/又は他の任意のインジケータを使用することもできる。
【0074】
工程(1440)において、コントローラ(790)が、ブレード(730)に印加された力の大きさの検出値が所定の範囲の最大値より大きいと判定した場合、スピーカ又は他の音声生成装置は工程(1460)において音調を遅くする。
図24に示すように、領域(1520、1540)にて線(1500)が帯域(1550)を超えた場合、ブレード(730)に印加された力は工程(1430)の所定の範囲に対して大きすぎる。本実施例における対応する音調は、
図24の領域内のドット(1610、1640)で示すもののような低速化する周期的なクリック又はビープ音のノイズを含む。例示の目的に過ぎないが、そのような可聴信号の低速化によって、停止しつつある鎖鋸(chainsaw)と似た音を生じ得る。勿論、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、
図24のドット及び/若しくは線(1500)の視覚的なインジケータなどの他のインジケータの利用、強度、点滅及び/若しくは照明LED数の減少、触覚振動数の減少、並びに/又は他の任意のインジケータの利用も可能である。
【0075】
工程(1440)において、コントローラ(790)が、ブレード(730)に印加された力の大きさの検出値が所定の範囲の最大値より小さいと判定した場合、スピーカ又は他の音声生成装置は工程(1470)において音調が増分される。
図24に示すように、領域(1530)にて線(1500)が帯域(1550)より下がると、ブレード(730)に印加された力は工程(1430)の所定の範囲に対して低すぎる。本実施例における対応する音調は、
図24の領域(1620)内のドットで示すもののような高速化する周期的なクリック又はビープ音のノイズを含む。例示の目的に過ぎないが、そのような可聴信号の高速化によって、フリーホイーリング、及び/又は他の高ピッチノイズと似た音を生じ得る。勿論、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、
図24のドット及び/若しくは線(1500)の視覚的なインジケータなどの他のインジケータの利用、強度、点滅及び/若しくは照明LED数の増加、触覚振動数の増加、並びに/又は他の任意のインジケータの利用も可能である。
【0076】
工程(1450、1460、1470)に従って、コントローラ(790)が力を測定し、可聴信号を調整かつ/又は維持すると、コントローラ(790)は工程(1420)のセンサーをモニターする工程に戻る。故に、その後、コントローラは、ユーザーの後続の使用に応じて、可聴信号又は他のインジケータを調整すべく動作可能である。故に、ユーザーはフィードバックによって、器具(700)が所定の範囲及び/又は帯域(1550)内で動作するように、ブレード(730)に及ぼされた力を調整することができる。ユーザーは、ここに記載されているフィードバックを用いて、より効果的に器具(700)を使用すべく適合することができる。加えて、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるように、
図21を参照しながら説明した構成、及び/又は他の何らかの好適な構成を組み合わせて、
図23の本構成からのフィードバックを利用することによって、ユーザーが組織の変化(例えば、異なる密度、厚み、組成など)に応じるのを助けることができる。勿論、更に他の構成はが、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかとなるであろう。
【0077】
VII.その他
上述したように、本明細書において言及される様々な種類の外科用器具に関連する動作パラメータ、他のデータ、及び/又は制御アルゴリズム等は、記憶装置を用いて保管できる。そのような情報を予めローディングかつ/又は後で更新することが可能であり、外科用器具の性能特性が決定付けられ得る。例えば、記憶装置上のソフトウェア/ファームウェア/情報は、ジェネレータ又は他の電源からの電力供給に影響する場合があり、その結果、電源により駆動されるエンドエフェクタの性能に影響が及ぶ可能性がある。いくつかのシステムにおいては、ジェネレータ、電源、制御モジュール、及び/又は他の構成要素は、外科用器具用の基本的機能を提供する一方、記憶装置上のソフトウェア/ファームウェア/情報は、強化された機能(例えば、能動減衰、外科医によるジェスチャ認識、改善されたユーザーフィードバックなど)を提供する。当然のことながら、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかになるように、記憶装置は、これらに限定されないが、チップ、カード、又は他の種類の記憶媒体などの任意の好適な形態を取り得る。また当然のことながら、記憶装置は、システム内部の任意の好適な位置に位置してよい。例示の目的に過ぎないが、記憶装置は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている米国特許出願第13/426,760号「Method and Apparatus for Programming Modular Surgical Instrument」(2012年3月22日出願)に記載されている様々なリムーバブルカートリッジのような、リムーバブルカートリッジの内部に位置し得る。もう一つの例示的実施例に過ぎないが、記憶装置は、その開示内容が本明細書において参照により援用されている米国特許出願第13/426,792号「Surgical Instrument Usage Data Management」(2012年3月22日出願)に記載されているシステムにおいてなど、外科用器具及び/又はジェネレータなどに連通しているオンラインリモートサーバにて具体化され得る。更にもう1つの例示的実施例に過ぎないが、記憶装置は、エンドエフェクタ、シャフト、ハンドピース、ケーブル、及び/又は外科用器具のその他の部分の一体型構成要素又は取り外し可能な構成要素のいずれかとして含まれてもよい。記憶装置の様々なその他の好適な位置は、本明細書における教示を鑑みれば当業者に明らかになるであろう。また当然のことながら、記憶装置は、外科医の使用データ、患者データ、及び/又は本明細書において記述されているその他の種類のデータを保管できるため、外科用器具の使用中に記憶装置は更なるデータを受容することができる。
【0078】
いくつかの形態においては、外科用器具の製造元又は販売元によって外科用器具が単回使用器具として提供され、該当するソフトウェア/ファームウェア/情報が単回使用の目的で記憶装置に予めローディングされる。そのようないくつかの形態においては、外科用器具が所定の数使用された後、ソフトウェア/ファームウェア/情報はアクセス不可能又は操作不可能となる。例えば、器具が指定された数の使用に対応すべく設計されている場合、所定の設計寿命を越えた後のある時点において、ソフトウェア/ファームウェア/情報は、少なくとも部分的に削除されるか又は使用不可になる可能性がある。製造元又は別の当事者が、所定の設計寿命を越えた装置を再処理/再殺菌することを選択した場合、再処理/再殺菌された外科用器具は依然として少なくとも部分的に動作可能であり得るが、機能性が減退する可能性がある。例えば、外科医が再処理/再殺菌された外科用器具を依然として好適に使用できたとしても、記憶装置内に保管されたソフトウェア/ファームウェア/情報により当初器具に備わっていた改善された機能(例えば、能動減衰、外科医によるジェスチャ認識、改善されたユーザーフィードバックなど)が失われてしまう可能性がある。いくつかの形態において、製造元又は販売元は記憶装置により、顧客の機能ニーズに合わせて器具の性能のセグメント化を行うことができる。胆嚢切除のような特定の手術を行うのに制限された機能のみを顧客が必要とする場合は、適切なソフトウェア/ファームウェア/情報が記憶装置にローディングされる。顧客が困難な手術に対処するため性能の強化を必要とする場合、又は手術が予想したよりも困難なときに装置の潜在的な動作性能を強化する必要がある場合は、それに応じて記憶装置にローディングを行うことができる。いずれの場合にも、形態によっては、記憶装置のソフトウェア/ファームウェア/情報から得た顧客定義の機能を用いて顧客のニーズを満たすように、かつ改善された機能なしで別の一連の顧客定義のニーズを満たすように、製造元又は販売元は外科用器具の機能を調整することができる。
【0079】
最後に、当然のことながら、本明細書において記述されているように、記憶装置内のソフトウェア/ファームウェア/情報は、外科用器具の任意の種類のセンサーの影響を必ずしも受けるには及ばない。例えば、外科用器具に単にセンサーが搭載されていない場合もあれば、又は記憶装置がセンサーに連通していない場合もある。
【0080】
本明細書で述べる教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書で述べるその他の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して分離して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の適切な方法が、本明細書の教示を考慮することで当業者には容易に明らかとなるあろう。こうした修正及び変形は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0081】
上述の装置の変形例は、医療専門家によって行われる従来の治療及び処置での用途だけでなく、ロボット支援された治療及び処置での用途も有することができる。ほんの一例として、本明細書の様々な教示は、ロボットによる外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれ得る。
【0082】
上述の変形例は、1回の使用後に処分されるように設計されてもよく、あるいは、それらは、複数回使用されるように設計されることもできる。諸形態は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整とは、装置を分解する工程、それに続いて特定の部品を洗浄及び交換する工程、並びにその後に再組み立てする工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置の変形物によっては分解されてもよく、また、装置の任意の数の特定の部片又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、あるいは取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置の変形物によっては、再調整用の施設で、又は外科的処置の直前にユーザーによって、その後の使用のために再組み立てされてよい。装置の再調整では、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術が利用され得ることが、当業者には理解されよう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は全て、本出願の範囲内にある。
【0083】
ほんの一例として、本明細書で説明した形態は、処置の前及び/又は後に滅菌してもよい。1つの滅菌技術では、装置は、プラスチック又はTYVEKバッグなど、閉められかつ密閉された容器に入れられる。次いで、容器及び装置は、γ放射線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次に、滅菌された装置は、後の使用のために、滅菌した容器内に保管され得る。装置はまた、限定されるものではないが、β若しくはγ放射線、エチレンオキシド、又は蒸気を含めて、当該技術分野で既知の他の任意の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0084】
本開示の様々な形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改作が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そのような考えられる修正のいくつかが述べられており、また、その他の修正が当業者には明らかとなるであろう。例えば、上記に論じた実施例、形態、幾何学的図形、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲から考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示し説明した構造及び操作の細部に限定されると解釈されるものではない。
【0085】
〔実施の態様〕
(1) 機器であって、
(a)本体アセンブリであって、
i.複数のエネルギー設定にて動作可能なエネルギー構成要素と、
ii.制御モジュールと、
を具備する、本体アセンブリと、
(b)方向性力センサーアセンブリであって、前記エネルギー構成要素に関連付けられており、前記制御モジュールに通信により連結されている、方向性力センサーアセンブリと、
(c)前記エネルギー構成要素に着脱可能に連結されているエンドエフェクタと、
を具備し、前記方向性力センサーアセンブリが、前記本体アセンブリに対して相対的に前記エンドエフェクタに印加された力を検出すべく動作可能であり、前記制御モジュールが、第1の力を検出する前記方向性力センサーアセンブリの出力に応じて、第1のエネルギー設定にて前記エネルギー構成要素を動作させるべく構成されている、機器。
(2) 前記第1のエネルギー設定が非給電状態である、実施態様1に記載の機器。
(3) 前記方向性力センサーアセンブリが圧電円板を具備する、実施態様1に記載の機器。
(4) 前記圧電円板が前記エネルギー構成要素に連結されている、実施態様3に記載の機器。
(5) 前記圧電円板が前記エンドエフェクタに連結されている、実施態様3に記載の機器。
【0086】
(6) 前記方向性力センサーアセンブリが少なくとも1つの加速度計を具備する、実施態様1に記載の機器。
(7) 前記方向性力センサーアセンブリがピエゾ抵抗素子を具備し、前記本体アセンブリがケーシングを具備し、前記ピエゾ抵抗素子が前記ケーシングに関連付けられている、実施態様1に記載の機器。
(8) 前記エンドエフェクタが前記ケーシングに着脱可能に連結され得、前記エンドエフェクタが、前記エンドエフェクタに印加された力に応じて前記ピエゾ抵抗素子を圧縮すべく動作可能な指部を具備する、実施態様7に記載の機器。
(9) 前記エネルギー構成要素が導波路を備え、前記ピエゾ抵抗素子が、前記導波路に連結されたピエゾ抵抗ストリップを具備する、実施態様6に記載の機器。
(10) 前記方向性力センサーアセンブリがホール効果センサーを具備する、実施態様1に記載の機器。
【0087】
(11) 前記エネルギー構成要素が超音波トランスデューサを具備する、実施態様1に記載の機器。
(12) 前記エンドエフェクタがRF電極を具備する、実施態様1に記載の機器。
(13) 前記エンドエフェクタがステープル駆動アセンブリを具備する、実施態様1に記載の機器。
(14) 前記制御モジュールが、第2の力を検出する前記方向性力センサーアセンブリの出力に応じて、第2のエネルギー設定にて前記エネルギー構成要素を動作させるべく構成されている、実施態様1に記載の機器。
(15) ユーザーを介して動作可能な起動機構を更に備え、前記制御モジュールが、第1の力を検出する前記方向性力センサーアセンブリの出力及び前記起動機構を操作するユーザーの両方に応じて、第1のエネルギー設定にて前記エネルギー構成要素を動作させるべく動作可能である、実施態様1に記載の機器。
【0088】
(16) 機器であって、
(a)本体アセンブリであって、
i.エネルギー構成要素と、
ii.制御モジュールと、
を具備する、本体アセンブリと、
(b)圧電円板アセンブリであって、前記エネルギー構成要素に関連付けられており、通信により前記制御モジュールに連結されている、圧電円板アセンブリと、
を具備し、前記圧電円板アセンブリが、前記エネルギー構成要素に関連する動作を検出すべく動作可能であり、前記圧電円板アセンブリが、前記エネルギー構成要素の少なくとも一部の動作を開始又は変更すべく更に動作可能である、機器。
(17) 前記圧電円板アセンブリが複数の圧電円板セグメントを具備する、実施態様16に記載の機器。
(18) 少なくとも1つの圧電円板セグメントが、前記エネルギー構成要素に関連する動作を検出すべく動作可能であり、一方で、少なくとも1つの圧電円板セグメントが、前記エネルギー構成要素の少なくとも一部の動作を誘導すべく動作可能である、実施態様17に記載の機器。
(19) 前記圧電円板アセンブリが前記エネルギー構成要素の遠位共振器に連結されている、実施態様16に記載の機器。
(20) 器具に対するエネルギー設定のうちの1つ又は2つ以上を管理するための方法であって、前記器具が、本体アセンブリと、方向力センサーアセンブリと、エンドエフェクタと、を具備し、前記本体アセンブリが、トランスデューサと、制御モジュールと、を具備し、前記トランスデューサが、前記1つ又は2つ以上のエネルギー設定にて動作可能であり、前記方向性力センサーアセンブリが、前記トランスデューサに関連付けられており、前記方向性力センサーアセンブリが、通信により前記制御モジュールに連結され、前記制御モジュールが、前記1つ又は2つ以上のエネルギー設定にて前記トランスデューサを動作させるべく構成されており、前記方法が、
(a)前記エンドエフェクタに力が印加されていることを示す出力を前記方向力センサーアセンブリから受信することと、
(b)前記制御モジュールを介して前記力の方向を判断することと、
(c)前記エンドエフェクタに印加された前記力の方向が判断されたことに応じて、前記1つ又は2つ以上のエネルギー設定のうちの第1のエネルギー設定にて前記トランスデューサを動作させることと、
を含む、方法。
【0089】
(21) 機器であって、
(a)複数のエネルギー設定にて動作可能なエネルギー構成要素と、
(b)エンドエフェクタであって、前記エネルギー構成要素に連結されており、前記エネルギー構成要素が前記エンドエフェクタの少なくとも一部を起動させるように動作可能である、エンドエフェクタと、
(c)前記エネルギー構成要素と通信する電源であって、前記複数のエネルギー設定にて前記エネルギー構成要素を駆動すべく動作可能である、電源と、
(d)記憶装置であって、前記記憶装置が制御設定を備え、前記電源が前記記憶装置の前記制御設定に従って前記1つ又は2つ以上のエネルギー設定にて前記エネルギー構成要素を駆動すべく動作可能であり、前記記憶装置の少なくとも一部が前記エンドエフェクタ内に位置する、記憶装置と、
を具備する、機器。