(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記部材間寸法が、名目上位置付けられた使用者の臀溝に実質的に対応するより足側の位置から名目上位置付けられた使用者の仙骨底におよそ対応するより頭側の位置まで縦方向に延長する到達空間を定める、請求項1に記載の使用者保持装置。
前記より足側の位置および前記より頭側の位置が、互いに少なくとも約20センチメートル(8インチ)だけ縦方向に分離されている、請求項8に記載の使用者保持装置。
前記左側配列および前記右側配列が実質的に互いの鏡像であり、前記左側配列が、そのそれぞれが単一の袋である部材を厳密に2つ備え、前記右側配列が、そのそれぞれが単一の袋である部材を厳密に2つ備え、前記部材間寸法が、名目的に位置付けられた使用者の臀溝に実質的に対応するより足側の位置から、名目的に位置付けられた使用者の仙骨底にほぼ対応するより頭側の位置まで縦方向に延長する到達空間を定める、請求項1に記載の使用者保持装置。
第一のユーザーコマンドに反応してターンアシスト部材の前記配列の選択された1つを膨張させ、また前記選択された配列の膨張を第二のユーザーコマンドの受信まで維持するように適合されたコントローラを含む、請求項1に記載の使用者保持装置。
第一のユーザーコマンドに反応してターンアシスト部材の前記配列の選択された1つを膨張させ、また前記選択された配列の膨張を第二のユーザーコマンドの受信まで維持するように適合されたコントローラを含む、請求項6に記載の使用者保持装置。
前記コントローラが、前記保持層の前記膨張可能および収縮可能ゾーンを収縮させ、また前記ゾーンの収縮を前記第二のユーザーコマンドの受信まで維持するようにも適合されている、請求項15に記載の使用者保持装置。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書に記載した使用者保持装置および方法の多様な実施例の前述の機能とその他の機能は、下記の詳細な説明および付属の図面でより明らかとなる。
【
図1】
図1は、マットレスが収縮または減圧状態で示されるターンアシスト層、および保持層を備える病院ベッドデッキおよびマットレスを示し、またマットレス上に横たわる仰臥位の使用者を示す概略側面図である。
【
図2】
図2は、病院ベッドのセグメント化されたデッキの側面図である。
【
図3】
図3は、使用者を除外し、ターンアシスト層の右側部材が収縮状態(実線)および膨張状態(破線)の両方にあることを示す、
図1の方向3--3の図である。
【
図4】
図4は、
図1の方向4--4のターンアシスト層の概略平面図である。
【
図5】
図5は、代替的ターンアシスト層構造を示す、
図4と類似の概略平面図である。
【
図6】
図6は、ターンアシスト層を膨張および収縮させるための導管およびバルブの1つの可能な配置を示す、
図4と類似の概略平面図である。
【
図7】
図7は、ユーザーインターフェースディスプレーの要素例を示す図である。
【
図8】
図8は、ターンアシスト袋が膨張されて、使用者および/またはマットレスの標的領域へのアクセスを提供することを示す、
図1に類似の図である。
【
図9】
図9は、標的領域にアクセスを提供する方法を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、保持袋が収縮されて、標的領域により良いアクセスを提供することを示す、
図8に類似の図である。
【
図11】
図11は、標的領域にアクセスを提供する第二の方法を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、グラフィカルユーザーインターフェース/タッチスクリーンインターフェースに関連するイラストである。
【
図13】
図13は、グラフィカルユーザーインターフェース/タッチスクリーンインターフェースに関連するイラストである。
【
図14】
図14は、グラフィカルユーザーインターフェース/タッチスクリーンインターフェースに関連するイラストである。
【
図15】
図15は、グラフィカルユーザーインターフェース/タッチスクリーンインターフェースに関連するイラストである。
【
図1B】
図1Bは、マットレスが、収縮または減圧状態で示されるターンアシスト層、および保持層を備える病院ベッドデッキおよびマットレスを示し、またマットレス上に横たわる仰臥位の使用者を示す概略側面図である。
【
図2B】
図2Bは、病院ベッドのセグメント化されたデッキの側面図である。
【
図3B】
図3Bは、使用者を除外し、ターンアシスト層の右側部材が収縮状態(実線)および膨張状態(破線)の両方にあることを示す、
図1Bの方向3--3の図である。
【
図6B】
図6Bは、ターンアシスト層を膨張および収縮させるための、導管およびバルブの1つの可能な配置を示す、
図4Bと類似の概略平面図である。
【
図7B】
図7Bは、ターンアシスト層を膨張および収縮させるための、導管およびバルブの代替的配置を示す、
図6Bと類似の概略平面図である。
【
図8B】
図8Bは、ターンアシスト層を膨張および収縮させるための、導管およびバルブのまた別の代替的配置を示す、別の概略平面図である。
【
図9B】
図9Bは、ユーザーインターフェースディスプレーの要素例を示す図である。
【
図10B】
図10Bは、使用者を本人の左へと回転するために膨張されたターンアシスト層を示す
図1Bに類似の図である。
【
図11B】
図11Bは、ターンアシスト層の一部が収縮されて、使用者および/またはマットレスの標的領域へのアクセスを提供することを示す、
図10Bに類似の図である。
【
図13B】
図13Bは、
図10Bの状態を達成するためのターンアシスト層の膨張と
図11Bの状態を達成するためのターンアシスト層の一部の収縮との間の時間的関係の変化を示すグラフである。
【
図14B】
図14Bは、ターンアシスト層の以前に収縮された部分を再膨張させる追加的ステップを示し、
図11Bの状態から
図1Bの状態へ移動させるためにターンアシスト層を収縮させる修正されたステップを示す
図12Bに類似のブロック図である。
【
図15B】
図15Bは、ターンアシストゾーンの膨張・収縮と協調して保持袋ゾーンが膨張・収縮される時間的順番の例を示すグラフである。
【
図20B】
図20Bは、グラフィカルユーザーインターフェース/タッチスクリーンインターフェースに関連するイラストである。
【
図21B】
図21Bは、グラフィカルユーザーインターフェース/タッチスクリーンインターフェースに関連するイラストである。
【
図22B】
図22Bは、グラフィカルユーザーインターフェース/タッチスクリーンインターフェースに関連するイラストである。
【
図23B】
図23Bは、グラフィカルユーザーインターフェース/タッチスクリーンインターフェースに関連するイラストである。
【
図1C】
図1Cは、左右の回転エフェクター付きの回転層を持ち、側部補助枕付き保持層も持つマットレスの頭側端立面図である。
【
図2C】
図2Cは、左回転エフェクターおよび右回転エフェクターがそれぞれ縦方向に分布された2つの回転エフェクターを備える、
図1Cのマットレスの1つの変形の平面図である。
【
図3C】
図3Cは、左回転エフェクターおよび右回転エフェクターがそれぞれ単一回転エフェクターである、
図1Cのマットレスの別の変形の平面図である。
【
図4C】
図4Cは、左右の回転エフェクター付きの回転層を持ち、保持層も持つマットレスの頭側端立面図である。
【
図5C】
図5Cは、
図4Cのものと類似しているがストラップの形態のセンタータイを持つ、マットレスの頭側端立面図である。
【
図6C】
図6Cは、
図5Cのものと類似しているがスナップジョイントの形態のセンタータイを持つ、マットレスの頭側端立面図である。
【
図7C】
図7Cは、スナップジョイントの連続的変形および離散的変形をそれぞれ示す、
図6Cのマットレスの下に横たわるデッキの平面図である。
【
図8C】
図8Cは、スナップジョイントの連続的変形および離散的変形をそれぞれ示す、
図6Cのマットレスの下に横たわるデッキの平面図である。
【
図9C】
図9Cは、
図5Cのものと類似しているが溶接の形態のセンタータイを持つ、マットレスの頭側端立面図である。
【
図10C】
図10Cは、溶接の連続的変形および離散的変形をそれぞれ示す、
図9Cのマットレスの下に横たわるデッキの平面図である。
【
図11C】
図11Cは、溶接の連続的変形および離散的変形をそれぞれ示す、
図9Cのマットレスの下に横たわるデッキの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1〜4を参照すると、病院ベッド20は、フレーム(非表示)、フレーム上に保持されたデッキ22、および使用者保持装置またはマットレス24を含む。
図2に示されるように、デッキ22は、使用者の胴体に対応する上半身または胴体セグメント30、使用者の臀部に対応するシートセグメント32、使用者の大腿におよそ対応する大腿セグメント34、および使用者のふくらはぎと足に対応するふくらはぎ/足セグメント36などの複数セグメントから構成されうる。胴体、大腿およびふくらはぎセクションは、
図2の角度α、β、θで示されるように、ヒンジ40、42、44の周りで配向を調節することができる。ベッドは、縦方向に頭部端Hから足部端Fまで、および横方向に左側Lから右側Rまで延長する。任意の高さで示された縦方向に延長する中心線48を含む概念的中心面46は、ベッドおよび使用者保持装置の左右の側面を区別する。使用者保持装置はターンアシスト層50を含み、ターンアシスト層が使用者の保持と快適性のために十分でない(通常そうである)場合は、ターンアシスト層の上に保持層52を含む。例示された保持層は、縦方向に分布された膨張・収縮可能な一式の空気袋54であるが、フォーム層またはその他の代替的構造でありうる。
【0008】
ターンアシスト層50は、それぞれがターンアシストゾーン64H、64Fに対応する、縦方向に分布された2つのターンアシスト部材62の右側配列60を含む。各ターンアシスト部材62は、
図4に示されるように単一の膨張・収縮可能な袋であるが、その代わりに
図5に示されるように複数の袋の組立品ともしうる。各袋62は、空間体積70の境界を示すケーシング66(
図3)を備える。空間70の内容物は基本的に空気などの袋加圧媒体から成り、このうち一部の量は、袋が収縮状態(
図1および
図3、実線)にあっても存在する。別の方法として、収縮状態は、真空が達成されるまで空間70から空気を抜くことによって達成されうる。いずれにしても、体積70は、使用者の体重を保持するために、加圧空気以外には耐荷重特性を実質的に持たない。配列の2つの部材は、右の部材間寸法DIMを持つ右部材間寸法の空間72によって、縦方向に互いに間隔を置いている。本書に記述された革新の意図と一致して、空間72は到達空間とも呼ばれる。
【0009】
ターンアシスト層50は、縦方向に分布された2つ以上のターンアシスト部材の左側配列80も含む。左側配列80および右側配列60は、実質的に互いの鏡像である。左右の側面上の構成要素および特徴(例えば、ターンアシスト袋、到達空間)は、互いに縦方向に整列している。従って、左と右の構成要素または特徴を区別する必要がある場合(この場合、対象の参照番号に参照文字LまたはRが添付される)を除き、左右の配列の類似した構成要素を示すために、共通の参照番号および記号が本書で使用される。同様に、中心面46の所定の側のベッドの頭側端に近いターンアシスト袋と、ベッドの足側端に近いターンアシスト袋を区別する必要がある場合、参照文字HまたはFが参照番号62に適用される。
【0010】
到達空間72は、マットレス上に名目上位置付けられた使用者の臀溝に実質的に対応するより足側の位置84から、名目上位置付けられた使用者の仙骨底または仙骨岬角におよそ対応するより頭側の位置86まで、縦方向に延長する。名目上位置付けられた使用者とは、ベッド上で横方向のほぼ中心にあり(すなわち、使用者がマットレス上で仰臥位の時、その矢状面が中心面46とほぼ一致する)、使用者の解剖学的特徴の位置がベッドの物理的および/または機能的特徴と適合するように、縦方向に位置付けられている使用者である。例えば、多くのベッドは、使用者の腰の縦方向の大体の望ましい位置を示すために、腰インジケータを含む。別の例では、セグメント化されたデッキを持つベッドのヒンジ40、42、44(
図2)は、使用者の解剖学的特徴の縦方向の大体の望ましい位置の明確なインジケータである(例えば、臀部はヒンジ40、42の間に位置付けられ、膝窩領域はヒンジ44の上に位置付けられる)。
【0011】
臀溝および仙骨底は、到達空間72に対する十分な縦方向の境界となると考えられるが、縦により広い空間72に対応する境界も十分でありうる。例えば、足側の位置84は、臀溝から膝までの約3分の1の点に対応しうる。頭側の位置86は、T12/L1椎間板の近くの点に対応しうる。使用者の仙骨領域を取り囲む到達空間は、仙骨領域上の荷重を緩和するために有用でありうる。使用者の後部の標的領域への望ましく有意義なアクセスが妨げられないことを条件として、縦に細長い空間72に対応する境界も十分でありうる。有意義なアクセスとは、領域にアクセスし、褥瘡がないか調べるまたはそれを治療する、または失禁事象の後に使用者またはマットレスの一部を清潔にするなどのケア動作を実行する能力を指す。少なくとも約20センチメートル(8インチ)の部材間寸法DIMが適正であると考えられる。
【0012】
さらに
図6を参照すると、ベッドは、導管を通した流体の流れを制御するために、ブロアおよび/または圧縮機94、さまざまな導管120、130およびバルブ122、128も含む。使用者保持装置は、コントローラ96およびユーザーインターフェース装置98も含み、これを使用してユーザーはコントローラにコマンドを発令できる。コントローラは、ユーザーインターフェース装置98を使用して入力されたユーザーコマンドに反応して、バルブおよび圧縮機を操作する。
【0013】
図7は、ユーザーインターフェースディスプレー例の外観を示す。ディスプレーは左右の選択ボタン110L、110Rを含み、これはユーザーが左側動作を選択することを可能にし、使用者を本人の右側に回転してベッドの左側からの標的領域へのアクセスを提供するか、または右側動作では、使用者を本人の左側に回転してベッドの右側からの標的領域へのアクセスを提供する。ディスプレーは、開始ボタン112およびキャンセルまたは戻るまたは通常ボタン114も含む。
【0014】
主に
図1、6〜8および
図9のブロック図を参照すると、コントローラ96は、第一のユーザーコマンドに反応して、ターンアシスト部材の選択された1つの配列(左または右)のターンアシスト袋62を加圧し、従って膨張させ(すなわち、ターンアシストソーン64の膨張を引き起こす)、第二のユーザーコマンドの受信までこれらの袋の膨張を維持するように適合されている。例えば、ユーザーは、適切な左または右の選択ボタン110Lまたは110Rを押すことによって、左または右側動作を選択し、開始ボタン112を押すことによって第一のコマンドを出す。それに応じて、コントローラ96は、以下に詳述されるように、圧縮機および適切なバルブを操作し、使用者保持装置の選択された側(左または右)のターンアシスト袋を同時に加圧して膨張させる(ブロック図のブロック150)。一旦膨張されると、袋またはゾーンは高さの横方向の変化を呈するが、これは
図3(破線)に示されるように中心線からの横の距離が増えるにつれて増加する。
図8に示されるように、これは、空間72に対応する袋間の空洞を作り出す。膨張したターンアシスト袋によって呈される高さの変化(
図3に表示)のために、袋間の空洞は、中心面46の近くで浅く、中心面46からの横の距離が増えるにつれて深さが増加する。コントローラは、膨張したターンアシストゾーンの膨張をユーザーが決定した時間の間維持する(
図9、ブロック158〜160)。膨張が維持されている間、
図8に示されるように使用者は、膨張したターンアシスト袋によって横向きに保持される。保持袋は、到達空間72に対応する袋間の空洞の中に垂れ下がることができる。介護者は、到達空間72中に手を入れることによって、使用者またはマットレスが関与する必要なタスクを行なうために、標的領域にアクセスできる。さらに、介護者は、保持袋を空洞の中に押し込んで、標的領域へのアクセスを改善することができる。(一般的にはケアタスクを完了した結果として)膨張したターンアシスト袋を収縮すると決めた介護者が、キャンセルまたは戻るボタン114を押すことによって第二のコマンドを出した時、ユーザーが決定した時間が経過する(ブロック158)。それに応じて、コントローラは、バルブおよび/または圧縮機を操作して、膨張したターンアシスト袋を同時に収縮させ、使用者保持装置をそのベースライン状態(すなわち、
図1に示される状態)に戻す。
図8では、介護者がベッドの右側から標的領域にアクセスできるように、使用者は、本人の左側に回転されている。ケア活動の性質に応じて、介護者は、ベッドのもう一方の(左)側に移動し、使用者を本人の右側に回転してケア活動を完了する必要がある可能性もある。
【0015】
原理上、コントローラは、選択された袋配列の2つの袋の1つだけを膨張させることによって第一のコマンドに反応するよう構成されうるが、このような動作は、使用者をひねる可能性のために、選択された袋配列の両方(またはすべて)の袋を膨張させることよりも望ましくないと考えられる。
【0016】
使用者保持装置の一つの変形は、開始ボタン112と共に分配し、左または右側の膨張のユーザーの選択に反応して、選択されたターンアシスト袋(左または右)の加圧・膨張を開始することである。つまり、左または右選択ボタン110L、110Rに加えられたユーザー圧力は、左または右側を選択するだけでなく、その側のターンアシスト袋の加圧も引き起こす。従って第一のユーザーコマンドは、選択コマンドと袋膨張コマンドの組み合わせである。その他のユーザーインターフェース配置でも十分でありうる。
【0017】
上記の説明は、ベッドの各側部に2つのターンアシスト袋を持つ使用者保持装置を対象とする。しかし、この概念は、各側部あたり3つ以上の袋を持ち、それらの袋のうち少なくとも2つが袋間の到達空間によって互いに縦方向に間隔を置いている使用者保持装置に適用される。2つの袋構成と同様、使用者をひねること、またはすべての袋よりも少ない数の袋を膨張させることから生じうるその他の有害作用に使用者をさらすことを避けるため、所定の側部のすべての袋を同時に膨張・収縮させることが望ましいと考えられる。
【0018】
図6に戻ると、構成要素の一つの可能な配置には、袋62Hと圧縮機94の間の流体連通を確立するための導管120、および導管を通した流体の流れを制御するための充填バルブ122を含む。部材間導管124は、それぞれが部材間バルブ128を持ち、袋62Hと袋62Fの間に延長する。排出導管130は、部材間バルブ128から大気まで延長する。実際には、左の袋配列または右の袋配列のいずれかが選択される。従って、以下の動作説明は左配列または右配列のいずれかに適用されるが、両方の配列に同時には適用されない。充填バルブ122が開けられ、対応する部材間バルブ128が、圧縮機が袋62H、62Fを加圧できるようにするために袋62Hと62Fの間の流体連通を可能にするが、排出導管130を通した流体の流れをブロックするように位置付けられる。袋が十分に加圧された時、充填バルブ122を閉じることができ、圧縮機の動作が短縮される。ターンアシスト袋の加圧は、ユーザーがボタン114(
図7)を押して袋62H、62Fを収縮させたいことを示すまで維持される。それに反応して、コントローラは、袋62と大気の間の経路を開く位置へと部材間バルブ128を移動するよう命令し、従って袋62を放出・収縮させる。すべての袋より少ない数の袋が膨張される、前に言及したあまり好ましくない動作モードでは、異なるバルブおよび導管の配置が必要となるであろう。
【0019】
すでに記述したように、使用者保持装置は、ターンアシスト層50の上に保持層52を含む。保持層は折り畳みゾーン140とも呼ばれる膨張・収縮可能ゾーンを含み、その少なくとも一部は、部材間の到達空間72を覆い、従って到達空間と縦方向に同一の広がりを持つ。
【0020】
図1、6〜7および10〜11を主に参照すると、保持層52の膨張・収縮可能な性質を、ターンアシスト袋と併用して、標的領域へのより良いアクセスを提供しうる。例えば、ユーザーは、適切な左または右の選択ボタン110Lまたは110Rを押すことによって、左側または右側動作を選択し、開始ボタン112を押すことによって第一のコマンドを出す。それに応じて、コントローラ96は圧縮機および適切なバルブを操作し、使用者保持装置の選択された側(左または右)のターンアシスト袋を同時に加圧して膨張させる(ブロック図のブロック150)。コントローラは、ブロックダイアグラムのブロック152に示されるように、到達空間を覆う保持層の少なくとも縦に延長する部分の保持層(すなわち、ソーン140)も収縮する。ターンアシスト袋の膨張およびゾーン140の収縮は、同時に、部分的に同時に、または連続的に起こりうる。別の方法として、ある程度の順序の制御を介護者に与えるため、別の制御ボタンを提供しうる。コントローラは、ユーザーが決定した時間、選択されたターンアシスト袋の膨張を維持し(ブロック158、160)、保持層部分の収縮を任意の時間、維持する(ブロック154、156)。膨張および収縮が維持されている間、
図10に示されるように使用者は、膨張したターンアシスト袋によって横向きに保持される。収縮した保持袋は、到達空間72に対応する袋間の空洞の中に垂れ下がることができる。介護者は、到達空間72中に手を入れることによって、使用者またはマットレスが関与する必要なタスクを行なうために、標的領域にアクセスできる。さらに、必要に応じて介護者は、保持袋をさらに空洞の中に押し込んで、標的領域へのアクセスを改善することができる。
【0021】
前述の説明は、より足側およびより頭側の位置84、86によって縦方向に境界される折り畳みゾーン140を特徴としている。しかし、すでに述べたように、折り畳みゾーンの縦方向の範囲は、位置84、86を超えて延長でき、すべての保持袋54を含みうる。従って、保持ゾーンの収縮は、マットレスの長さ全体に沿った収縮を取り囲むことができる。さらに、保持ゾーン袋54は、
図3に示されるようにベッドの幅全体を横切って横方向に延長するのではなく、中心面46からベッドの左外縁まで横方向に延長する袋の配列を備える横方向の左側保持ゾーン、および中心面46からベッドの右外縁まで横方向に延長する袋の配列を備える横方向の右側保持ゾーンを備えうる。このような構造では、保持袋の収縮は、縦方向に制限されているかどうかに関わらず、ベッドの1つの側部、具体的には、ターンアシストゾーンが膨張されるベッドの側部に限定される。また別の変形では、収縮されていない保持袋(例えば、
図10のa〜hおよびl〜r)の少なくとも一部は、到達空間72に沿って、使用者と収縮した袋の間に追加的クリアランスを提供するために過膨張されうる(すなわち、通常の動作圧力よりも高い圧力まで膨張される)。
【0022】
(一般的にはケアタスクを完了した結果として)膨張したターンアシスト袋を収縮し、収縮した保持ゾーン140を再膨張すると決めた介護者が、キャンセルまたは戻るボタン114を押すことによって第二のコマンドを出した時、ユーザーが決定した時間および自由裁量の時間が経過する(ブロック154、158)。それに応じて、コントローラは、バルブおよび/または圧縮機を操作して、膨張したターンアシスト袋を同時に収縮させ、ゾーン140の収縮した保持袋を再膨張させて、使用者保持装置をそのベースライン状態(すなわち、
図1に示される状態)に戻す。ターンアシスト袋の収縮および保持ゾーン140の再膨張は、同時に、一部同時に、または連続的に起こりうる。別の方法として、ある程度の順序の制御を介護者に与えるため、別の制御ボタンを提供しうる。
【0023】
図8の内容で記述された方法と同様に、
図10は、介護者がベッドの右側から標的領域にアクセスできるように、使用者が本人の左側に回転されているのを示す。ケア活動の性質に応じて、介護者は、ベッドのもう一方の(左)側に移動し、使用者を本人の右側に回転してケア活動を完了する必要がある可能性もある。
【0024】
この開示では具体的な実施形態を記載しているが、当業者であれば、付随の請求項で規定される主題から逸脱することなく、形態や詳細に対してさまざまな変更を行うことができることが理解されるであろう。
【0025】
図12〜15は、グラフィカルユーザーインターフェース/タッチスクリーンインターフェースに関連する。
図12は、ディスプレー300の右側に沿って垂直に並べられた5つのタッチセンサー式アイコン302、304、306、308、310を持つインターフェースディスプレーを示す。ディスプレーの中央は一対の画像で占められている。左の画像320は、本人の左側に回転されたベッド使用者のグラフィック322を示し、「左ターンアシスト」と表示されたタッチセンサー式アイコン324を含む。右の画像330は、本人の左側に回転されたベッド使用者のグラフィック332を示し、「強化左ターンアシスト」と表示されたタッチセンサー式アイコン334を含む。グラフィック322およびアイコン324は、従来的ターンアシスト動作に関連している。グラフィック332およびアイコン334は、使用者の標的領域へのアクセスを改善するためのインスタントアプリケーションに記述された強化ターンアシスト動作に関連する。
図13は、
図12と同じであるが、ユーザーが動作の強化モードを選択したことを示す点灯状態のアイコン334を示す。類似のディスプレーが、右ターンアシストおよび強化右ターンアシストに使用される。
図14は、ディスプレーの右側に沿って並べられたアイコン302〜310を示すが、7つのタッチセンサー式アイコン350、352、354、356、358、360、362も示しており、これらはユーザーが7つの機能から選択することを可能にし、その2つは右および左のターンアシストである(アイコン354、356)。アイコン356は、ターンアシスト機能が選択されたことを示すために点灯状態になっている(この選択は
図12のディスプレーを有効化したはずである)。ディスプレーは、時間進行を示す時間メーター380も含む。
図15は、
図12のグラフィック332に類似のグラフィック390を持つディスプレーであるが、より拡大され、異なる視点からのものである。
図15は、
図14の時間メーター380に類似しており、強化左ターンアシストモードが選択されたことを示すためのテキストも付随している時間メーター380Aも含む。ユーザーが動作をキャンセルできるように、タッチセンサー式「キャンセル」アイコン392が提供されている。
【0026】
パートB
本書に記述された主題は、マットレスなどの使用者保持装置に関連し、特に、独立して動作可能な、縦方向に分布されたターンアシスト部材を含む使用者保持装置に関連する。本出願は、マットレス使用者の一部またはマットレス自体の一部にアクセスを提供する方法も記述しており、これらの部分はそうでなければ、相互接触のために容易にアクセスできない。本出願は、グラフィカルユーザーインターフェース/タッチスクリーンインターフェースの1つ以上の実施形態も示している。
【0027】
病院またはその他のヘルスケア環境の患者は、長時間ベッドに拘束されうる。仰臥位の患者の場合、患者の後側はマットレスの上面と相互接触している。結果として、患者の後側および患者の下のマットレス表面の部分は、介護者からは容易にアクセスできない。しかし、介護者が患者の皮膚の健康、特に初期の褥瘡の兆候をモニターし、および/または皮膚疾患に関連することもしないこともある治療または療法を適用できるように、患者の後側へのアクセスは必要でありうる。特に懸念される患者の後部分は、およそ患者の臀溝からおよそ仙骨または仙骨岬角まで延びる「標的」領域であるが、それは患者の体のこの部分が褥瘡を非常に起こしやすいためである。さらに、介護者は、失禁事象の後、患者およびマットレスを清潔にするために同様のアクセスを必要としうる。従って、「標的領域」という語句は本書で使用される場合、患者の一部だけでなく、マットレスの縦方向に実質的に同一の広がりを持つ部分も指す。
【0028】
既存の慣行下では、介護者は、必要に応じて横向きになるように患者を手で回転させ、回転した位置に患者を片手で保持しながら、同時にもう一方の手で必要なケア活動を行なうことによって標的領域へのアクセスを達成する。この慣行は、患者を回転する時、ケア活動を実行するために介護者が両手を使うことを妨げるため、介護者を傷害、特に背中のけがのリスクにさらす、またはケア活動自体のためには1人で十分な場合に2人の介護者を必要とするという欠点を持つ。別の方法として、介護者は、枕またはクッションを使用して患者を回転した位置に保持しうる。しかし、この代替的慣行は、患者を回転する時の介護者の傷害のリスクは変わらず、枕またはクッションが簡単に入手できない可能性がある、およびケア活動が終わった後に洗濯を必要とする可能性があるという追加的欠点を持つ。
【0029】
使用者保持装置は、保持層および保持層の下のターンアシスト層を備える。ターンアシスト層は、縦方向に分布された2つ以上のターンアシスト部材の左側配列および縦方向に分布された2つ以上のターンアシスト部材の右側配列を含む。使用者保持装置は、少なくとも1つのユーザーコマンドに反応して、左および右の配列の選択された1つの少なくとも1つのターンアシスト部材を膨張させ、またその後に複数のターンアシスト部材のサブセットを収縮させるように構成されたコントローラも含む。マットレスの使用者および/またはマットレス自体の標的領域へのアクセスを提供する関連方法は、左および右の配列の選択された1つの少なくとも1つのターンアシスト部材を膨張させるステップ、およびその後に少なくとも1つのターンアシスト部材のサブセットを収縮させるステップを含む。
【0030】
図1B〜4Bを参照すると、病院ベッド20は、フレーム(非表示)、フレーム上に保持されたデッキ22、および使用者保持装置またはマットレス24を含む。
図2Bに示されるように、デッキ22は、使用者の胴体に対応する上半身または胴体セグメント30、使用者の臀部に対応するシートセグメント32、使用者の大腿におよそ対応する大腿セグメント34、および使用者のふくらはぎと足に対応するふくらはぎ/足セグメント36などの複数セグメントから構成されうる。胴体、大腿およびふくらはぎセクションは、
図2Bの角度α、β、θで示されるように、ヒンジ40、42、44の周りで配向を調節することができる。ベッドは、縦方向に頭部端Hから足部端Fまで、および横方向に左側Lから右側Rまで延長する。任意の高さで示された縦方向に延長する中心線48を含む概念的中心面46は、ベッドおよび使用者保持装置の左右の側面を区別する。使用者保持装置は、ターンアシスト層50およびターンアシスト層の上の保持層52を含む。例示された保持層は、縦方向に分布された膨張・収縮可能な一式の空気袋54であるが、フォーム層またはその他の代替的構造でありうる。
【0031】
図1Bに示される使用者は、名目上位置付けられた使用者である。名目上位置付けられた使用者とは、ベッド上で横方向のほぼ中心にあり(すなわち、使用者がマットレス上で仰臥位の時、その矢状面が就寝面46とほぼ一致する)、使用者の解剖学的特徴の位置がベッドの物理的および/または機能的特徴と適合するように、縦方向に位置付けられている使用者である。例えば、多くのベッドは、使用者の腰の、縦方向の大体の望ましい位置を示すために、腰インジケータを含む。別の例では、セグメント化されたデッキを持つベッドのヒンジ40、42、44(
図2B)は、使用者の解剖学的特徴の縦方向の大体の望ましい位置の明確なインジケータである(例えば、臀部はヒンジ40、42の間に位置付けられ、膝窩領域はヒンジ44の上に位置付けられる)。
【0032】
ターンアシスト層50は、縦方向に分布された2つターンアシスト部材62の右側配列60、および縦方向に分布された2つのターンアシスト部材の左側配列80を含む。左側配列80および右側配列60は、実質的に互いの鏡像である。従って、左と右の構成要素または特徴を区別する必要がある場合(この場合、対象の参照番号に参照文字LまたはRが添付される)を除き、左右の配列の類似した構成要素を示すために、共通の参照番号および記号が本書で使用される。同様に、中心面46の所定の側のベッドの頭側端に近いターンアシスト袋と、ベッドの足側端に近いターンアシスト袋を区別する必要がある場合、参照文字HまたはFが参照番号62に適用される。ベッドの各側面上、ターンアシスト袋62Hは頭側ターンアシストゾーン64Hに対応し、ターンアシスト袋62Fは足側ターンアシストゾーン64Fに対応する。ターンアシスト袋62Hおよびゾーン64Hは、使用者の胴体に沿って縦方向に延長し、使用者の仙骨岬角または使用者の仙骨底と縦方向にほぼ整列した足側端84を持つ。ゾーン64Fおよびターンアシスト袋62Fは、ゾーン64H/袋62Hの足側端84に実質的に隣接する(隣接するまたはすぐ近くにある)頭側端86を持つ。ゾーン64Fは、その頭側端から使用者の臀溝を超えて、足の方に延長する。結果として、使用者の臀溝および仙骨は、縦方向にゾーン64F内にある。
【0033】
頭側保持袋ゾーン56Hは、ゾーン64
H、64Fの
端84、86のより頭側にある保持袋54に対応する。足側保持袋ゾーン56Fは、ゾーン64
H、64Fの
端84、86のより足側にある保持袋54に対応する。
【0034】
各ターンアシスト部材62は、
図4Bに示されるように単一の膨張・収縮可能な袋であるが、その代わりに
図5Bに示されるように、複数の袋の組立品ともしうる。各袋62は、空間体積70の境界を示すケーシング66(
図3)を備える。空間70の内容物は、基本的に空気などの袋加圧媒体から成り、このうち一部の量は、袋が収縮状態(
図1Bおよび
図3B、実線)にあっても存在する。別の方法として、収縮状態は、真空が達成されるまで空間70から空気を抜くことによって達成されうる。いずれにしても、体積70は、使用者の体重を保持するために、加圧空気以外には耐荷重特性を実質的に持たない。
【0035】
さらに
図6B〜7Bを参照すると、ベッドは、導管を通した流体の流れを制御するために、圧縮機94、さまざまな導管(
図6Bの120、124、130、
図7Bの140、144、150)およびバルブ(
図6Bの122、128、
図7Bの142、146)も含む。使用者保持装置は、コントローラ96およびユーザーインターフェース装置98も含み、これを使用してユーザーはコントローラにコマンドを発令できる。コントローラは、ユーザーインターフェース装置98を使用して入力されたユーザーコマンドに反応して、バルブおよび圧縮機を操作する。
【0036】
図9Bは、ユーザーインターフェースディスプレー例の外観を示す。ディスプレーは左右の選択ボタン110L、110Rを含み、これはユーザーが左側動作を選択することを可能にし、使用者を本人の右側に回転してベッドの左側からの標的領域へのアクセスを提供するか、または右側動作では、使用者を本人の左側に回転してベッドの右側からの標的領域へのアクセスを提供する。ディスプレーは、開始ボタン112およびキャンセルまたは戻るまたは通常ボタン114も含む。
【0037】
使用者保持装置の動作は、
図4Bに示される中央面46の各側面上に2つの袋、および使用者保持装置上に名目的に位置付けられた使用者を含む配置を考慮することによって理解されうる。
図4B、9B〜11Bおよび
図12Bのブロック図を主に参照すると、少なくとも1つのユーザーコマンドに反応して、コントローラ96は、ターンアシスト部材の配列の選択された1つのターンアシスト袋62を加圧、従って膨張させるように適合される。例えば、ユーザーは、適切な左または右の選択ボタン110Lまたは110R(ブロック図のブロック200)を押すことによって、左側または右側動作を選択し、開始ボタン112を押すことによって(ブロック部のブロック202に対応する)単一のユーザーコマンドを出す。単一コマンドに反応して、コントローラ96は、以下に詳述されるように圧縮機および適切なバルブを操作し、使用者保持装置の選択された側(左または右)のターンアシスト袋62H、62Fを同時に加圧して膨張させる(ブロック図のブロック202)。膨張圧力は、使用者の身長および/または体重の関数として予定されうる。一旦膨張されると、袋は高さの横方向の変化を呈するが、これは
図3B(破線)に示されるように中心面46からの横の距離が増えるにつれて増加する。結果として、使用者は
図1Bの仰臥位から、膨張したターンアシスト袋によって使用者が横向きに保持される
図10Bに示される位置に回転される。コントローラはその後、同じ単一ユーザーコマンドに反応して、袋の1つ、例えば袋62Fを収縮させる(ブロック図のブロック208)。結果として、
図11Bに示されるように、使用者の胴体は、袋62Hによって引き続き保持される。使用者の臀部および脚はもはや保持されていないため、使用者の体のこれらの部分は、
図1Bの仰臥位に向かってわずかに戻るように回転しうるが、それでも、袋62Fの収縮前に達成された回転位置をほぼ維持する。その結果として、標的領域T1は、使用者の臀部と縦方向に同一の広がりを持ち、脚が露出されて介護者がアクセスできるようになる。前述のように、「標的領域」という語句は、患者の一部および、マットレスの縦方向に実質的に同一の広がりを持つ部分も指す。標的領域T1は、特に関心のあるより小さな標的領域T2、すなわち使用者の臀溝と仙骨底または仙骨岬角との間の領域を含む。
【0038】
図13Bは、袋62H、62Fとその後の袋62Fの収縮の間の時間的関係の変化を示し、「その後の」とは、袋62Fの収縮を記述するために使用される時、袋62Fの収縮の開始が袋62Hおよび62Fの膨張の開始後に起こることを意味するが、袋62Fの収縮は、必ずしも袋62Hおよび62Fが完全膨張状態を達成する時よりも遅く始まるとは限らない。袋62Hおよび62Fは、時間t0から時間tICまで膨張される。コントローラは、ターンアシスト袋62H、62Fの膨張の完了と、ターンアシスト袋62Fの時間tD3での収縮の開始との間の時間遅延Δt2を観測しうる(時間間隔102)。1つの実施形態では、Δt2は約10秒である。別の方法として、コントローラは、袋62Fのその後の収縮を時間tICと同じ時間tD2(時間間隔104)に基本的に開始しうる。第三のオプションは、袋62Hの膨張を継続しながら、それが完全に膨張される前に袋62Fの収縮を開始することである(時間間隔106)。
【0039】
原理上、コントローラは、選択された袋配列の2つの袋の1つだけを膨張させるよう構成されうるが、このような動作は、使用者をひねる可能性のために、選択された袋配列の両方(またはすべて)の袋を膨張させることよりも望ましくないと考えられる。
【0040】
図12Bのブロック204および206に示されるように、コントローラは、時間t2で膨張完了信号を出してターンアシスト袋の膨張の完了を知らせるように、および/または収縮開始信号を出してターンアシスト袋の1つの収縮の差し迫ったまたは実際の開始を知らせるようにも適合されうる。このような信号の一例は可聴音である。
【0041】
前述の例では、少なくとも1つのユーザーコマンドは、両方のターンアシスト袋の膨張、1つのターンアシスト袋のその後の収縮を引き起こす単一コマンドを含む。別の方法として、少なくとも1つのユーザーコマンドは、コントローラに両方のターンアシスト袋の膨張を生じさせるための初期コマンド、およびコントローラにターンアシスト袋の1つの収縮を生じさせるための中間ユーザーコマンドを含みうる。このような配置は、介護者が1つではなく2つのコマンドアクションを取ることを必要とするが、時間間隔Δtの制御
権を介護者に与える。
【0042】
使用者保持装置の一つの変形は、開始ボタン112(
図9B)と共に分配し、左側または右側の膨張のユーザーの選択に反応して、左または右のターンアシスト袋62H、62Fの加圧・膨張を開始することである。つまり、ユーザーの左または右選択ボタン110L、110Rの使用は、左側または右側を選択するだけでなく、その側部のターンアシスト袋の加圧および袋の1つ(例えば、袋62F)のその後の収縮も引き起こす。従って、コントローラは単一ユーザーコマンドに反応するように構成されている場合、その単一ユーザーコマンドは選択コマンドおよび袋収縮/その後の収縮コマンドの組み合わせである。その代わりにコントローラが初期コマンドおよび中間コマンドに反応するよう構成されている場合、初期コマンドは選択コマンドおよび袋膨張コマンドの組み合わせである。その他のユーザーインターフェース配置でも十分でありうる。
【0043】
コントローラは、ユーザーが決定した時間、袋62Hの膨張および袋62Fの収縮を維持する。(一般的にはケアタスクを完了した結果として)膨張したターンアシスト袋62Hを収縮すると決めた介護者が、キャンセルまたは戻るボタン114を押すことによって、ユーザー開始収縮コマンド(
図12Bのブロック210)を出した時、ユーザーが決定した時間が経過する。それに応じて、コントローラは、バルブおよび/または圧縮機(例えば、
図6Bまたは7Bのもの)を操作して、膨張したターンアシスト袋を収縮させ(ブロック214)、使用者保持装置を
図1Bに示されるベースライン状態に戻す。
図12Bは30分の「タイムアウト」限度も示す。ユーザーが、(例えば、ボタン112を押すことによって)ターンアシスト袋の膨張を開始してから30分以内にボタン114を押さなかった場合、コントローラは、バルブおよび/または圧縮機を操作して、膨張したターンアシスト袋62Hを収縮させ、使用者および使用者保持装置を
図1のベースライン状態に戻す。
【0044】
図14Bのブロック図は、ブロック214で収縮ステップを実行する前に、ユーザー開始収縮コマンドに反応して(ブロック210)、コントローラがターンアシスト袋62Fを再膨張する(ブロック212)実施形態を示す。ブロック214で、コントローラは両方の袋62H、62Fを収縮させる。結果として、使用者は、
図1Bのベースライン状態に戻る間、ゾーン64Hおよび64Fの両方に沿って完全に保持される。その他のすべての点において、
図14Bのブロック図は、
図12Bのものと同じである。代替的な実施形態では、コントローラは、ユーザー開始再膨張コマンドに反応してターンアシスト袋62Fを再膨張し、ユーザー開始収縮コマンドに反応して袋を収縮するよう構成される。
【0045】
必要に応じて、コントローラは、ターンアシスト袋62H、62Fを膨張・収縮するだけでなく、ターンアシスト袋の膨張・収縮と協調して1つ以上の保持袋ゾーン56H、56Fの保持袋を膨張・収縮するようにも構成されうる。
図15Bを参照すると、ターンアシストゾーン64H、64Fの(すなわち、ターンアシスト袋62H、62Fの)膨張は、時間t0に始まる。さらに、保持ゾーン56H、56Fは、時間t0(実線)、またはt0よりΔt1だけ早い時間t-1(破線)のどちらかから収縮される。ターンアシストゾーンの膨張を時間tICに完了する。ターンアシストゾーン64Fの収縮は時間tD2に始まり、これは時間tICと実質的に同じである。さらに、時間tD2(実線)、または時間tD2よりΔt3だけ遅い時間t4(破点線)から、収縮した保持ゾーンは再膨張され、必要であれば、過膨張される(すなわち、通常の動作圧力よりも高い圧力まで再膨張される)。保持ゾーン56H、56Fの再膨張の開始を、少なくともターンアシストゾーン64Fの収縮の開始時間まで引き伸ばすことが望ましいと考えられる。ターンアシストゾーン64Fの収縮の開始は、
図13Bに関連してすでに記述したように、tICに対してΔt2だけ遅延させうる。
【0046】
図16Bは、上述の動作をブロック図の形態で示している。ブロック200で、ユーザーは左または右の動作を選択する。ブロック202Aで、保持ゾーンの収縮が始まる。ブロック202Bで、ターンアシストゾーンの膨張が始まる。ターンアシストゾーンの膨張が完了するかまたは十分に完了する(例えば、通常のターンアシスト袋の膨張圧力の指定されたパーセントが達成される)と(ブロック203)、ターンアシストゾーン64Fの収縮が始まる(ブロック208A)。ブロック208Bで、保持ゾーン56H、56Fの再膨張が始まる。保持ゾーンは、その通常動作圧力まで再膨張されるか、または過膨張されうる。すでに記述したように、ブロック201、205、207では時間遅延Δt1、Δt2、Δt3の1つ以上が0でありうる。
【0047】
上述の説明では、介護者がベッドの右側から標的領域にアクセスできるように、使用者は、本人の左側に回転されている。ケア活動の性質に応じて、介護者は、
図1Bのベースライン状態にベッドおよび使用者を戻した後、ベッドのもう一方の(左)側に移動し、その後使用者を本人の右側に回転してケア活動を完了する必要がある可能性もある。
【0048】
図6Bに戻ると、構成要素の一つの可能な配置には、袋62Hと圧縮機94の間の流体連通を確立するための導管120、および導管を通した流体の流れを制御するための充填バルブ122を含む。部材間導管124は、それぞれが部材間バルブ128を持ち、袋62Hと袋62Fの間に延長する。排出導管130は、部材間バルブ128から大気まで延長する。実際には、左の袋配列または右の袋配列のいずれかが選択される。従って、以下の動作説明は左配列または右配列のいずれかに適用されるが、両方の配列に同時には適用されない。充填バルブ122が開けられ、対応する部材間バルブ128が、圧縮機が袋62H、62Fを加圧できるようにするために袋62Hと62Fの間の流体連通を可能にするが、排出導管130を通した流体の流れをブロックするように位置付けられる。袋が十分に加圧された時、充填バルブ122が閉じられ、圧縮機の動作が中止される。その後バルブ128が、袋62Fからの空気を放出するように位置付けられ、従って袋62Fを収縮させる。ターンアシスト袋62Hの加圧および袋62Fの収縮は、ユーザーがボタン114(
図9B)を押すまで維持される。それに応じて、コントローラは、膨張した袋62Hと大気の間の経路を開く位置に移動するようバルブ128に命令し、従って袋62Hを放出・収縮する。すべての袋より少ない数の袋が膨張される、前に言及したあまり好ましくない動作モードでは、異なるバルブおよび導管の配置が必要となるであろう。
【0049】
図7Bは、袋62に空気を供給するため、またはそこから空気を排出するための構成要素の可能性のある別の配置を示す。構成要素の配置は、頭側端の袋62と圧縮機94の間の流体連通を確立する第一の導管140、および第一の導管を通した流体の流れを制御するための第一のバルブ142L、142Rを含む。左の供給・放出導管144Lは、左ターンアシスト袋62F、Lから切り替えバルブ146まで延長する。右の供給・放出導管144Rは、左ターンアシスト袋62F、Rから切り替えバルブ146まで延長する。
【0050】
切り替えバルブは、圧縮機に接続されている第二の導管150にも接続されている。実際には、左の袋配列または右の袋配列のいずれかが選択される。従って、左配列を特に対象とする以下の動作説明は、左配列または右配列のいずれかに適用されるが、両方の配列に同時には適用されない。バルブ142Lが開かれ、従って圧縮機94と袋62H、Lの間の流体連通を確立する。切り替えバルブ146は、左充填位置に位置付けられ、従って圧縮機とターンアシスト袋62F、Lの間の流体連通を確立する。圧縮機は袋62H、Lおよび62F、Lを加圧するように操作される。袋が十分に加圧された時、第一のバルブ142が閉じられる。次に圧縮機は、導管144Lおよび150を経由して袋62F、Lから空気を吸引するように操作される。その後バルブ146が閉じられ、圧縮機の動作が中止される。袋62H、Lを収縮させるのが望ましい時、コントローラは、圧縮機と袋62H、Lの間の流体連津を再確立する位置に移動するよ
うバルブ14
2Lに命令する。
【0051】
次に圧縮機は、袋62H、Lから空気を吸引するように操作される。
【0052】
図8Bは、袋62に空気を供給するため、またはそこから空気を排出するための構成要素の可能性のある別の配置を示す。配置には、圧縮機96から延長し、4つのターンアシスト袋62のそれぞれに接続された分岐158を持つ第一の導管156を含む。切り替えバルブ160は、第一の導管を、圧縮機の圧力ポート162または吸引ポート164のどちらかに選択的に接続する。メインバルブ168は、第一の導管156と各袋の間の流体の流れを制御する。通常閉じられている放出バルブ170は、各分岐ラインに接続される。1つ以上の袋を充填するために、コントローラ96は、切り替えバルブ160に第一の導管156を圧縮機の圧力ポートに接続させ、充填する袋に対応するメインバルブ168を開き、袋が十分に加圧されるまで圧縮機94を動作させ、その後メインバルブを閉じる。1つ以上の袋から空気を排出するために、コントローラは、切り替えバルブ160に第一の導管156を真空圧力ポートに接続させ、排出する袋に対応するメインバルブ168を開き、袋が十分に減圧されるまで圧縮機94を動作させ、その後メインバルブを閉じる。各放出バルブ170は閉じたままで、ベッドの電力の中断にのみ反応して、関連する袋を排出するために使用される。
【0053】
前述の説明は、使用者保持装置の各側面上に厳密に2つのターンアシスト部材(袋)を持つ使用者保持装置に基づいている。しかし、使用者保持装置は、各側部に3つ以上のターンアシスト部材を持ちうる。一般的に、
図17Bのブロック図に示されるように、コントローラは、少なくとも1つのユーザーコマンドに反応して、左および右の配列の選択された1つの少なくとも1つのターンアシスト部材を膨張させ(ブロック202)、またその後に複数のターンアシスト部材のサブセットを収縮させる(ブロック208)。側部あたりの袋の数に関わらず、少なくとも1つのターンアシスト部材の膨張は、2つ以上のターンアシスト部材の膨張を含む場合があり、その制限内で、使用者保持装置の所定の(左または右)側のすべてのターンアシスト部材の膨張を含みうる。コントローラは、ユーザー開始収縮コマンド(ブロック210、214)に反応して、サブセットの補完物(すなわち、ブロック208で収縮されなかった袋)を収縮させるようにも構成される。
図18Bのブロック図で示されるように、コントローラは、ユーザー開始収縮コマンド(ブロック210)に反応して、ターンアシスト部材のサブセットを再膨張し(ブロック212)、また補完物と再膨張されたサブセットの両方を収縮する(ブロック214)ようにも構成されうる。
図19Bは、
図16Bのブロック図を一般化したものである。
【0054】
側部あたり3つ以上の袋を持つ使用者保持装置については、2つの袋構成と同様、使用者をひねること、またはすべての袋より少ない数の袋を膨張させることから生じうるその他の有害作用に使用者をさらすことを避けるため、ブロック202で所定の側部のすべての袋を同時に膨張・収縮させることが望ましいと考えられる。
【0055】
図20B〜23Bは、グラフィカルユーザーインターフェース/タッチスクリーンインターフェースに関連する。
図20Bは、ディスプレーの右側に沿って垂直に並べられた5つのタッチセンサー式アイコン302、304、306、308、310を持つインターフェースディスプレー300を示す。ディスプレーの中央は一対の画像で占められている。左の画像320は、本人の左へと回転されたベッド使用者のグラフィック322を示し、「左ターンアシスト」と表示されたタッチセンサー式アイコン324を含む。右の画像330は、本人の左側に回転されたベッド使用者のグラフィック332を示し、「強化左ターンアシスト」と表示されたタッチセンサー式アイコン334を含む。グラフィック322およびアイコン324は、従来的ターンアシスト動作に関連している。グラフィック332およびアイコン334は、使用者の標的領域へのアクセスを改善するためのインスタントアプリケーションに記述された強化ターンアシスト動作に関連する。
図21Bは、
図20Bと同じであるが、ユーザーが動作の強化モードを選択したことを示す点灯状態のアイコン334を示す。類似のディスプレーが、右ターンアシストおよび強化右ターンアシストに使用される。
図22Bは、ディスプレーの右側に沿って並べられたアイコン302〜310を示すが、7つのタッチセンサー式アイコン350、352、354、356、358、360、362も示しており、これらはユーザーが7つの機能から選択することを可能にし、その2つは右および左のターンアシストである(アイコン354、356)。アイコン356は、ターンアシスト機能が選択されたことを示すために点灯状態になっている(この選択は
図20Bのディスプレーを有効化したはずである)。ディスプレーは、時間進行を示す時間メーター380も含む。
図23Bは、
図20Bのグラフィック332に類似のグラフィック390を持つディスプレーであるが、より拡大され、異なる視点からのものである。
図23Bは、
図22Bの時間メーター380に類似しており、強化左ターンアシストモードが選択されたことを示すためのテキストも付随している時間メーター380Aも含む。ユーザーが動作をキャンセルできるように、タッチセンサー式「キャンセル」アイコン392が提供されている。
この開示では具体的な実施形態を記載しているが、当業者であれば、付随の請求項で規定される主題から逸脱することなく、形態や詳細に対してさまざまな変更を行うことができることが理解されるであろう。
【0056】
パートC
パートCの説明は、添付図表と共に示される。
【0057】
図1C、2Cおよび3Cを参照すると、病院ベッドは、ベッドフレームの構成要素と見なされうるデッキ200(非表示)、およびマットレス202を含む。マットレスは、左右の回転エフェクター204L、204Rを備える回転層204を含む。マットレスは、回転エフェクターの上に保持層206も含む。保持層は、左側Lから右側Rまで横方向に、頭側端Hから足側端Fまで縦方向に延長する。例示のマットレスでは、保持層および回転エフェクターは、例えば、空気で適切に加圧されて、十分な使用者保持を提供し、使用者を横方向に回転する(使用者を横方向に回転するとは、使用者を本人の左側または右側に回転することを意味する)ことができる袋である。
図1Cでは、袋204Lは膨張状態で示されている一方、袋204Rは収縮状態で示されている。仰臥位の結果として、使用者または患者Pは本人の右側に回転される(本人の左側が右側よりも高い)。マットレスは、保持層の左右の側面を境界している、縦に延長する左右の補助枕208L、208Rも含む。ティッキングまたはカバー230は、回転層、保持層および補助枕の周りに延長する。
【0058】
図3で示されるマットレスの変形では、左エフェクターまたは袋および右エフェクターまたは袋はそれぞれ単一の袋である。
図2Cに示される異なる変形では、左エフェクターは、互いに袋間距離Dだけ縦方向に間隔を置いた、縦方向に分配された一式の2つの左側袋204LH、204LFである。袋204LHは、ベッドの頭側端により近いその位置のために頭側端袋と呼ばれ、袋204LFは、ベッドの足側端により近いその位置のために足側端袋と呼ばれる。同様に、右エフェクターは、互いに袋間距離Dだけ縦方向に間隔を置いた、縦方向に分配された一式の2つの右側袋204RH、204RFである。袋204RHは、ベッドの頭側端により近いその位置のために頭側端袋と呼ばれ、袋204RFは、ベッドの足側端により近いその位置のために足側端袋と呼ばれる。望ましい場合、ベッドの各側部に3つ以上の袋を使用しうる。
【0059】
そうでなければ、使用者が褥瘡を発症する付随リスクを伴って不適切に長期間、使用者に作用するであろう保持荷重を一時的に減少または除去するために、定期的にベッド使用者を横方向(左から右)に回転させることが望ましいことがある。典型的な回転プロトコールは、使用者を一方向に(例えば使用者の左へと)回転し、使用者をその回転した配向に所定の時間間隔以下の間保持し、次に使用者を所定の時間間隔以下の間、平らな配向に戻し、その後使用者を、所定の時間間隔以下の間だけ反対方向に(例えば、使用者の右へと)回転してから、平らな配向にまた戻すことである。サイクルは、必要な限り繰り返され、手動または半手動で実行される(すなわち、介護者は、使用者を回転する補助のために回転袋を使用するが、各時間間隔が切れた時、袋を動作するためにベッドサイドを訪れなければならない。) 使用者が横方向に回転される時、マットレス上の使用者の位置は、
図1Cの摩擦力矢印Ffで示される方向に作用する摩擦によって維持される(ベクター図は、マットレスの傾斜した左側部分に垂直の成分Fnおよびマットレスの傾斜した左側部分に平行な成分Ffへの使用者の体重Wの分解を示す)。結果として、使用者の皮膚および軟組織は、皮膚の損傷につながる可能性のあるせん断力にさらされる。しかし、補助枕208のために、より低い位置にある使用者の側部は補助枕に寄りかかり、補助枕によって保持されうる。従って、使用者を傾斜したマットレス部分の上に維持するために必要な摩擦力は、補助枕により提供される保持力によって減少される。従って、使用者にかかるせん断が減少する。このように、ベッドの使用者にかかる荷重を緩和する方法は、使用者を第一の回転方向に(例えば、使用者の左側へと)横方向に回転するステップ、および使用者を第一の回転方向への回転から生じる配向に所定の第一の時間間隔の間維持する一方、そうでなければ使用者に作用するであろう摩擦力を減少させることに一致する第一の保持方向に患者を保持するステップを含む。
【0060】
第一の時間間隔が終了した後、方法は単に、使用者を平らな配向に戻し、使用者をその配向に一定時間間隔の間維持した後、上述のように使用者を第一の方向にまた回転させ、必要なだけ回転/維持/復帰サイクルを繰り返しうる。これは片側動作と呼ばれる。しかし、使用者が交互に左右に回転される両側動作が、ほとんどの場合さらに有用である可能性が高い。このように、本方法は、第一の間隔の終了後、使用者を第二の回転方向に(例えば、使用者の右側へと)横方向に回転するステップ、および第二の回転方向への回転から生じる配向に、使用者を所定の第二の時間間隔の間維持する一方、そうでなければ使用者に作用するであろう摩擦力を減少させることに一致する第二の保持方向に患者を保持するステップを含む。片側および両側動作の両方は、単一サイクルまたは複数サイクルで進めることができる。
図1Cは、膨張可能/収縮可能な補助枕の両方ともが膨張していることを示すが、1つの補助枕のみを膨張する必要があり、すなわち右回転のためには右補助枕208Rのみを膨張する必要があり、左回転のためには左補助枕208Lのみを膨張する必要がある。
【0061】
片側または両側動作のいずれかは、第一の時間間隔の終了後に、使用者を第二の回転方向に回転する前に、使用者を非回転配向に第三の時間間隔の間維持することも含みうる。
【0062】
別の変形では、方法は、使用者の長さの少なくとも一部に沿って、界面圧(使用者に対して垂直に作用する圧力)を減少または緩和することを含む。界面圧力のこのような減少をもたらすのが望ましい患者の1つの部分は、患者の仙骨である。界面圧力を減少させる1つの方法は、使用者の仙骨または界面圧力を減少させることが望ましい患者のその他の部分に対応するゾーンの保持袋206、回転袋204または両方の圧力を減少させることである。
【0063】
ベッドの使用者にかかる荷重を軽減する別の方法は、使用者を第一の回転方向に(例えば、本人の左側へと)横に回転させるステップ、および第一の回転方向に回転した結果もたらされる配向に使用者を第一の所定時間、維持するステップ、および第一の時間の少なくとも一部の間、使用者の長さの少なくとも一部に沿った界面圧を緩和するステップを含む。前述の方法と同様に、緩和された界面圧力は、使用者の仙骨または界面圧力を減少させることが望ましい患者のその他の部分に対応するゾーンの保持袋、回転袋または両方の圧力を減少させることによって達成されうる。
【0064】
第一の時間間隔が終了した後、方法は単に、使用者を平らな配向に戻し、使用者をその配向に一定時間間隔の間維持した後、上述のように使用者を第一の方向にまた回転させ、必要なだけ回転/維持/復帰サイクルを繰り返しうる。これは片側動作と呼ばれる。しかし、使用者が交互に左右に回転される両側動作が、ほとんどの場合さらに有用である可能性が高い。従って、方法は、第一の間隔の終了後に、使用者を第二の回転方向に(例えば、本人の右側へと)横に回転させるステップ、および第二の回転方向に回転した結果もたらされる配向に使用者を第二の所定時間、維持するステップ、および第二の時間の少なくとも一部の間、使用者の長さの少なくとも一部に沿った界面圧を緩和するステップを含む。片側および両側動作の両方は、単一サイクルまたは複数サイクルで進めることができる。
【0065】
片側または両側動作のいずれかは、第一の時間間隔の終了後に、使用者を第二の回転方向に回転する前に、使用者を非回転配向に第三の時間間隔の間維持することも含みうる。方法は、第三の間隔の少なくとも一部の間、緩和された界面圧を維持することも含みうる。
【0066】
図4Cは、左右の回転エフェクターまたは袋204L、204Rおよび回転袋の上の保持層206を備えるマットレスを示す。回転層は、左縁212Lから右縁212Rまで横方向に延長するが、これは保持層の左右の縁214L、214Rとは一致することもしないこともある。回転袋の1つが膨張される時(イラストでは204L)、結果は、回転袋の高さEが中心面Cから外側縁212Lまでの横方向の距離全体に沿って必ずしも増加しないという点で最適ではない可能性がある。その代わり、イラストに示されるように、高さEは中心面から縁の内側の横方向の位置216まで増加し、位置216から縁212Lまで高さが減少し、中心面と縁の間に横方向のピーク218を持ち、縁から実質的にオフセットされたこぶを生じさせる。
【0067】
図5Cは、上記の問題に対処するように設計たれたマットレス202を示す。マットレスは、左右の回転エフェクター204L、204Rを持つ回転層204、および回転エフェクターの上の保持層206を備える。回転層は、保持層の回転層の左縁212Lから回転層の右端212Rまで横方向に延長するが、これは保持層の左右の端214L、214Rと一致することも一致しないこともある。保持層は、保持層の左縁214Lから保持層の右縁214Rまで横方向に延長する。マットレスは、例えば中心面Cの縁の中間に位置付けられたセンタータイ220も含む。マットレスは縦方向に延長する中心面の周りで一般的には対称で、従ってセンタータイはその面と一般的には一致するため、センタータイはそのように名付けられている。それにもかかわらず、センタータイの実際の位置は、マットレスの横方向中心になるとは制限されない。センタータイは、保持層206をカバー230に固定し、それによって横方向の左右の回転エフェクターの間で保持層に反力を加える。このようにすることで、センタータイは、回転袋が膨張された時に回転袋を空間的に制約する。結果として、膨張した袋の断面は、こぶ(
図4C)というよりも傾斜台(
図5C)のようである。
【0068】
図5Cの変形では、センタータイはストラップ222である。
図6C〜8Cの変形では、センタータイは、縦方向に連側的(
図7C)であるか、または離散的スナップ要素(
図8C)から成ることのある縦方向に延長するスナップジョイント224である(
図7Cおよび8Cは、保持層206に関連するはめ合い側ではなく、カバー230に関連するスナップジョイント側のみを示している)。
図9C〜11Cの変形では、センタータイは、縦方向に連続的(
図10C)であるか、または離散的スポット溶接(
図11C)から成ることのある、縦方向に延長する溶接226である(
図10Cおよび11Cは、保持層206に沿ったものではなく、カバー230に沿った溶接を示している)。
【0069】
センタータイ220(例えば、ストラップ222、スナップジョイント224、溶接226)は、保持層206をカバー230に固定するものとして表示・説明されてきたが、別の変形(非表示)は、センタータイを利用して保持層をデッキ200に固定する。
[19]
マットレスの使用者または前記マットレス自体の標的領域へのアクセスの提供方法であって、前記マットレスが縦方向に延長する中心線、保持層、および前記保持層の下の膨張可能ターンアシスト層を持ち、前記ターンアシスト層が、縦方向寸法を持つ到達空間によって互いに縦方向に間隔を置いている、縦方向に分布された少なくとも2つのターンアシストゾーンを持ち、前記方法が、
前記膨張したゾーンが、前記中心線からの横方向の距離が増えるにつれて増加する高さの横方向変化を呈するように、前記ターンアシストゾーンの少なくとも1つを膨張させるステップと、
前記膨張したターンアシストゾーンの膨張を、ユーザーが決定した時間の間維持するステップを含む方法。
[20]
前記到達空間を覆うその少なくとも縦方向に延長する部分の前記保持層を収縮させるステップと、前記保持層部分の収縮を自由裁量時間の間維持するステップを含む、[19]に記載の方法。
[21]
前記少なくとも1つのターンアシストゾーンの前記膨張および前記保持層部分の前記収縮が少なくとも一部は同時に起こる、[20]に記載の方法。
[22]
前記保持層の前記収縮した部分が折り畳みゾーンであり、前記方法が、少なくとも前記折り畳みゾーンの外側にある領域の前記保持層を過膨張させるステップを含む、[20]に記載の方法。
[23]
前記保持層が、横方向左および横方向右の膨張可能ゾーンを備え、前記保持層部分の収縮が横方向の左右の横方向ゾーンの指定された1つのみでの前記保持層の収縮を含み、前記指定されたゾーンが前記ターンアシストゾーンが膨張された側の前記マットレスの側にある、[20]に記載の方法。
[24]
マットレスの使用者または前記マットレス自体の標的領域へのアクセスの提供方法であって、前記マットレスが縦方向に延長する中心線、および膨張可能ターンアシスト層を持ち、前記ターンアシスト層が縦方向寸法を持つ到達空間によって互いに縦方向に間隔を置いている、縦方向に分布された少なくとも2つのターンアシストゾーンを持ち、前記方法が、
前記膨張したゾーンが、前記中心線からの横方向の距離が増えるにつれて増加する高さの横方向変化を呈するように、前記ターンアシストゾーンの少なくとも1つを膨張させるステップと、
前記膨張したターンアシストゾーンの膨張を、ユーザーが決定した時間の間維持するステップを含む方法。
[25]
前記マットレスが前記ターンアシスト層の上の保持層を含み、前記方法が、前記到達空間を覆う前記保持層の少なくとも縦方向に延長する部分の前記保持層を収縮させるステップと、前記保持層部分の収縮を自由裁量時間の間維持するステップを含む、[24]に記載の方法。
[26]
前記少なくとも1つのターンアシストゾーンの前記膨張および前記保持層部分の前記収縮が少なくとも一部は同時に起こる、[25]に記載の方法。
[27]
前記保持層の前記収縮した部分が折り畳みゾーンであり、前記方法が、少なくとも前記折り畳みゾーンの外側にある領域の前記保持層を過膨張させるステップを含む、[25]に記載の方法。
[28]
前記保持層が、横方向左および横方向右の膨張可能ゾーンを備え、前記保持層部分の収縮が横方向の左右の横方向ゾーンの指定された1つのみでの前記保持層の収縮を含み、前記指定されたゾーンが前記ターンアシストゾーンが膨張された側の前記マットレスの側にある、[25]に記載の方法。
[29]
使用者保持装置であって、
保持層と、
前記保持層の下のターンアシスト層であって、
縦方向に分布された2つ以上のターンアシスト部材の左側配列であって、前記配列の各部材が縦方向に分布された1つ以上のターンアシスト袋を備える左側配列と、
縦方向に分布された2つ以上のターンアシスト部材の右側配列であって、前記配列の各部材が縦方向に分布された1つ以上のターンアシスト袋を備える左側配列とを含むターンアシスト層と、
コントローラであって、
a) 前記左右の配列の選択された1つの少なくとも1つのターンアシスト部材を膨張させ、また
b) 2つ以上のターンアシスト部材のサブセットをその後に収縮させるように構成され、前記膨張および収縮が少なくとも1つのユーザーコマンドに反応するコントローラを備える使用者保持装置。
[30]
前記少なくとも1つのターンアシスト部材が、前記選択された配列の2つ以上のターンアシスト部材を含む、[29]に記載の使用者保持装置。
[31]
前記少なくとも1つのターンアシスト部材が、前記選択された配列のすべてのターンアシスト部材を含む、[29]に記載の使用者保持装置。
[32]
前記コントローラが、
c) ユーザー開始収縮コマンドに反応して、前記サブセットの補完物を収縮させるようにも構成されている、[29]に記載の使用者保持装置。
[33]
前記少なくとも1つのユーザーコマンドが単一コマンドを含み、前記コントローラが、前記単一コマンドに反応して前記ターンアシスト部材を膨張させ、前記ターンアシスト部材の前記サブセットを収縮させるように構成されている、[31]に記載の使用者保持装置。
[34]
前記コントローラが、前記ターンアシスト部材の膨張の完了と前記ターンアシスト部材の前記サブセットの収縮の開始との間の時間遅延を観測するように構成されている、[33]に記載の使用者保持装置。
[35]
前記コントローラが、
a) 前記ターンアシスト部材の膨張の完了を知らせる膨張完了信号、および
b) 前記ターンアシスト部材の前記サブセットの前記収縮の差し迫ったまたは実際の開始を知らせる収縮開始信号のうち少なくとも1つを出すように適合されている、[31]に記載の使用者保持装置。
[36]
前記少なくとも1つのユーザーコマンドが、前記コントローラに前記ターンアシスト部材を膨張させるための初期コマンド、および前記コントローラに前記ターンアシスト部材の前記サブセットを収縮させるための中間コマンドを含む、[31]に記載の使用者保持装置。
[37]
前記左側配列および前記右側配列が実質的に互いの鏡像である、[31]に記載の使用者保持装置。
[38]
前記左側配列が厳密に2つの部材を備え、前記右側配列が厳密に2つの部材を備える、[29]に記載の使用者保持装置。
[39]
各部材が単一の袋である、[38]に記載の使用者保持装置。
[40]
各部材が、空間体積の境界を示すケーシングを備える袋であり、前記空間の前記内容物が袋加圧媒体から基本的に成る、[31]に記載の使用者保持装置。
[41]
前記左側配列および前記右側配列が実質的に互いの鏡像であり、前記左側配列がそれぞれが単一の袋である部材を厳密に2つ含み、前記右側配列がそれぞれが単一の袋である部材を厳密に2つ含む、[31]に記載の使用者保持装置。
[42]
各袋が、空間体積の境界を示すケーシングを備え、前記空間の前記内容物が袋加圧媒体から基本的に成る、[41]に記載の使用者保持装置。
[43]
前記コントローラが、前記ユーザー開始収縮コマンドに反応して、前記ターンアシスト部材の前記サブセットを再膨張し、また前記補完物と前記再膨張されたサブセットの両方を収縮するように構成されている、[32]に記載の使用者保持装置。
[44]
前記コントローラが、前記ユーザー開始再膨張コマンドに反応して、前記ターンアシスト部材の前記サブセットを再膨張し、また前記ユーザー開始収縮コマンドに反応して、前記補完物と前記再膨張されたサブセットの両方を収縮するように構成されている、[32]に記載の使用者保持装置。
[45]
前記コントローラが、前記保持層の少なくとも1つの保持ゾーンを収縮させるようにも構成されており、前記少なくとも1つの保持ゾーンの前記収縮が少なくとも1つのターンアシスト部材の膨張のステップと少なくとも一部は同時に実行される、[29]に記載の使用者保持装置。
[46]
前記コントローラが、前記収縮された保持ゾーンを再膨張するようにも構成され、前記再膨張が前記サブセットのその後の収縮ステップと少なくとも一部は同時に実行される、[45]に記載の使用者保持装置。
[47]
マットレスの使用者および/または前記マットレス自体の標的領域へのアクセスの提供方法であって、前記マットレスが縦方向に延長する中心線、保持層、および前記保持層の下の膨張可能ターンアシスト層を持ち、前記ターンアシスト層が縦方向に分布された少なくとも2つのターンアシスト部材を持ち、前記方法が、
a) 前記左右の配列の選択された1つの少なくとも1つのターンアシスト部材を膨張させるステップ、
b) 前記少なくとも1つのターンアシスト部材のサブセットをその後に収縮させるステップ、および
c) 前記膨張した部材の膨張および前記サブセットの収縮を、ユーザーが決定した時間の間維持するステップを含む方法。
[48]
前記少なくとも1つのターンアシスト部材が、前記選択された配列の2つ以上のターンアシスト部材を含む、[47]に記載の方法。
[49]
前記少なくとも1つのターンアシスト部材が、前記選択された配列のすべてを含む、[47]に記載の方法。
[50]
[49]に記載の方法であって、
d) 前記サブセットの前記補完物を収縮させるステップを含む方法。
[51]
膨張およびその後の収縮の前記ステップが、少なくとも1つのユーザーコマンドに反応して実行され、前記補完物の収縮の前記ステップがユーザー開始収縮コマンドに反応して実行される、[50]に記載の方法。
[52]
前記少なくとも1つのユーザーコマンドが単一コマンドを含む、[51]に記載の方法。
[53]
前記少なくとも1つのユーザーコマンドが、前記少なくとも1つのコントローラに前記ターンアシスト部材を膨張させるための初期コマンド、および前記コントローラに前記ターンアシスト部材の前記サブセットをその後に収縮させるための中間コマンドを含む、[51]に記載の方法。
[54]
前記維持ステップの後に前記ターンアシスト部材の前記サブセットを再膨張する前記追加的ステップを含み、前記補完物の前記収縮ステップが前記補完物および前記再膨張されたサブセットの収縮ステップで置き換えられる、[50]に記載の方法。
[55]
膨張及びその後の収縮の前記ステップが、少なくとも1つのユーザーコマンドに反応して実行され、前記補完物および再膨張されたサブセットの収縮の前記ステップがユーザー開始収縮コマンドに反応して実行される、[54]に記載の方法。
[56]
前記膨張ステップの完了後および前記その後の収縮ステップの開始前に、時間遅延を観測するステップを含む[49]に記載の方法。
[57]
[49]に記載の方法であって、
a) 前記ターンアシスト部材の膨張の完了を知らせるために、前記膨張ステップの完了後に膨張完了信号を出すステップ、および/または、
b) 前記ターンアシスト部材の前記サブセットの前記収縮の差し迫ったまたは実際の開始を知らせるために、前記その後の収縮ステップの前記開始より前に収縮開始信号を出すステップを含む方法。
[58]
少なくとも1つのターンアシスト部材の前記膨張ステップと少なくとも一部は同時に実行される、前記保持層の少なくとも1つの保持ゾーンの収縮ステップを含む、[47]に記載の方法。
[59]
前記サブセットのその後の収縮の前記ステップと少なくとも一部は同時に実行される、前記収縮された保持ゾーンを再膨張するステップを含む、[58]に記載の方法。