(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262279
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/75 20180101AFI20180104BHJP
A47C 7/54 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
B60N2/46
A47C7/54 C
A47C7/54 F
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-85857(P2016-85857)
(22)【出願日】2016年4月22日
(65)【公開番号】特開2017-193298(P2017-193298A)
(43)【公開日】2017年10月26日
【審査請求日】2017年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤井 恒太
(72)【発明者】
【氏名】大竹 茂和
(72)【発明者】
【氏名】和田 功一郎
(72)【発明者】
【氏名】伊東 大雅
【審査官】
渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−51492(JP,A)
【文献】
特開2002−120625(JP,A)
【文献】
特開2013−240525(JP,A)
【文献】
実開平4−96255(JP,U)
【文献】
米国特許第4882807(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00− 2/72
A47C 7/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバックフレームと、
アームレストフレームと、
前記シートバックフレームに設けられた左右一対のブラケットと、
前記アームレストフレームに設けられた左右一対の支持軸及び左右一対のガイド軸とを有し、
前記ブラケットのそれぞれは、左右において対応する前記支持軸を回転可能に受容する支持孔と、前記支持孔を中心として円弧状に延び、前記支持孔を中心とした周方向に変位可能に前記ガイド軸を受容するガイド孔とを有し、
左右の前記ブラケットは、左右方向から見て互いにオフセットして配置され、
左右の前記支持孔は、互いに同軸に配置され、
左右の前記ガイド孔は、左右方向から見て互いにオフセットして配置され、
左右の前記ガイド軸は、対応する前記ガイド孔に突入するように互いに平行にオフセットして配置されていることを特徴とする乗物用シート。
【請求項2】
左右の前記ガイド軸は、連続した第1の軸部材の両端部によって形成され、
前記第1の軸部材は、中間部に屈曲部を有し、両端部が互いに平行にオフセットしていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項3】
前記アームレストフレームは、左右一対のアームレストサイドフレームと、左右の前記アームレストサイドフレームの一端どうしを連結する板状部材とを有し、
左右の前記支持軸は、直線状に延びる1つの連続した第2の軸部材の両端部によって形成され、
左右の前記アームレストサイドフレームの他端どうしが、前記第1の軸部材及び前記第2の軸部材によって連結されていることを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記シートバックフレームは、左右に延びるロアフレームと、前記ロアフレームの左右端のそれぞれに結合され、上方に延びる左右一対の下サイドフレームと、左右の前記下サイドフレームにそれぞれ結合され、上方に延びる左右一対の上サイドフレームと、左右に延び、左右の前記上サイドフレームの上端に結合されたアッパフレームとを有し、
前記下サイドフレームと前記上サイドフレームとは、前後に互いに重なりあった重なり部において互いに結合され、
前記ブラケットの一方は、前記重なり部に結合されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項5】
前記下サイドフレームは、前記重なり部において溝形構造を有し、
前記上サイドフレームは、前記下サイドフレームの前記溝形構造の内側に嵌合し、
前記ブラケットの一方は、前記重なり部における前記下サイドフレームに結合されていることを特徴とする請求項4に記載の乗物用シート。
【請求項6】
前記アッパフレーム及び左右の前記上サイドフレームは、連続したパイプ部材から形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の乗物用シート。
【請求項7】
前記シートバックフレームは、上下に延び、前記アッパフレームの中間部及び前記ロアフレームの中間に結合されたセンターフレームを有し、
前記ブラケットの他方は、前記ブラケットの一方よりも下方に配置され、前記センターフレームと前記ロアフレームとに結合されていることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項8】
前記ブラケットの一方では、下縁近傍に前記支持孔が配置され、前記ガイド孔が前記支持孔よりも上方に配置され、
前記ブラケットの他方では、上縁近傍に前記支持孔が配置され、前記ガイド孔が前記支持孔よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の乗物用シート。
【請求項9】
前記ブラケットの一方の下縁は、前記重なり部に結合された基端側よりも先端側が下方に延びていることを特徴とする請求項8に記載の乗物用シート。
【請求項10】
前記ガイド軸には、前記ブラケットと面接触して摩擦力を生じさせる摩擦部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等に搭載される乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
シートバックにアームレストを収納可能に設けた自動車の後部シートが公知である。特許文献1に係る後部シートは、シートバックフレームに結合された左右一対のブラケットと、アームレストフレームに結合された支持軸とを有し、左右のブラケットに同軸に形成された支持孔に支持軸の両端部が挿入されることによって、シートバックフレームにアームレストフレームが回動可能に支持されている。また、各ブラケットには支持孔を中心とした円弧状のガイド孔が形成され、アームレストフレームには各ガイド孔に受容されるガイド軸が結合されている。左右のガイド孔は左右において互いに対向する位置に同一形状に形成されている。ガイド軸は、直線状のシャフトとして構成され、左右の端部においてガイド孔に突入している。ガイド軸がガイド孔の端部に突き当たることによって、シートバックに対するアームレストの回動位置が所定の収納位置と使用位置との間で規制される。また、ガイド軸に設けられた摩擦部材がブラケットに面接触することによって、シートバックに対してアームレストが任意の回動位置に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5665435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガイド孔をブラケットに形成する場合、ガイド孔を形成するスペースを確保するためにブラケットが大きくなる。このようなブラケットは、配置スペースや他の構造要素の関係から左右で同じ位置(高さ)に配置することが困難な場合がある。また、シーバックフレームにおいて左右のブラケットがそれぞれ結合される部位の構造要素が異なる場合が多くあり、剛性の高い構造要素に左右のブラケットをそれぞれ結合させた結果、左右のブラケットの位置(高さ)が異なる場合がある。これらのように、左右のブラケットの上下位置が相違する場合、左右のガイド孔を互いに対向する位置に同一形状に形成することが困難である。換言すると、ガイド孔をブラケットに形成する場合、ブラケットのレイアウト自由度が制限されるという問題がある。
【0005】
本発明は、以上の背景を鑑み、アームレストを備えた乗物用シートにおいて、回転軸を支持するブラケットのレイアウト自由度を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、シートバックフレーム(10)と、アームレストフレーム(40)と、前記シートバックフレームに設けられた左右一対のブラケット(25、30)と、前記アームレストフレームに設けられた左右一対の支持軸(41B、41C)及び左右一対のガイド軸(42B、42C)とを有し、前記ブラケットのそれぞれは、左右において対応する前記支持軸を回転可能に受容する支持孔(27、31)と、前記支持孔を中心として円弧状に延び、前記支持孔を中心とした周方向に変位可能に前記ガイド軸を受容するガイド孔(28、32)とを有し、左右の前記ブラケットは、左右方向から見て互いにオフセットして配置され、左右の前記支持孔は、互いに同軸に配置され、左右の前記ガイド孔は、左右方向から見て互いにオフセットして配置され、左右の前記ガイド軸は、対応する前記ガイド孔に突入するように互いに平行にオフセットして配置されていることを特徴とする乗物用シート(1)を提供する。
【0007】
この態様によれば、左右のガイド軸及びガイド孔がそれぞれ互いにオフセットして配置されているため、左右のブラケットを互いにオフセットして配置することが可能になる。これにより、ブラケットのレイアウト自由度が向上する。
【0008】
また、上記の態様において、左右の前記ガイド軸は、連続した第1の軸部材(42)の両端部(42B、42C)によって形成され、前記第1の軸部材は、中間部に屈曲部(42A)を有し、両端部が互いに平行にオフセットしているとよい。
【0009】
この態様によれば、ガイド軸の剛性が向上する。また、部品点数が削減される。
【0010】
また、上記の態様において、前記アームレストフレームは、左右一対のアームレストサイドフレーム(47)と、左右の前記アームレストサイドフレームの一端どうしを連結する板状部材(48)とを有し、左右の前記支持軸は、直線状に延びる1つの連続した第2の軸部材(41)の両端部(41B、41C)によって形成され、左右の前記アームレストサイドフレームの他端どうしが、前記第1の軸部材及び前記第2の軸部材によって連結されているとよい。
【0011】
この態様によれば、ガイド軸を構成する棒部材及び支持軸を構成する軸部材によってアームレストフレームの剛性が向上する。
【0012】
また、上記の態様において、前記シートバックフレームは、左右に延びるロアフレーム(14)と、前記ロアフレームの左右端のそれぞれに結合され、上方に延びる左右一対の下サイドフレーム(15)と、左右の前記下サイドフレームにそれぞれ結合され、上方に延びる左右一対の上サイドフレーム(16)と、左右に延び、左右の前記上サイドフレームの上端に結合されたアッパフレーム(17)とを有し、前記下サイドフレームと前記上サイドフレームとは、前後に互いに重なりあった重なり部(22)において互いに結合され、前記ブラケットの一方は、前記重なり部に結合されているとよい。
【0013】
この態様によれば、ブラケットの一方が他の部分よりも剛性が高い重なり部に結合されるため、ブラケットの剛性が向上する。
【0014】
また、上記の態様において、前記下サイドフレームは、前記重なり部において溝形構造を有し、前記上サイドフレームは、前記下サイドフレームの前記溝形構造の内側に嵌合し、 前記ブラケットの一方は、前記重なり部における前記下サイドフレームに結合されているとよい。
【0015】
この態様によれば、重なり部の剛性が向上する。これにより、ブラケットの剛性が向上する。
【0016】
また、上記の態様において、前記アッパフレーム及び左右の前記上サイドフレームは、連続したパイプ部材から形成されているとよい。
【0017】
この態様によれば、重なり部が閉断面構造となり、重なり部の剛性が向上する。また、シートバックフレーム上部の構造が簡素になる。
【0018】
また、上記の態様において、前記シートバックフレームは、上下に延び、前記アッパフレームの中間部及び前記ロアフレームの中間に結合されたセンターフレーム(18)を有し、前記ブラケットの他方は、前記ブラケットの一方よりも下方に配置され、前記センターフレームと前記ロアフレームとに結合されているとよい。
【0019】
この態様によれば、ブラケットの他方は、センターフレーム及びロアフレームの両方に結合されているため、剛性が向上する。
【0020】
また、上記の態様において、前記ブラケットの一方(25)では、下縁近傍に前記支持孔(27)が配置され、前記ガイド孔(28)が前記支持孔よりも上方に配置され、前記ブラケットの他方(30)では、上縁近傍に前記支持孔(31)が配置され、前記ガイド孔が前記支持孔よりも下方(32)に配置されているとよい。
【0021】
この態様によれば、ブラケットの一方及び他方の上下方向におけるオフセット量を大きくすることができる。
【0022】
また、上記の態様において、前記ブラケットの一方の下縁は、前記重なり部に結合された基端側よりも先端側が下方に延びているとよい。
【0023】
この態様によれば、ブラケットの一方及び他方の上下方向におけるオフセット量を更に大きくすることができる。
【0024】
また、上記の態様において、前記ガイド軸には、前記ブラケットと面接触して摩擦力を生じさせる摩擦部材(61)が設けられているとよい。
【0025】
この態様によれば、シートバックに対してアームレストを任意の回動位置に保持することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上の構成によれば、アームレストを備えた乗物用シートにおいて、回転軸を支持するブラケットのレイアウト自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2】実施形態に係る車両用シートのシートバックフレームの斜視図
【
図3】シートバックフレームの要部を拡大して示す斜視図
【
図5】アームレストフレームを透視して示すアームレストの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明に係る乗物用シートを自動車の後部座席の左部に適用した一実施形態を説明する。以下の説明では、シートに着座した乗員を基準にして左右を定める。また、左右方向において、シートの中央側を内方、相反する側を外方という。左右一対設けられる同一構成については、共通の番号を付し、説明を省略する。また、結合の用語は、その態様を特に限定しない限り、溶接や、ボルト・ナット及びリベット等を用いた締結等の公知の結合手法を含むものとする。
【0029】
図1に示すように、自動車の3人掛けの後部座席は、左席1L及び中央席1Cを構成するシート1と、右席を構成するシート2とを左右に連続するよう有している。シート1及びシート2は、互いに独立している。
【0030】
シート1は、シートバック3と、シートクッション4と、ヘッドレスト5と、アームレスト6とを有している。シートバック3は、その下端部において自動車のフロアパネルFに左右に延びる回転軸線を中心として回動可能に支持されている。シートバック3の中央席1Cを構成する部分の前部には、アームレスト6が配置される収容凹部8が形成されている。アームレスト6は、収容凹部8に配置され、シートバック3に左右に延びる回転軸線を中心として回動可能に支持されている。アームレスト6は、シートバック3に支持された基端部に対して先端部が前方に突出した使用位置と、先端部が基端部に対して上方に位置し、収容凹部8の内側に配置された収納位置との間で回動する。シートクッション4は、シートバック3に左右に延びる回転軸線を中心として回動可能に支持されている。
【0031】
シートバック3は、シートバックフレーム10と、シートバックフレーム10に支持されたパッド11と、パッド11に被せられた表皮12とを有する。
図2及び
図3に示すように、シートバックフレーム10は、左右に延びるロアフレーム14と、ロアフレーム14の左右の端部のそれぞれに結合され、ロアフレーム14から上方に延びる左右の下バックサイドフレーム15と、左右の下バックサイドフレーム15の上部にそれぞれ結合され、下バックサイドフレーム15から上方に延びる左右の上バックサイドフレーム16と、左右に延び、左右の端部において左右の上バックサイドフレーム16の上端部に結合されたアッパフレーム17と、上下に延び、アッパフレーム17の左右方向における中間部に結合された上端部及びロアフレーム14の左右方向における中間部に結合された下端部を有するセンターフレーム18と、ロアフレーム14の左右の端部のそれぞれに結合され、下方に突出した左右のベースメンバ19と、ロアフレーム14、左右の下バックサイドフレーム15、左右の上バックサイドフレーム16、及びアッパフレーム17に形成される枠部の後部に結合されたシートバックパンフレーム20とを有する。
【0032】
ロアフレーム14は、円形断面の金属パイプから形成され、左右に直線状に延びている。左右の上バックサイドフレーム16及びアッパフレーム17は、連続した円形断面の金属パイプを折曲したものであり、一体に形成されている。各上バックサイドフレーム16の下端部は、前後を向く板状の扁平部16Aとなっている。扁平部16Aは金属パイプを前後から圧縮変形させることによって形成されている。
【0033】
図3に示すように、左右の下バックサイドフレーム15は、板金部材であり、主面が左右を向いて上下に延びる側壁部15Aと、側壁部15Aの前縁から左右内方に突出すると共に前縁に沿って上下に延びる前壁部15Bと、側壁部15Aの後縁から左右内方に突出すると共に後縁に沿って上下に延びる後壁部15Cと、側壁部15Aの下縁から左右内方に突出すると共に下縁に沿って前後に延びる下縁壁部15Dとを有する。側壁部15Aの下縁は下方に向けて凸となる半円形に形成され、下縁壁部15Dは半円形に湾曲している。前壁部15Bの下端部は下縁壁部15Dの前端部に接続され、後壁部15Cの下端部は下縁壁部15Dの後端部に接続されている。前壁部15Bの左右幅は、下縁壁部15Dの左右幅に比べて大きく、前壁部15B及び下縁壁部15Dの接続部では前壁部15Bの下縁によって段部が形成されている。下バックサイドフレーム15の横断面は、前壁部15B、側壁部15A、及び後壁部15Cによって左右内方に向けて開口する溝形に形成されている。
【0034】
溝形をなす下バックサイドフレーム15の上部の内側に上バックサイドフレーム16の扁平部16Aが嵌合している。すなわち、上バックサイドフレーム16及び下バックサイドフレーム15は、前後及び左右に互いに重なり合った重なり部22を有している。重なり部22において上バックサイドフレーム16及び下バックサイドフレーム15は、溶接されている。
【0035】
ロアフレーム14の左右の端部は、溝形をなす下バックサイドフレーム15の下部の内側に左右方向から嵌合し、端面において側壁部15Aに突き当たっている。ロアフレーム14の左右の端部は、前壁部15Bの下端に溶接されている。
【0036】
図2及び
図3に示すように、左右のベースメンバ19は、板金部材であり、前方に向けて開口し、上下に延びる溝形に形成されている。左右のベースメンバ19は上端部においてロアフレーム14に結合されている。各ベースメンバ19は、フロアパネルFに結合された左右の支持アーム24に左右に延びる回転軸線を中心として回動可能に支持されている。
【0037】
センターフレーム18は、円形断面の金属パイプから形成され、上下に直線状に延びている。センターフレーム18の上端部及び下端部は、前後から圧縮されて扁平形状となっている。センターフレーム18の上端部はアッパフレーム17の後側面に結合され、センターフレーム18の下端部はロアフレーム14の後面に結合されている。センターフレーム18は、左席1Lと中央席1Cとを区画する。
【0038】
図3に示すように、右側の下バックサイドフレーム15の上端部には、右ブラケット25が結合されている。詳細には、右ブラケット25は右側の下バックサイドフレーム15の前壁部15Bの重なり部22に結合されている。右ブラケット25は、板金部材であり、主面が左右を向き、前後に延びる右ブラケット本体部25Aと、右ブラケット本体部25Aの上縁、前縁及び下縁に沿って延びる右ブラケット縁壁部25Bとを有する。右ブラケット縁壁部25Bは、左右外方(右方)に突出している。右ブラケット25は、右ブラケット本体部25A及び上下の右ブラケット縁壁部25Bの後端が下バックサイドフレーム15の重なり部22における前壁部15Bに突き合うように配置され、上下の右ブラケット縁壁部25Bと前壁部15Bとが溶接されている。
【0039】
図3及び
図4に示すように、右ブラケット本体部25Aは、後端部に対して前端部が下方に突出している。右ブラケット本体部25Aの前端部の下縁近傍には左右に貫通する右支持孔27が形成されている。また、右ブラケット本体部25Aにおける右支持孔27の周囲には、右支持孔27を中心として円弧状に延びる右ガイド孔28が形成されている。右ガイド孔28は、右ブラケット本体部25Aを左右に貫通している。右ガイド孔28は、右支持孔27を中心として略90°の角度幅を有し、右支持孔27の上方から後方にかけて延びている。
【0040】
図3及び
図4に示すように、ロアフレーム14及びセンターフレーム18の結合部には左ブラケット30が結合されている。左ブラケット30は、板金部材であり、主面が左右を向き、前後に延びる左ブラケット本体部30Aと、左ブラケット本体部30Aの後縁に設けられた左ブラケット後結合部30Bと、左ブラケット本体部30Aの下縁から左方に突出し、面が上下を向く左ブラケット下壁部30Cと、左ブラケット下壁部30Cの突出端から下方に延びる左ブラケット下結合部30Dと、左ブラケット本体部30Aの前縁及び上縁と左ブラケット後結合部30Bの上縁に沿って延びる左ブラケット縁壁部30Eとを有する。左ブラケット縁壁部30Eは連続して延び、左右外方(左方)に突出している。左ブラケット後結合部30Bは、上方から見て左右外方(左方)に向けて凸となるように円弧状に湾曲し、センターフレーム18の外周面に面接触している。左ブラケット後結合部30Bの上縁は、溶接によってセンターフレーム18に結合されている。左ブラケット下壁部30Cの後縁と左ブラケット後結合部30Bの下縁とは接続され、左ブラケット本体部30A、左ブラケット下壁部30C、及び左ブラケット後結合部30Bによって立体形状が形成されている。左ブラケット下結合部30Dの下縁は、凹形の円弧状に形成され、ロアフレーム14の外周面に当接している。左ブラケット下結合部30Dの下縁は、ロアフレーム14に溶接されている。
【0041】
図3及び
図4に示すように、左右方向から見て、左ブラケット本体部30Aは右ブラケット本体部25Aに対して下方にオフセットして配置されている。左右方向から見て、左ブラケット本体部30Aの上縁は右ブラケット本体部25Aの上縁と下縁との間に配置され、左ブラケット本体部30Aの下縁は右ブラケット本体部25Aの下縁よりも下方に配置されている。すなわち、左右方向見て、左ブラケット本体部30Aの上端部と右ブラケット本体部25Aの下端部とが重なり合っている。
【0042】
左ブラケット本体部30Aの前端部の上縁近傍には左右に貫通する左支持孔31が形成されている。左支持孔31と右支持孔27とは左右に延びる軸線上に同軸に配置されている。また、左ブラケット本体部30Aにおける左支持孔31の周囲には、左支持孔31を中心として円弧状に延びる左ガイド孔32が形成されている。左ガイド孔32は、左ブラケット本体部30Aを左右に貫通している。左ガイド孔32は、左支持孔31を中心として略90°の角度幅を有し、左支持孔31の下方から後方にかけて延びている。左ガイド孔32の長さ方向における中間部には、幅が拡張された拡幅部32Aが形成されている。
【0043】
図4に示すように、左右方向から見て、左ガイド孔32は右ガイド孔28に対して下方に配置され、後端部が右ガイド孔28の後端部と重なる位置に配置されている。本実施形態では、右ガイド孔28及び左ガイド孔32の曲率半径は同一に形成されている。他の実施形態では、右ガイド孔28及び左ガイド孔32の曲率半径が相違してもよい。
【0044】
図5及び
図6に示すように、アームレスト6は、アームレストフレーム40と、アームレストフレーム40に結合された支持軸41及びガイド軸42と、アームレストフレーム40に支持されたパッド43と、パッド43に被せられた表皮44と、アームレストフレーム40に結合されたカップホルダ45とを有する。
【0045】
アームレストフレーム40は、基端部から先端部に延びる左右一対のアームレストサイドフレーム47と、左右のアームレストサイドフレーム47の先端部に結合されたアームレストパンフレーム48とを有する。左右のアームレストサイドフレーム47の横断面は、左右内方に向けて開口した溝形に形成されている。アームレストパンフレーム48は、板状に形成され、左右の縁部が対応するアームレストサイドフレーム47に沿って延び、左右の縁部においてアームレストサイドフレーム47に結合されている。
【0046】
アームレストパンフレーム48の中央部には、カップホルダ45を受容する受容孔51が形成されている。受容孔51は、アームレストパンフレーム48の厚み方向に貫通している。アームレストパンフレーム48の受容孔51の周囲に位置する部分は、受容孔51を中心として環状をなし、アームレスト6の使用位置を基準として上方に向けて隆起した台座部52が形成されている。台座部52の突出端部52Aは、受容孔51の軸線方向と直交する平面に形成されている。突出端部52Aの径方向内側には、アームレスト6の使用位置を基準として下方に向けて延びる孔壁部52Cが形成されている。孔壁部52Cは複数形成されてもよく、1つの連続した円筒壁であってもよい。
【0047】
支持軸41は、直線状に左右に延びる断面円形の軸であり、左右のアームレストサイドフレーム47の基端部に結合されている。支持軸41の左右の端部のそれぞれは、左右のアームレストサイドフレーム47を貫通し、左右外方に突出している。ガイド軸42は、左右に延びる断面円形の軸であり、左右方向における中央に屈曲部42Aを有し、左端部42B及び右端部42Cはそれぞれ平行に左右に直線状に延び、互いにオフセットして配置されている。アームレスト6が使用位置にあるときを基準として、ガイド軸42の右端部42Cは支持軸41の右端部41Cの上方に配置され、ガイド軸42の左端部42Bは支持軸41の左端部41Bの後方に配置されている。ガイド軸42の左端部42B及び右端部42Cは、左右のアームレストサイドフレーム47を貫通し、左右外方に突出している。ガイド軸42の左端部42Bには左フランジ42Dが設けられ、ガイド軸42の右端部42Cには右フランジ42Eが設けられている。左フランジ42Dの直径は、左ガイド孔32の幅よりも大きく形成され、拡幅部32Aの幅よりも小さく形成されている。右フランジ42Eの直径は、右ガイド孔28の幅よりも大きく形成されている。
【0048】
アームレストフレーム40、支持軸41、及びガイド軸42の周囲には、パッド43が結合されている。パッド43は、例えば発泡ウレタンであり、アームレストフレーム40、支持軸41、及びガイド軸42の周囲にインサートモールドされている。パッド43は、カップホルダ45の取り付け位置を確保するために、円筒壁部の内側及び台座部52の突出端部52Aの表面側を避けて配置されている。パッド43に被せられる表皮44は、受容孔51に対応した位置に挿通孔44Aを有している。表皮44の挿通孔44Aの縁部は、台座部52の突出端部52Aの表面上に配置されている。表皮44は、袋状に形成され、開口縁には互いに結合可能な封止部材44Bが設けられている。封止部材44Bは、例えばスナップボタンや線ファスナ、面ファスナ等であってよく、パッド43に表皮44が被せられた状態で比較的視認され難い位置(例えば、アームレスト6)の側部等に配置されるとよい。支持軸41の左端部41B及び右端部41Cと、ガイド軸42の左端部42B及び右端部42Cとは、表皮44を貫通して外部に突出している。
【0049】
カップホルダ45は、底壁部45Aと、底壁部45Aの縁部から底壁部45Aに対して起立した側壁部45Bと、側壁部45Bの上縁から外方に張り出したフランジ部45Cとを有している。フランジ部45Cは、側壁部45Bの上縁に沿って延び、環状に形成されている。
図6に示すように、側壁部45Bの外側面には外方に突出する係止爪45Dが設けられている。カップホルダ45は、底壁部45A及び側壁部45Bが上方から受容孔51に挿入され、係止爪45Dが孔壁部52Cの下縁に引っ掛かることによって、受容孔51からの抜け出しが規制されている。このとき、フランジ部45Cは、表皮44を挟んで台座部52の突出端部52Aに当接する。これにより、表皮44の挿通孔44Aの縁部が、突出端部52Aとフランジ部45Cとの間に固定されると共に、フランジ部45Cによって隠される。また、フランジ部45Cと台座部52との隙間が埋められ、異物の侵入が阻止される。
【0050】
図5に示すように、支持軸41の左端部41Bは左ブラケット30の左支持孔31に回動可能に支持され、右端部41Cは右ブラケット25の右支持孔27に回動可能に支持される。これにより、支持軸41の軸線Aを中心として回動可能にシートバック3に支持される。ガイド軸42の左端部42Bは左ブラケット30の左ガイド孔32に軸線Aを中心とした周方向に移動可能に受容される。左端部42Bを左ガイド孔32内に挿入するときには、拡幅部32Aを通して左フランジ42Dを挿入する。左端部42Bが左ガイド孔32内に配置されると、左フランジ42Dと左ガイド孔32の縁との係合によって、左端部42Bの抜け出しが規制される。
【0051】
ガイド軸42の右端部42Cには、円柱状の延長軸60が同軸に結合される。右端部42Cの軸端に雌ねじ孔(不図示)が形成され、延長軸60の左端に雌ねじ孔に螺合する雄ねじ60Aが形成されている。延長軸60の右端には右ガイド孔28の幅よりも大きい直径を有する外フランジ60Bが設けられている。延長軸60は、右ガイド孔28を通過して右端部42Cに結合され、ガイド軸42の一部をなす。
【0052】
延長軸60の外周部には、円板状の2つの摩擦部材61と、1つのワッシャ62とが支持されている。摩擦部材61は、外フランジ60B、右フランジ42E、及び右ブラケット25の摩擦係数よりも高い摩擦係数を有する部材から形成されている。左右方向に、外フランジ60Bから、ワッシャ62、摩擦部材61、右ブラケット25、摩擦部材61、右フランジ42Eが記載の順序で配置されている。すなわち、右ブラケット25は、2つの摩擦部材61及びワッシャ62を介して外フランジ60Bと右フランジ42Eとの間に挟まれている。これにより、アームレスト6のシートバック3に対する左右位置が定まる。また、2つの摩擦部材61が右ブラケット25に対する外フランジ60B及び右フランジ42Eの移動に対して抵抗力を生じさせるため、アームレスト6はシートバック3に対して任意の回動位置で保持される。
【0053】
アームレスト6の使用位置は、ガイド軸42の左端部41Bが左ガイド孔32の上端部に突き当たり、右端部41Cの一部をなす延長軸60が右ガイド孔28の前端部に突き当たることによって定まる。また、アームレスト6の収納位置は、ガイド軸42の左端部41Bが左ガイド孔32の前端部に突き当たり、右端部41Cの一部をなす延長軸60が右ガイド孔28の下端部に突き当たることによって定まる。
【0054】
本実施形態に係るシート1では、ガイド軸42の左端部42Bと右端部42C(延長軸60)とが互いにオフセットして配置され、左ガイド孔32と右ガイド孔28とが互いにオフセットして配置されているため、左ブラケット30及び右ブラケット25を互いにオフセットして配置することが可能になる。これにより、左ブラケット30及び右ブラケット25のレイアウト自由度が向上する。これにより、互いに位置(高さ)が異なる重なり部22及びセンターフレーム18とロアフレーム14との結合部に左ブラケット30及び右ブラケット25を配置することが可能になる。重なり部22及びセンターフレーム18とロアフレーム14との結合部は、シートバックフレーム10において比較的剛性が高い部分であるため、左ブラケット30及び右ブラケット25の剛性が向上する。
【0055】
互いに平行にオフセットされた左端部42B及び右端部42Cを備えたガイド軸42が一体の部材として形成されているため、ガイド軸42の剛性が向上する。また、部品点数が削減される。また、ガイド軸42及び支持軸41が、左右のアームレストサイドフレーム47の基端部間を連結するため、アームレストフレーム40の剛性が向上する。
【0056】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。上記の実施形態では、延長軸60を含む右端部42Cが摩擦部材61を有する構成としたが、左端部42Bも右端部42Cと同様に摩擦部材61を有してもよい。また、上記の実施形態では、左ブラケット30が右ブラケット25に対して下方にオフセットされた例を示したが、左ブラケット30は右ブラケット25に対して上方、前方、後方を含む任意の方向にオフセットされてよい。また、ブラケットは、センターフレーム18及びロアフレーム14の少なくとも一方に結合されているとよい。例えば、シートバックフレーム10がセンターフレーム18を有さない場合には、ブラケットはロアフレームのみに結合されるとよい。
【符号の説明】
【0057】
1 :シート
3 :シートバック
6 :アームレスト
10 :シートバックフレーム
14 :ロアフレーム
15 :下バックサイドフレーム(下サイドフレーム)
16 :上バックサイドフレーム(上サイドフレーム)
16A :扁平部
17 :アッパフレーム
18 :センターフレーム
22 :重なり部
25 :右ブラケット
27 :右支持孔
28 :右ガイド孔
30 :左ブラケット
31 :左支持孔
32 :左ガイド孔
40 :アームレストフレーム
41 :支持軸
41B :左端部
41C :右端部
42 :ガイド軸
42A :屈曲部
42B :左端部
42C :右端部
47 :アームレストサイドフレーム
48 :アームレストパンフレーム(板状部材)
60 :延長軸
61 :摩擦部材