(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明は、打設コンクリートに対する棒状振動体の挿入開始時点及び引き抜き完了時点においてバイブレータの運転を自動的に制御することができるとともに、誤作動を起こしにくく、さらにはホース内の配線数を減らすことができるコンクリートバイブレータを得ることを第1の課題とし、打設コンクリートへの正確な加振時間を管理することができるコンクリートバイブレータを得ることを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明のコンクリートバイブレータは、
内部に振動源を備えた棒状の振動体と、この振動体の基端側に接続されたホースと、二つの電極を備えたセンサーで打設コンクリートの存在を検知して
前記振動源への電力供給のオン・オフを行う制御装置
とを備え
、作業者が前記ホースを持って前記棒状の振動体を宙づり状態で打設コンクリートに挿脱するコンクリートバイブレータであって、前記センサーの二つの電極のうち一の電極は打設コンクリートに挿脱される
前記棒状の振動体の先端側表面に、他の電極は
前記棒状の振動体の表面にではなく前記制御装置に
前記一の電極とは十分な距離を置いてそれぞれ配設し、前記制御装置は、前記二つの電極間に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段からの電流検出信号を受けたときに前記振動源への電力供給を行う制御手段とを備え、
前記振動源への電力供給は、打設コンクリートに対する前記棒状の振動体の挿入開始時点で自動的に開始され、引き抜き完了時点で自動的に停止されるものとして構成する。
【0012】
前記センサーの一の電極は、打設コンクリートに挿脱される棒状の振動体の少なくとも先端側表面が電導体で構成されてあればよく、振動体の表面全体が電導体で構成されていてもよい。
他方、前記センサーの他の電極は、打設コンクリートに挿入され、あるいは、打設コンクリート内に配設されている鉄筋等に接続するための電極であって、前記制御装置に配設されてあればよく、例えば、鉄筋を挟む電気クリップや打設コンクリートに挿入する端子、リード線等を電導体で構成して前記制御装置に接続して設けたり、前記制御装置の筐体やフレームを電導体で構成することなどが考えられる。制御装置の筐体やフレーム自体を電極とする場合には、打設コンクリートから露出した鉄筋に制御装置の筐体等を接触させたり、打設コンクリート内の鉄筋にリード線を介して接続した鉄板の上に制御装置を載置したりすることで、打設コンクリートあるいは打設コンクリート内に配設されている鉄筋等に接続することができる。
【0013】
前記センサーの二つの電極に印加される電圧は、専用バッテリーの出力電圧を用いてもよいが、コンクリートバイブレータの駆動電源に接続された絶縁型DC−DCコンバータの出力電圧を用いることができる(請求項2)。
【0014】
前記電流検出手段は、打設コンクリート中の水分を介して導通する前記二つの電極間に流れる電流を検出して電流検出信号を前記制御手段に送信するためのものである。
【0015】
前記制御手段は、前記振動源への電力の供給及び停止を行う手段であり、前記電流検出手段から電流検出信号を受信した場合に前記振動源に電力を供給し、前記電流検出手段から電流検出信号を受信していない場合に前記振動源への電力供給を停止するように構成されている。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、電流検出手段から電流検出信号が出力されている時間を計測する信号出力時間計測手段を備えたものとして構成する。
前記信号出力時間計測手段は、前記電流検出手段が前記制御手段に対して電流検出信号を出力している時間を計測できるものであればよく、例えばタイマーカウンターなどを用いることが考えられる。
そして、前記信号出力時間計測手段は、前記電流検出手段の出力側に接続してコンクリートバイブレータ本体に内蔵させて設けたり、あるいは、前記電流検出手段の出力側に送信手段を接続するとともに、受信手段を備えた外部機器に前記信号出力時間計測手段を設け、前記送受信手段を介して電流検出手段から出力される電流検出信号が前記信号出力時間計測手段に伝達されるようにして設けることが考えられる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、信号出力時間計測手段で計測された時間を表示するための表示手段を備えたものとして構成する。
前記表示手段は、前記信号出力時間計測手段で計測された時間を表示できるものであればよく、例えば、液晶表示器やLED表示器等を用いることが考えられる。
そして、この表示手段は、前記信号出力時間計測手段に接続して設けたり、あるいは、前記信号出力時間計測手段をコンクリートバイブレータ本体内に設けた場合には、前記信号出力時間計測手段に送信手段を接続するとともに、受信手段を備えた外部機器に前記表示手段を設け、前記送受信手段を介して送受信された電流検出信号出力時間の計測データが前記表示手段に表示されるようにして設けることが考えられる。
【0018】
請求項5の発明は、請求項3又は4の発明において、信号出力時間計測手段で測定された時間を記録する記憶媒体を備えたものとして構成する。前記記憶媒体は、前記信号出力時間計測手段が計測した時間を電子データとして記録できるものであればよく、例えばRAMやROMのようなICメモリーを用いることが考えられる。
そして、この記憶媒体は、前記信号出力時間計測手段に接続して設けたり、あるいは、前記信号出力時間計測手段をコンクリートバイブレータ本体内に設けた場合には、前記信号出力時間計測手段に送信手段を接続するとともに、受信手段を備えた外部機器内に前記記憶媒体を配設し、前記送受信手段を介して送受信された電流検出信号出力時間の計測データが記録されるようにして設けることが考えられる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、
内部に振動源を備えた棒状の振動体と、この振動体の基端側に接続されたホースと、二つの電極を備えたセンサーで打設コンクリートの存在を検知して
前記振動源への電力供給のオン・オフを行う制御装置
とを備え
、作業者が前記ホースを持って前記棒状の振動体を宙づり状態で打設コンクリートに挿脱するコンクリートバイブレータにおいて、前記センサーの二つの電極のうち一の電極は打設コンクリートに挿脱される棒状の振動体の先端側表面に、他の電極は
前記棒状の振動体の表面にではなく前記制御装置に
前記一の電極とは十分な距離を置いてそれぞれ配設し、前記制御装置は、前記二つの電極間に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段からの電流検出信号を受けたときに前記振動源への電力供給を行う制御手段とを備えているので、前記他の電極を打設コンクリートに挿入し、あるいは、打設コンクリート内に配設された鉄筋等に接続して二つの電極に電圧を印加し、その状態で棒状振動体の先端側を打設コンクリートに挿入すると、棒状振動体の先端側表面が打設コンクリートに接触した時点で打設コンクリート中の水分を介して二つの電極間に電流が流れる。そして、電流検出手段がこの電流を検出して電流検出信号を制御手段に送信し、この電流検出信号を受けた制御手段が振動源に電力供給を行う。
他方、打設コンクリートから振動体を引き抜く際には、棒状の振動体の先端側が打設コンクリートから完全に抜き出されるまで二つの電極は導通しているので、振動体の先端側が完全に打設コンクリートから引き出されるまで振動源の運転が継続される。そして、棒状の振動体が完全に引き出された時点で二つの電極が絶縁され、電流検出手段から制御手段に対する電流検出信号の送信が停止される。これにより、制御手段が振動源への電力供給を停止し、振動体の運転が停止される。
すなわち、この発明によれば、打設コンクリートに対して振動体の挿入を開始した時点で振動源への電力供給を自動的に開始し、打設コンクリートから振動体の引き抜きが完了した時点で振動源への電力供給を自動的に停止することができる。このため、打設コンクリートに対する振動体の挿脱作業中は常にバイブレータを運転状態とすることができ、打設コンクリートに対してスムーズに振動体を挿脱することができる。
【0020】
また、この発明によれば、振動体の先端側が打設コンクリートに接触していない間に振動体を振動させる必要がないため、コンクリート締め固め作業における作業者の振動暴露時間を低減することができ、作業者に振動障害が発生することを抑制することができる。
さらには、バイブレータ焼損の原因となっている空中運転も回避できるので、バイブレータの長寿命化も可能となる。
【0021】
また、この発明によれば、二つの電極は近接しておらず、十分な距離を置いて配設されているので、打設前の散水や振動体に残存付着したコンクリート等によって誤作動を起こすこともない。
【0022】
さらに、振動体には一つの電極しか配設されていないので、振動体に接続されるホース内部のセンサー線は1本だけで足りる。
【0023】
請求項2の発明によれば、センサーの二つの電極に印加される電圧は、コンクリートバイブレータの駆動電源に接続された絶縁型DC−DCコンバータの出力電圧を利用するものとしたので、バイブレータ電源から独立した電流検出手段専用の電源を設ける必要がない。
加えて、DC−DCコンバータは絶縁型を用いているので、バイブレータ電源を利用して二つの電極間に介在する打設コンクリートに電流を流しても、使用者が感電するおそれもない。
【0024】
請求項3の発明によれば、電流検出手段から電流検出信号が出力されている時間を計測する信号出力時間計測手段を備えているので、電流検出手段が打設コンクリート中の水分を介してセンサーの二つの電極間に流れる電流を検出して電流検出信号を出力している時間を計測することができる。
ここで、電流検出手段から電流検出信号が出力されている間は、制御手段によって振動源に電力が供給されコンクリートバイブレータが動作しているので、電流検出信号が出力されている時間を計測することにより、コンクリートバイブレータの正確な動作時間を間接的に計測することができる。
【0025】
請求項4の発明によれば、信号出力時間計測手段で計測された時間を表示するための表示手段を備えているので、信号出力時間計測手段で計測された時間を表示することができる。
ここで、信号出力時間計測手段で計測された時間は、間接的に計測されたコンクリートバイブレータの正確な動作時間であるから、使用者は表示手段に表示された時間を確認することで、コンクリートバイブレータの正確な動作時間を知ることができる。
【0026】
請求項5の発明によれば、信号出力時間計測手段で測定された時間を記録する記憶媒体を備えているので、この記憶媒体に信号出力時間計測手段で計測された時間を記録することで間接的にコンクリートバイブレータの正確な動作時間を記録することができ、これによりコンクリートバイブレータの動作時間を管理することができる。
【0027】
コンクリート打設の施工管理にあっては、打設コンクリートに対して振動を与えることが可能な状況下におけるコンクリートバイブレータの使用時間を正確に把握することが求められているところ、請求項3ないし5の発明によれば、電流検出手段から電流検出信号が出力されている時間を計測することで、打設コンクリートに棒状振動体が挿入開始された時から引き抜かれる時まで(すなわち、棒状振動体が打設コンクリートに接触して打設コンクリートに振動を与えている間)のコンクリートバイブレータの正確な動作時間を把握することができる。これにより、コンクリート打設に際して、適切な締め固めに必要な時間だけコンクリートバイブレータが運転されているか否かを管理することが可能となり、このようなコンクリートバイブレータの動作時間の管理を通じて、コンクリート施工の品質を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1はこの発明の第1の実施例の概要を、
図2は同じく電気的接続を、それぞれ示す図である。
内部に振動発生源を備えた棒状の振動体1の基端側にはホース2が接続され、このホース2の他端は制御装置3に接続されている。この制御装置3は、制御回路31と、電流検出回路32と、絶縁型DC−DCコンバータ33とを備えており、制御回路31にはバイブレータの駆動電源である高周波インバータ4が接続され、バイブレータへの電力供給を制御している。
【0030】
棒状の振動体1の先端側表面11は鉄などの導体で構成されており、この先端側表面11の裏側(振動体内部)にはセンサー線12が接続されている。このセンサー線12は、ホース2の内部を通って制御装置3内の電流検出回路32に他端が接続されている。他方、この電流検出回路32には、リード線を介して電気クリップ5が接続されており、この電気クリップ5は制御装置3の外部に露出され、打設コンクリートC内に配設された鉄筋R等に接続できるようになっている。
打設コンクリートの存在を検知するセンサーである二つの電極のうち、振動体1の先端側表面11が第1電極を、電気クリップ5が第2電極を構成している。
【0031】
絶縁型DC−DCコンバータ33は、1次側が高周波インバータ4に、2次側が電流検出回路32にそれぞれ接続されており、バイブレータ電源として利用される高周波インバータ4の出力電圧を変圧し、振動体1の先端側表面11と電気クリップ5に印加している。
この実施例においては、二つの電極に印加する電圧の電源としてバイブレータ電源である高周波インバータ4に接続した絶縁型DC−DCコンバータ33を用いたが、バイブレータ電源とは独立した専用のバッテリーを用いることもできる(図示は省略)。
【0032】
電流検出回路32は、センサーを構成する振動体1の先端側表面11(第1電極)と電気クリップ5(第2電極)とが打設コンクリートC中の水分と鉄筋Rとを介して導通した時に流れる電流を検出して、電流検出信号を制御回路31に送信する回路であり、振動体1の先端側表面11(第1電極)と電気クリップ5(第2電極)との間に流れる電流を検出したときに、電流検出信号を制御回路31に送るようにしてある。
【0033】
制御回路31は、振動源への電力供給のオン・オフを制御する回路であり、電流検出回路32から電流検出信号を受けている間はバイブレータへの電力供給を行う制御を行い、電流検出信号を受けていない間はバイブレータへの電力供給を停止する制御を行うよう設定されている。
【0034】
図3及び4は、この発明のコンクリートバイブレータを用いた打設コンクリートの締め固め作業の概要を説明する図である。
まず、作業者は、制御装置3の電流検出回路32に接続されている電気クリップ5(第2電極)を打設コンクリートC内に配設された鉄筋R等に接続する。次いで、コンクリートバイブレータのホース2を持ち、棒状振動体1を宙づり状態として制御装置3の主電源を投入する。このとき、振動体1の先端側表面11(第1電極)と電気クリップ5(第2電極)には絶縁型DC−DCコンバータから電圧が印加されているものの、棒状振動体1の先端側表面11(第1電極)は何にも接触しておらず、絶縁状態にある振動体1の先端側表面11(第1電極)と電気クリップ5(第2電極)との間には電流が流れないので、電流検出手段32から制御回路31に対して電流検出信号が送られることはなく、制御回路31はバイブレータに対して電力供給を行わない。このため、バイブレータの運転は停止状態となっており、振動体1は振動していない。
次ぎに、作業者は棒状振動体1を先端側から宙づり状態で打設コンクリートCに挿入する。振動体1の先端側表面11(第1電極)と電気クリップ5(第2電極)には絶縁型DC−DCコンバータから電圧が印加されているので、振動体1の先端側表面11(第1電極)が打設コンクリートCに触れると、打設コンクリートC中の水分及び打設コンクリートC内の鉄筋Rを介して電気クリップ5(第2電極)と導通して微弱電流が流れる(
図4において破線で図示)。この微弱電流を電流検出手段32が検出して電流検出信号を制御回路31に送信する。電流検出信号を受けた制御回路31は、バイブレータに対して電力を供給する制御を行う。
このように、振動体1の先端側表面11(第1電極)が打設コンクリートCに接触することにより、自動的にバイブレータに電力が供給され、振動体1が振動を開始することとなる。これにより、打設コンクリートCに対して棒状の振動体1を挿入する際、打設コンクリートCの抵抗を受けることなくスムーズに挿入作業を行うことができる。
【0035】
逆に、締め固め作業を終え、打設コンクリートCから棒状の振動体1を引き抜く作業においては、振動体1の先端側11(第1電極)が完全に打設コンクリートCから引き抜かれるまでの間は、振動体1の先端側表面11(第1電極)と電気クリップ5(第2電極)とは導通したままの状態であるからバイブレータの運転が継続され、振動体1が振動した状態で引き抜くことができる。そして、振動体1が完全に打設コンクリートCから引き抜かれて宙づり状態となったときに振動体1の先端側表面11(第1電極)と電気クリップ5(第2電極)とが絶縁され、先端側表面11と電気クリップ5との間に電流が流れなくなる。これにより、電流検出手段32から制御回路31に対して電流検出信号が送信されなくなるので、制御回路31がバイブレータへの電力供給を停止する制御を行い、自動的にバイブレータが停止する。
このようにして、打設コンクリートCにから棒状の振動体1を引き抜く際、打設コンクリートCの抵抗を受けることなくスムーズに引き抜き作業を行うことができる。
【0036】
また、従来、打設コンクリートに振動体を挿入する際にはバイブレータの運転を開始して振動体を振動させた状態にしてから挿入作業を行い、他方、打設コンクリートから振動体を引き抜く際には完全に引き抜いてからバイブレータの運転を停止していたのに対し、この発明によれば、振動体1の先端側表面11(第1電極)が打設コンクリートCに接触した時点で自動的にバイブレータの運転が開始され、逆に、打設コンクリートCから振動体1の先端側表面11(第1電極)が離れた時点でバイブレータの運転が停止されるので、振動体の先端側が打設コンクリートCに接触していない間に振動体を振動させる必要がなくなり、コンクリート締め固め作業における振動暴露時間を低減することができる。さらには、バイブレータ焼損の原因となっている空中運転も回避できるので、バイブレータの長寿命化も可能となる。
【0037】
図5ないし8は、この発明において、電流検出手段から電流検出信号が出力されている時間を計測することによって、コンクリートバイブレータの運転時間を間接的に計測する機能を付加した実施例の電気的接続の概要を示す図である。このうち、
図5ないし7は、コンクリートバイブレータの本体内に信号出力時間計測手段を設けた実施例であり、
図8は、コンクリートバイブレータ本体とは別体の外部機器内に信号出力時間計測手段を設けた実施例である。
【0038】
図5は、コンクリートバイブレータの本体Y内に、信号出力時間計測手段6と表示手段7と記憶媒体8とを設けた実施例である。
電流検出回路32の出力側には、タイマーカウンターで構成された信号出力時間計測手段6が分岐して接続されており、この信号出力時間計測手段6には、LED表示器などの表示部を備えた表示手段7と、ICメモリーで構成された記憶媒体8とが、それぞれ分岐して接続されている。なお、記憶媒体8は、メモリーカードやUSBメモリーのようにコンクリートバイブレータ本体Yから着脱可能なものを用いてもよい。
その他の構成は、第1の実施例と同様である。
【0039】
かかる構成により、振動体1の先端側表面11(第1電極)が打設コンクリートCと接触して電気クリップ5(第2電極)との間に電流が流れると、電流検出手段32がこの電流を検出して電流検出信号を制御回路31に出力する。ここで、電流検出回路32の出力側には信号出力時間計測手段6が分岐して接続されているので、電流検出回路32から出力された電流検出信号は信号出力時間計測手段6に入力され、タイマーカウンターが作動する。このタイマーカウンターは電流検出信号が入力されている間作動し続け、電流検出信号が出力されている時間を計測する。そして、振動体1の先端側表面11(第1電極)と電気クリップ5(第2電極)との間に電流が流れなくなり、電流検出回路32から電流検出信号が出力されなくなると、タイマーカウンターも停止して電流検出信号の出力時間の計測を停止する。
ここで、タイマーカウンターが作動している間、表示手段7には信号出力時間計測手段6が計測した時間が表示され、また、記憶媒体8において信号出力時間計測手段6が計測した時間が記録される。そして、電流検出回路32から電流検出信号の出力が停止されてタイマーカウンターの作動が停止すると、表示手段7にはタイマーカウンターが停止した時点における計測時間が表示された状態が保持され、記憶媒体8には同じくタイマーカウンターの停止時点における計測時間が記録される。
【0040】
以上のように、この実施例においては、電流検出手段32から電流検出信号が出力されている時間を計測することによりコンクリートバイブレータの運転時間を間接的に計測し、その計測時間を表示手段に表示するだけでなく記憶媒体に記録することができる。
【0041】
図6は、コンクリートバイブレータの本体Y内に信号出力時間計測手段6を設ける一方、表示手段7と記憶媒体8についてはコンクリートバイブレータの本体Yとは別体の外部機器Z内に設けた実施例である。
電流検出回路32の出力側には、タイマーカウンターで構成された信号出力時間計測手段6が分岐して接続されており、この信号出力時間計測手段6には、電気信号の無線送信を行う送信回路91が接続されている。
コンクリートバイブレータ本体Yとは別体の外部機器Zは、送信回路91から送信される電気信号を受信する受信回路92を備え、この受信回路92には、LED表示器などの表示部を備えた表示手段7と、ICメモリーで構成された記憶媒体8とが、それぞれ分岐して接続されている。なお、記憶媒体8は、メモリーカードやUSBメモリーのように外部機器Zから着脱可能なものを用いてもよい。
その他の構成は、第1の実施例と同様である。
【0042】
かかる構成により、振動体1の先端側表面11(第1電極)が打設コンクリートCと接触して電気クリップ5(第2電極)との間に電流が流れると、電流検出手段32がこの電流を検出して電流検出信号を制御回路31に出力する。ここで、電流検出回路32の出力側には信号出力時間計測手段6が分岐して接続されているので、電流検出回路32から出力された電流検出信号は信号出力時間計測手段6に入力され、タイマーカウンターが作動する。このタイマーカウンターは電流検出信号が入力されている間作動し続け、電流検出信号が出力されている時間を計測する。そして、振動体1の先端側表面11(第1電極)と電気クリップ5(第2電極)との間に電流が流れなくなり、電流検出回路32から電流検出信号が出力されなくなると、タイマーカウンターも停止して電流検出信号の出力時間の計測を停止する。
さらに、この信号出力時間計測手段6には送信回路91が接続されているので、信号出力時間計測手段6で計測された時間データは、電気信号として送信回路91から送信され、外部機器Zの受信回路92で受信される。そして、受信回路92には表示手段7と記憶媒体8とが分岐して接続されているので、表示手段7において受信回路92が受信した時間データが表示されるとともに、記憶媒体8には前記時間データが記録される。
上記以外の動作については、信号出力時間計測手段6、表示手段7、記憶媒体8をコンクリートバイブレータの本体Y内に設けた実施例と同様である。
【0043】
この実施例は、表示手段7及び記憶媒体8をコンクリートバイブレータ本体Yとは別体としてあるので、作業者や管理者の手元でコンクリートバイブレータの運転時間を管理したい場合に有用である。
【0044】
図7は、コンクリートバイブレータの本体Y内に信号出力時間計測手段6と記憶媒体8とを設け、表示手段7についてのみコンクリートバイブレータの本体Yとは別体の外部機器Z内に設けた実施例である。
電流検出回路32の出力側には、タイマーカウンターで構成された信号出力時間計測手段6が分岐して接続されており、この信号出力時間計測手段6には、電気信号の無線送信を行う送信回路91と、ICメモリーで構成された記憶媒体8とが分岐して接続されている。
コンクリートバイブレータ本体Yとは別体の外部機器Zは、送信回路91から送信されるデータを受信する受信回路92を備え、この受信回路92には、LED表示器などの表示部を備えた表示手段7が接続されている。なお、記憶媒体8は、メモリーカードやUSBメモリーのようにコンクリートバイブレータ本体Yから着脱可能なものを用いてもよい。
その他の構成は、第1の実施例と同様である。
【0045】
かかる構成により、電流検出手段32が振動体1の先端側表面11(第1電極)と電気クリップ5(第2電極)との間に流れる電流を検出すると、電流検出信号を制御回路31に出力する。ここで、電流検出回路32の出力側には信号出力時間計測手段6が分岐して接続されているので、電流検出回路32から出力された電流検出信号は信号出力時間計測手段6に入力され、タイマーカウンターが作動する。そして、このタイマーカウンターは電流検出信号が入力されている間作動し続け、電流検出信号が出力されている時間を計測する。そして、振動体1の先端側表面11(第1電極)と電気クリップ5(第2電極)との間に電流が流れなくなり、電流検出回路32から電流検出信号が出力されなくなると、タイマーカウンターも停止して電流検出信号の出力時間の計測を停止する。
さらに、この信号出力時間計測手段6には送信回路91と記憶媒体8とが分岐して接続されているので、信号出力時間計測手段6で計測された時間データは、送信回路91によって送信されるとともに、記憶媒体8に前記時間データが記録される。そして、送信回路91によって送信された時間データは、受信回路92で受信され、表示手段7において表示される。
上記以外の動作については、信号出力時間計測手段6、表示手段7、記憶媒体8をコンクリートバイブレータの本体Y内に設けた実施例と同様である。
【0046】
この実施例は、表示手段7のみをコンクリートバイブレータ本体Yとは別体としてあるので、コンクリートバイブレータの運転時間の記録は本体内で行いつつ、作業者や管理者の手元でコンクリートバイブレータの運転時間を確認したい場合に有用である。
【0047】
図8は、コンクリートバイブレータ本体Yとは別体の外部機器Z内に信号出力時間計測手段6と表示手段7と記憶媒体8とを設けた実施例である。
電流検出回路32の出力側には、電気信号の無線送信を行う送信回路91が接続されている。
コンクリートバイブレータ本体Yとは別体の外部機器Zは、送信回路91から送信される電気信号を受信する受信回路92を備え、この受信回路92には、タイマーカウンターで構成された信号出力時間計測手段6が接続されている。そして、この信号出力時間計測手段6には、LED表示器などの表示部を備えた表示手段7と、ICメモリーで構成された記憶媒体8とが、それぞれ分岐して接続されている。なお、記憶媒体8は、メモリーカードやUSBメモリーのように外部機器Zから着脱可能なものを用いてもよい。
その他の構成は、第1の実施例と同様である。
【0048】
かかる構成により、電流検出手段32が振動体1の先端側表面11(第1電極)と電気クリップ5(第2電極)との間に流れる電流を検出すると、電流検出信号が制御回路31に出力される。ここで、電流検出回路32の出力側には送信回路91が接続されているので、電流検出回路32で検出された電流検出信号は送信回路91で送信される。そして、送信回路91で送信された電流検出信号は、外部機器Zの受信回路92で受信される。この受信回路92には電流検出信号出力時間計測手段6が接続されているので、電流検出回路32から出力された電流検出信号は、送信回路91、受信回路92を介して信号出力時間計測手段6に入力され、タイマーカウンターが作動する。そして、このタイマーカウンターは電流検出信号が入力されている間作動し続け、電流検出信号が出力されている時間を計測する。そして、振動体1の先端側表面11(第1電極)と電気クリップ5(第2電極)との間に電流が流れなくなり、電流検出回路32から電流検出信号が出力されなくなると、タイマーカウンターも停止して電流検出信号の出力時間の計測を停止する。
さらに、この信号出力時間計測手段6には表示手段7と記憶媒体8とが分岐して接続されているので、信号出力時間計測手段6で計測された時間データは、表示手段7で表示されるとともに、記憶媒体8に記録される。
上記以外の動作については、信号出力時間計測手段6、表示手段7、記憶媒体8をコンクリートバイブレータの本体Y内に設けた実施例と同様である。
【0049】
この実施例は、信号出力時間計測手段6、表示手段7、記憶手段8をコンクリートバイブレータ本体Yとは別体としてあるので、作業者や管理者の手元でコンクリートバイブレータの運転時間を管理したい場合に有用である。