特許第6262285号(P6262285)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262285
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】マルチセンサ内視鏡のための光学系
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/04 20060101AFI20180104BHJP
   G02B 23/26 20060101ALI20180104BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   G02B13/04
   G02B23/26 C
   A61B1/00 731
【請求項の数】14
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-105009(P2016-105009)
(22)【出願日】2016年5月26日
(62)【分割の表示】特願2013-535586(P2013-535586)の分割
【原出願日】2011年10月27日
(65)【公開番号】特開2016-180998(P2016-180998A)
(43)【公開日】2016年10月13日
【審査請求日】2016年6月23日
(31)【優先権主張番号】61/407,495
(32)【優先日】2010年10月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512322357
【氏名又は名称】エンドチョイス イノベーション センター リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】キルマ,ヤニヴ
(72)【発明者】
【氏名】レヴィン,ヴィクトール
(72)【発明者】
【氏名】レヴィ,モシェ
【審査官】 堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−003549(JP,A)
【文献】 特開2004−354888(JP,A)
【文献】 実開昭55−051270(JP,U)
【文献】 特開平04−341232(JP,A)
【文献】 実開平03−116801(JP,U)
【文献】 実開平02−053701(JP,U)
【文献】 実開昭62−096616(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00−17/08
G02B 21/02−21/04
G02B 25/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルチセンサ内視鏡の先端部分のための光学系であって、前記光学系
直視方向向きのカメラセンサと、
直視対物レンズ系と、
側視方向向きのカメラセンサと、
側視対物レンズ系とを備え、
前記直視対物レンズ系および側視対物レンズ系のうちの少なくとも1つが絞り羽根により分離される前群サブシステムおよび後群サブシステムを備え、
前記前群サブシステムが、物体側から順に、第1の前方負レンズと、前方メニスカスレンズと、第2の前方正レンズとを備え、
前記後群サブシステムが、物体側から順に、第1の後方正レンズと、第2の後方正レンズおよび第3の後方負レンズを備える色消しサブアセンブリと、を備える、
光学系
【請求項2】
前記直視方向向きのカメラセンサおよび前記側視方向向きのカメラセンサのうちの少なくとも1つがCCDセンサまたはCMOSセンサのいずれか1つを含む、請求項1に記載の光学系
【請求項3】
浄流体を注入するよう構成されている注入部をさらに含み、前記注入部がノズルおよび溝を有し、前記溝が前記ノズルからの洗浄流体を所望の方向に向けて方向付けるよう構成され、そして前記ノズルが少なくとも部分的に前記溝における窪み内に配置されている、請求項1に記載の光学系
【請求項4】
前記直視対物レンズ系および前記側視対物レンズ系のそれぞれが5mm以下の全光路長を持つ、請求項1に記載の光学系
【請求項5】
前記後群サブシステムが、前記第3の後方負レンズと前記直視方向向きカメラセンサおよび前記側視方向向きカメラセンサの両方、またはいずれか一方との間に後方保護ガラスをさらに含み、前記後方保護ガラスが、前記直視方向向きカメラセンサおよび前記側視方向向きカメラセンサの両方、またはいずれか一方の検出器アレイを保護するように適合される、請求項1に記載の光学系
【請求項6】
(第1の後方正レンズ)≦1.8fという条件が満たされ、ただし、fは前記直視対物レンズ系および前記側視対物レンズ系の両方、またはいずれか一方の合成焦点距離、および、(第1の後方正レンズ)が、前記第1の後方正レンズの焦点距離である、請求項1に記載の光学系
【請求項7】
前記直視方向向きのカメラセンサおよび前記直視対物レンズ系が、150°以上の視野(FOV)を提供するように適合される、請求項1に記載の光学系
【請求項8】
前記直視方向向きのカメラセンサおよび前記直視対物レンズ系が、170°以上の視野(FOV)を提供するように適合される、請求項7に記載の光学系
【請求項9】
前記側視方向向きのカメラセンサおよび前記側視対物レンズ系が、3.5および50mmの間の物体距離で物体を撮像するように適合される、請求項1に記載の光学系
【請求項10】
前記側視方向向きのカメラセンサおよび前記側視対物レンズ系が、3および30mmの間の物体距離で物体を撮像するように適合される、請求項1に記載の光学系
【請求項11】
前記側視方向向きのカメラセンサおよび前記側視対物レンズ系が、150°以上の視野(FOV)を提供するように適合される、請求項1に記載の光学系
【請求項12】
前記側視方向向きのカメラセンサおよび前記側視対物レンズ系が、170°以上の視野(FOV)を提供するように適合される、請求項11に記載の光学系
【請求項13】
前記第1の前方負レンズの直径が2.5mm以下である、請求項1に記載の光学系
【請求項14】
前記色消しサブアセンブリが複合色消しサブアセンブリである、請求項1に記載の光学系
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡のための広視野対物レンズ系に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、医学界内で広く受け入れられてきたが、それは、それらが患者の外傷を最低限にして検査を行う手段を提供する上に、医者が患者体内の解剖学的構造を観察できるようにするからである。長年にわたって、非常に多くの内視鏡が開発され、膀胱鏡検査、結腸内視鏡検査、腹腔鏡検査、上部消化管内視鏡検査などの特定の用途に応じて分類されてきた。内視鏡は、体の自然開口部内へ、または、皮膚の切開部を介して挿入されることがある。
【0003】
内視鏡は普通、硬性または軟性の細長い管状のシャフトであり、ビデオカメラまたは光ファイバレンズアセンブリをその遠位端部に有する。シャフトは、直接観察用に接眼レンズを含むこともあるハンドルに接続される。また普通、外部スクリーンを介して観察することもできる。種々の外科手術を行うため、様々な手術道具がワーキングチャネルを介して内視鏡に挿入されることもある。
【0004】
下部消化管などの体腔または内腔の内側を観察するための光学ヘッドをその前方の挿入部分に使用する公知の様々な内視鏡がある。こうした光学ヘッドは、少なくとも通常、物体を照らす照明手段と、対物レンズ系と、センサアレイとを含む。
【0005】
米国特許第6,956,703号は、開口絞りを挟んで前群レンズ群と後群レンズ群とを備える内視鏡用対物レンズにおいて、前群レンズ群が、物体側より順に、負の屈折力の第1レンズと、曲率半径の小さな面を物体側へ向けた正の屈折力の第2レンズとを備え、後群レンズ群が、曲率半径の小さな面を像側へ向けた正の屈折力の第3レンズと、正の屈折力の第4レンズと負の屈折力の第5レンズとを備え、第4レンズと第5レンズとは接合される内視鏡用対物レンズを開示する。fを全系の合成焦点距離、f3を第3レンズの焦点距離としたとき、次の条件を満たす。2.0<|f3/f|<3.0。それでもなお、非対称な結腸の環境には、広視野(FOV)を捉える高画質画像が求められるが、1つの検出器を使用するだけでは達成できない。
【0006】
これらのシステムの光学設計を改善するため、および、広視野をもたらすために、例えば、米国特許第5,870,234号、名称「コンパクトな広角レンズ」、ならびに、米国特許第6,476,851号、名称「電子内視鏡」にみられるような、さらなる努力がなされている。これらの特許は広視野の利点をもたらすが、それらは主に直視方向の視野を提供する。その他の短所は、広角画像の境界にある周辺部に著しい歪みである。
【0007】
これらの短所は、米国特許出願第2005/0168616号、名称「マルチイメージレンズによる撮像のための方法および装置」示すようなマルチイメージレンズを使用することにより、または、例えば、米国特許第7,362,516号、名称「全方位の網羅および照明を提供する光学レンズ」に開示されるような、その他の全方位の光学的解決方法を使用することにより、部分的に解決されることもある。これらの技術は、画像の周辺部における歪みを比較的低減することで広視野を支持するかもしれないが、それらは、側視方向の視野で光学的分解能が低いという重大な短所に悩まされる。これらの技術のその他の短所は、複雑さおよび場所をとる設計であり、一般的に、噴射、ワーキングチャネルおよび照明などのその他の極めて重要な特徴を内視鏡に組み込むための可能性を排除してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
結腸内視鏡検査など、内視鏡の技術分野にはさらなる要請があり、それは、広視野、広範囲の被写界深度/焦点深度(DOF)、および、医療用装置の所要の寸法内での満足のいく解決を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下の実施形態およびその諸様態は、システム、道具および方法と併せて記述および図示されるが、例示的および説明的なものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0010】
本発明の目的は、内視鏡の同じヘッド(先端)内に格納される直視および側視カメラのための光学系を提供することである。カメラは、それらそれぞれの光学系と併せて、内視鏡を使用することにより検査される複雑な環境の広視野を捉える高画質画像を提供するように適合される。一部の実施形態によれば、互いに基本的に直交する直視カメラおよび側視カメラを少なくとも備える内視鏡が提供される。一部の実施形態によれば、カメラのいずれかは、CCDまたはCMOSセンサなどの小型の画像センサを含んでもよい(以下、CCDと呼ぶが、CMOSまたは任意のその他のセンサをもまた意味してもよい)。内視鏡の前方部分の外径を可能な限り小さく保つため、複数のカメラで使用される光学系は、小型でなければならない。具体的には、側視カメラの光路は、短い必要がある。2つの側視カメラが同じ軸に沿って、好ましくは基本的に、内視鏡の長軸に対して垂直に配置される場合、内視鏡のヘッドの直径の最小値は、カメラの全長の少なくとも2倍に制限される(これは一般的に、カメラと、センサと、センサの裏側に配置されることもある任意の電子回路および配線との光路を含む)。全長を短縮することにより、FOVに影響を及ぼしたり、歪みをもたらしたりしてはならない。両方の光学特性は、全長が最小となるように併せて維持されなければならない。
【0011】
さらに、ワーキングチャネルおよび流体チャネルは、内視鏡のヘッドを通る必要がある。このように、カメラおよびその光学系の直径は、小さくして、チャネルにより占められる空間を見込んでいなければならない。1つの視野に対して種々のセンサを使用してもよいため、追加のワーキングチャネル空間のための機会を開き、この用途に大きな利点をもたらす。
【0012】
体腔内の限られた空間内で効果的に作動するために、カメラは、近くの物体のイメージングおよび画質を保った状態での幅広い作動距離を可能とする広角レンズを備えていてもよい。
【0013】
任意で、同様または異なる設計のいくつかの光学モジュール(カメラ)を1つの内視鏡ヘッド内に用いてもよく、その所望の被写界深度(DOF)に任意で調整できる。
【0014】
一部の実施形態によれば、本明細書において、マルチセンサ内視鏡の先端部分のための光学系が提供され、該系は、直視方向向きのカメラセンサと、直視対物レンズ系と、側視方向向きのカメラセンサと、側視対物レンズ系とを備え、直視および側視対物レンズ系のうちの少なくとも1つが絞り羽根により分離される前群および後群サブシステムを備え、前群サブシステムが、物体側から順に、第1の前方負レンズと第2の前方正レンズとを備え、後群サブシステムが、物体側から順に、第1の後方正レンズと、第2の後方正レンズを備える色消しサブアセンブリ(任意で、複合色消しサブアセンブリ)と、第3の後方負レンズとを備え、以下の条件満たす。
(第1の後方正レンズ)≦1.8f、ただし、fは全レンズ系の合成焦点距離、および、f(第1の後方正レンズ)は、第1の後方正レンズの焦点距離である。
【0015】
前群サブシステムは、(例えば、図4cに示すように)第1の前方負レンズと第2の前方正レンズとの間に配置される追加の前方正レンズ(メニスカスレンズなど)をさらに含んでもよい。
【0016】
後群サブシステムは、第3の後方負レンズと直視方向向きカメラセンサおよび側視方向向きカメラセンサの両方、またはいずれか一方との間に後方保護ガラスをさらに含み、後方保護ガラスが、直視方向向きカメラセンサおよび側視方向向きカメラセンサの両方、またはいずれか一方の検出器アレイを保護するように適合される。
【0017】
一部の実施形態によれば、f(第1の後方正レンズ)=1.8f、ただし、fは全レンズ系の合成焦点距離、および、f(第1の後方正レンズ)は、第1の後方正レンズの焦点距離である。
【0018】
一部の実施形態によれば、直視方向向きのカメラセンサおよび直視対物レンズ系は、焦点深度(DOF)が4から110mmの間となるように適合されてもよい。焦点深度(DOF)が4から110mmの間である光学系は、光学系が、物体距離4から110mmの間で物体を撮像するように適合されることを意味してもよい。直視方向向きのカメラセンサおよび直視対物レンズ系は、焦点深度(DOF)が3.5から50mmの間となるように適合されてもよい。直視方向向きのカメラセンサおよび直視対物レンズ系は、焦点深度(DOF)が5から50mmの間で少なくとも1mm当たり60線の実効空間分解能となるように適合されてもよい。直視方向向きのカメラセンサおよび直視対物レンズ系は、焦点深度(DOF)が5から50mmの間で1°当たり約2′以下の実効角分解能となるように適合されてもよい。直視方向向きのカメラセンサおよび直視対物レンズ系は、約150°以上の視野(FOV)となるように適合されてもよい。直視方向向きのカメラセンサおよび直視対物レンズ系は、約170°以上の視野(FOV)となるように適合されてもよい。
【0019】
一部の実施形態によれば、直視方向向きのカメラセンサおよび直視対物レンズ系は、全光路長が約5mm以下である。
【0020】
一部の実施形態によれば、側視方向向きのカメラセンサおよび側視対物レンズ系は、焦点深度(DOF)が3.5から50mmの間となるように適合されてもよい。側視方向向きのカメラセンサおよび側視対物レンズ系は、焦点深度(DOF)が5から50mmの間で少なくとも1mm当たり60線の実効空間分解能となるように適合されてもよい。側視方向向きのカメラセンサおよび側視対物レンズ系は、焦点深度(DOF)が3から30mmの間となるように適合されてもよい。側視方向向きのカメラセンサおよび側視対物レンズ系は、焦点深度(DOF)が4.5から25mmの間で1°当たり約2′以下の実効角分解能となるように適合されてもよい。側視方向向きのカメラセンサおよび側視対物レンズ系は、約150°以上の視野(FOV)となるように適合されてもよい。側視方向向きのカメラセンサおよび側視対物レンズ系は、約170°以上の視野(FOV)となるように適合されてもよい。
【0021】
一部の実施形態によれば、側視方向向きのカメラセンサおよび側視対物レンズ系は、全光路長が約5mm以下(例えば、4mm以下、3mm以下)である。
【0022】
一部の実施形態によれば、第1の前方負レンズの直径は、(バレルまたはレンズホルダの無い状態で)2.5mm以下であってもよい。
【0023】
一部の実施形態によれば、マルチセンサ内視鏡の直視方向向きのカメラセンサおよび側視方向向きのカメラセンサのうちの少なくとも1つのための対物レンズ系が提供され、対物レンズ系は、絞り羽根により分離される前群および後群サブシステムを備え、前群サブシステムが、第1の前方負レンズと第2の前方正レンズとを備え、後群サブシステムが、第1の後方正レンズと、第2の後方正レンズを備える色消しサブアセンブリ(任意で、複合色消しサブアセンブリ)と、第3の後方負レンズとを備え、以下の条件満たす。
(第1の後方正レンズ)≦1.8f、ただし、fは全レンズ系の合成焦点距離、および、f(第1の後方正レンズ)は、第1の後方正レンズの焦点距離である。
【0024】
一部の実施形態によれば、光学系を備えるマルチセンサ内視鏡の先端部分が提供され、光学系は、直視方向向きのカメラセンサと、直視対物レンズ系と、側視方向向きのカメラセンサと、側視対物レンズ系とを備え、直視および側視対物レンズ系のうちの少なくとも1つが絞り羽根により分離される前群および後群サブシステムを備え、前群サブシステムが、第1の前方負レンズと第2の前方正レンズとを備え、後群サブシステムが、第1の後方正レンズと、第2の後方正レンズを備える色消しサブアセンブリ(任意で、複合色消しサブアセンブリ)と、第3の後方負レンズとを備え、以下の条件満たす。
(第1の後方正レンズ)≦1.8f、ただし、fは全レンズ系の合成焦点距離、および、f(第1の後方正レンズ)は、第1の後方正レンズの焦点距離である。
【0025】
本発明およびその実施形態のさらなる詳細および特徴は、説明および添付の図面に見られる。
【0026】
別段の定義の無い限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記述されるものと類似または均等の方法および材料を本発明の実施または試用に使用できるが、好適な方法および材料について以下に説明する。矛盾が生じる場合には、定義を含めて本明細書に従うものとする。さらに、材料、方法、および実施例は、単に説明的なものであり、限定を意図したものではない。
【0027】
本明細書において、本発明の一部の実施形態を添付の図面を、単に例示により、参照して説明する。ここで図面を詳細に参照して、示す細目は、例であり、本発明の実施形態を説明するための議論を目的としており、また、本発明の原理および概念的態様に関する最も有用で理解が容易な説明であると考えられるものを提供するために提示されていることが強調される。この点において、本発明の基本的な理解に必要であるよりもさらに詳細に本発明の構造的な細部を示すという試みは行わない。図面を参照した説明によって、当業者には、如何にして本発明の幾つかの形態を実際に具現化し得るか明らかになる。
【0028】
本発明を理解し、如何にして実際に実行され得るかを知るために、ここで添付の図面を参照し、単に非限定的な例により、実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1a】本発明の例示的な実施形態による複数の視野を有する内視鏡を概略的に示す外観等角図である。
図1b】本発明の例示的な実施形態による複数の視野を有する内視鏡を概略的に示す正面図である。
図1c】本発明の例示的な実施形態による複数の視野を有する内視鏡を概略的に示す側面図である。
図2a】体腔内で使用するための、本発明の例示的な実施形態による複数の視野を有する内視鏡を概略的に示す断面図である。
図2b】本発明の例示的な実施形態による複数の視野を有する内視鏡を、ヘッドの一部詳細を示して、概略的に示す断面図である。
図2c】本発明の別の例示的な実施形態による複数の視野を有する内視鏡を概略的に示す切欠等角図である。
図2d】本発明の例示的な実施形態による複数の視野を有する内視鏡を概略的に示す別の切欠等角図である。
図3】本発明の例示的な実施形態によるカメラヘッドのレンズアセンブリを概略的に示す断面図である。
図4a】本発明の例示的な実施形態による対物レンズ系内の光の伝播の例を概略的に示す光路図である。
図4b】本発明の例示的な実施形態による対物レンズ系内の光の伝播の別の例を概略的に示す光路図である。
図4c】本発明の例示的な実施形態による対物レンズ系内の光の伝播の別の例を概略的に示す光路図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態の少なくとも1つを詳細に説明する前に、本発明は、その用途において、以下の記述で説明される、または、実施例により例示される詳細には必ずしも限定されないことが理解されるべきである。本発明は、その他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施または実行され得る。
【0031】
用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」および「有する(having)」とは、同語源の語と併せて、「を含むが、これに限定されない」を意味する。
【0032】
用語「からなる(consisting of)」とは、「を含み、限定される」と同じ意味を有する。
【0033】
用語「から基本的になる(consisting essentially of)」とは、組成、方法または構造が、追加の成分、ステップ、または部分、またはそれらの組み合わせを含んでもよいが、ただしそれは、追加の成分、ステップ、または部分、またはそれらの組み合わせが請求された組成、方法、または構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変えてしまわない限りにおいてであることを意味する。
【0034】
本明細書において使用する単数形「ある(a)」、「ある(an)」、および「その(the)」とは、特記する場合を除き、その対象物の複数形も含む。例えば、用語「複合物」または「少なくとも1つの複合物」は、複数の複合物を含んでもよく、それらの混合物を含んでもよい。
【0035】
本出願を通して、本発明の様々な実施形態は、範囲形式で提示されることもある。範囲形式による記述は、単に便宜と簡潔さのために用いられ、本発明の範囲の確固たる限定として解釈されるべきではない。したがって、範囲の記述は、その範囲内におけるあらゆるサブレンジならびに個々の数値が具体的に開示されているとみなされるべきである。
【0036】
本発明の特定の特徴は、明確にするために別個の実施形態に関連して記述されるが、さらに、単独の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、本発明の様々な特徴は、簡潔さのために単独の実施形態に関連して記述されるが、さらに、別個に、または任意の好適なサブコンビネーションにより、または本発明の任意のその他の記述された実施形態に好適なように提供されてもよい。様々な実施形態に関連して記述される特定の特徴は、それらの要素なしではその実施形態が無効となるのでない限り、それらの実施形態の本質的な特徴であるとみなされるべきではない。
【0037】
本明細書における以下の様々な図面の説明において、同様の符号は同様の部分を指す。一部の例では、複数の類似または同一の要素は、同じ符号が与えられ、続けて文字が付され、一部の例では、文字無しの同じ番号は、任意のこれらの要素を指す。図面は、一般的に原寸に比例していない。明確にするために、不必要な要素は、一部の図面から割愛されている。
【0038】
一般的に、先行技術において使用される内視鏡のための光学装置は、系全体の光学的な長さ(全光路長)が比較的大きい必要があり、これは、内視鏡、具体的には結腸鏡および胃カメラとして使用される内視鏡において、特に本発明の実施形態による内視鏡などの側視カメラまたは複数の側視カメラを有する内視鏡で使用される場合、欠点である。
【0039】
さらに、先行技術の内視鏡で使用される(CCDセンサなどの)センサにおいて、画素は、光遮蔽膜により部分的に覆われて、光エネルギーが、光遮蔽膜内に「窓」のある画素の中心に集中されるようにする。このことは信号対雑音比を改善し、光利用効率を高める。しかしながらこのことはまた、センサを、センサのマイクロレンズを通過してきた光線と、系の光軸との間の入射角に対して敏感にさせる。したがって、比較的小さい入射角を有する光線は画素に到達するが、比較的大きい(センサのマイクロレンズを通過してきた光線と、系の光軸との間の)入射角を有する光線は、「窓」ひいては画素に到達しないこともあり、著しいエネルギーの損失となる。損失は、例えば、主光線の入射角に近い入射角を有する光線などの視野の縁部において最大化される。
【0040】
したがって本明細書において、一部の実施形態によれば、結腸鏡などの内視鏡において使用するために、具体的には、マルチセンサ内視鏡/結腸鏡において使用するために構成されるレンズ系(アセンブリ)が提供される。レンズ系は、(任意でセンサをともなって)本発明の一部の実施形態によれば、全光路長が、例えば、5mm以下と短い。レンズ系は、本発明の一部の実施形態によれば、例えば、主入射角(例えば図4a−図4cにおける光線Rを形成する入射角)が、20°よりも大きい、25°よりも大きい、30°よりも大きい、または約20−40°の間など、大きい入射角を提供するように構成される。レンズ系は、本発明の一部の実施形態によれば、歪みを最低限にする(例えば、80%未満)。
【0041】
一部の実施形態によれば、レンズ系と併せて使用されるセンサは、大きい入射角(例えば、20°よりも大きい、25°よりも大きい、30°よりも大きい、または約20−40°の間などの主入射角)を有する光線を実現して、画素に到達し、それにより歪みを改善するように構成される光遮蔽膜内の窓を有するように構成される。一部の実施形態によれば、窓の幅(または任意のその他の寸法のパラメータ)は、対応する画素の幅の約30−60%であってもよい。一部の実施形態によれば、センサのマイクロレンズは、実質的に無収差の状態を提供するように構成されてもよい。換言すると、センサは実質的に収差のない画像を提供するように構成されてもよい。
【0042】
図1aは、本発明の例示的な実施形態による複数の視野を有する内視鏡(例えば、結腸鏡)200の外観等角図を概略的に示す。
【0043】
本発明の例示的な実施形態によれば、内視鏡200のヘッド230は、少なくとも直視カメラ(TVカメラなど)と、少なくとも側視カメラ(TVカメラなど)とを備える。
【0044】
図1aは、ヘッド230の前面320上にある直視カメラ116(図2cに示す)の前方カメラ要素236を示す。用語「カメラ要素」とは、一般にカメラおよびカメラに関する光学系/アセンブリを指す。直視カメラ116(例えば図2aに示す)の光軸は、実質的に内視鏡の長手に沿った方向に向けられている。しかしながら、直視カメラ116は一般的には広角カメラであるため、その視野(FOV)は、その光軸に対して大きな角度で視野の方向を含んでもよい。さらに、発光ダイオード(LED)などの離散光源240aおよび240bの光学窓242aおよび242bも、ヘッド230の前面320上にみられる。FOVの照明に使用されるLEDの数は、変更されてもよいことに注意されたい。ワーキングチャネル262の遠位開口部340(例えば図2dに示す)は、好ましくは、ヘッド230の前面320上に配置されて、ワーキングチャネル262を介して挿入され、前面320を越えて配備された手術道具を直視カメラ116から観察できるようにしてもよい。
【0045】
流体チャネルの遠位開口部344も、好ましくは、ヘッド230の前面320上に配置されてもよい。遠位開口部344に繋がる流体チャネルは、結腸を洗浄するための噴射チャネルとして使用されてもよい。
【0046】
ノズル部348を有する液体注入部346は、前方カメラ要素236に向けられ、流体を注入して、直視カメラの前方カメラ要素236から血液、排泄物およびその他の細片などの汚染物質を洗浄するために使用される。任意で、同じ注入部は、前方カメラ要素236ならびに1つまたは両方の光学窓242aおよび242bの両方の洗浄のために使用される。注入部346は、流体チャネルから流体(例えば、水および気体の両方、またはいずれか一方)を供給されてもよく、または、専用の洗浄流体チャネルから流体を供給されてもよい。
【0047】
ヘッド230の側壁362上には、側視カメラ220(2つのこうしたカメラを図2aに示す)の前方カメラ要素256と、LED250などの離散光源の光学窓252とがみられる。離散光源の数は、変更されてもよいことに注意されたい。側視カメラ220の光軸は、実質的に内視鏡の長手に対して直交する方向に向けられている。しかしながら、側視カメラ220は一般的には広角カメラであるため、その視野は、その光軸に対して大きな角度で視野の方向を含んでもよい。
【0048】
ノズル部368を有する液体注入部366は、前方カメラ要素256に向けられ、流体を注入して、側視カメラの前方カメラ要素256から血液、排泄物およびその他の細片などの汚染物質を洗浄するために使用される。任意で、同じ注入部は、前方カメラ要素256および光学窓252の両方の洗浄のために使用される。好ましくは、注入部346および366は、同じチャネルから流体を供給される。任意の溝370は、ノズル部368からの洗浄流体を前方カメラ要素256に向けて方向付けるのを助ける。溝370は、側壁362が直腸壁に接近または押し付けられる際に有益なことがある。任意で、注入部366は、溝370内において少なくとも部分的に窪ませてもよく、このことにより、ヘッド230の最大部直径を低減し、注入部366との摩擦により直腸壁を傷つける危険を低減してもよい。
【0049】
図示の実施形態では、可撓性シャフト260は、ピボット384により互いに接続される複数のリンク382から構成される。リンク382により、ピボット384が限られた可撓性を提供して、内視鏡を押したり、引いたり、回転させたりできる。シャフトは、好ましくは、弾性シースで覆われる(明確にするために図示せず)。リンク382の管腔は、ワーキングチャネル262を保持する。開口部344に接続される流体チャネル、任意の洗浄流体チャネル、ならびに、LEDおよびカメラに電力を供給し、カメラからビデオ信号を伝達する電気ケーブルは、図示されていない。一般に、シャフトは、例えば使用中、ヘッドを方向付けたり向けたりするためのリンクに取り付けられたケーブルなど、機械的アクチュエータ(図示せず)をさらに備えてもよい。
【0050】
図1aには1つの側視カメラのみ示したが、任意で、一部の実施形態によれば、2つまたは3つ以上の側視カメラをヘッド230内に配置してもよいことに注意されたい。2つの側視カメラを使用する際、側視カメラは、好ましくは、それらの視野が実質的に反対を向くように設置される。一部の実施形態によれば、異なる構成および数の側視カメラが可能であり、本発明の一般的な範囲内に包含される。
【0051】
図1bは、本発明の例示的な実施形態による複数の視野を有する内視鏡200のヘッド230の正面図を概略的に示す。
【0052】
本発明の例示的な実施形態によれば、内視鏡200のヘッド230は、少なくとも直視カメラと、少なくとも側視カメラとを備える。図2bは、ヘッド230の前面320上にある直視カメラ116の前方カメラ要素236を示す。さらに、LEDの光学窓242aおよび242bも、ヘッド230の前面320上にみられる。ワーキングチャネルの遠位開口部340および流体チャネルの遠位開口部344も、好ましくは、ヘッド230の前面320上に配置されてもよい。ノズル部348を有する液体注入部346もここに示す。
【0053】
さらに、液体注入部366aおよび366bは、それぞれ側視カメラ要素256aおよび256bに向けられ、流体を注入して、側視カメラの前方カメラ要素256から血液、排泄物およびその他の細片などの汚染物質を洗浄するために使用される。
【0054】
図1cは、本発明の例示的な実施形態による複数の視野を有する内視鏡200の側面図を概略的に示す。
【0055】
図1cは、ヘッド230の側壁362上にある側視カメラ220の前方カメラ要素256、溝370、および光学窓252を示す。液体注入部346および366もここに示す。
【0056】
図2aは、本発明の別の例示的な実施形態による複数の視野を有する内視鏡400の切欠等角図を概略的に示す。
【0057】
本発明の例示的な実施形態によれば、内視鏡200のヘッド230は、少なくとも直視カメラ116ならびに2つの側視カメラ220aおよび220bを備える。
【0058】
直視方向の照明に使用されるLEDの光学窓242aおよび242bも、ヘッド230の前面上にみられる。
【0059】
ワーキングチャネルの遠位開口部340は、好ましくは、ヘッド230の前面上に配置されて、ワーキングチャネル262を介して挿入され、前面を越えて配備された手術道具を直視カメラ116から観察できるようにしてもよい。
【0060】
流体チャネルの遠位開口部344も、好ましくは、ヘッド230の前面上に配置されてもよい。遠位開口部344に繋がる流体チャネルは、結腸を洗浄するための噴射チャネルとして使用されてもよい。
【0061】
ノズル部を有する液体注入部346は、カメラ116の前方カメラ要素に向けられ、流体を注入して、直視カメラ116の前方カメラ要素から血液、排泄物およびその他の細片などの汚染物質を洗浄するために使用される。任意で、同じ注入部は、前方カメラ要素ならびに1つまたは両方の光学窓242aおよび242bの両方の洗浄のために使用される。注入部346は、流体チャネルから流体を供給されてもよく、または、専用の洗浄流体チャネルから流体を供給されてもよい。
【0062】
ヘッド230の右側には、側視カメラ220bの前方カメラ要素256と、側視照明LEDの光学窓252bとがみられる。
【0063】
ノズル部を有する液体注入部366bは、前方カメラ要素256bに向けられ、流体を注入して、側視カメラ220bの前方カメラ要素256bから血液、排泄物およびその他の細片などの汚染物質を洗浄するために使用される。任意で、同じ注入部は、前方カメラ要素256bおよび光学窓252bの両方の洗浄のために使用される。任意の溝370bは、注入部366bからの洗浄噴射を前方カメラ要素256bに向けて方向付けるのを助ける。
【0064】
ここに図示されていないが、等価の要素366a、370a、256aおよび252aは、ヘッド230の左側に存在することが理解される。
【0065】
好ましくは、全ての注入部346および366は、同じチャネルから流体を供給される。
【0066】
図示の実施形態では、可撓性シャフト260は、複数のリンク382から構成される(明確にするために、1つだけ指す)。シャフト260内の電気ケーブル396がみられ、カメラ116、220aおよび220bに接続されている。同じまたは別個の電気ケーブルが使用されて、LEDに電力を供給する。
【0067】
図2bは、本発明の例示的な実施形態による複数の視野を有する内視鏡220の断面図を、ヘッド230の一部詳細を示して、概略的に示す。
【0068】
本発明によれば、内視鏡200のヘッド230は、少なくとも直視カメラ116ならびに2つの側視カメラ220aおよび220bを備える。それぞれのカメラ116および220は、それぞれレンズアセンブリ(系)132および232、ならびに、それぞれ固体検出器アレイ134および234などの光学結像系とともに提供される。カメラ116および220のそれぞれの前方カメラ要素236および256は、平坦な保護窓であってもよいが、任意で、それぞれ固体検出器アレイ134および234などの結像系の一部として使用される光学要素であってもよい。任意で、カメラ116および220は、類似または同一であるが、異なるカメラ設計を使用してもよく、例えば、視野118と218とが異なることもある。追加的にまたは代替的に、分解能、光感度、画素寸法および画素数、焦点距離、作動距離および被写界深度などのその他のカメラパラメータは、同じまたは異なるように選択されてもよい。
【0069】
視野を照らす光は、発光ダイオード(LED)により提供される。一部の実施形態によれば、白色LEDを使用してもよい。一部の実施形態によれば、その他の色のLEDまたは任意の組み合わせのLEDを使用してもよい(例えば、赤、緑、青、赤外、紫外など)。
【0070】
図示の実施形態では、直視カメラ116の視野118は、内視鏡ヘッド230内に配置され、光学窓242aおよび242bによりそれぞれ保護される2つのLED240aおよび240bによって照らされる。
【0071】
同様に、図示の実施形態では、側視カメラ220の視野は、内視鏡ヘッド230内に配置され、光学窓252により保護される単独のLED250によって照らされる。LED光源の数およびカメラに対するそれらの位置は、本発明の範囲内で変更されてもよいことに注意されたい。例えば、同じ保護窓の後ろにLEDがほとんどなくてもよいし、同じ保護窓の後ろにカメラおよびLEDまたは複数のLEDが配置されてもよい、などである。
【0072】
内視鏡200のヘッド230は、可撓性シャフト260の遠位端部に配置される。当該技術分野のシャフトと同様に、シャフト260は、手術道具を挿入するためのワーキングチャネル262を備える。さらに、シャフト260は、洗浄、送気、吸引、および結腸壁を洗浄するための液体の供給のためのチャネルを備えてもよい。
【0073】
図2cは、本発明の例示的な実施形態による内視鏡200の切欠断面図を、ヘッド230の一部詳細を示して、概略的に示す。簡単にするために、図では、2つの側視カメラのうちの1つの詳細を示す。
【0074】
本発明によれば、内視鏡200のヘッド230は、少なくとも1つの側視カメラ220を備える。それぞれのカメラ220は、レンズアセンブリ232および固体検出器アレイ234などの光学結像系とともに提供される。カメラ220の前方カメラ要素256は、平坦な保護窓または結像系232の一部として使用される光学要素であってもよい。
【0075】
図2dは、本発明の例示的な実施形態による複数の視野を有する内視鏡220の断面図を、ヘッド230の一部詳細を示して、概略的に示す。
【0076】
本発明の一部の実施形態によれば、ヘッド230の内部は、直視カメラ116および側視カメラ220を備える。カメラ116および220の両方、またはいずれか一方はそれぞれ、複数のレンズ430から434および保護ガラス436(図示せず)を有するレンズアセンブリ132および232(図示せず)と、プリント基板135および235(図示せず)に接続される固体検出器アレイ134および234(図示せず)とを備える。カメラ116および220またはそれらに関係する任意の要素(例えば、レンズアセンブリ132および232、レンズ430から434および保護ガラス436、固体検出器アレイ134および234、または、プリント基板135および235、またはこれらの組み合わせなど)は、同じであってもよいし異なってもよいことに注意されたい。換言すると、直視カメラおよび側視カメラは、それらの構成要素またはそれらに関係するその他の要素(例えば光学要素など)の任意の1つまたは任意の組み合わせにおいて、同じであってもよいし異なってもよい。
【0077】
図3は、本発明の例示的な実施形態によるカメラ116または220の断面図を、レンズアセンブリ132および232の一部詳細を示して、概略的に示す。本発明の一部の実施形態によれば、カメラ116または220は、同じであってもよいし異なってもよいことに注意されたい。任意で、カメラ116の焦点距離は、カメラ220のものと比べてわずかに異なる。焦点距離における違いは、例えば、レンズアセンブリ132および232の両方、またはいずれか一方を備えるレンズの間、または、レンズアセンブリと検出器アレイとの間の距離を(わずかに)変えることにより達成される。
【0078】
レンズ431および432の間の空隙「S」は、絞りとして作用する。空隙Sは、集束範囲(レンズ系の最適な焦点合わせの範囲外となることによる過度のぼけがなく、結像可能な最も近い物体とより遠い物体との間の距離)に影響を及ぼしてもよい。
【0079】
本発明の例示的な実施形態によれば、カメラ116および220は、それぞれレンズアセンブリ132および232を備える。レンズアセンブリは、一組のレンズ430から434および保護ガラス436を備える。
【0080】
レンズ430から434は、(任意で金属製の)バレル410およびそこへの(例えば、バレル410に接着される)コネクタ内に置かれる。レンズアセンブリ132および232の両方、またはいずれか一方のうちの任意の1つは、図3のように任意で、バレル410内に配置されるアダプタ411を含んでもよい。アダプタ411は、1つまたは2つ以上のレンズの位置を調整し、レンズ間の距離を調整するように構成される。アダプタ411はまた、(この場合、レンズ432および433の間の)絞りとして機能するように構成されてもよい。保護ガラス436は、固体検出器アレイ134または234に近接して置かれ、任意でそこへ取り付けられる。
【0081】
作動距離(レンズ系により最適に焦点合わせされる物体までの距離)は、レンズ434と保護ガラス436との間の距離を変えることにより変えられてもよい。レンズ434がバレルに固定され、また、保護ガラス436はレンズホルダ136(236)に固定されることから、この距離は、レンズホルダ136(236)のバレル410に対する相対的な位置を変えることにより変えられてもよい。レンズ434と保護ガラス436との間の空間は、何もない空間であってもよいし、ガラスもしくはその他の透明な材料で満たされてもよく、または、これらのレンズの間に管状のスペーサ部材を挿入して、正確な距離を保証してもよい。任意で、光学フィルタを空間内に配置してもよい。カメラ116および220は、それぞれ固体検出器アレイ134および234をさらに備える。固体検出器アレイ134および234は、それぞれプリント基板に接続されるものであってもよい。電気ケーブル配線は、プリント基板を内視鏡の中央制御システムユニットに接続してもよい。
【0082】
固体検出器アレイ134および234は、それぞれレンズホルダ136および236に取り付けられる。レンズホルダ136または236は、検出器アレイカバーをバレル410に取り付けることにより、それぞれレンズアセンブリ132または232に取り付けられる。
【0083】
一部の用途では、保護ガラス436は、両面が平坦な光学要素であってもよく、主に検出器アレイ(例えば検出器アレイ134および234など)の保護として作用し、任意で、アレイとともに供給されてもよい。しかしながら、光学設計において保護ガラス436の光学特性を考慮に入れる必要がある。
【0084】
レンズアセンブリ132または232を組み立てるために、レンズ430が最初に左から、次いで431、そして432が右から挿入されてもよい。レンズ433および434は、併せて接着(または例えば空気により離間)されてもよいが、次いで右から挿入される。ここにおいて、完全な一組がバレル内に置いて組み立てられる。組み立てられた検出器(例えば、検出器アレイ134および234)、保護ガラス436およびカバー136(236)は、次いで加えられる。
【0085】
図4a、4bおよび4cは、本発明によるレンズアセンブリ132および232などのレンズアセンブリのための3つの例を示し、それぞれ対物レンズ系510、520および530を有する。レンズアセンブリ132および232において使用されるセンサは、この例示的な実施形態によれば、マイクロレンズのアレイを有する電荷結合素子センサ(CCD)であってもよいが、CMOSなどその他のセンサもまた使用されてもよい。
【0086】
本発明の例示的な実施形態において、約800×600画素の分解能を有するカラーCCDカメラが、全アクティブ領域が約3.3×2.95mmの状態で使用された。レンズの光学的分解能は、本発明の例示的な実施形態によれば、センサの分解能と一致するように設計される。対物レンズ系510(520/530)は、好ましくは、色収差、球面収差および非点収差に関して補正される。本発明の例示的な実施形態において、対物レンズ系510(520/530)は、前面レンズの前面からセンサの前面まで測定した全長が約4.60mm(4.62)である。本発明の例示的な実施形態において、対物レンズ系510および520は、約170°の受光角を有する広角の対物レンズである。本発明の例示的な実施形態において、対物レンズ系510(520/530)は、前面レンズの前面から撮像される物体まで測定した作動距離が短い。本発明の例示的な実施形態において、対物レンズ系510(520/530)は、4−110mmの間(または、3.5−50mmの間)で物体を効果的に撮像可能とする焦点深度(DOF)を有する。本発明の例示的な実施形態において、対物レンズ系510、520および530は、前面レンズの直径により規定される約2.5mmの最大部直径を有し、約3.6mmの最大部外径を有するバレル内に格納される。その他の設計パラメータは、本発明の範囲内で選択されてもよいことに注意されたい。
【0087】
対物レンズ系510(520/530)は、点線で示す光軸「O」を有する。レンズ系は、前群サブシステム510a(520a/530a)と、後方サブシステム510b(520b/530b)とを備える。
【0088】
前群サブシステム510a(520a)(図4a(4b))は、観察対象の物体の最も近くに配置され、負の屈折力を有する前面レンズ430(430’)と、正の屈折力を有するレンズ431(431’)とを備える。
【0089】
前面レンズ430(430’)は、その陥凹面が観察対象の物体に面するような方向に向けられ、任意で、光軸に直交する方向において、後群サブシステム510bの最大部寸法よりも実質的に大きい直径を有する。レンズ431(431’)は、正の屈折力を有する。
【0090】
後群サブシステム510b(520b)は、レンズ432、433、434および保護ガラス436(レンズ432’、433’、434’および436’)を備え、432(432’)が負の屈折力を有し、433(433’)が正の屈折力を有し、434(434’)が負の屈折力を有し、436(436’)が基本的に屈折力を持たない。保護ガラス436(436’)は、センサの一部分または後群サブシステム510b(520b)の一部分であってもよいことに注意されたい。後群サブシステム510b(520b)のレンズ433および434(433’および434’)は、色消しサブアセンブリ(図4aのような、レンズ433および434が固定された複合色消しサブアセンブリ、または、図4bのような、レンズ433’およびレンズ434’が分離される非複合色消しサブアセンブリ)を構成する。レンズ433(433’)は、後述の表T、Tにおいて示されるように、その前面の曲率半径がその後面の曲率半径より小さい状態で、両凸であってもよい。
【0091】
対物レンズ系510のレンズ432は、次の条件を満たす焦点距離f432を有していてもよい。f432≦1.8f、ただし、fは全系の合成焦点距離である。具体的には、表Tに示されたデータ、f432=2.05およびf=1.234mmについては、条件f432≦1.8は満たされる。
【0092】
対物レンズ系520のレンズ432’は、次の条件を満たす焦点距離f432’を有していてもよい。f432≦1.8f。
【0093】
具体的には、表Tに示されたデータ、f432=2.05およびf=1.15mmについては、条件f432≦1.8は満たされる。
【0094】
レンズは、反射防止コーティング(ARコーティング)でコーティングされて、レンズアセンブリ132(232)の効率をさらに改善してもよい。
【0095】
有効開口絞りS(S)は、レンズ431および432(431’および432’)の間に形成される。有効開口絞りS(S)は、前群サブシステム510a(520a)と後群サブシステム510b(520b)との間を隔ててもよい。
【0096】
前群サブシステム530a(図4c)は、観察対象の物体の最も近くに配置され、負の屈折力を有する前面レンズ430”と、正の屈折力を有するレンズ431”とを備える。前群サブシステム530a(図4c)は、第1の前方負レンズ430”と第2の前方正レンズ431”との間に配置される追加の前方正レンズ(メニスカスレンズ429など)をさらに備える
【0097】
前面レンズ430”は、その陥凹面が観察対象の物体に面するような方向に向けられ、任意で、光軸に直交する方向において、後群サブシステム530bの最大部寸法よりも実質的に大きい直径を有する。
【0098】
後群サブシステム530bは、レンズ432”、433”、434”および保護ガラス436”を備え、432”が負の屈折力を有し、433”が正の屈折力を有し、434”が負の屈折力を有し、436”が基本的に屈折力を持たない。保護ガラス436”は、センサの一部分または後群サブシステム530bの一部分であってもよいことに注意されたい。レンズ433”および434”は、後群サブシステム530bの色消しサブアセンブリを構成する、または、互いに固定されてはならない。レンズ433”は、後述の表Tにおいて示されるように、その前面の曲率半径がその後面の曲率半径より小さい状態で、両凸であってもよい。
【0099】
対物レンズ系530のレンズ432”は、次の条件を満たす焦点距離f432を有していてもよい。f432”≦1.8f、ただし、fは全系の合成焦点距離である。具体的には、表Tに示されたデータ、f432”=2.26およびf=1.06mmについては、条件f432”≦1.8は満たされる。
【0100】
レンズは、反射防止コーティング(ARコーティング)でコーティングされて、レンズアセンブリ132(232)の効率をさらに改善してもよい。
【0101】
有効開口絞りSは、レンズ431”および432”の間に形成される。有効開口絞りSは、前群サブシステム530aと後群サブシステム530bとの間を隔ててもよい。
【0102】
表T、TおよびTは、本発明の一部の実施形態による対物レンズ系510、520および530それぞれにおけるレンズのパラメータをまとめる。
表T(FOV=164°、DOF=3−110mm、f=1.234mm、全光路長 4.09mm)
【表1】
【表2】
【0103】
表3は、追加の正レンズ429(例えば、表3に示されるようなメニスカスレンズ)をさらに備える6つの構成要素の系の例を示す。
表T(FOV=164°、DOF=3−110mm、f=1.06mm、全光路長 4.69mm)
【表3】
−レンズの前面の曲率半径(前面とは、物体の方を向く面である)
−レンズの後面の曲率半径(物体と反対を向く)
Th−レンズの厚さ−前面の中心から後面の中心まで
ガラス−レンズのガラスの種類
−レンズの前方光学面の半径
−レンズの後方光学面の半径
D−レンズなどの構成要素の後面の中心から次隣の光学要素の前面まで測定されたレンズなどの構成要素の間の距離(絞りSの場合、距離は、絞りの前方にある構成要素の後面の中心から次隣の構成要素の前面まで測定される)
一般的に用いられるように、曲率半径が無限大とは、平面であると解釈される。全てのレンズは任意で球面である。
【0104】
図4a、4bおよび4cは、さらに、対物レンズ系510、520および530をそれぞれ介する、5つの入射光線RからRの伝播を、前面レンズ430(図4a)、430’(図4b)または430”(図4c)から結像面における物体の像生成まで示す。
【0105】
光線RからRは、それぞれα(アルファ1)からα(アルファ6)の角度でレンズアセンブリに入射し、例えば、基本的に次の角度、α=0°、α=45°、α=60°、α=75°およびα=84°に等しい。対応する入射角(センサのマイクロレンズを通過してきた光線と、系の光軸との間の角)は、β(ベータ1)からβ(ベータ6)である。一部の実施形態によれば、主入射角(例えば図4a−図4cにおける光線Rを形成する入射角)は、20°よりも大きい、25°よりも大きい、30°よりも大きい、または約20−40°の間である。レンズ系は、本発明の一部の実施形態によれば、歪みを最低限にする(例えば、80%未満)。
【0106】
光学系アセンブリ132(232)は、以下のステップを備える方法により組み立てられてもよい。
任意で、後方の複レンズ433−434(433’−434’)を固定するステップ、
および、
前面レンズ430(430’)をバレル内で組み立てるステップ、
レンズ431(431’)をバレル内で組み立てるステップ、
レンズ432(432’)をバレル内で組み立てるステップ、
後方の複レンズ433−434(433’−434’)をバレル内で組み立てるステップ。
また、前面レンズ430(430’)は最後に組み立てられてもよいことに注意されたい。
【0107】
本発明をその特定の実施形態と併せて説明してきたが、多くの代替、変更および変形が当業者には自明であることは明らかである。したがって、添付の請求項の思想および広い範囲内にあるそのような代替、変更および変形を全て含むことを意図している。本明細書において言及された全ての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許および特許出願が具体的かつ個別に参照として組み込まれるよう定められている場合と同じ程度まで、その全体が本明細書に参照として組み込まれる。さらに、本明細書におけるいかなる参考文献の引用または同定も、そのような参考文献が本発明の先行技術として入手可能であるとの承認であると解釈されるべきではない。
【0108】
本発明には以下の発明が含まれる。
(1)マルチセンサ内視鏡の先端部分のための光学系であって、
直視方向向きのカメラセンサと、
直視対物レンズ系と、
側視方向向きのカメラセンサと、
側視対物レンズ系とを備え、
前記直視および側視対物レンズ系のうちの少なくとも1つが絞り羽根により分離される前群および後群サブシステムを備え、
前記前群サブシステムが、物体側から順に、第1の前方負レンズと第2の前方正レンズとを備え、
前記後群サブシステムが、物体側から順に、第1の後方正レンズと、第2の後方正レンズを備える色消しサブアセンブリ(任意で、複合色消しサブアセンブリ)と、第3の後方負レンズとを備え、以下の条件、
f(第1の後方正レンズ)≦1.8fを満たすが、ただし、fは全レンズ系の合成焦点距離、および、f(第1の後方正レンズ)は、前記第1の後方正レンズの焦点距離である光学系。
(2) 前記前群サブシステムが、前記第1の前方負レンズと前記第2の前方正レンズとの間に配置される追加の前方メニスカスレンズをさらに備える、(1)に記載の光学系。
(3) 前記後群サブシステムが、前記第3の後方負レンズと前記直視方向向きカメラセンサおよび前記側視方向向きカメラセンサの両方、またはいずれか一方との間に後方保護ガラスをさらに含み、前記後方保護ガラスが、前記直視方向向きカメラセンサおよび前記側視方向向きカメラセンサの両方、またはいずれか一方の検出器アレイを保護するように適合される、(1)に記載の光学系。
(4) f(第1の後方正レンズ)=1.8f、ただし、fは全レンズ系の合成焦点距離、および、f(第1の後方正レンズ)が、前記第1の後方正レンズの焦点距離である、(1)に記載の光学系。
(5)
前記直視方向向きのカメラセンサおよび前記直視対物レンズ系が、焦点深度(DOF)が4から110mmの間となるように適合される、(1)に記載の光学系。
(6) 前記直視方向向きのカメラセンサおよび前記直視対物レンズ系が、焦点深度(DOF)が3.5から50mmの間となるように適合される、(5)に記載の光学系。
(7) 前記直視方向向きのカメラセンサおよび前記直視対物レンズ系が、焦点深度(DOF)が5から50mmの間で少なくとも1mm当たり60線の実効空間分解能となるように適合される、(1)に記載の光学系。
(8) 前記直視方向向きのカメラセンサおよび前記直視対物レンズ系が、焦点深度(DOF)が5から50mmの間で1°当たり約2′以下の実効角分解能となるように適合される、(1)に記載の光学系。
(9) 前記直視方向向きのカメラセンサおよび前記直視対物レンズ系が、約150°以上の視野(FOV)となるように適合される、(1)に記載の光学系。
(10) 前記直視方向向きのカメラセンサおよび前記直視対物レンズ系が、約170°以上の視野(FOV)となるように適合される、(9)に記載の光学系。
(11) 前記直視方向向きのカメラセンサおよび前記直視対物レンズ系が、約5mm以下の全光路長を有する、(1)に記載の光学系。
(12) 前記側視方向向きのカメラセンサおよび前記側視対物レンズ系が、焦点深度(DOF)が3.5から50mmの間となるように適合される、(1)に記載の光学系。
(13) 前記側視方向向きのカメラセンサおよび前記側視対物レンズ系が、焦点深度(DOF)が3から30mmの間となるように適合される、(1)に記載の光学系。
(14) 前記側視方向向きのカメラセンサおよび前記側視対物レンズ系が、焦点深度(DOF)が5から50mmの間で少なくとも1mm当たり60線の実効空間分解能となるように適合される、(1)に記載の光学系。
(15) 前記側視方向向きのカメラセンサおよび前記側視対物レンズ系が、焦点深度(DOF)が5から50mmの間で1°当たり約2′以下の実効角分解能となるように適合される、(1)に記載の光学系。
(16) 前記側視方向向きのカメラセンサおよび前記側視対物レンズ系が、約150°以上の視野(FOV)となるように適合される、(1)に記載の光学系。
(17) 前記側視方向向きのカメラセンサおよび前記側視対物レンズ系が、約170°以上の視野(FOV)となるように適合される、(1)に記載の光学系。
(18) 前記側視方向向きのカメラセンサおよび前記側視対物レンズ系が、約5mm以下の全光路長を有する、(1)に記載の光学系。
(19) 前記第1の前方負レンズの直径が2.5mm以下である、(1)に記載の光学系。
(20) マルチセンサ内視鏡の直視方向向きカメラセンサおよび側視方向向きのカメラセンサのうちの少なくとも1つのための対物レンズ系であって、
絞り羽根により分離される前群および後群サブシステムを備え、
前記前群サブシステムが、第1の前方負レンズと第2の前方正レンズとを備え、
前記後群サブシステムが、第1の後方正レンズと、第2の後方正レンズを備える色消しサブアセンブリ(任意で、複合色消しサブアセンブリ)と、第3の後方負レンズとを備え、
以下の条件、
f(第1の後方正レンズ)≦1.8fを満たすが、ただし、fは全レンズ系の合成焦点距離、および、f(第1の後方正レンズ)は、前記第1の後方正レンズの焦点距離である、対物レンズ系。
(21) 光学系を備えるマルチセンサ内視鏡の先端部分であって、
直視方向向きのカメラセンサと、
直視対物レンズ系と、
側視方向向きのカメラセンサと、
側視対物レンズ系とを備え、
前記直視および側視対物レンズ系のうちの少なくとも1つが絞り羽根により分離される前群および後群サブシステムを備え、
前記前群サブシステムが、第1の前方負レンズと第2の前方正レンズとを備え、
前記後群サブシステムが、第1の後方正レンズと、第2の後方正レンズを備える色消しサブアセンブリ(任意で、複合色消しサブアセンブリ)と、第3の後方負レンズとを備え、以下の条件、
f(第1の後方正レンズ)≦1.8fを満たすが、ただし、fは全レンズ系の合成焦点距離、および、f(第1の後方正レンズ)は、前記第1の後方正レンズの焦点距離である、マルチセンサ内視鏡の先端部分。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4a
図4b
図4c