(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262374
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】イヤホンソケット、イヤホンプラグ、イヤホン及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20180104BHJP
H01R 13/652 20060101ALI20180104BHJP
H01R 24/38 20110101ALI20180104BHJP
【FI】
H04R1/10 104F
H01R13/652
H01R24/38
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-563235(P2016-563235)
(86)(22)【出願日】2015年4月29日
(65)【公表番号】特表2017-504284(P2017-504284A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(86)【国際出願番号】CN2015077880
(87)【国際公開番号】WO2016090823
(87)【国際公開日】20160616
【審査請求日】2015年6月17日
(31)【優先権主張番号】201410746572.4
(32)【優先日】2014年12月8日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513224180
【氏名又は名称】小米科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Xiaomi Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲暉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ ▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】范 杰
【審査官】
岩田 淳
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2002/0037669(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0076896(US,A1)
【文献】
米国特許第07988498(US,B1)
【文献】
米国特許第07824230(US,B1)
【文献】
欧州特許出願公開第02706463(EP,A1)
【文献】
仏国特許出願公開第02860349(FR,A1)
【文献】
独国特許出願公開第102007031401(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
H01R 13/652
H01R 24/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にイヤホンジャックが形成されたソケット本体と、
前記イヤホンジャック内に設置され、イヤホンプラグが前記イヤホンジャックに挿入される際に、前記イヤホンプラグの接地部に接触する複数の接地端子と
を含み、
各前記接地端子は、
前記イヤホンジャックの内壁に設置された共通接地構造と、
前記イヤホンプラグが前記イヤホンジャックに挿入される際に、前記イヤホンプラグに接触する頭部と、
前記共通接地構造と頭部との間に設置された弾性機構と
を含み、
前記接地端子の頭部は球状の金属構造であり、
前記弾性機構はスプリングである
ことを特徴とするイヤホンソケット。
【請求項2】
前記イヤホンジャックの端部から前記複数の接地端子までの距離は、前記イヤホンプラグの挿入方向に沿って同一である
ことを特徴とする請求項1に記載のイヤホンソケット。
【請求項3】
前記複数の接地端子は、前記イヤホンジャックの周方向に沿って均等に配置される
ことを特徴とする請求項2に記載のイヤホンソケット。
【請求項4】
各前記接地端子は弾性シート状構造を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のイヤホンソケット。
【請求項5】
プラグ本体と、
前記プラグ本体の接地部に設置され、前記プラグ本体がイヤホンジャックに挿入される際に、前記イヤホンジャックの内壁における共通接地エリアに接触する複数の接地端子と
を含み、
各前記接地端子は、
前記プラグ本体に設置された共通接地構造と、
前記プラグ本体が前記イヤホンジャックに挿入される際に、前記共通接地エリアに接触する頭部と、
前記共通接地構造と前記頭部との間に設置された弾性機構と
を含み、
前記接地端子の頭部は球状の金属構造であり、
前記弾性機構はスプリングである
ことを特徴とするイヤホンプラグ。
【請求項6】
前記イヤホンプラグの端部から前記複数の接地端子までの距離は、前記イヤホンプラグの挿入方向に沿って同一である
ことを特徴とする請求項5に記載のイヤホンプラグ。
【請求項7】
前記複数の接地端子は、前記イヤホンジャックの周方向に沿って均等に配置される
ことを特徴とする請求項6に記載のイヤホンプラグ。
【請求項8】
前記プラグ本体の内部には、軸方向の収納空間が形成され、且つ、前記共通接地構造は当該軸方向の収納空間内に位置し、
前記プラグ本体には、前記軸方向の収納空間と連通される複数の径方向の開放孔がさらに設けられ、且つ、前記接地端子は一対一に対応するように前記複数の径方向の開放孔内に設けられる
ことを特徴とする請求項5に記載のイヤホンプラグ。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれか1項に記載のイヤホンプラグ
を含むことを特徴とするイヤホン。
【請求項10】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のイヤホンソケット
を含むことを特徴とする電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は、出願番号がCN201410746572.4であって、出願日が2014年12月08日である中国特許出願に基づいて優先権を主張し、当該中国特許出願のすべての内容を援用する。
【技術分野】
【0002】
本願は、イヤホン技術分野に関し、特に、イヤホンソケット、イヤホンプラグ、イヤホン及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
音声品質に対する要求がますます高くなっていることに伴い、ユーザは、自分のスマート端末などの設備が「音声を再生」させるだけではなく、イヤホンのクロストーク(CrossTalk)による音質降下の問題を減らすことも望んでいる。
【0004】
ユーザによりイヤホンを用いてスマート端末などの設備からの音声を聞く際に、いろんな原因によって、イヤホンのクロストークが発生する。従来技術において、多数の場合には、イヤホンの左右チャンネルの分離度を増大させる方法によって、左右チャンネルの間の直接クロストークを減少する。しかしながら、これにより、イヤホンの設計の難しさと生産コストが大幅に増加されるため、これは合理的な解決方法ではない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、従来技術でのイヤホンのクロストークの技術問題を解決するために、イヤホンソケット、イヤホンプラグ、イヤホン及び電子デバイスを提供する。
【0006】
本発明の実施例に係る第1の態様によると、イヤホンソケットを提供する。
【0007】
前記イヤホンソケットは、
内部にイヤホンジャックが形成されたソケット本体と、
前記イヤホンジャック内に設置され、イヤホンプラグが前記イヤホンジャックに挿入される際に、前記イヤホンプラグの接地部に接触する複数の接地端子と
を含む。
【0008】
オプションとして、前記イヤホンジャックの端部から前記複数の接地端子までの距離は、前記イヤホンプラグの挿入方向に沿って同一である。
【0009】
オプションとして、前記複数の接地端子は、前記イヤホンジャックの周方向に沿って均等に配置される。
【0010】
オプションとして、各前記接地端子は、
前記イヤホンジャックの内壁に設置された共通接地構造と、
前記イヤホンプラグが前記イヤホンジャックに挿入される際に、前記イヤホンプラグに接触される頭部と、
前記共通接地構造と頭部との間に設置された弾性機構と
を含む。
【0011】
オプションとして、前記接地端子の頭部は球状の金属構造である。
【0012】
オプションとして、各前記接地端子は弾性シート状構造である。
【0013】
本発明の実施例に係る第2の態様によると、イヤホンプラグを提供する。
【0014】
前記イヤホンプラグは、
プラグ本体と、
前記プラグ本体上における接地部に設置され、前記プラグ本体がイヤホンジャックに挿入される際に、前記イヤホンジャックの内壁上における共通接地エリアに接触する複数の接地端子と
を含む。
【0015】
オプションとして、前記イヤホンプラグの端部から前記複数の接地端子までの距離は、前記イヤホンプラグの挿入方向に沿って同一である。
【0016】
オプションとして、前記複数の接地端子は前記イヤホンプラグの周方向に沿って均等に配置される。
【0017】
オプションとして、各前記接地端子は、
前記プラグ本体に設置された共通接地構造と、
前記イヤホンプラグが前記イヤホンジャックに挿入される際に、前記共通接地エリアに接触される頭部と、
前記共通接地構造と頭部との間に設置された弾性機構と
を含む。
【0018】
オプションとして、前記プラグ本体の内部には、軸方向の収納空間が形成され、且つ、前記共通接地構造は当該軸方向の収納空間内に位置し、前記プラグ本体には、前記軸方向の収納空間と連通される複数の径方向の開放孔が、さらに、設けられ、且つ、前記接地端子は一対一に対応するように当該複数の径方向の開放孔内に位置する。
【0019】
オプションとして、前記接地端子の頭部は球状の金属構造である。
【0020】
本発明の実施例に係る第3の態様によると、イヤホンソケットを提供する。
【0021】
前記イヤホンソケットは、
上記のいずれかの実施例のイヤホンプラグとマッチングするイヤホンソケットであって、
内部にイヤホンジャックが形成されたソケット本体と、
前記イヤホンジャックの内壁に設置され、前記イヤホンプラグが前記イヤホンジャックに挿入される際に、前記イヤホンプラグの接地部の複数の接地端子に接触される共通接地エリアと
を含む。
【0022】
オプションとして、前記共通接地エリアは環状金属構造である。
【0023】
本発明の実施例に係る第4の態様によると、イヤホンを提供する。
【0024】
前記イヤホンは、
上記のいずれかの実施例のイヤホンプラグを含む。
【0025】
本発明の実施例に係る第5の態様によると、電子デバイスを提供する。
【0026】
前記電子デバイスは、
上記のいずれかの実施例のイヤホンソケットを含む。
【0027】
本発明の実施例によって提供される構成の有益な効果は以下のとおりである。
【0028】
本発明によると、複数の接地端子をイヤホンプラグの接地部に接触させて、イヤホンプラグとイヤホンソケットとの間の接地端の接触面積を増加させる。これにより、イヤホンプラグとイヤホンソケットとの間の接触インピーダンスを減少させ、また、これにより、スマート端末などの設備のメインボード側によるイヤホンのクロストークを減少させた。
【0029】
以上の統括な記述と以下の細部記述は、ただ例示的なものであり、本発明を制限するものではないと、理解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
以下の図面は、明細書の一部分として明細書全体を構成することにより、本発明に合致する実施例を例示するとともに、本発明の原理を解釈するためのものである。
【0031】
【
図1】イヤホンを電子デバイスに接続させる際に形成されたインピーダンスを示す模式図である。
【0032】
【
図2】従来技術でのイヤホンプラグとイヤホンソケットとを接続させる際の軸方向の断面模式図である。
【0033】
【
図3】例示的な実施例に係るイヤホンプラグとイヤホンソケットとを接続させる際の軸方向の断面模式図である。
【0034】
【
図4】例示的な実施例に係るイヤホンプラグとイヤホンソケットとを接続させる際の軸方向の断面模式図である。
【0035】
【
図5】例示的な実施例に係るイヤホンプラグとイヤホンソケットとを接続させる際の径方向の断面模式図である。
【0036】
【
図6】他の例示的な実施例に係るイヤホンプラグとイヤホンソケットとを接続させる際の軸方向の断面模式図である。
【0037】
【
図7】他の例示的な実施例に係るイヤホンプラグとイヤホンソケットとを接続させる際の軸方向の断面模式図である。
【0038】
【
図8】例示的な実施例に係るイヤホンプラグの立体の構造模式図である。
【0039】
【
図9】例示的な実施例に係る接地端子の断面模式図である。
【0040】
【
図10】他の例示的な実施例に係るイヤホンプラグとイヤホンソケットとを接続させる際の径方向の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
ここで、例示的な実施例を詳細に説明する。また、説明中の例は、図面に示している。以下の記述において、図面を説明する際に特に説明しない場合、異なる図面中の同一の符号は、同一或は同様な要素を意味する。以下の例示的な実施例において記述する実施方法は、本発明に合致するすべての実施方法を代表しない。逆に、それらは、添付の特許請求の範囲において詳細に記述された、本発明のいくつかの態様と合致する装置、及び方法の例に過ぎない。
【0042】
図1は、イヤホンを電子デバイスに接続させる際に形成されるインピーダンスの模式図である。
図1に示したように、R
l_Trace、R
g_Trace及びR
r_Traceは、電子デバイス内部の配線による回線インピーダンスであり、R
l_Conduct、R
g_Conduct及びR
r_Conductは、イヤホンソケットとイヤホンプラグとの間で発生する接触インピーダンスであり、R
l1とR
l2、R
r1とR
r2は、それぞれ左右チャンネル配線によるインピーダンスであり、R
leftとR
rightは、左右チャンネルのインピーダンスである。上記インピーダンスの中で、実際にイヤホンのクロストークを発生させるインピーダンスは、R
g_TranceとR
g_Conductであり、これらに対応して生じたイヤホンのクロストークは、下記の式(1)の演算により得られる。
【0044】
式(1)にから分かるように、R
g_TraceとR
g_Conductをなるべく減少することにより、イヤホンのクロストークを減少することができる。そのうち、R
g_Traceは、電子デバイス内部のトレースによるインピーダンスであり、トレースの長さを短縮し、トレースの面積を増大し、フィードバック信号を導入する方法によって、当該インピーダンスによるイヤホンのクロストークを降下することができる。しかしながら、従来技術において、既に合理的な配線方法によって、R
g_Traceを、既にmΩのレベルまで降下させることができて、さらに、最適化できる空間がもう非常に少なくなった。しかしながら、従来技術においては、R
g_Conductに対する最適化処理に対しては記載されていない。
【0045】
R
g_Conductは、イヤホンプラグとイヤホンソケットとを実際に結合させる際に生じる接触インピーダンスであり、例えば、
図2に示した従来技術でのイヤホンプラグとイヤホンソケットとを接続させる際の軸方向の断面模式図において、スプリングは、イヤホンソケット内のイヤホンジャックに設置され、イヤホンプラグを当該イヤホンジャックに挿入させた後に、当該スプリングはイヤホンプラグにおけるGND端に接触することになり、該当するインピーダンスR
g_Conductが発生する。
【0046】
従って、本発明の構成によると、新しいイヤホンソケット、イヤホンプラグ、イヤホン及び電子デバイスの構造を提供することにより、上記インピーダンスR
g_Conductを降下する。実施例によって、本発明の構成をさらに詳しく説明する。
【0048】
一実施例において、本発明は、イヤホンソケットに対する改進を提供する。
図3は、例示的な実施例に係るイヤホンプラグとイヤホンソケットとを接続させる際の軸方向の断面模式図である。
図3に示したように、イヤホンソケット1は、内部においてイヤホンジャック111が形成されたソケット本体11と、前記イヤホンジャック111内に設置され、イヤホンプラグ2が前記イヤホンジャック111に挿入される際に、いずれも、前記イヤホンプラグ2における接地部20に接触する複数の接地端子12と、を含む。
【0049】
本実施例において、接地部20は、イヤホンプラグ2におけるGND端であり(
図2)、接地端子12は、接地部20と接触する際に、上記インピーダンスR
g_Conductを生じる。そのうち、
図2に示した従来技術においては、スプリング(1つの接地端子に相当)とGND端との接触さえ確保して接地を実現すればよい。しかしながら、本発明の上記の技術案において、複数の接地端子12を設置して、同時に接地部20と接触させることにより、これに対応する接触面積を従来技術の数倍に増加させるこれにより、発生する接触インピーダンスR
g_Conductを、
図2に示した場合の1/N(Nは接地端子12の数量である)までに減少させる。
【0050】
図3に示した複数の接地端子12を採用した実施例に対し、式(1)により対応する接触インピーダンスを計算することができる。ここで、イヤホンの左右チャンネルのインピーダンスは、一般的に、互いに等しいインピーダンス値であり、即ち、R
left=R
right=R、且つ、合理な配線方法によりR
g_Traceを無視できるほど僅かな大きさまでに下げることができるため、式(1)を、以下のように簡略化できる。
【0052】
さらに、R>>R
g_Conduct(RはR
g_Conductより遥かに大きい)、上記の式はさらに以下のように簡略化できる。
【0054】
例えば、接地端子12の数が8である場合に、イヤホンのクロストークを
【数4】
まで降下させることができ、ユーザの音質に対する高い要求を満たすことができる。
【0055】
以下の二つの部分を、説明する必要がある。
【0057】
図2に示したイヤホンプラグの構造において、イヤホンプラグは、左チャンネル信号に対応する第1の部分、右チャンネル信号に対応する第2の部分、GND信号に対応する第3の部分、MIC(Microphone、マイクロフォン)信号に対応する第4の部分を、順に、備える。しかしながら、これは、イヤホンプラグの構造の一つに過ぎず、例えば、他の1つのイヤホンプラグの構造において、GND信号に対応する第3の部分とMIC信号に対応する第4の部分だけを備えるか、または、左チャンネル信号に対応する第1の部分、右チャンネル信号に対応する第2の部分、及び、GND信号に対応する第3の部分とだけを備えてもよい。
【0058】
実際に、本発明においては、ただ、
図2に示したイヤホンプラグ構造を例として説明しただけであり、イヤホンプラグのタイプに対して制限しない。当業者は、本発明の構成が、すべての構造のイヤホンプラグに適用でき、いずれもイヤホンソケットにおいて複数の接地端子12を採用することができ、イヤホンプラグとの接触面積を増加することにより、対応する接触インピーダンスを減少し、且つ、最終的にイヤホンのクロストークを減少して、より優れる音質を実現できることを理解すべきである。
【0062】
図4に示したように、イヤホンプラグ2をイヤホンジャック111に挿入させた後に、複数の接地端子12はそれぞれイヤホンプラグ2の接地部20と接触し、そのうち、イヤホンの各接地端子12は、前記イヤホンジャック111の内壁に設置された共通接地構造121と、前記イヤホンプラグ2が前記イヤホンジャック111に挿入される際に前記イヤホンプラグ2と接触できる頭部122と、共通接地構造121と頭部122との間に設置された弾性機構123と、を含んでもよい。そのうち、接地端子12の頭部122は、球状の金属構造でもよく、これにより信頼性の高い接触を実現する。
【0063】
図2に示したスプリング構造と比べると分かるように、スプリング構造は、ただ、自分の機械的な変形だけにより弾力を生じ、この弾力は微弱である。これに対し、
図4に示した接地端子12において、独立な弾性機構123(例えば、ばねなどの構造)によりもっと大きい圧力を提供することができ、接地端子12の頭部をより大きい圧力によってイヤホンプラグ2の接地部と接触させるこれにより、生じる接触インピーダンスをさらに降下させることに資し、イヤホンのクロストークを減少する。
【0064】
接地部20は、イヤホンプラグ2における短い部分であるため、すべての接地端子12をいずれも接地部20に精度よく接触させることを確保するために、複数の接地端子12が前記イヤホンプラグ1の挿入方向において、前記イヤホンジャック111の端部(入口または底面、未図示)との距離を同じようにさせてもよい。
【0065】
図5は、イヤホンプラグ2をイヤホンジャック111に挿入させた際に、複数の接地端子12と接地部20の協力を示した径方向の断面模式図である。
図5に示したように、共通接地構造121は、イヤホンジャック111の内壁に設置された環状の金属構造であってもよく、当該共通接地構造121の内側は、弾性構造123と接続し、当該共通接地構造121の外側は、電子デバイスのメインボード(未図示)と接続する。
【0066】
また、すべての接地端子12は、イヤホンジャック111の周方向に沿って均等に配置することができ、これにより、イヤホンプラグ2に対する「包囲」を形成し、すべての接地端子12が接地部20と接触でき、且つ、接触圧力は同一であることを確保する。
【0068】
当業者は、本発明は接地端子12の構造に対して制限することではなく、例えば、
図4に示した構造に加え、従来技術における弾性シート状構造(即ち、
図2に示したスプリング)を採用することもできることを理解すべきである。
【0069】
図6に示したように、一つの例示的な実施例において、イヤホンジャック111の内壁に複数の弾性シート状構造の接地端子12を設置することにより、イヤホンプラグ2をイヤホンジャック111に挿入させる際に、複数の接地端子12は
図7に示したように、同時に自分の機械的変形によって生じた弾力によって、イヤホンプラグ2における接地部20を接触させる。これにより、増加された接触面積によって、対応する接触インピーダンスを降下し、当該接触インピーダンスにより生じたイヤホンのクロストークを減少する。
【0070】
2、イヤホンプラグとイヤホンソケット
【0072】
一実施例において、本発明はイヤホンプラグ及びイヤホンソケットに対する同時な改進を提供した。従って、
図8は例示的な実施例に係るイヤホンプラグの立体な構造模式図である。
図8に示したように、当該イヤホンプラグ3は、プラグ本体31と、前記プラグ本体31の接地部30に設置され、前記プラグ本体31がイヤホンジャック(未図示)に挿入される際に、前記イヤホンジャックの内壁における共通接地エリアに接触される複数の接地端子32と、を含んでもよい。
【0073】
上記実施例において、イヤホンプラグ3のプラグ本体31に複数の接地端子32を設置することにより、複数の接地端子32を同時にイヤホンジャックの共通接地エリアと接触させて、イヤホンプラグ3のGND端とイヤホンジャックの共通接地エリアとの間の接触面積を増大することにより、これに対応する接触インピーダンスを降下し、当該接触インピーダンスにより生じるイヤホンのクロストークを減少する。
【0074】
イヤホンプラグ3をイヤホンジャックに挿入させた後に、イヤホンプラグ3とイヤホンソケットとの間において複数の信号の伝送を実現する必要があるから、共通接地エリアの面積が有限であり、前記イヤホンプラグ3の挿入方向において、複数の接地端子32それぞれと、前記イヤホンプラグ3の端部との距離を同一にすることにより、すべての接地端子32をいずれも共通接地エリアと精度よく接触させることを確保する。
【0075】
図9は、例示的な実施例に係る接地端子の断面模式図であり、
図9に示したように、各接地端子32は、前記プラグ本体31に設置された共通接地構造321と、前記イヤホンプラグ3が前記イヤホンジャックに挿入される際に、前記共通接地エリアと接触できる頭部322と、共通接地構造321と頭部322との間に設置された弾性機構323と、を含んでもよい。そのうち、接地端子32の頭部322は球状の金属構造でもよく、これにより信頼性の高い接触を実現する。もちろん、他の構造を採用してもよい。
【0076】
当該実施例において、
図4に示した接地端子12と類似する。即ち、独立な弾性機構323(例えば、ばねなど)を採用することにより、接地端子32により大きい接触圧力を提供するようにして、接触インピーダンスを降下し、イヤホンのクロストークを減少することに資する。
【0077】
図10に示したように、プラグ本体31の内部において軸方向の収納空間が形成され、且つ、前記共通接地構造321は当該軸方向の収納空間(非図示)内に位置する。また、前記プラグ本体31において、前記軸方向の収納空間と連通される複数の径方向の開放孔(非図示)が設置され、且つ、前記接地端子32は、1対1対応で当該複数の径方向の開放孔内に位置する。
【0078】
そのうち、
図10から分かるように、イヤホンプラグ3をイヤホンソケット4内に形成されたイヤホンジャック41に挿入させる際に、イヤホンプラグ3における複数の接地端子32を、いずれも、イヤホンジャック41の内壁における共通接地エリア40と接触させることにより、接触面積を増加し、接触インピーダンスを降下する。
【0079】
また、すべての接地端子32は、イヤホンプラグ3の周方向に沿って均等に配置させてもよく、これにより、イヤホンプラグ3をイヤホンジャック41に挿入させる際に、共通接地エリア40は、すべての接地端子32に対する「包囲」を形成し、すべての接地端子32が共通接地エリア40と接触でき、且つ、接触圧力が等しくすることを確保する。
【0081】
図10に示したように、上記(1)のイヤホンプラグ3の構造に対応し、本発明は当該イヤホンプラグ3の構造とマッチングするイヤホンソケット4を提供し、当該イヤホンソケット4は、内部においてイヤホンジャック41が形成されたソケット本体(未図示)と、前記イヤホンジャック41の内壁に設置され、前記イヤホンプラグ3(
図8に示したように)が前記イヤホンジャック41に挿入される際に、前記イヤホンプラグ3における接地部30の複数の接地端子32と接触する共通接地エリア40と、を含む。
【0082】
オプションとして、共通接地エリア40は環状の金属構造であってもよい。
【0083】
本発明の構成に基づき、これ対応するイヤホンも提供し、上記のいずれかの実施例のイヤホンプラグを含んでもよい。
【0084】
本発明の構成に基づき、さらにこれに対応する電子デバイスも提供し、上記のいずれかの実施例のイヤホンソケットを含んでもよく、例えば、当該電子デバイスは、スマートフォン、音楽プレーヤー、タブレットPC、等であってもよい。
【0085】
当業者は、明細書を検討して本発明を実施した後、本発明の他の実施例を容易に考え出すことができる。本願は、本発明のいずれの変形、用途、又は適応的な変更をカバーすることを意図しており、これらの変形、用途、又は適応的な変更は、本発明の一般的な原理に従い、また、本発明は公開していない当該技術分野の公知の知識又は通常の技術手段を含む。明細書と実施例はただ例示として考慮され、本発明の本当の範囲と趣旨は以下の特許請求の範囲に記載される。
【0086】
本発明は上記に記述され、また図面で示した厳密な構成に限定されず、その範囲を逸脱しない限り多様な置換えと変更を行うことができると、理解されるべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲のみにより限定される。