特許第6262382号(P6262382)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262382
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】シーラー塗布装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 11/10 20060101AFI20180104BHJP
【FI】
   B05C11/10
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-35968(P2017-35968)
(22)【出願日】2017年2月28日
(62)【分割の表示】特願2013-138952(P2013-138952)の分割
【原出願日】2013年7月2日
(65)【公開番号】特開2017-121629(P2017-121629A)
(43)【公開日】2017年7月13日
【審査請求日】2017年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】590000721
【氏名又は名称】株式会社キーレックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山根 稔正
(72)【発明者】
【氏名】山根 義昭
【審査官】 鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−334478(JP,A)
【文献】 特開平11−119232(JP,A)
【文献】 特開2003−254719(JP,A)
【文献】 特開2011−212526(JP,A)
【文献】 特開2001−209810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 7/00−21/00
B05D 1/00− 7/26
G01B 11/00−11/30
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの被塗布面にシーラーを連続塗布する塗布手段と、
該塗布手段に接続され、上記シーラーの塗布量を制御する制御手段と、
上記被塗布面に塗布されたシーラーを撮影するカメラと、
該カメラのシーラー塗布方向と交差する側方に配置され、上記被塗布面に塗布されたシーラー表面に斜めから光を照射して上記シーラーの頂部近傍におけるシーラー塗布方向に明暗境界ラインを発生させる光源とを備え、
上記制御手段は、上記カメラの撮影画像における端部の所定位置Pからシーラー塗布方向と交差する方向に連続する各画素の色強度を順に調べ、隣り合う色強度が設定値X以上変化する画素を上記被塗布面に塗布されたシーラーと上記被塗布面との境界の位置に対応する境界画素として2箇所抽出するとともに、両境界画素間の各画素において隣り合う色強度が設定値X以上変化する画素を明暗境界ライン画素として抽出する境界抽出部と、
上記境界画素間の画素数からシーラー塗布幅wを演算するとともに、上記一方の境界画素と上記明暗境界ライン画素との間の画素数から距離sを演算する演算部と、
上記シーラー塗布幅wの上限値Wmax及び下限値Wminを記憶し、且つ、予め取得しておいたシーラーの塗布量を変更した際の上記距離sとシーラーの頂部までのシーラー塗布高さhとの相関データを記憶するとともに、該シーラー塗布高さhの上限値Hmax及び下限値Hminとを記憶する記憶部と、
上記シーラー塗布幅wがWmin≦w≦Wmaxであるか否かを判定するとともに、上記シーラー塗布高さhがHmin≦h≦Hmaxであるか否かを判定する判定部とを備え、
上記制御手段は、上記シーラー塗布幅wがWmin≦w≦Wmaxで、且つ、上記シーラー塗布高さhがHmin≦h≦Hmaxである場合、上記塗布手段による塗布作業を継続させる一方、上記シーラー塗布幅wがWmin≦w≦Wmaxでない場合、又は、上記シーラー塗布高さhがHmin≦h≦Hmaxでない場合、上記塗布手段による塗布作業を停止させることを特徴とするシーラー塗布装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシーラー塗布装置において、
上記記憶部は、上記シーラー塗布高さhの基準値H、補正開始上限値H及び補正開始下限値H(Hmin<H<H<H<Hmax)を記憶し、
上記演算部は、上記被塗布面に塗布されたシーラーの複数箇所で距離sを演算し、演算した各距離sに対応する各シーラー塗布高さhから予測式y=f(t)(t=時間,yはシーラー塗布高さ)を導き出し、
上記制御手段は、上記予測式yによって所定時間T後のシーラー塗布高さh=f(T)がh<H,H<hになると予測された際、H=f(T)となるよう上記塗布手段による塗布量を制御することを特徴とするシーラー塗布装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシーラー塗布装置において、
上記記憶部は、上記シーラー塗布幅wの基準値W、補正開始上限値Wα及び補正開始下限値Wβ(Wmin<Wβ<W<Wα<Wmax)を記憶し、
上記演算部は、上記被塗布面に塗布されたシーラーの複数箇所でシーラー塗布幅wを演算し、演算した各シーラー塗布幅wから予測式y=g(t)(t=時間,yはシーラー塗布幅)を導き出し、
上記制御手段は、上記予測式yによって所定時間T後のシーラー塗布幅w=g(T)がw<Wβ,Wα<wになると予測された際、W=g(T)となるよう上記塗布手段による塗布量を制御することを特徴とするシーラー塗布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの被塗布面にシーラーを連続塗布するシーラー塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車ボディには、防水性を確保するためにシーラーを塗布する箇所が多数あり、当該箇所のシーラー塗布は、一般的に、シーラー塗布装置を用いて行われる。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されているシーラー塗布装置は、ワークの被塗布面にシーラーを連続塗布する塗布手段と、上記シーラーが塗布された被塗布面に対してレーザスリット光を照射するレーザ投光機と、上記被塗布面に塗布されたシーラーに上記レーザ投光機の照射により発生した照射ラインを上記レーザ投光機の照射軸に対して傾斜する角度から撮影するカメラと、上記撮影画像の照射ラインからシーラー塗布幅を演算するとともに、演算したシーラー塗布幅が基準値から外れているか否かを判定する判定手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−167620号公報(段落0013〜0016欄、図1,4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、上記被塗布面に塗布されたシーラーの検査箇所毎にレーザスリット光を照射してカメラで撮影する必要があり検査が煩雑である。また、被塗布面に塗布されたシーラーを検査するために、カメラだけでなくレーザ投光機も必要とするので設備コストが嵩んでしまう。さらに、レーザ投光機の照射軸に対して撮影方向が傾斜するようカメラを配置する必要があり、設備構成が複雑になってしまう。
【0006】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ワークの被塗布面に塗布されたシーラーの状態を簡単に検査できる低コストでシンプルな構成のシーラー塗布装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、レーザ投光機を用いずにワークの被塗布面に塗布されたシーラーをカメラで撮影し、当該撮影画像からシーラー塗布幅が基準値から外れているか否かを判定するようにしたことを特徴とする。
【0008】
すなわち、第1の発明では、ワークの被塗布面にシーラーを連続塗布する塗布手段と、該塗布手段に接続され、上記シーラーの塗布量を制御する制御手段と、上記被塗布面に塗布されたシーラーを撮影するカメラと、該カメラのシーラー塗布方向と交差する側方に配置され、上記被塗布面に塗布されたシーラー表面に斜めから光を照射して上記シーラーの頂部近傍におけるシーラー塗布方向に明暗境界ラインを発生させる光源とを備え、上記制御手段は、上記カメラの撮影画像における端部の所定位置Pからシーラー塗布方向と交差する方向に連続する各画素の色強度を順に調べ、隣り合う色強度が設定値X以上変化する画素を上記被塗布面に塗布されたシーラーと上記被塗布面との境界の位置に対応する境界画素として2箇所抽出するとともに、両境界画素間の各画素において隣り合う色強度が設定値X以上変化する画素を明暗境界ライン画素として抽出する境界抽出部と、上記境界画素間の画素数からシーラー塗布幅wを演算するとともに、上記一方の境界画素と上記明暗境界ライン画素との間の画素数から距離sを演算する演算部と、上記シーラー塗布幅wの上限値Wmax及び下限値Wminを記憶し、且つ、予め取得しておいたシーラーの塗布量を変更した際の上記距離sとシーラーの頂部までのシーラー塗布高さhとの相関データを記憶するとともに、該シーラー塗布高さhの上限値Hmax及び下限値Hminとを記憶する記憶部と、上記シーラー塗布幅wがWmin≦w≦Wmaxであるか否かを判定するとともに、上記シーラー塗布高さhがHmin≦h≦Hmaxであるか否かを判定する判定部とを備え、上記制御手段は、上記シーラー塗布幅wがWmin≦w≦Wmaxで、且つ、上記シーラー塗布高さhがHmin≦h≦Hmaxである場合、上記塗布手段による塗布作業を継続させる一方、上記シーラー塗布幅wがWmin≦w≦Wmaxでない場合、又は、上記シーラー塗布高さhがHmin≦h≦Hmaxでない場合、上記塗布手段による塗布作業を停止させることを特徴とする。
【0009】
第2の発明では、第1の発明において、上記記憶部は、上記シーラー塗布高さhの基準値H、補正開始上限値H及び補正開始下限値H(Hmin<H<H<H<Hmax)を記憶し、上記演算部は、上記被塗布面に塗布されたシーラーの複数箇所で距離sを演算し、演算した各距離sに対応する各シーラー塗布高さhから予測式y=f(t)(t=時間,yはシーラー塗布高さ)を導き出し、上記制御手段は、上記予測式yによって所定時間T後のシーラー塗布高さh=f(T)がh<H,H<hになると予測された際、H=f(T)となるよう上記塗布手段による塗布量を制御することを特徴とする。
【0010】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、上記記憶部は、上記シーラー塗布幅wの基準値W、補正開始上限値Wα及び補正開始下限値Wβ(Wmin<Wβ<W<Wα<Wmax)を記憶し、上記演算部は、上記被塗布面に塗布されたシーラーの複数箇所でシーラー塗布幅wを演算し、演算した各シーラー塗布幅wから予測式y=g(t)(t=時間,yはシーラー塗布幅)を導き出し、上記制御手段は、上記予測式yによって所定時間T後のシーラー塗布幅w=g(T)がw<Wβ,Wα<wになると予測された際、W=g(T)となるよう上記塗布手段による塗布量を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1の発明では、被塗布面に塗布されたシーラーに特許文献1の如きレーザスリット光を照射せずに撮影した画像において任意の位置でシーラー塗布幅を演算することができるので、被塗布面に塗布されたシーラーの状態を簡単に検査することができる。しかも、特許文献1の如きレーザ投光機が必要ないので、設備コストを抑えることができるとともに、カメラの配置の自由度が高まる。
【0012】
また、カメラによる1枚の撮影画像からシーラー塗布幅だけでなくシーラー塗布高さが分かるので、当該シーラー塗布高さとシーラー塗布幅とで被塗布面に塗布されたシーラーのおよその断面形状を推定することができ、ワークに対するシーラーの塗布量が正しい量であるか否かを正確に判断することができる。
【0013】
第2の発明では、ワークの被塗布面にシーラーを連続塗布する際、シーラー塗布高さが当該シーラー塗布高さの基準値に近づくよう塗布手段によるシーラーの塗布量が変化するので、被塗布面に塗布されたシーラーの塗布高さを常に下限値Hminと上限値Hmaxとの間に維持させることができる。
【0014】
第3の発明では、ワークの被塗布面にシーラーを連続塗布する際、シーラー塗布幅が当該シーラー塗布幅の基準値に近づくよう塗布手段によるシーラーの塗布量が変化するので、被塗布面に塗布されたシーラーの塗布幅を常に下限値Wminと上限値Wmaxとの間に維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態1に係るシーラー塗布装置の概略正面図である。
図2図1のA−A線における断面図である。
図3】プレス部品にシーラーを連続塗布した状態を示す図である。
図4図3のB部を拡大して各画素を誇張した概略図であり、端部画素、境界画素及び明暗境界ライン画素を順に抽出する流れを示す。
図5】横軸を時間、縦軸をシーラー塗布高さとしたグラフである。
図6】横軸を時間、縦軸をシーラー塗布幅としたグラフである。
図7】本発明の実施形態2に係る図4相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
《発明の実施形態1》
図1及び図2は、本発明のシーラー塗布装置1を示す。該シーラー塗布装置1は、プレス部品F(ワーク)を組み立てる際に、上記プレス部品Fにおけるフランジ部F1の被塗布面F2にシーラーCを連続塗布するものであり、上記プレス部品Fは、汎用ロボット11のアーム部11a先端に把持されて被塗布面F2が上向く姿勢となっている。
【0017】
上記シーラー塗布装置1は、シーラーCを吐出するシーラー吐出機2を備え、該シーラー吐出機2は、ノズル開口が斜め下方を向く姿勢の吐出ノズル20を有している。
【0018】
上記シーラー吐出機2は、上記汎用ロボット11とで塗布手段10を構成していて、上記汎用ロボット11が上記プレス部品Fを水平方向に移動させながら上記吐出ノズル20がシーラーCを上記プレス部品Fに対して吐出することで被塗布面F2にシーラーCがZ方向に向かって連続塗布されるようになっている。
【0019】
上記吐出ノズル20の側方には、撮影レンズが真下に向くCCDカメラ3が配置され、該CCDカメラ3は、上記被塗布面F2に塗布されたシーラーCをシーラー塗布方向(Z方向)に沿って連続撮影するようになっている。
【0020】
上記CCDカメラ3のシーラー塗布方向と交差する側方には、LED光源4が上記CCDカメラ3を挟んで一対配置され、上記LED光源4は、上記被塗布面F2に塗布されたシーラーC表面に斜め上方から光を照射して上記シーラーCの頂部近傍におけるシーラー塗布方向に明暗境界ライン9を一対発生させるようになっている。尚、フランジ部F1の端部側の明暗境界ラインを明暗境界ライン9Aと、フランジ部F1の反端部側の明暗境界ラインを明暗境界ライン9Bと呼ぶ。
【0021】
上記シーラー吐出機2、CCDカメラ3、各LED光源4及び汎用ロボット11には、制御部5(制御手段)が接続されている。
【0022】
該制御部5は、上記シーラー吐出機2に吐出信号を出力して上記吐出ノズル20から吐出するシーラーCの吐出量を制御し、且つ、上記汎用ロボット11に移動信号を出力して上記吐出ノズル20に対する上記プレス部品Fの移動速度を制御することで上記シーラーCの塗布量を制御するようになっている。
【0023】
また、上記制御部5は、図3及び図4に示すように、上記CCDカメラ3で撮影されたプレス部品Fの撮影画像Wを取り込み、当該撮影画像Wに基づいて上記被塗布面F2に塗布されたシーラーCの塗布状態を検査するようになっている。
【0024】
上記制御部5は、上記CCDカメラ3の撮影画像Wにおける端部の所定位置P1からシーラー塗布方向と交差する方向(V方向)に連続する各画素の色強度(R値+B値+G値)を順に調べ、隣り合う色強度が設定値X以上変化する画素を上記被塗布面F2に塗布されたシーラーCと上記被塗布面F2との境界の位置に対応する境界画素6として2箇所抽出する境界抽出部5aを有している。尚、フランジ部F1の端部側の境界画素を境界画素6Aと、フランジ部F1の反端部側の境界画素を境界画素6Bと呼ぶ。
【0025】
また、上記境界抽出部5aは、上記所定位置PからV方向に連続する各画素の色強度を調べる際、上記境界画素6間以外の各画素において隣り合う色強度が設定値X以上変化する画素を上記プレス部品Fにおけるフランジ部F1の端部に対応する端部画素7として抽出するようになっている。
【0026】
さらに、上記境界抽出部5aは、上記所定位置PからV方向に連続する各画素の色強度を調べる際、上記両境界画素6間の各画素において隣り合う色強度が設定値X以上変化する画素を上記各明暗境界ライン9に対応する明暗境界ライン画素8として抽出するようになっている。尚、フランジ部F1の端部側の明暗境界ライン画素を明暗境界ライン画素8Aと、フランジ部F1の反端部側の明暗境界ライン画素を明暗境界ライン画素8Bと呼ぶ。
【0027】
上記制御部5は、上記境界抽出部5aにより抽出された境界画素6A,6B間の画素数からシーラー塗布幅wを演算する演算部5bを有している。該演算部5bは、例えば、図4の場合、1画素の一辺が0.5mmとすると、境界画素6A,6B間の画素数は8つなので、シーラー塗布幅wは4mmと演算するようになっている。
【0028】
また、上記演算部5bは、上記境界抽出部5aにより抽出された境界画素6Aと端部画素7との間の画素数から塗布位置gを演算するようになっている。上記演算部5bは、例えば、図4の場合、1画素の一辺が0.5mmとすると、フランジ部F1の端部側の境界画素6と端部画素7との間の画素数は6つなので、塗布位置gは3mmと演算するようになっている。尚、上記塗布位置gは、境界画素6Bと端部画素7との間の画素数から演算するようにしてもよい。
【0029】
さらに、上記演算部5bは、上記境界画素6Aと上記明暗境界ライン画素8Aとの間の画素数から距離sを演算するようになっている。上記演算部5bは、例えば、図4の場合、1画素の一辺が0.5mmとすると、一方の境界画素6と一方の明暗境界ライン画素8との間の画素数は1つなので、距離sは0.5mmと演算するようになっている。尚、距離sは、境界画素6Bと明暗境界ライン画素8Bとの間の画素数から演算するようにしてもよい。
【0030】
それに加えて、上記演算部5bは、上記被塗布面F2に塗布されたシーラーCの複数箇所で距離sを演算し、図5に示すように、演算した各シーラー塗布高さhから予測式(回帰式)y=f(t)(t=時間,yはシーラー塗布高さ)を導き出すようになっている。
【0031】
そして、上記演算部5bは、図6に示すように、上記被塗布面F2に塗布されたシーラーCの複数箇所でシーラー塗布幅wを演算し、演算した各シーラー塗布幅wから予測式(回帰式)y=g(t)(t=時間,yはシーラー塗布幅)を導き出すようになっている。
【0032】
上記制御部5は、上記被塗布面F2に塗布されたシーラーCにおけるシーラー塗布幅wの上限値Wmax及び下限値Wminを記憶する記憶部5cを有している。
【0033】
該記憶部5cは、上記塗布位置gの上限値Gmax及び下限値Gminを記憶している。
【0034】
また、上記記憶部5cは、上記距離sに対応する上記被塗布面F2に塗布されたシーラーCの頂部までのシーラー塗布高さhと、該シーラー塗布高さhの上限値Hmax及び下限値Hminとを記憶している。
【0035】
さらに、上記記憶部5cは、シーラー塗布高さhの基準値H、補正開始上限値H及び補正開始下限値H(Hmin<H<H<H<Hmax)を記憶している。
【0036】
それに加えて、上記記憶部5cは、シーラー塗布幅wの基準値W、補正開始上限値Wα及び補正開始下限値Wβ(Wmin<Wβ<W<Wα<Wmax)を記憶している。
【0037】
上記制御部5は、上記演算部5bにより演算された上記シーラー塗布幅wがWmin≦w≦Wmaxであるか否かを判定する判定部5dを有している。
【0038】
該判定部5dは、上記演算部5bにより演算された上記塗布位置gがGmin≦g≦Gmaxであるか否かを判定するようになっている。
【0039】
また、上記判定部5dは、上記距離sに対応するシーラー塗布高さhがHmin≦h≦Hmaxであるか否かを判定するようになっている。
【0040】
そして、上記制御部5は、上記シーラー塗布幅wがWmin≦w≦Wmaxである場合、上記塗布手段10による塗布作業を継続させる一方、上記シーラー塗布幅wがWmin≦w≦Wmaxでない場合、上記塗布手段10による塗布作業を停止させるようになっている。
【0041】
また、上記制御部5は、上記塗布位置gがGmin≦g≦Gmaxである場合、上記塗布手段10による塗布作業を継続させる一方、上記塗布位置gがGmin≦g≦Gmaxでない場合、上記塗布手段10による塗布作業を停止させるようにも構成されている。
【0042】
さらに、上記制御部5は、上記シーラー塗布高さhがHmin≦h≦Hmaxである場合、上記塗布手段10による塗布作業を継続させる一方、上記シーラー塗布高さhがHmin≦h≦Hmaxでない場合、上記塗布手段10による塗布作業を停止させるようにも構成されている。
【0043】
それに加えて、上記制御部5は、図5に示すように、上記予測式yによって所定時間T後のシーラー塗布高さh=f(T)がh<H,H<hになると予測された際、H=f(T)となるよう上記塗布手段10による塗布量を制御するようになっている。
【0044】
そして、上記制御部5は、図6に示すように、上記予測式yによって所定時間T後のシーラー塗布幅w=g(T)がw<Wβ,Wα<wになると予測された際、W=g(T)となるよう上記塗布手段10による塗布量を制御するようになっている。
【0045】
次に、CCDカメラ3による撮影画像Wの処理方法について説明する。
【0046】
まず、制御部5は、図4に示すように、撮影画像Wにおける端部の所定位置P1からシーラー塗布方向と交差するV方向に連続する各画素の色強度を順に調べる。すると、フランジ部F1の端部に対応する位置の隣り合う画素間で色強度が設定値X以上変化するので、その画素を端部画素7として抽出する。
【0047】
次いで、上記端部画素7からさらにV方向に連続する各画素の色強度を順に調べる。すると、シーラーCとフランジ部F1における被塗布面F2との境界位置に対応する隣り合う画素間で色強度が設定値X以上変化するので、その画素を境界画素6Aとして抽出する。
【0048】
しかる後、上記境界画素6AからさらにV方向に連続する各画素の色強度を順に調べる。すると、上記明暗境界ライン9Aに対応する位置の隣り合う画素間で色強度が設定値X以上変化するので、その画素を明暗境界ライン画素8Aとして抽出する。
【0049】
その後、該明暗境界ライン画素8AからさらにV方向に連続する各画素の色強度を順に調べる。すると、上記明暗境界ライン9Bに対応する位置の隣り合う画素間で色強度が設定値X以上変化するので、その画素を明暗境界ライン画素8Bとして抽出する。
【0050】
そして、上記明暗境界ライン画素8BからさらにV方向に連続する各画素の色強度を順に調べる。すると、シーラーCとフランジ部F1における被塗布面F2との境界位置に対応する隣り合う画素間で色強度が設定値X以上変化するので、その画素を境界画素6Bとして抽出する。
【0051】
次に、上記制御部5の演算部5bは、抽出した境界画素6A,6B、端部画素7及び明暗境界ライン画素8A,8Bに基づいてシーラー塗布幅w、塗布位置g、距離s及びシーラー塗布高さhを演算する。
【0052】
しかる後、上記制御部5の判定部5dは、シーラー塗布幅w、塗布位置g、距離s及びシーラー塗布高さhがそれぞれ上限値と下限値との間に位置しているか否かを判定する。
【0053】
そして、上記制御部5は、上記シーラー塗布幅w、塗布位置g、距離s及びシーラー塗布高さhがそれぞれ上限値と下限値との間に位置する場合、塗布手段10による塗布作業を継続させ、記シーラー塗布幅w、塗布位置g、距離s及びシーラー塗布高さhが上限値と下限値との間に位置しない場合、塗布手段10による塗布作業を停止させる。
【0054】
塗布作業を継続させる場合、上述と同様にして、被塗布面F2に塗布されたシーラーCの他の箇所の検査を行う。すなわち、撮影画像Wにおける端部の任意の点P2、P3、・・・からV方向に連続する各画素の色強度を順に調べて上記被塗布面F2に塗布されたシーラーCのシーラー塗布幅w、塗布位置g、距離s及びシーラー塗布高さhが上限値と下限値との間に位置するか否かを検査する。
【0055】
また、被塗布面F2に塗布されたシーラーCの複数箇所においてシーラー塗布高さh及びシーラー塗布幅wが演算されると、上記演算部5bは、各シーラー塗布高さhから予測式y=f(t)(t=時間,yはシーラー塗布高さ)を導き出すとともに、各シーラー塗布幅wから予測式y=g(t)(t=時間,yはシーラー塗布幅)を導き出す。
【0056】
そして、制御部5は、図5に示すように、予測式y=f(t)に基づき、予め設定したT秒後のシーラー塗布高さh=f(T)を予測し、h<H,H<hになると予測された際、H=f(T)となるよう塗布手段10により塗布量を制御する。
【0057】
また、制御部5は、図6に示すように、予測式w=g(t)に基づき、予め設定したT秒後のシーラー塗布幅w=g(T)を予測し、w<Wβ,Wα<wになると予測された際、W=g(T)となるよう塗布手段10により塗布量を制御する。
【0058】
以上より、本発明の実施形態1によると、被塗布面F2に塗布されたシーラーCに特許文献1の如きレーザスリット光を照射せずに撮影し画像Wにおいて任意の位置でシーラー塗布幅wを演算することができるので、被塗布面F2に塗布されたシーラーCの状態を簡単に検査することができる。しかも、特許文献1の如きレーザ投光機が必要ないので、設備コストを抑えることができるとともに、CCDカメラ3の配置の自由度が高まる。
【0059】
また、CCDカメラ3による撮影画像Wからプレス部品Fの被塗布面F2に対するシーラーCの塗布位置を知ることができるので、正しい位置にシーラーCが塗布されているか否かを判断することができる。
【0060】
さらに、CCDカメラ3による1枚の撮影画像Wからシーラー塗布幅wだけでなくシーラー塗布高さhが分かるので、当該シーラー塗布高さhとシーラー塗布幅wとで被塗布面F2に塗布されたシーラーCのおよその断面形状を推定することができ、プレス部品Fに対するシーラーCの塗布量が正しい量であるか否かを正確に判断することができる。
【0061】
それに加えて、プレス部品Fの被塗布面F2にシーラーCを連続塗布する際、シーラー塗布高さhが当該シーラー塗布高さhの基準値Hに近づくよう塗布手段10によるシーラーCの塗布量が変化するので、被塗布面F2に塗布されたシーラーCの塗布高さhを常に下限値Hminと上限値Hmaxとの間に維持させることができる。
【0062】
そして、プレス部品Fの被塗布面F2にシーラーCを連続塗布する際、シーラー塗布幅wが当該シーラー塗布幅wの基準値Wに近づくよう塗布手段10によるシーラーCの塗布量が変化するので、被塗布面F2に塗布されたシーラーCの塗布幅wを常に下限値Wminと上限値Wmaxとの間に維持させることができる。
《発明の実施形態2》
図6は、本発明の実施形態2に係るシーラー塗布装置1のCCDカメラ3によってプレス部品Fの被塗布面F2を撮影した画像を示す。この実施形態2では、制御部5による撮影画像Wの処理方法が実施形態1と異なるだけでその他は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と異なる撮影画像Wの処理方法の部分のみを説明する。
【0063】
実施形態2の制御部5は、図6に示すように、明暗境界ライン画素8Aを抽出した後、設定画素数(図6では12画素数)だけV方向に離れた画素の色強度を調べる。尚、上記設定画素数は、次に色強度を調べる画素がシーラーCの塗布されていない被塗布面F2の箇所となるよう設定されている。
【0064】
その後、制御部5は、反V方向に連続する各画素の色強度を順に調べる。すると、シーラーCとフランジ部F1における被塗布面F2との境界位置に対応する隣り合う画素間で色強度が設定値X以上変化するので、その画素を境界画素6Bとして抽出する。
【0065】
しかる後、制御部5は、上記境界画素6Bからさらに反V方向に連続する画素の色強度を順に調べる。すると、上記明暗境界ライン9Bに対応する位置の隣り合う画素間で色強度が設定値X以上変化するので、その画素を明暗境界ライン画素8Bとして抽出する。
【0066】
以上より、本発明の実施形態2によると、被塗布面F2に塗布されたシーラーCの頂部近傍に照明等の反射によって光る箇所が発生したとしても、その光る箇所を避けて画像処理を行うことができ、制御部5による誤検出を回避することができる。
【0067】
尚、本発明の実施形態1,2では、吐出ノズル20が固定された状態でプレス部品Fを移動させることにより被塗布面F2にシーラーCを連続塗布しているが、プレス部品Fを固定した状態で吐出ノズル20を移動させることにより被塗布面F2にシーラーCを連続塗布してもよいし、吐出ノズル20及びプレス部品Fを同時に移動させて被塗布面F2にシーラーCを連続塗布するようにしてもよい。
【0068】
また、本発明の実施形態1,2では、シーラーCが塗布された被塗布面F2の撮影にCCDカメラ3を用いているが、CMOSカメラを用いて撮影してもよい。
【0069】
さらに、本発明の実施形態1,2では、被塗布面F2にシーラーCを塗布しながらCCDカメラ3でシーラーCを撮影しているが、被塗布面F2にシーラーCを塗布する工程と、被塗布面F2に塗布されたシーラーCをCCDカメラ3で撮影する工程とを分けてもよい。
【0070】
それに加えて、予測式y=f(t)及びy=g(t)は、各シーラー塗布高さh及び各シーラー塗布幅wのデータから直接導き出すのではなく、シーラーCをシーラー塗布方向において所定の区間毎に分け、その区間毎の各シーラー塗布高さh及び各シーラー塗布幅wをそれぞれ平均化し、該平均化したデータを用いて予測式y=f(t)及びy=g(t)を導き出してもよい。そうすると、シーラー吐出機2におけるポンプの脈動等により発生するシーラー塗布高さh及びシーラー塗布幅wの数値の小刻みな変動(ノイズデータ)を無視できるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、ワークの被塗布面にシーラーを連続塗布するシーラー塗布装置に適している。
【符号の説明】
【0072】
1 シーラー塗布装置
3 CCDカメラ
4 LED光源
5 制御部(制御手段)
5a 境界抽出部
5b 演算部
5c 記憶部
5d 判定部
6 境界画素
7 端部画素
8 明暗境界ライン画素
9 明暗境界ライン
10 塗布手段
C シーラー
F プレス部品(ワーク)
F2 被塗布面
W 撮影画像
w シーラー塗布幅
h シーラー塗布高さ
s 距離
g 塗布位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7