特許第6262392号(P6262392)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262392
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】LED照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20180104BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180104BHJP
【FI】
   F21S8/04 110
   F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-125878(P2017-125878)
(22)【出願日】2017年6月28日
(62)【分割の表示】特願2014-130465(P2014-130465)の分割
【原出願日】2013年11月12日
(65)【公開番号】特開2017-168459(P2017-168459A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2017年6月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078259
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 茂美
(72)【発明者】
【氏名】茂木 賢一
(72)【発明者】
【氏名】尾形 大輔
(72)【発明者】
【氏名】岸本 亮
(72)【発明者】
【氏名】奥村 明彦
【審査官】 丸山 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/161185(WO,A1)
【文献】 特開2012−243392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/00 − 8/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED素子が取り付けられたLEDユニット基板と、
前記LEDユニット基板を支持する基板支持部材と、
前記LED素子を覆う透光性カバーと、
を有するLEDランプ本体と、
前記LEDランプ本体を被取付部に取り付ける取付板と、
を備え、
前記取付板には前記取付板の前記LEDランプ本体側の面から起立した前記LEDランプ本体の装着面部が複数形成されており、
前記装着面部にはネジ穴が形成されており、
前記基板支持部材の一部にはダルマ状のネジ穴が形成されており、
前記ダルマ状のネジ穴を挿通して前記装着面部のネジ穴にネジを止着することにより、前記LEDランプ本体が前記取付板に取り付けられることを特徴とするLED照明装置。
【請求項2】
前記取付板には、外部電源電線が挿通する外部電源挿通孔が設けられ、かつ、被取付部に装着するための複数の長尺状ネジ穴が互いに長手方向の向きを変えて設けられていることを特徴とする請求項1に記載のLED照明装置。
【請求項3】
前記LED素子を点灯駆動する点灯回路の電子部品を絶縁する絶縁カバーをさらに備え、
前記基板支持部材は、前記絶縁カバーで覆われていることを特徴とする請求項1または2に記載のLED照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED素子を光源に使用したLED照明装置に関し、天井や壁面等の被取付部に直接取り付ける天井直付け型のLED照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境意識の高まりから、省電力化に優れたLED素子を光源に使用した、電源内蔵型の電球型LEDランプが普及してきた。更に最近は、天井埋め込み型のダウンライトや、天井直付け型のシーリングライトにおいても、LED素子を使用した照明装置が開発され、市場に導入されてきている。
【0003】
たとえば特許文献1にはLEDモジュールの収納ケースを直接天井にネジ止めで装着するLED照明装置が開示されている。また、特許文献2には天井材に埋め込まれた器具本体にLEDユニットのベースをネジで装着する照明器具や、天井材に吊り具を装着して照明器具を吊るす形態が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−119206号公報
【特許文献2】特開2012−182191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、LEDモジュールの収納ケースの上面部が天井面と接しているため、LEDモジュールの発熱を効率的に放熱することができないという問題があり、また、LED基板とLED電力供給基板が独立して配置されているため部品点数が多くなり組立作業も複雑になる等の問題がある。また特許文献2は、発光装置となる長方形基板の中央部にLEDチップを配置し、基板端部に電源線を接合する構成となっているが、このような構成では、LEDチップを点灯させるための点灯回路を構成する電子部品がLEDチップの周囲に雑然と配置されることになり、また、その配置スペースを確保するために基板を長さ方向又は幅方向に広げる必要があって、基板全体がサイズアップするという問題がある。しかも、特許文献2ではベース、ホルダー、内カバー等の部品点数が多くなるため組立作業も面倒でありコストも高くなること、天井面に器具本体を埋め込むために大きな穴を開けなければならず、その施工作業や器具本体への照明器具の取り付け作業が面倒であること、天井材に照明器具を吊り具で吊るす形式では、照明器具が不安定であるばかりでなく、吊り具の取り付け作業や、天井材から引き出された外部電源電線と照明器具との結線作業が面倒であること、等の問題がある。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するため提案されたものであり、天井面等の被取付部にあらたに穴あけ等の施工を加えることなく簡単な作業でLED照明装置を取り付けることができ、また部品点数を削減し、構成が簡単で安価に製造することができ、さらには外観性にも優れたLED照明装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係るLED照明装置にあっては、
LED素子が取り付けられたLEDユニット基板と、
前記LEDユニット基板を支持する基板支持部材と、
前記LED素子を覆う透光性カバーと、
を有するLEDランプ本体と、
前記LEDランプ本体を被取付部に取り付ける取付板と、
を備え、
前記取付板には前記取付板の前記LEDランプ本体側の面から起立した前記LEDランプ本体の装着面部が複数形成されており、
前記装着面部にはネジ穴が形成されており、
前記基板支持部材の一部にはダルマ状のネジ穴が形成されており、
前記ダルマ状のネジ穴を挿通して前記装着面部のネジ穴にネジを止着することにより、前記LEDランプ本体が前記取付板に取り付けられることを特徴とする。
【0008】
また本発明の一態様に係るLED照明装置にあっては、前記取付板には、外部電源電線が挿通する外部電源挿通孔が設けられ、かつ、被取付部に装着するための複数の長尺状ネジ穴が互いに長手方向の向きを変えて設けられていることを特徴とする。
【0009】
また本発明の一態様に係るLED照明装置にあっては、前記LED素子を点灯駆動する点灯回路の電子部品を絶縁する絶縁カバーをさらに備え、
前記基板支持部材は、前記絶縁カバーで覆われていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上述した本発明によれば、天井面等の被取付部にあらたに穴あけ等の施工を加えることなく簡単な作業でLED照明装置を取り付けることができ、また部品点数を削減し、構成が簡単で安価に製造することができ、さらには外観性にも優れたLED照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の本実施形態に係わるLED照明装置の分解斜視図。
図2】第1の本実施形態に係わるLEDランプ本体の筐体の斜視図。
図3】第1の本実施形態に係わるLEDランプ本体の透光性カバーの斜視図。
図4】第1の本実施形態に係わるLEDランプ本体のLEDユニット基板の斜視図。
図5】第1の本実施形態に係わるLEDランプ本体の絶縁カバーの斜視図。
図6】第1の本実施形態に係わるLEDランプ本体の基板支持部材の斜視図。
図7】第1の本実施形態に係わるLED照明装置の取付板の斜視図。
図8】第1の本実施形態に係わるLEDランプ本体の筐体と透光性カバーを取り外した状態の斜視図。
図9】第1の本実施形態に係わるLEDランプ本体の筐体を取り外した状態の斜視図。
図10】第1の本実施形態に係わるLEDランプ本体と取付板の取り付け状態を示す概略側面図。
図11】第1の本実施形態に係わるLEDランプ本体の筐体の概略側面図。
図12】第1の本実施形態に係わるLEDランプ装置の筐体を取り外した状態の全体斜視図。
図13】第2の実施形態に係わるLED照明装置の分解斜視図。
図14】(a)は第2の本実施形態に係わる筐体(LEDランプ本体)の表面側の斜視図、(b)は筐体の裏面側の斜視図。
図15】第2の実施形態に係わる電源部遮蔽部材の表面側の斜視図。
図16】第2の実施形態に係わる電源部遮蔽部材の裏面側の斜視図。
図17】第2の実施形態に係わる透光性カバーの下側から見た斜視図。
図18】第2の実施形態に係わるLEDランプ本体の筐体を取り外した状態の斜視図。
図19】第2の実施形態に係わるLEDランプ本体の透光性カバーを取り外した状態の斜視図。
図20】第2の実施形態に係わるLEDランプ本体の電源部遮蔽部材を取り外した状態の斜視図。
図21】第2の実施形態に係わるLEDランプ本体のLEDユニット基板を取り外した状態の斜視図。
図22】第2の実施形態に係わるLEDランプ本体の端子台の斜視図。
図23】第2の実施形態に係わる筐体を取り外した状態のLED照明装置の底面方向から見た斜視図。
図24】第2の実施形態に係わるLEDランプ本体のLEDユニット基板を取り外した状態の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお本実施形態は一例であり、これに限定されるものではない。
【0013】
(第1の実施形態)
本発明のLED照明装置は、図1に示すように、LEDランプ本体1と取付板2からなっている。LEDランプ本体1は、LED照射方向から見て、筐体10と、この中に収納される透光性カバー20と、LEDユニット基板30と、絶縁カバー40と、基板支持部材50と、端子台(電源端子台)60とから概略構成されている。
【0014】
前記筐体10は、図2に示すように下面部が開口し、上面部(照射方向)に透光性カバー20の露出孔10aが開口した偏平の略筒形状であり、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂で造られている。筒体10は、ここでは円筒体になっているが、楕円筒体、角筒体等、その形状は任意である。
【0015】
前記透光性カバー20は、図3に示すように、全体が略蝶形の上面有底筒体であり、中央円盤部20aと、その両側部に張り出した円弧枠部(張り出し部)20b、20cが一体成形されており、円弧枠部20b,20cが形成されていない部分に装着逃げ部20d,20eが形成されている。中央円盤部20aと円弧枠部20b,20cは同心円の湾曲体である。ここでは、一方の円弧枠部20cが他方の円弧枠部20bよりも長い円弧長となっている。透光性カバー20はポリカーボネート樹脂に光拡散剤等を添加して透明又は乳白色となっている。
【0016】
中央円盤部20aの装着逃げ部20d側における円弧枠部20bの端面部近くには、電源電線を係止する係止舌片20gが外側に突設されている。この係止舌片20gには係止孔20fが開口され、その一部に切欠部20hが形成されている。この係止舌片20gが設けられた近くの円弧枠部20bの端面部には、電源電線の挿通孔20jが開口されている。また、円弧枠部20b,20cの周方向端部には、後述する基板支持部材50に設けられた止めネジ50g(図8)が螺入されるネジ止着部20iが形成されている。ネジ止着部20iの裏面側には、図示しないが、ネジ穴が形成されている。ネジ止着部20iは、ここでは複数箇所に設けられている
【0017】
前記LEDユニット基板30は、図4に示すように、略蝶形の基板であり、中央円板部30aと、その両側部に張り出した円弧面部(張り出し面部)30b,30cが一体成形されている。中央円板部30aと円弧面部30b,30cは同心円の湾曲体である。ここでは、一方の円弧面部30cが他方の円弧面部30bよりも長い円弧長となっている。また、中央円板部30aと円弧面部30b,30cの間であって、円弧面部30b,30cが形成されていない切り欠き部分は、装着逃げ部30d,30eが形成されている。このLEDユニット基板30の中央円板部30aの下面部(照射面側)には、図8に示すように複数のLED素子30fがサークル状に実装され、円弧面部30b,30cにはLED素子30fを点灯駆動する点灯回路の電子部品(図示せず)が実装されている。この電子面部品は、円弧面部30b,30cにおけるLED素子30fと同一平面部に配置してもよく、その裏面部に配置してもよい。
【0018】
ここでは、LEDユニット基板30の中央円板部30aにLED素子30fを配置し、円弧面部30b,30cに電子部品を配置しているが、必要であれば、中央円板部30aに電子部品を配置し、円弧面部30b,30cにLED素子を配置してもよい。この場合は、これに対応して筐体10、透光性カバー20、LEDユニット基板30、絶縁カバー40、基板支持部材50の形状が変更される。
【0019】
前記電子部品は、過電流保護、ノイズカット、整流、平滑、調光制御などを行うための各種ダイオード、コンデンサー、IC、抵抗などの公知の電子部品である。
【0020】
上述のように、LEDユニット基板30は、一枚の基板にLED素子30fと、LED素子30fを点灯駆動する点灯回路の電子部品を実装したことにより、部品点数が削減される。また、LED素子30fと電子部品が一枚の基板に整然と区分されて配置されることになり、LEDランプ本体1の小型化を図ることができる。
【0021】
前記絶縁カバー40は、図5に示すように、前記LEDユニット基板30の形状に対応した略蝶形に形成されており、絶縁性樹脂により造られている。絶縁性カバー40は、中央円板部40aと、その両側に張り出した凹状の円弧枠部(張り出し部)40b,40cが一体成形され、これら円弧枠部40b,40cが形成されていない部分が装着逃げ部40d,40eとなっている。中央円板部40aと円弧枠部40b,40cは同心円の湾曲体である。ここでは、一方の円弧枠部40cが他方の円弧枠部40dよりも長い円弧長となっている。
【0022】
前記LEDユニット基板30を支持する基板支持部材50は、図6に示すように、略円板形状であり、金属板で成形加工されている。基板支持部材50は、中央円板面部50aの周方向両側部に下面部方向(照射方向と反対方向)に凹設された円弧枠部50b,50cが形成されており、これら円弧枠部50b,50cが形成されていない凸部分が前記取付板2との装着面部50d,50eとなっている。この装着面部50d,50eには略ダルマ状のネジ穴50fがそれぞれ開口されている。ここでは、一方の円弧枠部50cが他方の円弧枠部50bよりも長い円弧長となっている。また、基板支持部材50の装着面部50eには電源電線を挿通する切欠穴50h(図8)が形成されている。
【0023】
前記端子台60は、前記基板支持部材50の下面部にネジ等で装着されており、天井等の被取付部から引き出された外部電源電線(Fケーブル)の接続口が、後述する取付板2の外部電源電線挿通孔2cを向けて設けられている。図10及び図12にはこの端子台60が示されているが、ここでは外部電源電線との接続口は裏面側に設けられているため図示されていない。端子台60の表面側には、外部電源電線とLEDユニット基板30の電源部とを導通する電源電線の接続口60aが設けられている。
【0024】
接続口60aに接続された電源電線は、基板支持部材50の切欠穴50hを通し、図12に示すように、透光性カバー20の係止舌片20gの係止孔20fを通して挿通孔20jから透光性カバー20の内部に挿通することにより、LEDユニット基板30の電源部と結線される。係止孔20fには切欠部20hが形成されているので、組立順序に左右されずに電源電線を係止孔20fに通すことができる。これらの結線作業は、LEDランプ本体1の組立工程で行われる。なお、端子台60は公知のものが使用できる。
【0025】
前記取付板2は、図7に示すように、全体が横長の金属板であり、長さ方向両端縁部が筐体10の外径面に合わせた円弧状に形成されている。この取付板2の本体面部2aの長辺側の両端部には、L字状に起立したLEDランプ本体1の装着面部2bが一対形成されており、この装着面部2bにはネジ穴2fが開口されている。本体面部2aの中央部には、外部電源電線の挿通孔2cが開口されており、装着部2b近くには取付板2を天井等の被取付部に装着するための複数のネジ穴2dが互いに向きを変えて形成されている。また本体面部2aには、複数のビード2eが形成されている。なお、取付板2と被取付部との間にスポンジ等の弾性部材を介装させて密封することにより、LEDランプ本体1に粉塵、虫等が入り込まないようにし、被取付部の振動がLEDランプ本体1に伝わるのを防止することができる。
【0026】
上述したLEDランプ本体1は、図8に示すように、基板支持部材50の上面部に絶縁カバー40を介してLEDユニット基板30がネジ止め等により装着され一体化される。この状態で、基板支持部材50の凹状円弧枠部50b,50cに絶縁カバー40の凹状円弧枠部40b,40cが嵌挿され、LEDユニット基板30の中央円板部30aは、絶縁カバー40の中央円板部40aを介して基板支持部材50の中央円板面部50aに接することになる。また、LEDユニット基板30の円弧面部30b,30cは、基板支持部材50の凹状円弧枠部50b,50c及び絶縁カバー40の凹状円弧枠部40b,40cから離間した状態となる。
【0027】
そして、LEDユニット基板30の裏面部(照射面の反対面)に前記電子部品を実装した場合は、この離間した空間部にその電子部品が収容されることになり、LEDランプユニット基板30の表面部(照射面側)に電子部品を配置した場合は、その空間部が電子部品の放熱部となる。
【0028】
前記LEDユニット基板30の上方(照射斜面側)には、図9図12に示すように、前記透光性カバー20が被せられ、基板支持部材50の止めネジ50gを透光性カバー20のネジ止着部20iに螺入することにより、基板支持部材50と透光性カバー20を固定する。そして、この透光性カバー20に筐体10(図9図12では図示せず)が被せられる。この状態で、透光性カバー20の円弧枠部20b,20cが、対応するLEDユニット基板30の円弧面部30d,30eを覆い、図11に示すように、透光性カバー20の中央円盤部20aが筐体10の露出孔10aから膨出することになる。また、LEDユニット基板30の円弧面部30d,30eに実装された電子部品等が筐体10の上面部の縁面部(上面周面部10b、上端縁部10c)及び透光性カバー20の円弧枠部20b,20cで隠されることになる。なお、基板支持部材50と透光性カバー20の固定方法は、前述した構成に限定されるものではない。
【0029】
上述したLEDユニット基板30の形状は、電子部品の配置位置によっては、円弧面部30b,30cの大きさや形状を変えることができ、それに対応して、透光性カバー20の円弧枠部20c、絶縁カバー40の円弧枠部40b,40c、基板支持部材50の円弧枠部50b,50cの大きさや形状を変更することもできる。
【0030】
LEDランプ本体1を天井等の被取付部に取り付ける場合は、まず外部電源電線(Fケーブル)を、取付板2の装着部2bが下向き(照射方向)となるように取付板2の外部電源線挿通孔2cに挿通し(外部電源電線は天井に開口されている通孔から引き出す)、天井に開口されている外部電源電線の通孔と、取付板2の外部電源線挿通孔2cを合わせながら、ネジ穴2dを使用して被取付部に取付板2をネジ止めする。
【0031】
次に、端子台60に外部電源電線を接続した後、LEDランプ本体1の基板支持部材50の装着面部50d,50eと取付板の装着面部2bを合わせ、ネジ穴50f、2fを通してネジ3(図8図9)で止着する。この際、筐体10を取り外しておけば、透光性カバー20の装着逃げ部20d、20e、LEDユニット基板30の装着逃げ部30d,30e、絶縁カバー40の装着逃げ部40d,40eが対応して形成されているため、ネジ止め作業を簡単に行うことができる。
【0032】
このようにLEDランプ本体1を取付板2に装着することにより、図10に模式的に示すように、LED基板支持部材50と取付板2の間に空間部70が生じることになり、この空間部70に端子台60が配置されることになる。またLEDユニット基板30で発生した熱は、LED基板支持部材50に伝わって空間部70に放熱されることになる。
【0033】
(第2の実施形態)
図13図24は、本発明の第2の実施形態を示したものである。第2の実施形態のLED照明装置は、図13に示すように、LEDランプ本体200と取付板2からなっている。取付板2の構成は第1の実施形態と同じであるから、ここでは説明を省略する。LEDランプ本体200は、LED照射方向から見て、筐体100と、この中に収納される透光性カバー110と、電源部遮蔽部材120と、LEDユニット基板130と、絶縁カバー140と、基板支持部材150と、この基板支持部材150に装着される端子台(電源端子台)160とから概略構成されている。
【0034】
図14(a)(b)は筐体100を示しており、図14(a)は本実施形態のLEDランプ本体200の組立後の全体形状にもなっている。筐体100の構成は、概略第1の実施形態と同じであるから、ここでは詳細な説明を省略するが、図14(b)に示すように、筐体100の裏面側面部には、後述するように電源部遮蔽部材120の引掛け部120iに係合する係止爪部100aが周方向に複数個所(ここでは3箇所)に突設されている。
【0035】
電源部遮蔽部材120は、光を透過しないポリカーボネート樹脂等により造られており、LEDユニット基板130に実装されている点灯回路の電子部品を覆い隠すためのものである。
【0036】
電源部遮蔽部材120は、図15及び図16に示すように、全体が略蝶形筒体であり、中央円盤部120aと、この中央円盤部120aの対向する両側部に張り出した円弧枠部(張り出し部)120b、120cが一体成形されており、円弧枠部120b,120cが形成されていない部分が装着逃げ部120d,120eとなっている。
【0037】
中央円盤部120aの中央部には開口部120fが形成されており、その開口部120fから後述するLEDユニット基板130のLED素子130fが露出するようになっている。また図19に示すように中央円盤部120aはすり鉢形状となっており、開口部120fから円弧状枠部120b,120cの内縁部に向かって拡口するような傾斜面が形成されている。その傾斜面は、高反射シートの貼付や、高反射用樹脂の塗布等の方法により光反射面となっている。さらに中央円盤部120aの上端周縁部には、等間隔に複数の細長の係合穴120p(本実施形態では3箇所)が形成されている。なお、中央円盤部120aと円弧枠部120b,120cは同心円の湾曲体であり、ここでは、一方の円弧枠部120cが他方の円弧枠部120bよりも長い円弧長となっている。
【0038】
電源部遮蔽部材120の円弧枠部120b,120cの外周部には段状の側帯部120hが形成されており、該側帯部120hの周方向の複数個所には引掛け部120iが形成されている(本実施例では3箇所)。引掛け部120iは略凹形状であり、側帯部120hの上端縁部から斜め下方に切り込まれたスライド部120qと爪部120kが形成されており、上述した筒体100の係止爪部100aがスライド部120aにガイドされて引掛け部120iに係入し、爪部120kで係止されるようになっている。
【0039】
また、装着逃げ部120dの一部には開口部120gが形成されており、その開口部120gと通じる中央円盤部120aの裏面部には図16に示すように略台形枠形状の端子台収納部120mが形成されている。また装着逃げ部120bの開口部120gの近くの端面部には、電源電線の挿通孔120jが形成されている。さらに、円弧枠部120b,120cの一端面側にそれぞれ対向して形成されたネジ装着部の裏面部には、ネジ穴120nが形成されている。
【0040】
透光性カバー110は、図17に示すように前記電源部遮蔽部材120の中央円盤部120aの外周縁部に対応した外径を有する円板形状であり、前記係合穴120pと対応した位置に複数の係合爪部110aが形成されている。この透光性カバー110は、係合爪110aを電源部遮蔽部材120の中央円盤部係合穴120pに係入することにより、電源部遮蔽部材120の中央円盤部120aを覆うように装着される。なお、透光性カバー110は、ポリカーボネート樹脂等に光拡散剤等を添加して透明又は乳白色となっている。
【0041】
LEDユニット基板130は、第1実施態様のLEDユニット基板30と略同形であり、図20に示すように、中央円板部130aと、その両側部に張り出した円弧面部(張り出し面部)130b,130cが一体成形されている。中央円板部130aと円弧面部130b,130cは同心円の湾曲体である。ここでは、後述する電子部品の配置形態に対応するために一方の円弧面部130cが他方の円弧面部130bよりも長い円弧長となっている。また、中央円板部130aと円弧面部130b,130cの間であって、円弧面部130b,130cが形成されていない部分は、切り欠かれた装着逃げ部130d,130eとなっている。
【0042】
第2の実施形態では、装着逃げ部130e側が中央円板部130aの中心部方向に切り込まれており、後述する端子台160の配置スペースを確保している。LEDユニット基板130の中央円板部130aの下面部(照射面側)には、複数のLED素子130fがサークル状に実装されるが、中央円板部130aは第1の実施態様の中央円板部30aに比べて実装面積が狭くなっているため、その分、LED素子130fの実装密度を高くしている。また、円弧面部130b,130cにはLED素子130fを点灯駆動する点灯回路の電子部品(図示せず)が実装されている。
【0043】
前記絶縁カバー140は、後述する端子台160の配置スペースを確保するために装着逃げ部140d(図13参照)が形成されている。その他の構成は第1の実施形態と同じであるから、ここでは説明を省略する。
【0044】
前記基板支持部材150は、金属板で成形加工されており、図21図24に示すように、中央円板面部150aの周方向両側部に下面部方向(照射方向と反対方向)に凹設された円弧枠部150b,150cが形成されている。これら円弧枠部150b,150cが形成されていない凸部分が前記取付板2との装着面部150d,150eとなっている。この装着面部150d,150eには略ダルマ状のネジ穴150fがそれぞれ開口されている。ここでは、一方の円弧枠部150cが他方の円弧枠部150bよりも長い円弧長となっている。
【0045】
基板支持部材150の端部、ここでは装着面部150eの端部には、後述の端子台160が収まる開口面積を有する切込口部150gが形成されている。この切込口部150gは、所定幅の切片を中央円板面部150aの中心部方向に切り欠いて形成され、略へ字状に屈曲した起立片150hが形成されている。この起立片150hには、端子台160を止着するための係入孔(図示せず)が形成されている。
【0046】
前記端子台160は、図22に示すように、上面部に複数の係止突起160aが突設されている。この係止突起160aは特に限定されるものではないが、起立片150hの前記係入孔にワンタッチで係着できる構成にすれば、ネジ止め作業等の手間を省くことができる。この端子台160は、基板支持部材150の切込口部150gに挿入し、端子台150gの係止突起160aを起立片150hの係入孔に係入することにより基板支持部材150に装着する。端子台160に、外部電源電線が接続されること、外部電源電線との接続口が取付板2の外部電源電線挿入孔2cに向いていること、端子台160とLEDユニット基板130の電源部とを導通する電源電線の接続口が設けられていることは第1の実施形態と同じである。
【0047】
次に、上述したLED照明装置を天井等の被取付部へ取り付ける手順の一例について説明する。まず第1の実施形態と同じように、外部電源電線(Fケーブル)を取付板2の外部電源線挿通孔2cに挿通し(外部電源電線は天井に開口されている通孔から引き出す)、天井に開口されている外部電源電線の通孔と、取付板2の外部電源線挿通孔2cを合わせ、取付板2の装着部2bを下向き(照射方向)となるようにネジ穴2dを通して被取付部に取付板2をネジ止めする。
【0048】
一方、LEDランプ本体200の基板支持部材150と絶縁カバー140とLED基板130は、あらかじめ複数のネジ170(図13図20)により止着され、一体化されている。そして、端子台160に外部電源電線を接続した後、この端子台160を基板支持部材150の起立片150hに上述のように取り付ける(図20の状態)。端子台160と外部電源電線の接続手順等は、第1の実施形態と同じであるから、ここでは説明を省略する。
【0049】
その後、電源部遮蔽部材120を基板支持部材150にネジ止めにより取り付ける(図19の状態)。すなわち図13に示すように、基板支持部材150の通孔150kから挿通したネジ180を電源部遮蔽部材120のネジ穴120n(図16)に螺入することにより、電源部遮蔽部材120を基板支持部材150に止着する。このとき、基板支持部材150に取り付けられた端子台16は、電源部遮蔽部材120の端子台収納部120mに収納された状態となる。
【0050】
次に、取付板2に、基板支持部材150と絶縁カバー140とLED基板130と電源部遮蔽部材120及び透光性カバー110を一体化したユニットを取り付ける。すなわち、ネジ190(図13図20図21)を基板支持部材150のネジ穴150fを通して取付板2のネジ穴2fに螺入することにより基板支持部材150を取付板2に固定する。その後、電源部遮蔽部材120の中央円盤部120aに上述の方法で透光性カバー110を装着し、最後に筐体100の係合爪部110aを電源部遮蔽部材120の引掛け部120iに係入して筐体100を電源部遮蔽部材120に係脱可能に取り付ける。
【0051】
第2の実施形態によれば、端子台160が基板支持部材150の切込口部150gに装着されるため、図18乃至図21に示すように、端子台160が基板支持部材150の上方(電源部遮蔽部材120の配置方向)に突き出た状態になり、その分、LEDユニット基板130と、電源部遮蔽部材120に装着された透光性カバー110の間隔が大きくなる。このため、LEDユニット基板130に実装されているLED素子130fが透光性カバー110に粒々状に投影される状態を防止又は小さくすることができ、美麗な発光面とすることができる。また、被取付部への取り付けも簡単に行うことができる。
【0052】
また、電源部遮蔽部材120をポリカーボネート樹脂製とすることにより、絶縁性が向上し、材料費を削減することができる。また、電源部遮蔽部材120にすり鉢形状の光反射面を形成したことにより、LED照射光を広範囲に均一に反射させることができる。さらに、電源部遮蔽部材120をすり鉢形状とすることによりLED照射効率をアップさせることができる。
【0053】
なお、本実施形態ではLEDランプ本体2の形状を円筒形にしたが、これに限定されず断面が4角形等からなる扁平な多角柱であってもよい。
【0054】
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なし得る各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1 LEDランプ本体
2 取付板
2b 装着面部
10 筐体
20 透光性カバー
30 LEDユニット基板
40 絶縁カバー
50 基板支持部材
50a 装着面部
60 端子台
100 LEDランプ本体
110 透光性カバー
120 電源部遮蔽部材
130 LEDユニット基板
140 絶縁カバー
150 基板支持部材
150g 切込口部
150h 起立片
160 端子台
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