(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
自動車のドアフレーム(11)のフランジ(12)に嵌合する樹脂製の芯材(3)とドアガラス(10)をシールするシールリップ(6)を有するシール部(2)とを一体に有する押出成形品(1)の製造方法であって、
第1押出成形機(21)に注入された合成樹脂によって第1金型ダイス(20)で芯材(3)が押出成形され、芯材(3)は第1冷却槽(25)を通過後、曲げ加工ローラー(22)によって所望する芯材の曲率半径R1の湾曲部の形状に曲げられ、その後芯材(3)は直線状に伸ばされて第2金型ダイス(23)の内部に進入し、第2押出成形機(24)に注入した熱可塑性エラストマーによって芯材(3)の周囲にシール部(2)やシールリップ(6)を成形し第2引取機(28)を通過することによって押出成形品(1)を製造し、製造された押出成形品(1)は曲率半径R2の湾曲部が形成されることを特徴とした自動車用押出成形品の製造方法。
自動車のドアフレーム(11)のフランジ(12)に嵌合する樹脂製の芯材(3)とドアガラス(10)をシールするシールリップ(6)を有するシール部(2)とを一体に有する押出成形品(1)の製造方法であって、
第1押出成形機(21)に注入された合成樹脂によって第1金型ダイス(20)で芯材(3)が押出成形され、芯材(3)は第1冷却槽(25)を通過後、曲げ加工ローラー(22)によって所望する芯材の曲率半径R1の湾曲部の形状に曲がり、その後芯材(3)は曲率半径R3で曲げられた状態で第2金型ダイス(23)の直前まで送られ、第2金型ダイス(23)の内部に進入する前に直線状に伸ばされ、第2金型ダイス(23)の内部で直線状に進行し第2押出成形機(24)に注入した熱可塑性エラストマーによって芯材(3)の周囲にシール部(2)やシールリップ(6)を成形し第2引取機(28)を通過することによって押出成形品(1)を製造し、製造された押出成形品(1)は曲率半径R2の湾曲部が形成されることを特徴とした自動車用押出成形品の製造方法。
第2引取機(28)を通過した押出成形品(1)の曲率半径R2の湾曲部は、芯材の曲率半径R1の湾曲部より大きい曲率半径に形成されたことを特徴する請求項1、2のうちいずれか一つに記載する自動車用押出成形品の製造方法。
芯材(3)は第2金型ダイス(23)に侵入する手前で加熱装置(29)を通過し、第2金型ダイス(8)の内部に進入することを特徴とした請求項1から3のうちいずれか一つに記載する自動車用押出成形品の製造方法。
芯材(3)に使用する合成樹脂としては、タイプAデュロメータ硬さ(ショアA)が85以上のオレフィン系樹脂によって形成されたことを特徴とした請求項1から4のうちいずれか一つに記載する自動車用押出成形品の製造方法。
芯材(3)に使用する合成樹脂としては、タイプAデュロメータ硬さ(ショアA)が85以上のオレフィン系樹脂にタルクまたは珪灰石(ワラストナイト)等の粉体を20から50重量%混合した混合合成樹脂によって形成されたことを特徴とした請求項5に記載する自動車用押出成形品の製造方法。
シール部(2)の熱可塑性エラストマーとしては、タイプAデュロメータ硬さ(ショアA)が50から85のオレフィン系樹脂の熱可塑性エラストマーによって形成されたことを特徴とした請求項1から6のうちいずれか一つに記載する自動車用押出成形品の製造方法。
金属、ガラス繊維または珪灰石らなる少なくとも1つの非収縮エレメント(13)が芯材(3)の内部に形成されたことを特徴とした請求項1から7のうちいずれか一つに記載する自動車用押出成形品の製造方法。
フランジ(12)を嵌合する芯材(3)は外周側壁部(15)と内周側壁部(16)とこれら各側壁部を連結する連結部(17)を備え、両側壁部(15)、(16)の内側の少なくとも一方より保持リップ(4)が形成されていることを特徴とした請求項1から8のうちいずれか一つに記載する自動車用押出成形品の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記特許文献1に開示された従来技術では、硬い合成樹脂の芯材(3)をローラーによる押圧力を加えて湾曲形状に曲げることはできるが、硬い合成樹脂の芯材(3)と軟質の熱可塑性エラストマーのシール部(2)とを一体に形成した直線状の押出成形品(1)に対し曲げ加工ローラー(22)による押圧力を加えて所望するドアフレーム(11)の曲率半径Rの湾曲形状に曲げた場合には、例えば、
図11に示すように曲げ加工ローラー(22)に接触する押出成形品(1)のシール部(2)が熱可塑性エラストマーで柔らかい材料であるため、曲げ加工ローラー(22)により押圧力を加えるとシール部(2)が押しつぶされ、シール部(2)の断面が変形して押圧力を吸収してしまい、押出成形品(1)は所望するドアフレーム(11)の曲率半径Rの湾曲形状に曲げることが容易でないという問題がある。
【0005】
さらに、合成樹脂製の芯材(3)と熱可塑性エラストマーのシール部(2)とを一体に押出成形した直線状の押出成形品(1)を所望するドアフレーム(11)の曲率半径Rの湾曲形状に曲げられると、上述したように曲げ加工ローラー(22)による押圧力が強すぎて押出成形品(1)のシール部(2)の断面が押しつぶされて変形するだけでなく、シールリップ(6)が例えば
図15に示すように波形状(36)に変形する問題もある。
【0006】
そこで、本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、合成樹脂製の芯材(3)と熱可塑性エラストマーのシール部(2)を一体に押出成形した押出成形品(1)を所望するドアフレーム(11)の曲率半径Rの湾曲形状に曲げたときにシール部(2)及びシールリップ(6),(6)の断面が変形することがなく、押出成形品(1)がドアフレーム(11)の湾曲部に十分追従できる自動車用押出成形品の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明に係る自動車用押出成形品の製造方法は、自動車のドアフレーム(11)のフランジ(12)に嵌合する樹脂製の芯材(3)とドアガラス(10)をシールするシールリップ(6)を有するシール部(2)とを一体に有する押出成形品(1)の製造方法であって、第1押出成形機(21)に注入された合成樹脂によって第1金型ダイス(20)で芯材(3)が押出成形され、芯材(3)は第1冷却槽(25)を通過後、曲げ加工ローラー(22)によって所望する芯材の曲率半径R1の湾曲部の形状に曲げられ、その後芯材(3)は直線状に伸ばされて第2金型ダイス(23)の内部に進入し、第2押出成形機(24)に注入した熱可塑性エラストマーによって芯材(3)の周囲にシール部(2)やシールリップ(6)を成形し第2引取機(28)を通過
することによって押出成形品(1)を製造し、
製造された押出成形品(1)は曲率半径R2の湾曲部が形成されることを特徴とする。
また、本発明に係る別の自動車用押出成形品の製造方法は、自動車のドアフレーム(11)のフランジ(12)に嵌合する樹脂製の芯材(3)とドアガラス(10)をシールするシールリップ(6)を有するシール部(2)とを一体に有する押出成形品(1)の製造方法であって、第1押出成形機(21)に注入された合成樹脂によって第1金型ダイス(20)で芯材(3)が押出成形され、芯材(3)は第1冷却槽(25)を通過後、曲げ加工ローラー(22)によって所望する芯材の曲率半径R1の湾曲部の形状に曲がり、その後芯材(3)は曲率半径R3で曲げられた状態で第2金型ダイス(23)の直前まで送られ、第2金型ダイス(23)の内部に進入する前に直線状に伸ばされ、第2金型ダイス(23)の内部で直線状に進行し第2押出成形機(24)に注入した熱可塑性エラストマーによって芯材(3)の周囲にシール部(2)やシールリップ(6)を成形し第2引取機(28)を通過
することによって押出成形品(1)を製造し、
製造された押出成形品(1)は曲率半径R2の湾曲部が形成されることを特徴とする。
ただし、芯材(3)は曲げ加工ローラー(22)以降は第2引取機(28)で直線状に引取られているため、押出成形品(1)の曲率半径R2の湾曲部は、芯材の曲率半径R1の湾曲部より大きい曲率半径になる。
【0008】
ここで、曲率半径R2で形成されている押出成形品(1)を自動車のドアフレーム(11)の曲率半径Rや直線に近い大きい曲率半径部分に取付けるには、押出成形品(1)は緩やかな曲げをすることが可能なために、押出成形品(1)が曲率半径R2に形成されていれば、ドアフレーム(11)のフランジ(12)に沿わせながら樹脂製の芯材(3)を嵌合することで、曲率半径R2と異なるドアフレーム(11)の曲率半径Rや直線に近い大きい曲率半径部分に追従して嵌合できる。
さらに、フランジ(12)に樹脂製の芯材(3)との嵌合を強固にしてドアフレーム(11)の曲率半径Rや直線に近い大きい曲率半径部分に追従するためには、樹脂製の芯材(3)は外周側壁部(15)と内周側壁部(16)とこれら各側壁部を連結する連結部(17)を備えた断面略U字形で、両側壁部(15),(16)の内側の少なくとも一方より保持リップ(4)が形成されることで、ドアフレーム(11)のフランジ(12)により強固に嵌め込みながら装着することができるので、押出成形品(1)の曲率半径R2がドアフレーム(11)の曲率半径Rや直線に近い大きい曲率半径部分にも、より強固に追従できることを特徴としている。
【0009】
さらに、樹脂製の芯材(3)とドアガラス(10)をシールする
シールリップ(6)を有するシール部(2)とを一体に有する押出成形品(1)は、第1押出成形機(21)に注入された合成樹脂によって第1金型ダイス(20)で芯材(3)が押出成形され、芯材(3)は第1冷却槽(25)を通過後、第1引取り機(26)を通過し、その後に曲げ加工ローラー(22)よって所望する芯材の曲率半径R1の湾曲部の形状に曲がり、その後芯材(3)は曲率半径R3に曲げられて第2金型ダイス(23)の直前まで送られ、第2金型ダイス(23)の内部に進入する前に直線状に伸ばされ、第2金型ダイス(23)の内部では直線状に進行して第2押出成形機(24)に注入した熱可塑性エラストマーによって芯材(3)の周囲にシール部(2)やシールリップ(6)を成形し第2引取機(28)を通過し、押出成形品(1)はシール部(2)やシールリップ(6)の断面が変形することがなく、曲率半径R2の湾曲部に形成されたことを特徴とする。
【0010】
また、芯材(3)は第2金型ダイス(23)の内部に進入し、第2押出成形機(24)に注入した熱可塑性エラストマーによって芯材(3)の周囲にシール部(2)を成形する際に芯材(3)の表面が冷えすぎているとシール部(2)が芯材(3)の周囲に強固に熱融着できないため、第2金型ダイス(23)に侵入する手前に加熱装置(29)によって芯材(3)の表面を温めて熱融着による接着力を高めることを特徴としている。
【0011】
そして、芯材(3)に使用する合成樹脂としては、タイプAデュロメータ硬さ(ショアA)が85以上のオレフィン系樹脂またはこれにタルクまたは珪灰石(ワラストナイト)等の粉体を20から50重量%混合した混合合成樹脂によって線膨張係数を小さくしたことを特徴としている。
【0012】
また、シール部(2)の熱可塑性エラストマーとしては、タイプAデュロメータ硬さ(ショアA)が50から85のオレフィン系樹脂の熱可塑性エラストマーによってドアガラスとの密封性を高めたことを特徴としている。
【0013】
さらに、金属、ガラス繊維または珪灰石(ワラストナイト)からなる少なくとも1つの非収縮エレメント(13)が芯材(3)の内部に形成されたことで押出成形品(1)の長手方向の線膨張を小さくすることができることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る自動車用押出成形品の製造方法によって製造された芯材を有する自動車用押出成形品によれば、第1押出し成形機(21)より第1金型ダイス(20)によって形成された合成樹脂製の芯材(3)は周囲に熱可塑性エラストマーのシール部(2)の被覆体が形成されていないので、押圧力によってシール部(2)やシールリップ(6)の断面が変形することがなく、容易に所望する湾曲形状に曲げることができる効果がある。
【0015】
そして、曲げ加工ローラ(22)によって曲率半径R1に曲げられた芯材(3)は、曲げ加工ローラー(22)から第2引取機(28)の間では直線状に引取られているため、直線状に伸ばされて第2金型ダイス(23)の内部に進入するものの、第2金型ダイス(23)の内部に進入する直線状の芯材(3)には、曲率半径R1に戻ろうとする応力が内在している。
【0016】
そのため、第2金型ダイス(23)の内部において第2押出成形機(24)から注入された熱可塑性エラストマーによって芯材(3)の周囲に熱可塑性エラストマーのシール部(2)等が押出成形されて押出成形品(1)になるが、第2引取機(28)を通過した後、芯材(3)に作用している曲率半径R1に戻ろうとする内部応力によって熱可塑性エラストマーからなるシール部(2)やシールリップ(6)の断面が
図15に示す波形状(36)等に変形しない程度に伸縮して、曲率半径R1より緩い曲げ、すなわち曲率半径R1より大きな曲率半径R2の押出成形品(1)となる。
【0017】
その結果、曲率半径R2の押出成形品(1)をドアフレーム(11)の曲率半径Rのフランジ(12)に嵌合する場合、例えば、R2>Rの場合は、従来のように直線形状の押出成形品(1)をドアフレーム(11)の曲率半径Rのフランジ(12)に曲げる場合と比較して曲げる角度が少なくて済むので、シール部(2)やシールリップ(6)の断面を変形させることなく曲げて嵌合することができる。尚、R>R2の場合には、曲率半径R2の押出成形品(1)を拡げてドアフレーム(11)の曲率半径Rのフランジ(12)に嵌合することになるが、シール部(2)やシールリップ(6)は熱可塑性エラストマーによって形成されており弾力性を有しているので、芯材(3)と共に問題なく広がってドアフレーム(11)の曲率半径Rのフランジ(12)に嵌合することができる。
【0018】
また、曲げ加工ローラ(22)によって曲率半径R1に湾曲された芯材(3)を、曲率半径R3で曲げられた状態で第2金型ダイス(23)の直前まで送り、第2金型ダイス(23)の内部に進入する前に直線状に伸ばし、第2金型ダイス(23)の内部で直線状に進行し第2押出成形機(24)に注入した熱可塑性エラストマーによって芯材(3)の周囲にシール部(2)やシールリップ(6)を成形し第2引取機(28)を通過し、押出成形品(1)はシール部(2)やシールリップ(6)の断面が変形することがなく、曲率半径R2の湾曲部を形成する場合には、自動車用押出成形品の製造方法の設備の全長を短くできる効果がある。
【0019】
なお、芯材(3)の周囲にシール部(2)を成形する際に芯材(3)の表面が冷えすぎているとシール部(2)が芯材(3)の周囲に強固に熱融着できないため、第2金型ダイス(23)に侵入する手前に加熱装置(29)によって芯材(3)の表面を温めて熱融着による接着力を高める効果がある。
【0020】
さらに、金属、ガラス繊維または珪灰石からなる少なくとも1つの非収縮エレメント(13)が芯材(3)の内部に形成されたことで押出成形品(1)の長手方向の線膨張を小さくして、ドアフレームに取付けることができる効果がある。
【0021】
そして、樹脂製の芯材(3)は外周側壁部(15)と内周側壁部(16)とこれら各側壁部を連結する連結部(17)を備え、両側壁部(15)、(16)の内側の少なくとも一方より保持リップ(4)が形成されて、ドアフレーム(11)のフランジ(12)に強固に嵌め込みながら装着することができる効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施形態1〜3の自動車用押出成形品の製造方法、およびその製造方法によって製造された芯材を有する自動車用押出成形品の実施例等を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、下記に説明する実施形態および実施例等はあくまで本発明の一例であり、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更可能である。
【0024】
実施形態1.
本発明に係る実施形態1の自動車用押出成形品の製造方法によって製造された実施形態1の芯材を有する自動車用押出成形品について、図面を参照して説明すると、
図1に示す押出成形品(1)は、
図4に示すように自動車のドアフレーム(11)の上辺部に取付けられ、
図5に示す自動車のドアフレーム(11)のフランジ(12)に嵌合する樹脂製の芯材(3)とドアガラス(10)をシールする熱可塑性エラストマーのシール部(2)とを一体に形成した押出成形品(1)の断面図を示すもので、芯材(3)は外周側壁部(15)と内周側壁部(16)とこれら各側壁部を連結する連結部(17)を備えた断面略U字形からなり、両側壁部(15)、(16)の内側より熱可塑性エラストマーの保持リップ(4)が形成され、外周の少なくとも一部に熱可塑性エラストマーの被覆層(5)を形成し、芯材(3)の下側の側面にシール部(2)を形成し、シール部(2)の端部にはシールリップ部(6)が形成され、芯材(3)の上側の側面にボディシールリップ部(7)が形成されている。尚、保持リップ(4)の数量は必要に応じて形成し、両側壁部(15)(16)のどちらか一方だけに形成することもでき、芯材(3)の断面形状はU字形に限らず必要に応じてJ、L、I字形等の様々な形状に形成できる。
【0025】
図2は、押出成形品(1)を湾曲の形状に製造する本発明に係る自動車用押出成形品の製造方法の一例を示す上面から見た平面図の略図で、押出成形品(1)は、第1押出成形機(21)に注入された合成樹脂によって第1金型ダイス(20)で芯材(3)が押出成形され、芯材(3)は第1冷却槽(25)を通過後、第1引取り機(26)を通過して、曲げ加工ローラー(22)によって芯材(3)は
図6に示す如く所望する芯材(3)の曲率半径R1の湾曲部の形状に曲げられる。
【0026】
曲げ加工ローラー(22)で曲率半径R1の湾曲部の形状に曲げられた芯材(3)は、合成樹脂であり、ある程度の弾力性を有するので直線状に伸ばすことができる。そのため、直線状に伸ばされた芯材(3)は、赤外線照射や熱風等の加熱装置(29)によって芯材(3)の表面が温められて、その後、第2金型ダイス(23)の内部に直線状に進入し、第2押出成形機(24)に注入した熱可塑性エラストマーによって芯材(3)の周囲にシール部(2)や、保持リップ部(4)、被覆層(5)、シールリップ部(6)、ボディシールリップ部(7)が押出成形される。
【0027】
そして、周囲にシール部(2)や、保持リップ部(4)、被覆層(5)、シールリップ部(6)、ボディシールリップ部(7)が成形された芯材(3)は、第二冷却槽(27)、第二引取り機(28)を通過して所望の長さに切断され、
図7に示すように押出成形品(1)が曲率半径R2の湾曲部に曲げられた芯材(3)を有する押出成形品(1)が製造される。
【0028】
ここで、第2金型ダイス(23)の内部に進入する直線状の芯材(3)は、弾力性を有する樹脂であり、曲率半径R1に戻ろうとする応力が内在しているので、第2押出成形機(24)に注入した熱可塑性エラストマーによって芯材(3)の周囲にシール部(2)やシールリップ(6)を成形し第2引取機(28)を通過した押出成形品(1)は、芯材(3)に作用している曲率半径R1に戻ろうとする内部応力によって熱可塑性エラストマーからなるシール部(2)やシールリップ(6)の断面が
図15に示す波形状(36)等に変形しない程度に伸縮して、芯材(3)の曲率半径R1よりも緩やかな曲率半径R2になる。
【0029】
図3は、押出成形品(1)を湾曲の形状に製造する本発明に係る自動車用押出成形品の製造方法で、
図2とは別の他の例を示す上面から見た平面図の略図で、押出成形品(1)は、第1押出成形機(21)に注入された合成樹脂によって第1金型ダイス(20)で芯材(3)が押出成形され、芯材(3)は第1冷却槽(25)を通過後、曲げ加工ローラー(22)によって芯材(3)は
図6に示す如く所望する芯材の曲率半径R1の湾曲部の形状に曲げられる。
【0030】
曲げ加工ローラー(22)で曲率半径R1の湾曲部の形状に曲げられた芯材(3)は、第1引取り機(26)を通過して直線状に伸ばされた状態で赤外線照射や熱風等の加熱装置(29)によって芯材(3)の表面が温められて、その後直線状に伸ばされた状態の芯材(3)は第2金型ダイス(23)の内部に直線状に進入し、第2押出成形機(24)に注入した熱可塑性エラストマーによって芯材(3)の周囲にシール部(2)や、保持リップ部(4)、被覆層(5)、シールリップ部(6)、ボディシールリップ部(7)が押出成形される。
【0031】
そして、周囲にシール部(2)や、保持リップ部(4)、被覆層(5)、シールリップ部(6)、ボディシールリップ部(7)が成形された芯材(3)は、第二冷却槽(27)、第二引取り機(28)を通過して所望の長さに切断され、
図7に示すように押出成形品(1)が曲率半径R2の湾曲部に曲げられた芯材(3)を有する押出成形品(1)が製造される。
【0032】
つまり、
図3に示す押出成形品(1)の製造方法は、
図2に示す製造方法に対し、曲げ加工ローラー(22)と第1引取り機(26)の順番を逆に入れ替えたものである。
【0033】
そのため、
図3に示す場合も、第2金型ダイス(23)の内部に進入する直線状の芯材(3)には、曲率半径R1に戻ろうとする応力が内在しているので、第2押出成形機(24)に注入した熱可塑性エラストマーによって芯材(3)の周囲にシール部(2)やシールリップ(6)を成形し第2引取機(28)を通過した押出成形品(1)は、シール部(2)やシールリップ(6)の断面が変形することがなく、芯材(3)の曲率半径R1よりも緩やかな曲率半径R2になる。
【0034】
図4は、自動車のドア(9)のドアフレーム(11)の上辺部に押出成形品(1)を取り付けた概要を示しており、ドアフレーム(11)には曲率半径Rの湾曲部や直線に近い大きい曲率半径部分が設けられており、本実施形態の曲率半径R2で形成されている押出成形品(1)を自動車のドアフレーム(11)の曲率半径Rや直線に近い大きい曲率半径部分に取付けるには、曲率半径R2で形成されている押出成形品(1)をさらに曲げたりあるいは広げる等、緩やかに曲げる必要がある。
【0035】
しかし、押出成形品(1)をドアフレーム(11)の曲率半径Rのフランジ(12)に嵌合する場合、実施形態1の押出成形品(1)は曲率半径R2に形成されているため、従来のように直線形状の押出成形品(1)をドアフレーム(11)の曲率半径Rのフランジ(12)に曲げる場合と比較して曲げる角度が少なく済むので、曲率半径R2と異なるドアフレーム(11)の曲率半径Rに容易に追従して嵌合できる。
【0036】
さらに、フランジ(12)と樹脂製の芯材(3)との嵌合を強固にしてドアフレーム(11)の曲率半径Rや直線に近い大きい曲率半径部分に追従させるため、樹脂製の芯材(3)は外周側壁部(15)と内周側壁部(16)とこれら各側壁部を連結する連結部(17)を備えた断面略U字形で、両側壁部(15),(16)の内側の少なくとも一方より保持リップ(4)を形成している。
【0037】
そのため、押出成形品(1)の曲率半径R2がドアフレーム(11)の曲率半径Rと違っていたり、ドアフレーム(11)の直線に近い大きい曲率半径部分であっても、押出成形品(1)をドアフレーム(11)のの曲率半径Rの部分や直線に近い大きい曲率半径部分に追従させてドアフレーム(11)のフランジ(12)に強固に嵌め込みながら装着することができる。
【0038】
ここで、ドアフレーム(11)の湾曲部の曲率半径Rは、自動車のデザインや、フロントドア、リアドアの種類によって様々であり厳密に特定できないが、例えば、フロントドアの場合1900mm、リアドアの場合2500mm等であり、およそ1600mm〜3500mm程度の範囲であるものが多いが、更に小さい1000mm〜3500mm程度の範囲もある。
【0039】
図5は
図4のA−A断面線の部分拡大縦断側面図であり、芯材(3)の内側に保持リップ部(4)を形成し、保持リップ部(4)によってドアフレーム(11)のフランジ(12)を嵌合し、芯材(3)の下側の下方にシールリップ部(6)を形成したシール部(2)が形成され、ドアガラス(10)をシールリップ部(6)によって密封し、芯材(3)の上側の上方にボディシールリップ部(7)を形成し自動車の車体(14)を密封している。
【0040】
図8に示すものは、図上左側(車体内側)のシール部(2)の内側にシールリップ部(6)を2つ形成し、図上右(車体外側)のシール部(2)の内側にシールリップ部(6)を1つ形成し左右でシールリップ部(6)の数が異なる他の形態の芯材(3)を有する押出成形品(1)を示している。
【0041】
図9に示すものは、例えば、
図8に示す押出成形品(1)の芯材(3)の内部に、金属、ガラス繊維または珪灰石(ワラスナイト)等の鉱物からなる少なくとも1つの非収縮エレメント(13)を設けたさらに他の形態の芯材(3)を有する押出成形品(1)で、非収縮エレメント(13)の形状は必要に応じて長方形、円形等の様々な形状に形成され、また非収縮エレメント(13)は芯材(3)の所望する位置に形成することができる。
図9の例では、
図8に示す押出成形品(1)の芯材(3)におけるドアガラス(10)の上端部が当接する側面の内部に非収縮エレメント(13)を設けている。尚、
図1や
図5や
図13等に示す押出成形品(1)の芯材(3)の内部に非収縮エレメント(13)を設けても勿論良い。
【0042】
図10に示すものは、例えば、
図8に示す押出成形品(1)の芯材(3)に延設部(8)を形成したさらに他の形態の芯材(3)を有する押出成形品(1)である。そのため、延設部(8)の分だけ右(車体外側)のシール部(2)が長くなる。尚、
図1や
図5や
図13等に示す押出成形品(1)の芯材(3)に延設部(8)を設けても勿論良いし、
図10や
図1や
図5や
図13等に示す押出成形品(1)の芯材(3)に延設部(8)を設けた押出成形品(1)の芯材(3)の内部に、
図9に示すように非収縮エレメント(13)を設けても勿論良い。
【0043】
実施形態2.
次に、本発明に係る実施形態2の自動車用押出成形品の製造方法および押出成形品の一例につい説明する。
【0044】
図12は、本発明に係る実施形態2の自動車用押出成形品の製造方法の一例を示す上面から見た平面図の略図である。
【0045】
実施形態2の自動車用押出成形品の製造方法では、
図12に示すように、第1押出成形機(21)に注入された合成樹脂によって第1金型ダイス(20)で芯材(3)が押出成形され、芯材(3)は第1冷却槽(25)を通過後、第1引取り機(26)を通過し、その後に曲げ加工ローラー(22)によって
図6に示す所望する芯材(3)の曲率半径R1の湾曲部の形状に曲げられる。ここまでは、上述した実施形態1の自動車用押出成形品の製造方法と同様である。
【0046】
しかし、実施形態2の自動車用押出成形品の製造方法では、自動車用押出成形品の製造方法を構成する製造設備の全長Hを短くするため、曲げ加工ローラー(22)で曲率半径R1の湾曲形状に曲げられた芯材(3)を、
図2や
図3に示す実施形態1の自動車用押出成形品の製造方法とは異なり、曲率半径R3で曲げられた状態で第2金型ダイス(23)直前まで送る。これにより、実施形態2の自動車用押出成形品の製造方法を構成する製造設備の全長Hを、実施形態1の製造設備よりも短くすることができる。
【0047】
ここで、第2金型ダイス(23)まで送られる際の芯材(3)の曲率半径R3は、曲げ加工ローラー(22)で曲げられた際の曲率半径R1と同一とは限らず、製造設備の配置関係、すなわち製造設備の全長Hや幅Wによって決められ、曲率半径R1より大きめの曲率半径R3(R3>R1)になることが多い。
【0048】
そして、第1引取り機(26)の引取り速度と第2引取機(28)の引取り速度に誤差が生じると、曲げ加工ローラー(22)と第2金型ダイス(23)との間の芯材(3)の曲率半径R3が変化し成形不良になるため、適宜、センサー(34),(35)を設置して互いの引取り速度が同じになるよう制御する。
【0049】
つまり、第1引取り機(26)の引取り速度より第2引取機(28)の引取り速度が遅くなると、曲げ加工ローラー(22)と第2金型ダイス(23)との間の芯材(3)は長くなり、外側のセンサー(35)に接触することになるので、この場合には、例えば第2引取機(28)の引取り速度を上げるように制御する。これに対し、第1引取り機(26)の引取り速度より第2引取機(28)の引取り速度が速くなると、曲げ加工ローラー(22)と第2金型ダイス(23)との間の芯材(3)は短くなり、内側のセンサー(34)に接触することになるので、この場合には、例えば第2引取機(28)の引取り速度を下げるように制御する。このように、センサー(34),(35)の出力に基づいて、第1引取り機(26)と第2引取機(28)の引取り速度を制御し互いの引取り速度を同じにする。
【0050】
そして、曲げ加工ローラー(22)と第2金型ダイス(23)との間で曲率半径R3に曲げられた芯材(3)は、第2金型ダイス(23)の直前で上述した実施形態1の自動車用押出成形品の製造方法と同様に直線状に伸ばされ、第2金型ダイス(23)の内部で直線状に進行する。尚、必要に応じて第2金型ダイス(23)の手前にガイドローラー(31)を設置しても良い。
【0051】
その後は、上述した実施形態1の自動車用押出成形品の製造方法と同様に、第2金型ダイス(23)の内部で第2押出成形機(24)から注入された熱可塑性エラストマーによって芯材(3)の周囲にシール部(2)や、保持リップ部(4)、被覆層(5)、シールリップ部(6)、ボディシールリップ部(7)等が押出成形され、さらに第2引取機(28)を通過後、
図7に示すように押出成形品(1)が曲率半径R2の湾曲形状に曲がり、その後、切断機(30)で所望の長さに切断される。
【0052】
尚、
図12に示す実施形態2の製造方法の設備は、第1押出成形機(21)から第2引取機(28)までの全長Hが短く、幅方Wを広くした製造設備であり、
図2や
図3に示す実施形態1の製造方法の設備は、第1押出成形機(21)から第2引取機(28)までの全長Hが長く、幅方向Wを狭くした製造設備で、
図12と
図2または
図3の設備は必要に応じてどちらかを選択できる。
【0053】
図13に示す押出成形品(1)では、保持部(4)は熱可塑性エラストマーではなく、芯材(3)と同一の樹脂によって外周側壁部(15)の一方の内側に形成したもので、必要に応じて内周側壁部(16)の一方の内側に形成してもよい。さらに、
図1のように外周側壁部(15)、内周側壁部(16)の両側の内側に芯材(3)と同一の樹脂によって形成してもよく、そのような保持部(4)の数量も1または複数形成してもよい。
【0054】
そして、押出成形品(1)では、
図13に示すように、更に、耐傷付性を良好にするため表皮層(18)を形成し、窓ガラスの昇降をスムーズに行うためにシールリップ(6)、(6)の表面に摺動層(19),(19)を形成することが好ましく、
図1や、
図8、
図10等に示す押出成形品(1)でも、表皮層(18)や摺動層(19),(19)を設けても勿論良い。
【0055】
実施形態3.
次に、本発明に係る実施形態3の自動車用押出成形品の製造方法の一例につい説明する。
【0056】
図14は、本発明に係る実施形態3の自動車用押出成形品の製造方法の特徴部分だけを示す略図である。
【0057】
図2や
図3に示す実施形態1の自動車用押出成形品の製造方法や、
図12に示す実施形態2の自動車用押出成形品の製造方法では、芯材(3)を一方向に曲げる曲げ加工ローラー(22)しか設けてないが、
図14に示す実施形態3の自動車用押出成形品の製造方法では、
図2や
図3に示す実施形態1の自動車用押出成形品の製造方法や、
図12に示す実施形態2の自動車用押出成形品の製造方法に対し、曲げ加工ローラー(22)の前段に曲げ加工ローラー(22)とは異なる方向に曲げる曲げ加工ローラー(33)を追加したことを特徴とする。尚、曲げ加工ローラー(33)は、曲げ加工ローラー(22)の後段に追加しても勿論良い。
【0058】
つまり、実施形態3の自動車用押出成形品の製造方法では、
図14に示すように、例えば、曲げ加工ローラー(22)が芯材(3)を曲率半径R1の横方向に曲げる曲げ加工ローラーである場合には、その前段に追加した曲げ加工ローラー(33)は曲率半径R4の縦方向に曲げる曲げ加工ローラーとする。尚、縦方向に曲げる曲げ加工ローラー(33)が芯材(3)を曲げる際の曲率半径R4は、例えば、5000mm以上の直線に近い曲げ加工にすることが多い。Sは押出方向を示すものである。
【0059】
このように曲げ加工ローラー(22)とは異なる方向に曲げる曲げ加工ローラー(33)を追加すると、芯材(3)を横方向だけでなく縦方向にも曲げることが可能となるので、ドアフレーム(11)の3次元の曲げにもより容易に対応できることになる。尚、
図2や
図3に示す実施形態1の自動車用押出成形品の製造方法や、
図12に示す実施形態2の自動車用押出成形品の製造方法における芯材(3)を曲率半径R1に曲げる曲げ加工ローラー(22)の場合でも、芯材(3)は合成樹脂性で弾力性を有するため、ドアフレーム(11)の3次元の曲げにも対応できる。
【0060】
尚、
図15は、従来の製造方法で芯材とシール部が一体に直線状に成形された押出成形品を湾曲に曲げたときにシールリップが波形状(36)に変形されて不具合が生じた例を示している。
【実施例】
【0061】
次に、上記実施形態1〜3の自動車用押出成形品の製造方法によって製造される芯材(3)の実施例等について説明する。
【0062】
芯材(3)に使用する合成樹脂としては、タイプAデュロメータ硬さ(ショアA)が85以上のポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂またはタイプAデュロメータ硬さ(ショアA)が85以上のポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂にタルクまたは珪灰石(ワラストナイト)等の粉体を20から50重量%混合した混合合成樹脂によって形成され、線膨張係数を小さくしたものを使用する。
【0063】
さらに、シール部(2)や、保持リップ部(4)、被覆層(5)、シールリップ部(6)、ボディシールリップ部(7)の熱可塑性エラストマーとしては、タイプAデュロメータ硬さ(ショアA)が50から85のオレフィン系樹脂の熱可塑性エラストマーが使用され、また、必要に応じて、シールリップ部(6)には、タイプAデュロメータ硬さ(ショアA)が50から70のオレフィン系樹脂の熱可塑性エラストマーが使用する。
【0064】
また、
図13に示された耐傷付性を良好にするため表皮層(18)、窓ガラスの昇降をスムーズに行うためにシールリップ(6)、(6)の表面の摩擦係数の小さい摺動層(19)(19)としては、高分子ポリエチレン、超高分子ポリエチレン、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、シリコン樹脂等の樹脂またはそれらの樹脂の少なくとも2種類以上によって混合されている混合合成樹脂によって形成され、表皮層(18)と摺動層(19)は同一の成分の樹脂を使用することが好ましい。
【0065】
表1に示す実施例1、実施例2、比較例1は
図10に示す延設部(8)を形成した押出成形品(1)であり、ポリプロピレン樹脂70重量%に珪灰石(ワラストナイト)の粉体30重量%を混合した混合合成樹脂の芯材(3)を押出成形して曲げ加工ローラー(22)による曲げ加工が有または曲げ加工が無しの芯材の曲率半径R1の湾曲部の曲率半径と、その後、芯材(3)は直線状に伸ばされ直線状態で第2金型ダイス(23)に進入させ芯材(3)の周囲にタイプAデュロメータ硬さ(ショアA)が75の熱可塑性エラストマーのシール部(2)、被覆層(5)等を形成した押出成形品(1)の曲率半径R2の湾曲部を曲率半径の測定した結果を示すものである。
【0066】
実施例1は曲げ加工ローラー(22)による曲げ加工を行い、芯材の曲率半径R1の湾曲部を曲率半径2800mmに曲げ変形したものに、熱可塑性エラストマーのシール部(2)や、保持リップ部(4)、被覆層(5)、シールリップ部(6)、ボディシールリップ部(7)を形成したときの、押出成形品(1)における曲率半径R2の湾曲部の曲率半径3400mmの測定結果が得られたものである。
【0067】
実施例2は曲げ加工ローラー(22)による曲げ加工を行い、芯材の曲率半径R1の湾曲部を曲率半径1300mmに曲げ変形したものに、熱可塑性エラストマーのシール部(2)や、保持リップ部(4)、被覆層(5)、シールリップ部(6)、ボディシールリップ部(7)を形成したときの、押出成形品(1)における曲率半径R2の湾曲部の曲率半径1800mmの測定結果が得られたものである。
【0068】
比較例1は曲げ加工ローラー(22)による曲げ加工が無く、直線に押出成形された芯材(3)の芯材の曲率半径R1の湾曲部をほぼ直線状の曲率半径8300mmに,熱可塑性エラストマーのシール部(2)、被覆層(5)等を形成したときの、押出成形品の曲率半径R2の湾曲部のほぼ直線の曲率半径8200mmの測定結果が得られた。そのため、比較例1の押出成形品は、ほぼ直線の曲率半径のため、およそ1600mm〜3500mm程度の曲率半径Rが多いドアフレーム(11)の湾曲部には追従できない。
【0069】
以上の結果から実施例1、2で曲げ加工されている湾曲形状の芯材(3)はその後、熱可塑性エラストマーのシール部(2)、被覆層(5)等を押出成形しても、押出成形品(1)は直線状にはならずに押出成形品(1)の曲率半径R2の湾曲部を形成することができ、およそ1600mm〜3500mm程度の曲率半径Rが多いドアフレーム(11)の曲率半径Rの湾曲部にも追従できる曲率半径に押出成形できる。
【0070】
以上の結果から実施例1、2で曲げ加工されている湾曲形状の芯材(3)はその後、熱可塑性エラストマーのシール部(2)、被覆層(5)等を押出成形しても、押出成形品(1)は直線状にはならずに曲率半径R1より大きい曲率半径R2の湾曲部が形成され、およそ1600mm〜3500mm程度の曲率半径Rが多く設定されているドアフレーム(11)の曲率半径Rの湾曲部にも追従できる曲率半径に押出成形できる。
【0071】
また、芯材の曲率半径R1の湾曲部の曲率半径に対して、押出成形品(1)における曲率半径R2の湾曲部の曲率半径の増減が比例していることが確認され、押出成形後に押出成形品(1)の断面に潰れや変形等の不具合もなかった。
【0072】
【表1】
【解決手段】押出成形品(1)は、第1押出成形機(21)に注入された合成樹脂によって第1金型ダイス(20)で芯材(3)が押出成形され、芯材(3)は第1冷却槽(25)を通過後、曲げ加工ローラー(22)よって所望する芯材の曲率半径R1の湾曲部の形状に曲げられ、その後芯材(3)は直線状に伸ばされて第2金型ダイス(23)の内部に進入し、第2押出成形機(24)に注入した熱可塑性エラストマーによって芯材(3)の周囲にシール部(2)やシールリップ(6)を成形し、押出成形品(1)の曲率半径R2の湾曲部に曲げられたことを特徴とする。