【課題を解決するための手段】
【0005】
現在開示する主題の第1の態様によれば、ヘッドレストレイントであって、
背面部分と、それから延在する2つの側面部分とにより構成されるヘッドレスト部材と、
前記ヘッドレストレイントをシートに取り付けるための前記ヘッドレスト部材に連接する取付配置部と、
前記側面部分に枢動自在に連接し、少なくとも上方位置と下方位置との間の回転のために構成される拘束部材と、を備えるヘッドレストレイントが提供される。
【0006】
ヘッドレストレイントは、例えば、ユーザが眠った場合又は身体疾患を有する個人の場合に座席に着座している間にユーザに対して向上した頭部及び頸部支持を提供するために構成されている。より詳細には、拘束部材は、ユーザの頭部が前方に傾斜することを防ぐために構成され、ヘッドレスト部材は、ユーザの頭部が左又は右側に傾くことを防ぐために構成されている。これにより、座席に座っている間のユーザの頭部の快適で安定性のある支持を提供する。ヘッドレストレイントは、車両の旋回、制動、又は衝突時にユーザに対して向上した頭部及び頸部安定性を提供するように、車両の座席等のいずれかの座席に取り付けることができる。
【0007】
使用中、ユーザの頭部がヘッドレストレイントに位置決めされる場合、その上方位置にある拘束部材は、使用の頭部の上に実質的に位置することができ、その下方位置において、拘束部材は、ユーザの前額部の前に実質的に位置することができる。
【0008】
明細書及び特許請求の範囲においてこの文書中で用いるような用語「ユーザ」は、個人、乳幼児、子供、又は大人を意味している。
【0009】
明細書及び特許請求の範囲においてこの文書中で用いるような用語「車両」は、車椅子、自動車、バス、列車、船、飛行機等を意味している。
【0010】
明細書及び特許請求の範囲においてこの文書中で用いるような用語「座席」は、子供用補助シート、ハイバック子供用補助シート、チャイルドシート、ベビーカー、車両用シート、車椅子の座席、椅子、ベンチ等を指している。用語「座席」は、また、シートヘッドレスト等の座席の一部、又は、何らかの従来の座席のその他の部分も指す。
【0011】
ヘッドレストレイントは付加装置であってもよく、すなわち、それは様々な種類の座席に設置されてもよい。
【0012】
以下の特徴、意匠、及び構成のうちのいずれか1つ以上は、第1の態様に従って、個々に、又は、それらの組み合わせで現在開示する主題に組み込まれてもよい。
【0013】
ヘッドレスト部材が、側面部分が第1の範囲で互いから離間される第1の状態と、側面部分が第1の範囲よりも小さい第2の範囲に互いから離間される第2の状態とを呈することを可能にするように、ヘッドレスト部材の側面部分は、背面部分に対して折り畳み可能であってもよい。
【0014】
第2の状態において、側面部分はユーザの耳の近傍に配設されてもよい。これは、騒音を低減し、従って、ユーザの眠りの質を向上することに有用である可能性がある。
【0015】
側面部分のそれぞれは、第2の状態において、ユーザの耳に音を提供するためにユーザの耳の近傍にイヤホンが配設されるように、イヤホンと共に構成されてもよい。音は、例えば、リラックスさせる音楽、物語、又は親の声であってもよい。
【0016】
その上方位置とその下方位置との間の拘束部材の変位は、ヘッドレスト部材がその第1及び第2の状態をそれぞれ呈する原因となるよう構成されてもよい。
【0017】
背面部分及び側面部分は、一体化され、互いに連続又は取付可能であってもよい。
【0018】
背面部分及び側面部分は、支持クッションとして形成されてもよい。
【0019】
背面部分は、ユーザの頭部の背面部分に対する支持を提供するよう構成され、側面部分は、ユーザの頭部の側面部分に対する支持を提供するよう構成される。側面部分は、ユーザの頭部のための側面衝撃保護具を構成してもよい。
【0020】
上方及び下方位置間の拘束部材の回転は、ユーザ自身によって、彼の手のうちの一方によって行われてもよい。
【0021】
下方位置において、拘束部材は、間隙が前額部と拘束部材との間に延在するように、ユーザの前額部から離間されてもよい。この間隙は、前額部と拘束部材との間の接触がないため、格別の快適度をユーザに提供できる。しかし、頭部の前方移動を区切るため拘束部材が有効に動作することを可能にするために、間隙は大きすぎるべきではない。
【0022】
拘束部材は、2つの側面部材及びそれらの間に配設される中央部材により構成される。側面部材のうちの一方はヘッドレスト部材の一方の側面部分の外装面に枢動自在に連接してもよく、側面部材のうちのもう一方はヘッドレスト部材の側面部分のもう一方の外装面に枢動自在に連接してもよい。枢動自在接続は、スナップファスナによって提供されてもよい。
【0023】
拘束部材の中央部材はストラップとして形成されてもよい。
【0024】
側面部分のそれぞれは、その外装面に形成される区切チャネルと共に構成されてもよい。
【0025】
側面部材のそれぞれは、上方及び下方位置間の拘束部材の変位時に、そのそれぞれの区切チャネル内に受け取られ、その2つの最端部間で変位されるよう構成される突出部分と共に構成されてもよい。
【0026】
側面部材及び区切チャネルは、可撓性であるが、硬質の塑性材料でできていてもよい。例えば、側面部材及び区切チャネルは、ポリプロピレン等のポリマーでできていてもよい。
【0027】
区切チャネルは円弧形状を有してもよく、その長さは、その上方及び下方位置においてヘッドレスト部材と拘束部材との間の角度に対応する。
【0028】
ヘッドレストレイントはモジュール式であり、以下の2つの構成:
−拘束部材が、その上方及び下方位置間で変位されるようヘッドレスト部材に枢動自在に取り付けられる前部構成と、
−拘束部材が、ヘッドレスト部材の後側に配設され、それに接続される後部構成を有し、後部構成において、拘束部材は、ヘッドレスト部材の外装面を略全体的に係合させ、後部構成において、ヘッドレストレイントは、丸められるか、折り畳まれることによってコンパクトに束ねられてもよい。
【0029】
拘束部材は、ユーザの前額部と前記拘束部材との間の距離を調整し、ユーザの頭部の上部と前記拘束部材との間の距離を調整し、異なる大きさの頭部に対して前記ヘッドレストレイントを調整するように、可変長を有してもよい。
【0030】
側面部材は、面ファスナ(例えば、Velcro(登録商標)ファスナ)によって中央部材に連接してもよい。
【0031】
面ファスナは、拘束部材の長さを調節することを可能にしてもよい。その上、面ファスナは、側面部材に対する中央部材の垂直位置を調節することを可能にしてもよい。この垂直調節は、中央部材をユーザの(例えば、子供の)前額部の正確に前に位置決めすることを可能にしてもよい。しかし、大人がヘッドレスト部材を用いる場合、中央部材は、安眠マスクとして用いられるように、彼の眼の前に位置してもよい。
【0032】
中央部材は、可撓性であってもよく、軟質で剛体ではあるが、曲げやすい材料から形成されてもよい。
【0033】
ヘッドレスト部材も、可撓性であってもよく、軟質で剛体ではあるが、曲げやすい材料から形成されてもよい。
【0034】
取付配置部は、2対のストリップを備えていてもよい。各ストリップ対は、バックル、長さ調節要素、又は面ファスナ等の手段を接続することによって互いに連接している。
【0035】
取付配置部は、ヘッドレストレイントを座席のシートヘッドレストに取り付けるために構成されてもよい。
【0036】
取付配置部は、座席に対して、及び、ユーザの頭部の高さに対してヘッドレストレイントの高さを調節するために用いられてもよい。
【0037】
ヘッドレストレイントは、更に、子供又は乳幼児が車両内に置き去りにされている状況を検出するためのそれに取り付けられる感知ユニットを含んでもよい。かかる感知ユニットは、かかる状況を警告するための警告システムと共に構成されてもよい。
【0038】
ヘッドレストレイントは、更に、ユーザの声(例えば、子供の声)を増幅するためのそれに取り付けられるマイクロフォンを含んでもよい。
【0039】
現在開示する主題の第2の態様によれば、ヘッドレストレイントであって、
背面部分と、それから延在する2つの側面部分とにより構成されるヘッドレスト部材と、
前記側面部分に枢動自在に連接し、少なくとも上方位置と下方位置との間の回転のために構成される拘束部材と、を備え、
ヘッドレスト部材が、側面部分が第1の範囲で互いから離間される第1の状態と、側面部分が前記第1の範囲よりも小さい第2の範囲に互いから離間される第2の状態とを呈することを可能にするように、ヘッドレスト部材の側面部分は背面部分に対して折り畳み可能である、ヘッドレストレイントが提供される。
【0040】
現在開示する主題の第3の態様によれば、座席であって、
(a)着座部分と、
(b)シートヘッドレストと、
(c)シートヘッドレストに取り付けられる背面部分とそれから延在する2つの側面部分とにより構成されるヘッドレスト部材と、前記側面部分に枢動自在に連接し、少なくとも上方位置と下方位置との間の回転のために構成される拘束部材とを備えるヘッドレストレイントと、を備え、
ヘッドレスト部材が、側面部分が第1の範囲で互いから離間される第1の状態と、側面部分が前記第1の範囲よりも小さい第2の範囲に互いから離間される第2の状態とを呈することを可能にするように、ヘッドレスト部材の側面部分は背面部分に対して折り畳み可能である、座席が提供される。
【0041】
以下の特徴、意匠、及び構成のうちのいずれか1つ以上は、第2又は第3の態様に従って、個々に、又は、それらの組み合わせで現在開示する主題に組み込まれてもよい。
その上方位置とその下方位置との間の拘束部材の変位は、ヘッドレスト部材がその第1及び第2の状態をそれぞれ呈する原因となるよう構成されてもよい。
【0042】
背面部分は、縫製、クリップ、ジッパ、面ファスナ等のような様々な締結手段によってシートヘッドレストに取り付けられてもよい。
【0043】
ヘッドレストレイントは、子供用補助シート、チャイルドシート、ベビーカー、車両用シート、車椅子の座席、椅子、ベンチ等のような様々な種類の座席に取り付けられてもよい。
【0044】
第2の状態において、側面部分はユーザの耳の近傍に配設されてもよい。これは、騒音を低減し、従って、ユーザの眠りの質を向上することに有用である可能性がある。
【0045】
側面部分のそれぞれは、第2の状態において、ユーザの耳に音を提供するためにユーザの耳の近傍にイヤホンが配設されるように、イヤホンと共に構成されてもよい。音は、例えば、リラックスさせる音楽、物語、又は親の声であってもよい。
【0046】
背面部分及び側面部分は、一体化され、互いに連続又は取付可能であってもよい。
【0047】
背面部分及び側面部分は、支持クッションとして形成されてもよい。
【0048】
背面部分は、ユーザの頭部の背面部分に対する支持を提供するよう構成され、側面部分は、ユーザの頭部の側面部分に対する支持を提供するよう構成される。側面部分は、ユーザの頭部のための側面衝撃保護具を構成してもよい。
【0049】
上方及び下方位置間の拘束部材の回転は、ユーザ自身によって、彼の手のうちの一方によって行われてもよい。
【0050】
下方位置において、拘束部材は、間隙が前額部と拘束部材との間に延在するように、ユーザの前額部から離間されてもよい。この間隙は、前額部と拘束部材との間の接触がないため、格別の快適度をユーザに提供できる。しかし、頭部の前方移動を区切るため拘束部材が有効に動作することを可能にするために、間隙は大きすぎるべきではない。
【0051】
拘束部材は、2つの側面部材及びそれらの間に配設される中央部材により構成される。側面部材のうちの一方はヘッドレスト部材の一方の側面部分の外装面に枢動自在に連接してもよく、側面部材のうちのもう一方はヘッドレスト部材の側面部分のもう一方の外装面に枢動自在に連接してもよい。枢動自在接続は、スナップファスナによって提供されてもよい。
【0052】
拘束部材の中央部材はストラップとして形成されてもよい。
【0053】
側面部分のそれぞれは、その外装面に形成される区切チャネルと共に構成されてもよい。
【0054】
側面部材のそれぞれは、上方及び下方位置間の拘束部材の変位時に、そのそれぞれの区切チャネル内に受け取られ、その2つの最端部間で変位されるよう構成される突出部分と共に構成されてもよい。
【0055】
側面部材及び区切チャネルは、可撓性であるが、硬質の塑性材料でできていてもよい。例えば、側面部材及び区切チャネルは、ポリプロピレン等のポリマーでできていてもよい。
【0056】
区切チャネルは円弧形状を有してもよく、その長さは、その上方及び下方位置においてヘッドレスト部材と拘束部材との間の角度に対応する。
【0057】
ヘッドレストレイントはシートヘッドレストから分離されてもよい。
【0058】
ヘッドレストレイントはモジュール式であり、以下の2つの構成:
−拘束部材が、その上方及び下方位置間で変位されるようヘッドレスト部材に枢動自在に取り付けられる前部構成と、
−拘束部材が、ヘッドレスト部材の後側に配設され、それに接続される後部構成を有し、後部構成において、拘束部材は、ヘッドレスト部材の外装面を略全体的に係合させ、後部構成において、ヘッドレストレイントは、丸められるか、折り畳まれることによってコンパクトに束ねられてもよい。
【0059】
拘束部材は、ユーザの前額部と前記拘束部材との間の距離を調整し、ユーザの頭部の上部と前記拘束部材との間の距離を調整し、異なる大きさの頭部に対して前記ヘッドレストレイントを調整するように、可変長を有してもよい。
【0060】
側面部材は、面ファスナ(例えば、Velcro(登録商標)ファスナ)によって中央部材に連接してもよい。
【0061】
面ファスナは、拘束部材の長さを調節することを可能にしてもよい。その上、面ファスナは、側面部材に対する中央部材の垂直位置を調節することを可能にしてもよい。この垂直調節は、中央部材をユーザの(例えば、子供の)前額部の正確に前に位置決めすることを可能にしてもよい。しかし、大人がヘッドレスト部材を用いる場合、中央部材は、安眠マスクとして用いられるように、彼の眼の前に位置してもよい。
【0062】
中央部材は、可撓性であってもよく、軟質で剛体ではあるが、曲げやすい材料から形成されてもよい。
【0063】
ヘッドレスト部材も、可撓性であってもよく、軟質で剛体ではあるが、曲げやすい材料から形成されてもよい。
【0064】
ヘッドレストレイントは、更に、子供又は乳幼児が車両内に置き去りにされている状況を検出するためのそれに取り付けられる感知ユニットを含んでもよい。かかる感知ユニットは、かかる状況を警告するための警告システムと共に構成されてもよい。
【0065】
ヘッドレストレイントは、更に、ユーザの声(例えば、子供の声)を増幅するためのそれに取り付けられるマイクロフォンを含んでもよい。
【0066】
この文書中で開示される主題をより良く理解し、それがどのように実際に行われてもよいかを例示するために、実施形態を、非限定的な実施例のみを用いて、添付図面を参照してここで説明する。