特許第6262425号(P6262425)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262425
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】調律装置
(51)【国際特許分類】
   G10G 7/02 20060101AFI20180104BHJP
【FI】
   G10G7/02 100
【請求項の数】4
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2012-253155(P2012-253155)
(22)【出願日】2012年11月19日
(65)【公開番号】特開2014-102323(P2014-102323A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年11月6日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日 2012年8月31日 掲載アドレス http://www.roland.co.jp/products/connect/ http://www.roland.co.jp/products/jp/VT−12/ http://www.roland.co.jp/products/jp/VT−12/♯products−tab−02
(73)【特許権者】
【識別番号】000116068
【氏名又は名称】ローランド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】特許業務法人しんめいセンチュリー
(72)【発明者】
【氏名】油井 宏文
(72)【発明者】
【氏名】奥村 昌平
【審査官】 菊池 智紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−325744(JP,A)
【文献】 実開昭61−079398(JP,U)
【文献】 特表平11−509336(JP,A)
【文献】 特開2000−293188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10G 1/00− 7/02
G10H 1/00− 7/12
G10L 25/00−25/93
G09B 15/00−15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音を入力するための入力手段と、
同時に発音された2音の混合音が前記入力手段から入力された場合に、当該混合音から、少なくとも2つのピッチを各々独立して検出可能なピッチ検出手段と、
前記ピッチ検出手段により検出されたピッチのうち、1のピッチに最も近い音名を、第1音名として、平均律音階により決定する第1音名決定手段と、
前記ピッチ検出手段により検出されたピッチのうち、前記1のピッチとは異なるピッチを対象ピッチとし、当該対象ピッチに最も近い音名を、第2音名として、前記第1音名決定手段により決定された前記第1音名の基準ピッチを主音の基準ピッチとする純正律音階により決定する第2音名決定手段と、
前記第1音名および前記第2音名を表示可能な音名表示手段と、
前記ピッチ検出手段により検出されたピッチのうち、前記第1音名に対応する第1ピッチと、前記第2音名に対応する第2ピッチとの相対的なピッチの差分値に関する情報を報知可能な報知手段とを備えていることを特徴とする調律装置。
【請求項2】
前記報知手段による報知を制御する報知制御手段を備え、
前記報知制御手段は、前記第1音名決定手段により決定された第1音名を純正律音階の主音とし、前記第2音名決定手段がその主音による純正律音階により第2音名を決定した場合には、前記相対的なピッチの差分値が、純正律音階による主音の基準ピッチと純正律音階の前記主音以外の任意の音名の基準ピッチとの間の音程である基準音程のうち、当該相対的なピッチの差分値に最も近い基準音程を中心とする所定範囲に含まれる場合、前記報知手段による所定の報知を行うことを特徴とする請求項1記載の調律装置。
【請求項3】
前記報知手段による報知を制御する報知制御手段を備え、
前記報知制御手段は、前記第2音名決定手段が純正律音階により第2音名を決定した場合には、前記相対的なピッチの差分値が、純正律音階による主音の基準ピッチと純正律音階の前記主音以外の任意の音名の基準ピッチとの間の音程である基準音程のうち、当該相対的なピッチの差分値に最も近い基準音程を中心とする所定範囲から外れる場合、前記相対的なピッチの差分値が、当該相対的なピッチの差分値に最も近い基準音程に比べて、大きい値であるか、小さい値であるかを区別可能な報知を、前記報知手段に実行させることを特徴とする請求項1または2に記載の調律装置。
【請求項4】
前記報知手段による報知を制御する報知制御手段を備え、
前記報知制御手段は、前記第2音名決定手段が純正律音階により第2音名を決定した場合には、前記相対的なピッチの差分値が純正律音階による主音の基準ピッチと純正律音階の前記主音以外の任意の音名の基準ピッチとの間の音程である基準音程のうち、当該相対的なピッチの差分値に最も近い基準音程と、その次に近い基準音程との中間値を中心とする所定範囲に含まれる場合、前記報知手段による報知を行わないことを特徴とする請求項記載の調律装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同時に発音された2音のハーモニーを好適に調律可能な調律装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、合奏においてきれいなハーモニーが生じるように、発生される標準楽音との音程(インターバル)に応じて、自分の楽器が採るべき目標ピッチに対して自分のピッチを調律するための調律器が記載されている。具体的に、特許文献1の調律器は、調律すべき楽音として入力された入力楽音の周波数から判別された当該入力楽音の音階音名と、予め設定された、当該入力楽音と和音を構成する標準楽音とのインターバルとから、(1)標準楽音の音階音名を決定した後、当該標準楽音の音階音名に対するピッチ(純正律の主音に対するピッチ)を平均律により決定し、(2)前記決定された純正律の主音に対するピッチに対し、前記予め設定されたインターバルを持つ純正律による基準ピッチを決定し、当該決定された基準ピッチと、入力楽音のピッチとのピッチ誤差をピッチ誤差表示部に表示させる。
【0003】
かかる特許文献1の調律器によれば、和音を構成する1の音(入力楽音)につき、設定されたインターバルに応じて決定される、調律器から発せられる他方の音(標準楽音)に対して純正律音階に基づいて響かせることができる基準ピッチ(即ち、入力楽音が目標とするピッチ)に対する入力楽音のピッチ誤差を確認できる。よって、ユーザは、ピッチ誤差表示部に表示されたピッチ誤差を確認しながら、当該ピッチ誤差がゼロとなるように入力楽音の調律を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−132256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2音のハーモニーは、各音が音階音名の基準ピッチから多少ずれていたとしても、両音の相対的なピッチ差が、平均律音階、純正律長調音階、または純正律短調音階などの所定の音階に応じた基準ピッチ間の音程(以下、この音程を「基準音程」と称す)であれば、そのハーモニーを、(2音が基準音程を持つという意味において)美しく響かせることができる。よって、例えば、二人のボーカルが同時に歌唱して行うハーモニー練習では、2音の相対的なピッチ差を確認しながら、各ボーカル音の調律を行うことが有用である。しかしながら、特許文献1に記載の調律器は、和音を構成する1音ずつの調律を行うことができるが、同時に発音された2音の相対的なピッチ差を確認することはできないため、ボーカルなどのハーモニー練習の用途には不向きであった。
【0006】
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、同時に発音される2音のハーモニーを好適に調律可能な調律装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この目的を達成するために、請求項1記載の調律装置によれば、同時に発音された2音の混合音から、少なくとも2つのピッチを各々独立して検出可能なピッチ検出手段が設けられており、当該ピッチ検出手段により検出されたピッチのうち、1のピッチに最も近い音名が、第1音名決定手段によって、平均律音階により第1音名として決定される。一方、ピッチ検出手段により検出されたピッチのうち、前記1のピッチとは異なるピッチ(対象ピッチ)に最も近い音名が、第2音名決定手段によって、前記第1音名決定手段により決定された前記第1音名の基準ピッチを主音とする純正律音階により第2音名として決定される。請求項1記載の調律装置は、第1音名および第2音名を表示可能な音名表示手段を備えているので、ユーザは、当該音名表示手段の表示を見ることによって、混合音に含まれる2音のピッチに最も近い基準ピッチを持つ音名を確認することができる。また、第1音名の基準ピッチを主音の基準ピッチとするので、第2音名を容易かつ好適に決定することができる。さらに、請求項1記載の調律装置は、ピッチ検出手段により検出されたピッチのうち、第1音名に対応する第1ピッチと、第2音名に対応する第2ピッチとの相対的な差分値に関する情報を報知可能な報知手段を備えているので、ユーザは、当該報知手段による報知によって、音名表示手段により表示された2音の相対的なピッチの差分値を確認することができ、同時に発音される2音を好適に調律できる。例えば、ユーザは、二声合唱などのハーモニー練習をする場合に、報知手段による報知に基づいて、各パート間の相対的なピッチの差分値を確認しながら、美しいハーモニーを奏でることができるように、一方のパートのピッチと他方のパートのピッチとの相対的な音程(ピッチ差)を調律することができる。
【0009】
請求項記載の調律装置によれば、請求項1記載の調律装置が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2音名決定手段が平均律により第2音名を決定した場合には、相対的なピッチの差分値が、純正律音階による主音の基準ピッチと純正律音階の主音以外の任意の音名の基準ピッチとの間の音程である基準音程のうち、当該相対的なピッチの差分値に最も近い基準音程を中心とする所定範囲に含まれる場合に、報知手段において所定の報知が行われる。よって、ユーザは、報知手段による所定の報知がされたか否かによって、2音の相対的なピッチの差分値が、基準音程に近いか否かを確認することができる。
【0010】
請求項記載の調律装置によれば、請求項1または2に記載の調律装置が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2音名決定手段が純正律音階により第2音名を決定した場合には、相対的なピッチの差分値が、純正律音階による主音の基準ピッチと純正律音階の主音以外の任意の音名の基準ピッチとの間の音程である基準音程のうち、当該相対的なピッチの差分値に最も近い値を中心とする所定範囲から外れる場合に、報知手段において、当該相対的なピッチの差分値が、当該相対的なピッチの差分値に最も近い基準音程に比べて、大きい値であるか、小さい値であるかを区別可能な報知が行われる。よって、ユーザは、報知手段による報知に基づいて、2音の相対的なピッチの差分値が、当該相対的なピッチ差に最も近い基準音程に対し、大きいか小さいかを確認することができる。従って、例えば、ユーザは、調律装置に対して同時に各音をそれぞれ発音し、報知手段による報知に基づいて、基準音程に合うよう、互いのピッチ差を広げたり狭めたりすることによって、ハーモニー練習を行うことができる。
【0011】
請求項記載の調律装置によれば、請求項記載の調律装置が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2音名決定手段が純正律音階により第2音名を決定した場合には、相対的なピッチの差分値が、純正律音階による主音の基準ピッチと純正律音階の主音以外の任意の音名の基準ピッチとの間の音程である基準音程のうち、当該相対的なピッチの差分値に最も近い基準音程と、その次に近い基準音程と中間値を中心とする所定範囲に含まれる場合、報知手段による報知が行われない。つまり、検出された2つのピッチの相対的な差分値が基準音程からかけ離れた値であることを示す場合には、報知手段による報知がされない。よって、ユーザは、報知手段による報知が行われない場合に、2音のハーモニーが不適切な状態であることを知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(a)は、調律装置の概略正面図であり、(b)〜(d)は、音名表示器及び補助表示器における表示の一例を示す模式図である。
図2】基準ピッチに対する入力音のピッチの差分と、音名表示器における各表示部の輝度との関係の一例を説明する説明図である。
図3】入力音のピッチに対する各表示部の輝度変化の一例を示すグラフである。
図4】(a)は、平均律音階および長調の純正律音階における半音ごとのセント差を示す図であり、(b)は、平均律音階および長調の純正律音階における各音名の基準ピッチを示す図であり、(c)は、平均律用音名決定テーブルの内容を模式的に示す図である。
図5】純正律(長調)用音名決定テーブルの内容を模式的に示す図である。
図6】(a)および(b)は、それぞれ、平均律用補助表示テーブルおよび純正律(長調)用補助表示テーブルの内容を模式的に示す図である。
図7】(a)および(b)は、それぞれ、平均律モードおよび純正律モードにおける補助表示器の発光状態の一例を説明する図である。
図8】(a)は、調律装置の電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、調律装置の機能を説明するための機能ブロック図である。
図9】表示処理を示すフローチャートである。
図10】第2実施形態の調律装置の機能を説明するための機能ブロック図である。
図11】第2実施形態の表示処理を示すフローチャートである。
図12】音名の遷移表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1図9を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。図1(a)は、調律装置1の概略正面図である。調律装置1は、ボーカル(音声)や楽器音などの音を調律するための装置であり、音名表示器20と、補助表示器21と、マイク22と、スピーカ23と、操作パネル15とを有する。詳細は後述するが、調律装置1は、ボーカル(歌唱)や管楽器などから同時に発音された2音の混合音がマイク22から入力された場合に、当該混合音を構成する2音のピッチをそれぞれ検出し、音名表示器20及び補助表示器21を、検出された各ピッチに基づき発光させる。特に、補助表示器21は、検出された各ピッチの相対的な差分(相対的なピッチの差分値)が、平均律音階または純正律音階に応じた基準音程に対してどの程度合っているかを報知可能に構成される。なお、純正律の音階は、主音に対して長調と短調の2種類があるが、ここでは純正律長調のみを扱うものとする。よって、以下「純正律音階」とは、特別な注釈がない限りすべて長調の純正律音階を指すものである。
【0014】
音名表示器20は、入力音(被調律音)のピッチに応じた音名を表示するものである。音名表示器20は、1オクターブを構成する12個の音名(C,C#,D,D#,E,F,F#,G,G#,A,A#,B)にそれぞれ対応する12個の表示部20a〜20lから構成される。なお、図面上では、小文字「l(エル)」を全て、筆記体のエルとして表示している。表示部20a〜20lは、1オクターブにおける一端の音名(例えば、C)と他端の音名(例えば、B)とが隣り合うように音高順に円周状に配置される。各表示部20a〜20lは、いずれも、音名が表記された半透明のカバーと、そのカバーに覆われたLEDとから構成され、LEDを点灯させることによって発光させる。
【0015】
補助表示器21は、マイク22から入力された混合音から検出された2音分の各ピッチの差分と、平均律音階または純正律音階に応じた基準音程とのずれ度合いを表示するものである。補助表示器21は、円周状に配置される表示部20a〜20lの内側に配置され、第1表示部21aと、第2表示部21bとを有する。第1表示部21aは、検出された2音のピッチ差が、平均律音階または純正律音階に応じた基準音程のうち、当該ピッチ差に最も近い基準音程より大きいことを示す表示部である。第2表示部21bは、検出された2音のピッチ差が、平均律音階または純正律音階に応じた基準音程のうち、当該ピッチ差に最も近い基準音程より小さいことを示す表示部である。なお、以下の説明では、第1表示部21a及び第2表示部21bを、それぞれ、便宜的に、#表示部21a及び♭表示部21bと称することがある。第1表示部21a及び第2表示部21bは、いずれも、半透明のカバーと、そのカバーに覆われたLEDとから構成され、LEDを点灯させることによって発光させる。
【0016】
図1(b)〜(d)は、音名表示器20及び補助表示器21における表示の一例を示す模式図である。図1(b)〜(d)では、入力音のピッチに応じて決定された音名(基準音名)が「C」である場合の例を示す。
【0017】
本実施形態の調律装置1は、1つの音が入力された場合、基準音名の基準ピッチに対する入力音のピッチの差分に応じて、音名表示器20を構成する表示部20a〜20lのうち、1または隣接する2つの表示部が所定の明るさで発光するように構成されている。例えば、基準音名「C」の基準ピッチ(基準ピッチ「C」)と入力音のピッチとの差分がインチューン状態である場合、すなわち、基準ピッチ「C」に対する入力音のピッチのずれが、音楽的にピッチが合っているとおおよそ許容できる程度に小さい場合、図1(b)に示すように、基準音名「C」に対する表示部20aが最大輝度(100%)で発光され、隣接する表示部20b、20lは消光される。このとき、表示部20aが最大輝度で発光し、かつ隣接する上下の音名C#、Bに対応する表示部20b、20lは消灯状態となっているのを見て確認することで、入力音のピッチが基準ピッチ「C」に合った、すなわち調律が出来たと視覚的に判断することができる。なお、図1(b)〜(d)に示す例では、表示部20a〜20lのうち、発光中の表示部にはハッチングを付し、その濃淡によって輝度の違いを表している。具体的に、ハッチングが濃い程、輝度が高く、ハッチングが薄い程、輝度が低いことを表している。例えば、図1(b)において最大輝度で発光する表示部20a、20e、#表示部21a及び♭表示部21bには、最も濃いハッチングを付している。
【0018】
一方、基準ピッチと入力音のピッチとの差分がある程度大きくなった場合、すなわち、入力音のピッチが基準ピッチに対してインチューン状態でない場合、図1(c)及び(d)に示すように、基準音名に対する表示部20aと、表示部20aに隣接する表示部20b,または20lのうちいずれかとの2つの表示部が同時に発光される。具体的に、基準ピッチ「C」に対して入力音のピッチが高い側にずれている場合には、音名「C」に対する表示部20aと、音名「C#」に対する表示部20bとが発光され、基準ピッチ「C」に対して入力音のピッチが低い側にずれている場合には、表示部20aと、音名「B」に対する表示部20bとが発光される。より詳細には、基準ピッチ「C」と入力音のピッチとの差分が所定の閾値を超えて大きくなると、当該差分の絶対値が大きくなるにつれて、すなわち、入力音のピッチが基準ピッチ「C」から離れ、隣接する音名の基準ピッチ「C#」または「B」に近づくにつれて、基準音名に対する表示部20aの輝度が次第に低くなる一方で、隣接する表示部20b又は表示部20lの輝度が次第に高くなる。
【0019】
また、本実施形態の調律装置1は、同時に発音された2音の混合音がマイク22から入力された場合に、当該混合音を構成する2音のそれぞれに対し、上述した音名表示を、音名表示器20(表示部20a〜20l)に行うことができるように構成されている。図1(b)〜(d)には、混合音を構成する2音のうち、一方の音が表示部20aを発光させ、他方の音が表示部20eを発光させている状態が例示されている。なお、便宜上、図1(b)〜(d)のいずれにおいても、表示部20eが単独で発光された状態を例示しているが、上述した通り、入力音のピッチが、対応する基準ピッチに対してインチューン状態でない場合は、表示部20eと、隣接する表示部20f又は表示部20dとの両方が当該差分の大きさに応じた明暗で発光される。なお、本実施形態の調律装置1は、音律モードとしては、平均律音階のモード(以下「平均律モード」と称す)と、純正律音階のモード(以下、「純正律モード」と称す)とがあり、ユーザが選択した音律モードに応じて、音名表示器20に表示させる各音名を、平均律音階の音名または純正律音階の音名のいずれかで表示できるように構成されている。
【0020】
これに対し、補助表示器21による表示は、混合音として入力された2音の入力音のピッチ差と、平均律音階または純正律音階に応じた基準音程とのずれ度合いを補助的に表示する。補助表示器21による表示の詳細は後述するが、ユーザは、補助表示器21の表示を見ることによって、音名表示器20により音名が表示された2音の相対的なピッチ差と、平均律音階または純正律音階に応じた基準音程とのずれ度合いを確認できる。
【0021】
図2は、調律装置1に1つの音(単音)を入力した場合の、基準ピッチに対する入力音のピッチの差分と、音名表示器20における各表示部20a〜20lの輝度との関係の一例を説明する説明図である。図3は、入力音のピッチに対する各表示部20a〜20lの輝度変化の一例を示すグラフである。図3のグラフにおいて、横軸はピッチを示し、縦軸は輝度(%)を示す。なお、図2または図3において、値Q1は音名「A#」と音名「B」それぞれの基準ピッチ間のピッチのセント差である。同様に、値Q2は音名「B」と音名「C」との、値Q3は音名「C」と音名「C#」との、値Q4は音名「C#」と音名「D」それぞれの基準ピッチ間のピッチのセント差である。1オクターブを構成する各音名(C,C#,D,D#,E,F,F#,G,G#,A,A#,B)について、隣接する2つの音名それぞれの基準ピッチ間のピッチのセント差(…,Q1,Q2,Q3,Q4,…)は、平均律音階である場合には全て100セントである。一方、純正律音階である場合、隣接する音名のピッチ間のセント差は互いに異なっており、さらに同じ2つの音名間であっても、主音になる音名によって(主音の音名が異なれば)異なった値となる。ピッチずれの表示態様については、上述した通り、表示部20a〜20lは、被調律音の1音が入力されてピッチ検出された場合、基準ピッチに対する被調律音のピッチの差分(入力音のピッチから基準ピッチを差し引いた値)に応じて、基準ピッチに対応する1つの表示部のみ単独で、または、基準ピッチに対応する表示部と隣接する1つの表示部との2つの表示部が同時に発光される。本実施形態のように、入力音が2音である場合には、各音名それぞれについて、1音のみが単音で入力された場合と同様なピッチずれの表示が互いに独立した形で行われる。すなわち、入力音の2つのピッチにおいて、それぞれのピッチに最も近い基準ピッチに対する、入力音それぞれのピッチの差分に応じて、表示部20a〜20lのうち、1又は2つの表示部が発光される。
【0022】
ここで、図4および図5を参照して、入力音のピッチに基づき決定される基準音名について説明する。なお、半音刻みの音名については、音階によっては音楽的な意味合いで♭(フラット)と#(シャープ)を区別して用いたり、あるいは表記したりする場合があるが、説明の便宜上、以降すべて#(シャープ)に統一する。図4(a)は、平均律音階および長調の純正律音階における半音ごとのセント差を示す図である。ここで、「平均律音階」とは、1オクターブを構成する12音の音程を均一にして、実用的に簡便にした音律である。よって、平均律音階の場合、図4(a)に示すように、1半音変化する毎に、ピッチが100セントずつ変化する。つまり、平均律音階では、隣接する音名のセント差はすべて100セントである。一方、「純正律音階」とは、自然で調和のとれた理想的な音律をいい、1オクターブ内の各音を全て和声的に純粋な協和度の高い音の組み合わせで構成した音律である。そのため、純正律音階の場合、図4(a)に示すように、主音となる音名を基準として、隣接する音名のセント差はすべて異なる。
【0023】
図4(b)は、平均律音階および純正律音階(長調)における各音名の基準ピッチを示す図である。平均律音階では、1オクターブを構成する各音名(C,C#,D,D#,E,F,F#,G,G#,A,A#,B)における半音ごとの基準ピッチの差は、図4(a)に示すセント差、すなわち、100セントに相当する。一方、純正律音階において、主音となる音名の基準ピッチは、平均律音階によるものである。そして、主音となる音名とその他の各音名との基準ピッチの差は、図4(a)に示す「純正律(長調)」のセント差に相当する。なお、図4(b)では、各純正律音階の主音となる音名の基準ピッチを太枠で囲っている。図4(b)に示すように、平均律音階と純正律音階とでは、各音名に対応する基準ピッチが異なる。また、同じ純正律音階であっても、主音の音名に応じて各音名の基準ピッチが異なる。そこで、本実施形態の調律装置1には、平均律音階および純正律音階について、それぞれ、各音名の基準ピッチが取り得るピッチ範囲を規定するテーブル(音名決定テーブル)を予め準備しておくことによって、入力音の基準音名の決定を容易に行うことができるように構成されている。
【0024】
図4(c)および図5を参照して、上記音名決定テーブルについて説明する。まず、図4(c)は、平均律音階用の音名決定テーブル(以下、「音名決定テーブルH」と称す)の内容を模式的に示す図である。音律モードが平均律モードである場合には、音名決定テーブルHを参照し、入力音のピッチPを含む範囲の音名が、入力音の基準音名として決定される。なお、音名決定テーブルHは、音律モードが純正律モードである場合にも、入力音を構成する2音のうち、主音とする一方の音(例えば、ピッチが低い方の音)の基準音名を決定する場合にも使用される。音名決定テーブルHにおいて、各音名に対するピッチの範囲の境界値は、平均律音階における、対象となる音名の基準ピッチと隣接する音名の基準ピッチとの中間の値である。
【0025】
図5は、純正律音階用の音名決定テーブル(以下、「音名決定テーブルJ」と称す)の内容を模式的に示す図である。音名決定テーブルJは、主音の音名毎に設けられている。なお、図5には、長調の音名決定テーブルJのみが記載されている。音律モードが純正律モードである場合には、入力音を構成する2音のうち、音名決定テーブルHに基づいて決定された一方の音(第1音)を主音の音名とする音名決定テーブルJを参照し、他方の音(第2音)のピッチPに対し、当該ピッチPが含まれる範囲の音名が、第2音の基準音名として決定される。主音の音名毎に設けられた各音名決定テーブルJにおいて、各音名に対するピッチの範囲の境界値は、各主音に対応する純正律音階における、対象となる音名の基準ピッチと隣接する音名の基準ピッチとの中間の値である。
【0026】
次に、図6および図7を参照して、補助表示器21の発光態様(表示態様)について説明する。上述した通り、補助表示器21には、混合音として入力された2つの入力音のピッチ差と、平均律音階または純正律音階に応じた基準音程とのずれ度合いが表示される。本実施形態の調律装置1には、平均律音階および純正律音階について、それぞれ、2つの入力音のピッチ差と、補助表示器21の発光態様とを対応付けたテーブル(補助表示テーブル)を予め準備しておくことによって、補助表示器21による表示制御を容易に行うことができるように構成されている。
【0027】
本実施形態の調律装置1では、補助表示器21の発光態様は、入力された2つの入力音のうち、低い方の音を基準に高い方の音のピッチのずれ度合いを補助表示器21により表す場合のみを扱う。すなわち、低い方の音のピッチを基準ピッチとして、その基準ピッチと高い音のピッチとのピッチ差が、対応する2音間の基準音程に対してより大きい方にずれるか(#表示部21aが発光、♭表示部21bが消光)、小さい方にずれるか(#表示部21aが消光、♭表示部21bが発光)を表すものである。なお、入力された2つの入力音のうち、高い方の音を基準に低い方の音のピッチのずれ度合いを表すことも可能である。ここでは詳細な説明は省くが、その場合ピッチ差に対する補助表示器21の発光/消光の態様は逆転する。すなわち、高い方の音のピッチを基準ピッチとして、その基準ピッチと低い音のピッチとのピッチ差が、対応する2音間の基準音程に対してより大きい方にずれるか(#表示部21aが消光、♭表示部21bが発光)、小さい方にずれるか(#表示部21aが発光、♭表示部21bが消光)を表す。
【0028】
図6(a)は、平均律音階用の補助表示テーブル(以下、「補助表示テーブルH」と称す)の内容を模式的に示す図である。音律モードが平均律モードである場合には、補助表示テーブルHを参照し、2つの入力音のピッチ差ΔCを1200で除したときの余りΔc(セント単位)を含む範囲の発光態様となるように、補助表示器21の♯表示部21aおよび♭表示部21bが発光/消光される。
【0029】
一方、図6(b)は、純正律音階用の補助表示テーブル(以下、「補助表示テーブルJ」と称す)の内容を模式的に示す図である。なお、図6(b)に示す補助表示テーブルJは、長調の純正律音階に対応している。音律モードが純正律モードである場合には、補助表示テーブルJを参照し、Δc(セント単位)を含む範囲の発光態様となるように、補助表示器21の♯表示部21aおよび♭表示部21bが発光/消光される。
【0030】
図6(a)および(b)に示すように、本実施形態において、補助表示器21の発光態様は、Δcの値に応じて、[1]♯表示部21aと♭表示部21bとの両方が発光する態様と、[2]♯表示部21aが発光し、♭表示部21bが消光する態様と、[3]♯表示部21aが消光し、♭表示部21bが発光する態様と、[4]♯表示部21aと♭表示部21bとの両方が消光する態様との4種類から構成される。
【0031】
図7(a)は、平均律モードにおける補助表示器21の発光状態、すなわち、図6(a)の補助表示テーブルHに基づく制御に従う補助表示器21の発光状態の一例を説明する図である。一方、図7(b)は、純正律モードにおける補助表示器21の発光状態、すなわち、図6(b)の補助表示テーブルJに基づく制御に従う補助表示器21の発光状態の一例を説明する図である。
【0032】
図7(a),(b)において、横軸は、Δc、すなわち、2つの入力音のピッチ差ΔCを1200で除したときの余り(セント単位)である。また、図7(a),(b)において、横軸の上側は、Δcの値に対する♭表示部21bの発光状態を表わし、横軸の下側は、Δcの値に対する♯表示部21aの発光状態を表わす。具体的に、♯表示部21aおよび♭表示部21bが発光する範囲を、それぞれ、「♯発光」および「♭発光」と記載したハッチング領域で表わしている。当該ハッチング領域が記載されていない範囲は、♯表示部21aまたは♭表示部21bが消光していることを示す。
【0033】
図7(a),(b)に示すように、平均律モードおよび純正律モードのいずれのモードの場合においても、Δcの値が、X半音差(Xは、0以上の整数)に相当する値、すなわち、基準音程(Z1,Z2,Z3,Z4,…)を中心とする±5セントの範囲内にある場合には、♯表示部21aおよび♭表示部21bの両方が発光する。よって、♯表示部21aおよび♭表示部21bの両方が発光した場合、マイク22から入力された混合音を構成する2音の相対的なピッチ差が、平均律音階又は純正律音階に応じた基準音程のうち、当該相対的なピッチ差に最も近い基準音程の所定のピッチ範囲(±5セント)内に入っている、すなわち入力された2音はハーモニーが合っていることを示す。
【0034】
一方、Δcの値が、X半音差と(X+1)半音差との中間に相当する値(R1,R2,R3,R4,R5,…)を中心とする±10セントの範囲内にある場合には、♯表示部21aおよび♭表示部21bのいずれも消光する。よって、♯表示部21aおよび♭表示部21bの両方が消光した場合、マイク22から入力された混合音を構成する2音の相対的なピッチ差が、平均律音階又は純正律音階に応じた基準音程からかけ離れたピッチ差であることを示す。
【0035】
また、Δcの値が、X半音差を中心とする±5セントの範囲内にも、X半音差と(X+1)半音差との中間に相当する値を中心とする±10セントの範囲内にもない場合、Δcの値が、基準音程であるX半音差に相当する値(Z1,Z2,Z3,Z4,…)のうち、Δcの値に最も近い値より大きい場合には、♯表示部21aが発光され、♭表示部21bが消光される。よって、マイク22から入力された混合音を構成する2音の相対的なピッチ差が、平均律音階又は純正律音階に応じた基準音程のうち、当該ピッチ差に最も近い基準音程より大きいことを示す。
【0036】
一方、Δcの値が、X半音差を中心とする±5セントの範囲内にも、X半音差と(X+1)半音差との中間に相当する値を中心とする±10セントの範囲内にもない場合、Δcの値が、X半音差に相当する値(Z1,Z2,Z3,Z4,…)のうち、Δcの値に最も近い値より小さい場合には、♭表示部21bが発光され、♯表示部21aが消光される。よって、♭表示部21bのみが発光した場合、マイク22から入力された混合音を構成する2音の相対的なピッチ差が、平均律音階又は純正律音階に応じた基準音程のうち、当該ピッチ差に最も近い基準音程より小さいことを示す。
【0037】
上述した通り、本実施形態の調律装置1によれば、補助表示器21が、マイク22から入力された混合音を構成する2音の相対的なピッチ差に応じた発光態様で発光される。よって、例えば、2人の歌唱者が二声合唱のハーモニー練習を行う場合に、補助表示器21の発光態様を確認しながら、2音のピッチ差が平均律音階又は純正律音階に応じた基準音程に合うよう、すなわち、♯表示部21aと♭表示部21bとの両方が発光するように、互いのボーカル音(入力音)のピッチを調律する。例えば、♯表示部21aのみが発光している場合、2人の歌唱者は、2音のピッチ差が小さくなるように、一方または両方のボーカル音のピッチを調律する。一方、♭表示部21bのみが発光している場合、2人の歌唱者は、2音のピッチ差が大きくなるように、一方または両方のボーカル音のピッチを調律する。このように、2音のピッチ差が平均律音階又は純正律音階に応じた基準音程に合うように入力音の調律を行うことによって、2人の歌唱者相互間の相対的なピッチ差を、ハーモニーが合って美しく響かせることができる音程に合わせることができる。
【0038】
また、本実施形態の調律装置1によれば、入力音が2音である場合には、各音名それぞれについて、1音のみが単独音で入力された場合と同様なピッチずれの表示が互いに独立した形で行われる。よって、2人の歌唱者の2音それぞれのピッチが、対応する音名の基準ピッチに対して合っているか、高い方または低い方にずれているかについても、音名表示器20を見ることで、視覚的に情報を得ることができる。このため、2人の歌唱者は、各々自分の発する声のピッチに対応する音名の基準ピッチに対するピッチのずれ度合いを、音名表示器20を参照して確認しつつ、お互いのピッチの相対的な音程の正確さ(すなわち、基準音程に合っているか)を、前述のように補助表示器21により知ることができるので、二声合唱の効果的なハーモニーの練習を行うことが可能となる。
【0039】
図8(a)は、調律装置1の電気的構成を示すブロック図である。調律装置1は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、フラッシュメモリ14と、操作パネル15と、ドライバ16と、アナログデジタルコンバータ(ADC)17と、音名表示器20と、補助表示器21と、マイク22とを有している。各部11〜17は、バスライン24を介して互いに接続される。マイク22は、ADC17に接続される。音名表示器20及び補助表示器21は、ドライバ16に接続される。
【0040】
CPU11は、ROM12に記憶される固定値やプログラム、RAM13に記憶されているデータなどに従って、調律装置1の各部を制御する中央制御装置である。CPU11は、クロック信号を計数することにより、時刻を計時するタイマ(図示せず)を内蔵している。ROM12は、書き替え不能な不揮発性メモリであって、CPU11に実行させる制御プログラム12aや、この制御プログラム12aが実行される際にCPU11により参照される固定値データ(図示せず)などが記憶される。なお、図9のフローチャートに示す各処理は、制御プログラム12aに基づいて実行される。
【0041】
RAM13は、書き替え可能な揮発性メモリであり、CPU11が制御プログラム12aを実行するにあたり、各種のデータを一時的に記憶するためのテンポラリエリアを有する。フラッシュメモリ14は、書き換え可能な不揮発性のメモリであり、音名決定テーブル14aと、補助表示テーブル14bとが記憶される。
【0042】
音名決定テーブル14aは、1オクターブを構成する各音に対応するピッチ範囲を規定するテーブルであり、平均律モードにおいて使用する音名決定テーブルHと、純正律モードにおいて使用する音名決定テーブルJとが記憶されている。音名決定テーブルHは、上述した図4(c)のテーブルである。本実施形態の調律装置1には、純正律用音名決定テーブルとして、長調の純正律音階の基準ピッチに応じて規定されるテーブル、すなわち、図5の音名決定テーブルJが記憶されている。
【0043】
補助表示テーブル14bは、2つの入力音のピッチ差と補助表示器21の発光態様とを対応付けたテーブルであり、平均律モードにおいて使用する図6(a)の補助表示テーブルHと、純正律モードにおいて使用する図6(b)の補助表示テーブルJとが記憶されている。
【0044】
操作パネル15は、ユーザが各種指示を入力する操作子や、7セグメントLEDから構成される表示部などが設けられたパネルである。操作パネル15は、音律モードを、平均律モードまたは純正律モードのいずれかに設定するモード選択操作子37(図8(b)参照)を有する。
【0045】
ドライバ16は、音名表示器20の表示部20a〜20lにそれぞれ設けられたLED、及び、補助表示器21の各表示部21a,21bにそれぞれ設けられたLEDに接続され、各LEDを発光させるLEDドライバである。ドライバ16は、CPU11から入力された、発光態様を指示する制御情報に従い、指示対象のLEDを発光させる。ドライバ16は、PWM(Pulse Width Modulation)制御によって、各LEDの輝度を制御する。よって、CPU11から供給された制御情報がLEDの輝度を指定する情報である場合には、指定された輝度に応じたデューティ比の電力パルスが制御対象とするLEDへ供給される。これにより、表示部20a〜20lおよび表示部21a,21bに設けられた各LEDは、供給された電力パルスのデューティ比に応じた輝度、即ち、CPU11により指定された輝度で発光する。本実施形態において、各表示部20a〜20lにそれぞれ設けられたLEDは、多色表示可能なLED(本実施形態では、3色LED)から構成され、CPU11からの制御情報に応じた色で発光する。
【0046】
図8(b)は、調律装置1の機能を説明するための機能ブロック図である。図8(b)に示すように、調律装置1は、入力手段31と、ピッチ検出手段32と、第1音名決定手段33と、第2音名決定手段34と、音名表示制御手段35と、補助表示制御手段36と、モード選択操作子37と、音名表示器20と、補助表示器21とを含む。
【0047】
モード選択操作子37は、操作パネル15に設けられた操作子の1つであり、ユーザが音律モードを選択する場合に操作される。具体的に、モード選択操作子37を操作することによって、音律モードを、平均律モードまたは純正律モードのいずれかに設定することができる。ユーザがモード選択操作子37を操作し、音律モードとして、平均律モードか純正律モードかのいずれを選択した場合、選択されたモードを示す情報が、第2音名決定手段34と、補助表示制御手段36とに供給される。
【0048】
一方、入力手段31は、外部からの入力音を調律装置1へ入力させる機能であり、マイク22およびADC17などによって実現される。入力手段31は、入力音をピッチ検出手段32に供給する。本実施形態では、同時に発音された2音(第1音,第2音)の混合音を入力手段31から入力させるものとする。かかる場合、ピッチ検出手段32には、当該混合音が供給される。
【0049】
ピッチ検出手段32は、入力手段31から供給された入力音のピッチを検出する機能であり、CPU11などによって実現される機能である。本実施形態のピッチ検出手段32は、2音のピッチをそれぞれ独立して検出可能に構成される。よって、第1音と第2音とを含む混合音が、入力手段31に入力された場合、ピッチ検出手段32は、第1音のピッチと第2音のピッチとをそれぞれ検出する。なお、複数のピッチ(例えば、2音のピッチ)をそれぞれ独立して検出する技術は周知であるので、その詳細な説明は省略する。ピッチ検出手段32は、検出したピッチのうち、第1音のピッチを、第1音名決定手段33に供給し、第2音のピッチを、第2音名決定手段34に供給する。また、ピッチ検出手段32は、検出した2音のピッチを、音名表示制御手段35と、補助表示制御手段36とに供給する。
【0050】
第1音名決定手段33は、入力手段31から入力された混合音に含まれる第1音の基準音名を決定する機能であり、CPU11などによって実現される機能である。第1音名決定手段33は、ピッチ検出手段32から供給された第1音のピッチに基づき、第1音の基準音名を決定する。具体的に、第1音のピッチに最も近い音名を基準音名として決定する。本実施形態では、音名決定テーブル14aの1つである音名決定テーブルHを参照し、第1音のピッチを含む範囲に対応する音名を、第1音の基準音名として決定する。第1音名決定手段33は、決定された第1音の基準音名を、第2音名決定手段34と、音名表示制御手段35とに供給する。
【0051】
第2音名決定手段34は、入力手段31から入力された混合音に含まれる第2音の基準音名を決定する機能であり、CPU11などによって実現される機能である。第2音名決定手段34は、ピッチ検出手段32から供給された第2音のピッチに基づき、第2音の基準音名および基準ピッチを決定する。第2音名決定手段34は、第2音の基準音名の決定を、モード選択操作子37により選択されたモードに対応する音律に従って行う。具体的に、平均律モードが選択されている場合には、平均律音階に基づいて、第2音のピッチに最も近い音名を基準音名として決定する。本実施形態では、平均律モードである場合、音名決定テーブル14aの1つである音名決定テーブルHを参照し、第2音のピッチを含む範囲に対応する音名を、第2音の基準音名として決定する。
【0052】
一方、純正律モードが選択されている場合には、第1音名決定手段33から供給された第1音の音名を主音とする純正律音階に基づいて、第2音のピッチに最も近い音名を基準音名として決定する。本実施形態では、純正律モードである場合、音名決定テーブル14aの1つである音名決定テーブルJのうち、第1音名決定手段から供給された第1音の音名を主音とするテーブルを参照し、第2音のピッチを含む範囲に対応する音名を、第2音の基準音名として決定する。第2音名決定手段34は、決定された第2音の基準音名を、音名表示制御手段35に供給する。
【0053】
音名表示制御手段35は、音名表示器20の発光を制御する機能であり、CPU11およびドライバ16などによって実現される。音名表示制御手段35は、ピッチ検出手段32から供給された第1音のピッチと、第1音名決定手段33から供給された第1音の基準音名および当該基準音名に対応する基準ピッチとに基づき、音名表示器20の表示部20a〜20lのうち、発光対象とする表示部に対し、発光輝度に応じたデューティ比の電力パルスを供給する。音名表示制御手段35から電力パルスが供給されると、音名表示制御手段35において発光対象とされた表示部20a〜20lのLEDが所定の発光色および輝度で発光する。これにより、入力された混合音のうち、第1音に対する音名表示が音名表示器20において行われる。
【0054】
また、音名表示制御手段35は、ピッチ検出手段32から供給された第2音のピッチと、第2音名決定手段34から供給された第2音の基準音名および当該基準音名に対応する基準ピッチとに基づき、音名表示器20の表示部20a〜20lのうち、発光対象とする表示部に対し、発光輝度に応じたデューティ比の電力パルスを供給する。これにより、入力された混合音のうち、第2音に対する音名表示が音名表示器20において行われる。
【0055】
補助表示制御手段36は、補助表示器21(第1表示部21a,第2表示部21b)の発光を制御する機能であり、CPU11およびドライバ16などによって実現される。補助表示制御手段36は、ピッチ検出手段32から供給された第1音のピッチと第2音のピッチとのピッチ差に基づき、補助表示器21の表示部21a,21bのうち、発光対象とする表示部に対し、発光輝度に応じたデューティ比の電力パルスを供給する。補助表示制御手段36から電力パルスが供給されると、補助表示制御手段36において発光対象とされた第1表示部21a及び/又は第2表示部21bのLEDが所定の発光色および輝度で発光する。
【0056】
補助表示制御手段36は、発光対象とする表示部21a,21bの決定を、モード選択操作子37により選択されたモードに対応する音律に従って行う。具体的に、平均律モードが選択されている場合には、補助表示テーブル14bの1つである補助表示テーブルHを参照し、第1音のピッチと第2音のピッチとのピッチ差に応じて、発光対象とする表示部21a,21bを決定する。一方、純正律モードが選択されている場合には、補助表示テーブル14bの1つである補助表示テーブルJを参照し、第1音のピッチと第2音のピッチとのピッチ差に応じて、発光対象とする表示部21a,21bを決定する。
【0057】
図9は、上記構成を有する調律装置1のCPU11が実行する表示処理を示すフローチャートである。表示処理は、マイク22から入力された混合音(入力音)から検出された各ピッチに基づき、音名表示器20及び補助表示器21の表示を制御する処理である。表示処理は、操作パネル15に対する所定の操作によって、混合音の調律作業を開始する指示が入力されると開始し、以降は所定時間毎(例えば、200ms毎)に繰り返し実行される。
【0058】
CPU11は、まず、混合音に含まれる2音のピッチP1,P2(P1<P2)をそれぞれ検出する(S901)。なお、ピッチP1は、第1音のピッチとし、ピッチP2は、第2音のピッチとする。次に、CPU11は、検出されたピッチP1に最も近い音名Np1と、当該音名Np1に対応する基準ピッチSp1とを決定し(S902)、処理をS903に移行する。S902において、CPU11は、音名決定テーブル14aとして記憶されている、図4(c)の音名決定テーブルHを参照し、ピッチP1を含む範囲に対応する音名を、音名Np1として決定する。また、音名Np1に対応する基準ピッチSp1は、平均律に従って決定する。
【0059】
S903において、CPU11は、音律モードを判断する。音律モードが平均律モードであると、CPU11が判断した場合(S903:平均律モード)、CPU11は、音名決定テーブルHを、第2音の音名を決定するためのテーブルとして選択し(S904)、処理をS905に移行する。一方、音律モードが純正律モードであると、CPU11が判断した場合(S903:純正律モード)、CPU11は、音名決定テーブル14aとして記憶されている、図5の音名決定テーブルJのうち、音名Np1を主音とするテーブルを、第2音の音名を決定するためのテーブルとして選択し(S913)、処理をS905に移行する。
【0060】
S905において、CPU11は、S904またはS913において選択されたテーブルを参照し、検出されたピッチP2に最も近い音名Np2と、当該音名Np2に対応する基準ピッチSp2とを決定する。S905において、音名Np2に対応する基準ピッチSp2は、平均律モードの場合は平均律音階に従って決定し、純正律モードの場合は音名Np1を主音とする純正律音階に従って決定する。
【0061】
次に、CPU11は、x=1,2について、それぞれ、検出されたピッチPxから、音名Npxの基準ピッチSpxを減算した差分Δpxを、セント単位で算出する(S906)。つまり、S906において、CPU11は、第1音および第2音のそれぞれについて、決定された音名の基準ピッチに対する、検出されたピッチのずれ度合いをセント単位で算出する。
【0062】
次に、CPU11は、x=1,2について、それぞれ、算出されたΔpxの値について判断する(S907)。S907において、Δpxの値が、−10セント≦Δpx≦+10セントの範囲内であると、CPU11が判断した場合(S907:−10cent≦Δpx≦+10cent)、CPU11は、音名表示器20において、音名Npxに対する表示部を、100%の輝度で赤色に発光させるよう、ドライバ16に制御情報を出力し(S908)、処理をS909に移行する。よって、Δpxの値が、−10セント≦Δpx≦+10セントの範囲内である場合には、表示部20a〜20lのうち、音名Npxに対する表示部が100%の輝度で赤色に発光する。
【0063】
一方、S907において、Δpxの値が、Δpx<−10セントを満たすと、CPU11が判断した場合(S907:Δpx<−10cent)、CPU11は、音名表示器20において、音名Npxに対する表示部と、当該表示部に隣接する半音下の表示部とを、Δpxの値に応じた輝度で赤色に発光させるよう、ドライバ16に制御情報を出力し(S914)、処理をS909に移行する。S914において、両表示部の輝度は、例えば、図3のグラフに示す関係性に従い決定される。よって、Δpxの値が、−10セントより小さい場合には、表示部20a〜20lのうち、音名Npxに対する表示部と当該表示部に隣接する半音下の表示部とがいずれも赤色で発光するとともに、両表示部のうち、音名Npxに対する表示部の輝度は、Δpxの絶対値が大きくなるにつれて次第に低くなり、当該表示部に隣接する半音下の表示部の輝度は、Δpxの絶対値が大きくなるにつれて高くなる。
【0064】
また、S907において、Δpxの値が、+10セント<Δpxを満たすと、CPU11が判断した場合(S907:+10cent<Δpx)、CPU11は、音名表示器20において、音名Npxに対する表示部と、当該表示部に隣接する半音上の表示部とを、Δpxの値に応じた輝度で赤色に発光させるよう、ドライバ16に制御情報を出力し(S915)、処理をS909に移行する。なお、S915において、両表示部の輝度は、例えば、図3のグラフに示す関係性に従い決定される。よって、Δpxの値が、+10セントより大きい場合には、表示部20a〜20lのうち、音名Npxに対する表示部と当該表示部に隣接する半音下の表示部とがいずれも赤色で発光するとともに、両表示部のうち、音名Npxに対する表示部の輝度は、Δpxの絶対値が大きくなるにつれて次第に低くなり、当該表示部に隣接する半音上の表示部の輝度は、Δpxの絶対値が大きくなるにつれて高くなる。
【0065】
なお、本実施形態では、x=1(第1音)の場合も、x=2(第2音)の場合も、音名表示器20(表示部20a〜20l)を赤色で発光させる構成としたが、x=1の場合とx=2の場合とで、発光色を異ならせる構成としてもよい。例えば、x=1の場合には発光色を赤色とし、x=2の場合には発光色を青色としてもよい。
【0066】
S909において、CPU11は、ピッチP2から、ピッチP1を減算した差分ΔCを、セント単位で算出する。つまり、S909において、CPU11は、第1音のピッチP1と第2音のピッチP2との相対的な差分ΔCをセント単位で算出する。次に、CPU11は、ΔC%1200を演算して、Δcを算出する(S910)。演算子「%」は、剰余演算子である。つまり、S910において、CPU11は、ΔCを1200で除したときの余りをΔcとして算出する。
【0067】
次に、CPU11は、音律モードを判断する(S911)。音律モードが平均律モードであるとCPU11が判断した場合(S911:平均律モード)、CPU11は、補助表示テーブル14bとして記憶されている、図6(a)の補助表示テーブルHを参照し、補助表示器21(♯表示部21a,♭表示部21b)のLEDを、Δcの値に応じた発光態様で発光又は消光させるよう、ドライバ16に制御情報を出力し(S912)、本処理を終了する。
【0068】
一方、S911において、音律モードが純正律モードであるとCPU11が判断した場合(S911:純正律モード)、CPU11は、補助表示テーブル14bとして記憶されている、図6(b)の音名決定テーブルJを参照し、補助表示器21(♯表示部21a,♭表示部21b)のLEDを、Δcの値に応じた発光態様で発光又は消光させるよう、ドライバ16に制御情報を出力し(S916)、本処理を終了する。
【0069】
S912,S916の処理が実行されると、補助表示器21(♯表示部21a,♭表示部21b)が、Δcの値に応じた発光態様で発光又は消光される。具体的に、Δcの値が、平均律または純正律の音階に従うX半音差(Xは、0以上の整数)に相当する値を中心とする±5セントの範囲内にある場合には、♯表示部21aおよび♭表示部21bの両方が発光する。一方、Δcの値が、X半音差と(X+1)半音差との中間に相当する値を中心とする±10セントの範囲内にある場合には、♯表示部21aおよび♭表示部21bのいずれも消光する。
【0070】
また、Δcの値が、X半音差を中心とする±5セントの範囲内にも、X半音差と(X+1)半音差との中間に相当する値を中心とする±10セントの範囲内にもない場合、Δcの値が、X半音差に相当する値のうち、Δcの値に最も近い値より大きい場合には、♯表示部21aが発光され、♭表示部21bが消光される。一方、Δcの値が、X半音差を中心とする±5セントの範囲内にも、X半音差と(X+1)半音差との中間に相当する値を中心とする±10セントの範囲内にもない場合、Δcの値が、X半音差に相当する値のうち、Δcの値に最も近い値より小さい場合には、♭表示部21bが発光され、♯表示部21aが消光される。
【0071】
以上説明した通り、本実施形態の調律装置1によれば、混合音を構成する2音の相対的なピッチ差に応じて補助表示部21の発光態様(表示態様)が制御されるので、ユーザは、音名表示器20により、2音それぞれのピッチが、対応する音名の基準ピッチに対して合っているか、高い方または低い方にずれているかについて確認しながら、同時に、補助表示部21の発光態様に基づき、2音の相対的なピッチ差を確認することができる。よって、ユーザは、例えば、二声合唱などのハーモニー練習をする場合に、補助表示部21の発光態様に基づいて、各パートの音の相対的なピッチ差を確認することで、美しいハーモニーを奏でることができるように、各パートの絶対的な音程ではなく、一方のパートのピッチと他方のパートのピッチとの相対的な音程(ピッチ差)を調律することができる。これにより、2音を長3度や完全5度の音程を持たせたハーモニー音とするハーモニー演奏の練習を行うことができる。なお、調律対象とする混合音は、2人のボーカル、または2本の管楽器など調律装置1の外部の音源から同時に発音された2音が混合されたものであってもよいし、調律装置1がスピーカを有し、楽音データに基づく音を発音可能な場合には、調律装置1から発音される1音と、ボーカルや管楽器が発した1音との混合音であってもよい。
【0072】
なお、2音のピッチに対する音名を同時に表示し、かつそれらが刻々と音程が変わっていくことを考えると、例えば2音がパート1、パート2で構成され、それぞれのパートのピッチに対して発光する音名表示器20の音名NP1、NP2が、同じ色や輝度で表示された場合、パート1、パート2両方のピッチが変更されると、変更後のピッチに対して発光する音名表示器20の2つの音名のうち、どちらがNP1でありNP2であるのかが分からなくなることが考えられる。よって、パート1、パート2それぞれのピッチの遷移状態(ピッチ変化の軌跡)を何らかの方法で音名表示器20に表示することが望ましい。
【0073】
次に、図10図12を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態の調律装置1は、入力音のピッチが変化した場合に、そのピッチ変化の様子、すなわちピッチの遷移状態が視覚的に分かり易く音名表示器20に表示されるように構成される。本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0074】
図10は、第2実施形態の調律装置1の機能を説明するための機能ブロック図である。なお、第2実施形態の調律装置1は、図1および図8(a)に示す構成と同様に構成される。図10に示すように、第2実施形態の調律装置1は、入力手段131と、ピッチ検出手段132と、ピッチ平滑化手段133と、音名決定手段134と、音名表示手段135と、音名表示器20とを含む。
【0075】
入力手段131は、外部からの入力音を調律装置1へ入力させる機能であり、マイク22およびADC17などによって実現される。入力手段131は、入力音をピッチ検出手段132に供給する。ピッチ検出手段132は、入力手段131から供給された入力音のピッチを検出する機能であり、CPU11などによって実現される機能である。本実施形態では、ピッチ検出手段132は、ピッチの検出を200ms毎に実行するように構成されている。ピッチ検出手段132は、検出したピッチpを、ピッチ平滑化手段133に供給する。
【0076】
ピッチ平滑化手段133は、基準音名の基準ピッチ近くでのピッチの揺れを防止する機能であり、CPU11などによって実現される機能である。ピッチ平滑化手段133は、ピッチ検出手段132により検出されたピッチpから決定された音名と、前回に決定された音名とが同じであるか否かを判定し、異なると判定された場合には、検出されたピッチpをそのまま、基準音名を決定するためのピッチPとして決定する。一方、ピッチ検出手段132により検出されたピッチpから決定された基準音名と、前回に決定された基準音名とが同じであると判定された場合には、今回検出されたピッチpを含め過去X回分(本実施形態では、10回分)のピッチの平均値を、基準音名を決定するためのピッチPとして決定する。ピッチ平滑化手段133は、決定されたピッチPを、音名決定手段134と、音名表示制御手段135とに供給する。
【0077】
音名決定手段134は、入力手段131から入力された入力音の基準音名を決定する機能であり、CPU11などによって実現される機能である。音名決定手段134は、ピッチ平滑化手段133から供給されたピッチPに基づき、入力音の基準音名を決定する。具体的に、ピッチPに最も近い音名を基準音名として決定する。なお、本実施形態では、音名決定手段134は、平均律に従い基準音名を決定するものとする。音名決定手段134は、決定された基準音名を、音名表示制御手段135に供給する。
【0078】
音名表示制御手段135は、第1実施形態の音名表示制御手段35と同様の、音名表示器20の発光を制御する機能であり、CPU11およびドライバ16などによって実現される。音名表示制御手段135は、ピッチ平滑化手段133から供給されたピッチPと、音名決定手段134から供給された基準音名および当該基準音名に対応する基準ピッチとに基づき、音名表示器20の表示部20a〜20lのうち、発光対象とする表示部に対し、発光輝度に応じたデューティ比の電力パルスを供給する。これにより、入力音に対する音名表示が音名表示器20において行われる。
【0079】
音名表示制御手段135は、表示平滑化手段135aを含む。表示平滑化手段135aは、入力音のピッチが変化した場合に、その変化の様子を視覚的に分かり易く音名表示器20に表示させる機能であり、CPU11などによって実現される機能である。表示平滑化手段135aは、音名決定手段134により決定された基準音名Nが、前回の基準音名Nbと異なる場合に、ピッチ検出手段132によるピッチの検出間隔(200ms)の範囲内で、表示部20a〜20lのうち、前回の基準音名Nbに対応する表示部から、今回の基準音名Nに対応する表示部までの間に含まれる音名の表示部の一部又は全部を対象とし、対象とする表示部を、1つあたり所定時間(本実施形態では、50ms)ずつ発光させながらピッチの変化方向に順次移動させる。これにより、音名表示器20には、入力音が、音名Nbから音名Nに変化した様子を、発光する表示部の移動方向によって表わすことができる。
【0080】
図11は、第2実施形態の調律装置1のCPU11が実行する表示処理を示すフローチャートである。第2実施形態の表示処理もまた、第1実施形態と同様、混合音の調律作業を開始する指示が入力されると開始される。本処理は、所定時間毎(本実施形態では、200ms毎)に繰り返し実行される。
【0081】
CPU11は、まず、入力音のピッチpを検出する(S1101)。本実施形態では、本処理は200ms毎に行われるので、ピッチpの検出も200ms毎に行われる。次に、CPU11は、検出されたピッチpに最も近い音名nを決定し(S1102)、音名nが、前回の音名nである前回音名nbと同じであるかを判断する(S1103)。
【0082】
S1103において、音名nと音名nbとが同じであると、CPU11が判断した場合(S1103:Yes)、CPU11は、RAM13に記憶されているp[X](X=1,2,…,9)の値を、p[X+1]にコピーするとともに、p[1]に、ピッチpをコピーする(S1104)。p[X]は、RAM13に設けられた、S1101において検出されたピッチpを、X個分、個々に格納する領域である。つまり、過去に検出されたピッチpを、最大X回分だけp[X]に格納することができる。本実施形態では、X=1〜10である。
【0083】
一方、S1103において、音名nと音名nbとが異なると、CPU11が判断した場合(S1103:No)、p[X](X=1,2,…,10)に、ピッチpをコピーする(S1113)。つまり、音名nと音名nbとが異なる場合には、X=1からX=10までのp[X]の値が全てピッチpとなる。
【0084】
S1104またはS1113の処理後、CPU11は、音名nを、前回音名nbとしてRAM13に記憶する(S1105)。次に、CPU11は、p[X](X=1,2,…,10)の平均値を検出ピッチPとし、検出ピッチPに最も近い音名Nを基準音名として決定するとともに、当該音名Nに対応する基準ピッチStを決定する(S1106)。次に、CPU11は、検出ピッチPから、音名Nの基準ピッチStを減算した差分Δを、セント単位で算出する(S1107)。
【0085】
次に、CPU11は、音名Nが、前回の音名Nである前回音名Nbと同じであるかを判断する(S1108)。S1108において、音名Nと前回音名Nとが異なると、CPU11が判断した場合(S1108:No)、CPU11は、検出ピッチPが、前回の検出ピッチPである前回ピッチPbより大きいかを判断する(S1114)。
【0086】
S1114において、検出ピッチPが前回ピッチPbより大きいと、CPU11が判断した場合(S1114:Yes)、CPU11は、音名表示器20において、遷移表示時間Tb=200msの間に、発光時間差Td=50ms刻みで、表示部20a〜20lのうち、前回音名Nbに対応する表示部から、音名Nに対応する表示部へ時計回りに表示を移動させる(S1115)。S1115の処理により、1つの表示部あたりの発光時間をT(本実施形態では、発光時間差Tdに相当する50ms)とし、発光する表示部が時計回りに切り替わりながら、遷移表示時間Tb(本実施形態では、200ms)後に、音名Nに対応する表示部が発光する。S1115の処理による表示部の遷移表示については、その一例を後述する図12(a)に示す。
【0087】
一方、S1114において、検出ピッチPが前回ピッチPbより小さいと、CPU11が判断した場合(S1114:No)、CPU11は、音名表示器20において、遷移表示時間Tb=200msの間に、発光時間差Td=50ms刻みで、表示部20a〜20lのうち、前回音名Nbに対応する表示部から、音名Nに対応する表示部へ反時計回りに表示を移動させる(S1116)。S1116の処理により、1つの表示部あたりの発光時間をT(ms)とし、発光する表示部が反時計回りに切り替わりながら、遷移表示時間Tb(ms)後に、音名Nに対応する表示部が発光される。S1116の処理による表示部の遷移表示については、その一例を後述する図12(b)に示す。
【0088】
S1115またはS1116の処理後、CPU11は、処理をS1109に移行する。また、S1108において、音名Nと前回音名Nとが同じであるとCPU11が判断した場合もまた(S1108:Yes)、CPU11は、処理をS1109に移行する。S1109において、CPU11は、音名Nを、前回音名NbとしてRAM13に記憶する。次に、CPU11は、検出ピッチPを前回ピッチPbとしてRAM13に記憶する(S1110)。
【0089】
次に、CPU11は、S1107において算出されたΔの値について判断する(S901111)。S1111において、Δの値が−10セント≦Δ≦+10セントの範囲内であるとCPU11が判断した場合(S1111:−10cent≦Δ≦+10cent)、CPU11は、音名表示器20において、音名Nに対する表示部を100%の輝度で赤色に発光させるようドライバ16に制御情報を出力し(S1112)、本処理を終了する。
【0090】
一方、S1111において、Δの値がΔ<−10セントを満たすとCPU11が判断した場合(S1111:Δ<−10cent)、CPU11は、音名表示器20において、音名Nに対する表示部と、当該表示部に隣接する半音下の表示部とを、Δの値に応じた輝度で赤色に発光させるようドライバ16に制御情報を出力し(S1117)、本処理を終了する。S1117において、両表示部の輝度は、例えば図3のグラフに示す関係性に従い決定される。
【0091】
また、S1111において、Δの値が+10セント<Δを満たすとCPU11が判断した場合(S1111:+10cent<Δ)、CPU11は、音名表示器20において、音名Nに対する表示部と、当該表示部に隣接する半音上の表示部とを、Δの値に応じた輝度で赤色に発光させるようドライバ16に制御情報を出力し(S1118)、本処理を終了する。なお、S1118において、両表示部の輝度は、例えば図3のグラフに示す関係性に従い決定される。
【0092】
ここで、図12を参照して、上述した図11の表示処理におけるS1115,S1116の処理による音名の遷移表示の具体例について説明する。図12(a)は、S1115の処理による音名の遷移表示、すなわち、ピッチが上がった場合の音名の遷移表示の一例を示す図である。一方、図12(b)は、S1116の処理による音名の遷移表示、すなわち、ピッチが下がった場合の音名の遷移表示の一例を示す図である。図12(a),(b)には、前回音名Nbが「C」である場合について、前回音名Nbから、今回の音名Nとして「C#」〜「(1オクターブ上の)C」に変化したときに、発光時間差Tdである50ms毎に発光される表示部の音名が記載されている。
【0093】
図12(a)に示すように、前回音名Nbから入力音のピッチが上がった場合には、表示部20a〜20lのうち、前回音名Nbに対応する表示部と音名Nに対応する表示部との間に位置する表示部の一部または全てが、発光時間差Tdである50ms毎に、前回音名Nbに対応する表示部から時計回り、すなわち、前回音名Nbを基準として、音名が高音側に変化する方向に順次発光される。一方、図12(b)に示すように、前回音名Nbから入力音のピッチが下がった場合には、表示部20a〜20lのうち、前回音名Nbに対応する表示部と音名Nに対応する表示部との間に位置する表示部の一部または全てが、発光時間差Tdである50ms毎に、前回音名Nbに対応する表示部から反時計回り、すなわち、前回音名Nbを基準として、音名が低音側に変化する方向に順次発光される。入力音のピッチが上がった場合も下がった場合も、遷移表示時間Tbである200msが経過したときに、音名Nに対応する表示部が最終的に発光される。よって、ユーザは、遷移表示の移動方向によって、入力音のピッチ変化の方向を知ることができる。
【0094】
また、前回音名Nbから音名Nまでの音高差が大きい、すなわち、前回音名Nbに対応する表示部と音名Nに対応する表示部との間に含まれる表示部の数が多い程、遷移表示の移動速度が速くなるので、ユーザは、遷移表示の移動速度によって、入力音のピッチ変化の大きさを知ることができる。
【0095】
以上説明した通り、第2実施形態の調律装置1によれば、入力音が、前回音名Nbから音名Nに変化した様子を、音名表示部20において発光する表示部の移動方向によって表わすことができるので、入力音のピッチが変化する様子を、ユーザに、視覚的に分かり易く報せることができる。
【0096】
また、第2実施形態の調律装置1によれば、S1106において、入力音に対して検出されたピッチの平滑化が行われるので、基準音名の近くでのピッチ揺れを軽減させることができる。ボーカルでは、一定のピッチで歌っている場合であっても、ビブラート揺れの大きさによっては、音名表示器20の表示が揺れる可能性があるが、上記第2実施形態の構成によれば、そのような表示揺れを抑制できる。
【0097】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0098】
例えば、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【0099】
上記各実施形態では、音名表示器20を構成する各表示部20a〜20lを円周状に配置したが、表示部20a〜20lの配置形態は、円周状に限らず、1オクターブ12個の音名列の両端の音名、例えば音名「C」と音名「B」とを隣り合うように配置させた種々の周回状の形態を採用できる。例えば、12個の表示部20a〜20lを、楕円状や、6角形状や12角形などの多角形状などに配置させてもよい。また、音名表示器20は、各表示部20a〜20lが直線状に配列されたものであってもよい。
【0100】
上記各実施形態では、音名表示器20の各表示部20a〜20lを、LEDを光源として発光させる構成としたが、LCDなどのディスプレイ上に、各表示部20a〜20lに相当する12個の表示部を円周状に配置させた音名表示部を表示させ、上記実施形態と同様に、各表示部を、基準ピッチと被調律音のピッチとの差分に応じた輝度で発光させる構成としてもよい。かかる構成の場合、12個の表示部の表示位置を、調や基準音名に合わせて適宜変更できる。
【0101】
上記各実施形態では、入力音のピッチ変化に対する輝度の低下又は増加の態様として、図3に示すように直線的な変化を例示したが、カーブを描く変化などであってもよい。
【0102】
上記各実施形態では、音名表示部20における各表示部20a〜20lの明るさを「輝度」の単位で説明したが、明るさを表わす単位として「照度」や「光度」などを用いてもよい。また、上記各実施形態では、輝度100%を最も明るい輝度(最大輝度)として例示したが、相対的に最も明るい輝度であれば、100%以外の輝度であっても最も明るい輝度として採用可能である。100%以外の輝度、例えば、最大輝度を80%とした場合、ピッチが変動中の入力音を表示する際に、ピッチ変化がなくなり、一定のピッチを持続した直後のみ、入力音のピッチに対応する音名の表示器のみ、または、表示器全体を100%輝度で表示器を点滅させて、ユーザにピッチが安定したことを伝えるなど、アラーム的な表示をすることなどが、一つの応用例として挙げられる。
【0103】
上記第1実施形態では、表示部20a〜20lのうち、混合音を構成する第1音および第2音に対するそれぞれの表示部の発光色を同色(赤色)としたが、互いに異なる色としてもよい。また、第1音および第2音に対するそれぞれの表示部の発光態様を、LEDの点滅における発光時間や、発光間隔(消光時間の長さ)などによって互いに相違させる構成としてもよい。なお、音名表示器20が、混合音を構成する各音を表示可能に複数設けた構成としてもよい。ただし、上記第1実施形態のように、1の音名表示器20に2音の音名を表示できる構成の方が、ユーザが、自身の見るべき音名表示器を認識しやすく、好ましい。
【0104】
上記第1実施形態では、混合音を構成する2音の相対的なピッチ差と、平均律音階又は純正律音階に応じた基準音程との関係を報知する形態として、♯表示部21aおよび♭表示部21bを有する補助表示器21を例示したが、種々の報知形態を採用できる。例えば、音声による報知や、LCDに文字や記号などを表示させる報知などであってもよい。
【0105】
上記第1実施形態では、Δcの値が、X半音差(Xは、0以上の整数)に相当する値を中心とする±5セントの範囲内にある場合には、♯表示部21aおよび♭表示部21bの両方を発光させる構成としたが、Δcの値が、X半音差に相当する値を中心とするより狭い範囲内にある場合をさらに区別して報知する構成としてもよい。例えば、Δcの値が、X半音差に相当する値を中心とする±5セントの範囲より狭い所定の範囲内にある場合、♯表示部21aおよび♭表示部21bの両方をさらに別の色で発光させる構成としてもよい。また、♯表示部21aおよび♭表示部21bの両方を発光させる、X半音差に相当する値を中心とするピッチ幅の範囲を、±5セント固定ではなく、ユーザが自分のピッチコントロールの習熟度に応じて可変できるようにしてもよい。例えば、ピッチコントロールが困難な初心者に対してはピッチ判定を緩め、例えば、±15セントで、♯表示部21aおよび♭表示部21bの両方を発光させるようにして、まずは大まかなピッチコントロールができるように練習し、上達してきたら、±5セントにしてより厳しくピッチコントロールを監視するようにする、などとして、段階を追った効率的なピッチコントロールの練習が可能になるようにするとよい。
【0106】
上記第1実施形態では、音名決定テーブル12aや、補助表示テーブル12bを参照して、入力音の音名や、補助表示器21の発光態様を決定する構成としたが、これらのテーブル12a,12bを用いることなく、その都度、各音の基準ピッチを演算して求め、得られた基準ピッチに基づいて、入力音の音名や、補助表示器21の発光態様を決定する構成としてもよい。
【0107】
上記第1実施形態では、音名決定テーブル14aおよび補助表示テーブル14bとして、平均律および純正律長調による、音名決定テーブルおよび補助表示テーブルが準備されている構成としたが、これに加えて、純正律短調による、音名決定テーブルおよび補助表示テーブルが準備される構成としてもよい。この場合、モード選択操作子37による選択可能な純正律モードとして、長調を選択するモードと、短調を選択するモードとを設ければよい。
【0108】
上記第1実施形態では、検出された2音のピッチ差が、平均律音階または純正律音階に応じた基準音程に対してどの程度合っているかを補助表示器21に表示させる構成とした。本発明に適用可能な音階(音律)は、上記例示した平均律音階および純正律音階に限られるものではない。純正律音階に換えて、例えば、キルンベルガー音律、ピタゴラス音律、中全音律、ベルグマイスター音律などを適用してもよい。つまり、検出された2音のピッチのうち、一方の音のピッチに対応する音名の基準ピッチを平均律音階によって決定し、他方の音のピッチに対応する音名を、純正律音階に換えて、キルンベルガー音律などの音律に基づいて、他方の音のピッチに最も近い音名として決定する構成としてもよい。なお、特許請求の範囲における「所定の音階」は、第1実施形態において例示した平均律音階および純正律音階に限らず、純正律音階に換えて適用可能な音律(例えば、キルンベルガー音律、ピタゴラス音律、中全音律、ベルグマイスター音律など)を含む。
【0109】
上記第2実施形態では、入力音のピッチを検出する間隔(200ms)と、遷移表示時間Tbとを等しい時間としたが、これらの時間は異なる時間であってもよい。また、上記実施形態では、発光時間差Td=50ms、表示部一つ当たりの発光時間T=50ms、発光時間差Td=発光時間Tとして表示部を発光させる構成としたが、その値は適宜変更可能である。発光時間差Tdと発光時間Tとの関係は、上記第2実施形態において例示したTd=Tに限らず、Td<Tや、Td>Tであってもよい。例えば、音名の遷移表示をより明確にする場合には、発光時間差Tdをより小さくして、遷移表示時間Tb内に発光させる表示部の数(発光頻度)を増やしたり、発光させる表示部の発光時間Tをより長くすればよい。一例として、図12(a)において、発光時間差Td=40msとした場合、遷移表示時間Tb=200msの期間中、前回の音名Nbから音名Nまで音名が遷移する間に発光する表示部は、40ms(1×Td)と、80ms(2×Td)後、120ms(3×Td)後、160(4×Td)後、200ms(5×Td)後、の5つの表示部が表示される。つまり、発光時間差Td=40msとした場合、上記第2実施形態にて例示した発光時間差Td=50msの場合(すなわち、遷移表示時間Tb=200msの期間中に4つの表示部が表示される場合)に比べ、より発光頻度が多い緻密な遷移表示を行うことができる。また、発光時間Tを長くすることによっても、音名の遷移状態を視覚的により明確に表示することが可能である。例えば、発光時間Tを、上記第2実施形態にて例示したT=50msよりも長い時間(例えば、T=60ms)にした場合、遷移表示時間Tb=200msの期間内に表示部が発光した時間の総時間を増やすことができ、それによって、音名の遷移状態を、視覚的により明確に表示できる。さらに、遷移表示時間Tbを長くすることによっても、遷移表示時間Tb内の発光頻度を増やしたり、発光させる表示部の発光時間Tを長くすることができるので、音名の遷移表示をより明確にすることが可能である。
【0110】
上記第2実施形態では、音名表示の遷移表示を音名表示器20において行う構成としたが、当該遷移表示を行う専用の表示器を設ける構成としてもよい。また、上記実施形態では、遷移表示時間Tb内において、1つずつ表示部を発光させる構成としたが、複数の表示部を同時に発光させる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1 調律装置
20 音名表示器(音名表示手段)
21 補助表示器(報知手段)
31 入力手段
32 ピッチ検出手段
33 第1音名決定手段
34 第2音名決定手段
36 補助表示制御手段(報知制御手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12