(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262471
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】商品配送方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20180104BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
B65G1/137 A
B65G61/00 522
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-178992(P2013-178992)
(22)【出願日】2013年8月30日
(65)【公開番号】特開2015-48166(P2015-48166A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2016年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】591135440
【氏名又は名称】日本通運株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】青木虎郎
(72)【発明者】
【氏名】青木竜児
(72)【発明者】
【氏名】高橋 威一郎
【審査官】
中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−244146(JP,A)
【文献】
特開2001−184420(JP,A)
【文献】
特開2013−060308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送商品の顧客情報と、商品情報と、配送拠点とを示し、且つ、前記配送拠点情報に対応付けられた色が付されたラベルを作成するラベル作成工程と、
前記ラベル作成工程で作成されたラベルを、それに対応した前記配送商品に取り付けるラベル取り付け工程と、
前記ラベル取り付けでラベルが取り付けられた前記配送商品を移送する移送工程と、
前記移送工程を経て移送された配送商品に取り付けられた前記ラベルに付された色を基に、当該色に対応した配送拠点別に配送商品を仕分ける仕分工程と
を有し、
前記仕分工程は、
コンベアによって搬送された前記ラベルが取り付けられた配送商品を、当該配送商品に取り付けられた前記ラベルが見える姿勢で、前記配送拠点に対応する色が付されたボックスに積み込む
商品配送方法。
【請求項2】
前記仕分工程で仕分けた配送商品を、当該配送商品に貼り付けられた前記ラベルの色に対応付けられた前記配送拠点に配送する配送工程
をさらに有する請求項1に記載の商品配送方法。
【請求項3】
前記ラベル作成工程は、前記配送拠点情報に対応付けられた色の形状パターンが印刷された前記ラベルを作成する
請求項1または請求項2に記載の商品配送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の商品を仕分けて複数の配送拠点に配送する物流センター等で用いられる商品配送方
法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、多数且つ多種類の商品を保管し、顧客が購入した商品を当該顧客に配送する配送センターでは、配送担当者が、顧客の発注リストを基に、商品を商品棚から取り出すと共に、配送商品の配送先宛先、配送商品及び配送拠点を黒色のバーコードと文字で示す配送ラベルを白黒印刷する。
そして、配送担当者は、上記商品棚から取り出した商品に、上記印刷した白黒の配送ラベルを貼り付け、コンベアに載せる。
コンベアは、載せられた商品を、仕分け部門に搬送する。
仕分け部門では、担当者が、コンベアから商品を取り出し、この商品に貼り付けられた配送ラベルに印刷された配送拠点の文字を確認して、配送拠点毎に設置されたロールボックスに積み込む。
ロールボックスは、当該ロールボックスに対応した配送拠点に行くトラックに積込みされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の商品配送方法では、仕分け部門において、配送ラベルに印刷された配送拠点を示す黒色の文字を見て仕分けを行うため、煩雑であると共に、誤って文字を認識してしまい、誤仕分及び誤配送を招くという問題がある。
このような問題を解決するために、バーコード、二次元バーコード、ICタグ等を配送商品に貼り付け、自動的に仕分けを行う方法もあるが、高コスト化するという問題がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、配送商品の誤積込み、誤配送を、安価且つ簡単に抑制できる商品配送方法および検品方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明の商品配送方法は、配送商品の顧客情報と、商品情報と、配送拠点
とを示し、且つ、前記配送拠点情報に対応付けられた色が付されたラベルを作成するラベル作成工程と、前記ラベル作成工程で作成されたラベルを、それに対応した前記配送商品に取り付けるラベル取り付け工程と、前記ラベル取り付けでラベルが取り付けられた前記配送商品を移送する移送工程と、前記移送工程を経て移送された配送商品に取り付けられた前記ラベルに付された色を基に、当該色に対応した配送拠点別に配送商品を仕分ける仕分工程とを有
し、前記仕分工程は、コンベアによって搬送された前記ラベルが取り付けられた配送商品を、当該配送商品に取り付けられた前記ラベルが見える姿勢で、前記配送拠点に対応する色が付されたボックスに積み込む。
【0006】
好適には、本発明の商品配送方法は、前記仕分工程で仕分けた配送商品を、当該配送商品に貼り付けられた前記ラベルの色に対応付けられた前記配送拠点に配送する配送工程をさらに有する。
好適には、前記ラベル作成工程は、前記配送拠点情報に対応付けられた色の形状パターンが印刷された前記ラベルを作成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、配送商品の誤配送を、安価且つ簡単に抑制できる商品配送方法および検品方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る商品配送システムの商品配送フロー説明するための図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す商品配送システムの配送ラベルと、その発行手順を説明するための図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す商品配送システムのピッキングと検品を説明するための図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す商品配送システムにおけるコンベアへの商品投入を説明するための図である。
【
図5】
図5は、
図1に示す商品配送システムにおける二次仕分を説明するための図である。
【
図6】
図6は、
図1に示す商品配送システムにおける二次仕分を説明するための図である。
【
図7】
図7は、
図1に示す商品配送システムにおけるドライバーの検品を説明するための図である。
【
図8】
図8は、
図1に示す商品配送システムにおける店舗での検品を説明するための図である。
【
図9】
図9は、
図1に示す商品配送システムで用いられるカラー配送ラベルを説明するための図である。
【
図10】
図10は、
図1に示す商品配送システムで用いられるカラー配送ラベルの種類を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る商品配送システム1について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る商品配送システムの商品配送フロー説明するための図である。
図2は
図1に示す商品配送システムの配送ラベルと、その発行手順を説明するための図で、
図3は
図1に示す商品配送システムのピッキングと検品を説明するための図、
図4は
図1に示す商品配送システムにおけるコンベアへの商品投入を説明するための図、
図5は
図1に示す商品配送システムにおける二次仕分を説明するための図、
図6は
図1に示す商品配送システムにおける二次仕分を説明するための図、
図7は
図1に示す商品配送システムにおけるドライバーの検品を説明するための図、
図8は
図1に示す商品配送システムにおける店舗での検品を説明するための図である。
【0010】
本発明の実施形態に係る商品配送システムでは、
図3に示すように、ホスト11で生成した出荷確定データを管理サーバ13に入力し(ST1)して、出荷検品データを作成する(ST2)。
【0011】
次に、
図3に示すように、管理サーバ13において出荷確定データを基にピッキングリスト15を印刷する(ST3)。
次に、
図3及び
図4に示すように、ピッキングエリアにおいて、作業者が配送商品のピッキングを行い(ST4)、USBスキャナ21でピッキングリスト15と配送商品のバーコードの読み取りを行い、これらのデータを検品端末17に取り込む(ST5)。
【0012】
次に、
図3および
図4に示すように、ピッキングエリア内の作業者は、カラーラベルプリンタ19を用いてカラー配送ラベル31を印刷する(ST6)。
次に、
図3に示すように、ピッキングエリア内の作業者は、カラー配送ラベル31を、それに対応する配送商品に貼り付ける(ST7)。
次に、
図4に示すように、ピッキングエリア内の作業者は、カラー配送ラベル31が貼り付けられた配送商品をコンベアに投入する(ST8)。
【0013】
次に、
図5及び
図6に示すように、二次仕分エリア内の作業者は、コンベアによって搬送された配送商品を、当該配送商品に貼り付けられたカラー配送ラベル31の色を基に、目視で仕分けて当該色に対応付けられたロールボックスに積み込む(ST9)。
二次仕分エリア内には、配送拠点別に、それに対応した色が付されたロールボックスが配設されている。
このとき、作業者は、カラー配送ラベル31に印刷された配送拠点情報を示す文字を読むことなく、色を視認して仕分けすることができ、誤仕分けを大幅に少なくできる。
【0014】
次に、
図7に示すように搬送用トラックのドライバーは、当該トラックに搬入するロールボックス内の配送商品に付されたカラー配送ラベル31の色を基に、配送商品を目視で確認する(ST10)。
従来は、ドライバーが配送拠点情報を示す文字を確認することはなかったが、本実施形態では、容易に視認できるカラー配送ラベル31を用いたことで、ドライバーによる確認も可能になる。これによっても、誤配送をさらに少なくできる。
次に、
図8に示すように、当該ドライバーは、ロールボックスを、予め決められた配送店舗(拠点)に配送する(ST11)。
【0015】
そして、
図8に示すように、配送先店舗において、ロールボックス内の配送商品が適切かどうかを、カラー配送ラベル31の色を基に目視で検品する。
このとき、作業者は、カラー配送ラベル31に印刷された配送拠点情報を示す文字を読むことなく、色を視認して検品することができ、確認作業が容易になる。
【0016】
以下、本実施形態で用いられるカラー配送ラベル31について説明する。
図9は
図1に示す商品配送システムで用いられるカラー配送ラベル31を説明するための図、
図10は
図1に示す商品配送システムで用いられるカラー配送ラベル31の種類を説明するための図である。
図9に示すように、カラー配送ラベル31は、配送拠点情報(配送センター名)を示すカラー色(緑色)のゼブラ状の太枠の中に、商品情報(商品)、配送拠点情報(配送センター名)、配送宛先情報(名前、住所)等の情報を文字とバーコードとを黒色で印刷している。
【0017】
二次仕分エリア内の作業者は、カラー配送ラベル31を数メートル離れた距離から見れば、太枠の色を視認できる。
二次仕分エリア内には、配送拠点別に、それに対応した色が付されたロールボックスが配設されている。
そのため、作業者は、配送商品に付されたカラー配送ラベル31の色を視認して、その色に対応する色が付されたロールボックスにその配送商品を積み込めばよい。
【0018】
配送拠点情報を示すカラー配送ラベル31の太枠としては、
図10に示すように、配送拠点の数に応じて、様々な色と形状パターンとの組み合わせを用いることができる。
なお、カラー配送ラベル31の太枠の色としては、予め決められた誤視認され難い色を優先的に使用するようにする。
【0019】
以上説明したように、本実施形態の商品配送方法によれば、仕分作業簡素化により人件費を圧縮できる。
また、本実施形態の商品配送方法によれば、誤仕分けによる誤配送防止により、転送チャーター費用を削減できる。
【0020】
また、本実施形態の商品配送方法によれば、カラー配送ラベル31の貼り間違え、誤仕分により発生する誤配送防止ができる。
また、本実施形態の商品配送方法によれば、カラー配送ラベル31の貼り間違え、誤仕分による在庫狂いの防止(棚卸作業の軽減)ができる。
また、本実施形態の商品配送方法によれば、誰にでも簡単に使えるため、教育のコスト削減できる。
また、本実施形態の商品配送方法によれば、誤配送を早期発見可能なため、ユーザーとのトラブル軽減できる。
【0021】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
図9に示すカラー配送ラベル31は一例であり、配送拠点情報を色で示すものであれば特に限定されない。例えば、ラベル全体に配送拠点に対応付けられた色を付してもよい。
また、上述した実施形態では、コンベアを使って配送商品を移送する場合を例示したが、作業者が配送商品を持って搬送し、直接、ロールボックスに積み込んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、数の商品を仕分けて複数の配送拠点に配送する物流センター等で用いることができる。
【符号の説明】
【0023】
11…ホスト
13…管理サーバ
15…ピッキングリスト
17…検品端末
19…カラーラベルプリンタ
21…USBスキャナ
31…カラー配送ラベル