(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
焦点面(Pf)、光軸(z)、および入力瞳孔を有する光学結像系(101)用の光学監視装置であって、前記系が、実質的に無限遠にあるシーンの画像を実質的に前記焦点面(Pf)に配置された少なくとも1個の画像検出器(D)に形成し、前記装置が、
− 前記画像検出器(D)の周辺に、且つ実質的に前記焦点面(Pf)内に配置された少なくとも1個のほぼ点状の発光源(S)と、
− 平坦な表面を有する反射素子(10)とを含み、
− 前記反射素子(10)が、前記シーンから到来する光線の伝搬方向を考慮した場合に前記光学結像系(101)の上流に、且つ前記光学結像系(101)により生成されて前記反射素子(10)により反射された前記発光源(S)の監視画像(11)が前記焦点面(Pf)内で潜在的な光学欠陥の識別を可能にする前記監視画像(11)の解析手段に接続された検出素子に実質的に配置されるような位置および傾斜に従い、配置されていて、
− 前記反射素子(10)が、前記シーンから到来して前記入力瞳孔を透過する光線の透過を可能にすべく環状形状を有している光学監視装置。
前記発光源(S)が、前記光軸に垂直な第1の平面に配置された第1の光ファイバーおよび前記第1の平面に平行であって前記第1の平面からずれている第2の平面に配置された第2の光ファイバーを含み、前記第1および第2の平面が前記焦点面(Pf)の近傍に配置されていて、2個の焦点がずれた前記監視画像により前記結像系の光学収差の徴候が判定できる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
前記センサ(C)が、前記結像系(101)が所与の光学的品質を示す場合に前記監視画像(11)を較正するための第1の測定、および前記結像系(101)の動作期間終了後に実行される前記監視画像の少なくとも第2の測定を実行し、前記解析手段が、前記監視画像の前記第1および第2の測定の比較により光学的欠陥を識別すべく設計されている、請求項7または8に記載の装置。
前記欠陥を少なくとも部分的に修正するように前記光学結像系(110)の変更を実現可能なアクチュエータ(112、Mtt)を制御すべく設計された制御手段(111、113)を更に含む、請求項13に記載の能動光学結像系(110)。
前記欠陥が焦点ずれを含み、前記アクチュエータ(112)が前記焦点ずれを修正するように光学素子(M2)の移動を制御すべく設計されている、請求項14に記載の能動光学結像系。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、初期設定で正しく調整された系は、動作の最中に自身の波面の品質が変化する場合がある。
【0005】
高解像度望遠鏡のような測定器等、地球を観測する衛星に搭載された結像系の場合、記録される画像の品質を保証するために波面の変化の監視が必要である。
【0006】
波面を測定する方法の一つは、波面の変化に追随するために較正画像を頻繁に取得するものである。
【0007】
これらの較正画像は例えば、専用の地上拠点、星群等、特定の外部シーンの特定の写真を撮影することにより取得できる。
【0008】
別の公知の解決策は、較正のために内部目標に向けられた可動ヘッダ鏡を含む自動校正系を測定器に備えるものである。
【0009】
これらの解決策には、例えば20分毎の高い頻度などで衛星の特定のプログラミングを要し、測定を行う度に衛星の予定されたプログラミング動作の中断および潜在的に可動要素の移動を要するという短所がある。
【0010】
従って、較正画像の取得は、動作における重大な制約につながる。
【0011】
更に、光学結像系は、満足な仕方で動作するために良好な照準安定性を示さなければならない。この安定性は、積分時間中に「画像ぼけ」を回避すべく、且つより長期的には観察されたシーンの局在性を正確に再現すべく積分時間スケールにわたり考慮すべきである。
【0012】
照準のこれらの不安定性は全て、IFOV(瞬間視野(Instantaneous Field of View)の略)が小さいほど大きくなる。搭載型測定器の場合、最も大きい不安定性の原因は振動である。これらの不安定性は、プラットフォームの微小振動の安定性能を決定する。他の不安定性の原因は熱弾性である。これらの不安定性は、結像系の熱弾性安定性能を決定する。
【0013】
本発明の目的は、上述の短所を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様によれば、焦点面(Pf)、光軸(z)、および入力瞳孔を有する光学結像系用の光学監視装置を提供し、当該系は、実質的に無限遠にあるシーンの画像を実質的に焦点面(Pf)に配置された少なくとも1個の画像検出器に形成し、当該装置は、
− 検出器の周辺に、且つ実質的に焦点面内に配置された少なくとも1個のほぼ点状の発光源と、
− 平坦な表面を有する反射素子とを含み、
− 当該素子は、シーンから到来する光線の伝搬方向を考慮した場合に結像系の上流に、且つ光学系により生成されて当該素子により反射された発光源の監視画像が当該焦点面内で潜在的な光学欠陥の識別を可能にする監視画像の解析手段に接続された検出素子に実質的に配置されるような位置および傾斜に従い、配置されていて、
− 当該素子(10)は、シーンから到来して入力瞳孔を透過する光線の透過を可能にすべく環状形状を有している。
【0015】
好適な一実施形態によれば、光学監視装置の検出素子は画像検出器の周辺に配置されたセンサを含んでいる。
【0016】
別の実施形態によれば、検出素子は画像検出器を含んでいる。
【0017】
有利には、光学系は、少なくとも第1の非球面集光鏡および第2の鏡を含む望遠鏡を含んでいる。
【0018】
好適な一実施形態によれば、光学系は、「TMA」(3鏡アナスチグマート(Three Mirror Anastigmat)の略)型望遠鏡を含んでいる。
【0019】
一変型例によれば、当該素子は第2の鏡の周辺に配置されている。
【0020】
別の変型例によれば、当該素子は、前記入力瞳孔の有効径の減少の影響を最小限にすべく第1の鏡から近い距離に配置されている。
【0021】
一実施形態によれば、当該装置の光源は、光軸に垂直な第1の平面に配置された第1の光ファイバーおよび第1の平面に平行であって当該第1の平面からずれている第2の平面に配置された第2の光ファイバーを含み、第1および第2の平面は焦点面の近傍に配置されていて、2個の焦点がずれた監視画像により結像系の光学収差の兆候が判定できる。
【0022】
有利には、当該センサは位相ダイバーシティセンサである。
【0023】
有利には、当該センサは、結像系が所与の光学的品質を示す場合に監視画像を較正するための第1の測定、および結像系の動作期間終了後に実行される監視画像の少なくとも第2の測定を実行し、解析手段は、監視画像の第1および第2の測定の比較により光学的欠陥を識別すべく設計されている
【0024】
。
有利には、当該装置は、結像系の焦点ずれを識別すべく設計されている。
【0025】
有利には、当該装置は、結像系の照準の不整合を識別すべく設計されている。
【0026】
本発明の別の態様によれば、上述のような光学監視装置を含む光学結像系も提供する。
【0027】
本発明の別の態様によれば、上述のような光学監視装置を含む能動光学結像系も提供する。
【0028】
有利には、結像系は能動的であって、更に、欠陥を少なくとも部分的に修正するように光学結像系の変更を実現可能なアクチュエータを制御すべく設計された制御手段を含んでいる。
【0029】
有利には、欠陥は焦点ずれを含み、アクチュエータは焦点ずれを修正するように光学素子の移動を制御すべく設計されている。
【0030】
有利には、欠陥は照準の不整合を含み、更に、不整合を修正すべく照準を角度的に変更するように回転可能な鏡型のアクチュエータを制御すべく設計されている制御装置を含んでいる。
【0031】
本発明の他の特徴、目的、および利点は、非限定的な例として与える添付の図面を参照しながら以下の詳細説明を精査することにより明らかになろう。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明について記述する前に、まず自動視準の概念を思い出す。
【0034】
図1に、焦点面Pfおよび焦点距離fを有する収束光学系Lに関して自動視準モードにある鏡Mを示す。この構成において、光学系Lにより形成された焦点面Pfに配置されて鏡Mにより反射された発光点Sの画像が、同じく焦点面上にあって光軸が焦点面を横断する点である点Oに関して対称な位置にあるS’に配置されている。
【0035】
図2に、鏡Mが自動視準位置に対して傾斜しているケースを示す。Sの画像S’は焦点面上にあるが、Oからは鏡Mの傾斜の関数である距離だけ離れている。
【0036】
図3に、本発明による装置1を模式的に示す。装置1は、結像系101の光学監視を実行する。従来、結像系101は光軸zおよび1個の入力瞳孔を有している。
【0037】
結像系101は、「無限遠焦点」モードとして知られる動作モードに従い、自身の焦点面Pfの実質的に無限遠でシーンの画像を形成すべく設計されている。
【0038】
少なくとも1個の画像検出器Dが、観察されているシーンの画像を検出すべく焦点面Pfに配置されている。画像検出器Dは例えば、ピクセルの線形アレイまたはマトリクスである。好適には、結像系は超高解像度系である。
【0039】
画像検出器Dは動作中に、シーン内の全ての点から発せられた光線を受ける。
【0040】
本発明による光学監視装置は、焦点面Pf内および画像検出器Dの周辺に配置されたほぼ点状の発光源Sを含んでいる。
【0041】
発光源Sは検出器Dに充分近いため、発光された光線の一部が、シーンから到来する光線の反対方向に光学結像系を透過できる。
【0042】
本発明による表面監視装置もまた、平坦な表面を有する反射素子10を含んでいる。平坦な表面は、平均的な光学的品質、典型的にはλ/20(λは用いる光波の波長)である。
【0043】
素子10は、シーンから到来する光線の伝搬方向を考慮して結像系101の上流に配置されている。従って、焦点面に配置されていて系101を透過した発光源Sから発せられた光線は、素子10により反射される平面波を形成する。
【0044】
素子10は、光学系101により生成されて素子10により反射される発光源Sの監視画像11が、監視画像11の解析手段に接続された検出素子C上の焦点面Pfに配置されるように、光軸zに対する位置および傾斜に応じて配置されている。典型的には、傾斜は極めて僅かであって、結像系の光学的組合せおよびその焦点距離にも依存する。
【0045】
従って、反射素子10は、結像系101と協働して、監視画像11に応じて発光源Sの画像を検出素子C上に形成する。
【0046】
監視画像11の解析により、潜在的な光学的欠陥を識別することが可能になる。この理由は、監視画像11を形成する光線が光学系101を2回透過しており、監視画像が、画像検出器D上の無限遠におけるシーンの点の光学系101による画像の欠陥と同様の欠陥を示すためである。光学波監視は、系の品質の「証明」である監視画像11の利用しながら実行される。
【0047】
素子10は、以下に述べるように、複数の位置をとることが可能である。光学系101の動作を阻害しないように、素子10は、シーンから到来して光学系101の入力瞳孔を透過する光線の透過を可能にすべく環状の形状を有している。換言すれば、素子10は、環状の形状を有していることにより、画像検出器D上に画像を形成すべくシーンから到来して入力瞳孔内へ貫通する光線の光路を完全には遮蔽せず、好適には遮蔽を最小限に抑える。
【0048】
環状の形状は、小径すなわち内径Dintおよび大径すなわち外径Dextからなる。
【0049】
当該系の利点の一つは、鏡またはシャッタ等の可動要素の追加および移動なしに、且つ衛星に搭載された結像系用に特定の非整列化プログラムを用いる必要なしに監視が動作し、監視が結像系の動作条件を変更せずに実行されることである。本発明による装置は自律的である。
【0050】
一変型例によれば、検出素子Cは画像検出器Dの周辺に配置されている。
【0051】
本変型例による装置の利点の一つは、発光源S、検出素子C、および反射素子10が、シーンから到来する光線が辿る光路の被覆を最小限に抑え、好適には一切被覆することなく監視画像を生成すべく構成されていて、光学系101の光学的品質が当該系の動作を阻害することなく監視されるという事実にある。当該変型例は、当該系の動作を中断するような当該系の特定のプログラミングを一切必要としない。測定はこのように、極めて長い取得時間にわたり、従って極めて低い信号/雑音比で実行することができるため、測定精度が向上すると共にセンサCの選択肢が広がる。
【0052】
図4に示す一つの特定のケースが、自動視準モードにされた環状反射素子10に対応している。検出素子Cは次いで光軸zに関してSと対称な位置に配置される。利点の一つは、結像系101と一体化された装置1の調整が簡素化されることである。
【0053】
図5に示す別の変型例によれば、検出素子が画像検出器Dにより形成されている。その利点は、焦点面に一切の追加的な素子が配置されていないという事実である。監視は、画像取得とは別に、または画像取得実行中に行うことができる。第1のケースでは、発光源Sは、検出器Dによる取得の実行中は無効にされている。第2のケースでは、取得した画像に監視点が追加される。当該第2のケースは特に、照準の不整合の識別からなる光学監視に適している。
【0054】
好適な一変型例によれば、環状形状は連続的である。
【0055】
同じく
図5に示す別の変型例によれば、環状形状は、光軸に関して対称な少なくとも2個の部分からなる。
【0056】
好適な一変型例によれば、結像系は、少なくとも第1の非球面集光鏡M1および第2の鏡M2を含む望遠鏡である。好適な一変型例によれば、望遠鏡は、3鏡アナスチグマート型(略語TMA(Three Mirror Anastigmat)で表す)、好適にはコルシュ型のTMA望遠鏡である。これらの望遠鏡の場合、入力瞳孔は第1の鏡M1に配置されている。
【0057】
別の例によれば、望遠鏡はカセグレン型である。
【0058】
これらの望遠鏡は例えば、地球を観測する衛星に搭載されている。
【0059】
図6に、従来技術によるコルシュ型の搭載望遠鏡を模式的に示す。無限遠に位置する観察されたシーンから到来する2個の光線21、22が、第2の鏡M2の上へ光線を集光する第1の非球面鏡M1により集光される。例えば、鏡M1の寸法は1〜4mである。第2の鏡M2は光線の焦点を中間焦点面上に合わせる。後部において、軸外鏡M3が中間焦点面を、画像検出器Dが配置された画像焦点面に結像する。アセンブリ全体の焦点距離は長く、典型的には15〜70mである。逆反射鏡Rが光線を折り返す。距離M1M2は、典型的には第1の鏡M1の直径の1〜3倍に等しい。
【0060】
例えば、上述の望遠鏡用の本発明による装置の2個の実施形態について以下に述べる。
【0061】
図7に示す第1の好適な実施形態は、直径D(M2)の第2の鏡M2の周辺に配置された環状反射素子10を含んでいる。好適には、環状断面は、全体的なサイズを最小化すべく、鏡M2 D(M2)の直径にほぼ等しい小径Dintを有している。変型例として、素子10は鏡M2に堅牢に固定されている。
【0062】
好適には、外径Dextは、望遠鏡を中心部の被覆を制限しながら、同時に求める監視装置の精度が実現できるように最適化されている。環の幅が狭いほど、監視点の解像度が高くなるが、検出素子が受ける光度は低下する。300mmの鏡M2の設計寸法の一例としては、環状断面が10mm〜20mmの、または典型的には外径Dextが各々Dint+5%〜Dint+15%のオーダーである。
【0063】
発光源Sにより発光された光線が辿る光路は、S/M2/M1/素子10/M1/M2/Sである。
【0064】
反射素子の傾斜は光軸zの両側の発光源SおよびセンサCの相対位置に依存する変数である。視野が1°の望遠鏡の場合、傾斜は0°から1°まで変化し得る。
【0065】
素子10がM2の周辺に配置されている第1実施形態の利点の一つは、鏡M2と一体化することが可能であるという事実である。別の利点は、素子10が安定していて、M1/M2により形成される空腔内での熱流の変化に殆ど影響されないという事実である。
【0066】
図8に示す第2の好適な実施形態は、望遠鏡の入力瞳孔の有効径を減少させる効果を最小限に抑えるべく第1の鏡M1の素子10の近傍に配置された反射素子10を含んでいる。
【0067】
発光源Sから発せられた光線81、82はM2に、次いでM1に、次いでM1の上流に配置された素子10により反射される。発光源Sにより発光された光線が辿る光路はS/M2/M1/素子10/M1/M2/Sである。
【0068】
当該実施形態によれば、素子10は、シーンから到来してM1に入射する最周辺光83、84を遮蔽する。
【0069】
観察されたシーンから到来する光線は光路無限遠/M1/M2/Dを辿る。
【0070】
環状素子10の傾斜は、光軸の両側の発光源SおよびセンサCの相対位置に依存する。例えば、視野が1°の望遠鏡の場合、傾斜は1°以下である。
【0071】
好適には、本実施形態において環状素子10は、鏡M1 D(M1)の直径にほぼ等しい大径Dextを有している。好適には、環状断面の内径Dintは、望遠鏡の有効径に及ぼす影響を低減すべく最小限に抑えられる。更に、環の幅が狭いほど監視点の解像度が高くなるが、検出素子が受ける光度は低下する。直径が3000mmの鏡M1の設計寸法の一例は、厚さが10mm〜40mmの環である。
【0072】
図9に、30mに等しい焦点距離fを有する同一の収束光学素子において、環状瞳孔により形成された画像と全瞳孔により形成された画像との間の依存性を示す。曲線91は直径が1.5mの全瞳孔を用いて得られた回折点911に対応し、曲線92は環の幅が瞳孔の直径の2%に等しい環状瞳孔に対応する回折点912に対応している。エアリー点912(環)の半分の高さにおける幅は、エアリー点911(全瞳孔)の半分の高さにおける幅に近い。環状瞳孔のこの特性は、焦点合わせの変化に追随して修正すべく点の変形の高感度な光学監視を実行するために利用される。別の例によれば、この特性は照準の変化に追随して修正すべく点の移動を監視することである。一変型例として、2種の変化が同時に監視される。
【0073】
一般に、環状反射素子10が薄いほどエアリー点の直径は小さく、この事実により装置の感度が向上する。しかし、薄い環が反射する光の光度は低く、その結果検出器の感度を適合させなければならない。従って、環10の内径Dintおよび外径Dextの寸法はサイズ制約、所望の解像度、および検出器の感度を折衷させたものである。
【0074】
寸法が小さい監視画像11を取得するには、発光源Sは点状またはほぼ点状でなければならない。有利には、発光源は、極めて小さく且つ放出波長の選択肢が広い少なくとも1個の光ファイバーを含んでいる。例えば、光ファイバーの放出寸法は5μm〜100μmである。
【0075】
有利には、当該系は、僅かに焦点がずれた状態で互いに近接する、換言すれば焦点面Pfの近傍に配置されているが必ずしも真ん中にはない2個の光ファイバーを含んでいて、第1のファイバーが光軸に垂直な第1の平面に配置され、第2のファイバーが当該第1の平面に平行であって当該第1の平面に対してずれている第2の平面に配置されているため、2個の焦点がずれた監視画像を生成することができ、それらを組み合せて解析することにより結像系の光学収差の徴候を判定することができる。
【0076】
一変型例によれば、結像系は、本発明による装置を用いて波面監視が動作している場合に動作状態にある。当該変型例は、画像検出器Dとは異なり、且つ画像検出器Dの周辺に配置された検出素子Cを必要とする。発光源は、光学結像系101の迷光のレベルを上げてはならない。有利には、系101にもたらされる迷光を最小化するために、結像系101は可視光範囲の波長で動作し、発光源Sは検出器Dが検出し難い異なる波長で動作する。
【0077】
別の変型例によれば、結像系101が行う観測は、本発明による装置により波面の監視が動作している間に中断される。この変型例は、画像検出器Dの1個に対応する検出素子と整合性を有している。
【0078】
センサCは、監視画像11の光分布を検出可能でなければならない。センサCは、マトリクス検出器、全方位検出器、線形センサ、または位相ダイバーシティセンサであてよい。
【0079】
センサの種類は、監視したい欠陥の種類に依存する。
【0080】
監視方法は、満足であると判断される所与の光学的品質を結像系101が示すときに実行される監視画像11の較正測定と称する第1の測定と、ある期間にわたり系が動作した後で実行される監視画像11の少なくとも第2の測定との比較に基づいている。
【0081】
一変型例として、当該系は第2の測定が実行されている場合に動作状態にある。別の変型例によれば、当該系は、第2の測定が実行されている場合に一時的に中断される。
【0082】
本発明による装置により検出可能な種類の欠陥の第1の例は、焦点ずれ等の波面欠陥である。監視画像の寸法の変化の測定から、波面の品質低下を引き起こす欠陥の存在が推論される。例えば、焦点ずれ欠陥は、第1および第2の測定から検出することができる。
【0083】
本発明による装置により検出可能な種類の欠陥の第2の例は、焦点面Pf内の監視画像11の位置ずれを引き起こす照準の不整合である。監視画像11の位置ずれの測定から配置欠陥の存在が推論される。例えば、不整合は、整列配置された結像系101に対応する第1の測定、および照準の不整合を示す結像系に対応する第2の測定に基づいて検出することができる。監視画像の位置ずれの測定は、検出素子Cとしての全方位検出器の使用と整合性を有している。
【0084】
本発明の別の態様によれば、上述のような光学監視装置を含む光学結像系101もまた提供される。
【0085】
光学結像系101は例えば、衛星に搭載された地球観測用の高解像度望遠鏡(地上解像度20〜50cm)である。本発明による装置を含むそのような系101の焦点面Pfの構成の一例を
図10に示す。画像検出器Dは、複数の線形またはマトリクスセンサD1、D2等を含んでいる。例えば、13μmピッチの6000個の点を有する5個の線形センサを含む網膜は、約50mmの高さhで約500mmの長さLを有している。
【0086】
シーンの走査方向はx軸に沿っている。本発明による装置1の発光源Sおよび検出素子Cは、
図10に示すように焦点面Pfの光軸zの両側に配置されている。
【0087】
有利には、
図11に示す結像系110は能動的であって、更に、光学結像系110の変更を実現可能なアクチュエータ112を、1個以上の監視画像解析により識別された欠陥を少なくとも部分的に修正するように制御すべく設計された制御装置111を含んでいる。
【0088】
例えば、
図11に、上述のように第1の鏡M1および第2の鏡M2を含む能動的の結像系110を示す。測定される欠陥の種類は焦点ずれを含み、アクチュエータ112は、焦点ずれを修正するように、光学素子、例えば第2の鏡M2の移動を命令すべく設計されている。
【0089】
当該処理は、アクチュエータの各々の移動について、監視画像が所定の寸法または先に記録された較正画像と同様の寸法に達するまで、監視画像11の測定を行うことにより、ループに従い反復的に実行することができる。
【0090】
有利には、
図12に示す結像系120は能動的であって、本発明による装置により例えば全方位検出器等の検出素子Cを用いて検出される欠陥は照準の不整合を含んでいる。照準の変化により、検出器Cが受け取る監視画像に偏心が生じる。検出素子に結合された解析手段が移動の幅および方向を識別する。結像系120は更に、不整合を修正すべく照準を角度的に修正するように回転可能な鏡M
tt型(または業界用語では可動鏡)のアクチュエータを制御すべく設計された制御装置113を含んでいる。移動鏡M
ttは好適には結像系の射出瞳に配置されている。
【0091】
当該処理は、鏡M
ttの各々の移動について、監視画像が中心に配置されるまで、監視画像11を中心への配置の測定を実行することにより、ループに従い反復的に実行することができる。閉ループ制御の帯域幅は、修正したい干渉効果の周波数に適合されていなければならない。
【0092】
一変型例として、能動光学結像系において2種のループが実行され、欠陥は照準の焦点ずれおよび不整合を含んでいる。一実施形態によれば、2個のループにおいて発光源SおよびセンサCは共通である。
【0093】
別の実施形態によれば、当該系は、一方が波面の監視用、他方が照準の監視用である2個の専用センサCを含んでいる。